JP2853664B2 - 磁気抵抗効果膜及びこれを用いた磁気抵抗効果素子 - Google Patents

磁気抵抗効果膜及びこれを用いた磁気抵抗効果素子

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    • H01F10/3281Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn only by use of asymmetry of the magnetic film pair itself, i.e. so-called pseudospin valve [PSV] structure, e.g. NiFe/Cu/Co

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気センサや薄膜
磁気ヘッド等に用いられる、磁気抵抗効果膜及びこれを
用いた磁気抵抗効果素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】印加磁場により抵抗が変化する磁気抵抗
効果を利用した磁気抵抗効果素子は、磁場検出用センサ
ーや磁気ヘッド等に用いられている。従来、磁気抵抗効
果素子としては、パーマロイを中心とした磁性合金薄膜
が用いられている。この磁気抵抗効果素子は、電流方向
と磁化方向の相対角度に依存して生じる抵抗の差を利用
したものであるが、磁気抵抗変化量が3〜4%程度と小
さく、高感度化のためには、磁気抵抗変化量の大きな材
料が望まれている。これに対して、近年、新しい磁気抵
抗効果膜として次の2種類が注目されている。
【0003】その一つは、パーマロイ等の軟磁性層を銅
(Cu)等の非磁性層で分離し、一方の軟磁性層に交換
バイアス磁場を印加するための磁性層(交換バイアス
層)を設けて、それに隣接する軟磁性層(ピン層と呼
ぶ。これに対し、もう一方の軟磁性層をフリー層と呼
ぶ。)の磁化を一定方向に固定した構造を持つスピンバ
ルブ膜である。このスピンバルブ膜の示す磁気抵抗効果
は、フリー層の磁化方向と固定されたピン層の磁化方向
が磁場の印加によって反平行な配列から平行な配列に変
化することによって生じ、室温において10%に近い磁
気抵抗変化を示す。交換バイアス層としては反強磁性体
である鉄マンガン合金が当初から使われているが、その
耐腐食性やブロッキング温度が低いことから、実用上問
題があった。この問題点を解決する手段として、交換バ
イアス層に酸化物系反強磁性体である酸化ニッケルを用
いる方法(特開平7−220246号公報)や、交換バ
イアス層をなくし、ピン層に硬質磁性体であるコバルト
(Co)を用いる方法(日本応用磁気学会第88回研究
会資料、88−2,1995年1月)が知られている。
後者の方法は、コバルトの保磁力が小さいため、数十エ
ルステッドから数百エルステッドの外部磁界の影響によ
って固定していたピン層の磁化方向が変わってしまうと
いう欠点がある。
【0004】もう一つは、コバルト(Co)、鉄(F
e)等の強磁性体と銅(Cu)、クロム(Cr)等の非
磁性体を数ナノメーターの周期で交互に積層した人工格
子(多層)膜である。この人工格子膜の示す磁気抵抗効
果は、非磁性層を介して隣り合う強磁性層の磁化が磁場
の印加によって反強磁性配列から強磁性配列に変化する
ことによって生じ、室温において10%を越える磁気抵
抗変化を示す。人工格子膜としては、(Co/Cu)、
(Fe/Cr)、(パーマロイ/Cu/Co/Cu)等
が知られている。しかし、人工格子膜は、磁気抵抗の飽
和する飽和磁場HS が、パーマロイの数エルステッド
(Oe)に対し、数kOe〜10kOeと大きいため、
磁場感度の必要とされる磁気センサーや磁気ヘッドに人
工格子膜を適用することは困難であった。そこで、人工
格子膜の大きな磁気抵抗効果変化量を保ちつつ、その飽
和磁場を小さくするための手段として、膜面内に一軸磁
気異方性を導入することが提案されている。例えば、F
e/Cr人工格子膜の成膜時に永久磁石により膜面内に
100Oe程度の磁場を印加し、膜面内に一軸磁気異方
性を導入する方法(特開平4−212402号公報)
や、(110)方位のFe/Cr人工格子膜に生ずる微
細構造による形状磁気異方性により膜面内に一軸磁気異
方性を導入する方法(ジャーナル・アプライド・フィジ
クス(J.Appl.Phys.) 第73巻、3922頁、1933
年)が知られている。後者の方法は、Fe/Cr人工格
子膜にしか適用できない欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、交換
バイアス層として反強磁性体である鉄マンガン合金を用
いるスピンバルブ膜、又は交換バイアス層をなくしピン
層に硬質磁性体を用いるスピンバルブ膜は、耐腐食性や
ブロッキング温度が低い、又は外部磁界の影響によって
固定していたピン層の磁化方向が変わってしまうという
欠点を有しており、製品化に適さないという問題点があ
った。また、微細構造を有する(110)方位のFe/
Cr人工格子膜は、大きな磁気抵抗変化量を保ちながら
飽和磁場を小さくできるものの、他の人工格子膜に応用
できないという問題点があった。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、磁場感度の高い磁気抵
抗効果膜及びこれを用いた磁気抵抗効果素子を提供する
ことにある。本発明の他の目的は、耐腐食性に優れ、か
つ、外部磁界の影響を受けない磁気抵抗効果膜及びこれ
を用いた磁気抵抗効果素子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の磁気抵抗
効果膜は、図1に示すように、基板上に、スピノーダル
分解を起こした磁性元素と非磁性元素からなる合金層、
非磁性層、軟磁性層により構成される。磁性元素と非磁
性元素とからなる合金は、図2に示すように、基板面に
平行な磁場中でスピノーダル分解させることにより、磁
場を印加した方向に析出成長した磁性粒子をもち、この
析出成長方向を磁化容易軸とする一軸磁気異方性と強い
保磁力とを有する。
【0008】本発明の第二の磁気抵抗効果膜は、図3に
示すように、基板、スピノーダル分解を起こした磁性元
素と非磁性元素とからなる合金層、及び磁性層と非磁性
層とを交互に集積させた人工格子膜により構成される。
磁性元素と非磁性元素とからなる合金層は、図2に示す
ように、基板面に平行な磁場中でスピノーダル分解させ
ることより、磁場を印加した方向に析出成長した磁性粒
子を持ち、この析出成長方向を磁化容易軸とする一軸磁
気異方性を有する。
【0009】本発明の第三の磁気抵抗効果膜は、図4に
示すように、基板、及びスピノーダル分解を起こす磁性
元素と非磁性元素とを交互に積層させた人工格子膜によ
り構成される。磁性層と非磁性層との界面領域は、図5
に示すように、基板面に平行な磁場中でスピノーダル分
解させることにより、磁場を印加した方向に析出成長し
た磁性粒子を持ち、この析出成長方向を磁化容易軸とす
る一軸磁気異方性を有する。
【0010】次に、本発明の作用について説明する。
【0011】コバルト(Co)と銅(Cu)のような非
混和性の2元素を高温での混合液体状態から冷却する
と、2相に分離して組成ゆらぎを生じ始める。この組成
ゆらぎには、2元素の最初の混合比と温度で決まる最低
波長が存在し、最低波長より大きな波長を持った組成ゆ
らぎのみが成長する。このような分解機構を特にスピノ
ーダル分解という。スピノーダル分解は、融点以下の固
相反応でも起こるので、スピーノダル分解を起こす磁性
元素と非磁性元素とからなる合金を磁場中で長時間焼鈍
すると、組成ゆらぎによって析出した磁性元素が磁場を
かけた方向に成長し、非常に細長い軸状の磁性微粒子が
できる。成長が進むと、その軸径は数ナノメートル(n
m)、軸長は数ミクロン(μm)にもなるので、この磁
性微粒子は、成長方向すなわち焼鈍中に磁場を印加した
方向を磁化容易軸とする非常に強い一軸磁気異方性を持
った単磁区粒子になる。十分に細長い単磁区磁性粒子の
一軸異方性定数K(erg/cc) は、磁性粒子の自発磁化を
S (emu/cc)とすると、K=πMS 2 で表されるので、
その磁化容易軸方向について期待される最大の保磁力H
c (Oe)は、単磁区磁性微粒子の論理により、Hc
2K/MS =2πMSとなる。鉄(Fe)やコバルトで
は、室温でMS 〜103 (emu/cc)なので、十分に細長い
単磁区粒子になると、K〜106 (erg/cc) 、Hc 〜1
3 (Oe)にも達することになる。従って、スピノー
ダル分解により一軸方向に析出成長した磁性微粒子を有
する合金は、強い保磁力と大きな磁気異方性を持つこと
になる。合金の一軸異方性定数KA (erg/cc)は、単磁区
磁性微粒子の平均体積をv、平均密度をρとしてKA
Kvρと見積もれる。
【0012】上述のことを利用して、本発明は次の3種
類の作用を奏する。
【0013】第一に、スピノーダル分解した合金層上に
非磁性層を介して軟磁性層を形成すると、合金層の磁化
が、その保磁力により、磁化容易軸方向に固定されたス
ピンバルブ膜ができる。スピノーダル分解した合金層の
保磁力は非常に強くできるので、外部磁界の影響を受け
ない安定なスピンバルブ膜を得ることができる。
【0014】第二に、スピノーダル分解した合金層上に
磁性層と非磁性層とを交互に積層させた人工格子膜を形
成すると、合金層の磁化容易軸方向と同じ方向を容易軸
とする誘導磁気異方性が人工格子膜内にも生じ、この磁
化容易軸方向に磁場を印加した時、人工格子膜の磁気抵
抗の飽和磁場が最も小さくなる。これにより、磁場感度
の高い人工格子膜を得ることができる。
【0015】第三に、スピノーダル分解を起こす磁性元
素と非磁性元素とを交互に積層させた人工格子膜を形成
し、磁性層と非磁性層の界面に平行な磁場中で焼鈍する
と、界面領域で非磁性粒子と混じって分布する磁性粒子
が磁場方向に析出成長して、磁場方向を磁化容易軸とす
る誘導磁気異方性が人工格子膜に生じる。この磁化容易
軸方向に磁場を印加した時、人工格子膜の磁気抵抗の飽
和磁場が最も小さくなる。これは、界面で磁性元素と非
磁性元素とを技術的に完全に分離できないことを逆手に
利用したものであり、磁性層と非磁性層との間に磁性元
素と非磁性元素のと合金層を薄く形成しても同じ効果が
得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第一実施形態につ
いて図面を参照して詳細に説明する。図1及び図2は、
本発明の第一実施形態における磁気抵抗効果膜の概略図
である。図1では、基板1上に、スピノーダル分解を起
こした磁性元素と非磁性元素からなる合金層2が形成さ
れ、この上に、非磁性層3を介して軟磁性層4が形成さ
れている。合金層2は、図2に示すように、基板1に平
行な一軸方向に析出成長した磁性粒子5をもち、成長方
向を磁化容易軸とする一軸磁気異方性を持つ。一度析出
成長した磁性粒子5は合金層2を融解させない限り消滅
することはないので、合金層2に一度生じた磁気異方性
は非常に安定である。析出成長が進んで、磁性粒子5が
単磁区粒子となり、その一軸異方性定数が自発磁化の平
方に匹敵するほど大きくなると、磁化容易軸方向に磁場
を印加したときの保磁力は自発磁化なみの大きさとな
る。合金層2を構成する元素は、スピノーダル分解を起
こす磁性元素と非磁性元素との組み合わせで、耐腐食性
に優れ、かつ析出する磁性粒子5の自発磁化が大きいも
のを選ぶべできである。例えば、アルニコ5(14Ni-24C
o-8Al-3Cu-51Fe(wt%)合金) 、60Cu-20Ni-20Fe(wt
%)合金、銅コバルト合金(Cu1-X CoX ) 等が好ま
しい。より詳細には、銅コバルト合金が好適である。構
成元素が少ないため、成膜が容易なのに加えて、それ自
身磁気抵抗効果も持つからである。
【0017】合金層2のスピノーダル分解は、基板1に
合金層2を形成した後、200℃〜800℃で、基板面
に平行な磁場中で真空焼鈍することによって行う。印加
する磁場の大きさはなるべく大きい方が良いが、2キロ
エルステッド(kOe)もあれば十分である。スピノー
ダル分解によって合金層2に生じる磁気異方性は、焼鈍
温度が高く、焼鈍時間が長くなるほど大きくなるが、保
磁力は、ある最適の焼鈍温度と焼鈍時間とで最大とな
る。これは、スピノーダル分解が進んで、磁性粒子5が
非常に小さくなると、熱擾乱によって磁性粒子5の磁化
反転が容易になる(超常磁性)からだと考えられる。こ
のスピノーダル分解した合金層2上に非磁性層3を介し
て保磁力の小さい軟磁性層4を形成し、合金層2の磁化
容易軸方向に磁場を印加して、合金層2の保磁力以下の
大きさで磁場を掃引すると、合金層2の磁化が磁化容易
軸方向に固定されたまま、軟磁性層4の磁化の向きだけ
が変わる。合金層2の磁化方向の軟磁性層4の磁化方向
が磁場の掃引によって反平行な配列から平行な配列に変
化すると、磁気抵抗は最大から最小に減少する。磁気抵
抗の変化量は、合金層2の焼鈍温度が高く、焼鈍時間が
長くなると減少する。これは、焼鈍とともに合金層2の
表面の凹凸が激しくなるため、合金層2上に形成された
非磁性層3と軟磁性層4の平坦性が低下するからだと考
えられる。
【0018】次に、本発明の第一実施形態の実施例につ
いて図面を参照して詳細に説明する。
【0019】以下に説明する実施例では、図6に示した
磁場中焼鈍のできるイオンビームスパッタ装置を用い
た。図6において、スパッタ装置の真空チャンバー内に
は、銅ターゲット8aを装着した回転ターゲット台9
a、コバルトターゲット8bとパーマロイターゲット8
cを装着した回転ターゲット台9b、イオンガン10
a、10b、仕切り板11、基板をマウントした基板ホ
ルダ12、基板加熱用ヒータ13、スパッタ速度をモニ
ターするための水晶振動子膜厚計14a、14b、スパ
ッタターゲットからのスパッタ粒子線束の開閉を行うた
めのシャッタ15a、15b、真空ゲージ16、基板上
に成長した膜の表面構造評価を行うための反射高速電子
線回析(RHEED)用の電子銃17及び蛍光スクリー
ン18を備え、ゲートバルブ19を通してクライオポン
プ20により真空排気される。到達真空度は1×10-7
トール、スパッタ時の真空度は1×10-4トールであ
る。真空チャンバーの外側には、基板ホルダ12に平行
に磁場を印加するためのヘルムホルツコイル21が設置
されている。その最大印加可能磁場は2キロエルステッ
ド(kOe)である。焼鈍時の真空度は1×10-7トー
ル、焼鈍以外の成膜は室温で行ない、膜成長速度は0.
1nm/sとした。 磁気抵抗は、リソグラフィーによ
り作製したパターンを用い、室温で磁場を膜面に平行に
印加し、直流4端子法により測定した。磁化は、振動試
料型磁力計を用いて室温で測定した。
【0020】〔実施例1〕本実施例では銅コバルト合金
(Cu1-X CoX )用いて行った。Cu1-1XCoの成膜
は、銅ターゲット上にコバルトチップを置いてスパッタ
することによって行ない、コバルト組成xはコバルトチ
ップの量を変えることによって調節した。熱酸化シリコ
ン基板上に銅コバルト合金を10nm成膜した後、40
0℃〜600℃で1時間〜50時間、基板面に平行な磁
場(2kOe)中で真空焼鈍を行って、合金層に生じた
誘導磁気異方性について調べたところ、図7に示すよう
な結果が得られた。誘導磁気異方性の大きさ(一軸異方
性定数)は、コバルト粒子の析出方向に20キロエルス
テッドの磁場で飽和磁化させた銅コバルト合金層を基板
に平行な磁場中で回転して測定したトルク曲線の振幅か
ら求めた。図7で、試料番号6,10,12,16及び
18の異方性定数は、焼鈍時間を50時間(3000
分)まで延ばしても変わらなかったので、それらが各組
成比での最大飽和値と考えられる。コバルトの組成比x
が増えれば、析出する磁性微粒子の密度も増えるので、
x=0.5のとき、異方性定数が最も大きくなるはずだ
が、実際は、x=0.3のときと同じ値である。これは
x=0.5の方が磁性微粒子の軸径が大きくなって、そ
の形状磁気異方性がx=0.3のそれより小さくなるか
らだと考えられる。試料番号3,5,9,11,15及
び17を比べるとわかるように、同じ焼鈍時間(100
分)では、焼鈍温度が高いほど異方性定数が大きい。こ
れは、焼鈍温度が高いほど、コバルト粒子の析出成長速
度が大きいことを示している。焼鈍温度が400℃のと
きは、焼鈍時間を50時間まで延ばしても異方性定数が
飽和しないことから、コバルト粒子の析出成長が非常に
遅くなっていることがわかる。
【0021】〔実施例2〕実施例1で示した銅コバルト
合金層(試料番号1〜18)について、その磁化容易軸
方向に磁場を印加したときの保磁力について調べたとこ
ろ、図8に示すような結果が得られた。単磁区磁性微粒
子の理論によれば、保磁力は、異方性定数に比例する
が、図8からわかるように、どのコバルト組成xでも、
焼鈍温度500℃、焼鈍時間1000分のとき、保磁力
が最も強くなっていて、焼鈍温度600℃、焼鈍時間1
000分では、異方性定数が一定または増加しているの
に対して保磁力が減少している。これは、スピノーダル
分解が進んで、磁性粒子が非常に小さくなったため、熱
擾乱による磁性粒子の磁化反転が起こりやすい状態(超
常磁性)になったからだと考えられる。試料番号10
(コバルト組成比xが0.3、焼鈍温度が500℃、焼
鈍時間が1000分)の磁化容易軸方向とそれに垂直な
面内方向(磁化困難軸方向)及び磁化容易軸方向と磁化
困難軸方向の間の方向(45°方向)に磁場を印加した
場合の磁化曲線を図9に示す。図9からわかるように、
磁化容易軸方向で保磁力が最も強くなっている。
【0022】〔実施例3〕図7の条件でスピノーダル分
解した銅コバルト合金層上に、銅を2.5nm形成し、
さらに、パーマロイを10nm形成して、磁気抵抗の変
化量の試料依存性を調べた。磁気抵抗測定は、銅コバル
ト合金層の磁化容易軸方向に磁場を印加して、合金層の
保磁力以下の大きさで磁場を掃引することにより行な
い、銅コバルト合金層(ピン層)の磁化方向と、パーマ
ロイ膜(フリー層)の磁化方向とが平行な配列から反平
行な配列に変化する時の磁気抵抗の変化率を調べた。そ
の結果を図10に示す(試料番号は図7に対応して1’
〜18’とする。)。ここで、磁気抵抗変化率(%)
は、磁場0のときの抵抗値RO から磁気抵抗が飽和した
ときの抵抗値RS を差し引いた値とRS との比(RO
S )×100/RS である。RO <RS のときは、そ
の絶対値をとる。図10からわかるように、磁気抵抗変
化率は、焼鈍温度が高く、焼鈍時間が長くなると減少す
る。これは、焼鈍とともに銅コバルト合金層の表面の凹
凸が激しくなるため、合金層上に形成された非磁性層と
軟磁性層の平坦性が低下するからだと考えられる。しか
しながら、保磁力の最も強い試料番号10’の磁気抵抗
変化率(3.5%)は、硬質磁性体であるコバルト膜上
に銅膜を介してパーマロイ膜を形成した場合の値(4
%)とほぼ同等の性能である。従って、この磁気抵抗効
果膜から、外部磁界の影響を受けない安定な磁気抵抗効
果(スピンバルブ)素子を得られることがわかる。
【0023】〔実施例4〕本実施例では、合金層にアル
ニコ5(14Ni−24Co−8Al−3Cu−51F
e(wt%)合金)を用いた。アルニコ5の成膜は、ア
ルニコ5のターゲットをスパッタすることによって行っ
た。熱酸化シリコン基板上にアルニコ5合金を10nm
成膜した後、基板面に平行な磁場(2kOe)中で80
0℃30分間真空焼鈍を行った後、さらに、500℃〜
600℃で1時間〜50時間、真空焼鈍を行った。この
とき、合金層に生じた誘導磁気異方性と保磁力について
調べたところ図11に示すような結果が得られた。誘導
磁気異方性の大きさ(一軸異方性定数)は、磁性粒子
(鉄コバルト合金)の析出方向に20キロエルステッド
の磁場で飽和磁化させたアルニコ5合金層を、基板に平
行な磁場中で回転して測定したトルク曲線の振幅から求
めた。保磁力の測定は、磁化容易軸方向に磁場を印加し
たときの磁化曲線から求めた。図11からわかるよう
に、焼鈍温度が高く、焼鈍時間が長くなるほど、異方性
定数と保磁力は大きくなるが、その最大値は、コバルト
合金層のそれと比較して半分以下しかない。アルニコ5
の析出粒子(鉄コバルト合金)の自発磁化(約1700
ガウス)はコバルト合金のそれ(1400ガウス)より
大きいので、本来ならば、異方性定数や保磁力も大きく
なるはずだが、そうならないのは、アルニコ5合金層内
の磁性粒子の析出密度がほぼ1に近いために、隣接する
磁性粒子の磁極が打ち消されてしまうからだと考えられ
る。このように、アルニコ5では、合金中の磁性元素の
含有量が決まっているために、析出粒子の密度を調節で
きないのが難点である。
【0024】〔実施例5〕図11の条件でスピノーダル
分解したアルニコ5合金層上に、銅を2.5nm形成
し、さらに、パーマロイを10nm形成して、磁気抵抗
の変化量の試料依存性を調べた。磁気抵抗測定は、アル
ニコ5合金層の磁化容易軸方向に磁場を印加して、合金
層の保磁力以下の大きさで磁場を掃引することにより、
行い、アルニコ5(ピン層)の磁化方向と、パーマロイ
膜(フリー層)の磁化方向とが平行な配列から反平行な
配列に変化する時の磁気抵抗の変化率を調べた。その結
果を図12に示す(試料番号は図11に対応して19’
〜27’とする)。実施例3と比較して焼鈍温度が高い
こともあり、最大飽和磁場での磁気抵抗変化率は、より
小さくなっている。
【0025】〔実施例6〕本実施例では、合金層に60
Cu−20Ni−20Fe(wt%)合金を用いた。6
0Cu−20Ni−20Fe(wt%)合金の成膜は、
60Cu−20Ni−20Fe(wt%)合金のターゲ
ットをスパッタすることによって行った。熱酸化シリコ
ン基板上に60Cu−20Ni−20Fe(wt%)合
金を10nm成膜した後、400℃〜600℃で1時間
〜50時間、基板面に平行な磁場(2kOe)中で真空
焼鈍を行った。このとき、合金層に生じた誘導磁気異方
性と保磁力について調べたところ、図13に示すような
結果が得られた。誘導磁気異方性の大きさ(一軸異方性
定数)は、磁性粒子(鉄ニッケル合金)の析出方向に2
0キロエルステッドの磁場で飽和変化させた60Cu−
20Ni−20Fe(wt%)合金層を、基板に平行な
磁場中で回転して測定したトルク曲線の振幅から求め
た。保磁力の測定は、磁化容易軸方向に磁場を印加した
ときの磁化曲線から求めた。図13で、試料番号33の
異方性定数は、焼鈍時間を50時間(3000分)まで
延ばしても変わらなかったので、最大飽和値と考えられ
る。異方性定数や保磁力の最大値は、実施例1や実施例
4と比較して非常に小さい。これは、析出磁性粒子(鉄
ニッケル合金)がもともと軟磁性体であることの他に、
磁性粒子が単磁区構造をとりにくいからだと考えられ
る。
【0026】次に、本発明の第二実施形態について図面
を参照して詳細に説明する。図3は、本発明の第二実施
形態における磁気抵抗効果膜の概略図である。基板1上
に、スピノーダル分解を起こした磁性元素と非磁性元素
からなる合金層2が形成され、この上に、磁性層6と非
磁性層7を交互に積層した人工格子膜が形成されてい
る。合金層2は、図2に示すように、基板1に平行な一
軸方向に析出成長した磁性粒子5を持ち、成長方向を磁
化容易軸とする一軸磁気異方性を持つ。合金層2の上に
形成された人工格子膜の磁性層6には、合金層2と同じ
方向を磁化容易軸とする誘導磁気異方性が生じ、この容
易軸方向に磁場を印加した時、人工格子膜の磁気抵抗の
飽和する磁場が最も小さくなる。飽和磁場は、合金層2
の磁気異方性が大きいほど小さくなるが、磁気抵抗の変
化量は、合金層2の焼鈍温度が低く、焼鈍時間の短い方
が大きくなる。これは、焼鈍温度が高いほど、また、焼
鈍時間が長くなるほど、合金層2の表面の凹凸が激しく
なるため、合金層2上に形成された人工格子膜の平坦性
が低下するからだと考えられる。磁気抵抗の変化量は印
加磁場方向に依存しないが、飽和磁場は、磁化容易軸方
向に磁場を印加した場合、磁化困難軸方向に印加した場
合より最大で2桁近く減少する。
【0027】次に、本発明の第二実施形態の実施例につ
いて詳細に説明する。 〔実施例7〕スピノーダル分解を起こす磁性元素と非磁
性元素からなる合金層は、実施例1と同様に銅コバルト
合金(Cu1-X CoX )膜を採用した。熱酸化シリコン
基板上に銅コバルト合金を10nm成膜した後、図7と
同じ条件で磁場中焼鈍した試料を作成し(試料番号は図
7に対応して1”〜18”とする)、各々の上に、2n
mのコバルト(Co)と1nmの銅(Cu)を交互に3
0回積層させた人工格子(以下[Co(2nm)/Cu
(1nm)]30と記す。)を形成した。20キロエルス
テッドの磁場でコバルト粒子の析出方向に飽和磁化させ
た後、生じた誘導磁気異方性の磁化容易軸方向に磁場を
印加して、磁気抵抗変化率及び飽和磁場の試料依存性を
調べた。その結果を図14に示す。図14からわかるよ
うに、異方性定数が最大の時(試料番号10”,1
2”,16”及び18”)、飽和磁場が最小になる(5
0Oe)が、磁気抵抗変化率は、焼鈍温度が低く、か
つ、焼鈍時間の短い方が大きい。これは、焼鈍温度が高
い程、また、焼鈍時間が長くなる程、焼鈍中に銅コバル
ト合金層の表面に発生する凹凸の起伏が激しくなるた
め、合金層上に形成された人工格子膜の平坦性が低下し
て、[Co(2nm)/Cu(1nm)]30のCo層間
の磁気カップリングが弱まるためであると考えられる。
試料番号10”(コバルトの組成比xが0.3、焼鈍温
度が500℃、焼鈍時間が1000分)の磁化容易軸方
向とそれに垂直な面内方向(磁化困難軸方向)に磁場を
印加した場合の磁化曲線と磁気抵抗曲線を図15と図1
6にそれぞれ示す。図16からわかるように、磁気抵抗
変化率は印加磁場方向に依存しないが、磁気抵抗が飽和
する磁場は、図15の磁気異方性の差を反映して、磁化
容易軸方向に磁場を印加した場合に、磁化困難軸方向に
印加した場合より2桁近く減少している。
【0028】次に、本発明の第三実施形態について図面
を参照して詳細に説明する。図4は、本発明の第三実施
形態における磁気抵抗効果膜の概略図である。基板1上
に、スピノーダル分解を起こす磁性元素と非磁性元素と
の組み合わせで、磁性層8と非磁性層9とを交互に積層
した人工格子膜が形成されている。スピノーダル分解を
起こした磁性層8と非磁性層9の界面10領域は、図5
に示すように、界面10に平行な一軸方向に析出成長し
た磁性粒子5をもち、成長方向を磁化容易軸とする一軸
磁気異方性を持つ。スピノーダル分解を起こす磁性元素
と非磁性元素は、交互に積層したとき磁気抵抗効果を示
すものを選ばねばならない。例えば、パーマロイ(Ni
−Fe)と銅(Cu)、コバルト(Co)と銅等であ
る。より詳細には、人工格子を形成したとき、磁気抵抗
の変化量が最も大きくなるコバルトと銅の組み合わせが
好適である。
【0029】分析用透過型電子顕微鏡を用いて、人工格
子膜の層断面の組成分析を行うと、どんなに理想的な条
件で成膜しても、磁性元素と非磁性元素が混合している
領域が、磁性層8と非磁性層9の界面10の数オングス
トローム近傍に存在することがわかる。従って、この人
工格子膜を400℃〜600℃で基板面に平行な磁場中
で真空焼鈍すると、界面10の近傍領域で磁性粒子5が
一軸方向に析出成長することになる。印加する磁場の大
きさはなるべく大きい方が良いが、2キロエルステッド
(kOe)もあれば十分である。人工格子膜の磁性層8
には、界面10の近傍領域と同じ方向を磁化容易軸とす
る一軸磁気異方性が生じ、この容易軸方向に磁場を印加
した時、人工格子膜の磁気抵抗の飽和する磁場が最も小
さくなる。飽和磁場は、磁気異方性が大きいほど小さく
なるが、磁気抵抗の変化量は、人工格子膜の焼鈍温度が
低く、焼鈍時間の短い方が大きくなる。これは、焼鈍温
度が高いほど、また、焼鈍時間が長くなるほど、人工格
子膜の界面の平坦性が低下するからだと考えられる。磁
気抵抗の変化量は印加磁場方向に依存しないが、飽和磁
場は、磁化容易軸方向に磁場を印加した場合、磁化困難
軸方向に印加した場合より最大で2桁近く減少する。人
工格子膜の磁性層8と非磁性層9の間に磁性元素と非磁
性元素の合金層を薄く形成してスピノーダル分解した場
合には、合金層がない場合よりも大きな一軸磁気異方性
が得られるが、磁気抵抗の変化量は小さくなる。これ
は、合金層の形成により、磁性層間の磁気カップリング
が弱まるからだと考えられる。
【0030】次に、本発明の第三実施形態の実施例につ
いて詳細に説明する。 〔実施例8〕スピノーダル分解を起こす磁性元素と非磁
性元素の組み合わせとしては、人工格子を形成したとき
に最大の磁気抵抗効果を持つコバルトと銅を採用した。
熱酸化シリコン基板上に2nmのコバルト(Co)と1
nmの銅(Cu)を交互に30回積層させた人工格子
(以下[Co(2nm)/Cu(1nm)]30と記
す。)を形成した後、400℃〜600℃で1時間〜5
0時間、基板面に平行な磁場(2kOe)中で真空焼鈍
を行って、人工格子膜に生じた誘導磁気異方性について
調べたところ図17に示すような結果が得られた。誘導
磁気異方性の大きさ(一軸異方性定数)は、コバルト粒
子の析出方向に20キロエルステッドの磁場で飽和磁化
させた人工格子膜を基板に平行な磁場中で回転して測定
したトルク曲線の振幅から求めた。図17からわかるよ
うに、スピノーダル分解によって合金層に生じる磁気異
方性は、焼鈍温度が高く、また、焼鈍時間が長くなるほ
ど大きくなり、最大飽和値も、銅コバルト合金層をスピ
ノーダル分解した実施例1の場合と同じである。これ
は、コバルト粒子の析出領域が界面の近傍領域に限られ
ていることと、界面が磁性層に隣接していることの相殺
効果によるものと考えられる。次に、一軸磁気異方性の
磁化容易軸方向に磁場を印加して、磁気抵抗変化率及び
飽和磁場の試料依存性を調べた。その結果を図18に示
す。図18からわかるように、飽和磁場は、焼鈍温度が
高く、焼鈍時間が長いほど小さくなるが、それに比例し
て、磁気抵抗変化率も減少してしまう。これは、焼鈍中
に界面の平坦性が低下し、[Co(2nm)/Cu(1
nm)]30のCoの層間の磁気カップリングが弱まるた
めであると考えられる。
【0031】
【発明の効果】第一の効果は、磁場感度の高い人工格子
膜(磁気抵抗効果膜)及びこれを用いた磁気抵抗効果素
子を得ることができるということである。その理由は、
スピノーダル分解により異方的に析出成長した磁性粒子
が強い一軸磁気異方性を持つためである。
【0032】第二の効果は、外部磁界の影響を受けない
スピンバルブ膜(磁気抵抗効果膜)及びこれを用いた磁
気抵抗効果素子を得ることができるということである。
その理由は、スピノーダル分解により異方的に析出成長
した磁性単磁区微粒子がその磁化容易軸方向に磁場をか
けたときに強い保磁力を持つためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態における磁気抵抗効果膜を示す概
略図である。
【図2】第一実施形態における磁気抵抗効果膜の一部を
示す概略図である。
【図3】第二実施形態における磁気抵抗効果膜を示す概
略図である。
【図4】第三実施形態における磁気抵抗効果膜を示す概
略図である。
【図5】第三実施形態における磁気抵抗効果膜の一部を
示す概略図である。
【図6】実施例で用いたスパッタ装置の概略図である。
【図7】実施例1における磁気抵抗効果膜の特性を示す
図表である。
【図8】実施例2における磁気抵抗効果膜の特性を示す
図表である。
【図9】実施例2における磁気抵抗効果膜の磁化曲線を
示すグラフである。
【図10】実施例3における磁気抵抗効果膜の特性を示
す図表である。
【図11】実施例4における磁気抵抗効果膜の特性を示
す図表である。
【図12】実施例5における磁気抵抗効果膜の特性を示
す図表である。
【図13】実施例6における磁気抵抗効果膜の特性を示
す図表である。
【図14】実施例7における磁気抵抗効果膜の特性を示
す図表である。
【図15】実施例7における磁気抵抗効果膜の磁化曲線
を示すグラフである。
【図16】実施例7における磁気抵抗効果膜の磁気抵抗
曲線を示すグラフである。
【図17】実施例8における磁気抵抗効果膜の特性を示
す図表である。
【図18】実施例8における磁気抵抗効果膜の特性を示
す図表である。
【符号の説明】
1 基板 2 合金層 3 非磁性層 4 軟磁性層 5 磁性粒子 6,8 磁性層 7,9 非磁性層 10 磁性層と非磁性層との界面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 43/08 G11B 5/39 H01F 10/08 H01L 43/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピノーダル分解により析出した一方向
    にそろった針状の磁性粒子を有する合金層が基板上に設
    けられ、前記合金層上に非磁性層を介して軟磁性層を積
    層したことを特徴とする磁気抵抗効果膜。
  2. 【請求項2】 スピノーダル分解により析出した一方向
    にそろった針状の磁性粒子を有する合金層が基板上に設
    けられ、前記合金層上に磁性層と非磁性層とを交互に積
    層させた人工格子膜が設けられたことを特徴とする磁気
    抵抗効果膜。
  3. 【請求項3】 スピノーダル分解を起こす磁性元素と非
    磁性元素とを基板上に交互に積層させた人工格子膜を有
    し、かつ当該磁性元素と当該非磁性元素との界面領域
    に、スピノーダル分解により析出した一方向にそろった
    針状の磁性粒子が設けられたことを特徴とする磁気抵抗
    効果膜。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の磁気抵抗効果
    膜を用い、前記スピノーダル分解によって生じた一軸磁
    気異方性の磁化容易軸方向と平行に磁場を印加する手段
    を有することを特徴とする磁気抵抗効果素子。
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