JP2017085059A - 化合物半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】化合物半導体層2と、アルミニウムを含有する、オーミック電極である
ソース電極4及びドレイン電極5と、ソース電極4及びドレイン電極5の上面から側面に架けて覆う、アルミニウム化合物を含有する保護膜6とを有する。
【選択図】図4
Description
なお、以下の図面において、図示の便宜上、相対的に正確な大きさ及び厚みに示していない構成部材がある。
本実施形態では、化合物半導体装置としてショットキー型のAlGaN/GaN・HEMTを開示する。
図1〜図4は、第1の実施形態によるショットキー型のAlGaN/GaN・HEMTの製造方法を工程順に示す概略断面図である。
成長用基板としては、SiC基板の代わりに、Si基板、サファイア基板、GaAs基板、GaN基板等を用いても良い。また、基板の導電性としては、半絶縁性、導電性を問わない。
化合物半導体層2は、バッファ層2a、電子走行層2b、中間層2c、電子供給層2d、及びキャップ層2eを有して構成される。AlGaN/GaN・HEMTでは、電子走行層2bの電子供給層2d(正確には中間層2c)との界面近傍に2次元電子ガス(2DEG)が生成される。
ここで、バッファ層2aは膜厚0.1μm程度、電子走行層2bは膜厚3μm程度、中間層2cは膜厚5nm程度、電子供給層2dは膜厚20nm程度で例えばAl比率0.2〜0.3程度、表面層2eは膜厚10nm程度に形成する。
詳細には、化合物半導体層2の素子分離領域に例えばアルゴン(Ar)を注入する。これにより、化合物半導体層2及びSiC基板1の表層部分に素子分離構造3が形成される。素子分離構造3により、化合物半導体層2上で活性領域が画定される。
なお、素子分離は、上記の注入法の代わりに、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法を用いて行っても良い。
詳細には、先ず、化合物半導体層2の表面におけるソース電極及びドレイン電極の形成予定位置のキャップ層2eに、電極溝2A,2Bを形成する。
化合物半導体層2の表面におけるソース電極及びドレイン電極の形成予定位置を開口するレジストマスクを形成する。このレジストマスクを用いて、キャップ層2eをドライエッチングして除去する。これにより、電極溝2A,2Bが形成される。ドライエッチングには、Ar等の不活性ガス及びCl2等の塩素系ガスをエッチングガスとして用いる。ここで、キャップ層2eを貫通して電子供給層2dの表層部分までドライエッチングして電極溝を形成しても良い。
詳細には、ソース電極4及びドレイン電極5を覆うように、化合物半導体層2の全面にソース電極4及びドレイン電極5の含有する材料、ここでは第2の電極層4b,5bの材料であるAlの化合物であるAl化合物膜6を保護膜として形成する。Al化合物膜6として、酸化アルミニウム(AlO)、窒化アルミニウム(AlN)、酸窒化アルミニウム(AlON)、及び炭化アルミニウム(AlC)のうちから選ばれた少なくとも1種を用いる。Al化合物膜6の電極保護機能を考慮して、酸化アルミニウムの場合には、O/Al比を1.5以上とすることが好ましい。窒化アルミニウムの場合には、N/Al比を1以上とすることが好ましい。ここでは、Al化合物膜6として酸化アルミニウムを選択する。酸化アルミニウムを、例えば原子堆積法により2nm程度〜50nm程度、例えば5nm程度の厚みに堆積する。これにより、Al化合物膜6が形成される。Al化合物膜6は、ソース電極4の上面及び側面(第1の電極層4aと第2の電極層4bとの境界部位を含む)の全面と、ドレイン電極5の上面及び側面(第1の電極層5aと第2の電極層5bとの境界部位を含む)の全面とを覆っている。
詳細には、Al化合物膜6をリソグラフィー及びウェットエッチングにより加工し、ソース電極4及びドレイン電極5を覆う部分のみに残す。ウェットエッチングには、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を用いる。これにより、Al化合物膜6は、ソース電極4及びドレイン電極5に対応して分離して島状に残存する。化合物半導体層2の表面のソース電極4とドレイン電極5との間には、Al化合物膜6の非形成部位が存在することになる。
詳細には、化合物半導体層2のAl化合物膜6上を含む全面に絶縁物、例えばシリコン窒化物(SiN)を、プラズマCVD法等を用いて、10nm程度〜100nm程度、例えば50nm程度の厚みに堆積する。これにより、保護絶縁膜7が形成される。保護絶縁膜7は、化合物半導体層2の表面の保護機能を有する。保護絶縁膜7としては、単層のSiNの代わりに、単層の酸化ケイ素(SiO)、単層の酸窒化珪素(SiON)、単層の窒化アルミニウム(AlN)又は単層の酸化アルミニウム(AlO)を形成しても良い。また、SiN、SiON、AlN及びAlOから選ばれたいずれか2層以上の積層膜を形成しても好適である。
詳細には、先ず、リソグラフィー及びドライエッチングにより、保護絶縁膜7のゲート電極形成予定部位に、保護絶縁膜7を貫通して化合物半導体層2の表面を露出させる電極溝7aを形成する、ドライエッチングには、例えばフッ素系ガスを用いる。
リソグラフィーに用いたレジストは、アッシング処理又は所定の薬液を用いたウェット処理により除去される。
詳細には、ソース電極4上及びドレイン電極5上、ゲート電極8上を含む全面に絶縁材料、例えばメチルシルセスキオキサンをスピンコート法により塗布する。以上により、層間絶縁膜9が形成される。
詳細には、リソグラフィー及びドライエッチングにより、Al化合物膜6、保護絶縁膜7、及び層間絶縁膜9を加工する。以上により、Al化合物膜6、保護絶縁膜7、及び層間絶縁膜9を貫通してソース電極4(ドレイン電極5)の表面を露出させる開口10が形成される。このとき、層間絶縁膜9に、ゲート電極8の表面を露出させる開口も形成する。
詳細には、先ず、開口10の内壁面を覆うように、層間絶縁膜9の全面にスパッタ法等によりバリアメタル層11及び不図示のシードメタル層を形成する。バリアメタル層11としては、例えばTi/Ptの2層構造に形成される。シードメタル層としては、配線金属であるAuが形成される。
レジストマスクを除去した後、余分なバリアメタル層11及びシードメタル層を除去する。
以上により、本実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTが形成される。
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、ショットキー型のAlGaN/GaN・HEMTを開示するが、Al化合物膜の形成態様が異なる点で第1の実施形態と相違する。
図7〜図8は、第2の実施形態によるショットキー型のAlGaN/GaN・HEMTの製造方法の主要工程を示す概略断面図である。第2の実施形態において、第1の実施形態に対応する構成部材等については、同符号を付して詳しい説明を省略する。
詳細には、Al化合物膜6上の全面に絶縁物、例えばシリコン窒化物(SiN)を、プラズマCVD法等を用いて、10nm程度〜100nm程度、例えば50nm程度の厚みに堆積する。これにより、保護絶縁膜7が形成される。保護絶縁膜7は、化合物半導体層2の表面の保護機能を有する。
詳細には、先ず、リソグラフィー及びドライエッチングにより、Al化合物膜6及び保護絶縁膜7のゲート電極形成予定部位に、Al化合物膜6及び保護絶縁膜7を貫通して化合物半導体層2の表面を露出させる電極溝13を形成する、ドライエッチングには、例えばフッ素系ガスを用いる。
リソグラフィーに用いたレジストは、アッシング処理又は所定の薬液を用いたウェット処理により除去される。
以上により、本実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTが形成される。
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、ショットキー型のAlGaN/GaN・HEMTを開示するが、Al化合物膜の形成態様が異なる点で第1の実施形態と相違する。
図9〜図10は、第3の実施形態によるショットキー型のAlGaN/GaN・HEMTの製造方法の主要工程を示す概略断面図である。第2の実施形態において、第1の実施形態に対応する構成部材等については、同符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施形態では、第1の実施形態の絶縁保護膜7を形成することなく、化合物半導体層2の表面の保護機能をAl化合物膜6が兼用する。これにより、工程が削減される。
リソグラフィーに用いたレジストは、アッシング処理又は所定の薬液を用いたウェット処理により除去される。
以上により、本実施形態によるAlGaN/GaN・HEMTが形成される。
本実施形態では、第1〜第3の実施形態から選ばれた1種のAlGaN/GaN・HEMTを適用した電源装置を開示する。
図11は、第4の実施形態による電源装置の概略構成を示す結線図である。
一次側回路21は、交流電源24と、いわゆるブリッジ整流回路25と、複数(ここでは4つ)のスイッチング素子26a,26b,26c,26dとを備えて構成される。また、ブリッジ整流回路25は、スイッチング素子26eを有している。
二次側回路22は、複数(ここでは3つ)のスイッチング素子27a,27b,27cを備えて構成される。
本実施形態では、第1〜第3の実施形態から選ばれた1種のAlGaN/GaN・HEMTを適用した高周波増幅器を開示する。
図12は、第5の実施形態による高周波増幅器の概略構成を示す結線図である。
ディジタル・プレディストーション回路31は、入力信号の非線形歪みを補償するものである。ミキサー32aは、非線形歪みが補償された入力信号と交流信号をミキシングするものである。パワーアンプ33は、交流信号とミキシングされた入力信号を増幅するものであり、第1〜第3の実施形態から選ばれた1種のAlGaN/GaN・HEMTを有している。なお図12では、例えばスイッチの切り替えにより、出力側の信号をミキサー32bで交流信号とミキシングしてディジタル・プレディストーション回路31に送出できる構成とされている。
第1〜第5の実施形態では、化合物半導体装置としてAlGaN/GaN・HEMTを例示した。化合物半導体装置としては、AlGaN/GaN・HEMT以外にも、以下のようなHEMTに適用できる。
本例では、化合物半導体装置として、InAlN/GaN・HEMTを開示する。
InAlNとGaNは、組成によって格子定数を近くすることが可能な化合物半導体である。この場合、上記した第1〜第5の実施形態では、電子走行層がi−GaN、中間層がi−InAlN、電子供給層がn−InAlN、キャップ層がn−GaNで形成される。また、この場合のピエゾ分極がほとんど発生しないため、2次元電子ガスは主にInAlNの自発分極により発生する。
本例では、化合物半導体装置として、InAlGaN/GaN・HEMTを開示する。
GaNとInAlGaNは、後者の方が前者よりも組成によって格子定数を小さくすることができる化合物半導体である。この場合、上記した第1〜第5の実施形態では、電子走行層がi−GaN、中間層がi−InAlGaN、電子供給層がn−InAlGaN、キャップ層がn−GaNで形成される。
アルミニウムを含有する電極と、
前記電極の上面から側面に架けて覆う、アルミニウム化合物を含有する保護膜と
を含むことを特徴とする化合物半導体装置。
前記保護膜は、前記第1の電極層と前記第2の電極層との境界部位を覆うことを特徴とする付記1又は2に記載の化合物半導体装置。
前記電極を覆う、アルミニウム化合物を含有する保護膜を形成する工程と、
前記電極が前記保護膜で覆われた状態で、前記電極を熱処理する工程と
を含むことを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。
前記保護膜は、前記第1の電極層と前記第2の電極層との境界部位を覆うことを特徴とする付記6又は7に記載の化合物半導体装置の製造方法。
前記化合物半導体層上で前記保護膜の非形成部位があることを特徴とする付記6〜8のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
前記高圧回路はトランジスタを有しており、
前記トランジスタは、
化合物半導体層と、
アルミニウムを含有する電極と、
前記電極の上面から側面に架けて覆う、アルミニウム化合物を含有する保護膜と
を含むことを特徴とする電源回路。
トランジスタを有しており、
前記トランジスタは、
化合物半導体層と、
アルミニウムを含有する電極と、
前記電極の上面から側面に架けて覆う、アルミニウム化合物を含有する保護膜と
を含むことを特徴とする高周波増幅器。
2 化合物半導体層
2a バッファ層
2b 電子走行層
2c 中間層
2d 電子供給層
2e キャップ層
3 素子分離構造
4 ソース電極
4a,5a 第1の電極層
4b,5b 第2の電極層
5 ドレイン電極
6 Al化合物膜
6a,7a,13 電極溝
7 保護絶縁膜
10 開口
8 ゲート電極
9 層間絶縁膜
11 バリアメタル層
12 配線層
21 一次側回路
22 二次側回路
23 トランス
24 交流電源
25 ブリッジ整流回路
26a,26b,26c,26d,26e,27a,27b,27c スイッチング素子
31 ディジタル・プレディストーション回路
32a,32b ミキサー
33 パワーアンプ
Claims (10)
- 化合物半導体層と、
アルミニウムを含有する電極と、
前記電極の上面から側面に架けて覆う、アルミニウム化合物を含有する保護膜と
を含むことを特徴とする化合物半導体装置。 - 前記保護膜は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、及び炭化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
- 前記電極は、第1の電極層と、前記第1の電極層上に形成された第2の電極層とを有しており、
前記保護膜は、前記第1の電極層と前記第2の電極層との境界部位を覆うことを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物半導体装置。 - 前記保護膜は、前記電極に対応して分離して形成されており、前記化合物半導体層上で非形成の部位があることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
- 前記保護膜上を覆う上部保護膜を更に含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
- 化合物半導体層上に、アルミニウムを含有する電極を形成する工程と、
前記電極を覆う、アルミニウム化合物を含有する保護膜を形成する工程と、
前記電極が前記保護膜で覆われた状態で、前記電極を熱処理する工程と
を含むことを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。 - 前記保護膜は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、及び炭化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項6に記載の化合物半導体装置の製造方法。
- 前記電極は、第1の電極層と、前記第1の電極層上に形成された第2の電極層とを有しており、
前記保護膜は、前記第1の電極層と前記第2の電極層との境界部位を覆うことを特徴とする請求項6又は7に記載の化合物半導体装置の製造方法。 - 前記保護膜を前記電極に対応して分離する工程を更に含み、
前記化合物半導体層上で前記保護膜の非形成部位があることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。 - 前記保護膜上を覆う上部保護膜を形成する工程を更に含むことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
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