JP2017083791A - ペリクル、ペリクルの製造方法及びペリクルを用いた露光方法 - Google Patents

ペリクル、ペリクルの製造方法及びペリクルを用いた露光方法 Download PDF

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恒明 美谷島
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陽介 小野
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Abstract

【課題】フォトマスクに着脱可能に載置し、十分な通気を確保しつつ、塵埃等の流入を防止した極端紫外光リソグラフィ用のペリクル、その製造方法及び露光方法を提供する。【解決手段】ペリクル膜を配置した第1の枠体と、前記第1の枠体を支持する第2の枠体と、前記第2の枠体の縁部に配置された係合部と、前記第1の枠体又は前記第2の枠体の少なくとも何れかを貫通する貫通孔と、前記貫通孔を覆い、前記第1の枠体又は第2の枠体の外側の面に配置されたフィルタと、前記第1の枠体と接続する面とは反対側の前記第2の枠体の面に配置された弾性部材と、を備えるペリクル。【選択図】図1

Description

本発明は、フォトリソグラフィ工程に用いるペリクル、その製造方法及び露光方法に関する。特に、本発明は、極端紫外光(Extreme Ultraviolet:EUV)リソグラフィ用のペリクル、その製造方法及びそのペリクルを用いた露光方法に関する。
フォトリソグラフィ工程では、マスク或いはレチクル上に塵埃等が付着するのを防止するために、マスクパターンを囲う大きさの枠の一端にペリクル膜を張架したペリクルが使用されている。このようなペリクルがマスク上に接着層を介して装着された状態では、ペリクル内部は極めて気密性が高く、気圧変化や温度変化によって、薄膜のペリクル膜がたるんだり、或いは膨らんだりする状態になる場合がある。このようにペリクル膜が平滑性を失った場合には、ペリクル膜の光学的特性を変化させるだけでなく、凹凸の程度が激しい場合には、ペリクル膜がマスクに接触したり、ペリクルを収納するケースの蓋に当たったりしてペリクル膜が損傷することがある。
このような問題を解決するものとして、例えば、特許文献1には、ペリクル枠に少なくとも一つの通気孔が形成され、通気孔には塵埃等の通過を阻止するフィルタ部材が枠部材、マスク基板及びペリクル膜で囲まれた空間内に脱落しないように設けられたペリクルが記載されている。特許文献2には、ペリクル枠側面の少なくとも一部に開口部を設け、その内面を粘着状にしたペリクルが記載されている。また、特許文献3には、枠内部に空洞を設け、通気ガス中の異物を捕捉するペリクルが記載されている。
一方、フィルタを設けたペリクルでは、微小な塵埃等を確実に捕捉するためにはフィルタの目を細かくしなければならず、このためフィルタのガス透過速度が遅く、圧力差が緩和されるまで時間がかかるという問題があった。これを解決するため、特許文献4には、ペリクル枠を内側部材と外側部材とに分割し、内側部材を耐光性に優れる自然発色アルマイト化アルミニウム又はセラミックで構成し、外側部材を耐力の大きいアルミニウム合金7075−T6で構成し、ペリクル枠の内部に3箇所の屈曲部を有する2つの通気孔を設け、通気孔の内表面にダストを吸着するための粘着層を設けたペリクルが記載されている。
また、ペリクルをフォトマスクに粘着剤で貼り付けることによって生じるフォトマスクの歪みを抑制するため、ペリクルの枠体に係合部を設け、フォトマスク上に配置した係止部材で着脱可能にペリクルを係止することが、例えば、特許文献5に提案されている。
ところで、リソグラフィの波長は短波長化が進み、次世代のリソグラフィ技術として、EUVリソグラフィの開発が進められている。EUV光は、軟X線領域又は真空紫外線領域の波長の光を指し、13.5nm±0.3nm程度の光線を指す。フォトリソグラフィでは、パターンの解像限界は露光波長の1/2程度であり、液浸法を用いても露光波長の1/4程度と言われており、ArFレーザ(波長:193nm)の液浸法を用いても、その露光波長は45nm程度が限界と予想されている。したがって、EUVリソグラフィは、従来のリソグラフィから大幅な微細化が可能な革新的な技術として期待されている。
一方、EUV光は、あらゆる物質に対して吸収されやすく、したがって、EUVリソグラフィでは、露光装置内を真空にして露光する必要がある。また、あらゆる物質に対してEUV光の屈折率が1に近くなるため、従来の可視光又は紫外光を用いたフォトリソグラフィのように、レンズと透過型フォトマスクを用いる屈折光学系を使用できない。このため、EUVリソグラフィでは、反射型フォトマスクとミラーとを用いる反射光学系での露光が必要となる。反射型フォトマスクは、例えば、特許文献6に記載されているように、基板上にMo層とSi層とが交互に複数回積層された多層反射膜を有し、反射層上にEUV光を吸収する吸収層が形成された構造を有する。
EUVリソグラフィは、従来のリソグラフィとは異なり、真空下での露光となるため、フォトマスクへのペリクルの装着は必須ではないと考えられていた。しかし、実際には露光装置内は真空といえども異物は存在してマスクを汚染し、さらに、マスク検査など、露光工程の前後の工程および各工程間での搬送時の汚染を防ぐためにも、フォトマスクへのペリクルの装着が必須であることが明らかとなってきた。しかし、EUV光は、あらゆる物質に対して吸収されやすいため、ペリクルに配置するペリクル膜も従来にないナノメートルオーダーの膜である必要がある。
真空下での露光であるため、ペリクル膜がたるんだり、或いは膨らんだりすることが想定されるが、ペリクルの設置空間に大幅に制限されるため、ナノメートルオーダーのペリクル膜の損傷を防ぐには、ペリクル内外の十分な通気を確保する必要がある。
実公昭63−39703号公報 特開平5−113658号公報 特開平5−107747号公報 特開2003−107678号公報 特開2014−211591号公報 特開2014−160752号公報
図14は、現在提案されている縁部に係合部941を設けたペリクル900を、第1の係止部材30を配置したフォトマスク10に着脱可能に係止する様子を示す模式図である。ペリクル900はペリクル膜901を枠体911に張架し、枠体911の縁部に係合部941を備える。ペリクル900はフォトマスク10の露光領域20を覆うように配置され、フォトマスク10に配置された第1の係止部材30を係合部941に挿入することにより係止される。このとき、ペリクル900の枠体911の底面とフォトマスク10の表面との間には200μm程度の隙間が生じ、この隙間を介して、ペリクル900内外の通気が得られる。
しかし、ペリクル900の枠体911の底面とフォトマスク10の表面との隙間を介した通気では、この隙間からフォトマスク10の露光領域20に塵埃等が通過し、露光不良を引き起こす懸念がある。
また、当初、フォトマスクへのペリクルの装着は必須ではないと考えられていたため、現在開発されているEUV露光装置には、フォトマスクへペリクルを装着するための空間が2.5mmの高さしか存在していない。しかし、5mm以上の高さを有する従来のペリクルを装着するための空間を露光装置内に確保するには、光学系の設計変更が必要となり、EUVリソグラフィの開発に遅延をきたすこととなる。
通気孔にはフィルタを配置する必要があるが、ペリクルの設置空間が大幅に制限されるため、枠体に許容される高さも大幅に制限されるため、枠体へのフィルタの配置も従来にない設計が要求される。また、接着層を介してフォトマスクへ枠体を載置すると接着剤由来のガスが発生し、ペリクル膜を破損する可能性もある。
本発明は、上述の問題を解決するもので、フォトマスクに着脱可能に載置し、十分な通気を確保しつつ、塵埃等の流入を防止した極端紫外光リソグラフィ用のペリクル、その製造方法及び露光方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態によると、ペリクル膜を配置した第1の枠体と、前記第1の枠体を支持する第2の枠体と、前記第2の枠体の縁部に配置された係合部と、前記第1の枠体又は前記第2の枠体の少なくとも何れかを貫通する貫通孔と、前記貫通孔を覆い、前記第1の枠体又は前記第2の枠体の外側の面に配置されたフィルタと、前記第1の枠体と接続する面とは反対側の前記第2の枠体の面に配置された弾性部材と、を備えるペリクルが提供される。
前記ペリクルにおいて、前記弾性部材は、前記弾性部材が配置される前記第2の枠体の面よりも小さな接地面を有してもよい。
前記ペリクルにおいて、前記第2の枠体は凹部を備え、前記弾性部材は前記第2の枠体の前記凹部に配置されてもよい。
前記ペリクルにおいて、前記弾性部材は、前記第2の枠体の前記凹部の側面に配置された接着層を介して前記第2の枠体に配置され、前記接着層は、前記弾性部材の外側の側面と接着してもよい。
前記ペリクルにおいて、前記弾性部材は、前記第2の枠体の前記凹部に嵌合してもよい。
前記ペリクルにおいて、前記貫通孔は前記第1の枠体を貫通し、前記フィルタは、前記第1の枠体の前記ペリクル膜が配置された面側で前記貫通孔を覆ってもよい。
前記ペリクルにおいて、前記貫通孔は、前記ペリクル膜を貫通し、前記フィルタは、前記ペリクル膜上に配置されてもよい。
前記ペリクルにおいて、前記貫通孔に接続し、前記第2の枠体の内側に配置された開口を備えてもよい。
前記ペリクルにおいて、前記第2の枠体は、前記第1の枠体と対向する面に、前記貫通孔に接続する溝部を有し、前記溝部は、前記第1の枠体との結合により、前記貫通孔に接続する孔を形成し、前記孔は、前記第2の枠体の内側の面に前記開口を有してもよい。
前記ペリクルにおいて、前記第2の枠体は、前記第1の枠体と対向する面に配置した第1の開口と、前記第2の枠体の内側の面に配置した第2の開口とを有し、2つの前記開口は、前記第2の枠体の内部に配置された孔で接続され、前記第1の開口が前記貫通孔に接続してもよい。
前記ペリクルにおいて、前記貫通孔は前記第2の枠体を貫通していてもよい。
前記ペリクルにおいて、前記ペリクル膜は13.5nm±0.3nmの波長の光に90.0%以上の透過率を有し、膜厚が10nm以上100nm以下であってもよい。
前記ペリクルにおいて、高さが2mm以下であってもよい。
また、本発明の一実施形態によると、基板上にペリクル膜を形成し、前記基板の一部を除去して、前記ペリクル膜を露出させて第1の枠体を形成し、縁部に係合部を有する第2の枠体を準備し、前記第1の枠体又は前記第2の枠体の少なくとも何れかの所定の位置を貫通する貫通孔を形成し、前記貫通孔を覆うフィルタを配置し、前記第2の枠体に弾性部材を形成し、前記弾性部材を形成した面とは反対側の前記第2の枠体の面を、前記第1の枠体側の前記ペリクル膜が形成されている面とは反対側の面に、接着層を介して前記第1の枠体を固定するペリクルの製造方法が提供される。
前記ペリクルの製造方法において、前記所定の位置に前記第1の枠体を貫通する貫通孔を形成し、前記第1の枠体の前記ペリクル膜が配置された面側に、前記貫通孔を覆うフィルタを配置し、前記弾性部材を形成した面とは反対側の前記第2の枠体の面を、前記第1の枠体側の前記貫通孔が開口するように、接着層を介して前記第1の枠体に固定して、前記第2の枠体の内側の面に開口を形成してもよい。
前記ペリクルの製造方法において、前記第2の枠体の前記第1の枠体と対向する面に、前記貫通孔に接続する溝部を形成し、接着層を介して前記第1の枠体を前記第2の枠体に固定して、前記貫通孔に接続し、且つ、前記第2の枠体の内側の面に前記開口を形成してもよい。
前記ペリクルの製造方法において、前記第2の枠体の前記第1の枠体と対向する面に第1の開口を形成し、前記第2の枠体の内側の面に第2の開口を形成し、前記第2の枠体の内部に2つの前記開口を接続する孔を形成し、前記第1の開口を前記貫通孔に接続してもよい。
前記ペリクルの製造方法において、前記貫通孔は、前記所定の位置に前記ペリクル膜を貫通して形成し、前記ペリクル膜上に、前記貫通孔を覆うフィルタを配置してもよい。
前記ペリクルの製造方法において、前記第2の枠体の所定の位置に枠体を貫通する貫通孔を形成してもよい。
前記ペリクルの製造方法において、膜厚が10nm以上100nm以下となる前記ペリクル膜を前記基板上に形成し、前記ペリクル膜は13.5nm±0.3nmの波長の光に90.0%以上の透過率を有してもよい。
前記ペリクルの製造方法において、高さを2mm以下としてもよい。
また、本発明の一実施形態によると、前記何れかのペリクルをフォトマスクのレチクル面に係止し、前記フォトマスクを露光装置の所定の位置に配置して、前記レチクル面から3mm以下の距離を有する空隙に前記ペリクルを収容し、真空下で、前記ペリクルを配置した前記フォトマスクに波長5nm以上30nm以下の光を照射し、前記ペリクルを配置した前記フォトマスクの前記レチクル面から出射した光をレジスト層が形成された基材に照射する露光方法が提供される。
本発明によると、フォトマスクに着脱可能に載置し、十分な通気を確保しつつ、塵埃等の流入を防止した極端紫外光リソグラフィ用のペリクル、その製造方法及び露光方法が提供される。
一実施形態に係るペリクル100をフォトマスク10に配置する様子を示す分解斜視図である。 一実施形態に係るペリクル100の模式図である。 一実施形態に係るペリクル100の図2の線分AA’における断面図であり、(a)はペリクル100の図2の線分AA’における断面図であり、(b)は(a)の一部拡大図である。 一実施形態に係るペリクル100の製造工程を示す図である。 一実施形態に係るペリクル100の製造工程を示す図である。 一実施形態に係る弾性部材の模式図である。 一実施形態に係るペリクル500の図2の線分AA’における断面図である。 一実施形態に係るペリクル500の製造工程を示す図である。 一実施形態に係るペリクル600の図2の線分AA’における断面図である。 一実施形態に係るペリクル600の製造工程を示す図である。 一実施形態に係るペリクル600の製造工程を示す図である。 一実施形態に係るペリクル700の図2の線分AA’における断面図であり、(a)はペリクル100の図2の線分AA’における断面図であり、(b)は(a)の一部拡大図である。 一実施形態に係るペリクル800の図2の線分AA’における断面図である。 従来技術のペリクル900をフォトマスク10に配置する様子を示す模式図である。
本明細書において、EUV光とは、波長5nm以上30nm以下の光を指す。EUV光の波長は、5nm〜13.5nm程度が好ましく、13.5±0.3nmがより好ましい。EUV光は、あらゆる物質に対して吸収されやすいため、本発明において、ペリクル膜は、ナノメートルオーダーの膜である必要がある。本発明に係るペリクル膜は13.5nmの波長の光に90.0%以上の透過率を有する。本発明に係るペリクル膜は、好ましくは、13.5±0.3nmの波長の光に対して、より好ましくは5nm〜13.5nm程度の波長の光に対して、さらに好ましくは5nm以上30nm以下の波長の光に対して、90.0%以上の透過率を有する。このような透過率を得るため、本発明に係るペリクル膜の10nm以上100nm以下の膜厚であり、より好ましくは10nm以上50nm以下である。
ペリクル膜のEUV透過率Tは以下の式(1)で定義される。
Figure 2017083791

式(1)中、Iは透過光強度、Iは入射光強度を示す。透過光強度I及び入射光強度I、ペリクル膜の厚みd、密度ρ、及びペリクル膜の質量吸収係数μには、以下の式(2)で表される関係が成り立つ。
Figure 2017083791
式(2)における密度ρはペリクル膜を構成する物質固有の密度である。また、上記式(2)における質量吸収係数μは、以下のように求められる。光子のエネルギーがおよそ30eVより大きく、なおかつ光子のエネルギーが原子の吸収端から十分に離れている場合、質量吸収係数μは原子同士の結合状態等に依存しない。波長13.5nmの光子エネルギーは、92.5eV付近であり、原子の吸収端からも十分に離れている。よって、上記質量吸収係数μは、ペリクル膜を構成する化合物の原子同士の結合状態に依存しない。そのため、ペリクル膜の質量吸収係数μは、ペリクル膜を構成する各元素(1,2,・・・,i)の質量吸収係数μと、各元素の質量分率Wとから、以下の式(3)で求められる。
Figure 2017083791

上記W=n/Σnで求められる値である。Aは各元素iの原子量、nは各元素iの数である。
上記式(3)における各元素の質量吸収係数μは、Henkeらによってまとめられている以下の参考文献の値を適用できる。(B. L. Henke, E. M. Gullikson, and J. C. Davis, “X-Ray Interactions:Photoabsorption, Scattering, Transmission, and Reflection at E = 50-30,000 eV, Z = 1-92,” At. Data Nucl. Data Tables 54, 181 (1993) これらの数値の最新版はhttp:// wwwcxro.lbl.gov/optical_constants/に掲載されている。)
ペリクル膜の質量吸収係数μ、ペリクル膜の密度ρ、及びペリクル膜の厚みdが特定できれば、式(1)及び式(2)に基づき、ペリクル膜の波長13.5nmの光の透過率を算出できる。なお、上記透過率は、ローレンスバークレー国立研究所のX線光学センターの光学定数ウェブサイトでも計算できる。
膜厚を厚くし、かつ透過率を高めるためには、上記ペリクル膜の材質として吸収係数の低い材質を用いることが望ましい。具体的には水素の質量吸収係数μを1として相対的に表すとき、100以下の元素からなる材質を用いることが望ましい。特に、H,Be,B,C,N,O,Si,P,S,Cl,K、Ca,Sc,Br,Rb,Sr,Y,Zr,Nb,Mo,Tc,Ru,などの元素を用いることが望ましい。
ペリクル膜を構成する具体的な化合物としてはフッ素系ポリマー、ポリオレフィン、ポリイミドなどの高分子化合物や、ルテニウム、ニッケル、ジルコニウム、チタン、モリブデン、ニオブ、などの金属、結晶シリコン(例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン、等)、アモルファスシリコン、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、グラファイト、アモルファスカーボン、グラフェン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等が挙げられる。
また、ペリクル膜は、酸化防止膜や放熱膜を含んでいてもよい。酸化防止膜は、SiOx(x≦2)、SixNy(x/yは0.7〜1.5)、SiON、SiC、Y、YN、Mo、Ru又はRhからなる膜等でありうる。
放熱膜は、熱輻射率が高い材料や熱伝導性が高い材料からなる膜であることが好ましい。具体的には、酸化防止膜と同様の材料からなる膜や、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、グラファイト、グラフェンからなる膜等であり得る。酸化防止膜及び放熱膜は、ペリクル膜の一方の面に形成してもよく、両面に形成してもよい。ペリクル膜は、上記元素及び化合物を1種単独で含んでいてもよいし、2種以上を含んでいてもよい。
従来のArFリソグラフィ用のペリクルでは、アルミニウムやセラミクス等で構成された枠体を用い、接着層を介してペリクル膜を枠体に接着していた。しかし、EUVリソグラフィ用の本発明に係るペリクル膜は、10nm以上100nm以下の非常に薄い膜厚であるため、接着による枠体への固定は困難である。したがって、半導体製造プロセスを用いて、例えば、蒸着により基板にペリクル膜を形成し、基板を枠形状にバックエッチングすることにより、ペリクル膜を露出させ、ペリクル膜を配置した枠体を得ることができる。本発明に係る基板としては、例えば、シリコン基板、サファイア基板、炭化ケイ素基板等を用いることができる。これらに限定されるものではないが、基板としては、シリコン基板、サファイア基板、炭化ケイ素基板が好ましく、シリコン基板がより好ましい。
上述したように、ペリクル900の枠体911の底面とフォトマスク10の表面との隙間を介した通気では、この隙間からフォトマスク10の露光領域20に塵埃等が通過し、露光不良を引き起こす懸念がある。そこで、本発明者らは、フォトマスクに着脱可能に載置し、十分な通気を確保しつつ、塵埃等の流入を防止したペリクルの構成を検討した。
本発明に係るペリクルは、ペリクル膜を配置した第1の枠体と、第1の枠体を支持する第2の枠体を備え、第2の枠体の縁部には係合部が配置される。第1の枠体又は第2の枠体の少なくとも何れかを貫通する貫通孔をさらに備え、第1の枠体又は第2の枠体の外側の面に配置されたフィルタが貫通孔を覆う。第1の枠体と接続する面とは反対側の第2の枠体の面に弾性部材が配置される。
以下、図面を参照して本発明に係るペリクル、その製造方法及び照射方法について説明する。但し、本発明のペリクル及びその製造方法は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態に係るペリクル100をフォトマスク10に配置する様子を示す分解斜視図である。図2はペリクル100の模式図である。また、図3は、ペリクル100の図2の線分AA’における断面図である。図3(a)はペリクル100の図2の線分AA’における断面図であり、図3(b)は図3(a)の一部拡大図である。ペリクル100は、ペリクル膜101を配置した第1の枠体111と、第1の枠体111を支持する第2の枠体113と、を備える。第2の枠体113の縁部には係合部114が配置される。また、第1の枠体111を貫通する貫通孔121が配置され、貫通孔121は、ペリクル膜101を貫通する。フィルタ131は、ペリクル膜101上に配置され、第1の枠体111のペリクル膜101が配置された面側で貫通孔121を覆う。また、第1の枠体111と接続する面とは反対側の第2の枠体113の面に配置された弾性部材151を備える。
フィルタ131は、第1の枠体111上のペリクル膜101の領域に接着層137を介して配置される(図3(b))。なお、図2及び図3では、第1の枠体111のペリクル膜101が配置された面とは反対側の面に第2の枠体113を備えているが、第1の枠体111の側面側に第2の枠体113を備えてもよい。
ペリクル膜101及び第1の枠体111としては、上述したペリクル膜及び基板を用いることができるため、詳細な説明は省略する。第1の枠体111を構成する材質にはシリコン、サファイア、炭化ケイ素が好ましく、シリコンがより好ましい。第2の枠体113としては、EUV光に対する耐性を有し、平坦性が高く、低イオン溶出性の材料が好ましい。また、炭素由来の汚れを除去するために、水素ガスを露光装置内に流すため、水素ラジカルに対する耐性を有する材料で構成されることが好ましい。
第2の枠体113(ペリクル枠)の材質には特に制限はなく、ペリクル枠に用いられる通常の材質とすることができる。第2の枠体113の材質として、具体的には、アルミニウム、アルミニウム合金(5000系、6000系、7000系等)、ステンレス、シリコン、シリコン合金、鉄、鉄系合金、炭素鋼、工具鋼、セラミックス、金属−セラミックス複合材料、樹脂等が挙げられる。中でも、アルミニウム、アルミニウム合金が、軽量かつ剛性の面からより好ましい。また、第2の枠体113は、その表面に保護膜を有していてもよい。
保護膜としては、露光雰囲気中に存在する水素ラジカル及びEUV光に対して耐性を有する保護膜が好ましい。保護膜としては、例えば、酸化被膜が挙げられる。酸化被膜は、陽極酸化等の公知の方法によって形成することができる。
ペリクル100をフォトマスク10に設置したときに、第1の枠体111及び第2の枠体113の幅はペリクル100の開口率に影響する。とくに、反射型マスクを用いるEUVリソグラフィにおいては、EUV光がフォトマスクに対して斜めに入射して、反射されるため、第1の枠体111の幅が狭いほうが好ましい。
第1の枠体111と第2の枠体113とは、接着層141を介して固定される。接着層141の厚みは、第1の枠体111と第2の枠体113との十分な接着が確保できる範囲で可能な限り薄いことが好ましく、例えば、10μm以上300μm以下である。また、接着層141に用いる接着剤としては、EUV光に対する耐性を有し、ガスの発生量が少ない材料が好ましい。また、炭素由来の汚れを除去するために、水素ガスを露光装置内に流すため、水素ラジカルに対する耐性を有する材料で構成されることが好ましい。
本実施形態において、「接着剤」は広義の接着剤を指し、「接着剤」の概念には、粘着剤も含まれるものとする。接着剤としては、アクリル樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤、ポリイミド樹脂接着剤、シリコーン樹脂接着剤、無機系接着剤、両面粘着テープ、シリコーン樹脂粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリオレフィン系粘着剤、等が挙げられる。
ペリクル膜又は他のペリクル枠との接着に用いられる接着剤としては、アクリル樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤、ポリイミド樹脂接着剤、シリコーン樹脂接着剤、無機系接着剤が好ましい。フォトマスクとの接着に用いられる接着剤としては、両面粘着テープ、シリコーン樹脂粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリオレフィン系粘着剤が好ましい。
貫通孔121は、ペリクル膜101と第1の枠体111とを貫通して配置される。貫通孔121は、常圧(0.1MPa)から露光時の真空状態(10−4〜10−6Pa)迄減圧した時に、ペリクル100内外の差圧によるペリクル膜101の膨張が0.5mm未満となる径である。本実施形態において、貫通孔121の径は、減圧したときに貫通孔121に発生する圧力損失の上限値を考慮して設定される。
減圧した時に貫通孔で発生する圧力損失は1Pa以下となることが望ましく、より望ましくは0.5Pa以下である。ここで、フィルタ131は貫通孔121を覆うように設置され、減圧したときの圧力損失の大部分はフィルタ131部分で発生し、貫通孔121では圧力損失はほとんど生じないようにすることが好ましい。例えば、貫通孔121での圧力損失が1Pa以下となるように、より好ましくは0.1Pa程度となるように、貫通孔121のサイズ及び貫通孔121の数を調整する。
例えば、350Pa/secの速度で減圧されるとき、貫通孔121で発生するペリクル100内外の圧力損失が1Paとなるときの貫通孔121の直径は400μm及び数は4個、あるいは直径は300μm及び数は40個である。貫通孔121の形状は特に問わず、円形、楕円形、長方形、多角形、台形などの形状であってよい。貫通孔の径は特に制限されないが、第1の枠の強度が低下しない範囲で、10〜500μm程度となることが望ましい。貫通孔の数も特に制限されず、フィルタの長さや、フィルタの幅に応じて選択できる。貫通孔121を複数個設ける場合には貫通孔121の位置や間隔は特に問わないが、フィルタ131内で等間隔に配置することが好ましい。
フィルタ131は、フォトマスクヘ固定したペリクル100内への塵埃等の流入を防止可能な材料で形成され、初期圧力損失が100Pa以上550Pa以下、粒径が0.15μm以上0.3μm以下の粒子に対して粒子捕集率が99.7%以上100%以下のフィルタを用いることが望ましい。フィルタの種類として、例えば、ULPAフィルタ(Ultra Low Penetration Air Filter)を用いることができる。ULPAフィルタは、定格風量で粒径が0.15μmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率をもち、且つ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタである。また、フィルタ131としてHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)を用いてもよい。HEPAフィルタは、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、且つ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタである。フィルタ131は、ペリクル膜101への接着性を確保するとともに、ペリクル100の開口率を確保する観点から、幅を1mm以上4mm以下とすることが好ましい。
フィルタ131は、通気部135と接着層137が配置される糊代部133とにより構成される(図3(b))。糊代部133は通気部135を囲むように、フィルタ131の外周部に配置される。接着層137は、ペリクル膜101と通気部135を隙間なく接着する役割を果たす。接着層137に接する糊代部133では気体は通過しない。糊代部133の幅は0.2mm以上1.0mm以下である。通気部135の面積を広くするために、糊代部133の幅はできる限り細い方が望ましい。通気部135とは、フィルタ131の接着層137に接していない部分を指す。通気部135を気体が通過し、気体に含まれる粒子を捕捉する。通気部135では圧力損失が発生するため、フィルタの換気性能は、通気部135の換気性能によって決まる。
フィルタ131の総面積は減圧したときにフィルタ131に発生する圧力損失の上限値を考慮して設定される。減圧したときにフィルタ131に発生する圧力損失は2Pa以下となることが望ましい。フィルタ131の長さはフィルタ131の面積をフィルタの幅で割ることで算出できる。フィルタ1枚当たりの長さの範囲は特に制限はないが、1cm以上15cm以下の範囲が望ましく、より望ましくは2cm以上10cm以下である。
現在、EUV露光用のペリクルとしては、長辺152mm以下、短辺120mm以下、高さ2mm以下の大きさが想定され、350 Pa/secでの減圧及び加圧が想定される。常圧(0.1MPa)から露光時の真空状態(10−4〜10−6Pa)迄減圧した時、また、真空状態から常圧に戻す際に加圧した時の、ペリクル100内外の差圧によるペリクル膜101の膨張が0.5mm未満とするために、ペリクル100の内部の体積に対するフィルタ131の通気部の合計面積の比率(フィルタの通気部面積/ペリクル内部体積)が0.007mm−1以上0.026mm−1以下であることが好ましい。この比率が0.007mm−1以上であると、減圧及び加圧する時にフィルタ通気部を通過する気体の流速が早くなりすぎないためにペリクル100内外の差圧の上昇が抑制され、ペリクル膜101の膨張が0.5mm未満に抑制できる。また、形成可能な通気部135の大きさによる制約から、この比率が0.026mm−1以下であると、フィルタ131の通気部135及び糊代部133を十分に設けることができる。
また、フィルタの厚み(高さ)は、フォトマスクにペリクルを装着する空間が2.5mmしかないため、ペリクルとフィルタの厚み(高さ)の合計が2.5mm未満となるように配慮する必要がある。ペリクルの高さにもよるが、厚みは0.05mm以上1.0mm以下の範囲が好ましく、より望ましくは0.1mm以上0.4mm以下である。
また、第2の枠体113の縁部には係合部114が配置される。係合部114は、ペリクル100をフォトマスク10に固定するための手段である。図1に示したように、フォトマスク10の光照射面にはパターンが形成された露光領域20があり、露光領域20に隣接して、ペリクル100を係止するための係止部材30が配置される。係合部114を係止部材30に挿入することによりペリクル100が係止される。なお、本実施形態において、係合部114を第2の枠体113に配置する例を示したが、係止可能な強度を得られれば、第1の枠体111に係合部114を配置してもよい。
また、第2の枠体113の底面には弾性部材151が配置される。弾性部材151は、ペリクル100をフォトマスク10に固定した際に生じる第2の枠体113の底面とフォトマスク10の光照射面との隙間を封止するための手段である。弾性部材151の厚みは、フォトマスク10と第2の枠体113との十分な接着が確保できる範囲で可能な限り薄いことが好ましく、例えば、第2の枠体113をフォトマスク10に固定された時の厚みが10μm以上300μm以下である。
また、弾性部材151は、第2の枠体113をフォトマスク10に固定された時の接触幅が、第2の枠体113の幅以下となることが好ましい。接触幅とは、フォトマスク10側からガラスを素通しして見た場合に、弾性体層がガラスと接触して色調が違って見える幅である。接触幅が小さいと、第2の枠体113をフォトマスク10に固定された際の押しつけ力が弱くなり、良好な密封性が得られない。また、接触幅が大きすぎると、押しつけ力が強くなりすぎて弾性部材151の潰れ量が多くなり、大きな反発力が生じて、フォトマスク10に与える歪が大きくなる。また、第2の枠体113をフォトマスク10に固定された時の接触幅が、第2の枠体113の幅よりも大きいと、露光領域20に影響する懸念があるため好ましくない。このため、弾性部材151は、弾性部材151が配置される第2の枠体113の面よりも小さな接地面を有する。
また、弾性部材151に用いる材料としては、EUV光に対する耐性を有し、ガスの発生量が少ない材料が好ましい。また、炭素由来の汚れを除去するために、水素ガスを露光装置内に流すため、水素ラジカルに対する耐性を有する材料で構成されることが好ましい。硬度、成形性などの観点から、ニトリルゴム(NBR)、フッ素ゴム(FKM)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、パーフルオロエラストマー(FFKM)、テトラフルオロエチレン-プロピレン系フッ素ゴム(FEPM)、シリコーンゴム(VMQ)、フロロシリコーンゴム(FVMQ)、ブチルゴム(IIR)、アクリルゴム(ACM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、ウレタンゴム(U)からなる群より選択可能である。上記の耐性を有し、第2の枠体113に塗布・成形することが可能であれば、他の樹脂も利用可能である。
ペリクル100がフォトマスク10に固定された時に、ペリクル膜101、フィルタ131、第1の枠体111、接着層141、第2の枠体113及び弾性部材151を含めた高さは、2mm以下であることが好ましい。上述したように、フォトマスクにペリクルを装着するための空間が2.5mmの高さしか存在していないため、ペリクル膜101の破損を防ぐために、ペリクル100の高さは2mm以下であることが好ましい。
本発明においては、第2の枠体113の底面に弾性部材151を配置することにより、十分な密着性を持ってペリクル100をフォトマスク10に着脱可能に配置することができ、第2の枠体113の底面とフォトマスク10の表面との隙間が生じず、フォトマスク10の露光領域20に塵埃等が進入するのを防止することができる。また、貫通孔121がペリクル膜101と第1の枠体とを貫通し、フィルタ131が第1の枠体111上のペリクル膜101の領域に配置されるため、ペリクル100内外の十分な通気を確保して、ペリクル膜101の損傷を防ぐことができる。
(ペリクル100の製造方法)
本実施形態に係るペリクル100は、例えば、図4及び図5を参照し、以下のように製造することができる。なお、以下の製造工程は一例であって、必要に応じて製造工程の順序を変更することもできる。図4及び図5は、ペリクル100の製造工程を示す図である。基板105を準備し、基板105上にペリクル膜101を形成する(図4(a))。基板105には、上述したように、例えば、シリコン基板、サファイア基板、炭化ケイ素基板等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
ペリクル膜101は、蒸着により膜厚が10nm以上100nm以下となるように、基板105上に形成する。EUV光は、あらゆる物質に対して吸収されやすいため、ペリクル膜101は5nm以上30nm以下の波長の光に90.0%以上の透過率を有するように、薄く形成することが好ましい。本発明に係るペリクル膜101は、好ましくは13.5nmの波長の光に対して、より好ましくは13.5±0.3nmの波長の光に対して、さらに好ましくは5nm〜13.5nm程度の波長の光に対して、90.0%以上の透過率を有する。
貫通孔121を形成する所定の位置のペリクル膜101をエッチングにより除去し、基板105を露出させる(図4(b))。ペリクル膜101が形成された面とは反対側の基板105の面をエッチングし、基板105一部を除去して、ペリクル膜101を露出させて第1の枠体111を形成する。また、ペリクル膜101を除去した所定の位置に、ペリクル膜101と第1の枠体111とを貫通する貫通孔121を形成する(図4(c))。
貫通孔121は、常圧(0.1MPa)から露光時の真空状態(10−4〜10−6Pa)迄減圧した時に、ペリクル100内外の差圧によるペリクル膜101の膨張が0.5mm未満となる径(開口部の大きさ)とする。本実施形態において、貫通孔121はフィルタ131により覆われるため、貫通孔121の径は、フィルタ131による抵抗を考慮して設定される。
上述したように、ペリクル100をフォトマスクに設置したときに、第1の枠体111の幅はペリクル100の開口率に影響する。とくに、反射型マスクを用いるEUVリソグラフィにおいては、EUV光がフォトマスクに対して斜めに入射して、反射されるため、第1の枠体111及び第2の枠体113の幅が狭いほうが好ましい。
ペリクル膜101上に、貫通孔121を覆うフィルタ131を接着する(図4(d))。フィルタ131は、上述した特性を有するフィルタが好ましく、ペリクル膜101への接着性を確保するとともに、ペリクル100の開口率を確保する観点から、幅を1mm以上4mm以下とすることが好ましい。フィルタ131を接着するタイミングは特に制限はなく、第2の枠体に固定した後で貼り付けてもよい。
別途、係合部114(図示なし)を有する第2の枠体113を準備し、第2の枠体113の底面に弾性部材151を形成する(図5(a))。ここで、ニトリルゴム(NBR)、フッ素ゴム(FKM)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、パーフルオロエラストマー(FFKM)、テトラフルオロエチレン-プロピレン系フッ素ゴム(FEPM)、シリコーンゴム(VMQ)、フロロシリコーンゴム(FVMQ)、ブチルゴム(IIR)、アクリルゴム(ACM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、ウレタンゴム(U)からなる群より選択した材料を第2の枠体113に塗布して、弾性部材151を形成する。
第2の枠体113に弾性部材151を形成した面とは反対側の第2の枠体113の上面に、接着層141を形成する(図5(b))。形成した接着層141を介して、第1の枠体111を第2の枠体113に固定する(図5(c))。
フォトマスク10にペリクル100を装着するための空間が2.5mmの高さしか存在していないため、本実施形態においては、フィルタ131、ペリクル膜101、第1の枠体111、接着層141、第2の枠体113及び弾性部材151を含めた高さを2mm以下とすることが好ましい。
本発明においては、第2の枠体113の底面に弾性部材151を形成することにより、十分な密着性を持ってペリクル100をフォトマスク10に着脱可能に配置することができ、第2の枠体113の底面とフォトマスク10の表面との隙間が生じず、フォトマスク10の露光領域20に塵埃等が進入するのを防止することができる。また、貫通孔121がペリクル膜101と第1の枠体とを貫通し、フィルタ131が第1の枠体111上のペリクル膜101の領域に配置されるため、ペリクル100内外の十分な通気を確保して、ペリクル膜101の損傷を防ぐことができる。
(実施形態2)
実施形態1のペリクル100においては、第2の枠体113の底面に弾性材料を塗布して弾性部材151を形成する例を示したが、本発明に係る弾性部材151は、様々な形成方法や形状を有することができる。
図6は、本発明の一実施形態に係る弾性部材の模式図である。図6(a)は、実施形態1で説明した弾性部材151を示す。図6(b)は、接着層255を介して第2の枠体213に配置した弾性部材251を示す。上述したように、接着剤を用いると、ガスが発生する懸念がある。このため、第2の枠体213は、接着層255及び弾性部材251を配置するための凹部を備える。接着層255は、凹部の側面に配置され、弾性部材251の外側の側面と接着する。ここで、接着層255は、凹部の側面と概略等しい高さであることが好ましい。接着層255の高さが凹部の側面の高さと概略等しいことにより、凹部の側面及び弾性部材251の側面との十分な接着性を得ることができる。一方、接着層255の高さが凹部の側面の高さよりも高いと、ペリクル100をフォトマスク10に固定した際に、弾性部材251の変形を妨げ、弾性部材251がフォトマスク10に密着するのを阻害する懸念がある。また、弾性部材251の高さは、凹部の側面の高さよりも高いことが好ましい。接着層255が弾性部材251の外側の側面に配置されるため、接着層255からガスが発生しても弾性部材251によりペリクルの内側は封止されているため、ガスがペリクルの内側に流入してペリクル膜を破損するのを防止することができる。
図6(c)は、第2の枠体313の凹部に嵌合した弾性部材351を示す。第2の枠体313の凹部は、弾性部材351を嵌合するためにテーパー状であることが好ましい。弾性部材351を準備して、第2の枠体313の凹部に嵌め込んでもよく、弾性材料を流し込んで固化させ、弾性部材351の所定の形状に成形してもよい。弾性部材351は、第2の枠体313の底面から突出した部分が矩形の断面となっているが、本発明に係る弾性部材はこれらに限定されるものではない。
図6(d)は、半円形の断面を有する弾性部材451を示す。弾性部材451は、フォトマスク10に密着すると、その断面が概略台形若しくは概略矩形となり、フォトマスク10に対して面接触する。このため、弾性部材451は、弾性部材151〜弾性部材351に比して、硬度の低い材料で構成されることが好ましい。
本実施形態において、第2の枠体113の底面に弾性部材を配置することにより、十分な密着性を持ってペリクル100をフォトマスク10に着脱可能に配置することができ、第2の枠体113の底面とフォトマスク10の表面との隙間が生じず、フォトマスク10の露光領域20に塵埃等が進入するのを防止することができる。
なお、その他の構成については、実施形態1で説明した構成と同様のため、詳細な説明は省略する。
(実施形態3)
実施形態1おいては、ペリクル膜と第1の枠体とを貫通する貫通孔を覆うため、フィルタをペリクル膜の上面に配置した。しかし、上述したように、フォトマスクにペリクルを装着するための空間が2.5mmの高さしか存在していない。したがって、弾性部材を第2の枠体に配置する分、第1の枠体、第2の枠体、ペリクル膜及びフィルタを含めた高さを可能な限り低くすることが好ましい。本実施形態においては、ペリクル膜に隣接して、第1の枠体上にフィルタを配置することにより、ペリクルの高さを低くする例について説明する。
図7は、本発明の一実施形態に係るペリクル500の図2の線分AA’における断面図である。ペリクル500は、ペリクル膜501を配置した第1の枠体511と、第1の枠体511を支持する第2の枠体113と、を備える。また、ペリクル500は、第1の枠体511を貫通する貫通孔521と、第1の枠体511のペリクル膜501が配置された面側で貫通孔521を覆うフィルタ531と、を備える。また、第1の枠体511と接続する面とは反対側の第2の枠体113の面に配置された弾性部材151を備える。本実施形態において、フィルタ531がペリクル膜501に隣接して、第1の枠体上511に配置される。
本実施形態において、第1の枠体511は、第2の枠体113と対向する面に、貫通孔521に接続する溝部525を有する。溝部525は、第2の枠体113との結合により、貫通孔521に接続する孔523を形成する。孔523は、第1の枠体511の内側の面に開口を有する。本実施形態においては、ペリクル膜501に隣接して、第1の枠体511上にフィルタ531が配置される。また、フィルタ531の上面がペリクル膜501と同一面になるように、フィルタ531が配置されることが好ましい。フィルタ531は、第1の枠体511上のペリクル膜501及び第1の枠体511の一部を除去した領域に接着層(図示せず)を介して配置される。このようにペリクル膜501を第1の枠体511に配置することにより、フィルタ531の厚みだけペリクル500の高さを低くすることができる。
ペリクル膜501、第1の枠体511としては、上述したペリクル膜101及び基板105と同様の材料を用いることができるため、詳細な説明は省略する。また、第2の枠体113及び弾性部材151は実施形態1で説明した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第1の枠体511と第2の枠体113とは、接着層541を介して固定される。接着層541の厚みは、第1の枠体511と第2の枠体113との十分な接着が確保できる範囲で可能な限り薄いことが好ましく、例えば、10μm以上300μm以下である。また、接着層541に用いる接着剤は、接着層141と同様の接着剤を用いることができるため、詳細な説明は省略する。
貫通孔521は、ペリクル膜501及び第1の枠体511の一部を除去した領域に第1の枠体511を貫通して配置される。また、本実施形態においては、第1の枠体511の第2の枠体113と対向する面に、貫通孔521に接続する溝部525を配置することで、溝部525と第2の枠体113との結合により、貫通孔521に接続する孔523を形成する。このため、貫通孔521及び、貫通孔521と第1の枠体511の内側の面に配置した開口とを接続する孔523は、常圧(0.1MPa)から露光時の真空状態(10−4〜10−6Pa)迄減圧した時に、ペリクル500内外の差圧によるペリクル膜501の膨張が0.5mm未満となる径である。本実施形態において、貫通孔521及び孔523の径は、減圧したときに貫通孔521に発生する圧力損失の上限値を考慮して設定される。
減圧した時に貫通孔521で発生する圧力損失は1Pa以下となることが望ましく、より望ましくは0.5Pa以下である。ここで、フィルタ531は貫通孔521を覆うように設置され、減圧したときの圧力損失の大部分はフィルタ531部分で発生し、貫通孔521では圧力損失はほとんど生じないようにすることが好ましい。例えば、貫通孔521での圧力損失が1Pa以下となるように、より好ましくは0.1Pa程度となるように、貫通孔521のサイズを調整する。
例えば、350Pa/secの速度で減圧されるとき、貫通孔521で発生するペリクル500内外の圧力損失が1Paとなるときの貫通孔521の直径は480μm及び数は4個である。貫通孔521の形状は特に問わず、円形、楕円形、長方形、多角形、台形などの形状であってよい。貫通孔521の径は特に制限されないが、第1の枠の強度が低下しない範囲で、10〜500μm程度となることが望ましい。貫通孔521の数も特に制限されず、フィルタの長さや、フィルタの幅に応じて選択できる。
フィルタ531は、フィルタ131と同様のフィルタを用いることができるため、詳細な説明は省略する。フィルタ531は、第1の枠体511への接着性を確保するとともに、ペリクル500の開口率を確保する観点から、幅を1mm以上4mm以下とすることが好ましい。フィルタ531の幅は、第1の枠体511の幅に収まればよい。
フィルタ531の総面積は減圧したときにフィルタ531に発生する圧力損失の上限値を考慮して設定される。減圧したときにフィルタ531に発生する圧力損失は2Pa以下となることが望ましい。フィルタ531の長さはフィルタ531の面積をフィルタ531の幅で割ることで算出できる。フィルタ1枚当たりの長さの範囲は特に制限はないが、1cm以上15cm以下の範囲が望ましく、より望ましくは2cm以上10cm以下である。フィルタの厚み(高さ)は、フォトマスクにペリクルを装着する空間が2.5mmしかないため、ペリクルとフィルタの厚み(高さ)の合計が2.5mm未満となるように配慮する必要がある。ペリクルの高さにもよるが、厚みは0.05mm以上1.0mm以下の範囲が好ましく、より望ましくは0.1mm以上0.4mm以下である。
また、第2の枠体113の縁部には係合部(図示せず)が配置される。係合部は、ペリクル500をフォトマスク10に固定するための手段であり、実施形態1で説明した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、第2の枠体113の底面には弾性部材151が配置される。弾性部材151は、ペリクル500をフォトマスク10に固定した際に生じる第2の枠体113の底面とフォトマスク10の光照射面との隙間を封止するための手段である。弾性部材151は、実施形態1で説明した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。なお、本実施形態において、弾性部材151に替えて、実施形態2で説明した弾性部材を用いることができる。また、弾性部材の態様に合わせて、第2の枠体の構成も実施形態2で説明した構成から選択することができる。
ペリクル500においては、フィルタ531の上面がペリクル膜501と同一面になるようにフィルタが配置されるため、ペリクル膜501、第1の枠体511、接着層541、第2の枠体113及び弾性部材151を含めた高さは、2mm以下であることが好ましい。上述したように、フォトマスクにペリクルを装着するための空間が2.5mmの高さしか存在していないため、ペリクル膜501の破損を防ぐために、ペリクル500の高さは2mm以下であることが好ましい。
本発明においては、ペリクル膜501に隣接して、第1の枠体511上にフィルタ531を配置することにより、ペリクル500の高さを低くすることができる。また、フィルタ531の上面がペリクル膜501と同一面になるように、フィルタ531を配置することにより、フィルタ531の厚みの分、ペリクル500の高さを低く抑え、弾性部材151を第2の枠体113に配置するために好適である。
(ペリクル500の製造方法)
本実施形態に係るペリクル500は、例えば、図8を参照し、以下のように製造することができる。なお、以下の製造工程は一例であって、必要に応じて製造工程の順序を変更することもできる。図8は、ペリクル500の製造工程を示す図である。基板505を準備し、基板505上にペリクル膜501を形成する(図8(a))。基板505には、上述したように、例えば、シリコン基板、サファイア基板、炭化ケイ素基板等を用いることができる。これらに限定されるものではないが、基板としては、シリコン基板、サファイア基板、炭化ケイ素基板が好ましく、シリコン基板がより好ましい。
ペリクル膜501は、蒸着により膜厚が10nm以上100nm以下となるように、基板505上に形成する。EUV光は、あらゆる物質に対して吸収されやすいため、ペリクル膜301は5nm以上30nm以下の波長の光に90.0%以上の透過率を有するように、薄く形成することが好ましい。本発明に係るペリクル膜501は、好ましくは13.5nmの波長の光に対して、より好ましくは13.5±0.3nmの波長の光に対して、さらに好ましくは5nm〜13.5nm程度の波長の光に対して、90.0%以上の透過率を有する。
貫通孔521を形成する所定の位置のペリクル膜501及び基板505の一部をエッチングにより除去し、基板505を露出させる(図8(b))。ペリクル膜501が形成された面とは反対側の基板505の面をエッチングし、基板505一部を除去して、ペリクル膜501を露出させて第1の枠体511と、第2の枠体513と対向する面に、貫通孔521に接続する溝部525を形成する。また、ペリクル膜501及び基板505の一部を除去した所定の位置に、ペリクル膜501と第1の枠体511とを貫通する貫通孔521を形成する(図8(c))。
本実施形態においては、第1の枠体511の第2の枠体113と対向する面に、貫通孔521に接続する溝部525を配置することで、溝部525と第2の枠体113との結合により、貫通孔521に接続する孔523を形成する。このため、貫通孔521の径及び孔523の大きさは、常圧(0.1MPa)から露光時の真空状態(10−4〜10−6Pa)迄減圧した時に、ペリクル500内外の差圧によるペリクル膜501の膨張が0.5mm未満となる径とする。本実施形態において、貫通孔521はフィルタ531により覆われるため、貫通孔521の径及び孔523の大きさは、フィルタ531による抵抗を考慮して設定される。
ペリクル膜501及び基板505の一部を除去した領域に、貫通孔521を覆うフィルタ531を接着する(図8(d))。フィルタ531は、上述した特性を有するフィルタが好ましく、第1の枠体511への接着性を確保するとともに、ペリクル500の開口率を確保する観点から、幅を1mm以上4mm以下とすることが好ましい。フィルタ531を接着するタイミングは特に制限はなく、第2の枠体に固定した後で貼り付けてもよい。
フィルタ531の総面積は減圧したときにフィルタ531に発生する圧力損失の上限値を考慮して設定される。減圧したときにフィルタ531に発生する圧力損失は2Pa以下となることが望ましい。フィルタ531の長さはフィルタの面積をフィルタ531の幅で割ることで算出できる。フィルタ1枚当たりの長さの範囲は特に制限はないが、1cm以上15cm以下の範囲が望ましく、より望ましくは2cm以上10cm以下である。フィルタの厚み(高さ)は、フォトマスクにペリクルを装着する空間が2.5mmしかないため、ペリクルとフィルタの厚み(高さ)の合計が2.5mm未満となるように配慮する必要がある。ペリクルの高さにもよるが、厚みは0.05mm以上1.0mm以下の範囲が好ましく、より望ましくは0.1mm以上0.4mm以下である。
別途、実施形態1と同様に、第2の枠体113を準備する。第2の枠体113の底面に弾性部材151を形成する。第2の枠体113に弾性部材151を形成する工程は実施形態1で説明したため、詳細な説明は省略する。なお、本実施形態において、弾性部材151に替えて、実施形態2で説明した弾性部材を用いることができる。また、弾性部材の態様に合わせて、第2の枠体の底面の構成も実施形態2で説明した構成から選択することができる。
第2の枠体113の上面に、接着層541を形成する。形成した接着層541を介して、第1の枠体511を第2の枠体113に固定する。このとき、第2の枠体113と対向する面に形成した溝部525と第2の枠体113との結合により、貫通孔521に接続する孔523が形成される。
フォトマスクにペリクルを装着するための空間が2.5mmの高さしか存在していないため、本実施形態においては、フィルタ531の上面がペリクル膜501と同一面になるようにフィルタが配置されるため、ペリクル膜501、第1の枠体511、接着層541、第2の枠体513及び弾性部材151を含めた高さは、2mm以下であることが好ましい。
本発明においては、ペリクル膜501に隣接して、第1の枠体511上にフィルタ531を配置することにより、ペリクル500の高さを低くすることができる。また、フィルタ531の上面がペリクル膜501と同一面になるように、フィルタ531を配置することにより、フィルタ531の厚みの分、ペリクル500の高さを低く抑え、弾性部材151を第2の枠体113に配置するために好適である。
(実施形態4)
本実施形態においては、第2の枠体が第1の枠体と対向する面に、貫通孔に接続する溝部を備え、溝部が第1の枠体との結合により、貫通孔に接続する孔を形成する例について説明する。図9は、本発明の一実施形態に係るペリクル600の図2の線分AA’における断面図である。ペリクル600は、ペリクル膜601を配置した第1の枠体611と、第1の枠体611を支持する第2の枠体613と、を備える。第2の枠体613の縁部には係合部(図示せず)が配置される。また、第1の枠体611を貫通する貫通孔621が配置され、第2の枠体613の内側に開口623が配置される。開口623は貫通孔621に接続する。第1の枠体611のペリクル膜601が配置された面側で貫通孔621を覆うフィルタ631と、第1の枠体611と接続する面とは反対側の第2の枠体613の面に配置された弾性部材151を備える。
本実施形態においては、第2の枠体613は、第1の枠体611と対向する面に、貫通孔621に接続する溝部625を有し、溝部625は、第1の枠体611との結合により、貫通孔621に接続する孔623を形成し、孔623は、第2の枠体613の内側の面に開口を有する。フィルタ631は、第1の枠体611上のペリクル膜601の領域に接着層(図示せず)を介して配置される。
ペリクル膜601、第1の枠体611及び第2の枠体613としては、上述したペリクル膜101、基板105及び第2の枠体113と同様の材料を用いることができるため、詳細な説明は省略する。
第1の枠体611と第2の枠体613とは、接着層641を介して固定される。接着層641の厚みは、第1の枠体611と第2の枠体613との十分な接着が確保できる範囲で可能な限り薄いことが好ましく、例えば、10μm以上300μm以下である。また、接着層641に用いる接着剤は、接着層141と同様の接着剤を用いることができるため、詳細な説明は省略する。
貫通孔621は、ペリクル膜601と第1の枠体611とを貫通して配置される。また、本実施形態においては、第2の枠体613の第1の枠体611と対向する面に、貫通孔621に接続する溝部625を有し、溝部625は、第1の枠体611との結合により、貫通孔621に接続する孔623を形成し、孔623は、第2の枠体613の内側の面に開口を有する。このため、貫通孔621の径及び、溝部625と第1の枠体611との結合により形成される孔623の大きさは、常圧(0.1MPa)から露光時の真空状態(10−4〜10−6Pa)迄減圧した時に、ペリクル600内外の差圧によるペリクル膜601の膨張が0.5mm未満となる径である。本実施形態において、貫通孔621の径及び孔623の大きさは、減圧したときに貫通孔に発生する圧力損失の上限値を考慮して設定される。
減圧した時に貫通孔621で発生する圧力損失は1Pa以下となることが望ましく、より望ましくは0.5Pa以下である。ここで、フィルタ631は貫通孔621を覆うように設置され、減圧したときの圧力損失の大部分はフィルタ631部分で発生し、貫通孔621では圧力損失はほとんど生じないようにすることが好ましい。例えば、貫通孔621での圧力損失が1Pa以下となるように、より好ましくは0.1Pa程度となるように、貫通孔621のサイズを調整する。
例えば、350Pa/secの速度で減圧されるとき、貫通孔621で発生するペリクル600内外の圧力損失が1Paとなるときの貫通孔621の直径は480μm及び数は4個である。貫通孔621の形状は特に問わず、円形、楕円形、長方形、多角形、台形などの形状であってよい。貫通孔621の径は特に制限されないが、第1の枠の強度が低下しない範囲で、10〜500μm程度となることが望ましい。貫通孔621の数も特に制限されず、フィルタの長さや、フィルタの幅に応じて選択できる。
フィルタ631は、フィルタ131と同様のフィルタを用いることができるため、詳細な説明は省略する。フィルタ631は、ペリクル膜601への接着性を確保するとともに、ペリクル600の開口率を確保する観点から、幅を1mm以上4mm以下とすることが好ましい。フィルタ631の幅は、第1の枠体611の幅に収まればよい。
フィルタ631の総面積は減圧したときにフィルタ631に発生する圧力損失の上限値を考慮して設定される。減圧したときにフィルタ631に発生する圧力損失は2Pa以下となることが望ましい。フィルタ631の長さはフィルタ631の面積をフィルタ631の幅で割ることで算出できる。フィルタ1枚当たりの長さの範囲は特に制限はないが、1cm〜15cmの範囲が望ましく、より望ましくは2cm〜10cmである。
また、第2の枠体613の縁部には係合部(図示せず)が配置される。係合部は、ペリクル600をフォトマスク10に固定するための手段であり、実施形態1で説明した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、第2の枠体613の底面には弾性部材151が配置される。弾性部材151は、ペリクル500をフォトマスク10に固定した際に生じる第2の枠体613の底面とフォトマスク10の光照射面との隙間を封止するための手段である。弾性部材151は、実施形態1で説明した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。なお。本実施形態において、弾性部材151に替えて、実施形態2で説明した弾性部材を用いることができる。また、弾性部材の態様に合わせて、第2の枠体の構成も実施形態2で説明した構成から選択することができる。
ペリクル600において、フィルタ631、ペリクル膜601、第1の枠体611、接着層641、第2の枠体613及び弾性部材151を含めた高さは、2mm以下であることが好ましい。上述したように、フォトマスクにペリクルを装着するための空間が2.5mmの高さしか存在していないため、ペリクル膜601の破損を防ぐために、ペリクル600の高さは2mm以下であることが好ましい。
本実施形態においては、第2の枠体613に溝部625を形成するため、第1の枠体に溝部を形成するよりも容易に加工することができる。また、第2の枠体613の底面に弾性部材を配置することにより、十分な密着性を持ってペリクル600をフォトマスク10に着脱可能に配置することができ、第2の枠体613の底面とフォトマスク10の表面との隙間が生じず、フォトマスク10の露光領域20に塵埃等が進入するのを防止することができる。
(ペリクル600の製造方法)
本実施形態においては、第2の枠体613の第1の枠体611と対向する面に、貫通孔621に接続する溝部625を形成し、接着層641を介して第1の枠体611を第2の枠体613に固定して、貫通孔621に接続し、且つ、第2の枠体613の内側の面に開口を有する孔623を形成する。
図10及び図11は、ペリクル600の製造工程を示す図である。基板605を準備し、基板605上にペリクル膜601を形成する(図11(a))。基板605には、上述したように、例えば、シリコン基板、サファイア基板、炭化ケイ素基板等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
ペリクル膜601は、蒸着により膜厚が10nm以上100nm以下となるように、基板605上に形成する。EUV光は、あらゆる物質に対して吸収されやすいため、ペリクル膜601は5nm以上30nm以下の波長の光に90.0%以上の透過率を有するように、薄く形成することが好ましい。本発明に係るペリクル膜601は、好ましくは13.5nmの波長の光に対して、より好ましくは13.5±0.3nmの波長の光に対して、さらに好ましくは5nm〜13.5nm程度の波長の光に対して、90.0%以上の透過率を有する。
貫通孔621を形成する所定の位置のペリクル膜601をエッチングにより除去し、基板605を露出させる(図10(b))。ペリクル膜601が形成された面とは反対側の基板605の面をエッチングし、ペリクル膜601を除去した所定の位置に、ペリクル膜601と第1の枠体611とを貫通する貫通孔621を形成する(図10(c))。
ペリクル膜601上に、貫通孔621を覆うフィルタ631を接着する(図10(d))。フィルタ631は、上述した特性を有するフィルタが好ましく、ペリクル膜601への接着性を確保するとともに、ペリクル600の開口率を確保する観点から、幅を1mm以上4mm以下とすることが好ましい。フィルタ631を接着するタイミングは特に制限はなく、第2の枠体に固定した後で貼り付けてもよい。
別途、第2の枠体613を準備する。本実施形態においては、第2の枠体613の第1の枠体611と対向する面に溝部625を形成し、第2の枠体613の内側の面に孔623を形成する(図11(a))。このため、貫通孔621の径及び孔623の大きさは、常圧(0.1MPa)から露光時の真空状態(10−4〜10−6Pa)迄減圧した時に、ペリクル600内外の差圧によるペリクル膜601の膨張が0.5mm未満となる径とする。本実施形態において、貫通孔621はフィルタ631により覆われるため、貫通孔621の径及び孔623の大きさは、フィルタ631による抵抗を考慮して設定される。
また、第2の枠体613の底面に弾性部材151を形成する。第2の枠体613に弾性部材151を形成する工程は実施形態1で説明したため、詳細な説明は省略する(図11(b))。なお、本実施形態において、弾性部材151に替えて、実施形態2で説明した弾性部材を用いることができる。また、弾性部材の態様に合わせて、第2の枠体の底面の構成も実施形態2で説明した構成から選択することができる。
第2の枠体613の上面に、接着層641を形成する(図11(c))。このとき、接着層641には、貫通孔621に対応する位置に開口643が形成される。形成した接着層641を介して、第1の枠体611を第2の枠体613に固定する(図11(d))。このとき、貫通孔621に孔623が接続され、貫通孔621と孔623が通気口を形成する。
フォトマスクにペリクルを装着するための空間が2.5mmの高さしか存在していないため、本実施形態においては、フィルタ631、ペリクル膜601、第1の枠体611、接着層641、第2の枠体613及び弾性部材151を含めた高さを2mm以下とすることが好ましい。
本実施形態においては、第2の枠体613に孔623を形成するため、第1の枠体に溝部を形成するよりも容易に加工することができる。また、第2の枠体613の底面に弾性部材を配置することにより、十分な密着性を持ってペリクル600をフォトマスク10に着脱可能に配置することができ、第2の枠体613の底面とフォトマスク10の表面との隙間が生じず、フォトマスク10の露光領域20に塵埃等が進入するのを防止することができる。
(実施形態5)
上述した実施形態においては、少なくとも第1の枠体に貫通孔を配置したペリクルについて説明したが、本実施形態においては第2の枠体のみに貫通孔を配置し、フィルタで覆う例について説明する。図12は、本発明の一実施形態に係るペリクル700の図2の線分AA’における断面図である。図12(a)はペリクル100の図2の線分AA’における断面図であり、図12(b)は図12(a)の一部拡大図である。ペリクル700は、ペリクル膜701を配置した第1の枠体711と、第1の枠体711と接着層741を介して固定した第2の枠体713を備える。第2の枠体713には外側の側面と内側の側面とを貫通した貫通孔721が配置される。接着層741を介して接着した第1の枠体711及び第2の枠体713の側面には、貫通孔721を覆うフィルタ731が接着層737を介して接着される。
ペリクル膜701、第1の枠体711としては、上述したペリクル膜101及び基板105と同様の材料を用いることができるため、詳細な説明は省略する。また、第2の枠体713は、外側の側面と内側の側面とを貫通した貫通孔721が配置された構造を備える点以外は、実施形態1で説明した第2の枠体113と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。なお、弾性部材151は実施形態1で説明した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第1の枠体711と第2の枠体713とは、接着層741を介して固定される。接着層741の厚みは、第1の枠体711と第2の枠体713との十分な接着が確保できる範囲で可能な限り薄いことが好ましく、例えば、10μm以上300μm以下である。接着層741に用いる接着剤は、接着層141と同様の接着剤を用いることができるため、詳細な説明は省略する。また、フィルタ731を接着するために、第2の枠体713の側面に配置する接着層も、接着層141と同様の接着剤を用いることができるため、詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、第2の枠体713の外側の側面と内側の側面とを貫通する貫通孔721を配置する。貫通孔721は、常圧(0.1MPa)から露光時の真空状態(10−4〜10−6Pa)迄減圧した時に、ペリクル700内外の差圧によるペリクル膜701の膨張が0.5mm未満となる径である。本実施形態において、貫通孔721の径は、減圧したときに貫通孔721に発生する圧力損失の上限値を考慮して設定される。
減圧した時に貫通孔721で発生する圧力損失は1Pa以下となることが望ましく、より望ましくは0.5Pa以下である。ここで、フィルタ731は貫通孔721を覆うように設置され、減圧したときの圧力損失の大部分はフィルタ731部分で発生し、貫通孔721では圧力損失はほとんど生じないようにすることが好ましい。例えば、貫通孔721での圧力損失が1Pa以下となるように、より好ましくは0.1Pa程度となるように、貫通孔721のサイズを調整する。
例えば、350Pa/secの速度で減圧されるとき、貫通孔721で発生するペリクル700内外の圧力損失が1Paとなるときの貫通孔721の直径は480μm及び数は4個である。貫通孔721の形状は特に問わず、円形、楕円形、長方形、多角形、台形などの形状であってよい。貫通孔721の径は特に制限されないが、第2の枠の強度が低下しない範囲で、10〜500μm程度となることが望ましい。貫通孔721の数も特に制限されず、フィルタの長さや、フィルタの幅に応じて選択できる。
フィルタ731は、フォトマスクヘ固定したペリクル700内への塵埃等の流入を防止可能な材料で形成され、初期圧力損失が100Pa以上550Pa以下、粒径が0.15μm以上0.3μm以下の粒子に対して粒子捕集率が99.7%以上100%以下のフィルタを用いることが望ましい。フィルタの種類として、例えば、ULPAフィルタ(Ultra Low Penetration Air Filter)を用いることができる。ULPAフィルタは、定格風量で粒径が0.15μmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率をもち、且つ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタである。また、フィルタ731としてHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)を用いてもよい。HEPAフィルタは、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、且つ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタである。フィルタ731は、第2の枠体713への接着性を確保する観点から、幅(高さ)が第2の枠体713の高さと概略等しいことが好ましい。
フィルタ731は、通気部735と接着層737が配置される糊代部733から構成される。糊代部733は通気部735を囲むように、フィルタ731の外周部に配置される。接着層737は、第2の枠体713と通気部735を隙間なく接着する役割を果たす。糊代部733では気体は通過しない。糊代部733の幅は0.2mm以上1.0mm以下である。通気部735の面積を広くするために、糊代部733の幅はできる限り細い方が望ましい。
フィルタ731の通気部735の総面積は減圧したときにフィルタに発生する圧力損失の上限値を考慮して設定される。減圧したときにフィルタ731の通気部735に発生する圧力損失は2Pa以下となることが望ましい。フィルタ731の通気部735の長さはフィルタ731の通気部735の面積をフィルタ731の通気部735の幅で割ることで算出できる。フィルタ1枚当たりの通気部735の長さの範囲は特に制限はないが、1cm以上15cm以下の範囲が望ましく、より望ましくは2cm以上10cm以下である。
また、第2の枠体713の縁部には係合部(図示せず)が配置される。係合部は、ペリクル700をフォトマスク10に固定するための手段であり、実施形態1で説明した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、第2の枠体713の底面には弾性部材151が配置される。弾性部材151は、ペリクル700をフォトマスク10に固定した際に生じる第2の枠体713の底面とフォトマスク10の光照射面との隙間を封止するための手段である。弾性部材151は、実施形態1で説明した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。なお、本実施形態において、弾性部材151に替えて、実施形態2で説明した弾性部材を用いることができる。また、弾性部材の態様に合わせて、第2の枠体の構成も実施形態2で説明した構成から選択することができる。
ペリクル700においては、フィルタ731が第2の枠体713の側面に配置され、ペリクル膜701、第1の枠体711、接着層741、第2の枠体713及び弾性部材151を含めた高さは、2mm以下であることが好ましい。上述したように、フォトマスクにペリクルを装着するための空間が2.5mmの高さしか存在していないため、ペリクル膜501の破損を防ぐために、ペリクル500の高さは2mm以下であることが好ましい。
本発明においては、フィルタ731を第2の枠体713の側面に配置することにより、ペリクル700の高さを低くすることができる。このため、フィルタ731の厚みの分、ペリクル700の高さを低く抑え、弾性部材151を第2の枠体713に配置するために好適である。
(実施形態6)
本実施形態においては、第1の枠体の貫通孔に接続する孔を第2の枠体に形成する例について説明する。なお、本実施形態において、ペリクル膜601、第1の枠体611及びフィルタ631の構成は、実施形態4で説明した構成と同様である。
図13は、本発明の一実施形態に係るペリクル800の図2の線分AA’における断面図である。ペリクル800は、ペリクル膜601を配置した第1の枠体611と、第1の枠体611を支持する第2の枠体813と、を備える。また、ペリクル800は、ペリクル膜601と第1の枠体611とを貫通する貫通孔621と、ペリクル膜601上に配置され、貫通孔621を覆うフィルタ631と、を備える。
本実施形態においては、第2の枠体813が、第1の枠体611と対向する面に配置した第1の開口823と、第2の枠体813の内側の面に配置した第2の開口825とを有し、2つの開口は、第2の枠体813の内部に配置された孔で接続され、第1の開口823が貫通孔621に接続する。フィルタ631は、第1の枠体611上のペリクル膜601の領域に接着層(図示せず)を介して配置される。
第1の枠体611と第2の枠体813とは、接着層641を介して固定される。接着層641の厚みは、第1の枠体611と第2の枠体813との十分な接着が確保できる範囲で可能な限り薄いことが好ましく、例えば、10μm以上300μm以下である。
貫通孔621は、ペリクル膜601と第1の枠体611とを貫通して配置される。また、本実施形態においては、第2の枠体813の第1の枠体611と対向する面に配置した第1の開口823と、第2の枠体813の内側の面に配置した第2の開口825とを有し、2つの開口は、第2の枠体813の内部に配置された孔で接続され、第1の開口823が貫通孔621に接続する。このため、貫通孔621の径及び、貫通孔621と第2の枠体813の内部に配置された孔の径は、常圧(0.1MPa)から露光時の真空状態(10−4〜10−6Pa)迄減圧した時に、ペリクル800内外の差圧によるペリクル膜601の膨張が0.5mm未満となる径である。本実施形態において、貫通孔621及び孔の径は、減圧したときに貫通孔621に発生する圧力損失の上限値を考慮して設定される。
減圧した時に貫通孔621で発生する圧力損失は1Pa以下となることが望ましく、より望ましくは0.5Pa以下である。ここで、フィルタ631は貫通孔621を覆うように設置され、減圧したときの圧力損失の大部分はフィルタ631部分で発生し、貫通孔621では圧力損失はほとんど生じないようにすることが好ましい。例えば、貫通孔621での圧力損失が1Pa以下となるように、より好ましくは0.1Pa程度となるように、貫通孔621のサイズを調整する。
例えば、350Pa/secの速度で減圧されるとき、貫通孔621で発生するペリクル800内外の圧力損失が1Paとなるときの貫通孔621の直径は500μm及び数は4個である。貫通孔621の形状は特に問わず、円形、楕円形、長方形、多角形、台形などの形状であってよい。貫通孔621の径は特に制限されないが、第1の枠の強度が低下しない範囲で、10〜500μm程度となることが望ましい。貫通孔621の数も特に制限されず、フィルタの長さや、フィルタの幅に応じて選択できる。
フィルタ631は、ペリクル膜601への接着性を確保するとともに、ペリクル800の開口率を確保する観点から、幅を1mm以上4mm以下とすることが好ましい。フィルタ631の幅は、第1の枠体611の幅に収まればよい。
フィルタ631の総面積は減圧したときにフィルタ631に発生する圧力損失の上限値を考慮して設定される。減圧したときにフィルタ631に発生する圧力損失は2Pa以下となることが望ましい。フィルタ631の長さはフィルタ631の面積をフィルタ631の幅で割ることで算出できる。フィルタ1枚当たりの長さの範囲は特に制限はないが、1cm以上15cm以下の範囲が望ましく、より望ましくは2cm以上10cm以下である。
ペリクル800において、ペリクル膜601、第1の枠体611、接着層141、第2の枠体813及び弾性部材651を含めた高さは、2mm以下であることが好ましい。上述したように、フォトマスク10にペリクルを装着するための空間が2.5mmの高さしか存在していないため、ペリクル膜601の破損を防ぐために、ペリクル800の高さは2mm以下であることが好ましい。
なお、ペリクル800において、弾性部材651に替えて、図6(b)〜図6(d)に示した弾性部材と第2の枠体を用いることができる。
(露光方法)
上述した実施形態に係るペリクルを用いて、極端紫外光リソグラフィによる微細加工を実現することができる。本発明に係るペリクルをフォトマスクのレチクル面に配置し、フォトマスクを露光装置の所定の位置に配置して、レチクル面から3mm以下の距離を有する空隙にペリクルを収容し、真空下で、ペリクルを配置したフォトマスクに波長5nm以上30nm以下の光を照射し、ペリクルを配置したフォトマスクのレチクル面から出射した光をレジスト層が形成された基材に照射することにより、レジストにパターンを露光することができる。
本発明に係るペリクルのペリクル膜は膜厚が10nm以上100nm以下の薄い膜であるため、従来のペリクルのように手でフォトマスクに固定することは困難である。したがって、専用の貼付け装置を用いて、非接触での貼付けが必要となる。
本発明に係るペリクルを貼付けたフォトマスクを露光装置の所定の位置に配置するが、レチクル面から3mm以下、特に2.5mmの距離を有する空隙にペリクルが収容される。
露光装置内にレジスト層が形成された基材を導入し、露光装置内を10−4〜10−6Pa程度の真空状態にする。このとき、フォトマスクに貼付けた本発明に係るペリクルは弾性部材を介してフォトマスクに密着しているため、フィルタを介してペリクル内から空気が流出する。これにより、ペリクル膜が損傷することなく、ペリクル内を真空状態にすることができる。
その後、ペリクルを配置したフォトマスクに波長5nm以上30nm以下のEUV光を照射する。フォトマスクはレチクル面より下層に多層反射膜が形成されているため、レチクル面に入射したEUV光が多層反射膜により反射して、レチクル面の吸収体で形成されたパターンを反映したEUV光がレチクル面からペリクルを透過して出射する。
フォトマスクのレチクル面から出射した光をレジスト層が形成された基材に照射することにより、レジストにパターンを露光することができる。これにより、従来にない微細加工が実現される。
10:フォトマスク、20:露光領域、30:第1の係止部材、100:ペリクル、101:ペリクル膜、105:基板、111:第1の枠体、113:第2の枠体、114:係合部、121:貫通孔、131:フィルタ、133:糊代部、135:通気部、137:接着層、141:接着層、151:弾性部材、213:第2の枠体、251:弾性部材、255:接着層、313:第2の枠体、351:弾性部材、413:第2の枠体、451:弾性部材、500:ペリクル、501:ペリクル膜、505:基板、511:第1の枠体、521:貫通孔、523:孔、525:溝部、531:フィルタ、541:接着層、600:ペリクル、601:ペリクル膜、605:基板、611:第1の枠体、621:貫通孔、623:孔、625:溝部、631:フィルタ、641:接着層、643:開口、700:ペリクル、701:ペリクル膜、711:第1の枠体、713:第2の枠体、721:貫通孔、731:フィルタ、733:糊代部、735:通気部、737:接着層、741:接着層、800:ペリクル、813:第2の枠体、823:第1の開口、825:第2の開口、851:弾性部材、900:ペリクル、901:ペリクル膜、911:枠体、941:係合部

Claims (22)

  1. ペリクル膜を配置した第1の枠体と、
    前記第1の枠体を支持する第2の枠体と、
    前記第2の枠体の縁部に配置された係合部と、
    前記第1の枠体又は前記第2の枠体の少なくとも何れかを貫通する貫通孔と、
    前記貫通孔を覆い、前記第1の枠体又は前記第2の枠体の外側の面に配置されたフィルタと、
    前記第1の枠体と接続する面とは反対側の前記第2の枠体の面に配置された弾性部材と、を備えることを特徴とするペリクル。
  2. 前記弾性部材は、前記弾性部材が配置される前記第2の枠体の面よりも小さな接地面を有することを特徴とする請求項1に記載のペリクル。
  3. 前記第2の枠体は凹部を備え、前記弾性部材は前記第2の枠体の前記凹部に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のペリクル。
  4. 前記弾性部材は、前記第2の枠体の前記凹部の側面に配置された接着層を介して前記第2の枠体に配置され、
    前記接着層は、前記弾性部材の外側の側面と接着することを特徴とする請求項3に記載のペリクル。
  5. 前記弾性部材は、前記第2の枠体の前記凹部に嵌合することを特徴とする請求項3に記載のペリクル。
  6. 前記貫通孔は前記第1の枠体を貫通し、
    前記フィルタは、前記第1の枠体の前記ペリクル膜が配置された面側で前記貫通孔を覆うことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一に記載のペリクル。
  7. 前記貫通孔は、前記ペリクル膜を貫通し、
    前記フィルタは、前記ペリクル膜上に配置されることを特徴とする請求項6に記載のペリクル。
  8. 前記貫通孔に接続し、前記第2の枠体の内側に配置された開口を備えることを特徴とする請求項6又は7に記載のペリクル。
  9. 前記第2の枠体は、前記第1の枠体と対向する面に、前記貫通孔に接続する溝部を有し、
    前記溝部は、前記第1の枠体との結合により、前記貫通孔に接続する孔を形成し、
    前記孔は、前記第2の枠体の内側の面に前記開口を有することを特徴とする請求項8に記載のペリクル。
  10. 前記第2の枠体は、前記第1の枠体と対向する面に配置した第1の開口と、前記第2の枠体の内側の面に配置した第2の開口とを有し、
    2つの前記開口は、前記第2の枠体の内部に配置された孔で接続され、
    前記第1の開口が前記貫通孔に接続することを特徴とする請求項8に記載のペリクル。
  11. 前記貫通孔は前記第2の枠体を貫通していることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一に記載のペリクル。
  12. 前記ペリクル膜は13.5nm±0.3nmの波長の光に90.0%以上の透過率を有し、膜厚が10nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一に記載のペリクル。
  13. 高さが2mm以下であることを特徴とする請求項1乃至12の何れか一に記載のペリクル。
  14. 基板上にペリクル膜を形成し、
    前記基板の一部を除去して、前記ペリクル膜を露出させて第1の枠体を形成し、
    縁部に係合部を有する第2の枠体を準備し、
    前記第1の枠体又は前記第2の枠体の少なくとも何れかの所定の位置を貫通する貫通孔を形成し、
    前記貫通孔を覆うフィルタを配置し、
    前記第2の枠体に弾性部材を形成し、
    前記弾性部材を形成した面とは反対側の前記第2の枠体の面を、前記第1の枠体側の前記ペリクル膜が形成されている面とは反対側の面に、接着層を介して前記第1の枠体を固定することを特徴とするペリクルの製造方法。
  15. 前記所定の位置に前記第1の枠体を貫通する貫通孔を形成し、
    前記第1の枠体の前記ペリクル膜が配置された面側に、前記貫通孔を覆うフィルタを配置し、
    前記弾性部材を形成した面とは反対側の前記第2の枠体の面を、前記第1の枠体側の前記貫通孔が開口するように、接着層を介して前記第1の枠体に固定して、前記第2の枠体の内側の面に開口を形成することを特徴とする請求項14に記載のペリクルの製造方法。
  16. 前記第2の枠体の前記第1の枠体と対向する面に、前記貫通孔に接続する溝部を形成し、
    接着層を介して前記第1の枠体を前記第2の枠体に固定して、前記貫通孔に接続し、且つ、前記第2の枠体の内側の面に前記開口を形成することを特徴とする請求項15に記載のペリクルの製造方法。
  17. 前記第2の枠体の前記第1の枠体と対向する面に第1の開口を形成し、
    前記第2の枠体の内側の面に第2の開口を形成し、
    前記第2の枠体の内部に2つの前記開口を接続する孔を形成し、
    前記第1の開口を前記貫通孔に接続することを特徴とする請求項15に記載のペリクルの製造方法。
  18. 前記貫通孔は、前記所定の位置に前記ペリクル膜を貫通して形成し、
    前記ペリクル膜上に、前記貫通孔を覆うフィルタを配置することを特徴とする請求項15乃至17の何れか一に記載のペリクルの製造方法。
  19. 前記第2の枠体の所定の位置に枠体を貫通する貫通孔を形成することを特徴とする請求項14に記載のペリクルの製造方法。
  20. 膜厚が10nm以上100nm以下となる前記ペリクル膜を前記基板上に形成し、
    前記ペリクル膜は13.5nm±0.3nmの波長の光に90.0%以上の透過率を有することを特徴とする請求項14乃至19の何れか一に記載のペリクルの製造方法。
  21. 高さを2mm以下とすることを特徴とする請求項14乃至20の何れか一に記載のペリクルの製造方法。
  22. 請求項1乃至13の何れか一に記載のペリクルをフォトマスクのレチクル面に係止し、
    前記フォトマスクを露光装置の所定の位置に配置して、前記レチクル面から3mm以下の距離を有する空隙に前記ペリクルを収容し、
    真空下で、前記ペリクルを配置した前記フォトマスクに波長5nm以上30nm以下の光を照射し、
    前記ペリクルを配置した前記フォトマスクの前記レチクル面から出射した光をレジスト層が形成された基材に照射することを特徴とする露光方法。
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