JP2017083194A - タイヤの耐久性試験方法 - Google Patents

タイヤの耐久性試験方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017083194A
JP2017083194A JP2015208739A JP2015208739A JP2017083194A JP 2017083194 A JP2017083194 A JP 2017083194A JP 2015208739 A JP2015208739 A JP 2015208739A JP 2015208739 A JP2015208739 A JP 2015208739A JP 2017083194 A JP2017083194 A JP 2017083194A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
heating
rim
bead
inner diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015208739A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6512661B2 (ja
Inventor
太郎 岡部
Taro Okabe
太郎 岡部
和美 山崎
Kazumi Yamazaki
和美 山崎
裕貴 晒
Hirotaka Sarashi
裕貴 晒
恒之 中川
Tsuneyuki Nakagawa
恒之 中川
賢悟 増田
Kengo Masuda
賢悟 増田
和裕 山元
Kazuhiro Yamamoto
和裕 山元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2015208739A priority Critical patent/JP6512661B2/ja
Publication of JP2017083194A publication Critical patent/JP2017083194A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6512661B2 publication Critical patent/JP6512661B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】ビードの耐久性評価を高精度に、且つ短時間で評価しうるタイヤの耐久性の評価方法の提供。
【解決手段】タイヤ4のビード耐久性の評価方法は、タイヤ4がリムに組み込まれたタイヤ組立体が乾熱下で加熱される加熱工程と、加熱工程後にタイヤ4がリムから取り外されて再びリムに組み込まれるリム脱着工程と、リム脱着工程後のタイヤ組立体が走行させられる走行工程とを備える。好ましくは、加熱工程において、タイヤ組立体の加熱温度Thが、市場タイヤのビードの最高到達温度に設定されている。好ましくは、加熱工程において、タイヤ組立体の加熱温度Thとタイヤ組立体の加熱期間Phとが、タイヤのビードトーの内径変化量Dcが所定の数値範囲になるように、設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤの耐久性の評価方法に関する。詳細には、ビードの耐久性の評価方法に関する。
タイヤをドラム上で走行させて、タイヤのビードの耐久性が評価されている。この評価方法は、天候などの影響を受けず、一定の条件下で評価がされうる。この評価方法は、バラツキの小さい評価結果を得られる。この評価方法では、ビードに損傷が発生するまでの走行時間によって、ビードの耐久性が評価されている。この評価方法では、ビードの損傷を促進するために、タイヤに大きな荷重が負荷されている。しかしながら、ビードに損傷が発生するまでの走行時間は長い。特に、重荷重用タイヤの様に、ビード耐久性が向上したタイヤでは、この走行時間は一層長い。
また、重荷重用タイヤは、厳しい条件下で使用される。この様な重荷重用タイヤとして、例えばトラック・バス用タイヤがある。重荷重用タイヤは、大きな荷重を負荷されて使用される。重荷重用タイヤは、アップダウンの多い山岳部等の走行で使用されることも多い。この様な走行では、ブレーキが多用されることがある。この様な走行では、ブレーキ動作時の発生熱(以下、ブレーキ熱という)が大きい。このブレーキ熱は、リムフランジを加熱する。ブレーキ熱は、リムフランジを介してビード部の損傷を助長する。市場でのビード耐久性を高精度に評価するためには、ブレーキ熱の影響をも加味して、ビード耐久性を評価する必要がある。
特開2013−257190号公報には、タイヤの耐久性を評価する試験装置が開示されている。この試験装置は、タイヤのビード周りを加熱しながら、耐久性を評価する。この試験装置は、この加熱によって、ビード周辺の劣化を促進する。この試験装置を使用した評価方法では、ビードに損傷が発生するまでの走行時間が短縮されうる。この評価方法では、ブレーキ熱の影響を加味して、ビード耐久性を評価しうる。
特開2013−257190号公報
特開2013−257190号公報の試験装置では、走行するタイヤのリムフランジ周辺にヒータが配置される。この試験装置を用いた評価方法では、このヒータの位置調整が必要である。また、ビードの損傷の形態によっては、ヒータが破損する恐れがある。
一方で、タイヤを予め熱劣化させる評価方法がある。この評価方法では、タイヤをリムに組み込んだタイヤ組立体が、オーブン等で加熱される。この加熱されたタイヤ組立体がドラム上を走行して、ビードの耐久性が評価される。この評価方法では、タイヤを予め熱劣化させているので、走行時間が短い。予め熱劣化させることで、ビードの耐久性の評価対象によっては、ヒータが必要とされない。
発明者らは、種々の試験の結果から、予め熱劣化させたタイヤでは、ビードの耐久性の評価結果にバラツキを生じ易いことを発見した。この評価結果のバラツキは、評価の精度を低下させる。
本発明の目的は、ビードの耐久性評価を高精度に、且つ短時間で評価しうるタイヤの耐久性の評価方法の提供にある。
本発明に係るタイヤの耐久性の評価方法は、
タイヤがリムに組み込まれたタイヤ組立体が加熱される加熱工程と、
上記加熱工程後に上記タイヤが上記リムから取り外されて再び上記リム又は他のリムに組み込まれるリム脱着工程と、
上記リム脱着工程後のタイヤ組立体が走行させられる走行工程とを備える。
好ましくは、上記加熱工程において、上記タイヤ組立体の加熱温度Thが、市場タイヤのビードの最高到達温度に設定されている請求項1に記載の評価方法。
好ましくは、上記加熱工程において、乾熱下で上記タイヤ組立体の加熱温度Thが90(℃)以上110(℃)以下である。
好ましくは、上記加熱工程において、乾熱下で上記タイヤ組立体の加熱期間Phが1日以上5日以下である。
好ましくは、上記加熱工程において、上記タイヤ組立体の加熱温度Thと上記タイヤ組立体の加熱期間Phとは、上記タイヤのビードトーの内径変化量Dcと市場タイヤの上記ビードトーの内径変化量Drとが、以下の(mm)単位の関係式を満たすように、設定されている。
上記内径変化量Dcは、上記加熱工程後の上記ビードトーの内径から上記加熱工程前の上記ビードトーの内径を差し引いた値である。上記内径変化量Drは、市場で使用寿命に達したタイヤの上記ビードトーの内径から未使用の上記ビードトーの内径を差し引いた値である。
(Dr−1) ≦ Dc ≦ (Dr+1)
好ましくは、上記加熱工程において、上記タイヤ組立体の加熱温度Thと上記タイヤ組立体の加熱期間Phとが、上記タイヤのビードトーの内径変化量Dcが10(mm)以上17(mm)以下なるように、設定されている。
好ましくは、この評価方法は、上記タイヤの合否判定がされる判定工程を備えている。上記走行工程が終了する最長走行時間と、最長走行時間より短い基準時間とが設定されている。
上記判定工程において、上記タイヤの上記走行工程での走行時間が上記基準時間と比較されて合格判定がされている。
本発明に係る評価方法では、加熱工程を備えている。加熱工程を備えることで、市場での評価に近いビード耐久性の評価ができる。また、加熱工程を備えることで、走行工程での走行時間が短縮される。更に、加熱工程と走行工程との間にリムの脱着工程を備えることで、評価結果のバラツキが抑制されている。この方法は、ビードの耐久性の評価を高精度に、且つ従来より短時間で評価しうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る評価方法のための試験機が示された概念図である。 図2は、図1の方法で評価されるタイやの正面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、走行試験機2の一例が示されている。この試験機2は、本発明に係るタイヤの耐久性の評価方法に用いられる。この図1では、試験タイヤであるタイヤ4が共に示されている。図示されないが、タイヤ4はリムに組み込まれている。この走行試験機2は、リム支持部6、駆動ドラム8、温度センサ12及び制御部14を備えている。図1の紙面に垂直な方向は、試験機2の前後方向である。図1の上下方向及び左右方向は、試験機2の上下方向及び左右方向に一致している。
リム支持部6は、タイヤ4が装着されたリムを支える。リム支持部6はリムを回転させる。リム支持部6はリムの回転を制動する。このリム支持部6は、タイヤ4の回転を減速し、タイヤ4の回転を停止しうる。リム支持部6は、駆動ドラム8に対して上下方向に移動する。この移動により、タイヤ4は、駆動ドラムに接地する位置と離れた位置との間で移動可能にされている。リム支持部6は、所定の荷重にて、リムに装着されたタイヤ4を駆動ドラム8に押しつけうる。リム支持部6は、制御部14に電気的に接続されている。
駆動ドラム8は円筒形である。駆動ドラム8の外周面は、タイヤ4のトレッド面が接地する走行面を構成している。この駆動ドラム8が回転することにより、接地したタイヤ4が回転する。駆動ドラム8が回転することにより、タイヤ4が走行する。駆動ドラム8の回転速度は調整可能である。このタイヤ4の走行速度は調整可能である。駆動ドラム8は、制御部14に電気的に接続されている。
温度センサ12は、リムのフランジの近傍に取り付けられている。温度センサ12は、リムのフランジの近傍でタイヤ4の温度を測定する。温度センサ12は、制御部14に電気的に接続されている。温度センサ12は、制御部14に測定データを送信する。図示されないが、ヒータを更に備えていてもよい。ヒータがドラムを走行するタイヤのビード周辺を加熱するように配置されてもよい。
制御部14は、リム支持部6及び駆動ドラム8を制御する。制御部14は、温度センサ12が測定した温度データを受信する。制御部14がリム支持部6及び駆動ドラム8を制御して、予め設定された負荷荷重、走行速度、走行時間等の走行条件で、タイヤ4が走行する。この制御部14は、図示しないヒータを制御して、温度センサー12の温度データに基づき、タイヤのビード周辺を加熱してもよい。
図2のタイヤ4は、リムに組み込まれていない。図2の紙面に垂直な方向がタイヤ4の軸方向である。図示されないが、このタイヤ4は、トレッド、一対のサイドウォール、一対のクリンチ、一対のビード、カーカス、ベルト、インナーライナー及び一対のチェーファーを備えている。このタイヤ4は、図示されないが、タイヤ4の軸方向において、ほぼ左右対称の形状を呈する。このタイヤ4は、チューブレスタイプである。このタイヤ4は、トラック、バス等に装着される。このタイヤ4は、重荷重用タイヤである。
トレッドは、路面と接地するトレッド面を形成する。サイドウォールは、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。このサイドウォールは、カーカスの外傷を防止する。ビードは、コアと、コアから半径方向外向きに延びるエイペックスとを備えている。コアは、リング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。エイペックスは、半径方向外向きに先細りである。このエイペックスは、高硬度な架橋ゴムからなる。タイヤ4がリムに組み込まれると、このビードによって、タイヤ4はリムに嵌合される。
カーカスは、カーカスプライからなる。カーカスプライは、両側のビードの間に架け渡されており、トレッド及びサイドウォールに沿っている。カーカスプライは、コアの周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライには、主部と折り返し部とが形成されている。カーカスは、タイヤ4の骨格を構成する。
クリンチは、サイドウォールの半径方向略内側に位置している。クリンチは、サイドウォールの半径方向内側部から半径方向内向きに延びている。チェーファーは、ビードの近傍に位置している。チェーファーは、ビードの半径方向内側に位置する。このタイヤ4では、チェーファーは、クリンチと一体化されている。タイヤ4がリムに組み込まれると、クリンチは、リムフランジに当接する。チェーファーがリムのシート面に当接する。このクリンチとチェーファーとが、リムに対してビードを保護する。このチェーファーの半径方向内端のとがった先端がビードトーである。図2の両矢印DTは、このビードトーの内径を表している。
本発明に係るタイヤの耐久性の評価方法が、図1の試験機2とタイヤ4とを用いて説明される。この方法は、加熱工程と、リム脱着工程と、走行工程と、判定工程とを備えている。
加熱工程では、タイヤ4がリムに組み込まれてタイヤ組立体が準備される。このリムはタイヤ4の正規リムである。このタイヤ組立体に、正規内圧の空気が充填されている。このタイヤ組立体は、予め設定された加熱温度Th及び加熱期間Phで加熱される。このタイヤ4は、乾熱下で熱劣化される。本発明では、乾燥空気の雰囲気で加熱して熱劣化させることを乾熱下で熱劣化させると称する。例えば、タイヤ組立体は、乾熱オーブン(湿分が注入されないオーブン)に投入されて、加熱される。この加熱後に、タイヤ組立体は常温に戻される。
リム脱着工程では、加熱工程後のタイヤ4からリムが取り外される。リムが取り外された後に、再びタイヤ4がリムに組み込まれる。加熱工程で使用されるリムと、再びタイヤ4が組み込まれるリムとは、同じリムであってもよいし、異なるリムであってもよい。これらのリムでは、タイヤ4が当接する部分の形状が、正規リムの形状であればよい。
走行工程では、リム脱着工程後のタイヤ組立体が試験機2で走行させられる。タイヤ4のトレッド面が駆動ドラム8の外周面に接地して回転させられる。この走行工程は、例えば25(℃)の室内で実施される。このタイヤ4の走行速度は、例えば20(km/h)にされる。この走行工程は、第一走行工程、第二走行工程及び第三走行工程を備えている。この走行工程では、第二走行工程の空気圧及び負荷荷重が第一走行工程のそれらより大きくされている。第三走行工程の空気圧及び負荷荷重が第二走行工程のそれらより大きくされている。この走行工程では、第一走行工程、第二走行工程、第三走行工程の順に、試験条件が厳しくされている。
第一走行工程では、例えば空気圧は正規内圧にされる。このタイヤ4に例えば正規荷重の235%の荷重が負荷される。最長走行時間は、例えば96時間に設定される。この最長走行時間内に、タイヤ4のビードに損傷が確認されたときは、確認された時点で走行工程が終了する。最長走行時間内に、その損傷が確認できなかったときは、第一走行工程が終了し、第二走行工程に移行する。
第二走行工程では、例えば空気圧は正規内圧に対して150(kPa)の増圧がされる。このタイヤ4に例えば正規荷重の270%の荷重が負荷される。最長走行時間は、例えば96時間である。この最長走行時間内に、タイヤ4のビードに損傷が確認されたときは、確認された時点で走行工程が終了する。最長走行時間内に、その損傷が確認できなかったときは、第二走行工程が終了し、第三走行工程に移行する。
第三走行工程では、例えば空気圧は正規内圧に対して200(kPa)の増圧がされる。このタイヤ4に例えば正規荷重の300%の荷重が負荷される。最長走行時間は、例えば96時間である。この最長走行時間内に、タイヤ4のビードに損傷が確認されたときは、確認された時点で走行工程が終了する。最長走行時間内に、その損傷が確認できなかったときは、第三走行工程が終了する。この第三走行工程は、最長走行時間を設定せずに、タイヤ4のビードに損傷が確認されるまで続けられてもよい。
判定工程では、タイヤ4のビード耐久性の評価がされる。例えば、この判定工程では、耐久性の合否判定がされる。この走行工程に最長走行時間が設定されている。この最長走行時間は、第一走行工程と第二走行工程と第三走行工程との最長走行時間を足し合わせた時間である。この走行工程の最長走行時間より、短い基準時間が設定される。走行工程においてタイヤ4の走行時間が、この基準時間以上であれば、判定工程ではタイヤ4の合格判定がされる。一方で、タイヤ4の走行時間が基準時間未満であれば、判定工程ではタイヤ4の不合格判定がされる。
この基準時間は、ビード耐久性の合格基準となるマスタータイヤによって定められる。このマスタータイヤについて、前述のタイヤ4と同じ条件で、本発明に係る耐久性の評価方法が実施される。走行工程の最長走行時間より短い基準時間で、マスタータイヤのビードに損傷が発生するように、加熱工程の加熱温度Thと加熱期間Phとが設定される。
この判定工程では、走行工程の最長走行時間と、基準時間とが設定されている。この基準時間が最長走行時間より十分に短くされることで、タイヤ4の耐久性の合否判定がより確実にできる。合否判定を確実にする観点から、走行工程の最長走行時間と基準時間との差は大きいことが好ましい。この差は、好ましくは20時間以上であり、更に好ましくは30時間以上であり、特に好ましくは80時間以上である。
この評価方法の加熱工程では、タイヤ組立体が加熱されている。タイヤ4は、重力を受ける。例えば、トレッド面が接地した立てた姿勢のタイヤ組立体では、接地するトレッド面の半径方向内側部分のビード周辺で、撓みが生じ易い。このタイヤ4では、周方向において、接地するトレッド面の半径方向内側部分で、歪みが生じ易い。このタイヤ4では、この歪みは、周方向において偏って生じる。
この評価方法は、加熱工程後にリム脱着工程を備えている。加熱工程後のタイヤ4がリムから取り外される。リムを取り外すことで、タイヤ4に発生した歪みが緩和される。これにより、周方向に偏った歪みが緩和される。このタイヤ組立体は、リムが脱着されることで、ビード周りの周方向に偏った歪みが緩和されている。この緩和は、走行工程の走行時間のバラツキを低減する。この緩和は、ビードの耐久性の評価のバラツキを抑制する。このリム脱着工程は、耐久性の評価精度の向上に寄与する。
このリム脱着行程を備えているので、走行行程の走行時間のバラツキが低減されている。これにより、判定工程の最長走行時間と基準時間との差が短くても、タイヤ4の耐久性の合否判定ができる。この評価方法は、マスタータイヤの耐久性を基準にしてタイヤ4の耐久性を合否判定する場合に、その判定精度を向上している。
この判定工程の耐久性の評価は、比較評価であってもよい。例えば、タイヤ4の他に複数の試験タイヤが準備される。これらの試験タイヤについても、タイヤ4と同じ条件で、本発明に係る耐久性の評価方法が実施される。タイヤ4と他の複数の試験タイヤとで、走行工程での走行時間が比較される。この走行工程での走行時間が長いほど、耐久性に優れていると評価される。この走行時間に基づいて、タイヤ4と他の複数のタイヤとが、耐久性の順位付けがされてもよい。
市場での使用によるビードの最高到達温度は、タイヤ4の使用環境により変動する。種々の市場で調査した結果、この最高到達温度は、大凡90(℃)以上110(℃)以下の範囲内にある。加熱工程において、タイヤ組立体の加熱温度Thは、市場でのビードの最高到達温度に設定されることが好ましい。言い換えると、タイヤ組立体の加熱温度Thは、市場で使用されたタイヤ4(以下、市場タイヤ4という)のビードの最高到達温度に設定されることが好ましい。これにより、市場のビードの耐久性に近い評価結果が得られる。この観点から、加熱温度Thは、好ましくは90(℃)以上である。加熱温度Thは、好ましくは110(℃)以下である。
好ましくは、タイヤ4が実際に使用される環境下で最高到達温度が測定される。加熱工程での加熱温度Thは、この最高到達温度に設定される。これにより、一層、タイヤ4が使用される市場での耐久性に近い評価結果が得られる。この評価方法は、ビードの耐久性において、実際に使用される環境下に最も適したタイヤ4の開発に寄与しうる。
市場でのビードの最高到達温度は、例えば、温度測定シールで測定される。リムに温度測定シールが貼り付けられたタイヤ組立体が準備される。このタイヤ組立体が車両に装着される。この車両が実際の使用環境下で走行して、最高到達温度が測定される。温度測定シールは、例えば、貼付面の温度が所定の温度に達すると表示が浮き出るものである。温度測定シールは、貼付面の温度に対応する表示が浮き出るものや、貼付面の温度に対応する色が浮き出るものでもよい。リムの温度に対して、ビードの温度は約30(℃)低い。従って、この温度測定では、リムの温度が140(℃)であれば、ビードの温度は、110(℃)と推定できる。
加熱期間Phが短い加熱工程では、ビードの周方向において熱劣化の程度に差が生じ易い。この熱劣化の程度の差は、走行工程での走行時間のバラツキを助長する。ビードの耐久性の評価結果のバラツキを抑制する観点から、加熱期間Phは、好ましくは1日であり、更に好ましくは2日以上である。一方で、加熱期間Phが長過ぎる加熱工程では、ビードの熱劣化が進み過ぎる。ビードの熱劣化が進み過ぎると、走行時間にビードの耐久性による差が生じ難い。ビードの熱劣化が進みすぎると、耐久性に優れるビードと耐久性に劣るビードとの間に走行時間の差が小さい。この観点から、加熱期間Phは、好ましくは5日以内であり、更に好ましくは4日以内である。
タイヤ4のビードの熱劣化の状態を、市場でのビードの熱劣化の状態に近づけることで、市場でのビードの耐久性を高精度に評価しうる。この方法では、加熱工程の加熱条件を工夫することで、実際の市場でのビード耐久性を高精度に評価しうる。市場でのビードの熱劣化の状態に近づける方法として、加熱工程でのビードトーの内径変化量Dcを、市場でのビードトーの内径変化量Drと同等になるように、加熱工程の加熱条件を設定する方法がある。
この方法では、市場で使用されたタイヤ4が回収される。この市場タイヤ4は、実際に使用されて使用寿命に達したタイヤ4である。この市場タイヤ4のビードトーの内径D1が測定される。この内径D1は、一対のリムフランジのうち、実際の使用において温度が高いリムフランジ側のビードトーで測定される。新品のタイヤ4のビードトーの内径DTが、この内径D1から差し引かれて、市場タイヤ4の内径変化量Drが算出される。この内径変化量Drは、市場タイヤ4の平均値として算出される。
この評価方法の加熱工程後のタイヤ4のビードトーの内径DHが測定される。内径DTが、この内径DHから差し引かれて、加熱工程後のタイヤ4の内径変化量Dcが算出される。この内径変化量Dcは、加熱工程後のタイヤ4の平均値として算出される。
加熱工程において、ビードトーの内径変化量Dcが適正な量になるように、加熱条件を設定することで、ビードの耐久性を適切に且つ効率よく評価しうる。この観点から、この内径変化量Dcが好ましくは10mm以上にされる。この内径変化量Dcが好ましくは17mm以下にされる。加熱工程において、好ましくは、内径変化量Dcがこの範囲になるように、加熱温度Th及び加熱期間Phが設定されている。
この内径変化量Dcが内径変化量Drとが以下の関係式を満たすように、加熱工程の加熱条件が調整される。この式では、内径変化量Dcは、内径変化量Drより1(mm)小さい内径(Dr−1)(mm)以上であり、内径変化量Drより1(mm)大きい内径(Dr+1)(mm)以下である。
(Dr−1)≦ Dc ≦ (Dr+1)
この加熱工程の加熱条件として、加熱温度Thと加熱期間Phとのいずれか一方又は両方が調整される。例えば、加熱温度Thは、市場でのビード周りの部分の最高到達温度に設定されて、加熱期間Phが調整される。内径変化量Dcと内径変化量Drとが上記関係式を満たすときの期間が、加熱期間Phに設定される。これにより、一層、市場のビード耐久性に近い評価結果を得られうる。
この評価方法では、ビードの耐久性が評価される。このビードの損傷形態として、プライターンアップルース(以下、PTLという)と、ビード吹き抜け損傷とがある。PTLは、カーカスプライの折り返し端が剥離する損傷形態である。ビード吹き抜け損傷は、カーカスプライがコアから抜ける損傷形態である。
タイヤ4の負荷荷重とブレーキ熱とは、PTLやビード吹き抜け損傷の発生に影響する。PTLの発生は、ビード吹き抜け損傷に比べて、負荷荷重の影響が大きい。ビード吹き抜け損傷の発生は、PTLに比べて、ブレーキ熱の影響が大きい。この加熱工程の加熱温度Thと加熱期間Phとを調整することで、タイヤ4のPTLの発生し易さを評価できる。この加熱温度Thと加熱期間Phとを調整することで、タイヤ4のビード吹き抜け損傷の発生し易さを評価できる。例えば、この方法では、マスタータイヤの走行工程でPTLが発生するように、加熱温度Thと加熱期間Phとが調整されてもよい。マスタータイヤの走行工程でビード吹き抜け損傷が発生するように、加熱温度Thと加熱期間Phとが調整されて、更に走行工程での加熱がされてもよい。
本明細書において、正規リムとは、タイヤ4が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。正規内圧とは、タイヤ4が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。正規荷重とは、タイヤ4が依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最高負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
試験に供するタイヤとして、市場においてビードの耐久性に優れたタイヤAと、タイヤAよりもビードの耐久性に劣るタイヤBとが準備された。いずれのタイヤも、サイズは11R22.5SP521である。それぞれのタイヤは標準リム(サイズ=22.5×7.50)に組み込まれ、正規内圧(800(kPa))となるように空気が充填された。
[実施例1]
この発明に係る評価方法でタイヤAのビードの耐久性を評価した。加熱工程の加熱温度Thは110(℃)であり、加熱期間Phは3日であった。走行工程では、図1に示された試験機を使用した。表1の評価は、3本のタイヤで実施された。
[実施例2]
タイヤBで試験された他は実施例1の評価方法と同様にして、耐久性の試験を実施した。
[比較例1]
加熱工程及びリム脱着工程を備えない他は、実施例1の評価方法と同様にして、耐久性の試験を実施した。
[比較例2]
加熱工程及びリム脱着工程を備えない他は、実施例2の評価方法と同様にして、耐久性の試験を実施した。
[比較例3]
リム脱着工程を備えない他は、実施例1の評価方法と同様にして、耐久性の試験を実施した。
[実施例3−6]
加熱期間Phが表2に示される様にされた他は実施例1の評価方法と同様して、耐久性の試験を実施した。
Figure 2017083194
Figure 2017083194
表1及び表2において、「走行時間平均」は、比較例1の走行時間平均を100として、他の走行時間平均が指数化された。この指数は小さいほど、走行時間平均は短い。この指数が小さいほど、好ましい。「走行時間バラツキ」は、比較例3の走行時間のバラツキを100として、他の走行時間のバラツキが指数化された。この指数は小さいほど、バラツキが小さい。この指数が小さいほど、好ましい。「評価時間」は、比較例1の評価時間を100として、他の評価時間が指数化された。この指数は小さいほど、評価時間は短い。この指数が小さいほど、好ましい。
表1及び表2の損傷形態は「PTL」であった。実施例1及び実施例2の評価方法は、比較例1及び比較例2の評価方法に比べて短時間でビードの耐久性が評価されている。実施例1の評価方法は、比較例3の評価方法に比べて走行時間のバラツキが小さい。実施例の評価方法では、比較例の評価方法に比べて高精度にかつ短時間で耐久性が評価されている。表1及び表2に示されるように、この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された評価方法は、空気入りタイヤのビードの耐久性の評価方法として広く適用されうる。この評価方法は、重荷重タイヤのビードの耐久性の評価方法に特に適している。
2・・・試験機
4・・・タイヤ
6・・・リム支持部
8・・・駆動ドラム
12・・・温度センサ
14・・・制御部

Claims (7)

  1. タイヤがリムに組み込まれたタイヤ組立体が加熱される加熱工程と、
    上記加熱工程後に上記タイヤが上記リムから取り外されて再び上記リム又は他のリムに組み込まれるリム脱着工程と、
    上記リム脱着工程後のタイヤ組立体が走行させられる走行工程と
    を備えるタイヤのビード耐久性の評価方法
  2. 上記加熱工程において、上記タイヤ組立体の加熱温度Thが、市場タイヤのビードの最高到達温度に設定されている請求項1に記載の評価方法。
  3. 上記加熱工程において、乾熱下で上記タイヤ組立体の加熱温度Thが90(℃)以上110(℃)以下である請求項1又は2に記載の評価方法。
  4. 上記加熱工程において、乾熱下で上記タイヤ組立体の加熱期間Phが1日以上5日以下である請求項1から3のいずれかに記載の評価方法。
  5. 上記加熱工程において、上記タイヤ組立体の加熱温度Thと上記タイヤ組立体の加熱期間Phとが、上記タイヤのビードトーの内径変化量Dcと市場タイヤの上記ビードトーの内径変化量Drとが以下の(mm)単位の関係式を満たすように、設定されており、
    上記内径変化量Dcが上記加熱工程後の上記ビードトーの内径から上記加熱工程前の上記ビードトーの内径を差し引いた値であり、上記内径変化量Drは、市場で使用寿命に達したタイヤの上記ビードトーの内径から未使用の上記ビードトーの内径を差し引いた値である請求項1から4のいずれかに記載の評価方法。
    (Dr−1) ≦ Dc ≦ (Dr+1)
  6. 上記加熱工程において、上記タイヤ組立体の加熱温度Thと上記タイヤ組立体の加熱期間Phとが、上記タイヤのビードトーの内径変化量Dcが10(mm)以上17(mm)以下なるように、設定されている請求項1から5のいずれかに記載の評価方法。
  7. 上記タイヤの合否判定がされる判定工程を備えており、
    上記走行工程が終了する最長走行時間と、最長走行時間より短い基準時間とが設定されており、
    上記判定工程において、
    上記タイヤの上記走行工程での走行時間が上記基準時間と比較されて合格判定がされている請求項1から6のいずれかに記載の評価方法。
JP2015208739A 2015-10-23 2015-10-23 タイヤの耐久性試験方法 Active JP6512661B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015208739A JP6512661B2 (ja) 2015-10-23 2015-10-23 タイヤの耐久性試験方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015208739A JP6512661B2 (ja) 2015-10-23 2015-10-23 タイヤの耐久性試験方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017083194A true JP2017083194A (ja) 2017-05-18
JP6512661B2 JP6512661B2 (ja) 2019-05-15

Family

ID=58710661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015208739A Active JP6512661B2 (ja) 2015-10-23 2015-10-23 タイヤの耐久性試験方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6512661B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007078453A (ja) * 2005-09-13 2007-03-29 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ耐久試験方法
US20090114333A1 (en) * 2007-11-07 2009-05-07 The Goodyear Tire & Rubber Company Pneumatic tire
JP2013023062A (ja) * 2011-07-20 2013-02-04 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤ更生判定方法
JP2013257190A (ja) * 2012-06-12 2013-12-26 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤの耐久試験方法及び試験装置
JP2014100977A (ja) * 2012-11-19 2014-06-05 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤの試験方法
JP2015089784A (ja) * 2013-11-07 2015-05-11 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007078453A (ja) * 2005-09-13 2007-03-29 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ耐久試験方法
US20090114333A1 (en) * 2007-11-07 2009-05-07 The Goodyear Tire & Rubber Company Pneumatic tire
JP2013023062A (ja) * 2011-07-20 2013-02-04 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤ更生判定方法
JP2013257190A (ja) * 2012-06-12 2013-12-26 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤの耐久試験方法及び試験装置
JP2014100977A (ja) * 2012-11-19 2014-06-05 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤの試験方法
JP2015089784A (ja) * 2013-11-07 2015-05-11 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP6512661B2 (ja) 2019-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2562657C2 (ru) Большегрузная пневматическая шина
JP5438088B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP5599602B2 (ja) 航空機用ラジアルタイヤ
JP5550039B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5497805B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP6065432B2 (ja) プレキュア更生タイヤ
JP6304816B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
EP3636454A1 (en) Tire
JP6512661B2 (ja) タイヤの耐久性試験方法
JP6418691B2 (ja) タイヤの耐久性試験方法
JP7155741B2 (ja) タイヤの試験方法、及び、タイヤの試験装置
JP5753455B2 (ja) タイヤ更生判定方法
JP6338954B2 (ja) タイヤの試験方法
JP6475491B2 (ja) タイヤの耐久性評価方法
JP7035544B2 (ja) タイヤの試験方法
JP6457821B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6812839B2 (ja) タイヤの耐久性試験方法
JP6922277B2 (ja) タイヤの耐久性試験方法
JP6852309B2 (ja) 空気入りタイヤの試験方法
JP5978786B2 (ja) プレキュア更生タイヤ
JP2021115877A (ja) 重荷重用チューブレスタイヤ
JP6085939B2 (ja) 更生タイヤ
JP6269156B2 (ja) 更生タイヤ
JP2006044407A (ja) 応急用バイアスタイヤ
JP2021041728A (ja) タイヤの試験装置及び試験方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180919

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190312

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190405

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6512661

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250