JP6812839B2 - タイヤの耐久性試験方法 - Google Patents

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Description

本発明はタイヤの耐久性試験方法に関する。詳細には、本発明は、カーカスプライの折返し部の端でのコードのゴムからの剥離に対する耐久性の試験方法に関する。
タイヤの耐久性試験では、一般に走行試験機が使用される。タイヤに正規荷重と同程度又は正規荷重より高い荷重が負荷された状態で、タイヤが走行試験機のドラム上で走行される。タイヤに損傷が発生するまでの走行時間によって、耐久性の評価が行われる。
タイヤは、国や地域により、様々な条件で使用される。長期に渡る使用によりタイヤに発生しうる損傷の種類も、使用される条件により異なる。走行試験機での耐久性試験では、これらの損傷に対する耐久性を、正確に評価できることが重要となる。さらに、タイヤの耐久性試験には一般に多くの時間がかかる。耐久性試験では、効率的に試験ができることも求められている。
耐久性試験を効率良く実施するための検討が、特開平9−133611号公報、特開2010−133796公報及び特開2013−134159公報に開示されている。これらの試験では、酸素濃度が高い気体が、タイヤ内に充填される。これにより、タイヤの劣化の促進が、図られている。
特開平9−133611号公報 特開2010−133796公報 特開2013−134159公報
タイヤの耐久性に係る損傷の一つに、カーカスプライの折返し部の端でコードがまわりのゴムから剥離する「プライターンアップルース(PTL)」がある。PTLを走行試験機で再現させるには、多くの時間がかかる。この時間を短縮するために、酸素濃度が高い気体をタイヤに封入して劣化処理を行うと、トレッドの剥離等の、PTL以外の損傷が先に発生することがある。
本発明の目的は、PTLに対する耐久性が効率よく試験できる方法を提供することである。
本発明は、カーカスプライの折返し部の端でのコードのゴムからの剥離に対する耐久性の試験方法に関する。この方法は、リムに装着され気体が充填されたタイヤを加熱する第一加熱工程、上記タイヤ単体を加熱する第二加熱工程及び走行試験機において上記タイヤを走行させる走行工程を有する。
好ましくは、上記第一加熱工程において加熱される上記タイヤの内圧P1の、正規内圧Psに対する比(P1/Ps)は、80%以上120%以下である。
好ましくは、上記第一加熱工程における上記タイヤの加熱温度T1は、50℃以上130℃以下である。
好ましくは、上記第二加熱工程における上記タイヤの加熱温度T2は、50℃以上130℃以下である。
好ましくは、上記第一加熱工程において、上記タイヤに充填されている気体は空気である。
好ましくは、上記第一加熱工程においては、上記タイヤのトウの内径の変化量が10mm以上13mm以下となるように、この工程で加熱される上記タイヤの内圧P1、加熱温度T1及び加熱時間I1が決められる。
好ましくは、上記第一加熱工程及び第二加熱工程における上記タイヤのチェーファーの硬さの変化量の合計が9以上11以下となるように、上記第一加熱工程の加熱温度T1及び加熱時間I1並びに上記第二加熱工程の加熱温度T2及び加熱時間I2が決められる。
発明者らは、実使用状態で発生するPTLについて、その発生要因を詳細に検討した。その結果、ビードのトウの内径の変化及びビードの部分のゴムの硬さの変化が、PTLの発生に影響を及ぼすことを見出した。発明者らは、これらの変化量が適切な値になるようにタイヤを劣化させることで、酸素濃度の濃い気体をタイヤに封入せずとも、PTLを効率良く再現させることを可能とした。
この試験方法は、リムに装着され気体が充填されたタイヤを加熱する第一加熱工程及びタイヤ単体を加熱する第二加熱工程を有する。第一加熱工程では、ビードのトウの内径の変化及びゴムの硬化が促進される。第二加熱工程では、トウの内径は維持されたままで、ゴムの硬化が促進される。この試験方法では、第一加熱工程と第二加熱工程とを組み合わせることで、ビードのトウの内径の変化量及びビードの部分のゴムの硬さの変化量が適正な値となるように、タイヤを劣化させることができる。この方法では、効率良くPTLが再現できる。この方法では、酸素濃度の濃い気体をタイヤに封入する必要はない。この方法ではPTL以外の損傷の発生が抑えられている。この方法では、効率良くPTLに対する耐久性が試験されうる。
図1は、本発明に係る試験方法で試験されるタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る試験方法が示されたフローチャートである。 図3は、図2の第一加熱工程の様子が示された模式図である。 図4は、図2の第二加熱工程の様子が示された模式図である。 図5は、図2の走行工程の様子が示された模式図である。 図6は、タイヤのトウの内径が示された正面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明に係る方法で耐久性が試験されるタイヤ2の一部が示された断面図である。この図ではタイヤ2のビードの部分が示されている。図示されないが、このタイヤ2は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。図1において、上下方向はこのタイヤ2の半径方向であり、左右方向はこのタイヤ2の軸方向であり、紙面と垂直方向がこのタイヤ2の周方向である。
このタイヤ2は、一対のサイドウォール4、一対のチェーファー6、一対のビード8、カーカス10、インナーライナー12、インスレーション14及び一対のフィラー16を備えている。図示されないが、このタイヤ2は、トレッド、ベルト及びバンドをさらに備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、重荷重用である。このタイヤ2は、トラック、バス等に装着される。
それぞれのチェーファー6は、サイドウォール4の半径方向略内側に位置している。チェーファー6は、軸方向において、ビード8及びカーカス10よりも外側に位置している。チェーファー6は、ビード8の半径方向内側まで延びている。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー6がリムと当接する。この当接により、ビード8の近傍が保護される。チェーファー6は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。
それぞれのビード8は、チェーファー6の軸方向内側に位置している。この実施形態では、ビード8は、コア18と、第一エイペックス20と、第二エイペックス22とを備えている。コア18は、リング状である。コア18は、巻回された非伸縮性ワイヤを含む。ワイヤの典型的な材質は、スチールである。第一エイペックス20は、コア18から半径方向略外向きに延びている。第一エイペックス20は、高硬度な架橋ゴムからなる。第二エイペックス22は、第一エイペックス20から半径方向略外向きに延びている。第二エイペックス22は、架橋ゴムからなる。第二エイペックス22は、第一エイペックス20と比べ軟質である。第二エイペックス22は、カーカスプライの折返し部の端における応力集中を緩和する。ビード8が第一エイペックス20のみを備えていてもよい。
カーカス10は、カーカスプライ24からなる。カーカスプライ24は、両方のビード8の間に架け渡されている。カーカスプライ24は、コア18の周りにて折り返されている。カーカスプライ24は、一方のビード8の軸方向内側から他方のビード8の軸方向内側まで延びる主部26と、ビード8の軸方向外側にて略半径方向に延びる折返し部28とを備えている。主部26はトレッド及びサイドウォール4の内側に沿って延在している。折返し部28は、ビード8の外側に沿って延びている。
図示されていないが、カーカスプライ24は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、スチールからなる。各コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス10はラジアル構造を有する。カーカス10が、2枚以上のカーカスプライ24から形成されてもよい。
フィラー16は、カーカスプライ24に積層されている。この実施形態では、フィラー16は、コア18の周りで折り返されている。フィラー16の一端はビード8の軸方向外側に位置し、もう一端はビード8の軸方向内側に位置している。図示されていないが、フィラー16は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、スチールからなる。各コードは、半径方向に対して傾斜している。傾斜角度の一般的な絶対値は、40°以上70°以下である。
タイヤ2が転動すると、ビード8の部分は変形と復元とを繰り返す。このとき、カーカスプライ24の折返し部28の端30近辺には歪みが集中しやすい。タイヤ2が長期に渡り使用されると、折返し部28の端30において、カーカスプライ24のコードが、まわりのゴムから剥離することが起こりうる。この損傷は、プライターンアップルース(PTL)と称される。
図2は、本発明の一実施形態に係るPTLに対する耐久性の試験方法が示されたフローチャートである。この試験方法は、第一リム組み工程(S1)、第一加熱工程(S2)、リムからの取り外し工程(S3)、第二加熱工程(S4)、第二リム組み工程(S5)、走行工程(S6)及びPTL観測工程(S7)を有している。
第一リム組み工程(S1)では、タイヤ2が正規リムに組み込まれる。タイヤ2に気体が充填される。この実施形態では、空気が充填される。このとき、タイヤ2の内圧P1は、このタイヤ2の正規内圧Psとほぼ同等とされる。
第一加熱工程(S2)では、図3に示されるように、リム32に組み込まれ気体が充填されたタイヤ2が、オーブン34に入れられる。このタイヤ2の内圧は、上記のとおりP1である。オーブン34の中で、タイヤ2が加熱される。タイヤ2は加熱された状態で保存される。
リムからの取り外し工程(S3)では、タイヤ2がオーブン34から取り出される。このタイヤ2は、リム32から取り外される。
第二加熱工程(S4)では、図4に示されるように、リム32から取り外されたタイヤ2が、オーブン34に入れられる。タイヤ2は単体で、このオーブン34の中で加熱される。タイヤ2は加熱された状態で保存される。
第二リム組み工程(S5)では、タイヤ2がオーブン34から取り出される。このタイヤ2がリム32に組み込まれる。タイヤ2に空気が充填される。タイヤ2の内圧P2は、通常このタイヤ2の正規内圧Psと同等か又はそれより大きい値とされる。
走行工程(S6)では、走行試験機36が使用される。図5は、この走行試験機36による試験の様子が示された模式図である。この試験機36は、ドラム38、架台40及び支持台42を備える。図で示されるように、タイヤ2は支持台42にセットされる。支持台42にセットされたタイヤ2は、回転可能である。タイヤ2とドラム38の走行面44とが接触される。タイヤ2が、ドラム38の走行面44に押し付けられる。すなわち、タイヤ2に縦荷重Lが負荷される。この荷重Lは、通常このタイヤ2の正規荷重Lsと同等又は正規荷重Lsよりも大きい。この状態で、ドラム38が矢印Aの方向に回転させられる。タイヤ2が矢印Bの方向に回転する。これにより、タイヤ2が走行面44上を走行する。タイヤ2に荷重Lが負荷された状態で、タイヤ2が走行される。このときのタイヤ2の走行速度Vは、ドラム38の回転速度により決まる。
上記(S7)の工程では、走行工程(S6)で走行されたタイヤ2について、PTLの有無が観測される。この観測はタイヤ2を目視で確認することで行われる。この観測がX線検査装置で撮影した写真を確認することで行われてもよい。併せて、PTLが発生するまでの走行時間が計測される。走行時間が長いほど、PTLに対する耐久性が高いと判断される。
以下、本発明の作用効果が説明される。
PTLを走行試験機で再現させるには、多くの時間がかかる。この時間を短縮するために、酸素濃度が高い気体をタイヤに封入して劣化処理を行うと、トレッドの剥離等の、PTL以外の損傷が先に発生することがある。効率良くPTLに対する耐久性が試験できる方法が求められている。
発明者らは、実使用状態で発生するPTLについて、その発生要因を詳細に検討した。図6において、両矢印DTは、タイヤのトウの内径(トウ内径)を表す。トウ内径DTは、ビードのトウが形成する円の直径である。トウ内径DTは、タイヤがリムから外された状態で計測される。タイヤを長期間使用すると、タイヤは、このトウ内径DTが徐々に大きくなるように変形する。さらに、ビードの部分のゴムは徐々に硬化していく。例えば、チェーファーの硬さは徐々に高くなっていく。発明者らは、トウ内径DTの変化量及びビードの部分のゴムの硬さの変化量が、PTLの発生に影響を及ぼすことを見出した。発明者らは、これらの変化量が適切な値となるようにタイヤを劣化させることで、酸素濃度の濃い気体をタイヤに封入せずとも、PTLを効率良く再現できることを見出した。
この試験方法は、リム32に装着され気体が充填されたタイヤ2を加熱する第一加熱工程(S2)及びタイヤ2単体を加熱する第二加熱工程(S4)を有する。空気が充填されたタイヤ2を加熱する第一加熱工程(S2)では、トウ内径DTの変化及びタイヤのゴムの硬化が促進される。ビード8の部分のゴムは硬化する。タイヤ2単体を加熱する第二加熱工程(S4)では、トウ内径DTは維持されたままでゴムの硬化が促進される。この試験方法では、第一加熱工程(S2)と第二加熱工程(S4)とを組み合わせることで、トウ内径DTの変化量及びビード8の部分のゴムの硬さの変化量が適切な値となるように、タイヤ2を劣化させることができる。この方法では、効率良くPTLが再現できる。この方法では、酸素濃度の濃い気体をタイヤ2に封入する必要はない。この方法ではPTL以外の損傷の発生が抑えられている。この方法では、効率良くPTLに対する耐久性が試験されうる。
第一加熱工程(S2)におけるタイヤ2の加熱温度T1は、50℃以上が好ましい。すなわち、タイヤ2は50℃以上に加熱されるのが好ましい。加熱温度T1を50℃以上とすることで、効率良くトウ内径DTの変化及びビード8の部分のゴムの硬化が促進される。この方法では、効率良くPTLに対する耐久性が試験されうる。この観点から、加熱温度T1は60℃以上がより好ましい。
第一加熱工程(S2)においてトウ内径DTの変化又はビード8の部分のゴムの硬化が進み過ぎると、後の走行工程(S6)において、短時間の走行でPTLが発生する。走行時間が短いと、PTLに対する耐久性に優れたタイヤとそうでないタイヤとで、走行時間の差が小さくなり、この差が分かり難くなる。例えば、PTLが発生するまでの走行時間が40時間以下であると、PTLに対する耐久性が優れたタイヤとそうでないタイヤとの差が分かり難くなる。これは、精度の高い耐久性試験の妨げとなりうる。
加熱温度T1は、130℃以下が好ましい。加熱温度T1を130℃以下とすることで、トウ内径DTの変化及びビード8の部分のゴムの硬化が適正に抑えられる。この試験方法では、PTLに対する耐久性に優れたタイヤとそうでないタイヤとで、走行時間の差が小さくなることが抑えられている。この試験方法では、精度の高いPTLに対する耐久性試験が実現できる。この観点から、加熱温度T1は120℃以下がより好ましい。
第二加熱工程(S4)におけるタイヤ2の加熱温度T2は、50℃以上が好ましい。すなわち、タイヤ2は50℃以上に加熱されるのが好ましい。加熱温度T2を50℃以上とすることで、効率良くビード8の部分のゴムの硬化が促進される。この方法では、効率良くPTLに対する耐久性が試験されうる。この観点から、加熱温度T2は60℃以上がより好ましい。
加熱温度T2は、130℃以下が好ましい。加熱温度T2を130℃以下とすることで、ビード8の部分のゴムの硬化が適正に抑えられる。この試験方法では、PTLに対する耐久性に優れたタイヤとそうでないタイヤとで、走行時間の差が小さくなることが抑えられている。この試験方法では、精度の高いPTLに対する耐久性試験が実現できる。この観点から、加熱温度T2は120℃以下がより好ましい。
第一リム組み工程(S1)において気体が充填されたタイヤ2の内圧P1(すなわち、第一加熱工程(S2)において加熱されるタイヤ2の内圧P1)の、このタイヤ2の正規内圧Psに対する比(P1/Ps)は、80%以上が好ましい。比(P1/Ps)を80%以上とすることで、効率良くトウ内径DTの変化が促進される。この方法では、効率良くPTLに対する耐久性が試験されうる。この観点から、比(P1/Ps)は90%以上がより好ましい。比(P1/Ps)は、120%以下が好ましい。比(P1/Ps)を120%以下とすることで、トウ内径DTの変化が適正に抑えられる。この試験方法では、PTLに対する耐久性に優れたタイヤとそうでないタイヤとで、走行時間の差が小さくなることが抑えられている。この試験方法では、精度の高いPTLに対する耐久性試験が実現できる。この観点から、比(P1/Ps)は110%以下がより好ましい。
第一リム組み工程(S1)においてタイヤ2に充填される気体の酸素濃度Dは、30%未満が好ましい。すなわち、第一加熱工程(S2)において加熱されるタイヤ2には、酸素濃度Dが30%未満の気体が充填されているのが好ましい。タイヤ2に充填される気体の酸素濃度Dを30%未満とすることで、ビード8の部分以外の部分での酸素による劣化が抑制される。この試験方法では、後の走行工程(S6)におけるPTL以外の損傷の発生が効果的に抑えられる。この観点から、この気体の酸素濃度Dは、25%未満がより好ましい。
第一加熱工程(S2)において加熱されるタイヤ2には、空気が充填されているのがさらに好ましい。酸素濃度Dがほぼ21%である空気をタイヤ2に充填することで、後の走行工程(S6)におけるPTL以外の損傷の発生が、さらに効果的に抑えられる。加えて、この方法では、酸素濃度の高い気体を用意する必要がない。この方法では、容易に低コストでPTLに対する耐久性が試験されうる。
第一加熱工程(S2)において、タイヤ2をオーブン34で加熱する時間I1は、2日以上が好ましい。加熱時間I1を2日以上とすることで、トウ内径DTの変化が十分に促進される。この方法では、後の走行工程(S6)において、効率良くPTLが再現されうる。この方法では、効率良くPTLに対する耐久性が試験されうる。加熱時間I1は4日以下が好ましい。加熱時間I1を4日以下とすることで、トウ内径DTの変化が適正に抑えられる。この試験方法では、PTLに対する耐久性に優れたタイヤとそうでないタイヤとで、走行時間の差が小さくなることが抑えられている。この試験方法では、精度の高いPTLに対する耐久性試験が実現できる。
上記加熱時間I1と、第二加熱工程(S4)においてタイヤ2をオーブン34で加熱する時間I2との合計の時間(I1+I2)は、8日以上が好ましい。時間(I1+I2)を8日以上とすることで、ビード8の部分のゴムの硬化が十分に促進される。この方法では、後の走行工程(S6)において、効率良くPTLが再現されうる。この方法では、効率良くPTLに対する耐久性が試験されうる。時間(I1+I2)は10日以下が好ましい。時間(I1+I2)を10日以下とすることで、ビード8の部分のゴムの硬化が適正に抑えられる。この試験方法では、PTLに対する耐久性に優れたタイヤとそうでないタイヤとで、走行時間の差が小さくなることが抑えられている。この試験方法では、精度の高いPTLに対する耐久性試験が実現できる。
第一加熱工程(S2)において、トウ内径DTの変化量が10mm以上となるように、この工程で加熱されるタイヤ2の内圧P1、加熱温度T1及び加熱時間I1が決められるのが好ましい。トウ内径DTの変化量を10mm以上とすることで、後の走行工程(S6)において、効率良くPTLが再現されうる。この方法では、効率良くPTLに対する耐久性が試験されうる。トウ内径DTの変化量が13mm以下となるように、内圧P1、加熱温度T1及び加熱時間I1が決められるのが好ましい。トウ内径DTの変化量を13mm以下とすることで、PTLに対する耐久性に優れたタイヤとそうでないタイヤとで、走行時間の差が小さくなることが抑えられている。この試験方法では、精度の高いPTLに対する耐久性試験が実現できる。
第一加熱工程(S2)及び第二加熱工程(S4)におけるチェーファー6の硬さHcの増加量の合計が9以上となるように、第一加熱工程(S2)の加熱温度T1及び加熱時間I1並びに第二加熱工程(S4)の加熱温度T2及び加熱時間I2が決められるのが好ましい。硬さHcの増加量の合計を9以上とすることで、後の走行工程(S6)において、効率良くPTLが再現されうる。この方法では、効率良くPTLに対する耐久性が試験されうる。硬さHcの増加量の合計が11以下となるように、第一加熱工程(S2)の加熱温度T1及び加熱時間I1並びに第二加熱工程(S4)の加熱温度T2及び加熱時間I2が決められるのが好ましい。硬さHcの増加量の合計を11以下とすることで、PTLに対する耐久性に優れたタイヤとそうでないタイヤとで、走行時間の差が小さくなることが抑えられている。この試験方法では、精度の高いPTLに対する耐久性試験が実現できる。
本願において、チェーファー6の硬さHcは「JIS K6253」の規定に準じ、タイプAのデュロメータによって測定される。図1のチェーファー6の外面にこのデュロメータが押し付けられて、硬さが測定される。測定は、23℃の温度下でなされる。
なお、図2では、第一加熱工程(S2)及び第二加熱工程(S4)は、それぞれ一度だけ実施されている。第一加熱工程(S2)又は第二加熱工程(S4)が複数回実施されてもよい。例えば、第二加熱工程(S4)の実施後に再度第一加熱工程(S2)を実施してもよい。第一工程及び第二加熱工程(S4)が複数回繰り返されてもよい。これらの第一加熱工程(S2)により、トウ内径DTの変化量が10mm以上13mm以下とされていればよい。これらの第一加熱工程(S2)及び第二加熱工程(S4)により、チェーファー6の硬さHcの増加量の合計が9以上11以下とされていればよい。
第二リム組み工程(S5)において気体が充填されたタイヤ2の内圧P2の、正規内圧Psに対する比(P2/Ps)は、100%以上が好ましい。比(P2/Ps)を100%以上とすることで、効率良くPTLが再現されうる。この方法では、効率良くPTLに対する耐久性が試験されうる。比(P2/Ps)は、140%以下が好ましい。比(P2/Ps)を140%以下とすることで、PTLに対する耐久性に優れたタイヤとそうでないタイヤとで、走行時間の差が小さくなることが抑えられている。この試験方法では、精度の高いPTLに対する耐久性試験が実現できる。
走行工程(S6)において、タイヤ2に負荷される荷重Lの正規荷重Lsに対する比(L/Ls)は、200%以上が好ましい。比(L/Ls)を200%以上とすることで、効率良くPTLが再現されうる。この方法では、効率良くPTLに対する耐久性が試験されうる。比(L/Ls)は300%以下が好ましい。比(L/Ls)を300%以下とすることで、PTLに対する耐久性に優れたタイヤとそうでないタイヤとで、走行時間の差が小さくなることが抑えられている。この試験方法では、精度の高いPTLに対する耐久性試験が実現できる。
走行工程(S6)において、タイヤ2の走行速度Vは、10km/h以上が好ましい。走行速度Vを10km/h以上とすることで、効率良くPTLが再現されうる。この方法では、効率良くPTLに対する耐久性が試験されうる。走行速度Vは、30km/h以下が好ましい。走行速度Vを30km/h以下とすることで、PTLに対する耐久性に優れたタイヤとそうでないタイヤとで、走行時間の差が小さくなることが抑えられている。この試験方法では、精度の高いPTLに対する耐久性試験が実現できる。
本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。本明細書において正規荷重とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最高負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
重荷重用のタイヤが準備された。このタイヤのサイズは11R22.5である。このタイヤの正規内圧Psは800kPa、正規荷重は29.42kNである。このタイヤについて、図2に示された方法で耐久性の試験が実施された。第一リム組み工程(S1)及び第二リム組み工程(S5)でこのタイヤが組み込まれたリムのサイズは、22.5×8.25である。各工程での試験条件が、表1に示されている。第一リム組み工程(S1)では、タイヤには空気が充填された。従って、第一加熱工程(S2)での酸素濃度Dは、21%となっている。
[比較例1]
実施例1と同じサイズのタイヤ及び同じサイズのリムを用意して、耐久性の試験が実施された。第一リム組み工程(S1)において、酸素濃度Dが80%の気体がタイヤに充填された。この試験方法では、第二加熱工程(S4)は実施されていない。他の工程での試験条件が、表1に示されている。この試験方法は、従来の試験方法である。
[比較例2]
実施例1と同じサイズのタイヤ及び同じサイズのリムを用意して、耐久性の試験が実施された。第一リム組み工程(S1)において、酸素濃度Dが50%の気体がこのタイヤに充填された。この試験方法では、第二加熱工程(S4)は実施されていない。他の工程での試験条件が、表1に示されている。この試験方法は、従来の試験方法である。
[実施例2−5]
第一加熱工程(S2)での加熱温度T1を表2に示されるとおりとした他は実施例1と同様にしたのが、実施例2−5である。
[実施例6−9]
第一加熱リム組み工程(S1)でのタイヤの内圧P1の正規内圧P2に対する比(P1/Ps)を表3に示されるとおりとした他は実施例1と同様にしたのが、実施例6−9である。
[実施例10−13]
第二加熱工程(S4)での加熱温度T2を表4に示されるとおりとした他は実施例1と同様にしたのが、実施例10−13である。
[内径変化量X1、X2及びXr、硬さ変化量Y1、Y2及びYr]
第一加熱工程(S2)後、第二加熱工程(S4)後及び走行工程(S6)後のそれぞれについて、トウ内径DTが測定された。試験開始前のトウ内径と比べたトウ内径の増加量が計算された。これらが第一加熱工程(S2)後のトウ内径変化X1、第二加熱工程(S4)後のトウ内径変化X2及び走行工程(S6)後のトウ内径変化Xrとして、表1−4に示されている。また、第一加熱工程(S2)後、第二加熱工程(S4)後及び走行工程(S6)後のそれぞれについて、チェーファーの硬さHsが測定された。試験開始前のチェーファーの硬さと比べた硬さの変化量が計算された。これらが第一加熱工程(S2)後の硬さ変化Y1、第二加熱工程(S4)後の硬さ変化Y2及び走行工程(S6)後の硬さ変化Yrとして、表1−4に示されている。
[走行時間及び損傷モード]
走行工程(S6)において、タイヤに損傷が生じるまでタイヤが走行された。損傷モード及び損傷が生じるまでの走行時間が確認された。この結果が表1−4に示されている。表の損傷モードの欄において、「PTL」はプライターンアップルースが発生したことを示し、「BL」はバッドレス部でのカーカスプライのルースが発生したことを示し、「TP」はトレッドの剥離が発生したことを示す。
[試験時間合計]
第一加熱工程(S2)の加熱時間I1、第二加熱工程(S4)の加熱時間I2及び走行時間の合計の時間が、試験時間合計として表1−4に示されている。
[判定]
判定は、「A」、「B」、「N」の三段階で行われた。PTLが再現できるとの観点から損傷モードがPTLであること、精度よく試験ができるとの観点から走行時間が40時間以上であること、効率的に試験ができるとの観点から試験時間合計が20日以下であること、のいずれの条件も満たす場合に、判定は「A」とされた。損傷モードがPTLであり、走行時間が40時間未満又は試験時間合計が20日より大きい場合、判定は「B」とされた。損傷モードがPTL以外の場合、PTLの耐久性試験ができないとして判定は「N」とされた。「A」、「B」、「N」の順に好ましい。
Figure 0006812839
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Figure 0006812839
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表1−4に示されるように、本発明に係る試験方法では、実用的な時間でPTLが再現できている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された試験方法は、種々のタイヤの耐久性試験に適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・サイドウォール
6・・・チェーファー
8・・・ビード
10・・・カーカス
12・・・インナーライナー
14・・・インスレーション
16・・・フィラー
18・・・コア
20・・・第一エイペックス
22・・・第二エイペックス
24・・・カーカスプライ
26・・・主部
28・・・折返し部
30・・・折返し部の端
32・・・リム
34・・・オーブン
36・・・走行試験機
38・・・ドラム
40・・・架台
42・・・支持台

Claims (7)

  1. カーカスプライの折返し部の端でのコードのゴムからの剥離に対する耐久性の試験方法であって、
    リムに装着され気体が充填されたタイヤを加熱する第一加熱工程、
    上記タイヤ単体を加熱する第二加熱工程
    及び
    走行試験機において上記タイヤを走行させる走行工程
    を有する、タイヤの耐久性の試験方法。
  2. 上記第一加熱工程において加熱される上記タイヤの内圧P1の、正規内圧Psに対する比(P1/Ps)が、80%以上120%以下である請求項1に記載の試験方法。
  3. 上記第一加熱工程における上記タイヤの加熱温度T1が、50℃以上130℃以下である請求項1又は2に記載の試験方法。
  4. 上記第二加熱工程における上記タイヤの加熱温度T2が、50℃以上130℃以下である請求項1から3のいずれかに記載の試験方法。
  5. 上記第一加熱工程において、上記タイヤに充填されている気体が空気である請求項1から4のいずれかに記載の試験方法。
  6. 上記第一加熱工程においては、上記タイヤのトウの内径の変化量が10mm以上13mm以下となるように、この工程で加熱される上記タイヤの内圧P1、加熱温度T1及び加熱時間I1が決められる請求項1から5のいずれかに記載の試験方法。
  7. 上記第一加熱工程及び第二加熱工程における上記タイヤのチェーファーの硬さの変化量の合計が9以上11以下となるように、上記第一加熱工程の加熱温度T1及び加熱時間I1並びに上記第二加熱工程の加熱温度T2及び加熱時間I2が決められる請求項1から6のいずれかに記載の試験方法。
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