JP6362217B2 - タイヤの耐久性試験方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤの耐久性試験方法に関する。詳細には、インナーライナーの耐久性試験方法に関する。
空気入りのチューブレスタイヤは、タイヤの内圧を保持するために、インナーライナーを有している。インナーライナーは、カーカスの内側に位置している。多くの場合、インナーライナーは、タイヤの最も内側の層を構成する。インナーライナーには、低い空気透過性を有することが要求される。さらに、近年の車両の低燃費化に対する要求から、インナーライナーに対して、軽量化や低発熱化が求められている。加えて、インナーライナーには、高い耐久性も求められている。
これら低空気透過性、軽量、低発熱、高耐久性等の多くの要求を満たすインナーライナーを開発するためには、インナーライナーの特性を正確に効率よく試験することが必要となる。これまでのインナーライナーの耐久性の試験では、実際に車両をテストコースで長時間走行させ、クラックの発生の有無を確認していた。
また、走行試験機を使用したタイヤの耐久試験方法についての検討が、特開2006−194814公報及び特開2006−194652公報で報告されている。
特開2006−194814公報 特開2006−194652公報
前述のとおり、インナーライナーは、タイヤの内側に位置している。これまでの耐久性試験方法では、インナーライナーにクラックが発生する前に、他の部分が損傷することが多く発生した。このため、これまでの試験方法では、インナーライナーの耐久性を試験することが困難であった。実際、特開2006−194814公報の試験方法は、トレッドの耐久性を試験するための方法である。特開2006−194652公報の試験方法は、ベルトの耐久性を試験するための方法である。
本発明の目的は、精度よく効率的にインナーライナーの耐久性を試験する方法を提供することである。
本発明に係るインナーライナーの耐久性の試験方法は、その走行面上に高さが5mm以上50mm以下である突起を有する走行試験機を使用する。この試験方法は、
(1)上記突起がタイヤのトレッド面と接触したときの接触点がこのタイヤのベルトの端よりも軸方向内側であって、この接触点とこのベルトの端との軸方向距離が10mm以上60mm以下となるように、上記タイヤと上記走行面とを接触させる工程、
(2)上記タイヤに荷重を負荷する工程
及び
(3)上記タイヤを上記走行面に対して走行させる工程
を有する。
好ましくは、上記接触点と上記ベルトの端との軸方向距離は、20mm以上50mm以下である。
好ましくは、上記突起は、球の一部の形状を呈している。
好ましくは、上記突起の高さは、10mm以上40mm以下である。
好ましくは、上記突起の高さは、35mm以下である。
好ましくは、上記(1)の工程におけるタイヤの内圧は、このタイヤの正規内圧よりも低くされている。
好ましくは、上記内圧は、このタイヤの正規内圧の60%以上90%以下である。
好ましくは、上記(2)の工程で負荷される荷重はこのタイヤの正規荷重の80%以上100%以下であり、上記(3)の工程での走行速度は30km/h以上60km/h以下である。
好ましくは、この試験方法は、上記(1)の工程の前に、タイヤに大気より酸素濃度の高い気体を封入しこれを保存することでインナーライナーを酸素劣化させる工程を、さらに有する。
好ましくは、上記インナーライナーを酸素劣化させる工程では、上記タイヤの内圧がこのタイヤの正規内圧の95%以上100%以下であり、上記気体の酸素濃度が50%以上100%以下であり、保存温度が60℃以上90℃以下であり、保存時間が1週間以上6週間以下である。
発明者らは、インナーライナーに効率的にクラックを発生させる試験条件を検討した。その結果、走行試験機の走行面に突起を設け、この突起とタイヤとが接触する位置を適切に調整することで、タイヤの他の部分に損傷を発生させず、これまでより短い期間でインナーライナーにクラックを発生させられることを見出した。
この試験方法では、その走行面上に高さが5mm以上50mm以下である突起を有する走行試験機を使用する。この方法では、突起がタイヤのトレッド面と接触したときの接触点がこのタイヤのベルトの端よりも軸方向内側であって、この接触点とこのベルトの端との軸方向距離Dが10mm以上60mm以下となるように、タイヤと走行面とが接触させられている。タイヤは、この走行面上を走行する。距離Dは60mm以下とされているため、この接触点は、ショルダー部の近傍に位置している。この突起は、インナーライナーのバットレス部からショルダー部の変形を大きくする。この突起により、インナーライナーのクラックの発生が効果的に促進される。さらに、距離Dは10mm以上とされているため、この突起のベルトの端の変形に与える影響は抑えられている。ベルトの端におけるルースの発生が抑えられている。この突起により、他の部分に損傷が発生する前に、短期間でインナーライナーにクラックを発生させることができる。この方法により、短期間に精度良くインナーライナーの耐久性試験ができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る試験方法による試験の状況が模式的に示された図である。 図2は、図1の試験の状況を側面から見た図である。 図3は、タイヤ及び試験機の一部が拡大された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、この発明の一実施形態に係る試験方法による試験の状況が模式的に示されている。図2は、図1の試験の状況を側面から見た図である。この試験では、ドラム型走行試験機2が使用されている。図2には、タイヤ4とドラム型走行試験機2のドラム6のみが示されている。図3は、タイヤ4とドラム6の走行面8との接触部分が拡大された断面図である。図3において、上下方向がタイヤ4の半径方向であり、左右方向がタイヤ4の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ4の周方向である。図3において、一点鎖線CLはタイヤ4の赤道面を表わす。
図に示されるとおり、このドラム6の走行面8には、突起10が設けられている。図3において両矢印Hは、この突起10の高さを表す。突起10の高さHは、5mm以上50mm以下である。図2に示されるとおり、この実施形態では、走行面8上に二つの突起10が設けられている。これらの突起10は、互いにドラム6の半周分離れて配置されている。突起10の数は、二つに限られない。走行面8が一つの突起10を備えていてもよい。走行面8が三つ以上の突起10を備えていてもよい。
図3に示されるとおり、このタイヤ4は、路面と接するトレッド12と、トレッド12の端からそれぞれ半径方向略内向きに延びるサイドウォール14と、トレッド12及びサイドウォール14の内側に沿って延びるカーカス16と、トレッド12の半径方向内側に位置しカーカス16の半径方向外側に積層されたベルト18と、カーカス16の内側に位置するインナーライナー20とを備えている。このタイヤ4は、チューブレスタイプである。
このタイヤ4では、ベルト18は、第一層16a及び第二層16bからなる。第二層16bは第一層16aの半径方向外側に積層されている。第一層16aの幅は、第二層16bの幅より大きい。軸方向において、第一層16aの端22は第二層16bの端24よりも外側に位置している。ベルト18が一つの層のみから構成されていてもよい。ベルト18が三つ以上の層を備えていてもよい。ベルト18が一つの層のみから構成されている場合、「ベルト18の端」とはこの層の軸方向の外側端を指す。ベルト18が二つ以上の層を有する場合、「ベルト18の端」とはこれらの層の端のうち、最も軸方向外側に位置する端を指す。図3のタイヤ4では、ベルト18の端26は、第一層16aの端22である。
インナーライナー20は、カーカス16の内面に接合されている。このタイヤ4では、インナーライナー20は、タイヤ4の最も内側の層を構成する。インナーライナー20は、架橋ゴムからなる。インナーライナー20には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー20の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー20は、タイヤ4の内圧を保持する。
この発明の一実施形態に係るインナーライナー20の耐久性の試験方法は、
(1)タイヤ4と走行試験機2の走行面8とを接触させる工程、
(2)タイヤ4に荷重を負荷する工程、
(3)タイヤ4を走行面8に対して走行させる工程
及び
(4)インナーライナー20のクラックを観測する工程
を有している。
上記(1)の工程では、タイヤ4が走行試験機2にセットされる。これにより、タイヤ4とドラム6の走行面8とが接触される。このタイヤ4は、標準リムに装着され、空気が充填されている。図3には、タイヤ4が走行面8の突起10に接触した状態が示されている。図において、点Pは、突起10の先端と接触しているトレッド面28上の点である。図に示されるとおり、接触点Pはベルト18の端26よりも軸方向内側に位置している。図において、両矢印Dは、ベルト18の端26と、接触点Pとの軸方向距離である。この試験方法では、距離Dは10mm以上60mm以下である。すなわち、この(1)の工程では、接触点Pがこのタイヤ4のベルト18の端26よりも軸方向内側であって、この接触点Pとこのベルト18の端26との軸方向距離Dが10mm以上60mm以下となるように、タイヤ4と走行面8とが接触される。
上記説明の図では、分かり易いように、タイヤ4と走行面8の突起10とが接触した状態で距離Dが定義されている。実際には、タイヤ4が突起10と接触した状態では、タイヤ4は変形する。この変形量は、突起10の大きさ、タイヤ4の内圧、タイヤ4に負荷される荷重等により変動する。ベルト18の端26の位置もこれらにより変動する。この発明では、タイヤ4は、正規リムに組み込まれ、正規内圧とされ、荷重がかけられていない状態にあるとして、その際のベルト18の端26の位置が、距離Dの定義に用いられる。この状態でのベルト18の端26と、タイヤ4と突起10とが接触した状態での接触点Pとの距離として、距離Dは定義される。
上記(2)の工程では、タイヤ4に荷重が負荷される。タイヤ4が、ドラム6の走行面8に押し付けられる。図2の矢印Fが、タイヤ4に負荷された荷重である。
上記(3)の工程では、ドラム6が矢印Aの方向に回転させられる。これに伴い、タイヤ4が矢印Bの方向に回転する。これにより、タイヤ4が走行面8上を走行する。タイヤ4の走行速度は、ドラム6の回転速度により決まる。
上記(4)の工程では、(3)で走行されたタイヤ4について、インナーライナー20のクラックの有無が観測される。この観測はタイヤ4の内面を目視で確認することで行われる。この観測がX線検査装置で撮影した写真を確認することで行われてもよい。併せて、クラックが発生するまでの走行時間が計測される。走行時間が長いほど、インナーライナー20のクラック耐性が高いと判断される。走行時間が長いほど、インナーライナー20の耐久性が高いと判断される。
以下、本発明の作用効果が説明される。
インナーライナーは、タイヤの内側に位置している。これまでの耐久性試験方法では、インナーライナーにクラックが発生する前に、他の部分が損傷することが多く発生した。このため、これまでの試験方法では、インナーライナーの耐久性を試験することが困難であった。
この試験方法では、精度良く耐久性の試験ができるように、走行試験機2を使用する。この走行試験機2は、その走行面8上に突起10を有している。この方法では、突起10がタイヤ4のトレッド面28と接触したときの接触点Pがこのタイヤ4のベルト18の端26よりも軸方向内側であって、この接触点Pとこのベルト18の端26との軸方向距離Dが10mm以上60mm以下となるように、タイヤ4と走行面8とが接触させられている。タイヤ4は、この走行面8上を走行する。距離Dは60mm以下とされているため、この接触点Pは、ショルダー部の近傍に位置している。この突起10は、センター部に比べて走行時の変形量が大きいショルダー部及びバットレス部の変形を、さらに大きくする。この突起10は、インナーライナー20のバットレス部からショルダー部の変形を大きくする。この突起10により、インナーライナー20のクラックの発生が効果的に促進される。さらに、距離Dは10mm以上とされているため、この突起10がベルト18の端26の変形に与える影響は抑えられている。ベルト18の端26におけるルースの発生が抑えられている。この突起10により、他の部分に損傷が発生する前に、短期間でインナーライナー20にクラックを発生させることができる。この方法により、短期間に精度良くインナーライナー20の耐久性試験ができる。
距離Dは、50mm以下がより好ましい。距離Dを50mm以下とすることで、インナーライナー20のクラックの発生がさらに効果的に促進される。さらに短期間に耐久性の試験ができる。距離Dは、20mm以上がより好ましい。距離Dを20mm以上とすることで、ベルト18の端26におけるルースの発生がさらに効果的に抑えられる。他の部分に損傷が発生する前に、短期間でインナーライナー20にクラックを発生させることができる。
この試験方法では、突起10の高さHは、5mm以上50mm以下である。高さHが5mm以上とされているため、この突起10はインナーライナー20のバットレス部からショルダー部の変形を大きくする。この突起10により、インナーライナー20のクラックの発生が効果的に促進される。高さHが50mm以下であるために、この突起10がベルト18の端26の変形に与える影響は抑えられている。ベルト18の端26におけるルースの発生が抑えられている。この突起10により、他の部分に損傷が発生する前に、短期間でインナーライナー20にクラックを発生させることができる。
高さHは、10mm以上がより好ましい。高さHを10mm以上とすることで、インナーライナー20のクラックの発生がさらに効果的に促進される。さらに短期間に耐久性の試験ができる。高さHは、40mm以下がより好ましい。高さHを40mm以下とすることで、ベルト18の端26におけるルースの発生がさらに効果的に抑えられる。他の部分に損傷が発生する前に、短期間でインナーライナー20にクラックを発生させることができる。この観点から高さHは35mm以下がさらに好ましい。
図3において、両矢印Wは突起10の幅である。幅Wは5mm以上が好ましい。幅Wを5mm以上とすることで、インナーライナー20のクラックの発生がさらに効果的に促進される。さらに短期間に耐久性の試験ができる。この観点から幅Wは10mm以上がより好ましい。幅Wは、50mm以下がより好ましい。幅Wを50mm以下とすることで、ベルト18の端26におけるルースの発生がさらに効果的に抑えられる。他の部分に損傷が発生する前に、短期間でインナーライナー20にクラックを発生させることができる。この観点から幅Wは40mm以下がより好ましく、35mm以下がさらに好ましい。
突起10は、球の一部の形状を呈することが好ましい。突起10の形状を球の一部とすることで、突起10がトレッド12を傷つけることが抑制される。トレッド12の損傷が抑制できる。これにより、他の部分に損傷が発生する前に、短期間でインナーライナー20にクラックを発生させることができる。
タイヤ4を走行試験機2で走行させるときのタイヤ4の内圧は、このタイヤ4の正規内圧より低くするのが好ましい。タイヤ4の内圧を正規内圧より低くすることで、インナーライナー20の変形が大きくなる。これにより、インナーライナー20のクラックの発生が効果的に促進される。この観点から、タイヤ4の内圧は、タイヤ4の正規内圧の90%以下とするのがより好ましい。タイヤ4の内圧は、このタイヤ4の正規内圧の60%以上が好ましい。タイヤ4の内圧を正規内圧の60%以上とすることで、このタイヤ4の変形が過大になることが抑制される。これにより、インナーライナー20以外の部分に損傷が発生することが効果的に抑えられる。
タイヤ4を走行試験機2で走行させるときのタイヤ4に負荷される荷重Fは、このタイヤ4の正規荷重の80%以上が好ましい。荷重Fを正規荷重の80%以上とすることで、インナーライナー20の変形が大きくなる。これにより、インナーライナー20のクラックの発生が効果的に促進される。荷重Fは、このタイヤ4の正規荷重以下が好ましい。荷重Fを正規荷重以下とすることで、インナーライナー20以外の部分に損傷が発生することが効果的に抑えられる。
タイヤ4を走行試験機2で走行させるときの走行速度は、30km/h以上が好ましい。走行速度を30km/h以上とすることで、インナーライナー20の変形が大きくなる。これにより、インナーライナー20のクラックの発生が効果的に促進される。走行速度は、60km/h以下が好ましい。走行速度を60km/h以下とすることで、インナーライナー20以外の部分に損傷が発生することが効果的に抑えられる。
本明細書において正規リムとは、タイヤ4が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ4が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。本明細書において正規荷重とは、タイヤ4が依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最高負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
この発明の他の実施形態に係るインナーライナーの耐久性の試験方法は、前述の(1)の工程の前に、
(5)タイヤに大気より酸素濃度の高い気体を封入しこれを保存することで、インナーライナーを酸素劣化させる工程
をさらに含んでいる。
上記(5)の工程では、大気より酸素濃度の高い気体が用意される。タイヤがリムに組み込まれ、この気体がタイヤに封入される。この状態でタイヤが一定期間保存される。これにより、インナーライナーの酸素劣化が促進される。その後、この気体がタイヤから排出され、通常通り空気が封入される。
この実施形態では、上記(5)の工程で酸素劣化処理されたタイヤについて、前述の(1)の工程から(4)の工程が実施される。
以下、本発明の作用効果が説明される。
この試験方法では、精度良く耐久性の試験ができるように、走行試験機を使用する。この走行試験機は、その走行面上に突起を有している。この方法では、突起がタイヤのトレッド面と接触したときの接触点Pがこのタイヤのベルトの端よりも軸方向内側であって、この接触点Pとこのベルトの端との軸方向距離Dが10mm以上60mm以下となるように、タイヤと走行面とが接触させられている。タイヤは、この走行面上を走行する。距離Dは60mm以下とされているため、この接触点Pは、ショルダー部の近傍に位置している。この突起は、センター部に比べて走行時の変形量が大きいショルダー部及びバットレス部の変形を、さらに大きくする。この突起は、インナーライナーのバットレス部からショルダー部の変形を大きくする。この突起により、インナーライナーのクラックの発生が効果的に促進される。さらに、距離Dは10mm以上とされているため、この突起がベルトの端の変形に与える影響は抑えられている。ベルトの端におけるルースの発生が抑えられている。この突起により、他の部分に損傷が発生する前に、短期間でインナーライナーにクラックを発生させることができる。この方法により、短期間に精度良くインナーライナーの耐久性試験ができる。
この試験方法では、突起の高さHは、5mm以上50mm以下である。高さHが5mm以上とされているため、この突起はインナーライナーのバットレス部からショルダー部の変形を大きくする。この突起により、インナーライナーのクラックの発生が効果的に促進される。高さHが50mm以下であるために、この突起がベルトの端の変形に与える影響は抑えられている。ベルトの端におけるルースの発生が抑えられている。この突起により、他の部分に損傷が発生する前に、短期間でインナーライナーにクラックを発生させることができる。
この試験方法では、大気より酸素を多く含む気体をタイヤに封入して、一定期間保存する上記(5)の工程を含んでいる。この工程において、インナーライナーの酸素劣化が促進される。酸素劣化したインナーライナーは、酸素劣化していないインナーライナーに比べて、クラックが発生し易い。引き続き実施される上記(1)から(4)の工程において、短期間にクラックを発生させることができる。上記(1)から(4)の工程は、多くの人手を必要とし、走行試験機を長時間占有する。この試験方法では、これらの工程にかかる期間が短縮される。これは、この耐久性試験のコストを大幅に削減する。一方、上記(5)の工程は、タイヤを保存するだけであるので、人手がほとんど必要なく、装置を占有することもない。この工程は、耐久性試験のコストにほとんど影響を与えない。この試験方法では、耐久試験のコストを大幅に低減することができる。さらにこの(5)の工程により、酸素劣化がインナーライナーの耐久性に与える影響を試験することができる。
上記(5)の工程でタイヤに封入される気体の酸素濃度は、50%以上が好ましい。酸素濃度高を50%以上とすることで、インナーライナーの酸素劣化が効果的に促進される。上記(1)から(4)の工程において、インナーライナーのクラックを短期間で発生させることができる。上記(1)から(4)の工程で必要な期間を効果的に短縮できる。この観点から酸素濃度は60%以上がより好ましい。
上記(5)の工程におけるタイヤの内圧は、このタイヤの正規内圧の95%以上が好ましい。タイヤの内圧を正規内圧の95%以上とすることで、インナーライナーの酸素劣化が効果的に促進される。上記(1)から(4)の工程において、インナーライナーのクラックを短期間で発生させることができる。上記(1)から(4)の工程で必要な期間を効果的に短縮できる。この内圧は正規内圧以下であることが好ましく、ちょうど正規内圧であることが最も好ましい。
上記(5)の工程でタイヤを保存するときの保存温度は、60℃以上が好ましい。保存温度を60℃以上とすることで、インナーライナーの酸素劣化が効果的に促進される。上記(1)から(4)の工程において、インナーライナーのクラックを短期間で発生させることができる。上記(1)から(4)の工程で必要な期間を効果的に短縮できる。この観点から保存温度は65℃以上がさらに好ましい。保存温度は、90℃以下が好ましい。保存温度を90℃以下とすることで、タイヤが熱により劣化することが防止される。他の部分に損傷が発生する前に、短期間でインナーライナーにクラックを発生させることができる。この観点から、保存温度は、85℃以下がより好ましい。
上記(5)の工程でタイヤを保存するときの保存期間は、1週間以上が好ましい。保存期間を1週間以上とすることで、インナーライナーの酸素劣化が効果的に促進される。上記(1)から(4)の工程において、インナーライナーのクラックを短期間で発生させることができる。上記(1)から(4)の工程で必要な期間を効果的に短縮できる。この観点から保存期間は2週間以上がさらに好ましい。保存期間は、6週間以下が好ましい。保存期間を6週間以下とすることで、インナーライナーの過度な酸素劣化が防止される。過度な酸素劣化を原因とするクラックの発生が防止される。この方法では、実使用でのインナーライナーの耐久性と相関のとれた耐久性試験ができる。この観点から、保存期間は5週間以下がより好ましい。
以上で説明された実施形態では、走行試験機としてドラム型走行試験機が使用された。走行試験機は、ドラム型に限られない。ベルト型の走行試験機を使用してもよい。その他の走行試験機を使用してもよい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
上記(1)から(4)の工程に従い、インナーライナーの耐久性の試験を実施した。試験に使用したタイヤは、「11R22.5 14PR SP670 T/L」である。このタイヤをドラム型走行試験機で走行させた。ドラムの走行面に設けられた突起の仕様及び距離Dは、表1に示されるとおりである。この突起は、直径が70mmの球が表1で示された高さHの分(30mm)走行面から突出した形状を呈している。この試験機のドラム径は1707mmである。タイヤの走行条件は以下の通りである。
使用リム:22.5×8.25
内圧:560kPa(タイヤの正規内圧の80%)
荷重:26.73kN(タイヤの正規荷重の100%)
速度:60km/h
[比較例1]
ドラムが突起を有さない他は実施例1と同様にして、耐久性試験を実施した。
[実施例2]
前述の(5)の工程を実施してタイヤを酸素劣化させた他は実施例1と同様にして、耐久性試験を実施した。酸素劣化処理の条件は以下の通りである。
使用リム:22.5×8.25
酸素濃度:90%
内圧:700kPa(タイヤの正規内圧の100%)
保存温度:80℃
保存期間:3週間
[実施例3−7及び比較例2−3]
距離Dを表2に示される値にした他は実施例1と同様にして、耐久性試験を実施した。
[実施例8−12及び比較例4−5]
突起の高さHを表3に示される値にした他は実施例1と同様にして、耐久性試験を実施した。この突起は、直径が70mmの球が表3で示された高さHの分だけ走行面から突出した形状を呈している。
[走行時間及び損傷モード]
走行試験機上でタイヤを走行させ、損傷が発生するまでの走行時間を計測した。ただし、合計1000時間の走行で損傷が発生しなかったときは、その時点で試験を終了した。走行時間及びその損傷のモードが表1−3に示されている。表の「損傷モード」の欄において、「ILC」は、インナーライナーにラックが発生したことを示している。「BEL」は、ベルトの端でルースが発生したことを示している。なお、インナーライナーのクラックは、全てバットレス部において発生していた。
Figure 0006362217
Figure 0006362217
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表1−3に示されるように、本発明に係る試験方法では、走行試験機を用いた試験において、短い期間でインナーライナーのクラックを発生させることができる。この方法によると、精度よく効率的にインナーライナーの耐久性の試験ができる。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された試験方法は、種々のタイヤの耐久性試験に適用されうる。
2・・・走行試験機
4・・・タイヤ
6・・・ドラム
8・・・走行面
10・・・突起
12・・・トレッド
14・・・サイドウォール
16・・・カーカス
18・・・ベルト
18a・・・第一層
18b・・・第二層
20・・・インナーライナー
22・・・第一層の端
24・・・第二層の端
26・・・ベルトの端
28・・・トレッド面

Claims (10)

  1. その走行面上に高さが5mm以上50mm以下である突起を有する走行試験機を使用し、
    (1)上記突起がタイヤのトレッド面と接触したときの接触点がこのタイヤのベルトの端よりも軸方向内側であって、この接触点とこのベルトの端との軸方向距離が10mm以上60mm以下となるように、上記タイヤと上記走行面とを接触させる工程、
    (2)上記タイヤに荷重を負荷する工程
    及び
    (3)上記タイヤを上記走行面に対して走行させる工程
    を有するインナーライナーの耐久性の試験方法。
  2. 上記接触点と上記ベルトの端との軸方向距離が、20mm以上50mm以下である請求項1に記載の試験方法。
  3. 上記突起が、球の一部の形状を呈している請求項1又は2に記載の試験方法。
  4. 上記突起の高さが、10mm以上40mm以下である請求項1から3のいずれかに記載の試験方法。
  5. 上記突起の高さが、35mm以下である請求項4に記載の試験方法。
  6. 上記(1)の工程におけるタイヤの内圧が、このタイヤの正規内圧よりも低くされている請求項1から5のいずれかに記載の試験方法。
  7. 上記内圧が、このタイヤの正規内圧の60%以上90%以下である請求項6に記載の試験方法。
  8. 上記(2)の工程で負荷される荷重がこのタイヤの正規荷重の80%以上100%以下であり、上記(3)の工程での走行速度が30km/h以上60km/h以下である請求項1から7のいずれかに記載の試験方法。
  9. 上記(1)の工程の前に、タイヤに大気より酸素濃度の高い気体を封入しこれを保存することでインナーライナーを酸素劣化させる工程を、さらに有する請求項1から8のいずれかに記載の試験方法。
  10. 上記インナーライナーを酸素劣化させる工程では、上記タイヤの内圧がこのタイヤの正規内圧の95%以上100%以下であり、上記気体の酸素濃度が50%以上100%以下であり、保存温度が60℃以上90℃以下であり、保存時間が1週間以上6週間以下である請求項9に記載の試験方法。
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