JP2017082128A - 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明で用いるエポキシ樹脂(A)としては、エポキシ基を2個以上有する化合物であれば特に制限せず、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型のようなビスフェニル基を有するエポキシ化合物、ポリアルキレングリコール型、アルキレングリコール型のエポキシ化合物、ナフタレン環を有するエポキシ化合物、フルオレン基を有するエポキシ化合物等の二官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型のような多官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ダイマー酸のような合成脂肪酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリンのようなグリシジルアミノ基を有する芳香族エポキシ樹脂;トリシクロデカン環を有するエポキシ化合物(例えば、ジシクロペンタジエンとm−クレゾールのようなクレゾール類またはフェノール類を重合させた後、エピクロルヒドリンを反応させる製造方法によって得られるエポキシ化合物)等を挙げることができる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
次いで、ウレタンプレポリマー(B)について、以下に説明する。
両末端NCO基プレポリマー及び両末端OH基プレポリマーは、共にポリオール化合物(a)とポリイソシアネート化合物(b)を原料にして常法に従い反応させて得ることができる。その合成反応は、特に限定しない。
また、両末端OH基プレポリマーの合成反応に用いるポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物は、両末端NCO基プレポリマーの合成反応の原料として用いることが可能なポリオール化合物(a)及びポリイソシアネート化合物(b)から選択すればよい。
本発明は、エポキシ樹脂(A)とウレタンプレポリマー(B)を配合し、更に、硬化剤(C)を配合して得られるエポキシ樹脂組成物である。
次いで、本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を用いたエポキシ樹脂硬化物について、以下に説明する。
反応装置に、エポキシ樹脂(A)として、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(25℃で液状のもの)を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌を開始する。
別の反応装置に、ポリイソシアネート化合物(b)とポリオール化合物(a)とを、[NCO]/[OH]当量比で、両末端NCO基プレポリマーを得る場合には1.2〜2.0の範囲に、また、両末端OH基プレポリマーを得る場合には0.25〜0.7の範囲に設定して、常法に従い発熱に充分注意しながら仕込み、不活性雰囲気下(例えば窒素雰囲気下)で攪拌しながら、設定温度(好ましくは70℃〜90℃の範囲)で反応させて、ウレタンプレポリマー(B)を得る。
〔工程1〕のエポキシ樹脂(A)と、〔工程2〕のウレタンプレポリマー(B)とを、それぞれ所定量混合容器に仕込み、設定温度(好ましくは50℃〜80℃の範囲)で加温し、撹拌しながら、所定量の硬化剤(C)を加えて相溶するまで撹拌して、繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を調製する。
前記エポキシ樹脂組成物を予熱しておいた金型中に注入する。次いで、エポキシ樹脂組成物を真空中で脱泡した後、60℃から30分ごとに10分ずつ昇温して、更に110℃にて12時間保持することでエポキシ樹脂硬化物を得る。
金型より抜き出した硬化物は、必要に応じて、溝入れ加工、切削加工、切断加工、研摩加工などの適当な加工方法を施して、用途に応じた形状に整えて、繊維強化樹脂成型品を得る。
しかしながら、本発明は、エポキシ樹脂(A)に、特定のウレタンプレポリマー(B)を配合すると、硬化反応後に、海島相分離構造を形成して、互いの樹脂の長所を引き出し合うと共に、互いの短所を補い合うことで、単一の樹脂を使用する場合に比べて格段に向上した物性を発現できることを見出した。
即ち、本発明では、エポキシ樹脂(A)に、ウレタンプレポリマー(B)として両末端NCO基プレポリマー又は両末端OH基プレポリマー(但し(B)はポリエーテルポリオール由来の構造を有す。)、及び硬化剤(C)を配合した場合に、硬化反応後にエポキシ樹脂(A)が海構造となり、且つウレタンプレポリマー(B)が島構造となり、得られるエポキシ樹脂組成物の硬化物が海島相分離構造を有することが明らかとなり、エポキシ樹脂(A)の高い耐熱性と機械強度を維持したままで、機械的特性(特に破壊靭性)を格段に向上させることが可能な繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の開発に到った。
また、本発明では、特に断りのない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。
尚、本発明で用いた測定方法及び評価方法は、以下の通りである。
実施例及び比較例で得たエポキシ樹脂組成物を60℃に加熱した後、真空中で脱泡し、4mm厚のシリコン製スペーサーをガラス板で挟んだ注型板を用いて、60℃から30分ごとに10℃ずつ上昇させて、110℃到達後は110℃にて12時間ホールドすることにより、4mm厚の硬化物を得た。
得られた硬化物を幅13mm×長さ80mm×厚さ4mmの大きさに切削し試験片として、ASTM D5045−93(ISO 13586)に従い加工し、破壊靱性(単位;MPa・m0.5)の測定を行った。
尚、試験前における試験片へのノッチ(刻み目)の作成は、剃刀の刃を試験片にあて、ハンマーで剃刀の刃に衝撃を与えることで行った。
測定機器 :島津オートグラフ(株式会社島津製作所製)
型式 :AG−X plus
試験速度 :10mm/分
標線間距離 :50mm
○:破壊靱性値が1.3MPa・m0.5以上の場合、優れる。
×:破壊靱性値が1.3MPa・m0.5未満の場合、劣る。
実施例及び比較例で得たエポキシ樹脂組成物を60℃に加熱した後、真空中で脱泡し、2mm厚のゴム製スペーサーをガラス板で挟んだ注型板を用いて、60℃から30分ごとに10℃ずつ上昇させて、110℃到達後は110℃にて12時間ホールドすることにより、2mm厚の硬化物を得た。
得られた硬化物を切削して試験片を作成して、JIS K7161に準拠して、引張強度(単位;Mpa)、及び引張破断伸度(単位;%)を測定した。
測定機器 :島津オートグラフ(株式会社島津製作所製)
型式 :AG−100KNG
試験速度 :伸び0.2%まで1mm/分、0.2%到達後に5mm/分に変更
標線間距離 :50mm
○:引張強度が70以上の場合、優れる。
△:引張強度が60以上70未満の場合、良い。
×:引張強度が60未満の場合、劣る。
○:引張破壊伸度が5以上の場合、優れる。
△:引張破壊伸度が4以上5未満の場合、良い。
×:引張破壊伸度が4未満の場合、劣る。
実施例及び比較例で得たエポキシ樹脂組成物を60℃に加熱した後、真空中で脱泡し、2mm厚のゴム製スペーサーをガラス板で挟んだ注型板を用いて、60℃から30分ごとに10℃ずつ上昇させて、110℃到達後は110℃にて12時間ホールドすることにより、2mm厚の硬化物を得た。
得られた硬化物を幅10mm×長さ50mm×厚さ2mmの大きさに切削し試験片として、下記の条件にて、貯蔵弾性率(E')及び損失弾性率(E")を測定した。
E'/E"をtanδとした場合、tanδが最大となる温度をガラス転移温度(Tg、単位;℃)を測定した。
測定機器 :動的粘弾性測定機(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)
型式 :DMA6100
測定温度範囲:−100℃〜250℃
昇温速度 :5℃/分
周波数 :1Hz
測定モード :曲げモード
○:130℃以上の場合、優れる。
△:120℃以上、130℃未満の場合、良い
×:120℃未満の場合、劣る。
実施例及び比較例で得たエポキシ樹脂組成物を60℃に加熱した後、真空中で脱泡し、2mm厚のゴム製スペーサーをガラス板で挟んだ注型板を用いて、60℃から30分ごとに10℃ずつ上昇させて、110℃到達後は110℃にて12時間ホールドすることにより、2mm厚の硬化物を得た。
得られた硬化物をウルトラミクロトームで切削し、硬化物の断面を下記の条件にて観察し、海島相分離の有無を評価した。
測定機器 :環境制御型走査型プローブ顕微鏡システム(株式会社日立ハイテクサイエンス製)
型式 :NanoNavi II/SPA−300HV
測定モード :DMF
スキャナー :80μm
カンチレバー:SI−DF20
○:硬化物が海島相分離構造を形成している場合、優れる。
×:硬化物が海島相分離構造を形成していない場合、劣る。
反応装置に、コスモネートT−80(登録商標;三井化学株式会社製、トリレンジイソシアネート(TDI)の2,4体/2,6体=80/20質量比の混合物)339.1部を仕込み、PTMG−1000(登録商標;三菱化学株式会社製、ポリテトラメチレングリコール、Mn=1000のもの)1000.0部を4分割で発熱に充分注意しながら仕込んだ。
次いで、外温80℃に昇温して2時間反応を継続して、イソシアネート当量(以下「NCO当量」と云う)が715〜785g/eq(以下単位略す)であり、液状(常温)の両末端NCO基プレポリマー(B1)を得た。
反応装置に、PTMG−1000を1000.0部加えて、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下「HDI」と云う)124.2部仕込んだ。
次いで、外温80℃に昇温した後、重合触媒としてネオスタンU−28(登録商標;日東化成株式会社製)0.030部を加えて8時間反応を継続して、水酸基価が23.7〜26.2であり、液状(常温)の両末端OH基プレポリマー(B2)を得た。
反応装置に、コスモネートT−80を389.6部仕込み、PTMG−1000を1000.0部と1,4−ブタンジオールを21.5部とを4分割で発熱に充分注意しながら仕込んだ。
次いで、外温80℃に昇温して2時間反応を継続して、NCO当量が715〜785であり、液状(常温)の両末端NCO基プレポリマー(B3)を得た。
両末端NCO基プレポリマー(B4)の合成は、前述の両末端NCO基プレポリマー(B1)の合成と同様の操作手順で行い、コスモネートT−80とPTMG−1000の仕込量のみを変更して以下のように行った。
反応装置に、コスモネートT−80を219.7部仕込み、PTMG−1000を1000.0部を4分割で発熱に充分注意しながら仕込んだ。
次いで、外温80℃に昇温して4時間反応を継続して、NCO当量が2150〜2350であり、液状(常温)の両末端NCO基プレポリマー(B4)を得た。
反応装置に、PTMG−1000を1000.0部仕込み、コスモネートT−80を128.5部仕込んだ。
次いで、外温80℃に昇温して5時間反応を継続して、水酸基価が23.7〜26.2であり、液状(常温)の両末端OH基プレポリマー(B5)を得た。
反応装置に、ETERNACOLL UH−200(登録商標;宇部興産株式会社製、ポリカーボネートジオール)1000.0部を仕込み、コスモネートT−80を46.0部仕込んだ。
次いで、外温80℃に昇温して6時間反応を継続して、水酸基価が23.7〜26.2であり、液状(常温)のポリカーボネートポリオール由来の構造を有し、且つ、分子鎖の両末端にOH基を有するウレタンプレポリマー(b6)を得た。
反応装置に、コスモネートT−80を378.8部仕込み、クリスボンCMA−1024(登録商標;DIC株式会社製、ポリエステルポリオール)621.2部を4分割で投入した。
次いで、外温80℃に昇温して2時間反応を継続して、NCO当量が715〜785であり、液状(常温)のポリエステルポリオール由来の構造を有し、且つ、分子鎖の両末端にNCO基を有するウレタンプレポリマー(b7)を得た。
第1表の配合組成に従い、混合容器に、エポキシ樹脂(A)としてエピクロン 850−S(登録商標;DIC株式会社製、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、エポキシ当量183〜193g/eq、粘度11000〜15000(25℃,mPa・s))を95部に、合成例1で得られた両末端NCO基プレポリマー(B1)を5部配合して、内温60℃で攪拌した後、硬化剤(C)としてjERキュアEMI24(登録商標;三菱化学株式会社製、化合物名;2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール)を12.4部配合して、相溶するまで攪拌し、本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物(X1)を得た。
前記エポキシ樹脂組成物(X1)を真空中で脱泡した後、60℃から30分ごとに10℃ずつ上昇し、110℃で12時間保持することでエポキシ樹脂硬化物(Y1)を得た。
得られた硬化物(Y1)の評価結果を第1表に示した。
硬化物(Y1)は、原子間力顕微鏡による測定画像において、硬化反応後にエポキシ樹脂(A)が海構造を形成し、且つ両末端NCO基プレポリマー(B1)が島構造を形成して、海島相分離構造となっていることを確認した。
また、硬化物(Y1)は、優れた機械的特性(特に破壊靱性など)を有していた。
第1表の配合組成に従い、混合容器に、エポキシ樹脂(A)としてエピクロン 850−Sを90部に、合成例1で得られた両末端NCO基プレポリマー(B1)を10部配合して、内温60℃で攪拌した後、硬化剤(C)としてjERキュアEMI24を11.7部配合して、相溶するまで攪拌し、本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物(X2)を得た。
前記エポキシ樹脂組成物(X2)を真空中で脱泡した後、60℃から30分ごとに10℃ずつ上昇し、110℃で12時間保持することでエポキシ樹脂硬化物(Y2)を得た。
得られた硬化物(Y2)の評価結果を第1表に示した。
硬化物(Y2)は、図1の如く、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)による測定画像から、硬化反応後にエポキシ樹脂(A)が海構造を形成し、且つ両末端NCO基プレポリマー(B1)が島構造を形成して、海島相分離構造となっていることを確認した。
また、硬化物(Y2)は、優れた機械的特性(特に破壊靱性など)を有していた。
実施例3〜7では、第1表に記載の配合組成に変更した以外は、実施例1と同様の手順で、それぞれエポキシ樹脂組成物(X3)〜(X7)、エポキシ樹脂硬化物(Y3)〜(Y7)を得た。
得られた硬化物(Y3)〜(Y7)の評価結果を第1表に示した。
硬化物(Y3)〜(Y7)はいずれも、AFM測定画像において、硬化反応後に、エポキシ樹脂(A)が海構造を形成し、且つウレタンプレポリマー(B)が島構造を形成して、海島相分離構造となっていることを確認した。
また、硬化物(Y3)〜(Y7)はいずれも、優れた機械的特性(特に破壊靱性など)を有していた。
比較例1は、エポキシ樹脂(A)に、ウレタンプレポリマー(B)を配合せず、硬化剤(C)のみを配合して行った。
エポキシ樹脂(A)としてエピクロン 850−Sの100部に、硬化剤(C)としてjERキュアEMI24を13部配合して、繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物(X8)を得た。
前記エポキシ樹脂組成物(X8)を真空中で脱泡した後、60℃から30分ごとに10℃ずつ上昇し、110℃で12時間保持することでエポキシ樹脂硬化物(Y8)を得た。
得られた硬化物(Y8)の評価結果を第2表に示した。
硬化物(Y8)は、原子間力顕微鏡(AFM)による測定画像において、硬化反応後に相溶状態にあり、海島相分離構造を有していないことを確認した。
また、硬化物(Y8)は、耐熱性、機械的特性は優れていたが、破壊靱性には劣っていた。
比較例2は、実施例で用いたポリエーテルポリオール由来の構造を有し、且つ、分子鎖の両末端にイソシアネート基又は水酸基を有するウレタンプレポリマー(B)に代えて、ポリカーボネートポリオール由来の構造を有し、且つ、分子鎖の両末端にOH基を有するウレタンプレポリマー(b6)を用いた。
第2表の配合組成に従い、混合容器に、エポキシ樹脂(A)としてエピクロン 850−Sを90部に、合成例6で得られたポリカーボネートポリオール由来の構造を有し、且つ、分子鎖の両末端にOH基を有するウレタンプレポリマー(b6)を10部配合して、内温60℃で攪拌した後、硬化剤(C)としてjERキュアEMI24を11.7部配合して、相溶するまで攪拌して、繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物(X9)を得た。
前記エポキシ樹脂組成物(X9)を真空中で脱泡した後、60℃から30分ごとに10℃ずつ上昇し、110℃で12時間保持することでエポキシ樹脂硬化物(Y9)を得た。
得られた硬化物(Y9)の評価結果を第2表に示した。
硬化物(Y9)は、図2の如く、原子間力顕微鏡(AFM)による測定画像において、硬化反応後にエポキシ樹脂(A)とウレタンプレポリマー(b7)が、完全に相溶状態にあり、海島相分離構造を有していないことを確認した。
また、硬化物(Y9)は、機械的特性に優れていたが、耐熱性と破壊靱性には劣っていた。
比較例3は、実施例で用いたポリエーテルポリオール由来の構造を有し、且つ、分子鎖の両末端にイソシアネート基又は水酸基を有するウレタンプレポリマー(B)に代えて、ポリエステルポリオール由来の構造を有し、且つ、分子鎖の両末端にNCO基を有するウレタンプレポリマー(b7)を用いた。
第2表の配合組成に従い、混合容器に、エポキシ樹脂(A)としてエピクロン 850−Sを90部に、合成例7で得られたポリエステルポリオール由来の構造を有し、且つ、分子鎖の両末端にNCO基を有するウレタンプレポリマー(b7)を10部配合して、内温60℃で攪拌した後、硬化剤(C)としてjERキュアEMI24を11.7部配合して、相溶するまで攪拌して、繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物(X10)を得た。
前記エポキシ樹脂組成物(X10)を真空中で脱泡した後、60℃から30分ごとに10℃ずつ上昇し、110℃で12時間保持することでエポキシ樹脂硬化物(Y10)を得た。
得られた硬化物(Y10)の評価結果を第2表に示した。
硬化物(Y10)は、原子間力顕微鏡(AFM)による測定画像において、硬化反応後に完全な相溶状態にあり、海島相分離構造を有していないことを確認した。
また、硬化物(Y10)は、機械的特性は優れていたが破壊靱性が大幅に劣っていた。
コスモネートT−80;登録商標、三井化学株式会社製、2,4−トルエンジイソシアネート/2,6−トルエンジイソシアネート=80/20質量比の混合物。
PTMG−1000;登録商標、三菱化学株式会社製、ポリテトラメチレングリコール、数平均分子量1000のもの。
HDI;ヘキサメチレンジイソシアネート。
エピクロン 850−S;登録商標、DIC株式会社製、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂。
jERキュアEMI24;登録商標;三菱化学株式会社製、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール。
ネオスタンU−28;登録商標、日東化成株式会社製、スズ系重合触媒。
ETERNACOLL UH−200;登録商標、宇部興産株式会社製、ポリカーボネートジオール。
クリスボンCMA−1024;登録商標、DIC株式会社製、ポリエステルポリオール。
Claims (6)
- エポキシ樹脂(A)と、ポリエーテルポリオール由来の構造を有し、且つ、分子鎖の両末端にイソシアネート基又は水酸基を有するウレタンプレポリマー(B)、及び硬化剤(C)を配合して得られるエポキシ樹脂組成物であって、
硬化反応前は(A)と(B)が相溶しており、
硬化反応後は(A)が海構造を形成し、且つ(B)が島構造を形成して、得られるエポキシ樹脂組成物の硬化物が海島相分離構造であることを特徴とする繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。 - エポキシ樹脂(A)とウレタンプレポリマー(B)の合計100質量部に対して、(A)60〜99質量部と(B)1〜40質量部を配合した組成物に、更に硬化剤(C)3〜50質量部を加えて得られる請求項1記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
- ウレタンプレポリマー(B)の数平均分子量が、1000〜5000の範囲である請求項1記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
- 硬化剤(C)が、イミダゾール系硬化剤である請求項1記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
- 前記海島相分離構造において、エポキシ樹脂(A)の海構造が硬化物相であり、且つ、ウレタンプレポリマー(B)の島構造が空孔を有する直径100nm〜500nmの球状の硬化物相である請求項1記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂組成物の硬化物を用いて、ASTM D5045−93に準拠して測定した破壊靱性値が、1.3MPa・m0.5以上である請求項1記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
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