JP6637253B2 - エポキシ樹脂組成物、及び、それを用いた繊維強化プラスチック - Google Patents

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Description

本発明は、柔軟性及び耐衝撃性に優れた硬化物となる、新規なエポキシ樹脂組成物に関し、特に、ウレタン変性エポキシ樹脂、芳香族アミン、及び、イミダゾール変性した触媒を用いてなる、ポットライフと硬化性のバランスが良好であり、繊維強化プラスチック用として好適なエポキシ樹脂組成物、及びそれを用いた繊維強化プラスチックに関する。
炭素繊維やガラス繊維等の繊維材料に対し、補強材として熱硬化性のエポキシ樹脂や、不飽和ポリエステル、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂等を用いて成型物を作る方法は周知であり、この方法を用いた繊維強化プラスチックは、航空機、船舶等の構造体の材料や、テニスラケット、ゴルフクラブ等のスポーツ用品に広く使われている。この場合、補強材として用いられる樹脂としては、接着性、耐熱性、耐薬品性等に優れている上安価であるという、バランスの良い材料としてエポキシ樹脂が使用されることが多い。
一般的に、用いられるエポキシ樹脂は剛性が大きい反面、伸び変位が小さいため、柔軟性、耐衝撃性等に劣り、硬くて脆い性質を持っており、従って、加工性に乏しいといった欠点を有することが知られている。このような問題を解決するために、アクリルモノマー等の不飽和化合物を重合させてなる、粒子状の架橋ゴムをエポキシ樹脂組成物に分散させることによって成型収縮を低減させ、耐衝撃性や成型品の脆さを改善する方法が知られている(例えば特許文献1)。しかしながらこの方法では、エポキシ樹脂組成物のチクソ性が上がるため作業性に問題が生じるだけでなく、粒子状の化合物を使用しているために、エポキシ樹脂組成物の繊維間への浸透性が悪く、均一に配合することが難しいという欠点があった。
また、繊維強化プラスチックに使用されるエポキシ樹脂の硬化剤としては、従来、液状の脂肪族アミンや芳香族アミン、又は、成型時のエポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性を向上させる上から、粉末型のジシアンジアミドやジシアンジアミド誘導体が使用されてきた(例えば特許文献2及び3)。しかしながら、液状の脂肪族アミンは反応性が高く、エポキシ樹脂組成物のポットライフを調整することが難しいという欠点があり、また、芳香族アミン、ジシアンジアミド、及びジシアンジアミド誘導体の場合には、ポットライフは十分なものとなるものの、硬化させるために必要な温度が高いため、繊維強化プラスチックの製造の際に使用する製造設備が限定されるという欠点があった。更に、ジシアンジアミドもジシアンジアミド誘導体も粉末状であるため、繊維強化プラスチック用のエポキシ樹脂組成物に対して使用した場合には、繊維間への浸透性が悪いので硬化不良が生じるといった欠点があった。
特開平5−339471号公報 特開平5−318642号公報 特公平6−43509号公報
本発明者等は上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ウレタン変性エポキシ樹脂を配合することによって、従来のエポキシ樹脂の欠点である硬くて脆い性質を改善すると共に、芳香族アミン系硬化剤と、活性水素を有するイミダゾール化合物とエポキシ化合物とを反応させてなる化合物を触媒として併用することにより、硬化性とポットライフとのバランスのとれたエポキシ樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
したがって本発明の第一の目的は、従来のエポキシ樹脂が有する硬くて脆いという欠点の無い、且つ、硬化性とポットライフとのバランスのとれたエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
本発明の第二の目的は、エポキシ樹脂の利点を有すると共に柔軟性及び耐衝撃性にも優れた、新規な繊維強化プラスチックを提供することにある。
即ち本発明は、ウレタン変性エポキシ樹脂(B)を5〜30質量%含有するエポキシ樹脂(A)、芳香族アミン系硬化剤(C)及び触媒(D)を含有したエポキシ樹脂組成物であって、前記触媒(D)が、活性水素を有するイミダゾール化合物(d−1)とエポキシ化合物(d−2)を、溶媒の存在下に反応させてなる化合物であると共に、その含有量が前記エポキシ樹脂(A)100質量部に対して5〜30質量部であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物;及び、それを用いてなる繊維強化プラスチックである。
本発明においては、前記エポキシ樹脂(A)中の、ウレタン変性エポキシ樹脂(B)を除く成分が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、及び/又はビスフェノールF型エポキシ樹脂であることが好ましく、前記ウレタン変性エポキシ樹脂(B)が、少なくとも1つの水酸基を含有するエポキシ樹脂(b−1)とウレタンプレポリマー(b−2)を反応させてなる化合物であることが好ましく、上記、少なくとも1つの水酸基を含有するエポキシ樹脂(b−1)が、芳香環を含有する化合物であることが好ましい。
また、前記ウレタンプレポリマー(b−2)は、少なくとも2つの水酸基を含有するポリオールとポリイソシアネートを、前記ポリオールの水酸基1当量に対してポリイソシアネートのイソシアネート基当量が1.3〜3.0となるように反応させてなる化合物であることが好ましく、前記少なくとも2つの水酸基を含有するポリオールは、プロピレングリコールのプロピレンオキサイド付加重合物、及び/又は、グリセリンのプロピレンオキサイド付加重合物であることが好ましい。
更に、前記ポリイソシアネートは芳香族ジイソシアネートであることが好ましく、活性水素を有するイミダゾール化合物(d−1)は、窒素原子に活性水素を有するイミダゾール化合物であることが好ましく、エポキシ化合物(d−2)はモノグリシジルエーテル化合物であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物は、従来のエポキシ樹脂の欠点である「伸び変位が小さい」という物性を解消し、柔軟性及び耐衝撃性という新たな物性を有するだけでなく、硬化時間とポットライフとのバランスが良いので作業性が良好であり、繊維強化プラスチック用として特に好適である。
本発明で使用するエポキシ樹脂(A)は、ウレタン変性エポキシ樹脂(B)を5〜30質量%含有するエポキシ樹脂であり、ウレタン変性エポキシ樹脂(B)の含有量は10〜25質量%であることが好ましい。5質量%より少ないと、エポキシ樹脂組成物中のウレタン結合濃度が少なくなるため、硬化物の柔軟性や耐衝撃性などの物性を、従来のエポキシ樹脂より改善することが困難である。また30重量%よりも多い場合には、硬化物の耐熱性が従来のエポキシ樹脂より著しく低下する。
本発明に使用するエポキシ樹脂(A)の内、ウレタン変性エポキシ樹脂(B)以外の成分に関しては、特に限定されるものではなく、分子中にエポキシ基を少なくとも2つ有するものである限り、分子構造や分子量等とは関係なく適宜選択して使用することができる。このようなエポキシ樹脂の具体例としては、ジシクロペンタジエン型、クレゾールノボラック型、フェノールノボラック型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビフェニル型等の各種エポキシ樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、硬化物の物性の面から、上記のエポキシ樹脂の中でも芳香環を含有するエポキシ樹脂を使用することが好ましく、安価で使用することのできるビスフェノールA型エポキシ樹脂、又はビスフェノールF型エポキシ樹脂を使用することがより好ましい。
本発明に使用するウレタン変性エポキシ樹脂(B)は、少なくとも1つの水酸基を含有するエポキシ樹脂(b−1)とウレタンプレポリマー(b−2)を、例えば、40〜150℃で、1〜10時間、必要に応じて触媒を用いて反応させることにより得られるものである。上記、少なくとも1つの水酸基を含有するエポキシ樹脂(b−1)とウレタンプレポリマー(b−2)の配合量は、特に限定されるものではないが、製造したウレタン変性エポキシ樹脂(B)中にイソシアネート基が残存していないことが、ウレタン変性エポキシ樹脂(B)の貯蔵安定性が良好になるという点で好ましい。
したがって、ウレタンプレポリマー(b−2)におけるイソシアネート基の当量数が、少なくとも1つの水酸基を含有するエポキシ樹脂(b−1)における水酸基当量数よりも小さいことが好ましい。
上記必要に応じて用いる触媒としては、例えば、公知の第3級アミンや第4級アンモニウム塩、或いは有機金属触媒類等を挙げることができる。これらの触媒は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
上記第3級アミン類としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N'',N''−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N'',N''−ペンタメチル−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N'',N''−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N−ジメチルラウリルアミン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ジメチルアミノプロピルイミダゾール等が挙げられる。
前記第4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物;水酸化テトラメチルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム水酸化物;テトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩等のテトラアルキルアンモニウム有機酸塩類が挙げられる。
前記有機金属触媒類としては、例えばスタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジラウレート、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。これらの内、触媒としてより好ましいものは、反応性が高いだけでなく揮発性が低くて使用しやすい、ジブチル錫ジラウレート及びジオクチル錫ジラウレートである。
前記触媒の配合量は特に限定されるものではないが、ウレタンプレポリマー(b−2)100質量部に対し、0.01〜2.0質量部であることが好ましく、0.05〜1.0質量部であることがより好ましい。0.01質量部より少ないと、反応速度が不足する場合があり、2.0質量部より多いと、反応速度が上がりすぎて発熱が大きくなり、反応温度をコントロールすることが困難となる場合がある。
前記少なくとも1つの水酸基を含有するエポキシ樹脂(b−1)の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、少なくとも2つの水酸基を有する低分子量のポリオールの水酸基1当量に対してエピクロルヒドリンを1〜10当量と、水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属の水酸化物を併用して、例えば、40〜150℃で、1〜20時間反応させる方法が挙げられる。
上記少なくとも2つの水酸基を含有する低分子量のポリオールは、特に限定されるものではないが、例えば、ポリフェノール類、脂肪族ポリオール類、及び脂環式ポリオール類が挙げられる。
上記ポリフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、テトラブロムビスフェノールA、フェノールノボラック、臭素化フェノールノボラック、クレゾールノボラック、臭素化クレゾールノボラック、4,4‘−ジヒドロキシビフェニル、1,1,2,2−テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げられる。
前記脂肪族ポリオール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール等の直鎖又は分岐の低分子ポリオール、及び、これらのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
前記脂環式ポリオールとしては、例えば、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサントリオール、シクロヘキサンジメタノール、イソプロピリデンジシクロヘキサノール、デカリンジオール、トリシクロデカンジメタノール等が挙げられる。
本発明においては、前記した、少なくとも水酸基を2つ有するポリオールの中でも、反応性が高く製造が容易なポリフェノール類を使用することが好ましく、安価に入手可能なビスフェノールA及び/又はビスフェノールFを使用することがより好ましい。
少なくとも1つの水酸基を含有するエポキシ樹脂(b−1)の構造については、前記好ましいポリフェノール類を使用して製造する芳香環構造を有することが、本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の物性の面から好ましい。
本発明で使用するウレタンプレポリマー(b−2)は、少なくとも2つの水酸基を含有するポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られる。上記少なくとも2つの水酸基を含有するポリオールは特に限定されるものではないが、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオール等を使用することができる。これらの化合物は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素原子を2個以上有する化合物の1種または2種以上を開始剤として、アルキレンオキサイドを付加重合させたものを使用することができる。
上記開始剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
前記アルキレンオキサイドとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応させて得られる、脂肪族ポリエステルポリオールや芳香族ポリエステルポリオール、ε-カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステルや、これらの共重合ポリエステル等が挙げられる。
上記低分子量のポリオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1.4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール等の脂肪族グリコール類、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコールが挙げられる。
また、上記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、及び、これらの無水物又はエステル形成性誘導体等が挙げられる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、炭酸エステルとポリオールとを反応させて得られるものや、ホスゲンとビスフェノールA等とを反応させて得られるものが挙げられる。
上記炭酸エステルとしては、メチルカーボネートや、ジメチルカーボネート、エチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネート等が挙げられる。
上記ポリカーボネートポリオールを製造するために使用する、炭酸エステルと反応させるポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ビフェノール等の比較的低分子量のジヒドロキシ化合物;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール;ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオール、等が挙げられる。
本発明においては、上記した少なくとも2つの水酸基を含有するポリオールの中でも、安価であると共に低粘度で使用することが可能な、ポリエーテルポリオールが好ましく、プロピレングリコールのプロピレンオキサイド付加重合物及び/又はグリセリンのプロピレンオキサイド付加重合物を使用することがより好ましい。
本発明で使用する少なくとも2つの水酸基を含有するポリオールの数平均分子量は、特に制限されるものではないが、1000〜5000であることが好ましく、1500〜4000であることがより好ましい。
本発明において、ウレタンプレポリマー(b−2)を製造するために使用するポリイソシアネートは、特に限定されることはなく、公知のものの中から適宜選択して使用することができる。具体的には、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の、脂肪族ジイソシアネート又は脂環式構造含有ジイソシアネート、等が挙げられる。これらは、単独で使用しても、2種以上を併用して使用してもよい。これらの中では、安価に入手できるという点から、芳香族ジイソシアネートを使用することが好ましく、トリレンジイソシアネートを使用することがより好ましい。
少なくとも2つの水酸基を含有するポリオールとポリイソシアネートの反応においては、反応速度を上げるために、必要に応じて触媒を使用することができる。使用する触媒としては、前記した、少なくとも1つの水酸基を含有するエポキシ樹脂(b−1)とウレタンプレポリマー(b−2)の反応の際に使用できるものと、同等のものが挙げられる。
上記した、ウレタンプレポリマー(b−2)の製造に使用される触媒の中でもより好ましいものは、反応性が高いだけでなく揮発性が低くて使用しやすい、ジブチル錫ジラウレート及び/又はジオクチル錫ジラウレートである。
ウレタンプレポリマー(b−2)の製造に使用される触媒の配合量は、特に限定されるものではないが、ポリイソシアネート成分100質量部に対して0.01〜2.0質量部であることが好ましく、0.05〜1.0質量部であることがより好ましい。0.01質量部より少ないと、反応速度が向上しない場合があり、2.0質量部より多いと、反応速度が上がりすぎて発熱が大きくなり、反応温度をコントロールすることが難しくなる場合がある。
ウレタンプレポリマー(b−2)は、少なくとも1つの水酸基を含有するエポキシ樹脂(b−1)と反応させるために、その構造中にイソシアネート基を含有する必要がある。そのため、ウレタンプレポリマー(b−2)を製造する時の、少なくとも2つの水酸基を含有するポリオールとポリイソシアネートの配合量は、ポリイソシアネート中におけるイソシアネート基の当量数と、ポリオール中における水酸基の当量数の比(NCO/OH)が、1より大きくなる必要がある。しかしながら、比(NCO/OH)が1.1より少ない場合には、ウレタンプレポリマー(b−2)の粘度が非常に高くなり、製造が困難になる傾向となる。また、比(NCO/OH)が3.0よりも大きい場合は、ウレタンプレポリマー(b−2)の貯蔵安定性が著しく低下する傾向にある。したがって、少なくとも2つの水酸基を含有するポリオールとポリイソシアネートの配合量は、前記比(NCO/OH)が1.1〜3.0となるような割合であることが好ましく、1.2〜2.0となるような割合であることがより好ましく、1.3〜1.7となるような割合であることが最も好ましい。
本発明においては、使用するエポキシ樹脂の粘度を所望の粘度に調整するために、反応性希釈剤を併用することができる。このような反応性希釈剤としては、本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させた時の、硬化物の耐熱性やガラス転移温度の低下を抑制する観点から、エポキシ基を少なくとも1個有する希釈剤を使用することが好ましい。上記好ましい反応性希釈剤に含まれるエポキシ基の数は、特に限定されるものではない。
上記した、エポキシ基の数が1個の反応性希釈剤としては、例えばn−ブチルグリシジルエーテル、C12〜C14のアルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、及び3級カルボン酸グリシジルエステル等が挙げられる。
エポキシ基の数が2個の反応性希釈剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、及びネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等が挙げられ、エポキシ基の数が3個の反応性希釈剤としては、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、及びグリセリントリグリシジルエーテル等が挙げられる。
本発明においては、希釈効率が高い上安価であり、本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させた時の硬化物の性能を落とし難い、フェニルグリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、及びヘキサンジオールジグリシジルエーテルを、単独で又は併用して、希釈剤として用いることが好ましい。
前記反応性希釈剤の添加量は特に限定されるものではないが、例えば、反応性希釈剤以外のエポキシ基を持つ化合物(樹脂を含む)の総量100質量部に対し、1〜50質量部配合することが好ましく、5〜20質量部配合することがより好ましい。1質量部よりも添加量が少ないと、エポキシ樹脂組成物の粘度低下の効果が得られない場合があり、50質重部より多い場合には、本発明におけるエポキシ樹脂組成物の硬化物の、ガラス転移点温度又は強度が著しく低下する場合がある。
本発明で使用する硬化剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化条件を考慮して選ぶ必要がある。例えば、ポリアミド型のポリアミンや脂肪族型ポリアミン等は、硬化速度は速いが、ポットライフが短く、大量にエポキシ樹脂組成物を製造した場合には全てを使用することが困難となる。そこで無駄をなくすために1回の製造量を減らさなければならないが、これは作業性の点で好ましくない。また、酸無水物やフェノール類等の硬化剤を使用した場合には、ポットライフは長く改善されるものの、硬化を、長時間かけて高温で行う必要があるため、作業性の観点から硬化速度及び硬化条件に改善の余地がある。
本発明で使用する、ポットライフと硬化性のバランスがとれた芳香族アミン系硬化剤(C)は、芳香環に直接アミノ基が備わっている化合物であり、例えば、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジメチルジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジアミノジエチルトルエン、1−メチル−3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−ベンゼンジアミン、1−メチル−3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−ベンゼンジアミン等が挙げられる。これらの中では、安価に入手することが可能な、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジメチルジフェニルメタン、又はジアミノジエチルトルエンを使用することが好ましく、ジアミノジメチルジフェニルメタンを使用することがより好ましい。
本発明における芳香族アミン系硬化剤(C)の配合量は、エポキシ基を持つ化合物の総量100質量部に対し、20〜60質量部であることが好ましく、25〜50質量部であることがより好ましい。20質量部より少ないか60質量部よりも多い場合には、本発明のエポキシ樹脂組成物が、完全に硬化することが困難になる傾向がある。
本発明に使用する触媒(D)は、硬化剤(C)の反応を促進する効果を有するものであり、活性水素を有するイミダゾール化合物(d−1)とエポキシ化合物(d−2)を反応させることによって得られるものである。
上記、活性水素を有するイミダゾール化合物(d−1)としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、及び2−フェニルイミダゾール等の、窒素原子に活性水素を有するイミダゾール化合物;1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、及び1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等の、酸素原子に活性水素を有するイミダゾール化合物が挙げられる。本発明においては、これらの化合物の中でも、反応性が良好であるという観点から、窒素原子に活性水素を有するイミダゾール化合物を使用することが好ましく、特に、2−メチルイミダゾール及び/又は2−エチル−4−メチルイミダゾールを使用することがより好ましい。
上記エポキシ化合物(d−2)としては、例えば、前述した、ウレタン変性エポキシ樹脂(B)以外のエポキシ樹脂(A)に使用可能な化合物を使用することも、該エポキシ樹脂(A)と併用して使用することのできる前記反応性希釈剤を使用することもできる。本発明においては、これらの化合物の中でも、エポキシ基を1つ持ったモノグリシジルエーテル化合物を使用することが、得られる触媒(D)の作業性の観点から好ましく、特に、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル及びフェニルグリシジルエーテルの中から選択される、少なくとも1種の化合物を使用することがより好ましく、フェニルグリシジルエーテルを使用することが最も好ましい。
本発明においては、前記した、活性水素を有するイミダゾール化合物(d−1)とエポキシ化合物(d−2)の反応を、溶媒の存在下、40〜150℃で、1〜10時間反応させた後、溶媒を加熱減圧除去することにより、触媒(D)を製造する。
上記溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の窒素原子含有溶媒、ジメチルスルホキシド等の硫黄原子含有溶媒等が挙げられる。これらは単独で使用することも、2種以上を併用することもできる。
通常、活性水素を有するイミダゾール化合物(d−1)とエポキシ化合物(d−2)を反応させる時の配合割合は、(d−1)の活性水素当量と(d−2)のエポキシ基の当量が等しくなるように決定する。しかしながら、反応させる(d−1)又は(d−2)の種類によっては、副生成物として(d−2)の自己重合化合物が生成し、(d−1)が残存する場合がある。そこで本発明においては、(d−1)の活性水素1当量に対して、(d−2)のエポキシ基が1.0〜1.5当量となるようにイミダゾール化合物(d−1)とエポキシ化合物(d−2)を配合することが好ましく、1.0〜1.3当量となるように配合することがより好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物に使用する触媒(D)の配合量は、エポキシ基を持つ化合物の総量100質量部に対して5〜30質量部であることが好ましく、10〜20質量部であることがより好ましい。触媒(D)の配合量が5質量部より少ないと硬化反応が著しく遅くなる傾向があり、30質量部より多い場合には、ポットライフが著しく短くなる傾向になる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、下記の添加剤を、少なくとも1種使用してもよい。上記添加剤は公知の添加剤の中から適宜選択することができるが、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、炭酸カルシウム、窒化珪素、炭化珪素、窒化ホウ素、珪酸カルシウム、チタン酸カリウム、窒化アルミ、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ等の無機添加剤;ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ベンジルアルコール、コールタール等の非反応性の希釈剤(可塑剤);ガラス繊維、パルプ繊維、合成繊維、セラミック繊維等の繊維質充填材;ガラスクロス・アラミドクロス、カーボンファイバー等の補強材;顔料;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−N’−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、木ろう、イボタロウ、みつろう、ラノリン、鯨ろう、モンタンワックス、石油ワックス、脂肪酸ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、芳香族エステル、芳香族エーテル等の潤滑剤;増粘剤;チキソトロピック剤;酸化防止剤;光安定剤;紫外線吸収剤;難燃剤;消泡剤;防錆剤;コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等を挙げることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、シリコーンカーバイド繊維等の強化繊維のマトリックス樹脂として好適に用いられ、強化繊維と組み合わせることにより、繊維強化プラスチックを得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物、及び、繊維強化プラスチックを成形するための方法は、特に限定されるものではないが、例えば、押し出し成形法、ブロー成形法、圧縮成形法、真空成形法、射出成形法、RTM成形(Resin Transfer Molding[樹脂含浸成形])、VaRTM成形(Vaccum assist Resin Transfer Molding[真空樹脂含浸成形])、積層成形、ハンドレイアップ成形等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて得られる繊維強化プラスチックは、各種用途に利用することができる。各種用途としては、例えば、自動車、船舶及び鉄道車両等の移動体の構造材、ドライブシャフト、板バネ、風車ブレード、圧力容器、フライホイール、製紙用ローラー、屋根材、ケーブル、及び補修補強材料等の一般産業用途;胴体、主翼、尾翼、動翼、フェアリング、カウル、ドア、座席、内装材、モーターケース、アンテナ等の航空宇宙用途;ゴルフシャフト、釣り竿、テニスやバドミントンのラケット用途、ホッケー等のスティック用途、及びスキーポール用途等の、スポーツ用途が挙げられる。
以下本発明を、実施例及び比較例により更に具体的に説明する。尚、以下の実施例等における%は、特に記載が無い限り質量基準である。
<製造例1 ウレタン変性エポキシ樹脂U−1の製造>
1Lのセパラブルフラスコに、アデカポリエーテルG−3000B(数平均分子量3000のグリセリンのプロピレンオキサイド付加重合物、(株)ADEKA製)を117g及びトリレンジイソシアネートを42g添加し、上方から窒素置換を行った後フラスコ内を加熱し、70〜75℃で2時間反応させた。その後、アデカレジン EP−4901(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、(株)ADEKA製、エポキシ当量:170g/eq.)を791g、アデカグリシロールED−503(1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、(株)ADEKA製、エポキシ当量:165g/eq.)を70g、及び、ウレタン反応の触媒としてジブチル錫ジラウレート0.08gを添加し、80〜90℃で反応させた。得られた反応物について赤外線吸収スペクトルを測定し、NCOの吸収がないことを確認して、ウレタン変性エポキシ樹脂U−1を得た。
<製造例2 ウレタン変性エポキシ樹脂U−2の製造>
1Lのセパラブルフラスコに、アデカポリエーテルP−2000(数平均分子量2000のプロピレングリコールのプロピレンオキサイド付加重合物、(株)ADEKA製)を231g及びトリレンジイソシアネートを42g添加し、上方からの窒素置換を行った後フラスコ内を加熱し、70〜75℃で2時間反応させた。その後、アデカレジン EP−4100(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(株)ADEKA製、エポキシ当量:190g/eq.)を574g、アデカグリシロールED−503を172g、及び、ウレタン反応の触媒としてジブチル錫ジラウレートを0.1g添加し、80〜90℃で反応させた。得られた反応物について赤外線吸収スペクトルを測定し、NCOの吸収がないことを確認して、ウレタン変性エポキシ樹脂U−2を得た。
<製造例3 触媒H−1の製造>
500mLのセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル60g及び2−メチルイミダゾール82g(1.0モル)を添加し100℃に加温した。2−メチルイミダゾールが溶解したことを確認した後、エピオールP(フェニルグリシジルエーテル、日油(株)製、エポキシ当量:150g/eq.)を157g添加し、90〜100℃で2時間反応させた。その後、120℃、30mmHgの条件でプロピレングリコールモノメチルエーテルを除去し、触媒H−1を得た。
200mlディスポカップに、エポキシ樹脂としてアデカレジンEP−4901E(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、(株)ADEKA製、エポキシ当量:170g/eq.)を65g、アデカグリシロールED−509E(t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、(株)ADEKA製、エポキシ当量:210g/eq.)を15g、ウレタン変性エポキシ樹脂U−1を20g、硬化剤としてカヤハードAA(3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、日本化薬(株)製)を37g、及び、触媒としてH−1を15g添加した後、5分間、スパチュラを用いて撹拌した。その後遊星式攪拌機を使用して撹拌し、配合物を得た。得られた配合物の、ポットライフ、硬化性、混合粘度、引張強度、破断点伸び、曲げ強度、曲げ弾性率の評価を、下記に示す方法で行った。結果を表1に示す。
<ポットライフ測定方法>
配合物100gを500mLガラス瓶に保存し、23℃で55時間静置した後、500mLガラス瓶を横転させ、配合物の流動性の有無を確認し、「良」、又は「不良」の評価を行った。
良 :流動性があり、使用可能である。
不良:横転した瓶が10秒後も初期の位置から動かず、流動性がなく使用不可能であると評価。
<硬化性測定方法>
配合物を少量(10mg程度)、70℃、3時間の条件で硬化させ、硬化物の状態を指先による触感で確認した。また、同様の条件で硬化させた硬化物と硬化させる前の配合物を、示差走査熱量計DSC6220((株)日立ハイテクサイエンス製)を用い、昇温速度10℃/分、走査温度範囲25〜300℃の条件で測定し、それぞれの発熱量を測定した後、下記の式を用いて硬化発熱残量を算出した。

硬化発熱残量
=[{(配合物の発熱量)−(硬化物の発熱量)}/(配合物の発熱量)]×100(%)

上記した触感による確認と硬化発熱残量から、下記A〜C段階による評価を行った。
A:触感がタックフリーであり、硬化発熱残量が10%未満である。
B:触感がタックフリーであり、硬化発熱残量が10%以上である。
C:触感がタックあり、未硬化である。
評価「A」であるもののみを良好な結果であると判断した。
<混合粘度測定方法>
配合直後の配合物の粘度を、B型回転粘度計(東機産業(株)製)を用い、25℃で測定した。
<引張強度、破断点伸び測定方法>
配合物を、70℃で3時間硬化させた後、JIS K 7161−1に準拠した方法に従って試験片を作製し、引張強度及び破断点伸びを測定した。
<曲げ強度、曲げ弾性率>
配合物を、70℃で3時間硬化させた後、JIS K 7171に準拠した方法に従って試験片を作製し、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。
<実施例2〜4、比較例1〜5>
表1に示す通りに配合したこと以外は、実施例1と同様にして、それぞれの配合物を得た。得られた配合物を評価した結果を表1に示す。
*1 2MZ:2−メチルイミダゾール
*2 2E4MZ:2−エチル−4−メチルイミダゾール
表1の結果からわかるように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、ポットライフ、硬化性及び混合粘度のみならず、その硬化物の、引張強度、破断点伸び、曲げ強度、及び曲げ弾性率の全ての項目について良好であることが確認された。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、作業性に優れているのみならずポットライフと硬化性のバランスが良好であり、また、硬化物の伸びや曲げ強度が高く、従来のエポキシ樹脂硬化物特有の、硬くて脆いという欠点を解消した新材料であり、ガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維と組み合わせることにより、自動車、船舶、風車ブレード、屋根材、スポーツ用品等、様々な用途に応用できる、柔軟性と耐衝撃性に優れた繊維強化プラスチックを得ることができるので、本発明は産業上極めて有用である。

Claims (10)

  1. ウレタン変性エポキシ樹脂(B)を5〜30質量%含有するエポキシ樹脂(A)、芳香族アミン系硬化剤(C)及び触媒(D)を含有したエポキシ樹脂組成物であって、前記触媒(D)が、活性水素を有するイミダゾール化合物(d−1)とエポキシ化合物(d−2)を、溶媒の存在下に反応させてなる化合物であると共に、その含有量が前記エポキシ樹脂(A)100質量部に対して5〜30質量部であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. エポキシ樹脂(A)中の、ウレタン変性エポキシ樹脂(B)を除く成分が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、及び/又はビスフェノールF型エポキシ樹脂である、請求項1に記載されたエポキシ樹脂組成物。
  3. ウレタン変性エポキシ樹脂(B)が、少なくとも1つの水酸基を含有するエポキシ樹脂(b−1)とウレタンプレポリマー(b−2)を反応させてなる化合物である、請求項1又は2に記載されたエポキシ樹脂組成物。
  4. 少なくとも1つの水酸基を含有するエポキシ樹脂(b−1)が、芳香環を含有する化合物である、請求項3に記載されたエポキシ樹脂組成物。
  5. ウレタンプレポリマー(b−2)が、少なくとも2つの水酸基を含有するポリオールとポリイソシアネートを、前記ポリオールの水酸基1当量に対してポリイソシアネートのイソシアネート基当量が1.3〜3.0となるように反応させてなる化合物である、請求項3又は4に記載されたエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記少なくとも2つの水酸基を含有するポリオールが、プロピレングリコールのプロピレンオキサイド付加重合物、及び/又は、グリセリンのプロピレンオキサイド付加重合物である、請求項5に記載されたエポキシ樹脂組成物。
  7. 前記ポリイソシアネートが芳香族ジイソシアネートである、請求項5又は6に記載されたエポキシ樹脂組成物。
  8. 活性水素を有するイミダゾール化合物(d−1)が、窒素原子に活性水素を有するイミダゾール化合物である、請求項1〜7の何れかに記載されたエポキシ樹脂組成物。
  9. エポキシ化合物(d−2)がモノグリシジルエーテル化合物である、請求項1〜8の何れかに記載されたエポキシ樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載されたエポキシ樹脂組成物と強化繊維とからなる基材を、硬化させてなる事を特徴とする繊維強化プラスチック。
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