JP2003171611A - 高伸び率を有する塗膜を形成可能なエポキシ樹脂組成物、防食塗料組成物、その塗膜、その塗膜で被覆された基材、並びに基材の防食方法 - Google Patents

高伸び率を有する塗膜を形成可能なエポキシ樹脂組成物、防食塗料組成物、その塗膜、その塗膜で被覆された基材、並びに基材の防食方法

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JP2003171611A
JP2003171611A JP2001374711A JP2001374711A JP2003171611A JP 2003171611 A JP2003171611 A JP 2003171611A JP 2001374711 A JP2001374711 A JP 2001374711A JP 2001374711 A JP2001374711 A JP 2001374711A JP 2003171611 A JP2003171611 A JP 2003171611A
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Yukio Miyaji
地 幸 夫 宮
Nobuhisa Mimura
村 展 央 三
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 エポキシ樹脂(a1)、ウレタン変性エ
ポキシ樹脂(a2)および/または液状炭化水素樹脂
(a3)を含む主剤成分と、エポキシ樹脂用硬化剤(b
1)を含む硬化剤成分とを含有する第1のエポキシ樹脂
組成物。上記エポキシ樹脂(a1)または、エポキシ樹
脂(a1)と液状炭化水素樹脂(a3)とを含む主剤成
分と、高弾性付与性アミン系硬化剤(b1-1)を含む硬
化剤成分と、を含有する第2のエポキシ樹脂組成物。上
記エポキシ樹脂(a1)、ウレタン変性エポキシ樹脂
(a2)および/または液状炭化水素樹脂(a3)を含
む主剤成分と、上記高弾性付与性アミン系硬化剤(b1
-1)を含む硬化剤成分と、を含有する第3のエポキシ樹
脂組成物。 【効果】 高可撓性(高伸び率)を有する塗膜を安価に
形成可能なエポキシ樹脂組成物、塗料組成物、重防食塗
料組成物、その塗膜、その塗膜で被覆された基材が提供
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、高伸び率を有する塗膜を
形成可能なエポキシ樹脂組成物、防食塗料組成物、その
塗膜、その塗膜で被覆された基材、並びに基材の防食方
法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来、船舶および陸上・海洋鋼構
造物等の基材表面には、防食塗装が施されているが、形
成された防食塗膜は、経時的に硬化、乾燥が進行して可
撓性(伸び率)が低下し、その塗膜は脆くなり、物性が
低下して、やがて部分的な鋼材の応力歪みに追随し得な
くなって、塗膜にはクラックが生じやすくなる。
【0003】そして生じた塗膜のクラックから発錆して
鋼板などの基材は腐食し、船舶あるいは陸上・海洋構造
物への浸水、崩壊など、種々の問題が発生する。特に、
近年の造船業界では、タンカー損壊時の海洋汚染防止の
見地から船体を二重構造にするダブルハル化(double h
ull)が進行しつつあり、これに伴う船体重量の増加を
抑えるために、ハイテン鋼(high-tensile-strength st
eel、高張力鋼)が多用され、板厚の薄い鋼板が使用され
ている。
【0004】このような原油タンカー、プロダクトキャ
リヤー、ケミカルタンカー等のウオーターバラストタン
クなど、船舶や陸上、海洋の構造物では、ハイテン鋼の
応力歪みにより、鋼板の溶接接合部である溶接シーム部
(lap seam weld)、あるいは、鋼板等のT継手部の溶
接において溶接線の交差による熱的影響を避けるために
一方の鋼板に設ける扇型の切欠であるスカラップ部(sc
allop)などに塗膜のクラックが発生し、鋼板が腐食す
るケースがしばしば報告され、この対策が重要な課題と
なっている。
【0005】また、船舶の1種であるバラ積貨物船(バ
ルクキャリアー)、鉱石・石炭運搬船などでは、積荷の
上げ下ろしの際にブルドーザーなどの重機を用いること
がある。この際に、貨物倉(カーゴホールド)のタンク
トップ部鋼板に大きなダメージであるへこみや突出等の
変形が生じて、カーゴホールド下部のウォーターバラス
トタンクに塗装されている防食塗膜にクラックが生じ、
鋼板が腐食することがある。
【0006】本発明者らは、鋼板等にこのようなへこみ
や突出などが生じた場合に、その表裏面などに塗設され
ている塗膜が基材鋼板の変形にスムーズに追随して伸縮
あるいは屈曲して、該塗膜にクラック等が生じないよう
な、高可撓性(高伸び率)の防食塗膜を得るべく鋭意研
究を重ねたところ、驚くべきことに、(イ):エポキシ
樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂および/または液状炭
化水素樹脂を含む主剤成分と、エポキシ樹脂用硬化剤か
らなる硬化剤成分とを含有するエポキシ樹脂組成物から
なる塗膜(防食塗膜)、あるいは、(ロ):上記エポキ
シ樹脂を含む主剤と、高弾性付与性アミン系硬化剤を含
む硬化剤成分とを含有するエポキシ樹脂組成物からなる
塗膜(防食塗膜)、(ハ):エポキシ樹脂、ウレタン変
性エポキシ樹脂および/または液状炭化水素樹脂を含む
主剤成分と、高弾性付与性アミン系硬化剤を含む硬化剤
成分とを含有するエポキシ樹脂組成物からなる塗膜(防
食塗膜)などによれば、上記問題点を一挙に解決できる
ことなどを見出して、本発明を完成するに至った。
【0007】なお、:特開平9−263713号公報
には、タールを含まず、特にバラストタンク等の船舶内
部の塗装に有用な防食塗料として、(A)エポキシ樹
脂、(B)アミン系硬化剤、および(C)水酸基含有石
油樹脂からなり、この水酸基含有石油樹脂成分(C)を
硬化樹脂固形分100重量部に対して20〜500重量
部で含有する防食塗料組成物が開示されている。上記水
酸基含有石油樹脂(C)としては、水酸基を含有し、常
温で固体状の石油樹脂で、その軟化点が50〜150℃
のものが好ましいと記載されている。
【0008】また、該防食塗料組成物によれば、硬化樹
脂と石油樹脂との相溶性が良好で、安全衛生上問題がな
く、防食性、耐水性、付着性が良好で、明色の塗膜を形
成できる旨記載されている。しかしながら、該公報に
記載の防食塗料組成物からなる塗膜では、経時的に乾燥
が進むにつれて可撓性(伸び率)が低下して、物性も低
下するという問題点があった。
【0009】また、:特公昭59−2468号公報に
は、(i)エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して、ポ
リサルファイド樹脂のメルカプタン基を0.03〜0.
06当量の割合で付加させたポリサルファイド付加エポ
キシ樹脂と、(ii)硬化剤とよりなるエポキシ樹脂防食塗
料組成物が記載されている。該硬化剤(ii)としては、脂
肪族ポリアミン、複素環状ジアミン、アミンアダクト樹
脂、変性ポリアミン、変性ポリアミド樹脂、ポリイソシ
アネート、芳香族ポリアミンなどが挙げられている。
【0010】しかしながら、該エポキシ樹脂防食塗料組
成物からなる塗膜は、経時的に塗膜の可撓性(伸び率)
が低下してしまい不十分であり、また該塗料は製造コス
トも高いとの問題点があった。
【0011】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、高可撓性(高
伸び率)を有する塗膜を形成可能なエポキシ樹脂組成
物、防食塗料組成物、その塗膜、その塗膜で被覆された
基材、並びに基材の防食方法を提供することを目的とし
ている。
【0012】
【発明の概要】本発明に係る第1のエポキシ樹脂組成物
および防食塗料組成物(以下、まとめて第1の組成物と
も言う。)は、(A-i)エポキシ樹脂(a1)、ウレタ
ン変性エポキシ樹脂(a2)および/または液状炭化水
素樹脂(a3)を含む主剤成分と、(B-i)エポキシ樹
脂用硬化剤(b1)を含む硬化剤成分と、を含有するこ
とを特徴としている。
【0013】上記本発明においては、上記主剤成分(A
-i)が、エポキシ樹脂(a1)、ウレタン変性エポキシ
樹脂(a2)および液状炭化水素樹脂(a3)を含むこ
とが好ましく、さらに好ましくは、上記エポキシ樹脂
(a1)が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であり、
上記液状炭化水素樹脂(a3)が、液状フェノール変性
炭化水素樹脂であることが望ましい。
【0014】本発明の好ましい態様においては、上記主
剤成分(A-i)が、エポキシ樹脂(a1)、ウレタン変
性エポキシ樹脂(a2)および液状炭化水素樹脂(a
3)の固形分合計100重量部に対して、エポキシ樹脂
(a1)を10〜100重量部(全量)の量で含んでい
てもよいが、好ましくは10〜99.9重量部、さらに
好ましくは10〜98重量部、特に好ましくは40〜8
0重量部の量で、ウレタン変性エポキシ樹脂(a2)を
0〜50重量部でもよいが、好ましくは0.1〜50重
量部、さらに好ましくは2〜50重量部、特に好ましく
は5〜40重量部の量で、および液状炭化水素樹脂(a
3)を0〜70重量部、好ましくは5〜30重量部の量
で含むことが望ましい。
【0015】上記本発明においては、上記主剤成分(A
-i)100重量部に対して、硬化剤成分(B-i)が5〜
200重量部で含まれていることが好ましい。本発明に
係る第2のエポキシ樹脂組成物および防食塗料組成物
(以下、まとめて第2の組成物とも言う。)は、(A-i
i)エポキシ樹脂(a1)または、エポキシ樹脂(a
1)と液状炭化水素樹脂(a3)とを含む主剤と、(B
-ii)高弾性付与性アミン系硬化剤(b1-1)を含む硬
化剤成分と、を含有することを特徴としている。
【0016】このような第2の組成物では、上記高弾性
付与性アミン系硬化剤(b1-1)が、モノまたはポリア
ルキレングリコールのジアミノアルキルエーテルまたは
さらにそれをポリカルボン酸で変性したポリアミドアミ
ンであることが好ましい。本発明に係る上記第2の組成
物では、上記硬化剤成分(B-ii)が、さらに、上記高
弾性付与性アミン系硬化剤(b1-1)以外の汎用アミン
系硬化剤(b1-2)を含むことが好ましく、さらには、
上記高弾性付与性アミン系硬化剤(b1-1)が、モノま
たはポリアルキレングリコールのジアミノアルキルエー
テルまたはさらにそれをポリカルボン酸で変性したポリ
アミドアミンからなる群から選ばれた少なくとも1種の
高弾性付与性アミン系硬化剤であり、上記汎用アミン系
硬化剤(b1-2)が、ポリアミドアミン、マンニッヒ変
性脂肪族ポリアミン、フェノルカミンアダクトからなる
群から選ばれた少なくとも1種の汎用アミン系硬化剤で
あることが望ましい。
【0017】本発明に係る第2の組成物では、上記主剤
(A-ii)100重量部に対して、硬化剤成分(B-ii)
が5〜200重量部の量で含まれていることが好まし
い。本発明に係る第3のエポキシ樹脂組成物および防食
塗料組成物(以下、まとめて第3の組成物とも言う。)
は、(A-iii)エポキシ樹脂(a1)、ウレタン変性エ
ポキシ樹脂(a2)および/または液状炭化水素樹脂
(a3)を含む主剤成分と、(B-iii)高弾性付与性ア
ミン系硬化剤(b1-1)を含む硬化剤成分と、を含有す
ることを特徴としている。
【0018】本発明に係る第3の組成物では、上記主剤
成分(A-iii)が、エポキシ樹脂(a1)、ウレタン変
性エポキシ樹脂(a2)および液状炭化水素樹脂(a
3)を含むことが好ましく、さらには、上記エポキシ樹
脂(a1)が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であ
り、上記液状炭化水素樹脂(a3)が、液状フェノール
変性炭化水素樹脂であることが望ましい。
【0019】本発明に係る上記第3の組成物では、上記
主剤成分(A-iii)が、エポキシ樹脂(a1)、ウレタ
ン変性エポキシ樹脂(a2)および液状炭化水素樹脂
(a3)の固形分(非揮発性の塗膜形成要素、以下同
様)合計100重量部に対して、エポキシ樹脂(a1)
を10〜100重量部の量で含んでいてもよいが、好ま
しくは10〜99.9重量部、さらに好ましくは10〜
98重量部、特に好ましくは40〜80重量部の量で、
ウレタン変性エポキシ樹脂(a2)を0〜50重量部で
もよいが、好ましくは0.1〜50重量部、さらに好ま
しくは2〜50重量部、特に好ましくは5〜40重量部
の量で、および液状炭化水素樹脂(a3)を0〜70重
量部、好ましくは5〜30重量部の量で含むことが好ま
しい。
【0020】本発明に係る第3の組成物では、上記主剤
成分(A-iii)100重量部に対して、硬化剤成分(B
-iii)が5〜200重量部の量で含まれていることが好
ましい。本発明に係る塗膜は、上記のエポキシ樹脂組成
物からなる防食塗料組成物から形成されており、高伸び
率を有する塗膜である。
【0021】本発明に係る被覆基材は、上記の塗膜で基
材表面が被覆されていることを特徴としている。本発明
に係る基材の防食方法は、基材表面を、上記の塗膜で被
覆することを特徴としている。本発明によれば、高可撓
性(高伸び率)を有する塗膜を形成可能なエポキシ樹脂
組成物、防食塗料組成物、その塗膜、その塗膜で被覆さ
れた基材、並びに基材の防食方法が提供される。
【0022】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る高可撓性(高
伸び率)を有する塗膜を形成可能なエポキシ樹脂組成
物、防食塗料組成物、その塗膜、その塗膜で被覆された
基材、並びに基材の防食方法について具体的に説明す
る。<第1のエポキシ樹脂組成物および防食塗料組成物>
発明に係る第1のエポキシ樹脂組成物および防食塗料組
成物(これらをまとめて第1の組成物、第1の発明など
とも言う。)には、(A-i)エポキシ樹脂(a1)、ウ
レタン変性エポキシ樹脂(a2)および/または液状炭
化水素樹脂(a3)を含む主剤成分と、(B-i)エポキ
シ樹脂用硬化剤(b1)を含む硬化剤成分と、が含有さ
れている。なお、この主剤成分(A-i)や、硬化剤成分
(B-i)には、これら以外に、後述するような各種成分
が含まれていてもよい。
【0023】この第1の組成物は、安価で高可撓性を有
するという特徴を有している。 [主剤成分(A-i)]このような第1の本発明において
は、上記主剤成分(A-i)として、エポキシ樹脂(a
1)とウレタン変性エポキシ樹脂(a2)と液状炭化水
素樹脂(a3)を含んでいてもよく、エポキシ樹脂(a
1)とウレタン変性エポキシ樹脂(a2)とを含んでい
てもよく、エポキシ樹脂(a1)と液状炭化水素樹脂
(a3)を含んでいてもよい。
【0024】本発明の好ましい態様では、上記主剤成分
(A-i)が、エポキシ樹脂(a1)、ウレタン変性エポ
キシ樹脂(a2)および液状炭化水素樹脂(a3)を含
むことが好ましい。さらに好ましくは、上記エポキシ樹
脂(a1)が、下記ビスフェノールA型エポキシ樹脂で
あり、上記液状炭化水素樹脂(a3)が、後述する液状
フェノール変性炭化水素樹脂であることが望ましい。
【0025】以下、主剤成分(A-i)に含まれるエポキ
シ樹脂(a1)、さらにはウレタン変性エポキシ樹脂
(a2)、液状炭化水素樹脂(a3)について順次説明
する。<エポキシ樹脂(a1)> 上記主剤成分(A-i)に含ま
れるエポキシ樹脂(a1)としては、本願出願人が先に
提案した特開平11−343454号公報、 特開平1
0−259351号公報などに記載の非タール系エポキ
シ樹脂を用いることができる。
【0026】該エポキシ樹脂(a1)としては、分子内
に2個以上のエポキシ基を含むポリマーあるいはオリゴ
マー、およびそのエポキシ基の開環反応によって生成す
るポリマーあるいはオリゴマーが挙げられる。このよう
なエポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹
脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルア
ミン系エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ
樹脂、クレゾール型エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポ
キシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、
エポキシ化油系エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂などが
挙げられる。中でも、ビスフェノール型エポキシ樹脂が
好ましく、さらにはビスフェノールAタイプ、Fタイプ
のエポキシ樹脂が好ましく、特にビスフェノールAタイ
プのエポキシ樹脂が好ましく用いられる。ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂を用いると、密着力の優れた塗膜を形
成することができる。
【0027】このようなエポキシ樹脂としては、例え
ば、エピクロルヒドリン−ビスフェノールAエポキシ樹
脂(ビスフェノールAジグリシジルエーテルタイプ);
エピクロルヒドリン−ビスフェノールADエポキシ樹
脂;エピクロルヒドリンとビスフェノールF(4,4’
-メチレンビスフェノール)とが縮重合反応した構造の
エポキシノボラック樹脂;3,4-エポキシフェノキシ-
3’,4’-エポキシフェニルカルボキシメタン等が縮
重合反応した脂環式エポキシ樹脂;エピクロルヒドリン
−ビスフェノールAエポキシ樹脂中のベンゼン環に結合
している水素原子の少なくとも1部が臭素置換された構
造の臭素化エポキシ樹脂;エピクロルヒドリンと脂肪族
2価アルコールとが反応した構造の脂肪族エポキシ樹
脂;エピクロルヒドリンとトリ(ヒドロキシフェニル)
メタンとが縮重合反応した構造の多官能性エポキシ樹脂
などが挙げられる。
【0028】特に好ましく用いられる、ビスフェノール
Aタイプのエポキシ樹脂としては、上記例示も含めて、
たとえばビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビス
フェノールAポリプロピレンオキシドジグリシジルエー
テル、ビスフェノールAエチレンオキシドジグリシジル
エーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、水添ビスフェノールAプロピレンオキシドジグリシ
ジルエーテル等のビスフェノールA型ジグリシジルエー
テルなどの縮重合物が挙げられる。
【0029】本発明においては、このようなエポキシ樹
脂は、1種または2種以上組み合わせて用いることがで
きる。このように2種以上のエポキシ樹脂を組み合わせ
て用いる場合には、エポキシ樹脂の上記分子量、エポキ
シ当量は、何れもその平均値で示す。このようなエポキ
シ樹脂のうちでは、常温(15〜25℃の温度、以下同
様。)で液状〜固体のものが好ましく、また、そのエポ
キシ当量が150〜1000g/equiv、好ましくは15
0〜600g/equiv、特に好ましくは180〜500g/e
quivのものが望ましい。
【0030】このようなエポキシ樹脂の平均分子量等
は、得られる塗料の塗装硬化条件(例:常乾塗装あるい
は焼付け塗装等)などにも依り、一概に決定されない
が、その分子量が通常350〜20,000であり、粘
度が12000〜15000cPs/25℃であり、エ
ポキシ当量が上記範囲のものが用いられる。代表的な上
記エポキシ樹脂としては、常温で液状のものでは、「エ
ピコート(R)828,一般名:ビスフェノールAジグ
リシジルエーテル」(シェル(株)製、エポキシ当量1
80〜190、粘度12,000〜15,000cPs
/25℃)、「エポトート(R)YDF−170、一般
名:ビスフェノールFジグリシジルエーテル」(東都化
成(株)製、エポキシ当量160〜180、粘度2,0
00〜5,000cPs/25℃)、「フレップ(R)
60」(東レチオコール(株)製、エポキシ当量約28
0、粘度約17,000cPs/25℃)、「エピコー
ト(R)828X−90、一般名:ビスフェノールAジ
グリシジルエーテル・キシレン溶液」(828タイプエ
ポキシ樹脂、シェル(株)製、エポキシ当量約21
0)、「エピコート(R)834X−85、一般名:ビ
スフェノールA型エポキシ・キシレン溶液」(834タ
イプエポキシ樹脂、シェル(株)製、エポキシ当量約2
82)、「エピコート(R)1001X−75、一般
名:ビスフェノールA型エポキシ・キシレン溶液」(1
001タイプエポキシ樹脂、シェル(株)製、エポキシ
当量約633)、などを挙げることができ、常温で半固
型状のものでは、「エポトート(R)YD−134、一
般名:ビスフェノールA型エポキシ」(東都化成(株)
製、エポキシ当量230〜270)などを挙げることが
でき、常温で固型状のものでは、「エピコート(R)1
001、一般名:ビスフェノールA型エポキシ」(シェ
ル(株)製、エポキシ当量450〜500)などを挙げ
ることができる。本発明においては、これらエポキシ樹
脂を1種または2種以上含んでいてもよい。なお、上記
商品名の(R)は登録商標等を示す。
【0031】本発明においては、上記のエポキシ樹脂と
共に、例えば、エポキシ当量が上記範囲を超えるなど、
上記以外のエポキシ樹脂を本発明の目的に反しない程度
の少量で用いることができる。本発明においては、上記
エポキシ樹脂(a1)は、主剤成分(A-i)中に、通常
5〜80重量%、好ましくは5〜50重量%の量で含ま
れ、本発明の組成物中には通常5〜40重量%、好まし
くは10〜30重量%の量で含まれていることが望まし
い。
【0032】また、主剤成分(A-i)中のエポキシ樹脂
(a1)とウレタン変性エポキシ樹脂(a2)と液状炭
化水素樹脂(a3)の固形分合計100重量部中に、エ
ポキシ樹脂(a1)は、固形分として、10〜100重
量部、好ましくは40〜80重量部の量で含まれている
ことが好ましい。このような量でエポキシ樹脂(a1)
が含まれていると、得られるエポキシ樹脂組成物は、高
伸び率を有する組成物なり、また得られる塗膜は、高可
撓性を有し、耐クラック性が良好となる傾向がある。<ウレタン変性エポキシ樹脂(a2)> ウレタン変性エ
ポキシ樹脂(a2)は、分子内にエポキシ基とウレタン
結合とを有し、反応性を有し、しかも得られる塗膜に可
撓性を付与できる樹脂で、このようなウレタン変性エポ
キシ樹脂としては、従来より公知のものを広く使用で
き、例えば、特開平10−278172号公報、特開2
001−11365号公報、特開2000−11962
3号公報等に記載のものを使用することができる。
【0033】例えば、このウレタン変性エポキシ樹脂
(a2)は、例えば、特開平10−278172号公報
[0053]〜[0057]にも記載されているよう
に、ウレタン変性のベースとなる上記エポキシ樹脂(a
1)に、下記のイソシアネート化合物(すなわちイソシ
アネート基含有ウレタン反応物)を反応させることによ
り得ることができる。使用されるイソシアネート化合物
(イソシアネート基含有ウレタン反応物)は、1分子中
に少なくとも2個のイソシアネート基を有する脂肪族、
脂環族、または芳香族化合物、もしくは、それらの化合
物(これらをまとめてポリイソシアネートとも言う。)
を、多価アルコール(ポリオール)で部分反応せしめて
なり、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基が
残存する化合物が挙げられる。該ポリイソシアネートと
しては、m−またはp−フェニレンジイソシアネート、
2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートまた
はp−キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネー
ト等が挙げられ、また、上記多価アルコールとしては、
エチレングリコール、プロピレングリコール等の2価ア
ルコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール、ソルビトール、ジペンタエリスリ
トール等の多価アルコールが挙げられる。ウレタン変性
エポキシ樹脂の調製において、エポキシ樹脂と該イソシ
アネート基含有ウレタン反応物は、エポキシ樹脂100
重量部に対し、該イソシアネート基含有ウレタン反応物
10〜100重量部の割合で反応させるのが充分な加工
性を有し、しかも強靱な被膜が得られ、他の層(塗膜)
との密着性に優れ、得られる樹脂の高分子化が適度の範
囲となり、粘度も適度であり、皮膜形成時の塗装性も良
好となるなどのため好ましい。エポキシ樹脂と該イソシ
アネート基含有ウレタン反応物との反応は、無触媒でも
十分可能であるが、必要に応じて、公知の触媒、例え
ば、第3級アミン、有機化合物等を添加することもでき
る。
【0034】また本発明では、ウレタン変性エポキシ樹
脂(a2)としては、例えば、特開2001−1136
5号公報[0037]〜[0038]にも記載されてい
るように、例えば、ユニットの炭素原子数が1〜4個の
ポリアルキレンポリオール(一分子中の水酸基の数は1
〜4個)と上記ポリイソシアネートを反応させポリウレ
タンを得た後、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環
式エポキシ樹脂等の上記エポキシ樹脂(a1)とさらに
反応させることにより得られる。例えば、分子量800
のポリテトラメチレングリコールとトリレンジイソシア
ネートを1.5:1の当量比で反応させて得たポリウレ
タンとビスフェノールA型エポキシ樹脂とを反応させた
もの等が挙げられる。また、本発明では、ポリオキシプ
ロピレングリコール(PPG)により変性したウレタン
変性エポキシ樹脂を用いてもよく、具体的には大日本イ
ンキ化学工業社製の「エピタン(R)E195」、旭電
化工業社製の「アデカレジン(R)EPU78−11」
等が挙げられる。このウレタン変性エポキシ樹脂は、例
えば分子量300〜3000のポリオキシプロピレング
リコール(PPG)に過剰量の上記ポリイソシアネート
を反応させて末端に遊離のイソシアネート基を有するウ
レタンプレポリマーを得た後、これに1分子中に少なく
とも2個の水酸基を有するエポキシ樹脂を反応させるこ
とにより製造することができる。さらに本発明で使用で
きるウレタン変性エポキシ樹脂として、上市されている
ものでは、「アンカレツ(R)2364」/エアープロ
ダクツ社製、「EPU(R)−80」および「EPU
(R)−56」/旭電化工業(株)製などが好ましい。
【0035】本発明では、ウレタン変性エポキシ樹脂
(a2)のエポキシ当量は、100〜5000の範囲で
あることが好ましい。エポキシ当量がこのような範囲に
あると、樹脂の分子量が適度であり、十分な強靱性を有
する皮膜を形成することができ、加工性や後塗装密着性
が良好であり、また、強靱な皮膜が得られる傾向があ
る。本発明においては、このようなウレタン変性エポキ
シ樹脂(a2)は、1種または2種以上組み合わせて用
いることができる。このように2種以上のウレタン変性
エポキシ樹脂(a2)を組み合わせて用いる場合には、
ウレタン変性エポキシ樹脂(a2)の上記分子量、エポ
キシ当量は、何れもその平均値で示す。
【0036】このようなウレタン変性エポキシ樹脂(a
2)のうちでは、常温(15〜25℃の温度)で固形〜
液状のものが好ましく、また、そのエポキシ当量が20
0〜2000g/equiv、好ましくは400〜1500g/e
quivのものが望ましい。このようなウレタン変性エポキ
シ樹脂(a2)の粘度は2000〜50000cPs/
25℃であり、エポキシ当量が上記範囲のものが用いら
れる。
【0037】本発明においては、上記ウレタン変性エポ
キシ樹脂(a2)は、主剤成分(A-i)中に、通常2〜
50重量%、好ましくは2〜30重量%の量で含まれ、
本発明の組成物中には通常2〜20重量%、好ましくは
2〜10重量%の量で含まれていることが望ましい。ま
た、主剤成分(A-i)中のエポキシ樹脂(a1)とウレ
タン変性エポキシ樹脂(a2)と液状炭化水素樹脂(a
3)の固形分(非揮発性の塗膜形成要素)合計100重
量部中に、ウレタン変性エポキシ樹脂(a2)は固形分
として、好ましくは、0.1〜50重量部、さらに好ま
しくは2〜50重量部、特に好ましくは5〜40重量部
の量で含まれていることが望ましい。このような量でウ
レタン変性エポキシ樹脂(a2)が含まれていると、得
られるエポキシ樹脂組成物は、高伸び率を有する組成物
となり、また得られる塗膜は、高可撓性を有し、耐クラ
ック性が良好な塗膜となる傾向がある。<液状炭化水素樹脂(a3)> 液状炭化水素樹脂(液状
の石油樹脂)(a3)としては、従来より公知のものを
広く使用でき、ナフサを熱分解して得られる低沸点留分
であって、主成分は脂肪族炭化水素の共重合体である。
この液状炭化水素樹脂(a3)としては、例えば、特開
平8−127758号公報[0005]欄等に記載され
ているような、脂環式炭化水素構造単位及び鎖式炭化水
素構造単位からなる、飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素
樹脂を主成分とし、かつ液状のものを用いることができ
る。
【0038】この脂肪族炭化水素樹脂としては、1,3
−ペンタジエン、イソプレン、2−メチル−1−ブテ
ン、2−メチル−2−ブテン等の鎖式炭化水素、シクロ
ペンタジエン等の脂環式炭化水素などを含む主に石油の
C5留分を、フリーデルクラフツ触媒等の触媒を用いて
重合して得られるオリゴマーで、常温で液状の樹脂や、
これにさらに水素添加することにより得られる常温で液
状の樹脂が好ましい。これら液状の脂肪族炭化水素樹脂
としては、数平均分子量が100〜1,000、さらに
は150〜500のものが好ましい。また、得られる組
成物の粘度、タック、接着力等の点からは、水素添加さ
れていない不飽和脂肪族液状炭化水素樹脂を用いるのが
好ましい。これらの脂肪族液状炭化水素樹脂としては、
例えば「マルカクリア(R)V、L、H」(丸善石油化
学(株)製)等の市販品がある。また、本発明において
は、液状炭化水素樹脂(a3)として、スチレン、ビニ
ルトルエン、イソプロペニルトルエン、インデン等の芳
香族オレフィンを主に含むC9石油留分の重合物などの
芳香族系石油樹脂またはそのフェノール変性物などの変
性物、液状ポリブタジエン、エチレン系共重合樹脂(エ
チレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−エチルアク
リレート共重合樹脂等)またはその変性物、合成ゴム
(ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ネオプレンゴム
等)であって、何れも液状のものを単独で使用してもよ
く、または液状〜固形のものを、上記脂肪族液状炭化水
素樹脂などと併用することができる。また、本発明で
は、C5留分とC9留分を共重合させた共重合系石油樹
脂、上記C5留分中のジエン類(シクロペンタジエン、
1,3−ペンタジエンなど)が一部環化重合した脂肪族
系石油樹脂、芳香族系石油樹脂に水素添加した樹脂、ジ
シクロペンタジエンを重合させた脂環族系石油樹脂など
であって液状のものを単独で、または液状〜固形のもの
を、上記液状炭化水素樹脂と併用することができる。特
に、本発明では、液状炭化水素樹脂(液状石油樹脂)
(a3)としては、液状フェノール変性炭化水素樹脂が
好ましく用いられる。
【0039】フェノール変性炭化水素樹脂としては、例
えば、特開平9−268209号公報[0014]〜
[0015]、特開平7−196793号公報[001
2]等にも記載されているように、石油の分解油留分に
含まれるジオレフィン及びモノオレフィン類を、フェノ
ール類(フェノール化合物)と共重合させたものが挙げ
られる。さらに詳しくは、該フェノール変性炭化水素樹
脂は、分解油留分のうち、C5留分を原料にしたC5系
(脂肪族系)石油樹脂、C9留分を原料にしたC9系
(芳香族系)石油樹脂、C5・C9共重合石油樹脂、又
はC5留分に含まれるシクロペンタジエンを熱二量化し
て得られるジシクロペンタジエンを原料にしたジシクロ
ペンタジエン樹脂などに、フェノール類を付加させた石
油樹脂(炭化水素樹脂)である。本発明で好ましく用い
られるフェノール変性石油樹脂は、石油の分解油留分に
含まれるスチレン、ビニルトルエン、クマロン、インデ
ンなどを、フェノール類と付加重合させたものである。
【0040】これらのうちでは、特に、石油の分解油留
分に含まれるジオレフィン、モノオレフィンなどのC9
留分を、フェノール化合物の存在下でカチオン重合して
得られたフェノール変性C9系石油樹脂を使用するのが
低価格であり、また、作業性の点で好ましい。フェノー
ル変性炭化水素樹脂としては、水酸基価5〜60程度、
好ましくは20〜60のものが望ましい。水酸基価がこ
れより小さいと接着性等の改質効果が低下し、また水酸
基価がこれより大きくなると分子量が小さくなり作業性
が低下する傾向があり、上記範囲では、接着性、作業性
共に優れた組成物が得られる傾向がある。なお、フェノ
ール変性C9系石油樹脂の水酸基価を前記範囲に調製す
るには、C9留分100重量部に対し、通常、フェノー
ル化合物を5〜40重量部程度、好ましくは10〜30
重量部の量で用いればよい。フェノール類としては、フ
ェノール、クレゾール、キシレノールなどが使用され
る。フェノール類の含有量は、フェノール変性樹脂中に
5〜50重量%で、かつ分子当り平均1〜3個付加した
ものが好ましい。
【0041】このフェノール類の含有量が5重量%未満
では、硬化性が低下し、Tgも低く、靭性が低下する傾
向があり、また50重量%を越えると、塗膜の吸水率が
大きくなる傾向がある。このような液状炭化水素樹脂
(a3)の平均分子量等は、得られる塗料の塗装硬化条
件(例:常乾塗装あるいは焼付け塗装等)などにも依
り、一概に決定されないが、その分子量が通常200〜
1000であり、粘度が30〜10000(1万)cP
s/25℃のものが用いられる。
【0042】このような常温で液状の炭化水素樹脂とし
て、上市されているものとしては、「ネシレス(R)E
PX−L、ネシレス(R)EPX−L2」(以上、NE
VCIN社製/フェノール変性炭化水素樹脂)、「HI
LENOL(R)PL−1000S」(韓国KOLON
CHEMICAL社/C9系炭化水素樹脂)、キシレ
ン樹脂の「ニカノール(R)Y−51」(三菱ガス化学
(株)製/キシレン樹脂)などが挙げられる。本発明に
おいては、上記液状炭化水素樹脂(a3)は、主剤成分
(A-i)中に、通常0〜70重量%、好ましくは5〜4
0重量%の量で含まれ、本発明の組成物中には通常0〜
20重量%、好ましくは5〜20重量%、さらに好まし
くは5〜10重量%の量で含まれていることが望まし
い。
【0043】また、主剤成分(A-i)中のエポキシ樹脂
(a1)とウレタン変性エポキシ樹脂(a2)と液状炭
化水素樹脂(a3)の固形分(非揮発性の塗膜形成要
素)合計100重量部中に、液状炭化水素樹脂(a3)
は固形分として、0〜70重量部、好ましくは5〜30
重量部の量で含まれていることが望ましい。このような
量で液状炭化水素樹脂(a3)が含まれていると、得ら
れるエポキシ樹脂組成物は、高伸び率を有する組成物と
なり、また得られる塗膜は、高可撓性を有し、耐クラッ
ク性が良好となる傾向がある。<主剤成分に配合可能なその他の成分> 主剤成分(A-
i)には、上記主剤のエポキシ樹脂(a1)、ウレタン
変性エポキシ樹脂(a2)、液状炭化水素樹脂(a3)
などの他に、通常、塗料等に配合可能な各種成分が含ま
れていてもよい。例えば、非反応性の可撓性付与樹脂、
反応性希釈剤、顔料成分(例:体質顔料、着色顔料、防
錆顔料)、付着強化剤(例:シランカップリング剤)、
上記以外の熱可塑性樹脂、可塑剤、無機脱水剤(安定
剤)、溶剤、タレ止め・沈降防止剤、防汚剤、その他の
塗膜形成成分などが配合されていてもよい。 (イ)非反応性の可撓性付与樹脂 本発明においては、主剤成分(A-i)に、さらに、非反
応性の可撓性付与樹脂として、上記以外の石油樹脂であ
る常温固形の石油樹脂、キシレン樹脂、クロマンインデ
ン樹脂、インデンスチレン樹脂などを本発明の目的に反
しない範囲で配合して用いてもよい。これらの非反応性
の可撓性付与樹脂は、主剤成分(A-i)中に0〜50重
量%、好ましくは5〜20重量%となるような量でブレ
ンドして用いてもよい。また、主剤成分(A-i)には、
経済性及び防食性などの観点からタールを添加してもよ
く、その場合、このタールは、主剤成分(A-i)中に通
常、0〜50重量%、好ましくは5〜40重量%となる
ような量でブレンドして用いてもよい。
【0044】上記非反応性可撓性付与樹脂として上市さ
れているものとしては、常温固形の石油系樹脂である、
「ネオポリマ(R)ーE−100」、「ネオポリマー
(R)K−2」、「ネオポリマー(R)K3」(以上
は、日本石油化学(株)製/C9系炭化水素樹脂)、
「HILENOL(R) PL−400」(韓国KOL
ONCHEMICAL社/C9系炭化水素樹脂)などが
挙げられる。これらの樹脂は、他の樹脂との相溶性が良
い。本発明では、可撓性(高伸び率)をより考慮すれ
ば、固形より液状の石油樹脂を添加するとその効果が大
きいが、防食性、塗膜表面状態などを考慮して、数種の
石油系樹脂を混合して使用してもよい。 (ロ)反応性希釈剤 反応性希釈剤は、低温での硬化促進作用の向上にも寄与
でき、このような反応性希釈剤としては、具体的には、
例えば、フェニルグリシジルエーテル、アルキルグリシ
ジルエーテル(アルキル基の炭素数1〜10、好ましく
は1〜5、例:ブチルグリシジルエーテル)、バーサテ
ィック酸(Versatic acid)グリシジルエステル[R12
3C−COO−Gly、R1+R2+R3=C8〜C10
のアルキル基、Gly:グリシジル基]、α-オレフィン
エポキサイド(CH3-(CH2n-Gly、n=11〜
13、Gly:グリシジル基)、1,6−ヘキサンジオ
ールジグリシジルエーテル(Gly-O-(CH26-O-
Gly、Gly:同上)、ネオペンチルグリコールジグ
リシジルエーテル(Gly-O-CH2-C(CH32-C
2-O-Gly、Gly:同上)、トリメチロールプロ
パントリグリシジルエーテル(CH3-CH2-C(CH2-
O-Gly)3、Gly:同上)、アルキルフェノールグ
リシジルエーテル[アルキル基の炭素数1〜10、好ま
しくは1〜5、例:メチルフェノールグリシジルエーテ
ル、エチルフェノールグリシジルエーテル、プロピルフ
ェノールグリシジルエーテル]等が挙げられる。これら
の反応性希釈剤のうちでは、エポキシ基を含有するもの
が好ましく、さらには、上記アルキルフェノールグリシ
ジルエーテルが低粘度であり、希釈効果を発揮でき、塗
料のハイソリッド化(すなわち、塗料中の固形分濃度が
高く、低溶剤含量となり、少ない塗装回数で塗膜の厚膜
化を図ることができること)を図ることができ、低公害
化を図ることができるため好ましい。これら反応性希釈
剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることがで
きる。
【0045】このような反応性希釈剤としては、「NC
−513」(アルキレイティッドフェノールグリシジル
エーテル、カードライト社製)が、特に低粘度であり、
希釈効果があり、塗料等のハイソリッド化に寄与できる
ため好ましい。このような反応性希釈剤は、主剤成分
(A-i)中に、通常、0.1〜8重量%の量で含有さ
れ、また本発明の組成物中には、0.1〜10重量%の
量で含まれていることが望ましい。 (ハ)顔料成分 顔料成分としては、体質顔料、着色顔料、防錆顔料等が
挙げられ、有機系、無機系の何れでもよく、有機系顔料
としては、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、
紺青等があげられる。無機系顔料としては、例えば、チ
タン白、ベンガラ、黄色ベンガラ、バライト粉、シリ
カ、タンカル、タルク、白亜、酸化鉄粉、マイカ、硫酸
バリウム等のように中性で非反応性のもの;亜鉛華(Z
nO、酸化亜鉛)、鉛白、鉛丹、亜鉛末、亜酸化鉛粉等
のように塩基性で塗料中の酸性物質と反応性のもの(活
性顔料)等があげられる。上記マイカのうちで、そのア
スペクト比が30〜90の高アスペクト比マイカが塗膜
の耐膨れ性の向上、クリープ性の減少の観点から好まし
く、このような高アスペクト比マイカとしては、「スゾ
ライトマイカ(R)200HK」(クラレ(株)製、ア
スペクト比:40〜60)等が用いられる。
【0046】なお、染料等の各種着色剤も含まれていて
もよい。特に顔料成分の1種である高アスペクト比マイ
カは、主剤成分(A-i)100重量部中に、通常5〜1
0重量部の量で用いられると、耐水防食性、耐屈曲性な
どが向上した塗膜が得られる傾向があるため望ましい。
【0047】またこのマイカを含めた上記各種顔料の配
合量は、その用途によっても異なり一概に決定されない
が、通常、合計で、主剤成分(A-i)中に、10〜75
重量%の量で含まれることが多い。また、主剤成分(A
-i)中の固形分100重量部中に、15〜75重量部程
度の量で含有され、また本発明の組成物中には、10〜
70重量%の量で含有されることが多い。また、乾燥塗
膜中の顔料容量%(PVC)は、例えば、20〜50
%、さらには30〜40%となるように調整することが
望ましい。 (ニ)付着強化剤 付着強化剤としては、シランカップリング剤などが挙げ
られる。
【0048】これら付着強化剤のうちで、シランカップ
リング剤は、通常、同一分子内に2種の官能基を有し、
無機質基材に対する接着力向上に寄与でき、例えば、
式:X−Si(OR)3[X:有機質と反応性の官能基
(例:アミノ基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト
基、ハロゲン基、またはこれらの基を含有する炭化水素
基等の基を示し、この炭化水素基にはエーテル結合等が
存在していてもよい。)またはアルキル基を示し、RO
は、加水分解性基(例:メトキシ基、エトキシ基)を示
す。]で表される。このようなシランカップリング剤と
しては、具体的には、例えば、「KBM(R)403」
(γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越
化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0049】このような付着強化剤を配合する場合に
は、該付着強化剤は、主剤成分(A-i)中に、0.01
〜1.0重量%の量で含有され、また、本発明の組成物
中には、必要により、0.01〜2.0重量%、好まし
くは0.1〜1.0重量%の量で含有されていることが
望ましい。このような量で付着強化剤を主剤成分(A-
i)等の中に含む塗料を用いると、付着性、耐膨れ性、
耐クリープ性などに優れた塗膜が得られる傾向がある。 (ホ)熱可塑性樹脂 熱可塑性樹脂としては、具体的には、例えば、塩化ゴ
ム、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩
素化ポリオレフィン;(メタ)アクリル酸メチル系共重
合体、(メタ)アクリル酸エチル系共重合体、(メタ)
アクリル酸プロピル系共重合体、(メタ)アクリル酸ブ
チル系共重合体、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル系
共重合体等のアクリル系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体、
塩化ビニル−イソブチルビニルエーテル共重合体、塩化
ビニル−イソプロピルビニルエーテル共重合体、塩化ビ
ニル−エチルビニルエーテル共重合体等の塩化ビニル系
樹脂(塩ビ共重合体);スチレン系樹脂;尿素アルデヒ
ド縮合系樹脂;ケトン系樹脂等を挙げることができる。
このような熱可塑性樹脂は、主剤成分(A-i)中に、0
〜40重量%の量で含有されていてもよく、また、本発
明の組成物中には、0〜35重量%の量で含有されてい
てもよい。 (ヘ)タレ止め・沈降防止剤(搖変剤) タレ止め・沈降防止剤としては、有機粘度系Al、C
a、Znのステアレート塩、レシチン塩、アルキルスル
ホン酸塩などの塩類、ポリエチレンワックス、アマイド
ワックス、水添ヒマシ油ワックス系、ポリアマイドワッ
クス系および両者の混合物、合成微粉シリカ、酸化ポリ
エチレン系ワックス等があげられ、好ましくは、ポリア
マイドワックス、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系
ワックス、有機粘度系が用いられる。このようなタレ止
め・沈降防止剤としては、楠本化成(株)製の「ディス
パロン(R)305」、「ディスパロン(R)4200-20」等
の他、「ディスパロン(R)A630-20X」、伊藤精油
(株)製の「ASAT(R)−250F」等の商品名で
上市されているものが挙げられる。
【0050】タレ止め・沈降防止剤は、この主剤成分
(A-i)中に、例えば、0.1〜10重量%の量で含有
されていてもよく、また本発明の組成物中には、例え
ば、0.1〜10重量%の量で含有されていてもよい。 (ト)溶剤 溶剤としては、ケトン類[(例:メチルイソブチルケト
ン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)]、ア
ルコール類(例:ブタノール、メトキシプロパノール、
イソプロピルアルコール(IPA))、芳香族炭化水素
類(例:キシレン、トルエン)、エチレンジクロライ
ド、アクリロニトリル、エーテル類(例:メチルターシ
ャリブチルエーテル(MTBE)、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル(PGM))、エステル累(例:
酢酸ブチル)等が挙げられる。これら溶剤は、1種また
は2種以上組み合わせて用いられる。
【0051】上記溶剤の配合量には特に制限はないが、
塗工性などを考慮すると、通常、主剤成分(A-i)中
に、通常2〜40重量%、好ましくは5〜30重量%の
量で含まれ、また本発明の組成物中には合計で約5〜5
0重量%の量で含まれていることが望ましい。本発明に
おいては、、上記各種配合成分のうちで、シランカップ
リング剤に代表される付着強化剤、熱可塑性樹脂、顔料
などは、上記のように主剤成分(A-i)に含有されてい
てもよく、また、下記硬化剤成分(B-i)に含有されて
いてもよく、あるいは主剤成分(A-i)と硬化剤成分
(B-i)の両者に含有されていてもよい。 [硬化剤成分(B-i)]本発明に係る第1の組成物に、
上記主剤成分(A-i)と共に用いられる硬化剤成分(B
-i)としては、エポキシ樹脂用硬化剤(b1)が挙げら
れる。
【0052】このエポキシ樹脂用硬化剤(b1)として
は、フェノール樹脂系硬化剤、ポリアミン系硬化剤、ポ
リカルボン酸系硬化剤等、従来よりエポキシ樹脂用に用
いられているものを特に制限なく使用できる。具体的に
は、上記フェノール樹脂系硬化剤としては、フェノール
ノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂、ポリ
p−ビニルフェノール等があげられる。
【0053】ポリアミン系硬化剤としては、脂肪族系、
脂環族系、芳香族系、複素環系などの何れでもよい。脂
肪族系ポリアミン化合物としては、例えば、アルキレン
ポリアミン、ポリアルキレンポリアミン、その他の脂肪
族系ポリアミン類などが挙げられ、より具体的には、上
記アルキレンポリアミンとしては、例えば、式:H2
−R1−NH2(R1:炭素数1〜10の炭化水素基側鎖
を1個または複数個有していてもよい主鎖炭素数1〜1
2の二価炭化水素基)で表され、例えば、メチレンジア
ミン、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、
1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、
1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサ
ン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオク
タン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデ
カン等が用いられる。上記ポリアルキレンポリアミンと
しては、例えば、式:H2N−(Cm2mNH)n
(m:1〜10の整数、n:2〜10、好ましくは2〜
6の整数)で表され、より具体的には、例えば、ジエチ
レントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、トリプロピレンテトラミン、テトラエチ
レンペンタミン、テトラプロピレンペンタミン、ペンタ
エチレンヘキサミン、ノナエチレンデカミン、トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。その他の脂
肪族系ポリアミン類としては、特公昭49−48480
号公報第24欄などに記載されているような、テトラ
(アミノメチル)メタン、テトラキス(2−アミノエチ
ルアミノメチル)メタン、1,3−ビス(2’−アミノ
エチルアミノ)プロパン、トリエチレン−ビス(トリメ
チレン)ヘキサミン、ビス(3−アミノエチル)アミ
ン、ビスヘキサメチレントリアミン[H2N(CH2n
H(CH2nNH2、n=6]、等が挙げられる。脂環族
系のポリアミン類としては、より具体的には、1,4−
シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビスシク
ロヘキシルアミン、4,4’−イソプロピリデンビスシ
クロヘキシルアミン、ノルボルナジアミン、ビス(アミ
ノメチル)シクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシル
メタン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン(MD
A)等が挙げられる。芳香族系のポリアミン類として
は、ビス(アミノアルキル)ベンゼン、ビス(アミノア
ルキル)ナフタレン、ベンゼン環に結合した2個以上の
1級アミノ基を有する芳香族ポリアミン化合物、その他
の芳香族系ポリアミン類などが挙げられる。
【0054】この芳香族系ポリアミン類として、より具
体的には、例えば、ビス(シアノエチル)ジエチレント
リアミン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジ
アミン(MXDA)、p−キシリレンジアミン、フェニ
レンジアミン、ナフチレンジアミン、ジアミノジフェニ
ルメタン、ジアミノジエチルフェニルメタン、2,2−
ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジア
ミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフ
ェノン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,
4’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2’−ジメチ
ル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−
ジアミノヒ゛フェニル、2,3’−ジメチル−4,4’−
ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4、4’
−ジアミノビフェニル、ビス(アミノメチル)ナフタレ
ン、ビス(アミノエチル)ナフタレン等が挙げられる。
複素環系のポリアミン類としては、より具体的には、N
−メチルピペラジン[CH3-N(CH2CH22
H]、モルホリン[HN(CH2CH22O]、1,4
−ビス−(8-アミノプロピル)-ピペラジン、ピペラジ
ン−1,4−ジアザシクロヘプタン、1−(2’−アミ
ノエチルピペラジン)、1−[2’−(2”−アミノエ
チルアミノ)エチル]ピペラジン、1,11−ジアザシ
クロエイコサン、1,15−ジアザシクロオクタコサン
等が挙げられる。その他、本発明で使用可能なアミン化
合物としては、例えば、特公昭49−48480号公報
第12頁24欄第43行〜第14頁第28欄第25行に
記載の芳香族系のアミン類(アミン化合物)を使用する
こともできる。
【0055】その他、ジエチルアミノプロピルアミン、
ポリエーテルジアミン等が挙げられる。さらには、これ
らのポリアミン類の変性物、例えば、ポリアミド、ポリ
アミドアミン(ポリアミド樹脂)、エポキシ化合物との
アミンアダクト、マンニッヒ化合物(例:マンニッヒ変
性ポリアミドアミン)、ミカエル付加物、ケチミン、ア
ルジミンなどが挙げられる。
【0056】ポリカルボン酸系硬化剤としては、無水フ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ
無水フタル酸、ヘキサクロルエンドメチレンテトラヒド
ロ無水フタル酸、メチル−3,6−エンドメチレンテト
ラヒドロ無水フタル酸等があげられる。これらの硬化剤
成分(B-i)は、1種または2種以上組み合わせて用い
られる。
【0057】上記ポリアミン系硬化剤として上市されて
いるものとしては、例えば、脂肪族ポリアミンの「AC
Iハードナー(R)K−39」/PTIジャパン社=I
BPTRジャパン社製)、ポリアミドアミンの「PA−
66、PA−29」/大竹明新化学(株)製)、マンニ
ッヒ変性ポリアミドアミンの「アデカハードナー(R)
EH−342W3」/旭電化工業(株)製)、マンニッ
ヒ変性脂肪族ポリアミンの「サンマイド(R)CX−1
154」/三和化学(株)製)、フェノルカミンアダク
トの「カードライト(R)NC556X80」/カード
ライト社)、等が挙げられる。これら硬化剤成分はN.
V.50〜100%に調製され、その時のE型粘度計で
測定した粘度は100〜100000cPs(好ましく
は500〜10000cPs)の範囲にあると、取扱い
性、塗工性に優れるため好ましい。
【0058】このような第1の発明においては、この硬
化剤成分(B-i)と前記主剤成分(A-i)とは、その当
量比(アミン当量/エポキシ当量)が、0.3〜1.
5、好ましくは0.5〜1.0となるような量で用いる
ことが望ましい。また、上記第1の本発明においては、
前記主剤成分(A-i)100重量部に対して、上記硬化
剤成分(B-i)が5〜200重量部、好ましくは10〜
40重量部の量で含まれていることが好ましい。
【0059】このような量で主剤(A-i)に対して、硬
化剤成分(B-i)が含まれていると、得られる組成物は
高伸び率を有する組成物となり、硬化塗膜は高可撓性を
有し、耐クラック性が良好な塗膜となる傾向がある。<硬化剤成分に添加可能なその他の成分 >なお、本発明
においては、この硬化剤成分(B-i)には、任意成分と
して、例えば、硬化速度の調整、特に促進に寄与できる
硬化促進剤が含有されていてもよい。また、この硬化剤
成分(B-i)には、上記各種配合成分のうちで、主剤成
分(A-i)にも配合可能な成分例えば、シランカップリ
ング剤に代表される付着強化剤、熱可塑性樹脂、顔料、
溶剤などが含有されていてもよい。硬化促進剤として
は、例えば、3級アミン類が挙げられる。具体的には、
例えば、トリエタノールアミン(N(C25
H)3)、ジアルキルアミノエタノール{[CH3(C
2n]2NCH2OH、n:繰返し数}、トリエチレン
ジアミン[1,4−ジアザシクロ(2,2,2)オクタ
ン]、2,4,6−トリ(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール[C65−CH2N(CH32、商品名「バーサミ
ン(R)EH30」、ヘンケル白水(株)製]、商品名
「アンカミン(R)K−54」(エアープロダクツ社
製)等が挙げられる。これら硬化促進剤は、本発明の組
成物中に、必要により、0.1〜2.0重量%の量で配
合される。本発明で用いられる硬化剤成分(B-i)に
も、上記主剤成分(A-i)の場合と同様な溶剤が、通常
含まれていることが多い。
【0060】上記溶剤の配合量には、特に制限はない
が、塗工性などを考慮すると、通常、硬化剤成分(B-
i)中に、通常1〜30重量%、好ましくは5〜20重
量%の量で含まれ、また本発明の組成物中には合計で、
上述したように、約5〜50重量%の量で含まれている
ことが望ましい。本発明の組成物すなわち、硬化性エポ
キシ樹脂組成物、塗料組成物、重防食塗料組成物等の組
成物を得るには、上記主剤成分(A-i)を、通常60〜
90重量%の量で、硬化剤成分(B-i)を、残部量すな
わち、10〜40重量%((A-i)+(B-i)=100
重量%)の量で、例えば、15〜40℃の温度下に配合
し攪拌・混合等すればよい。<第2のエポキシ樹脂組成物および防食塗料組成物>
発明に係る第2のエポキシ樹脂組成物および防食塗料組
成物(これらをまとめて第2の組成物、第2の発明など
とも言う。)には、(A-ii)上記エポキシ樹脂(a
1)を含む主剤成分と、(B-ii)高弾性付与性アミン
系硬化剤(b1-1)を含む硬化剤成分と、が含有されて
いる。この第2の組成物は、前記第1の組成物あるいは
後記第3の組成物に比して、安価で適度な可撓性を有す
るという特徴を有している。
【0061】この第2の組成物では、上記第1の組成物
において、主剤成分として、第1の組成物における主剤
成分のうちの1つであるエポキシ樹脂(a1)を必須成
分として用い、また硬化剤成分として、上記第1の組成
物における硬化剤に変えて、あるいは上記第1の組成物
における硬化剤と共に、下記の高弾性付与性アミン系硬
化剤(b1-1)を用いる点以外は、第1の組成物と同様
である。従って、例えば、主剤成分(A-ii)として
は、前記第1の組成物における主剤成分中のエポキシ樹
脂(a1)と同様のもの、すなわち、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。また主剤成分
(A-ii)と硬化剤成分(B-ii)との配合比なども前記
第1の組成物の場合と同様であり、添加・配合可能なそ
の他の成分、量、調製法などについても前記第1の組成
物の場合と同様である。以下、この第2の組成物の特徴
あるいは上記第1の組成物との相違点について説明す
る。
【0062】この第2の組成物では、高弾性付与性アミ
ン系硬化剤(b1-1)としては、モノまたはポリアルキ
レングリコールのジアミノアルキルエーテル(アルキレ
ングリコール数は2〜10、好ましくは2〜5,アルキ
レン基はC1〜C10、好ましくはC1〜C5,アルキ
ル基はC1〜C10、好ましくはC1〜C5)またはさ
らにそれをポリカルボン酸で変性したポリアミドアミン
などが挙げられる。これらの高弾性付与性アミン系硬化
剤(b1-1)のうちでは、上記モノまたはポリアルキレ
ングリコールのジアミノアルキルエーテルまたはさらに
それをポリカルボン酸で変性したポリアミドアミンが好
ましく用いられる。
【0063】このようなモノまたはポリアルキレングリ
コールのジアミノアルキルエーテルまたはさらにそれを
ポリカルボン酸で変性したポリアミドアミンとしては、
例えば、ジエチレングリコールジアミノプロピルエーテ
ル(「アンカミン(R)1922」/エアープロダクツ
社)、ジエチレングリコールジアミノプロピルエーテル
をダイマー酸で変性したポリアミドアミン(「アンカマ
イド(R)910」/エアープロダクツ社)等が挙げら
れる。本発明に係る第2の組成物では、上記硬化剤成分
(B-ii)には、上記高弾性付与性アミン系硬化剤(b
1-1)に加えて、さらに、上記高弾性付与性アミン系硬
化剤(b1-1)以外の汎用のアミン系硬化剤(b1-2)
すなわち上記第1の発明におけるアミン系硬化剤(B-
i)を含むことが好ましい。
【0064】本発明のさらに好ましい態様では、上記高
弾性付与性アミン系硬化剤(b1-1)として、モノまた
はポリアルキレングリコールのジアミノアルキルエーテ
ルまたはさらにそれをポリカルボン酸で変性したポリア
ミドアミンからなる群から選ばれた少なくとも1種の高
弾性付与性アミン系硬化剤を用い、上記汎用アミン系硬
化剤(b1-2)、すなわち、前記第1の発明におけるエ
ポキシ樹脂用硬化剤(b1)としては、ポリアミドアミ
ン、マンニッヒ変性脂肪族ポリアミン、フェノルカミン
アダクトからなる群から選ばれた少なくとも1種の汎用
アミン系硬化剤を用いることが望ましい。このように硬
化剤成分(B-ii)として、高弾性付与性アミン系硬化
剤(b1-1)と、それ以外の汎用のアミン系硬化剤(b
1-2)(すなわち硬化剤(B-i))とを組み合わせて用
いる場合には、高弾性付与性アミン系硬化剤(b1-1)
を1重量部に対して、それ以外の汎用のアミン系硬化剤
(b1-2)は、0.1〜10重量部の量で用いることが
好ましい。このような量比で、高弾性付与性アミン系硬
化剤(b1-1)と、それ以外の汎用のアミン系硬化剤
(b1-2)とを併用すると、(得られる塗膜は防食性に
優れ、適度の可撓性(塗膜の伸び率)と耐屈曲性とを有
し、しかも経済的に低コストなどとなる傾向がある。本
発明において、上記硬化剤成分(B-ii)を調製するに
は、成分(b1-1)と成分(b1-2)とを、成分(b1-1)1
00重量部に対して、成分(b1-2)を、通常5〜200
重量部、好ましくは20〜100重量部の量で、15〜
40℃の温度下に攪拌・混合等すればよい。
【0065】また、この第2の組成物におても、前記第
1の組成物における主剤成分と硬化剤成分の配合比と同
様に、上記主剤成分(A-ii)100重量部に対して、
硬化剤成分(B-ii)が5〜200重量部の量で含まれ
ていることが好ましい。<第3のエポキシ樹脂組成物および防食塗料組成物>
発明に係る第3のエポキシ樹脂組成物および防食塗料組
成物(以下、まとめて第3の組成物、第3の発明などと
も言う。)には、(A-iii)上記エポキシ樹脂(a
1)、ウレタン変性エポキシ樹脂(a2)および/また
は液状炭化水素樹脂(a3)を含む主剤成分と、(B-i
ii)上記高弾性付与性アミン系硬化剤(b1-1)を含む
硬化剤成分と、が含有されている。この第3の組成物
は、前記第1の組成物あるいは第2の組成物に比して、
特に、高伸び率を有し、耐クラック性が優れるという特
徴を有している。
【0066】この第3の組成物では、前記第1の組成物
において、硬化剤成分(B-iii)として、上記第2の組
成物における硬化剤と同様の高弾性付与性アミン系硬化
剤(b1-1)を用いる点以外は、第1の組成物と同様で
ある。従って、例えば、主剤成分(A-iii)としては、
前記第1の組成物における主剤成分(A-i)と同様のも
のが用いられ、また主剤成分(A-iii)と硬化剤成分
(B-iii)との配合比なども前記第1の組成物の場合と
同様であり、添加・配合可能なその他の成分、調製法な
どについても前記第1の組成物の場合と同様である。以
下、この第3の組成物の特徴あるいは上記第1あるいは
第2の組成物との相違点について説明する。
【0067】本発明に係る第3の組成物においても、前
記第1の組成物の場合と同様に、上記主剤成分(A-ii
i)が、エポキシ樹脂(a1)、ウレタン変性エポキシ
樹脂(a2)および液状炭化水素樹脂(a3)を含むこ
とが好ましく、さらには、上記エポキシ樹脂(a1)
が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であり、上記液状
炭化水素樹脂(a3)が、液状フェノール変性炭化水素
樹脂であることが望ましい。本発明に係る第3の組成物
では、前記第1の組成物における主剤成分と同様に、上
記主剤成分(A-iii)が、エポキシ樹脂(a1)、ウレ
タン変性エポキシ樹脂(a2)および液状炭化水素樹脂
(a3)の固形分合計100重量部に対して、エポキシ
樹脂(a1)を10〜100重量部、好ましくは40〜
80重量部の量で、ウレタン変性エポキシ樹脂(a2)
を2〜50重量部、好ましくは5〜30重量部の量で、
および液状炭化水素樹脂(a3)を0〜70重量部、好
ましくは5〜20重量部の量で含むことが好ましい。ま
た、この第3の組成物におても、前記第1の組成物にお
ける主剤成分と硬化剤成分の配合比と同様に、上記主剤
成分(A-iii)100重量部に対して、硬化剤成分(B
-iii)が5〜200重量部の量で含まれていることが好
ましい。
【0068】<組成物の調製、塗膜、被覆基材、防食方
法など>上記のような本発明の組成物すなわち、硬化性
エポキシ樹脂組成物、塗料組成物、防食塗料組成物等の
組成物を得るには、上記主剤成分(A-i)、(A-ii)
あるいは(A-iii)100重量部に対して、硬化剤成分
(B-i)、(B-ii)あるいは(B-iii)を、通常、5
〜200重量部、好ましくは10〜40重量部の量で、
例えば、15〜40℃の温度下に配合し攪拌・混合等す
ればよい。なお、上記各発明の主剤成分(A-i)、(A
-ii)あるいは(A-iii)を総称して主剤成分(A)等
とも言くことがあり、また各発明の硬化剤成分(B-
i)、(B-ii)あるいは(B-iii)を総称して硬化剤成
分(B)等とも言うことがある。
【0069】このような本発明に係る組成物によれば、
サンドブラス基材鋼板、無機系・有機系ジンクショップ
プライマー処理鋼板などとの付着性、破断伸び率、破断
値、初期物性(付着性、屈曲性、耐衝撃性および鉛筆硬
度)、防食性試験(温度差試験、塩水浸漬、電気防食、
ソルトスプレー、高温高湿の各試験)の各特性がバラン
ス良く優れた塗膜を形成可能である。すなわち、本発明
に係る塗膜は、上記のエポキシ樹脂組成物からなる防食
塗料組成物から形成されており、高可撓性、高伸び率を
有し、基板等の応力歪みに良好に追随できる。
【0070】また、本発明に係る被覆基材は、上記のよ
うに、本発明の塗膜で基材表面が被覆されている。従っ
て、該被覆基材では、鋼板等の基材の応力歪みに追随し
て塗膜が変形でき、塗膜にクラックが発生し難く、塗膜
は、高可撓性、高伸び率を有し、該被覆基材は、防食性
に優れている。
【0071】本発明に係る基材の防食方法は、基材表面
を、上記の塗膜で被覆することを特徴としている。本発
明の防食方法などによれば、高可撓性(高伸び率)を有
し、基板等の応力歪みに追随できる塗膜を基材表面に低
コストで、環境への安全性に優れた塗膜を形成可能であ
る。
【0072】さらに付言すれば、本発明の組成物は、上
記したような優れた性能の塗膜を基材表面に形成できる
ため、陸上金属製タンクの内外表面、コンクリート製地
下排水槽、陸上、地中、あるいは海中パイプラインなど
の上塗り塗装としても使用できるが、船舶、漁業資材
(例:ロープ、漁網、浮き子、ブイ)、火力・原子力発
電所の給排水口等の水中構造物、湾岸道路、海底トンネ
ル、港湾設備、運河・水路等のような各種海洋土木工事
の汚泥拡散防止膜などの各種基材の表面等に塗布、硬化
させて、より好適に使用できる。本発明の組成物は、重
防食塗料として好適であり、特に船舶タンク用(例:バ
ラストタンク用、カーゴオイルタンク用)、船舶外板
用、デッキ用、カーゴホールド用、水中構造物用などの
用途に好適に用いられる。
【0073】また、本発明の組成物は、それ自体を型内
などに流し込んで反応硬化させ、船具、漁具(例:浮
き)などの防食性の各種成形体として用いることもでき
る。本発明の上記組成物は、例えば塗布されて、乾燥・
硬化するとき、主剤成分(A)中に含まれるエポキシ樹
脂中のエポキシ基が開環して、エポキシ酸素(O)は水
酸基(−OH)となり、またエポキシ基を形成していた
分子末端の炭素は硬化剤中のアミノ基「−NH2」など
と反応して、「-NH−」結合などにて硬化剤と結合し
ているのであろうと推測される。
【0074】
【発明の効果】(a) 本発明の組成物によれば、船舶およ
び陸上・海洋鋼構造物などの鋼板の応力・歪に充分追随
できるような可撓性を有する二液型のエポキシ系重防食
塗料を提供できる。 (b)また、本発明の組成物を用いることにより、得られ
る塗膜にクラックが生じ難くなる。 (c) また本発明によれば、用途により、可撓性を任意に
調整でき、しかもこの本発明の組成物は、既存のエポキ
シ系重防食塗料をベースにして、これに特定の成分を配
合することにより、高可撓性を有する塗膜を簡単に得る
ことができるため、既存の防食塗料の防食性能を損なわ
ず、安価な防食塗料を提供できる。 (d) 本発明の組成物によれば、得られる塗膜は、優れた
可撓性(柔軟性)があるため、非鉄金属用塗料、非金属
用塗料などとしての利用も期待できる。 (e) また本発明の組成物は、DNV(ノルウエー船級協
会)発行の「CorrosionProtection of ships(July 199
6)のGuideline No.8 Appendix 2」に記載されている、
「船舶のウォーターバラストタンクには、(得られる塗
膜の)引張伸び率が4%以上の防食塗料を使用するよう
に」との要求にも、充分に対応できる。 (f) 従来の防食用塗料(例:タールエポキシ樹脂塗料、
ピュアエポキシ樹脂塗料、変性エポキシ樹脂塗料、ハイ
ソリッドエポキシ樹脂塗料、無溶剤型エポキシ樹脂塗料
など)は、初期硬化(室温20℃×7〜10日)では充
分な可撓性(引張試験による伸び率2〜15%、耐屈折
性JIS K−5400、8.1など)を示すが、完全
硬化(室温20℃×1ヶ月〜3ヶ月、室温20℃×7日
+80℃×4時間など)後は、伸び率は低下して、最終
的には1%前後まで低下する。また、それに比例して耐
屈曲性も低下する。すなわち、従来の防食塗膜は経時的
に脆くなり、鋼板の応力、歪みに追随できなくなる傾向
があった。これに対して、本発明に係る組成物では、
(イ):既存のエポキシ系防食用塗料におけるビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量150〜100
0)をベースとする主剤側に、特殊な可撓性付与樹脂で
あるウレタン変性エポキシ樹脂および/または液状炭化
水素樹脂を添加するか、 (ロ):汎用の防食塗料用アミン系硬化剤側に、得られ
る塗膜に高弾力性付与可能な特殊なアミン系硬化剤を添
加するか、あるいは、 (ハ):上記(イ)と(ロ)との組み合わせで構成され
ており、このような本発明の(塗料、防食塗料)組成物
によれば、既存の防食用塗料の良好な防食性を損なわ
ず、その組み合わせと添加量の調整を行うだけで、完全
硬化後にも充分な可撓性(引張試験による破断伸び率1
%〜80%、実用的な範囲では4〜20%)を保持で
き、充分な耐屈曲性を有する防食性良好な塗膜を形成可
能であり、しかも該組成物は安価であり、従って得られ
る塗膜も安価であり、経済性に優れる。
【0075】
【実施例】以下、本発明に係るエポキシ樹脂組成物、塗
料組成物、防食塗料組成物、その塗膜などについて、実
施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は、
かかる実施例により何ら制限されるものではない。な
お、以下の実施例、比較例で用いた試験方法などは以下
の通り。また、実施例、比較例などにおいて、各成分の
配合組成等は、その趣旨に反しない限り、重量部表示で
ある。(1)引張試験 破断伸び率(%)と破断値(kgf/cm2)の測定 「JIS K−7113」に準拠し、試験片の破断伸び
率を測定した。試験片としては、20mm×10mmの
フリーフィルムを下記のようにして作成して、テンシロ
ン(Tansilon)試験機を使用し、破断伸び率
(%)とそのときの破断値(kgf/cm2)を測定し
た。
【0076】試験片は、テフロン(R)シートまたは剥
離紙に、エアースプレーまたはアプリケーターにて、均
一な膜厚(DFT200μm)になるように塗装して作
成した。この塗装された試験片を1日間室温乾燥(20
℃)し、規定の大きさに切断して、フリーフィルムを作
成した。
【0077】さらに、これらのフリーフィルムを(a)
室温(20℃)で14日間自然乾燥する場合、(b)室
温(20℃)で1ヶ月間自然乾燥する場合、(c)室温
(20℃)で7日間自然乾燥後に、さらに80℃で4時
間強制乾燥(完全硬化)する場合の3態様で乾燥させ
た。得られた各乾燥試験片について、破断伸び率と破断
値を測定した。(2)初期物性と評価 (イ)塗膜外観の試験方法と評価基準 試験方法としては、まず、サンドブラスト鋼板(70m
m×150mm×2.3mm(厚)、大佑機材(株)
製)と、これと同一寸法のサンドブラスト鋼板に耐熱無
機ジンクショッププライマー「セラベスト(商品名)、
中国塗料(株)製」を、DFT(乾燥塗膜厚)にて15
μmとなるように塗装して、屋外曝露状態で1週間以上
(14日間)乾燥させた試験片素材(W/B)を準備し
た。これらの試験片素材に各供試試験片をエアースプレ
ーで乾燥膜厚が180〜200μmになるように塗装し
て、室温(20℃)で7日間乾燥させ、供試試験片とし
た。(*1) <評価基準> 4:良好 3:実用レベル 2:やや劣る 1:不良(ロ)[付着性] (a)碁盤目試験の試験方法と評価基準 試験片の作成方法は、上記(2)の(イ)の(*1)と
同じ。試験方法は、「JIS K−5400 8.5.
2」の「碁盤目テープ法」に準拠して、2mm幅で25
個の升目を作成し、付着試験の残存升目の数を表記し
た。
【0078】<評価基準> 4:切り傷1本毎が細くて両端が滑らかで、切り傷の交
点と正方形の一目一目に剥がれがなく、欠損部の面積は
全正方形面積の5%以内である。 3:切り傷の両側と交点とに剥がれがあって、欠損部の
面積は全正方形面積の5〜15%である。
【0079】2:切り傷の剥がれの幅が広く、欠損部の
面積は全正方形面積の15〜35%である。 1:切り傷の剥がれの幅は「評価:2」よりも広く、欠
損部の面積は全正方形面積の35%以上である。(b)ナイフ試験の試験方法と評価基準 試験片の作成方法は、上記(2)の(イ)の(*1)と
同じ。試験方法は、JIS K−5400 8.5.3
の「Xカットテープ法」に準じて実施した。 <評価基準> 4:剥がれが全くない。(良好) 3:交点に剥がれが無く、Xカット部に僅かに剥がれが
ある。(実用レベル) 2:Xカット部の交点から何れかの方向に、3mm以内
の剥がれがある。(やや劣る) 1:テープを貼ったXカット部の大部分に剥がれがあ
る。(不良)(c)プルオフ試験の試験方法と評価基準 試験片の作成方法は、上記(2)の(イ)の(*1)と
同じ。試験方法は、JIS K−5400 8.7の
「付着強さ」に準じて実施した。 モトフジ社製のプル
オフゲージによる引張強度試験で、剥離部位および剥離
面積%により下記の通り評価した。
【0080】評価基準
【0081】
【表1】
【0082】(d)綜合評価 4:良好 3:実用レベル 2:やや劣る 1:不良(ハ)屈曲性 JIS K−5400 8.1に準拠し、10mmの心
棒を用いて試験した。 <評価方法> 4:ルーペで見ても全くクラックが無い。 3:ルーペで見ると僅かに微小クラックが認められる。
【0083】2:肉眼で小さなクラックが認められる。 1:大きなクラックが認められ、その数も多い。(ニ)耐衝撃性 試験片の作成方法は、上記(2)の(イ)の(*1)と
同じ。 JIS K−5400 8.3.2に準拠(デュポン
式、1kg×50cm) <評価方法> 4:撃芯の当たり部(直径約5mm)からの剥がれ幅が
1mm以内。
【0084】3:撃芯の当たり部(直径約5mm)から
の剥がれ幅が1mmを超え〜2mm以内。 2:撃芯の当たり部(直径約5mm)からの剥がれ幅が
2mmを超え〜5mm以内。
【0085】1:撃芯の当たり部(直径約5mm)から
の剥がれ幅が5mmを超える。(ホ)鉛筆硬度の試験方法と評価基準 「JISK−5400 8.4」に準拠し、ブリキ板に
アプリケーターで250μm(乾燥膜厚)となるように
塗装し、20℃で7日間あるいは、20℃で3ヶ月間
(30日)乾燥させ、塗膜の硬さを、鉛筆の芯で引っか
いて調べ、鉛筆の濃度記号で表した。(3)防食性 (イ)温度差試験と塗膜外観評価方法と評価基準 試験片の作成方法は、前述の(2)の(イ)の(*1)
と同じ。試験方法は、「JIS K 5400 8.2
3」に準拠した。
【0086】供試試験片で、供試塗膜面が50℃の温水
に、裏面が20℃の水に接するように30℃の温度差を
与え、6日後の塗膜外観と付着性を評価した。 <評価基準> 4 :良好。 3 :実用レベル。
【0087】 2 :やや劣る。 1 :不良。(ロ)耐塩水性の試験方法と評価基準 試験片の作成方法は、前述の(2)の(イ)の(*1)
と同じ。試験方法は、「JIS K 5400 8.2
3」に準拠した。
【0088】浸漬期間は、40℃の塩水×3ヶ月。評価
基準は、(3)の(イ)と同じ。(ハ)電気防食性の試験方法と評価基準 試験片の作成方法は、前述の(2)の(イ)の(*1)
と同じ。試験方法は、「ASTM G−8」に準拠し
た。
【0089】浸漬期間は、40℃の塩水×3ヶ月。評価
基準は、(3)の(イ)と同じ。(ニ)ソルトスプレーの試験方法と評価基準 試験方法としては、「磨き軟鋼板(70mm×150m
m×1mm(厚))、大佑機材(株)製」をキシレンで
充分脱脂した試験片素材に各供試塗料をエアースプレー
でその乾燥膜厚が180〜200μm厚となるように塗
装して、室温(20℃)で7日間乾燥させ、供試試験片
とした。(*2) 試験方法は、「JIS K−5400 9.1」に準拠
した。浸漬条件は、35℃/5%塩水×2000時間。
【0090】評価基準は、(3)の(イ)と同じ。(ホ)高温高湿試験方法と評価基準 試験片の作成方法は、前述の(2)の(イ)の(*1)
と同じ。試験方法は、「JIS K−5400 9.
2」に準拠した。試験条件は、50℃/95%RH以上
×3ヶ月。
【0091】評価基準は、(3)の(イ)と同じ。下記
の実施例、比較例で用いた各成分を以下に示す。 (1)「エピコート828X−90」 (エポキシ樹脂の種類:ビスフェノールAジグリシジル
エーテル、シェル(株)製)、一般名:♯828タイプ
ベース(ハイソリッド型):ハイソリッド(ソルベント
レス型)でボリュームソリッドが高く70%以上。 (2)「エピコート834X−85」 (エポキシ樹脂の種類:ビスフェノールAエポキシ、シ
ェル(株)製)、一般名:♯834/♯1001エポキ
シタイプベース:通常の溶剤型塗料でボリュームソリッ
ドは約50〜70%。 (3)「エピコート1001X−75」 (エポキシ樹脂の種類:ビスフェノールA型エポキシ、
大竹明新化学(株)製)、一般名:♯1001エポキシ
タイプベース:通常の溶剤型塗料でボリュームソリッド
は約50〜70%。 (4)「Ancarez2364」 ウレタン変性エポキシ樹脂、AIR PRODUCTS
社製、エポキシ当量470、粘度23000〜3500
0cPs/25℃。 (5)「NeciresEPX−L」 石油樹脂、NEVCIN社製、分子量290、フェノー
ル変性芳香族炭化水素樹脂。 (6)「ネオポリマーK2」 C9系石油樹脂、日石化学(株)製。 (7)「KBM403」 (シランカップリング剤、信越化学工業(株)製) (8)「F−2タルク」 (タルク、富士タルク(株)製) (9)「チオナRCL−575」 (二酸化チタン、SCM社製) (10)「カーボンブラックMA−100」 (カーボンブラック、三菱化学(株)製) (11)「スゾライトマイカ200HK」 (高アスペクト比マイカ、アスペクト比50、クラレ
(株)製) (12)「ASAT−250F」 (タレ止め剤、伊藤製油(株)製) (13)「ラッカマイドTD966」 (ポリアミドアミン、大日本インキ化学工業(株)製) (14)「アデカハードナーEH342W3」 (MXDAマンニッヒ変性ポリアミドポリアミン、旭電
化工業(株)製) (15)「サンマイドCX1154」 (一部フェノルカミン変性MXDAマンニッヒポリアミ
ン、三和化学(株)製) (16)「Ancamide 910」 (ポリアミドアミン、AIR PRODUCTS社製) (17)「ACI Hardener K−39」 (脂肪族ポリアミン,PTIジャパン(株)製) (18)「Ankamine K−54」 (3級アミン、AIR PRODUCTS社製) (19)プロピレングリコールモノメチルエーテル (PGM、溶剤、ダイセル化学工業(株)製)
【0092】
【実施例1】<主剤成分の調製>「エピコート828X
−90」(エポキシ樹脂の種類:ビスフェノールA型エ
ポキシ、シェル(株)製)0重量部と、「エピコート8
34X−85」(エポキシ樹脂の種類:ビスフェノール
A型エポキシ、粘度:2000〜4000cPs、シェ
ル(株)製)11.3重量部と、「エピコート1001
X−75」(エポキシ樹脂の種類:ビスフェノールA型
エポキシ、シェル(株)製)7.4重量部と、「Anc
arez2364」(ウレタン変性エポキシ樹脂、AI
R PRODUCTS社製、エポキシ当量470、粘度
23000〜35000cPs/25℃)0重量部と、
「NeciresEPX−L」(石油樹脂、NEVCI
N社製、分子量290、フェノール変性芳香族炭化水素
樹脂)0重量部と、「ネオポリマーK2」(石油樹脂、
日石化学(株)製)10.8重量部と、「KBM40
3」(シランカップリング剤、信越化学工業(株)製)
0.5重量部と、「F−2タルク」(タルク、富士タル
ク(株)製)41.7重量部と、「チオナRCL−57
5」(二酸化チタン、SCM社製)5.9重量部と、
「カーボンブラックMA−100」(カーボンブラッ
ク、三菱化学(株)製)0.05重量部と、「スゾライ
トマイカ200HK」(高アスペクト比マイカ、アスペ
クト比50、クラレ(株)製)0重量部と、「ASAT
−250F」(タレ止め剤、伊藤製油(株)製)2.0
重量部と、溶剤のキシレン13.4重量部と、メチルイ
ソブチルケトン(MIBK)5.0重量部と、メチルエ
チルケトン(MEK)1.0重量部と、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル(PGM)0重量部と、ノル
マルブタノール(n−BuOH)1.0重量部との配合
物(合計100重量部)と、を混合・攪拌して主剤成分
を調製した。 <硬化剤成分の調製>「ラッカマイドTD966」(ポ
リアミドアミン、大竹明新化学(株)製)0重量部と、
「アデカハードナーEH342W3」(MXDAマンニ
ッヒ変性ポリアミドポリアミン、旭電化工業(株)製)
0重量部と、「サンマイドCX1154」(一部フェノ
ルカミン変性MXDAマンニッヒポリアミン、三和化学
(株)製)0重量部と、「Ancamide 910」
(ポリアミドアミン、AIR PRODUCTS社製)
8.5重量部と、「ACI Hardener K−3
9」(脂肪族ポリアミン,PTIジャパン(株)製)0
重量部と、「Ankamine K−54」(3級アミ
ン、AIR PRODUCTS社製)0.4重量部と、
ノルマルブタノール(n−BuOH)0重量部と、イソ
ブタノール(i−BuOH)1.2重量部と、キシレン
2.1重量部と、プロピレングリコールモノメチルエー
テル(PGM、溶剤、ダイセル化学工業(株)製)0重
量部と、メチルイソブチルケトン(MIBK)0重量部
との配合物(合計12.2重量部)とを、混合・攪拌し
て硬化剤成分を調製した。 <硬化性エポキシ樹脂組成物(塗料組成物、防汚塗料組
成物)の調製>上記主剤成分100重量部と、上記硬化
剤成分12.2重量部とを混合して硬化性エポキシ樹脂
組成物(塗料組成物、防汚塗料組成物)を調製した。
【0093】該組成物を用いて、上記条件で各種試験を
行った。配合組成を表2〜3に示す。また、結果を表5
〜8に示す。さらに、主な使用原料の商品名、一般名お
よび製造元(あるいは販売元)を表4に示す。
【0094】
【実施例2〜12,比較例1〜2】実施例1において、
成分組成およびその配合量をそれぞれ表2〜3に示すよ
うに変えた以外は、実施例1と同様にして組成物を調製
し、試験を行った。配合組成を表2〜3に示す。また、
結果を表5〜8に示す。
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
【表5】
【0099】
【表6】
【0100】
【表7】
【0101】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 175/04 C09D 175/04 177/06 177/06 179/02 179/02 C23F 11/00 C23F 11/00 B // C08G 59/14 C08G 59/14 Fターム(参考) 4J036 AA01 AA05 AD08 CB20 CD09 DA01 DA05 DC02 DC13 FB01 FB07 FB12 FB13 FB14 JA01 4J038 CR011 CR012 DA042 DB061 DB062 DB071 DB072 DB091 DB092 DB151 DB152 DB241 DB242 DB261 DB262 DB481 DB482 DF022 DF042 DH022 DJ012 GA05 JA75 JB26 KA03 MA01 NA03 NA11 4K062 AA01 BC12 CA05 DA05 FA01 FA04 FA08 FA11 FA12 GA01

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A-i)エポキシ樹脂(a1)、ウレタン
    変性エポキシ樹脂(a2)および/または液状炭化水素
    樹脂(a3)を含む主剤成分と、(B-i)エポキシ樹脂
    用硬化剤(b1)を含む硬化剤成分とを含有することを
    特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】上記主剤成分(A-i)が、エポキシ樹脂
    (a1)、ウレタン変性エポキシ樹脂(a2)および液
    状炭化水素樹脂(a3)を含む請求項1に記載のエポキ
    シ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】上記エポキシ樹脂(a1)が、ビスフェノ
    ールA型エポキシ樹脂であり、 上記液状炭化水素樹脂(a3)が、液状フェノール変性
    炭化水素樹脂である請求項1または2に記載のエポキシ
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】上記主剤成分(A-i)が、エポキシ樹脂
    (a1)、ウレタン変性エポキシ樹脂(a2)および液
    状炭化水素樹脂(a3)の固形分合計100重量部に対
    して、エポキシ樹脂(a1)を10〜99.9重量部、
    ウレタン変性エポキシ樹脂(a2)を0.1〜50重量
    部および液状炭化水素樹脂(a3)を0〜70重量部の
    量で含む請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】上記主剤成分(A-i)が、エポキシ樹脂
    (a1)、ウレタン変性エポキシ樹脂(a2)および液
    状炭化水素樹脂(a3)の固形分合計100重量部に対
    して、エポキシ樹脂(a1)を40〜80重量部、ウレ
    タン変性エポキシ樹脂(a2)を5〜40重量部および
    液状炭化水素樹脂(a3)を5〜30重量部の量で含む
    請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】上記主剤成分(A-i)100重量部に対し
    て、硬化剤成分(B-i)が5〜200重量部である請求
    項1〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】(A-ii)エポキシ樹脂(a1)または、
    エポキシ樹脂(a1)と液状炭化水素樹脂(a3)とを
    含む主剤と、(B-ii)高弾性付与性アミン系硬化剤
    (b1-1)を含む硬化剤成分と、を含有することを特徴
    とするエポキシ樹脂組成物。
  8. 【請求項8】上記高弾性付与性アミン系硬化剤(b1-
    1)が、モノまたはポリアルキレングリコールのジアミ
    ノアルキルエーテルまたはさらにそれをポリカルボン酸
    で変性したポリアミドアミンである請求項7に記載のエ
    ポキシ樹脂組成物。
  9. 【請求項9】上記硬化剤成分(B-ii)が、さらに、上
    記高弾性付与性アミン系硬化剤(b1-1)以外の汎用ア
    ミン系硬化剤(b1-2)を含む、請求項7または8に記
    載のエポキシ樹脂組成物。
  10. 【請求項10】上記高弾性付与性アミン系硬化剤(b1
    -1)が、モノまたはポリアルキレングリコールのジアミ
    ノアルキルエーテルまたはさらにそれをポリカルボン酸
    で変性したポリアミドアミンからなる群から選ばれた少
    なくとも1種の高弾性付与性アミン系硬化剤であり、 上記汎用アミン系硬化剤(b1-2)が、ポリアミドアミ
    ン、マンニッヒ変性脂肪族ポリアミン、フェノルカミン
    アダクトからなる群から選ばれた少なくとも1種の汎用
    アミン系硬化剤である請求項7〜9のいずれかに記載の
    エポキシ樹脂組成物。
  11. 【請求項11】上記主剤(A-ii)100重量部に対し
    て、硬化剤成分(B-ii)が5〜200重量部である請
    求項7〜10のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  12. 【請求項12】(A-iii)エポキシ樹脂(a1)、ウレ
    タン変性エポキシ樹脂(a2)および/または液状炭化
    水素樹脂(a3)を含む主剤成分と、(B-iii)高弾性
    付与性アミン系硬化剤(b1-1)を含む硬化剤成分と、
    を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  13. 【請求項13】上記主剤成分(A-iii)が、エポキシ樹
    脂(a1)、ウレタン変性エポキシ樹脂(a2)および
    液状炭化水素樹脂(a3)を含む請求項12に記載のエ
    ポキシ樹脂組成物。
  14. 【請求項14】上記エポキシ樹脂(a1)が、ビスフェ
    ノールA型エポキシ樹脂であり、 上記液状炭化水素樹脂(a3)が、液状フェノール変性
    炭化水素樹脂である請求項12または13に記載のエポ
    キシ樹脂組成物。
  15. 【請求項15】上記主剤成分(A-iii)が、エポキシ樹
    脂(a1)、ウレタン変性エポキシ樹脂(a2)および
    液状炭化水素樹脂(a3)の固形分合計100重量部に
    対して、エポキシ樹脂(a1)を10〜99.9重量
    部、ウレタン変性エポキシ樹脂(a2)を0.1〜50
    重量部、および液状炭化水素樹脂(a3)を0〜70重
    量部の量で含む請求項12〜14のいずれかに記載のエ
    ポキシ樹脂組成物。
  16. 【請求項16】上記主剤成分(A-iii)が、エポキシ樹
    脂(a1)、ウレタン変性エポキシ樹脂(a2)および
    液状炭化水素樹脂(a3)の固形分合計100重量部に
    対して、エポキシ樹脂(a1)を40〜80重量部、ウ
    レタン変性エポキシ樹脂(a2)を5〜40重量部およ
    び液状炭化水素樹脂(a3)を5〜30重量部の量で含
    む請求項12〜14のいずれかに記載のエポキシ樹脂組
    成物。
  17. 【請求項17】上記主剤成分(A-iii)100重量部に
    対して、硬化剤成分(B-iii)が5〜200重量部であ
    る請求項12〜16のいずれかに記載のエポキシ樹脂組
    成物。
  18. 【請求項18】請求項1〜17のいずれかに記載のエポ
    キシ樹脂組成物からなる防食塗料組成物。
  19. 【請求項19】請求項1〜17のいずれかに記載のエポ
    キシ樹脂組成物からなる防食塗料組成物から形成された
    高伸び率を有する塗膜。
  20. 【請求項20】請求項19に記載の塗膜で基材表面が被
    覆された被覆基材。
  21. 【請求項21】基材表面を、請求項18に記載の塗膜で
    被覆することを特徴とする基材の防食方法。
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