JP2017197679A - ウレタン樹脂組成物、ウレタン樹脂成形物及びその製造方法 - Google Patents

ウレタン樹脂組成物、ウレタン樹脂成形物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】主剤と硬化剤とを含有する熱硬化ウレタン樹脂成形物の製造時における硬化剤の成形前加熱温度を低く抑えることができ、長い可使時間を有する作業性に優れたウレタン樹脂組成物、及び、それを用いた優れた硬度を有するウレタン樹脂成形物を提供する。【解決手段】イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)を含有する主剤(i)と、イソシアネート基反応性化合物(B)を含有する硬化剤(ii)を含有するウレタン樹脂組成物であって、前記イソシアネート基反応性化合物(B)が、ポリアミン化合物とエポキシ基を有する化合物との反応物であることを特徴とするウレタン樹脂組成物を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、ウレタン樹脂組成物、及びそれを用いたウレタン樹脂成形物に関する。
熱硬化性ウレタン樹脂組成物を用いて得られる成形物は、現在、自動車部品、家電部品、包装材、皮革様シート、印刷ロール等の様々な用途で使用されている。
熱硬化性ウレタン樹脂組成物は、通常イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーと、硬化剤としてアミノ基又は水酸基等の活性水素基を2つ以上有する化合物とを、室温又は加温して混合、脱泡し、金型に注入し、室温又は加温してウレタン/ウレア化に基づく鎖伸長反応、及びアロファネート/ビュレット化反応による架橋反応より得られる。
特に、硬化剤としてアミン化合物を用いた熱硬化性ウレタン樹脂組成物は、機械的強度に優れるため、前記各種分野で使用されている。しかしながら、アミノ基とイソシアネート基の反応は非常に速いため、混合脱泡した混合液を金型へ注入するまでの間に、混合液の粘度が上昇し、十分な可使時間が取れず安定的に金型へ注入できない等、製造安定性に欠けるとの問題点を有していた。
そのため、アミン化合物としては反応性が比較的低い、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MBOCA)を用いる提案がされている。(例えば、特許文献1及び2参照。)。
しかしながら、MBOCAは、可使時間が比較的長い反面、融点110℃の結晶性化合物であるため、2液混合で使用する際は予め120〜130℃に加熱し溶解する必要があった。また、MBOCAは、人体への有害性が高い化学物質であることからも、この物質を高温で取り扱うことは、作業環境上好ましくないといった問題があった。
そこで、MBOCAと同様に、成形物の硬度に優れ、かつ、長い可使時間を有するとともに、低い加熱温度で用いることができるアミン系の硬化剤を用いたウレタン樹脂組成物が求められていた。
特開平2−232173号公報 特開2002−194104号公報
本発明が解決しようとする課題は、主剤と硬化剤とを含有する熱硬化ウレタン樹脂成形物の製造時における、硬化剤の成形前加熱温度を低く抑えることができ、長い可使時間を有する作業性に優れたウレタン樹脂組成物、及び、それを用いた優れた硬度を有するウレタン樹脂成形物を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、ウレタン樹脂の硬化剤として、ポリアミン化合物とエポキシ基を有する化合物との反応物を用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)を含有する主剤(i)と、イソシアネート基反応性化合物(B)を含有する硬化剤(ii)を含有するウレタン樹脂組成物であって、前記イソシアネート基反応性化合物(B)が、ポリアミン化合物とエポキシ基を有する化合物との反応物であることを特徴とするウレタン樹脂組成物、及びそれを用いたウレタン樹脂成形物に関するものである。
本発明のウレタン樹脂組成物は、主剤と硬化剤からなる熱硬化ウレタン樹脂成形物の製造時における、硬化剤の成形前加熱温度を低く抑えることができ、長い可使時間を有するとともに優れた硬度を有するウレタン樹脂成形物を形成できることから、例えば、自動車部品、家電部品、包装材、皮革様シート、印刷ロール、コーターロール、運搬用ロール、加工機用ロール、ソリッドタイヤ等の運送用タイヤ、研磨パッド等の用途に好適に使用できる。
本発明のウレタン樹脂組成物は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)を含有する主剤(i)と、イソシアネート基反応性化合物(B)を含有する硬化剤(ii)を含有するものであることを特徴とする。
前記主剤(i)としては、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)を用いる。なお、本発明でいう「主剤」とは、組成物の合計量に対して、50質量%を超える組成を云う。
前記ウレタンプレポリマー(A)としては、ポリオール(a1)及び/または分子量50〜300のグリコールと、ポリイソシアネート(a2)との反応物を用いる。
前記ポリオール(a1)としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリアクリルポリオール等が挙げられる。これらの中でも、長い可使時間を有し、かつ、優れた硬度を有するウレタン樹脂成形物を形成できることから、ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールが好ましい。これらのポリオール(a1)は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、テトラヒドロフランの開環重合により得られるポリテトラメチレングリコールが挙げられる。また、活性水素原子を2つ以上有する化合物の1種又は2種以上を開始剤として、アルキレンオキサイドを付加重合させたものが挙げられる。前記活性水素原子を2つ以上有する化合物としては、例えば、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、水、ヘキサントリオール等が挙げられる。また、前記アルキレンオキサイドとしては、例えば、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらのポリエーテルポリオールは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量のポリオールと、ポリカルボン酸とを反応して得られるポリエステルポリオール;ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステルポリオール;これらを共重合して得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。これらのポリエステルポリオールは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記低分子量のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール等の分子量が50〜300程度である脂肪族ポリオール;シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族環式構造を有するポリオール;ビスフェノールA及びビスフェノールF等の芳香族構造を有するポリオールが挙げられる。なかでも、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールが好ましい。
前記ポリエステルポリオールの製造に使用可能な前記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;それらの無水物またはエステル化物等が挙げられる。
また、前記ポリカーボネートポリオールは、炭酸及び炭酸エステルと、多価アルコールとをエステル化反応させて得られるものである。前記多価アルコールとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。これらのポリカーボネートポリオールは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記数平均分子量50〜300のグリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能以上の水酸基を有する化合物などが挙げられる。これらの中でも、ジエチレングリコールがより好ましい。また、これらのグリコールは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。なお、前記グリコールの数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した値を示す。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
前記ポリイソシアネート(a2)としては、例えば、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式構造を有するポリイソシアネート;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。これらの中でも、トリレンジイソシアネートを用いることが、長い可使時間を有し、かつ、優れた硬度を有するウレタン樹脂成形物を形成できることから好ましい。また、これらのポリイソシアネート(a2)は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基当量は、長い可使時間を有し、かつ、優れた硬度を有するウレタン樹脂成形物を形成できることから、200〜3000g/eq.の範囲が好ましく、200〜1500g/eq.の範囲がより好ましい。
また、前記ウレタンプレポリマー(A)は、前記ポリオール(a1)、前記分子量50〜300のグリコール(a2)及び前記ポリイソシアネート(B)の他に、必要に応じて、反応遅延剤、消泡剤、レべリング剤等の添加剤を用いることができる。
前記消泡剤としては、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤等が挙げられる。
前記硬化剤(ii)としては、イソシアネート基反応性化合物(B)を含有する。
前記イソシアネート基反応性化合物(B)とは、本発明において、イソシアネート基と反応し得る官能基を有する化合物を云う。
前記イソシアネート基反応性化合物(B)の含有量が、前記硬化剤(ii)中に10〜100質量%の範囲であることが、長い可使時間を有し、かつ、優れた硬度を有するウレタン樹脂成形物を形成できることから好ましく、50〜100質量%の範囲がより好ましい。
前記イソシアネート基反応性化合物(B)は、イソシアネート基を有する化合物に対して反応性を有する硬化剤であり、ポリアミン化合物とエポキシ基を有する化合物との反応物を用いる。
前記ポリアミン化合物としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン、1,3−ペンタンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン等の鎖状脂肪族ポリアミン;イソホロンジアミン、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルアミン、4、4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の環状脂肪族ポリアミン;m−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−シクロヘキシリデンジアニリン、ジアミノジフェニルメタン、アニリンとホルムアルデヒドの縮合物、クロロアニリンとホルムアルデヒドの縮合物、アニリンとクロロアニリンとホルムアルデヒドの縮合物、4,4’−メチレンビス(2−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−エチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−イソプロピルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−イソプロピル−6−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−エチル−6−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−ブロモ−6−エチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(N−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(N−エチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジアニリン、4,4’−(9−フルオレニリデン)ビス(N−メチルアニリン)、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−オキシジアニリン、2,4−ビス(4−アミノフェニルメチル)アニリン、フェニレンジアミン、4−メチル−m−フェニレンジアミン、2−メチル−m−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、2,4,6−トリメチル−m−フェニレンジアミン、2,4−ジエチル−6−メチル−m−フェニレンジアミン、4,6−ジエチル−2−メチル−m−フェニレンジアミン、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、トリメチレンビス(4−アミノベンゾエート)3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル等の芳香族ポリアミンなどが挙げられる。これらの中でも、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)が、長い可使時間を有し、かつ、優れた硬度を有するウレタン樹脂成形物を形成できる理由から、好ましい。これらのポリアミン化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記エポキシ基を有する化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、レゾール型エポキシ樹脂、カテコール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族エステル型エポキシ樹脂等の芳香族系エポキシ樹脂;脂肪族エポキシ樹脂、環状脂肪族エステル型エポキシ樹脂、脂肪族エステル型エポキシ樹脂、エーテルエステル型エポキシ樹脂等の非芳香族系エポキシ樹脂;その他上記エポキシ樹脂の臭素または塩素等のハロゲン置換体などが挙げられる。これらの中でも、芳香族骨格を有するエポキシ化合物が好ましく、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂、またはビスフェノールF型エポキシ樹脂が、成形時の粘度が十分に低く、長い可使時間を有し、かつ、優れた硬度を有するウレタン樹脂成形物を形成できることから好ましい。これらのエポキシ基を有する化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記ポリアミン化合物と前記エポキシ基を有する化合物との質量割合[ポリアミン化合物/エポキシ基を有する化合物]が、50/50〜95/5の範囲であることが成形時の作業性に優れ、かつ、優れた硬度を有するウレタン樹脂成形物を形成できることから好ましい。この際、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた測定において、910cm−1付近のエポキシ基由来のピークが検出されないことが好ましい。
また、前記ポリアミン化合物が有するアミノ基が、前記エポキシ基を有する化合物のエポキシ基の2倍〜12倍とすることが好ましく、さらには4倍〜9倍がより好ましい。
前記主剤(i)のイソシアネート基(NCO)に対する前記硬化剤(ii)のアミノ基(NH)の当量比(NH/NCO)が、0.4〜1.5であることが硬度や強度に優れたウレタン樹脂成形物を形成できることから好ましく、0.7〜1.0がより好ましい。
本発明のウレタン樹脂組成物は、必要に応じて添加剤を含有してもよく、前記添加剤としては、例えば、触媒、可塑剤、充填材、顔料、染料、安定剤、難燃剤等、従来知られている各種添加物を、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
本発明のウレタン樹脂成形物としては、例えば、前記ウレタン樹脂組成物を加熱成形したものが挙げられる。
前記ウレタン樹脂成形物は、主剤(i)と硬化剤(ii)を使用可能な粘度になるよう加温し、所定の配合比ですばやく混合し、予め硬化温度に加熱した型内に注入、成形し、得ることができる。その際、硬化剤(ii)として、ポリアミン化合物とエポキシ基を有する化合物をあらかじめ反応させたものを用いる。
本発明のウレタン樹脂成形物の製造方法としては、例えば、〔工程1〕〜〔工程4〕を含む一連の製造方法が挙げられる。
〔工程1〕主剤(i)の調整工程。
窒素導入管、冷却コンデンサー、温度計、冷却機を備えた反応装置に、ポリオール(a1)及び/または分子量50〜300のグリコール(a2)と、ポリイソシアネート(a3)とを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら、好ましくは、70〜90℃の範囲、より好ましくは75〜85℃の範囲で反応させ、ウレタンプレポリマー(A)を合成し、主剤(i)を得る。
〔工程2〕硬化剤(ii)の調製工程。
窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、ポリアミン化合物を投入し、120℃で融解後、エポキシ基を有する化合物と反応させてイソシアネート基反応性化合物(B)を含有する硬化剤(ii)を得る。
〔工程3〕主剤(i)と硬化剤(ii)との混合工程。
次いで、前記ウレタンプレポリマー(A)を含有する主剤(i)と、前記イソシアネート基反応性化合物(B)を含有する硬化剤(ii)を、それぞれのタンクへ入れて、前記主剤(i)を好ましくは40〜100℃に加温し、前記硬化剤(ii)を好ましくは60〜110℃、より好ましくは70〜100℃に加温し、それぞれを混合注型機で混合し、ウレタン樹脂組成物を得る。
〔工程4〕硬化工程。
型内に注入された状態で前記ウレタン樹脂組成物を、金型内で30分〜2時間、40〜120℃で加熱し、硬化させ硬化物を得る。次いで、得られた硬化物を取り出し、好ましくは100〜120℃、8〜17時間の条件でアフターキュアを行い、ウレタン樹脂成形物とする。
熱硬化後は、前記ウレタン樹脂組成物のウレタン化反応が完結していることが好ましい。
本発明のウレタン樹脂成形物は、例えば、自動車部品、家電部品、包装材、皮革様シート、印刷ロール、コーターロール、運搬用ロール、加工機用ロール、ソリッドタイヤ等の運送用タイヤ、研磨パッドの用途に好適に使用できる。これらの中でも研磨パッドとして特に好適に使用できる。
以下、実施例と比較例とにより、本発明を具体的に説明する。
(調整例1:ポリエステルポリオールの調製)
窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、エチレングリコール34質量部、アジピン酸66質量部、テトラブチルチタネート0.06部を仕込み、窒素気流下、220℃で24時間反応を行い、酸価が0.12であり、水酸基価が108.2であるポリエステルポリオールを得た。
(合成例1:ウレタンプレポリマー(1)の合成)
窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、トルエンジイソシアネート(東ソー株式会社製「コロネートT80」)32質量部、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量;1,000)68質量部を入れ撹拌した。次いで、ジエチレングリコール25質量部を投入し、窒素気流下80℃で5時間反応を行い、イソシアネート基当量が435g/eq.であるウレタンプレポリマー(1)を得た。
(合成例2:ウレタンプレポリマー(2)の合成)
窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、トルエンジイソシアネート(東ソー株式会社製「コロネートT80」)27質量部、ポリプロピレングリコール(旭硝子株式会製「エクセノール1020」、数平均分子量;1,000、平均水酸基数;2)73質量部を入れ撹拌した。窒素気流下80℃で5時間反応を行い、イソシアネート基当量が1000g/eq.であるウレタンプレポリマー(2)を得た。
(合成例3:ウレタンプレポリマー(3)の合成)
窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、トルエンジイソシアネート(東ソー株式会社製「コロネートT80」)22質量部、調整例1で得られたポリエステルポリオール78質量部を入れ撹拌した。窒素気流下80℃で5時間反応を行い、イソシアネート基当量が1000g/eq.であるウレタンプレポリマー(3)を得た。
(合成例4:硬化剤(1)の合成)
窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)(以下、「MBOCA」と略記する。)80質量部を投入し、120℃で融解後、攪拌を開始した。ビスフェノールA型液状ジグリシジルエーテルエポキシ樹脂(エポキシ当量190g/eq.)20部を投入し、120℃で3時間反応した。FT−IRでエポキシ基消失を確認後、NH当量が200g/eq.である硬化剤(1)を得た。
(合成例5:硬化剤(2)の合成)
窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、MBOCAを80質量部投入し、120℃で融解後、攪拌を開始した。ビスフェノールF型液状ジグリシジルエーテルエポキシ樹脂(エポキシ当量;160g/eq.)20質量部を投入し、120℃で3時間反応した。FT−IRでエポキシ基消失を確認後、NH当量が210g/eq.である硬化剤(2)を得た。
(合成例6:硬化剤(3)の合成)
窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、MBOCAを75質量部投入し、120℃で融解後、攪拌を開始した。ビスフェノールA型液状ジグリシジルエーテルエポキシ樹脂(エポキシ当量190g/eq.)25部を投入し、120℃で3時間反応した。FT−IRでエポキシ基消失を確認後、NH当量が233g/eq.である硬化剤(3)を得た。
(合成例7:硬化剤(4)の合成)
窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、MBOCAを49質量部投入し、120℃で融解後、攪拌を開始した。ビスフェノールA型固形ジグリシジルエーテルエポキシ樹脂(エポキシ当量;480g/eq.融点62℃)51質量部を120℃で融解した状態で投入し、120℃で3時間反応した。FT−IRでエポキシ基消失を確認後、NH当量が324g/eq.である硬化剤(4)を得た。
(実施例1:ウレタン樹脂成形物(1)の作製)
80℃に加温した合成例1で得られたウレタンプレポリマー(1)と、70℃に加温した合成例4の硬化剤(1)を、前記ウレタンプレポリマー主剤と硬化剤がNH/NCO=0.9(官能基比)の配合比率で攪拌混合し、110℃に加熱した直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を110℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で16時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(1)を得た。
(実施例2:ウレタン樹脂成形物(2)の作製)
80℃に加温した合成例1で得られたウレタンプレポリマー(1)と、70℃に加温した合成例5の硬化剤(2)を、前記ウレタンプレポリマー主剤と硬化剤がNH/NCO=0.9(官能基比)の配合比率で攪拌混合し、110℃に加熱した直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を110℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で16時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(2)を得た。
(実施例3:ウレタン樹脂成形物(3)の作製)
80℃に加温した合成例1で得られたウレタンプレポリマー(1)と、90℃に加温した合成例6の硬化剤(3)を、前記ウレタンプレポリマー主剤と硬化剤がNH/NCO=0.9(官能基比)の配合比率で攪拌混合し、110℃に加熱した直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を110℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で16時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(3)を得た。
(実施例4:ウレタン樹脂成形物(4)の作製)
80℃に加温した合成例1で得られたウレタンプレポリマー(1)と、110℃に加温した合成例6の硬化剤(4)を、前記ウレタンプレポリマー主剤と硬化剤がNH/NCO=0.9(官能基比)の配合比率で攪拌混合し、110℃に加熱した直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を110℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で16時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(4)を得た。
(実施例5:ウレタン樹脂成形物(5)の作製)
80℃に加温した合成例2で得られたウレタンプレポリマー(2)と、70℃に加温した合成例4の硬化剤(1)を、前記ウレタンプレポリマー主剤と硬化剤がNH/NCO=0.7(官能基比)の配合比率で攪拌混合し、110℃に加熱した直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を110℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で16時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(5)を得た。
(実施例6:ウレタン樹脂成形物(6)の作製)
80℃に加温した合成例2で得られたウレタンプレポリマー(2)と、70℃に加温した合成例5の硬化剤(2)を、前記ウレタンプレポリマー主剤と硬化剤がNH/NCO=0.7(官能基比)の配合比率で攪拌混合し、110℃に加熱した直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を110℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で16時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(6)を得た。
(実施例7:ウレタン樹脂成形物(7)の作製)
80℃に加温した合成例2で得られたウレタンプレポリマー(2)と、90℃に加温した合成例6の硬化剤(3)を、前記ウレタンプレポリマー主剤と硬化剤がNH/NCO=0.7(官能基比)の配合比率で攪拌混合し、110℃に加熱した直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を110℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で16時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(7)を得た。
(実施例8:ウレタン樹脂成形物(8)の作製)
80℃に加温した合成例2で得られたウレタンプレポリマー(2)と、110℃に加温した合成例7の硬化剤(4)を、前記ウレタンプレポリマー主剤と硬化剤がNH/NCO=0.7(官能基比)の配合比率で攪拌混合し、110℃に加熱した直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を110℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で16時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(8)を得た。
(実施例9:ウレタン樹脂成形物(9)の作製)
80℃に加温した合成例3で得られたウレタンプレポリマー(3)と、70℃に加温した合成例4の硬化剤(1)を、前記ウレタンプレポリマー主剤と硬化剤がNH/NCO=0.7(官能基比)の配合比率で攪拌混合し、110℃に加熱した直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を110℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で16時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(9)を得た。
(比較例1:ウレタン樹脂成形物(C1)の作製)
70℃に加温した合成例1で得られたウレタンプレポリマー(1)と、120℃に加温したMBOCAを、前記ウレタンプレポリマー主剤と硬化剤がNH/NCO=0.9(官能基比)の配合比率で攪拌混合し、110℃に加熱した直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を110℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で16時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(C1)を得た。
(比較例2:ウレタン樹脂成形物(C2)の作製)
70℃に加温した合成例1で得られたウレタンプレポリマー(1)100質量部と、ビスフェノールA型液状ジグリシジルエーテルエポキシ樹脂(エポキシ当量190g/eq.)8質量部と、120℃に加温したMBOCA33質量部、すなわち前記ウレタンプレポリマー主剤のイソシアネート基(NCO)とビスフェノールA型液状エポキシ樹脂のエポキシ基(エポキシ)と硬化剤のアミノ基(NH)がNH/(NCO+エポキシ)=0.9(官能基比)の配合比率で攪拌混合し、110℃に加熱した直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を110℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で16時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(C1)を得た。
(比較例3:ウレタン樹脂成形物(C3)の作製)
70℃に加温した合成例2で得られたウレタンプレポリマー(2)と、120℃に加温したMBOCAを、前記ウレタンプレポリマー主剤と硬化剤がNH/NCO=0.9(官能基比)の配合比率で攪拌混合し、110℃に加熱した直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を110℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で16時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(C3)を得た。
(比較例4:ウレタン樹脂成形物(C4)の作製)
70℃に加温した合成例2で得られたウレタンプレポリマー(2)100質量部と、ビスフェノールA型液状ジグリシジルエーテルエポキシ樹脂(エポキシ当量190g/eq.)3質量部と、120℃に加温したMBOCA11質量部、すなわち前記ウレタンプレポリマー主剤のイソシアネート基(NCO)とビスフェノールA型液状エポキシ樹脂のエポキシ(エポキシ基)と硬化剤のアミノ基(NH)がNH/(NCO+エポキシ基)=0.7(官能基比)の配合比率で攪拌混合し、110℃に加熱した直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を110℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で16時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(C1)を得た。
(比較例5:ウレタン樹脂成形物(C5)の作製)
70℃に加温した合成例3で得られたウレタンプレポリマー(3)と、120℃に加温したMBOCAを、前記ウレタンプレポリマー主剤と硬化剤がNH/NCO=0.9(官能基比)の配合比率で攪拌混合し、110℃に加熱した直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を110℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で16時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(C5)を得た。
(比較例6:ウレタン樹脂成形物(C6)の作製)
70℃に加温した合成例3で得られたウレタンプレポリマー(3)100質量部と、ビスフェノールA型液状ジグリシジルエーテルエポキシ樹脂(エポキシ当量190g/eq.)3質量部と、120℃に加温したMBOCA11質量部、すなわち前記ウレタンプレポリマー主剤のイソシアネート基(NCO)とビスフェノールA型液状エポキシ樹脂のエポキシ(エポキシ基)と硬化剤のアミノ基(NH)がNH/(NCO+エポキシ基)=0.7(官能基比)の配合比率で攪拌混合し、110℃に加熱した直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を110℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で16時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(C6)を得た。
上記の実施例及び比較例で得られたウレタン樹脂成形物を用いて、下記の評価を行った。
[可使時間(ポットライフ)の評価方法]
JIS−K−7312に規定の測定法にて、比較例、合成例における主剤硬化剤配合直後の80℃で50000mPa・sに至る可使時間(ポットライフ)を測定した。
[硬度の測定方法]
実施例1〜9、及び、比較例1〜6で得られた円柱状のウレタン樹脂成形物を試験体とし、ASTM D2240に規定の測定法にてショアA硬度、ショアD硬度を測定した。
実施例1〜4で作製したウレタン樹脂成形物(1)〜(9)の組成、及び評価結果、並びに比較例1〜2で作製したウレタン樹脂成形物(C1)〜(C2)の組成、及び評価結果を表1に示す。
Figure 2017197679
実施例5〜8で作製したウレタン樹脂成形物(5)〜(8)の組成、及び評価結果、並びに比較例3〜4で作製したウレタン樹脂成形物(C3)〜(C4)の組成、及び評価結果を表2に示す。
Figure 2017197679
実施例9で作製したウレタン樹脂成形物(9)の組成、及び評価結果、並びに比較例5〜6で作製したウレタン樹脂成形物(C5)〜(C6)の組成、及び評価結果を表3に示す。
Figure 2017197679
表1〜3中の「硬化剤使用可能温度(℃)」とは、本発明において主剤と硬化剤とを含有する熱硬化ウレタン樹脂成形物の製造時における、前記硬化剤が使用可能な粘度(B型粘度計を用いて測定した粘度が、1000mPa・s以下)になるのに要する成形前加熱温度を指す。
表1〜3に示した実施例1〜9は、本発明のウレタン樹脂組成物を用いた例である。実施例1〜9の評価結果から、本発明のウレタン樹脂組成物を用いて形成されたウレタン樹脂成形物は、該成形物の製造時における、硬化剤の成形前加熱温度を70〜110℃と低く抑えることができ、また、長い可使時間を有するとともに、優れた硬度を有していることが確認できた。
一方、表1に示した比較例1は、硬化剤としてMBOCAを用いた例である。MBOCAは、融点110℃の結晶性化合物であるため、120℃の高温に加温しないと使用できず、また、人体への有害性が高い物質であるため、120℃加温時は空中への飛散臭気があり作業環境上好ましくない。さらに、可使時間が5分と短いことに加え、比較例1のウレタン樹脂組成物を用いて形成されたウレタン樹脂成形物は、硬度が不十分であることが確認できた。
表1に示した比較例2は、硬化剤としてMBOCAを用い、さらに、エポキシ樹脂を硬化剤とは別に添加した例である。比較例1と同様にMBOCAは、120℃の高温に加温しないと使用できず、人体への有害性が高い物質であるため、作業環境上好ましくない。また、可使時間が5分と短いことに加え、比較例2のウレタン樹脂組成物を用いて形成されたウレタン樹脂成形物は、硬度が不十分であることが確認できた。
表2に示した比較例3及び4は、比較例1及び2の主剤をウレタンプレポリマー(2)に変更した例である。比較例1及び2と同様に硬化剤としてMBOCAを用いているため、硬化剤使用可能温度は120℃と高く、作業環境上好ましくない。また、主剤としてウレタンプレポリマー(2)を用い、硬化剤として本発明で規定したものを用いた実施例5〜8のウレタン樹脂組成物に比べ、可使時間が12分と短く、さらに、比較例3及び4のウレタン樹脂組成物を用いて形成されたウレタン樹脂成形物は、硬度が不十分であることが確認できた。
表3に示した比較例5及び6は、比較例1及び2の主剤をウレタンプレポリマー(3)に変更した例である。比較例1及び2と同様に硬化剤としてMBOCAを用いているため、硬化剤使用可能温度は120℃と高く、作業環境上好ましくない。また、主剤としてウレタンプレポリマー(3)を用い、硬化剤として本発明で規定したものを用いた実施例9のウレタン樹脂組成物に比べ、可使時間が10分と短く、さらに、比較例5及び6のウレタン樹脂組成物を用いて形成されたウレタン樹脂成形物は、硬度が不十分であることが確認できた。

Claims (9)

  1. イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)を含有する主剤(i)と、イソシアネート基反応性化合物(B)を含有する硬化剤(ii)とを含有するウレタン樹脂組成物であって、
    前記イソシアネート基反応性化合物(B)が、ポリアミン化合物とエポキシ基を有する化合物との反応物であることを特徴とするウレタン樹脂組成物。
  2. 前記ウレタンプレポリマー(A)が、ポリオール(a1)及び/または分子量50〜300のグリコール(a2)と、ポリイソシアネート(a3)とを含有するものである請求項1記載のウレタン樹脂組成物。
  3. 前記ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基当量が、200〜3000g/eq.の範囲である請求項1記載のウレタン樹脂組成物。
  4. 前記イソシアネート基反応性化合物(B)の含有量が、前記硬化剤(ii)中に10〜100質量%の範囲である請求項1記載のウレタン樹脂組成物。
  5. 前記ポリアミン化合物が、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)である請求項1記載のウレタン樹脂組成物。
  6. 前記エポキシ基を有する化合物が、芳香族骨格を有するエポキシ化合物である請求項1記載のウレタン樹脂組成物。
  7. 前記ポリアミン化合物と前記エポキシ基を有する化合物との質量割合[ポリアミン化合物/エポキシ基を有する化合物]が、50/50〜95/5の範囲である請求項1記載のウレタン樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載のウレタン樹脂組成物の硬化物であることを特徴とするウレタン樹脂成形物。
  9. イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)を含有する主剤(i)と、イソシアネート基反応性化合物(B)を含有する硬化剤(ii)とを含有するウレタン樹脂組成物を型内に注入し、熱硬化させて得られるウレタン樹脂成形物の製造方法であり、
    前記イソシアネート基反応性化合物(B)が、ポリアミン化合物とエポキシ基を有する化合物との反応物であることを特徴とするウレタン樹脂成形物の製造方法。
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