JPWO2020095846A1 - 光硬化性樹脂組成物および樹脂硬化物 - Google Patents

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Abstract

光硬化性樹脂組成物は、硬化によりガラス相を形成する第1反応性化合物と、前記第1反応性化合物と相溶するとともに、硬化によりゴム相を形成する第2反応性化合物と、光重合開始剤と、を含む。前記第1反応性化合物は、少なくとも反応性モノマーを含み、前記第2反応性化合物は、少なくとも反応性オリゴマーを含む。前記第1反応性化合物のハンセン溶解度パラメータの極性項dP1と前記第2反応性化合物のハンセン溶解度パラメータの極性項dP2との差が1.8以上である。

Description

本発明は、光の作用により硬化させて樹脂硬化物を形成するための液状の光硬化性樹脂組成物、および硬化により得られる樹脂硬化物に関する。
3Dプリンタなどの造形技術の発達に伴い、光造形用途に適した光硬化性樹脂組成物の開発が進んでいる。
特許文献1では、(A)特定のジオール、ジイソシアネートおよびヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、(B)ジイソシアネートおよびヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、(C)エチレン性不飽和モノマーと、(D)光重合開始剤とを含む光学的立体造形用樹脂組成物が提案されている。
特開平8−59760号公報
光造形用途では、硬化性樹脂組成物が速やかに硬化することが求められる。硬化速度を高めると、硬化により得られるポリマーに歪みが生じやすく、物性が低下し易い。特に、液状の硬化性樹脂組成物では、ポリマーに歪みが生じやすく、樹脂硬化物の靱性が低下する。特許文献1の樹脂組成物を用いると、樹脂硬化物の靱性をある程度高めることができるが、靱性の高さは柔軟性の高さによるものであり、樹脂硬化物の強度は低くなる。
本発明の一局面は、硬化によりガラス相を形成する第1反応性化合物と、
前記第1反応性化合物と相溶するとともに、硬化によりゴム相を形成する第2反応性化合物と、
光重合開始剤と、を含み、
前記第1反応性化合物は、少なくとも反応性モノマーを含み、
前記第2反応性化合物は、少なくとも反応性オリゴマーを含み、
前記第1反応性化合物のハンセン溶解度パラメータの極性項dPと前記第2反応性化合物のハンセン溶解度パラメータの極性項dPとの差が1.8以上である、液状の光硬化性樹脂組成物に関する。
本発明の他の局面は、上記光硬化性樹脂組成物を光硬化させた樹脂硬化物に関する。
本発明のさらに他の局面は、
ガラス相とゴム相との相分離構造を有し、
ASTM D256に準拠して測定されるアイゾット衝撃強度が、100J/m以上であり、
前記ガラス相のガラス転移点が、70℃以上である、樹脂硬化物に関する。
樹脂硬化物の高い強度と高い靱性とを両立することができる液状の硬化性樹脂組成物およびその樹脂硬化物を提供できる。
本発明の新規な特徴を添付の請求の範囲に記述するが、本発明は、構成および内容の両方に関し、本発明の他の目的および特徴と併せ、図面を照合した以下の詳細な説明によりさらによく理解されるであろう。
本発明の一実施形態に係る光硬化性樹脂組成物を用いて、光造形により樹脂硬化物を形成する工程を説明するための模式図である。 実施例1の樹脂硬化物の電子顕微鏡写真である。 実施例4の樹脂硬化物の電子顕微鏡写真である。
光造形などの造形用途に利用される光硬化性樹脂組成物には、樹脂硬化物の物性の他に、即硬化性、硬化の際の低収縮性、形状における高精度なども求められる。また、近年では、光造形用途には、液状の光硬化性樹脂組成物が多用されている。しかし、硬化速度を高めると、特に液状の光硬化性組成物では、硬化により得られるポリマーに歪みが生じ易い。ポリマーに歪みが生じると、ポリマーが脆くなり、靱性が低下する。また、靱性を高めようとすると、ポリマーの柔軟性を高くする必要が生じるが、ポリマーの強度は低下する。
一般的な熱可塑性の成形材料では、靱性と強度とを両立する観点から、複数のポリマー材料をアロイ化する技術や、ポリマー材料中にゴム粒子を分散させる技術などが検討されている。このような技術を利用した成形材料は、射出成形などの成形用途には適している。しかし、このような成形材料は、微細な形状の再現性や高い精度の成形性を確保することが難しく、光造形などの造形用途には適さない。また、ゴム粒子は凝集し易く、マトリックス中に微分散させることが難しいため、高い靱性を確保することは難しい。また、ゴム粒子を分散させた材料は、高粘度になり易く、インクジェット方式の造形装置に用いると、高粘度と凝集したゴム粒子により、ヘッド詰まりを起こす。
[光硬化性樹脂組成物]
本発明の一局面に係る光硬化性樹脂組成物は、液状の組成物であり、硬化によりガラス相を形成する第1反応性化合物と、第1反応性化合物と相溶するとともに、硬化によりゴム相を形成する第2反応性化合物と、光重合開始剤と、を含む。第1反応性化合物は、少なくとも反応性モノマーを含み、第2反応性化合物は、少なくとも反応性オリゴマーを含む。ここで、第1反応性化合物のハンセン溶解度パラメータ(HSP)の極性項dP(dP)と第2反応性化合物のHSPの極性項dP(dP)との差が1.8以上である。
光硬化性樹脂組成物に光を作用させて光重合開始剤を活性化させると、反応性化合物のうち、分子サイズが小さいため反応性基同士が接触し易い反応性モノマーの硬化反応が速やかに進行してガラス相が形成される。また、反応性オリゴマーの硬化反応も徐々に進行して、ゴム相が形成される。このようにして、各反応性化合物の硬化反応が進行することで、ガラス相とゴム相との相分離が徐々に進行する。このような相分離は、硬化反応の進行に伴って、スピノーダル分解が誘起されて起こるものであり、一般に、反応誘起型相分離と呼ばれる。上記局面では、光硬化性樹脂組成物を相溶状態で液状とするとともに、HSPの極性項dPの差が1.8以上の第1反応性化合物および第2反応性化合物を組み合わせる。そのため、相溶状態からガラス相およびゴム相のそれぞれが形成される硬化反応の進行状態を、制御することができるとともに、分子レベルで最適化することができる。これにより、ガラス相による高い強度と、ゴム相による高い靱性との双方が得られる相分離構造が形成される。このようにして、光硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物における高い強度と高い靱性とを両立することができる。
一般に、熱可塑性樹脂のアロイまたはブレンドでは、ナノサイズにゴム相を微分散させると高い靱性が得られると考えられている。それに対し、上記局面によれば、ゴム相が微分散された状態であることを示す透明な樹脂硬化物の靱性は低く、ゴム相がある程度大きいと考えられる濁った色の樹脂硬化物の靱性は高くなる。つまり、光硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物では、ゴム相が微分散されすぎると靱性が低下する。光硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物において靱性が増減するメカニズムの詳細は定かではないが、相分離構造が靱性に及ぼす作用の挙動は、熱可塑性樹脂の場合とは明らかに異なる。
光硬化性樹脂組成物は、室温(具体的には、20℃以上35℃以下の温度)で液状である(つまり、流動性を有する)。光硬化性樹脂組成物が室温で液状であることで、3Dプリンタなどを用いて容易に光造形することができる。25℃における光硬化性樹脂組成物の粘度は、例えば、5000mPa・s以下であり、1000mPa・s以下であってもよく、500mPa・s以下であってもよい。25℃における光硬化性樹脂組成物の粘度は、50mPa・s以上であってもよい。
本明細書中、光硬化性樹脂組成物の粘度は、例えば、コーンプレート型のE型粘度計を用いて、100rpmの回転速度で測定したものとすることができる。
第1反応性化合物および第2反応性化合物における「反応性」とは、光重合開始剤を利用する硬化反応に関与する反応性基を有するものであることを意味する。
反応性化合物には、反応性モノマー、および反応性オリゴマーが含まれる。反応性オリゴマーとは、少なくとも、構成モノマーユニットの繰り返し部分(繰り返し数は2以上)を含むものを言い、反応性モノマーと区別される。
硬化によりガラス相を形成する第1反応性化合物は、第1反応性化合物を硬化させた樹脂硬化物のガラス転移点(Tg)が0℃以上であるものである。硬化によりゴム相を形成する第2反応生成物は、第2反応性化合物を硬化させた樹脂硬化物のTgが0℃未満であるものである。第1反応性化合物および第2反応性化合物は、それぞれ、一種の化合物であってもよく、二種以上の化合物であってもよい。個々の化合物の樹脂硬化物のTgが0℃以上であれば、第1反応性化合物に分類され、0℃未満であれば、第2反応性化合物に分類される。
反応性化合物の樹脂硬化物のTgは、例えば、1つの反応性化合物の樹脂硬化物について、市販の動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて測定されるTgである。Tgは、光硬化性樹脂組成物から分離した反応性化合物を硬化させた樹脂硬化物について測定してもよく、光硬化性樹脂組成物から反応性化合物を同定し、別途準備した同じ化合物を硬化させた樹脂硬化物について測定してもよい。同じ化合物の入手が難しい場合には、類似の構造を有する化合物を用いて測定したTgを、上記の反応性化合物の樹脂硬化物のTgとしてもよい。また、反応性化合物の樹脂硬化物のTgは、光硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物のTgを低温側から高温側(例えば、−100℃から+200℃)まで昇温しながら粘弾性を測定したときのtanδが極大となるピーク(トップピーク)から求めることもできる。例えば、一種の第1反応性化合物と一種の第2反応性化合物とを用いる場合には、光硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物のTgから各反応性化合物の樹脂硬化物のTgを求めることができる。なお、光硬化性樹脂組成物からの反応性化合物の分離は、例えば、遠心分離、抽出、晶析、カラムクロマトグラフィー、および/または再結晶などの公知の分離法を利用して行うことができる。反応性化合物の同定は、例えば、光硬化性樹脂組成物を、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、および/またはマススペクトルなどを用いて分析することにより行うことができる。
溶解度パラメータは、物質間の親和性の尺度を表すものであり、HSPは、分散項dD、極性項dP、および水素結合項dHの三次元的なベクトルで表される。本明細書中、第1反応性化合物の極性項dPを、dP、第2反応性化合物の極性項dPを、dPと表す。第1反応性化合物が2種以上の反応性化合物を含む場合、dPは、個々の反応性化合物のdPおよび質量比率から求められる混合物としての第1反応性化合物の極性項dPである。同様に、第2反応性化合物が2種以上の反応性化合物を含む場合、dP2は、個々の反応性化合物のdPおよび質量比率から求められる混合物としての第2反応性化合物の極性項dPである。
個々の反応性化合物の分散項dD、極性項dP、および水素結合項dHは、以下の手順で求めることができる。
まず、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、および/またはマススペクトルなどを用いて光硬化性樹脂組成物を分析し、反応性化合物の種類と質量比率を求める。同定した反応化合物と同じ化合物を別途準備し、上記と同様にして樹脂硬化物のTgを求め、第1反応性化合物と第2反応性化合物とに区分する。反応性化合物の種類と質量比率から、HSP計算ソフトウェアHSPiP(HSPおよびHSPiPの公式サイトより入手可能)を用いて個々の反応性化合物のHSP(分散項dD、極性項dP、および水素結合項dH)を求める。
HSPは、HSPiPのデータベースを用いて計算してもよい。また、データベースに存在しない反応性化合物のHSPについては、別途準備した個々の反応性化合物の、表1に示す全ての媒体に対するそれぞれの溶解性を試験することにより求められる。なお、表1中、v/vが付された数値の比は、2種の媒体の混合比(体積比)を示す。
反応性化合物のHSPは、具体的には、次のようにして求められる。反応性化合物を表1の各媒体中に、濃度が0.1質量%となるように添加し、ローラー型シェーカーまたはスクリュー管を用いて室温(例えば25℃)で10分攪拌する。攪拌後、室温(例えば25℃)で1時間静置して、反応性化合物が沈殿していれば0とし、分散または溶解していれば1とする。各媒体のHSP(つまり、分散項dD、極性項dP、および水素結合項dH)を三次元的にプロットし、反応性化合物が分散または溶解している媒体のHSP分布から、ハンセンの溶解球と呼ばれる球を作成し、この球の中心座標を求める。中心座標を反応性化合物のHSPとして、個々の反応性化合物の分散項dD、極性項dP、および水素結合項dHをそれぞれ求めることができる。
極性項dPは、通常、極性項dPよりも大きい。従って、極性項dPと極性項dPとの差とは、dP−dPを意味する。
第1反応性化合物のHSPの極性項dPと第2反応性化合物のHSPの極性項dPとの差は、1.8以上であればよく、2.0以上であることが好ましい。極性項の差が、1.8未満である場合、光硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物において、強度は確保できるものの、靱性が極めて低くなる。これは、得られる樹脂硬化物が透明であることからも類推されるように、第1反応性化合物と第2反応性化合物とが相溶した状態で硬化反応が進行してしまい、相分離構造の形成が不十分であることによるものと考えられる。より均一な液状の光硬化性樹脂組成物が得られるとともに、硬化後は良好な相分離状態が得られ易い観点から、極性項の差は、10以下であることが好ましく、7以下がより好ましく、5以下がさらに好ましい。極性項の差がこのような範囲である場合、靱性をさらに高めることができる。なお、これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。
第1反応性化合物のHSPの極性項dPと第2反応性化合物のHSPの極性項dPとの差は、1.8以上(または2.0以上)10以下、1.8以上(または2.0以上)7以下、あるいは1.8以上(または2.0以上)5以下であってもよい。
第1反応性化合物のHSPの分散項dDと第2反応性化合物のHSPの分散項dDとの差(差の絶対値)は、特に制限されないが、例えば、0.1以上10以下であり、0.1以上5以下であってもよく、0.5以上2以下であってもよい。第1反応性化合物のHSPの水素結合項dHと第2反応性化合物のHSPの水素結合項dHとの差(差の絶対値)は、特に制限されないが、例えば、0.1以上15以下であり、1以上10以下であってもよく、4.5以上10以下であってもよい。
以下に、光硬化性樹脂組成物の構成についてより具体的に説明する。
(第1反応性化合物)
第1反応性化合物は、少なくとも反応性モノマー(以下、第1反応性モノマーと称する。)を含み、硬化によりガラス相を形成できればよい。
第1反応性化合物の樹脂硬化物(より具体的には、第1反応性化合物を構成する個々の反応性化合物の樹脂硬化物)のTgは、0℃以上であればよく、5℃以上または10℃以上であってもよく、50℃以上であってもよい。第1反応性化合物は、樹脂硬化物のTgが、例えば、50℃以上または60℃以上(好ましくは70℃以上または80℃以上)である化合物(反応性化合物1A)を少なくとも含むことが好ましい。反応性化合物1Aを用いることで、光硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物の強度をさらに高めることができる。より高い強度が得られる観点からは、樹脂硬化物のTgが50℃未満である反応性化合物(反応性化合物1B)を用いる場合には、反応性化合物1Aと組み合わせて用いることが好ましい。反応性化合物1Aおよび反応性化合物1Bはそれぞれ一種用いてもよく、二種以上用いてもよい。
第1反応性化合物の極性項dPは、個々の第1反応性化合物の極性項dPおよび比率で決定される。そのため、個々の第1反応性化合物は、(dP−dP)が上記の範囲となるような極性項dPを有するものを選択すればよい。個々の第1反応性化合物の極性項dPは、例えば、1以上25以下の範囲から選択でき、3以上20以下であってもよく、4以上20以下または5以上18以下であってもよい。異なる極性項dPを有する反応性化合物を2種以上組み合わせると、極性項dPを調節し易くなり、相分離構造を最適化し易くなるとともに、Tgの調節も容易になる。
第1反応性化合物が有する反応性基(以下、第1反応性基とも言う。)としては、光の作用により開始剤から発生したラジカル、カチオン、またはアニオンなどにより反応または相互作用可能な官能基が挙げられる。第1反応性基としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などの重合性炭素−炭素不飽和結合を有する基などが好ましい。
第1反応性基のうち、アクリロイル基およびメタクリロイル基などのラジカル重合性の官能基が好ましい。なお、本明細書中、アクリロイル基およびメタクリロイル基を、(メタ)アクリロイル基と総称する場合がある。(メタ)アクリロイル基を有する反応性化合物と、他の第1反応性基(ビニル基および/またはアリル基など)を有する反応性化合物とを組み合わせてもよい。
少なくとも(メタ)アクリロイル基を含む(より具体的には、(メタ)アクリロイル基を有する反応性化合物を少なくとも含む)第1反応性化合物と、少なくとも(メタ)アクリロイル基を含む(より具体的には、(メタ)アクリロイル基を有する反応性化合物を少なくとも含む)第2反応性化合物とは、相溶性に優れるため、光硬化性樹脂組成物中により均一に微分散し易い。そのため、このような反応性化合物を組み合わせると、相分離構造の最適化がさらに容易になり、高い靱性と高い強度とを両立する上でより有利である。
第1反応性化合物としては、第1反応性モノマーの他、反応性オリゴマー(以下、第1反応性オリゴマーと称する。)を用いることもできる。第1反応性モノマーは、一種であってもよく、二種以上であってもよい。相分離構造を最適化し易い観点からは、少なくとも第1反応性モノマーを用いればよく、第1反応性モノマーと第1反応性オリゴマーとを用いる場合も好ましい。第1反応性モノマーと第1反応性オリゴマーとを組み合わせると、極性項dPの調節もより容易になり、ゴム相とガラス相とをバランスよく形成し易く、相分離構造の最適化がさらに容易になる。また、第1反応性オリゴマーを用いることで、より高い強度が得られるとともに、硬化速度を高め易い。
(第1反応性モノマー)
第1反応性モノマーは、単官能の反応性モノマーであってもよく、多官能の反応性モノマーであってもよく、単官能の反応性モノマーと多官能の反応性モノマーとの組み合わせであってもよい。
単官能の反応性モノマーとしては、例えば、ビニル系モノマー、アリル系モノマー、アクリル系モノマーなどが挙げられる。ビニル系モノマーとしては、ビニル基を有するモノマー、例えば、一価アルコールのビニルエーテル、芳香族ビニルモノマー(スチレンなど)、脂環族ビニルモノマー、ビニル基を有する複素環化合物(N−ビニルピロリドンなど)などが例示できる。アリル系モノマーとしては、アリル基を有するモノマー、例えば、一価アルコールのアリルエーテルなどが挙げられる。アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー、例えば、一価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、窒素含有化合物と(メタ)アクリル酸との酸アミド、(メタ)アクリル酸などが挙げられる。なお、アクリル酸およびメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と総称する。アクリル酸エステル(またはアクリレート)およびメタクリル酸(またはメタクリレート)を、(メタ)アクリル酸エステル(または(メタ)アクリレート)と総称する。
一価アルコールは、脂肪族アルコール、脂環式アルコール、芳香族アルコールのいずれであってもよい。脂肪族アルコールは、芳香環、脂肪族環、または複素環を有してもよい。脂肪族環は、架橋環であってもよい。脂肪族アルコールとしては、例えば、アルキルアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−ヒドロキシプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ノニルアルコール、イソノニルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコールなどのC1−20アルキルアルコールなど)、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フタル酸とエチレングリコールとのモノエステル、フェノキシエチルアルコール、シクロヘキサンメタノールなどが挙げられる。脂環式アルコールとしては、シクロヘキサノール、メントール、ボルネオール、イソボルネオール、ジシクロペンタニルアルコールなどの脂環式C5−20アルコール(脂環式C5−10アルコールなど)などが挙げられる。芳香族アルコールとしては、フェノール、ナフトールなどの芳香族C6−10アルコールなどが挙げられる。複素環式アルコールとしては、例えば、窒素、酸素、および/または硫黄などを環の構成原子として含む複素環基(4員以上8員以下の複素環基など)を有する脂肪族アルコール(C1−4脂肪族アルコールなど)が挙げられる。複素環式アルコールとしては、例えば、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコールなどが例示できる。(メタ)アクリル酸と酸アミドを構成する窒素含有化合物としては、脂肪族アミン(トリエチルアミン、エタノールアミンなど)、脂環式アミン(シクロヘキシルアミンなど)、芳香族アミン(アニリンなど)、窒素含有環状化合物などが挙げられる。窒素含有環状化合物としては、ピロール、ピロリジン、ピペリジン、ピリミジン、モルホリン、チアジンなどが挙げられる。窒素含有環状化合物は、5員環以上8員環以下が好ましく、5環や6員環であってもよい。
多官能の反応性モノマーとしては、第1反応性基を2個以上有するものが使用できる。第1反応性基の個数は、例えば、2個以上4個以下であり、2個または3個であってもよい。多官能の反応性モノマーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
多官能の反応性モノマーとしては、例えば、ポリオールの少なくとも2つのヒドロキシ基が、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、アクリロイルオキシ基、およびメタクリロイルオキシ基からなる群より選択される少なくとも一種で置き換わった化合物が挙げられる。ポリオールは、脂肪族ポリオール(アルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、糖アルコールなど)、脂環式ポリオール(ジヒドロキシシクロヘキサンなど)、芳香族ポリオール(ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレンなど)のいずれであってもよい。アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオールなどのC2−10アルキレングリコールが挙げられる。脂肪族ポリオールには、芳香環、脂肪族環、または複素環(酸素、窒素、および/または硫黄を環の構成元素として含む4員以上8員以下の複素環など)を有するものも含まれる。このような脂肪族ポリオールとしては、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ベンゼンジメタノールなどが例示できる。また、多官能の反応性モノマーとしては、少なくとも2つの第1反応性基を有するエーテルを用いてもよい。
高い強度が得られやすく、硬化の際の歪みが少ない観点からは、第1反応性モノマーが脂肪族環、複素環(上記窒素含有環も含む)などを有することが好ましい。具体的には、ビニル基を有する複素環化合物、脂環式アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、複素環式アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、窒素含有環状化合物と(メタ)アクリル酸との酸アミドを第1反応性モノマーとして用いることが好ましい。
第1反応性モノマーは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
二種以上の第1反応性モノマーを用いる場合、各第1反応性モノマーの極性項dPは同じであってもよく、異なるdP値を有するものを組み合わせてもよい。組み合わせる第1反応性モノマーの極性項dPが近い方が第1反応性モノマーの硬化反応が進行し易いが、各第2反応性化合物の極性項dPに応じて、第1反応性モノマーの極性項dPを選択すればよい。また、第1反応性オリゴマーを用いる場合には、第1反応性モノマーの極性項dPは、第1反応性オリゴマーの極性項dPに応じて選択される。また、二種以上の第1反応性モノマーを用いる場合には、樹脂硬化物のTgが所望の範囲となるように、第1反応性モノマーを選択してもよい。
相分離構造をより最適化し易い観点からは、少なくとも単官能の反応性モノマーを含む第1反応性モノマーを用いることが好ましい。第1反応性モノマー中の単官能の反応性モノマーの割合は、例えば、90質量%以上であり、95質量%以上であってもよい。第1反応性モノマーとして単官能の反応性モノマーのみを用いてもよい。
第1反応性化合物および第2反応性化合物の総量に占める第1反応性モノマーの割合は、例えば、40質量%以上であり、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがさらに好ましい。第1反応性モノマーの割合がこのような範囲である場合、相分離構造をより最適化し易く、靱性と強度とのバランスに優れる樹脂硬化物がより容易に得られる。第1反応性モノマーの割合は、例えば、85質量%以下であり、80質量%以下が好ましい。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。
第1反応性化合物および第2反応性化合物の総量に占める第1反応性モノマーの割合は、40質量%以上85質量%以下(または80質量%以下)、50質量%以上85質量%以下(または80質量%以下)、あるいは55質量%以上85質量%以下(または80質量%以下)であってもよい。
(第1反応性オリゴマー)
第1反応性オリゴマーは、第1反応性基を1つ有する単官能のオリゴマーであってもよく、2つ以上の第1反応性基を有する多官能のオリゴマーであってもよい。多官能のオリゴマーにおいて、第1反応性基の個数は、例えば、2個以上8個以下であり、2個以上4個以下であってもよく、2個または3個であってもよい。
第1反応性オリゴマーは、(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーを含むことが好ましい。第1反応性オリゴマーのうち、(メタ)アクリロイル基を有する反応性オリゴマーの含有量は、例えば、90質量%以上であり、95質量%以上であることが好ましく、第1反応性オリゴマーを、(メタ)アクリロイル基を有する反応性オリゴマーのみで構成してもよい。
第1反応性オリゴマーとしては、第1反応性基を有し、かつ樹脂硬化物のTgが0℃以上であるものが使用される。このような第1反応性オリゴマーとしては、例えば、オリゴマータイプのポリオールの(メタ)アクリレートが好ましい。第1反応性オリゴマーは、ビスフェノール類の(メタ)アクリレート、水添ビスフェノール類の(メタ)アクリレートも含むものとする。オリゴマータイプのポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリエステルウレタンポリオール、ポリエーテルウレタンポリオールなどが挙げられる。樹脂硬化物の高い強度を確保し易く、第1反応性モノマーと反応し易いことに加え、極性項dPを調節し易い観点からは、ポリオールは、非芳香族性のポリオールであることが好ましい。第1反応性オリゴマーとしては、アルケマ社製のウレタンアクリレートオリゴマーであるCN983NSおよびCN9893NSなどを用いてもよい。また、ダイセル・オルネクス(株)製のウレタンアクリレートオリゴマーであるEBECRYL8811などを使用してもよい。
第1反応性オリゴマーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
二種以上の第1反応性オリゴマーを用いる場合、各第1反応性オリゴマーの極性項dPは同じであってもよく、異なるdP値を有するものを組み合わせてもよい。各第2反応性化合物の極性項dPに応じて、第1反応性オリゴマーの極性項dPを選択できる。また、二種以上の第1反応性オリゴマーを用いる場合には、樹脂硬化物のTgが所望の範囲となるように、第1反応性オリゴマーを選択してもよい。
第1反応性オリゴマーの極性項dPは、第2反応性化合物の極性項dP、および第1反応性モノマーの極性項dPに応じて選択される。個々の第1反応性オリゴマーの極性項dPは、例えば、3以上であってもよく、5以上であってもよいが、10以上であることが好ましく、12以上であることがさらに好ましい。第1反応性オリゴマーの極性項dPがこのような範囲である場合、極性項dPと極性項dPとの差を調節し易く、相分離構造を制御し易い。個々の第1反応性オリゴマーの極性項dPは、例えば、25以下であり、20以下が好ましい。第1反応性オリゴマーの極性項dPがこのような範囲である場合、第1反応性モノマーおよび第2反応性化合物と相溶し易く、相分離構造の最適化がより容易になる。
個々の第1反応性オリゴマーの極性項dPは、3以上25以下(または20以下)、5以上25以下(または20以下)、10以上25以下(または20以下)、あるいは12以上25以下(または20以下)であってもよい。
第1反応性オリゴマーの重量平均分子量Mwは、例えば、40,000以下であり、30,000以下であってもよいが、10,000未満が好ましく、5,000未満がより好ましい。Mwがこのような範囲である場合、第1反応性モノマーとの高い相溶性を確保し易く、光硬化性組成物の粘度を低く保ち易い。第1反応性オリゴマーのMwは、例えば、500以上であり、1,000以上であることが好ましい。Mwがこのような範囲である場合、ガラス相を形成し易く、高い強度が得られ易いことに加え、硬化速度を高め易い。これらの上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。
第1反応性オリゴマーのMwは、500以上(または1,000以上)40,000以下、500以上(または1,000以上)30,000以下、500以上(または1,000以上)10,000未満、あるいは500以上(または1,000以上)5,000未満であってもよい。
本明細書中、重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
第1オリゴマーのMwは、例えば、以下の手順で求められる。
第1オリゴマーを溶媒に溶解させて測定用試料を調製する。溶媒は、第1オリゴマーの種類に応じて、第1オリゴマーを溶解可能な液状媒体から選択される。測定用試料を用いて下記の条件でGPCを測定し、Mwを求める。
装置:SHODEX社製、SYSTEM−21H
検出器:RI検出器
移動相:テトラヒドロフラン
流量:1mL/分
カラム:SHODEX社製、 KD−806M(×3本)
カラム温度:40℃
基準物質:標準ポリスチレン(Mw=65000、5780、589)
なお、Mwは、通常、光硬化性樹脂組成物に用いられる第1オリゴマーについて測定される。しかし、第1オリゴマーの入手が難しい場合には、公知の分離方法および精製方法などにより光硬化性樹脂組成物から第1オリゴマーを分離し、Mwを求めればよい。
第1反応性化合物および第2反応性化合物の総量に占める第1反応性オリゴマーの割合は、例えば、1質量%以上であり、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。第1反応性オリゴマーの割合がこのような範囲である場合、ガラス相を形成し易く、高い強度が得られ易いことに加え、硬化速度を高め易い。第1反応性オリゴマーの割合は、例えば、30質量%以下であり、25質量%以下または20質量%以下であってもよい。第1反応性オリゴマーの割合がこのような範囲である場合、第1反応性モノマーとの高い相溶性を確保し易く、光硬化性組成物の粘度を低く保ち易い。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。
上記第1反応性オリゴマーの割合は、例えば、1質量%以上30質量%以下、1質量%以上25質量%以下、1質量%以上20質量%以下、5(または10)質量%以上30質量%以下、5(または10)質量%以上25質量%以下、もしくは5(または10)質量%以上20質量%以下であってもよい。
(第2反応性化合物)
第2反応性化合物は、少なくとも反応性オリゴマー(以下、第2反応性オリゴマーと称する。)を含み、硬化によりゴム相を形成できればよい。
第2反応性化合物(より具体的には、第2反応性化合物を構成する個々の反応性化合物の樹脂硬化物)のTgは、0℃未満であればよく、−10℃以下であってもよく、−20℃以下であってもよく、−50℃以下であってもよい。Tgの下限は、特に制限されないが、例えば、−80℃以上であり、−70℃以上であることが好ましい。これらの上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。Tgがこのような範囲である場合、光硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物に高い靱性を付与できるゴム相が形成されやすい。
第2反応性化合物のTgは、−80℃以上(または−70℃以上)0℃未満、−80℃以上(または−70℃以上)−10℃以下、−80℃以上(または−70℃以上)−20℃以下、あるいは−80℃以上(または−70℃以上)−50℃以下であってもよい。
第2反応性化合物の極性項dPは、個々の第2反応性化合物の極性項dPおよび比率で決定される。そのため、個々の第2反応性化合物は、第1反応性化合物の極性項dPに応じて、(dP−dP)が上記の範囲となるような極性項dPを有するものを選択すればよい。個々の第2反応性化合物の極性項dPは、例えば、1以上10以下であり、3以上8以下または5以上8以下であってもよい。第2反応性化合物の極性項dPがこのような範囲である場合、第1反応性化合物との高い相溶性を確保し易いことに加え、光硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物に高い靱性を付与できるゴム相が形成され易い。また、極性項dPと極性項dPとの差を調節し易く、相分離構造の最適化がより容易になる。
第2反応性化合物が有する反応性基(以下、第2反応性基とも言う。)としては、光の作用により開始剤から発生したラジカル、カチオン、またはアニオンなどにより反応または相互作用可能な官能基が挙げられる。第2反応性基は、例えば、第1反応性基について記載したものから選択される。第2反応性基のうち、(メタ)アクリロイル基などのラジカル重合性の官能基が好ましい。必要に応じて、(メタ)アクリロイル基を有する反応性化合物と、他の第2反応性基(ビニル基および/またはアリル基など)を有する反応性化合物とを組み合わせてもよい。
第2反応性化合物としては、第2反応性オリゴマーの他、反応性モノマー(以下、第2反応性モノマーと称する。)を用いることもできる。第2反応性化合物としては、第2反応性基を有し、かつ樹脂硬化物のTgが0℃未満であるものが好ましい。
第2反応性化合物は、第2反応性基を1つ有する単官能の化合物であってもよく、2つ以上の第2反応性基を有する多官能の化合物であってもよい。多官能の第2反応性化合物において、第2反応性基の個数は、例えば、2個以上8個以下であり、2個以上4個以下であってもよく、2個または3個であってもよい。
初期の第1反応性モノマーとの硬化反応の進行を抑制して、ガラス相と相分離するゴム相を形成するには、第2反応性化合物に占める第2反応性オリゴマーの比率が多い方が好ましい。第2反応性化合物に占める第2反応性オリゴマーの比率は、例えば、90質量%以上であり、95質量%以上であることが好ましい。第2反応性化合物を第2反応性オリゴマーのみで構成してもよい。
第2反応性オリゴマーは、(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーを含むことが好ましい。第2反応性オリゴマーのうち、(メタ)アクリロイル基を有する反応性オリゴマーの含有量は、例えば、90質量%以上であり、95質量%以上であることが好ましく、第2反応性オリゴマーを、(メタ)アクリロイル基を有する反応性オリゴマーのみで構成してもよい。
第2反応性モノマーとしては、例えば、イソオクチルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、アルコキシ化ラウリルアクリレートなどの脂肪族アルコール(例えば、C8−14脂肪族アルコール)の(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリルアクリレート、アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレートなどの複素環式アルコールの(メタ)アクリレートなどが挙げられる。第2反応性モノマーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
第2反応性オリゴマーとしては、例えば、オリゴマータイプのポリオールの(メタ)アクリレートが好ましい。オリゴマータイプのポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリエステルウレタンポリオール、ポリエーテルウレタンポリオールなどが挙げられる。樹脂硬化物の高い靱性を確保し易く、極性項dPを調節し易い観点からは、ポリオールは、非芳香族性のポリオールであることが好ましい。第2反応性オリゴマーとしては、アルケマ社製のウレタンアクリレートオリゴマーであるCN966などを用いてもよい。また、ダイセル・オルネクス(株)製のウレタンアクリレートオリゴマーであるEBECRYL270などを使用してもよい。
第2反応性オリゴマーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
第2反応性オリゴマーの重量平均分子量Mwは、例えば、40,000以下であり、30,000以下であってもよいが、10,000未満が好ましく、5,000未満がより好ましい。Mwがこのような範囲である場合、第1反応性化合物との高い相溶性を確保し易く、光硬化性組成物の粘度を低く保ち易い。第2反応性オリゴマーのMwは、例えば、500以上であり、1,000以上であることが好ましい。Mwがこのような範囲である場合、ゴム相を形成し易く、高い靱性が得られ易い。これらの上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。
第2反応性オリゴマーのMwは、500以上(または1,000以上)40,000以下、500以上(または1,000以上)30,000以下、500以上(または1,000以上)10,000未満、あるいは500以上(または1,000以上)5,000未満であってもよい。
第2反応性オリゴマーのMwは、第1反応性オリゴマーの場合に準じて測定できる。
第2反応性化合物としては、一種の反応性化合物を用いてもよく、二種以上の反応性化合物を用いてもよい。二種以上の第2反応性化合物を用いる場合、各第2反応性化合物の極性項dPは同じであってもよく、異なるdP値を有するものを組み合わせてもよい。各第1反応性化合物の極性項dPに応じて、第2反応性化合物の極性項dPを選択できる。また、二種以上の第2反応性化合物を用いる場合には、樹脂硬化物のTgが所望の範囲となるように、第2反応性化合物を選択してもよい。
第1反応性化合物および第2反応性化合物の総量に占める第2反応性化合物の割合は、例えば、15質量%以上であり、17質量%以上が好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。第2反応性化合物の割合がこのような範囲である場合、光硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物に高い靱性を付与できるゴム相が形成され易い。第2反応性化合物の割合は、例えば、35質量%以下であり、30質量%以下であってもよい。第2反応性化合物の割合がこのように少なくても高い靱性が得られるとともに、第1反応性化合物との高い相溶性を確保し易く、光硬化性組成物の粘度を低く保ち易い。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。
第1反応性化合物および第2反応性化合物の総量に占める第2反応性化合物の割合は、15質量%以上35質量%以下(または30質量%以下)、17質量%以上35質量%以下(または30質量%以下)、あるいは20質量%以上35質量%以下(または30質量%以下)であってもよい。
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、光の作用により活性化して、光硬化性樹脂組成物の硬化(具体的には重合)を開始させるものが使用される。このような光重合開始剤は、光反応開始剤と呼ばれることもある。
光重合開始剤としては、例えば、光の作用によりラジカルを発生するラジカル重合開始剤のほか、光の作用により酸(またはカチオン)や塩基(またはアニオン)を生成するもの(具体的には、カチオン発生剤やアニオン発生剤)が挙げられる。光重合開始剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。光重合開始剤は、第1反応性基および第2反応性基のタイプ(例えば、ラジカル重合性であるか、カチオン重合性であるか)などに応じて選択される。ラジカル重合開始剤としては、例えば、アルキルフェノン系重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系重合開始剤などが挙げられる。
アルキルフェノン系重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(BASF社、IRGACURE 651)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASF社、IRGACURE 184)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社、IRGACURE 1173)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(BASF社、IRGACURE 2959)、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(BASF社、IRGACURE 127)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASF社、IRGACURE 907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(BASF社、IRGACURE 369E)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(BASF社、IRGACURE 379EG)などが挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系重合開始剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASF社、IRGACURE TPO)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社、IRGACURE 819)などが挙げられる。
(その他)
光硬化性樹脂組成物は、さらに、その他の公知の光硬化性樹脂などを含んでもよい。また、光硬化性樹脂組成物は、公知の添加剤を含むことができる。
光硬化性樹脂組成物の50℃における粘度は、例えば、300mPa以下であり、100mPa・s以下の低粘度とすることも可能である。このように、光硬化性樹脂組成物は、比較的低粘度であり、インクジェット方式の光造形にも適している。
光硬化性樹脂組成物は、構成成分を混合することにより得ることができる。光硬化性樹脂組成物は、一液硬化型であってもよく、二液硬化型であってもよい。
上記局面に係る光硬化性樹脂組成物においては、第1反応性化合物および第2反応性化合物は相溶しているが、光硬化樹脂組成物の硬化に伴って相分離してガラス相およびゴム相が形成される。第1反応性化合物のHSPの極性項dPと第2反応性化合物のHSPの極性項dPの差を制御することで、液状の光硬化性樹脂組成物中で、各反応性化合物を相溶状態で混合することができるとともに、硬化に伴って相分離構造を最適化することができる。よって、柔軟なゴム相による靱性の向上効果が効果的に発揮されるとともに、ガラス相により高い強度を確保することができる。
光硬化性樹脂組成物は、光の作用により硬化させて樹脂硬化物を得ることができるが、特に、光照射により硬化させて、二次元や三次元の光造形物(樹脂硬化物)を形成するのに適している。本発明には、光硬化性樹脂組成物を硬化させた樹脂硬化物も含まれる。また、本発明には、第1反応性化合物と、第2反応性化合物と、光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物であり、ガラス相とゴム相との相分離構造を有し、アイゾット衝撃強度が上記の範囲であり、Tgが上記の範囲である樹脂硬化物も含まれる。これらの樹脂硬化物では、高い靱性と高い強度とを両立できる。
光硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物の靱性は、例えば、アイゾット衝撃強度などで評価することができる。上記局面に係る硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物について、ASTM D256に準拠して測定されるアイゾット衝撃強度は、例えば、80J/m以上であり、100J/m以上とすることもでき、130J/m以上または200J/m以上とすることもできる。なお、アイゾット衝撃強度は、縦62mm、横12mm、厚み6mmのサイズの樹脂硬化物のサンプルについて測定される。
光硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物のTgは、例えば、60℃以上であり、70℃以上とすることもできる。樹脂硬化物のTgは、例えば、150℃以下であり、140℃以下であってもよく、120℃以下であってもよい。樹脂硬化物が、このようなTgを有する場合、実用に適した高い強度と高い耐熱性とのバランスを取りやすい。
Tgは、光硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物について、市販のDMAを用いて測定できる。
光硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物の強度は、例えば、ショアD硬度などで評価することができる。上記局面に係る光硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物のJIS K7215:1986に準拠して測定されるショアD硬度は、例えば、60以上であり、65以上が好ましい。
ショアD硬度は、例えば、縦40mm×横20mm×厚み6mmの樹脂硬化物のサンプルについて、タイプDデュロメータを用い、JIS K7215:1986に準拠して測定できる。
光硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物において、ガラス相とゴム相とは、海島構造および共連続相構造からなる群より選択される少なくとも一種の相分離構造を形成していることが好ましい。この場合、優れた靱性と高い強度とをバランスよく得ることができる。
海島構造は、ゴム相がガラス相中に分散した構造、およびガラス相がゴム相中に分散した構造のいずれであってもよい。海島構造における分散相(島)の平均粒子径は、例えば、800nm以上であり、1μm以上であってもよい。島の平均粒子径は、例えば、5μm以下であり、3μm以下または2μm以下が好ましい。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。島の平均粒子径は、相溶状態から成長したこのようなサイズのゴム相(またはガラス相)がガラス相(またはゴム相)中により均一に分散された状態が形成されるため、高い靱性および高い強度の双方を確保し易くなる。
海島構造における分散相(島)の平均粒子径は、800nm以上(または1μm以上)5μm以下、800nm以上(または1μm以上)3μm以下、あるいは800nm以上(または1μm以上)2μm以下であってもよい。
島の平均粒子径は、例えば、樹脂硬化物の断面の電子顕微鏡写真について画像解析ソフト(例えば、旭化成エンジニアリング(株)製「A像くん」)を用いて求めることができる。また、電子顕微鏡写真において、任意の10個の島を選択し、各島の外縁で囲まれた領域の面積と同じ面積の円の直径を求め、平均化することにより求めてもよい。
光硬化性樹脂組成物は、様々な造形方法により、二次元や三次元などの造形物(またはパターン)を形成することができ、特に、光造形に適している。光硬化性樹脂組成物は、室温で液状であるため、例えば、バット方式の光造形に用いてもよく、インクジェット式の光造形に用いてもよい。
三次元の光造形物は、例えば、光硬化性樹脂組成物の液膜を形成し、液膜を硬化させてパターンを形成する工程(i)と、パターンに接するように別の液膜を形成する工程(ii)と、パターン上の別の液膜を硬化させて別のパターンを積層する工程(iii)と、を含む製造方法により製造できる。
以下にバット式の光造形の手順について例示する。
図1は、樹脂槽(バット)を備える光造形装置(パターニング装置)を用いて三次元造形物を形成する場合の一例である。図示例では、吊り下げ方式の造形について示したが、光硬化性樹脂組成物を用いて三次元光造形することができる方法であれば特に制限されない。また、光照射(露光)の方式についても特に制限されず、点露光でも、面露光でもよい。
パターニング装置1は、パターン形成面2aを備えるプラットフォーム2と、光硬化性樹脂組成物5を収容した樹脂槽3と、面露光方式の光源としてのプロジェクタ4とを備える。
(i)液膜を形成し、硬化させてパターンを形成する工程
工程(i)では、(a)に示すように、まず、樹脂槽3に収容された光硬化性樹脂組成物5に、プラットフォーム2のパターン形成面2aを、プロジェクタ4(つまり、樹脂槽3の底面)に向けた状態で浸漬させる。このときに、パターン形成面2aとプロジェクタ4(または樹脂槽3の底面)との間に液膜7a(液膜a)が形成されるように、パターン形成面2a(またはプラットフォーム2)の高さを調整する。次いで、(b)に示すように、プロジェクタ4から液膜7aに向けて、光Lを照射(面露光)することで、液膜7aを光硬化させてパターン8a(パターンa)を形成する。
パターニング装置1では、樹脂槽3が、光硬化性樹脂組成物5の供給ユニットとしての役割を有する。液膜に光源から光が照射されるように、樹脂槽の少なくとも、液膜とプロジェクタ4との間に存在する部分(図示例では、底面)は露光波長に対して透明であることが望ましい。プラットフォーム2の形状、材質、およびサイズなどは特に制限されない。
液膜aを形成した後、光源から液膜aに向かって光照射することにより、液膜aを光硬化させる。光照射は、公知の方法で行うことができる。図1では、面露光方式の場合を例に挙げたが、露光方式については特に制限されず、点露光でも、面露光でもよい。光源としては、光硬化に使用される公知の光源が使用できる。点露光方式の場合には、例えば、プロッター式、ガルバノレーザ(またはガルバノスキャナ)方式、SLA(ステレオリソグラフィー)方式などが挙げられる。面露光方式の場合には、光源としてプロジェクタを用いると簡便である。プロジェクタとしては、LCD(透過型液晶)方式、LCoS(反射型液晶)方式、およびDLP(登録商標、Digital Light Processing)方式などが例示できる。露光波長は、光硬化性材料の成分の種類などに応じて適宜選択できる。
(ii)パターンaと光源との間に液膜を形成する工程
工程(ii)では、工程(i)で得られたパターンaと、光源との間に、光硬化性樹脂組成物を供給して、液膜(液膜b)を形成する。つまり、パターン形成面に形成されたパターンa上に液膜bを形成する。光硬化性樹脂組成物の供給は、工程(i)についての説明が参照できる。
例えば、工程(ii)では、図1の(c)に示すように、二次元パターン8a(二次元パターンa)を形成した後、パターン形成面2aをプラットフォーム2ごと上昇させてもよい。そして、二次元パターン8aと樹脂槽3の底面との間に光硬化性樹脂組成物5を供給することにより、液膜7b(液膜b)を形成することができる。
(iii)パターンa上に別のパターンbを積層する工程
工程(iii)では、工程(ii)で形成した液膜bに対して、光源から露光して、液膜bを光硬化させ、パターンaに別のパターン(液膜bの光硬化により得られるパターンb)を積層する。このようにパターンが厚み方向に積層されることで、三次元造形パターンを形成することができる。
例えば、図1の(d)に示すように、パターン8a(パターンa)と樹脂槽3の底面との間に形成された液膜7b(液膜b)に、プロジェクタ4から露光して、液膜7bを光硬化させる。この光硬化により、液膜7bがパターン8b(パターンb)に変換される。このようにして、パターン8aにパターン8bを積層することができる。
光源や露光波長などは、工程(i)についての記載を参照できる。
(iv)工程(ii)と工程(iii)とを繰り返す工程
第1工程は、工程(ii)と工程(iii)とを複数回繰り返す工程(iv)を含むことができる。この工程(iv)により、複数のパターンbが厚み方向に積層されることになり、さらに立体的な造形パターンが得られる。繰り返し回数は、所望する三次元造形物(三次元造形パターン)の形状やサイズなどに応じて適宜決定できる。
例えば、図1の(e)に示すように、パターン形成面2a上にパターン8a(パターンa)およびパターン8b(パターンb)が積層された状態のプラットフォーム2を上昇させる。このとき、パターン8bと樹脂槽3の底面との間に液膜7b(液膜b)が形成される。そして、図1の(f)に示すように、プロジェクタ4から液膜7bに対して露光し、液膜7bを光硬化させる。これにより、パターン8b上に別のパターン8b(パターンb)が形成される。そして、(e)と(f)とを交互に繰り返すことで、複数のパターン8b(二次元パターンb)を積層させることができる。
工程(iii)または工程(iv)で製品として得られた三次元造形パターンには、未硬化の光硬化性樹脂組成物が付着しているため、通常、溶剤による洗浄処理が施される。
工程(iii)または工程(iv)で製品として得られた三次元造形パターンには、必要に応じて、後硬化を施してもよい。後硬化は、パターンに光照射することで行うことができる。光照射の条件は、光硬化性樹脂組成物の種類や得られたパターンの硬化の程度などに応じて適宜調節できる。後硬化は、パターンの一部に対して行ってもよく、全体に対して行ってもよい。
[実施例]
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1〜6および比較例1〜3
(1)光硬化性樹脂組成物の調製
表2A、表2B、および表3Aに示す第1反応性化合物および第2反応性化合物を表3Aに示す質量比率で用いるとともに、これらの反応性化合物の総量100質量部に対して、光重合開始剤(BASF社、IRGACURE TPO)5質量部および重合禁止剤としてのメチルハイドロキノン0.05質量部を用いた。これらの成分を全て混合し、60℃で撹拌して透明で均一な液状の光硬化性樹脂組成物を調製した。
光硬化性樹脂組成物は、いずれも、25℃に冷却しても流動性を有しており、透明で均一であった。
なお、第1反応性モノマーのHSPの分散項dD、極性項dP、および水素結合項dHは、ソフトウェアのChem Drawで用いた化学構造に関するSMILES文字列を、HSP計算ソフトウェアのHSPiPのCalculate HSPに入力して計算した。
第1反応性オリゴマーおよび第2反応性オリゴマーのHSPの分散項dD、極性項dP、および水素結合項dHは、表1に示す媒体を用いて既述の手順で求めた。
(2)評価
上記(1)で得られた光硬化性樹脂組成物を用いて以下の評価を行った。
(a)粘度
E型粘度計(TVE−20H、東機産業(株))を用いて、25℃および50℃のそれぞれの温度にて、100rpmの回転速度で光硬化性樹脂組成物の粘度を測定した。
(b)アイゾッド衝撃強度および樹脂硬化物の外観
トレイに1.5mLの光硬化性樹脂組成物の液膜を流し入れて、紫外線瞬間乾燥装置(ウシオ電機(株)製、ユニキュアシステム)を用いて、50mW/cmで20秒間、露光して硬化させた。この操作を4回繰り返すことにより、縦62mm×横12mm×厚み6mmのノッチありの試験片を作製した。この試験片についてASTM D256に準拠して、ハンマー速度3.46m/sにて、アイゾッド衝撃強度を測定した。
また、試験片の外観を目視で観察した。
(c)Tg
ガラス板の一主面の四隅に厚み100μmのポリテトラフルオロエチレンシートを載せ、ガラス板の主面の中央付近に光硬化性樹脂組成物を数滴垂らし、別のガラス板を載せてクリップで挟んだ。紫外線瞬間乾燥装置(ウシオ電機(株)製、ユニキュアシステム)を用いて、50mW/cmで30秒間、光硬化性樹脂組成物に対して光照射して硬化させることによりサンプルを作製した。
得られたサンプルについて、DMA(アイティー計測制御(株)製、DVA−200)を用いて、周波数1Hz、5℃/minの昇温速度にて−100℃から+200℃まで昇温した。そして、tanδが極大(トップピーク)となる温度をTgとして求めた。
(d)ショアD硬度
上記(b)の場合に準じて、光硬化性樹脂組成物を用いて、縦40mm×横20mm×厚み6mmの硬度測定用のサンプルを作製した。このサンプルについて、タイプDデュロメータを用い、JIS K7215:1986に準拠して、ショアD硬度を測定した。
(e)分散相の平均粒子径
上記(d)の場合と同様にして、実施例1の光硬化性樹脂組成物を用いて樹脂硬化物のサンプルを作製した。サンプルの断面の電子顕微鏡写真の海島構造の相分離構造を、画像解析ソフトA像くん(旭化成エンジニアリング(株)製)を用いて解析し、島(分散相)の平均粒子径を求めた。
実施例および比較例の評価結果を表3Bに示す。表3Aには、実施例および比較例で用いた成分を示す。
表3Aおよび表3Bに示されるように、第1反応性化合物のHSPの極性項dPと第2反応性化合物のHSPの極性項dPとの差が1.8未満の比較例では、ショアD硬度は高いものの、アイゾット衝撃強度は50J/m以下であった。それに対し、極性項dPと極性項dPとの差が1.8以上の実施例では、高いショアD硬度を確保しながらも、比較例に比べて格段に高い100J/mを超えるアイゾット衝撃強度が得られている。実施例では、高いアイゾット強度を確保しながらも、ガラス層のTgは70℃以上の高い値が得られている。実施例において、高いアイゾット衝撃強度(靱性)と、高いTgまたはショアD硬度とを両立できたのは、均一な液状の光硬化性樹脂組成物において硬化反応が進行する際に、ゴム相とガラス相との相分離構造が最適化された状態で形成されたことによるものと考えられる。これは、実施例の樹脂硬化物が黄濁していたことからも推測される。実施例では、硬化反応に伴いゴム相が成長して、ゴム相とガラス相との相分離構造が最適化されたことで、透明ではない黄濁した状態となったものと考えられる。それに対し、比較例では、分離相の成長が不十分であり、最適化された状態の相分離構造が形成されなかったものと考えられる。また、実施例の光硬化性樹脂組成物は、25℃における粘度が250mPa以下と低く、液状であった。また、実施例の光硬化性樹脂組成物は、いずれも50℃における粘度が100mPa・s以下であり、インクジェット方式での光造形にも適している。
図2には、実施例1の樹脂硬化物の電子顕微鏡写真を示す。図3には、実施例4の樹脂硬化物の電子顕微鏡写真を示す。図2では、海島構造の相分離構造が確認されており、分散相であるゴム相の平均粒子径は、1.2μmであった。これは、熱可塑性樹脂のアロイやブレンドで高い靱性が得られるとされるナノサイズの分散相の粒子径よりもかなり大きく、熱可塑性樹脂の場合とは、靱性向上のメカニズムが異なると考えられる。図3では、共連続相構造の相分離構造が確認されており、この場合にも高い靱性と高い強度とを両立できることが分かる。なお、分散相がゴム相であることは、原子間力顕微鏡(AFM)の弾性率マッピングにより判断した。
本発明を現時点での好ましい実施態様に関して説明したが、そのような開示を限定的に解釈してはならない。種々の変形および改変は、上記開示を読むことによって本発明に属する技術分野における当業者には間違いなく明らかになるであろう。したがって、添付の請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、すべての変形および改変を包含する、と解釈されるべきものである。
本発明の上記局面に係る光硬化性樹脂組成物は、高い強度と高い靱性とを備える樹脂硬化物を得ることができる。そのため、光造形用途で、二次元や三次元の造形物(例えば、人工臓器や組織、フィギュアなど)を形成する材料として適している。しかし、これらの用途は、単なる例示である。光硬化性樹脂組成物またはその樹脂硬化物の用途はこれらに限定されるものではない。
1:光造形装置、2:プラットフォーム、2a:パターン形成面、3:樹脂槽、4:プロジェクタ、5:光硬化性樹脂組成物、6:離型剤層、7a:液膜a、7b:液膜b、8a:二次元パターンa、8b:二次元パターンb、L:光
本発明の一局面は、硬化によりガラス相を形成する第1反応性化合物と、
前記第1反応性化合物と相溶するとともに、硬化によりゴム相を形成する第2反応性化合物と、
光重合開始剤と、を含み、
前記第1反応性化合物は、反応性モノマーと第1反応性オリゴマーとを含み、
前記第2反応性化合物は、少なくとも第2反応性オリゴマーを含み、
前記第1反応性化合物のハンセン溶解度パラメータの極性項dP1と前記第2反応性化合物のハンセン溶解度パラメータの極性項dP2との差が2.0以上10以下である、液状の光硬化性樹脂組成物に関する。
本発明の第1局面は、硬化によりガラス相を形成する第1反応性化合物と、
前記第1反応性化合物と相溶するとともに、硬化によりゴム相を形成する第2反応性化合物と、
光重合開始剤と、を含み、
前記第1反応性化合物は、反応性モノマーと第1反応性オリゴマーとを含み、
前記第2反応性化合物は、少なくとも第2反応性オリゴマーを含み、
前記第1反応性化合物のハンセン溶解度パラメータの極性項dP1と前記第2反応性化合物のハンセン溶解度パラメータの極性項dP2との差が2.0以上10以下であり、
前記第1反応性オリゴマーは、非芳香族性ポリオールの(メタ)アクリレートを含む、液状の光硬化性樹脂組成物に関する。
本発明の第2局面は、硬化によりガラス相を形成する第1反応性化合物と、
前記第1反応性化合物と相溶するとともに、硬化によりゴム相を形成する第2反応性化合物と、
光重合開始剤と、を含み、
前記第1反応性化合物は、反応性モノマーと第1反応性オリゴマーとを含み、
前記第2反応性化合物は、少なくとも第2反応性オリゴマーを含み、
前記第1反応性化合物のハンセン溶解度パラメータの極性項dP と前記第2反応性化合物のハンセン溶解度パラメータの極性項dP との差が2.0以上10以下であり、
前記第1反応性オリゴマーは、ポリウレタンポリオールの(メタ)アクリレート、ポリエステルウレタンポリオールの(メタ)アクリレート、およびポリエーテルウレタンポリオールの(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも一種を含む、液状の光硬化性樹脂組成物に関する。
本発明の第3局面は、硬化によりガラス相を形成する第1反応性化合物と、
前記第1反応性化合物と相溶するとともに、硬化によりゴム相を形成する第2反応性化合物と、
光重合開始剤と、を含み、
前記第1反応性化合物は、反応性モノマーと第1反応性オリゴマーとを含み、
前記第2反応性化合物は、少なくとも第2反応性オリゴマーを含み、
前記第1反応性化合物のハンセン溶解度パラメータの極性項dP と前記第2反応性化合物のハンセン溶解度パラメータの極性項dP との差が2.0以上10以下であり、
前記第1反応性オリゴマーの重量平均分子量は、500以上5000未満であり、
前記第2反応性オリゴマーの重量平均分子量は、500以上5000未満である、液状の光硬化性樹脂組成物に関する。

Claims (13)

  1. 硬化によりガラス相を形成する第1反応性化合物と、
    前記第1反応性化合物と相溶するとともに、硬化によりゴム相を形成する第2反応性化合物と、
    光重合開始剤と、を含み、
    前記第1反応性化合物は、少なくとも反応性モノマーを含み、
    前記第2反応性化合物は、少なくとも反応性オリゴマーを含み、
    前記第1反応性化合物のハンセン溶解度パラメータの極性項dPと前記第2反応性化合物のハンセン溶解度パラメータの極性項dPとの差が1.8以上である、液状の光硬化性樹脂組成物。
  2. 前記第1反応性化合物は、さらに反応性オリゴマーを含む、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 前記反応性モノマーは、少なくとも単官能の反応性モノマーを含む、請求項1または2に記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. 前記極性項dPと前記極性項dPとの差は、10以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  5. 前記第1反応性化合物は、少なくとも(メタ)アクリロイル基を含み、
    前記第2反応性化合物は、少なくとも(メタ)アクリロイル基を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  6. 50℃における粘度が100mPa・s以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  7. 前記ガラス相と前記ゴム相とは、海島構造および共連続相構造からなる群より選択される少なくとも一種の相分離構造を形成する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  8. 前記光硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物について、
    ASTM D256に準拠して測定されるアイゾット衝撃強度が、100J/m以上であり、
    前記ガラス相のガラス転移点が、70℃以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  9. 前記光硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物のショアD硬度が、65以上である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物を光硬化させた樹脂硬化物。
  11. ガラス相とゴム相との相分離構造を有し、
    ASTM D256に準拠して測定されるアイゾット衝撃強度が、100J/m以上であり、
    前記ガラス相のガラス転移点が、70℃以上である、樹脂硬化物。
  12. ショアD硬度が、65以上である、請求項11に記載の樹脂硬化物。
  13. 前記相分離構造は、海島構造を含み、
    前記海島構造における島の平均粒子径は、1μm以上3μm以下である、請求項10〜12のいずれか1項に記載の樹脂硬化物。
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