JP7213660B2 - 硬化性樹脂組成物および硬化物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物および硬化物 Download PDF

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Description

本発明は、光などの作用により硬化させて硬化物を形成するための液状の硬化性樹脂組成物、および硬化により得られる硬化物に関する。
3Dプリンタなどの造形技術の発達に伴い、光造形用途に適した硬化性樹脂組成物の開発が進んでいる。
特許文献1では、ラジカル重合性有機化合物、カチオン重合性有機化合物、ラジカル重合開始剤、およびカチオン重合開始剤を含む光学的立体造形用樹脂組成物が提案されている。特許文献2では、光重合性モノマー、分子量5000~30000のポリマー、および光重合開始剤を含む3D造形用のモデル材インクが提案されている。
特開2014-234473号公報 特開2016-112823号公報
光造形用途では、硬化性樹脂組成物が速やかに硬化することが求められる。硬化速度を高めると、硬化により得られるポリマーに歪みが生じやすく、物性が低下し易い。特に、液状の硬化性樹脂組成物では、ポリマーに歪みが生じやすく、硬化物の靱性が低下する。硬化物の靱性を高めるために、硬化物の柔軟性を高めると、強度が低下する。
本発明の一局面は、反応性ポリマーと、単官能の反応性モノマーと、反応性オリゴマーと、開始剤と、を含む、室温で液状の硬化性樹脂組成物であって、
前記反応性ポリマーは、重量平均分子量が10,000以上であり、分子量分布が1.5以下であり、硬化物のガラス転移点が室温以下であり、
前記反応性オリゴマーの重量平均分子量は、前記反応性ポリマーの重量平均分子量よりも小さく、
前記反応性ポリマーは、前記硬化性樹脂組成物中で相溶しており、前記硬化性樹脂組成物の硬化物中では分散相を構成する、硬化性樹脂組成物に関する。
本発明の他の局面は、上記の硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物に関する。
硬化物の高い強度と強靱性とを両立することができる液状の硬化性樹脂組成物およびその硬化物を提供できる。
本発明の一実施形態に係る硬化性樹脂組成物を用いて、光造形により硬化物を形成する工程を説明するための模式図である。
光造形などの造形用途に利用される硬化性樹脂組成物には、硬化物の物性の他に、即硬化性、硬化の際の低収縮性、形状における高精度なども求められる。また、近年では、光造形用途には、液状の硬化性樹脂組成物が多用されている。しかし、硬化速度を高めると、特に液状の硬化性組成物では、硬化により得られるポリマーに歪みが生じ易い。ポリマーに歪みが生じると、ポリマーが脆くなり、靱性が低下する。また、靱性を高めようとすると、ポリマーの柔軟性を高くする必要が生じるが、ポリマーの強度は低下する。
一般的な成形材料では、靱性と強度とを両立する観点から、複数のポリマー材料をアロイ化する技術や、ポリマー材料中にゴム粒子を分散させる技術などが検討されている。このような技術を利用した成形材料は、射出成形などの成形用途には適している。しかし、このような成形材料は、微細な形状の再現性や高い精度の成形性を確保することが難しく、光造形などの造形用途には適さない。また、ゴム粒子は凝集し易く、マトリックス中に微分散させることが難しいため、高い靱性を確保することは難しい。また、ゴム粒子を分散させた材料は、高粘度になり易く、インクジェット方式の造形装置に用いると、高粘度と凝集したゴム粒子により、ヘッド詰まりを起こす。
[硬化性樹脂組成物]
本発明の一局面によれば、反応性ポリマーと、単官能の反応性モノマーと、反応性オリゴマーと、開始剤と、を含む、室温で液状の硬化性樹脂組成物が提供される。反応性ポリマーは、重量平均分子量(Mw)が10,000以上であり、分子量分布が1.5以下であり、硬化物のガラス転移点(Tg)が室温以下である。反応性オリゴマーの重量平均分子量(Mw)は、反応性ポリマーの重量平均分子量(Mw)よりも小さい。反応性ポリマーは、硬化性樹脂組成物中で相溶しており、硬化性樹脂組成物の硬化物中では分散相を構成する。
上記のような反応性ポリマーと反応性オリゴマーとを反応性モノマーとともに用いることで、液状の硬化性樹脂組成物中で、反応性ポリマーが相溶した状態とすることができる。そのため、反応性ポリマーを、硬化性樹脂組成物中に、分子レベルで均一に分散した状態とすることができる。これにより、高い光造形性を確保できるとともに、光造形において、微細な形状を高い精度で再現することができる。硬化性樹脂組成物に光などを作用させて開始剤を活性化させると、主に反応性モノマーおよび反応性オリゴマーの硬化反応が進行してポリマーが高分子量化する。この硬化反応の進行に伴って、高分子量化したポリマー中で、反応性ポリマーの相分離が徐々に進行し、高分子量化したポリマーマトリックス中に、反応性ポリマーの分散相が形成される。つまり、硬化反応の進行に伴って、スピノーダル分解が誘起されて相分離が起こる。このような相分離は、一般に、反応誘起型相分離と呼ばれる。得られる硬化物では、マトリックスにより高い強度を確保することができる。また、室温より低いTgを有する柔軟なポリマーで構成された分散相が、マトリックス中に微分散していることで、高い靱性を確保することができる。反応性モノマーと反応性オリゴマーとを組み合わせることで、比較的短時間で高分子量化することができるため、高い硬化速度を確保することもできる。さらに、反応性ポリマーを用いることで、分散相の形成に伴って、反応性ポリマーの反応性基がマトリックス中の成分の反応性基と反応または相互作用するため、反応性ポリマーのブリードアウトを抑制することができる。よって、分散相による靱性の向上効果を効果的に享受することができる。
反応性ポリマー、反応性モノマー、および反応性オリゴマーにおける「反応性」とは、硬化反応に関与する反応性基を有するものであることを意味する。
なお、反応性ポリマーの相分離により形成される分散相は、硬化性樹脂組成物に含まれていた反応性ポリマー(つまり、遊離の反応性基を有するポリマー)を含む場合もあれば、反応性ポリマーが有する反応性基が、マトリックス中の成分の反応性基と反応または相互作用した状態のポリマーを含む場合もある。また、硬化性樹脂組成物の硬化により得られる硬化物は、これらのポリマーの双方を含んでもよい。これらの全ての場合を、便宜上、分散相が反応性ポリマーを含むと称することがある。
MwおよびMnは、それぞれ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量および数平均分子量である。
分子量分布とは、重量平均分子量Mwの、数平均分子量Mnに対する比率で表される多分散度(=Mw/Mn)を意味する。
室温とは、20~35℃の温度を言う。反応性ポリマーの硬化物のTgは、例えば、35℃以下であり、25℃以下であってもよい。また、反応性ポリマーの硬化物のTgは、0℃以下が好ましく、-20℃以下または-30℃以下であってもよい。
反応性ポリマーの硬化物のTgは、例えば、反応性ポリマーの硬化物について、市販の動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて測定されるTgである。より具体的には、反応性ポリマーの硬化物のTgは、光硬化性樹脂組成物の硬化物のTgを低温側から高温側(例えば、-100℃から+200℃)まで昇温しながら粘弾性を測定したときのtanδが極大となるピーク(トップピーク)の温度から求めることができる。通常、複数のピークが観察されるが、最も低温側のピークの温度が、反応性ポリマーの硬化物のTgである。
硬化性樹脂組成物は、室温(具体的には、20℃以上35℃以下の温度)で液状である(つまり、流動性を有する)。硬化性樹脂組成物が室温で液状であることで、3Dプリンタなどを用いて容易に光造形することができる。25℃における硬化性樹脂組成物の粘度は、例えば、5000mPa・s以下であり、50mPa・s以上であってもよい。なお、硬化性樹脂組成物の粘度は、例えば、コーンプレート型のE型粘度計を用いて、100rpmの回転速度で測定したものとすることができる。
以下に、硬化性樹脂組成物の構成についてより具体的に説明する。
(反応性ポリマー)
反応性ポリマーは、Mwが10,000以上であり、Mw/Mnが1.5以下であり、硬化物のTgが室温以下であればよい。このような反応性ポリマーを用いることで、分散相のサイズをより均一にすることができ、硬化物において、より均一な分散構造が得られるとともに、高い柔軟性を有する分散相を形成することができる。そのため、硬化物の耐衝撃性を高めることができ、その結果、硬化物の高い靱性を確保することができる。
反応性ポリマーのMwは、10,000以上であり、15,000以上が好ましい。Mwが10,000より小さいと、硬化の際に相分離し難くなり、微細で均一な分離相を得ることが難しくなる。硬化性樹脂組成物中で、反応性ポリマーの相溶性をより確保し易い観点から、Mwは、100,000以下であってもよく、70,000以下であってもよく、30,000以下または20,000以下としてもよい。これらの上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。
硬化性樹脂組成物は、反応性ポリマーを一種含んでもよく、二種以上含んでもよい。
本発明の上記局面では、反応性ポリマーとして、分子量分布が狭いものを用いる。これにより、硬化物中に、サイズが揃った分散相が形成されることになる。より均一な分散状態が得られる観点と、分散相の柔軟性が高く、ブリードアウトが抑制される観点から、硬化物において高い靱性を確保することができる。Mw/Mnで表される分子量分布は、1.5以下であればよい。より高い靱性を確保する観点からは、1.3以下が好ましく、1.2以下がさらに好ましい。Mw/Mnは、通常、1以上である。
反応性ポリマーが有する反応性基(以下、第1反応性基とも言う。)としては、光などの作用により開始剤から発生したラジカル、カチオン、またはアニオンなどの作用により反応または相互作用可能な官能基が挙げられる。第1反応性基としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などの重合性炭素-炭素不飽和結合を有する基などが好ましい。
第1反応性基のうち、アクリロイル基およびメタクリロイル基などのラジカル重合性の官能基が好ましい。なお、本明細書中、アクリロイル基およびメタクリロイル基を、(メタ)アクリロイル基と総称する場合がある。(メタ)アクリロイル基を有する反応性ポリマーを用いる場合、硬化性樹脂組成物中で相溶し易いため、硬化性樹脂組成物中により均一に微分散し易い。また、硬化物の相分離構造の界面において反応し易いため、高い靱性を確保しながらも、硬化物のより高い強度を確保することができる。反応性ポリマーに占める(メタ)アクリロイル基を有するポリマーの比率は、例えば、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であってもよい。また、反応性ポリマーを、(メタ)アクリロイル基を有するポリマーのみで構成してもよい。
反応性ポリマーは、第1反応性基を1つ有する単官能のポリマーであってもよく、2つ以上有する多官能のポリマーであってもよい。単官能の反応性ポリマーと多官能の反応性ポリマーとを組み合わせてもよい。多官能のポリマーが有する第1反応性基の個数は、例えば、2~8個であり、2~4個であってもよく、2または3個であってもよい。
硬化物が室温以下のTgを有する反応性ポリマーとしては、例えば、ゴム状重合体(ゴムを含む)が挙げられる。このようなゴム状重合体としては、例えば、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴムなどが挙げられる。これらのうち、アクリルゴムが好ましい。アクリルゴムは、Mwや分子量分布を制御し易く、硬化性樹脂組成物中で相溶し易いため、硬化性樹脂組成物中により均一に微分散し易い。そのため、アクリルゴムを用いると、より高い靱性を確保する上で有利である。これらのゴム状重合体において、第1反応性基を有するものを、反応性ポリマーとして硬化性樹脂組成物に用いる。
アクリルゴムには、アクリル酸エステルユニットを含むゴム状重合体が含まれる。アクリルゴムとしては、例えば、アクリル酸エステル(アクリル酸エチルなど)と塩素含有モノマー(2-クロロエチルビニルエーテルなど)とのゴム状共重合体(ACM)、アクリル酸エステル(アクリル酸エチルなど)とエチレンとのゴム状共重合体(AEM)、およびアクリル酸エステル(アクリル酸エチルなど)とアクリロニトリルとのゴム状共重合体(ANM)などが挙げられる。また、反応性基を有するアクリルゴムとしては、(株)カネカ製の末端反応型アクリル樹脂KANEKA XMAP(登録商標)などを用いてもよい。このような末端反応型アクリル樹脂としては、アクリロイル基を有するRCグレード(RC100C、RC200C、RC310C、RC500C)またはMM110Cなどが挙げられる。
硬化性樹脂組成物中の反応性ポリマーの含有量は、例えば、1質量%以上であり、5質量%以上であってもよい。含有量がこのような範囲である場合、より高い靱性が得られやすくなり、より高いアイゾット強度が得られ易いことに加え、耐折り曲げ性も高くなる。硬化性樹脂組成物中の反応性ポリマーの含有量は、例えば、30質量%以下であり、25質量%以下であってもよく、20質量%以下であってもよい。含有量がこのような範囲である場合、硬化物の強度をさらに高めることができる。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。
(反応性モノマー)
反応性モノマーは、少なくとも単官能の反応性モノマーを含んでいればよく、単官能の反応性モノマーと多官能の反応性モノマーとを含んでいてもよい。反応性モノマーが有する反応性基(第2反応性基とも言う)は、例えば、第1反応性基について例示したものから選択できる。第2反応性基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。この場合、硬化性樹脂組成物の構成成分の相溶性を高め易いとともに、硬化物の相分離構造の界面において反応し易いため、高い靱性を確保しながらも、硬化物のより高い強度を確保することができる。また、高い硬化速度が得られ易く、光造形などの造形用途に適している。
単官能の反応性モノマー(以下、単に第1モノマーとも言う)としては、例えば、ビニル系モノマー、アリル系モノマー、アクリル系モノマーなどが挙げられる。ビニル系モノマーとしては、ビニル基を有するモノマー、例えば、一価アルコールのビニルエーテル、芳香族ビニルモノマー(スチレンなど)、脂環族ビニルモノマー、ビニル基を有する複素環化合物(N-ビニルピロリドンなど)などが例示できる。アリル系モノマーとしては、アリル基を有するモノマー、例えば、一価アルコールのアリルエーテルなどが挙げられる。アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー、例えば、一価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、窒素含有化合物と(メタ)アクリル酸との酸アミド、(メタ)アクリル酸などが挙げられる。なお、アクリル酸およびメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と総称する。アクリル酸エステル(またはアクリレート)およびメタクリル酸(またはメタクリレート)を、(メタ)アクリル酸エステル(または(メタ)アクリレート)と総称する。
一価アルコールは、脂肪族アルコール、脂環式アルコール、芳香族アルコールのいずれであってもよい。脂肪族アルコールは、芳香環、脂肪族環、または複素環を有してもよい。脂肪族環は、架橋環であってもよい。脂肪族アルコールとしては、例えば、アルキルアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2-ヒドロキシプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ノニルアルコール、イソノニルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコールなどのC1-20アルキルアルコールなど)、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フタル酸とエチレングリコールとのモノエステル、フェノキシエチルアルコール、シクロヘキサンメタノールなどが挙げられる。脂環式アルコールとしては、シクロヘキサノール、メントール、ボルネオール、イソボルネオール、ジシクロペンタニルアルコールなどの脂環式C5-20アルコール(脂環式C5-10アルコールなど)などが挙げられる。芳香族アルコールとしては、フェノール、ナフトールなどの芳香族C6-10アルコールなどが挙げられる。複素環式アルコールとしては、例えば、窒素、酸素、および/または硫黄などを環の構成原子として含む複素環基(4員~8員の複素環基など)を有する脂肪族アルコール(C1-4脂肪族アルコールなど)が挙げられる。複素環式アルコールとしては、例えば、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコールなどが例示できる。(メタ)アクリル酸と酸アミドを構成する窒素含有化合物としては、脂肪族アミン(トリエチルアミン、エタノールアミンなど)、脂環式アミン(シクロヘキシルアミンなど)、芳香族アミン(アニリンなど)、窒素含有環状化合物などが挙げられる。窒素含有環状化合物としては、ピロール、ピロリジン、ピペリジン、ピリミジン、モルホリン、チアジンなどが挙げられる。窒素含有環状化合物は、5員環~8員環が好ましく、5環や6員環であってもよい。
第1モノマーは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。第1モノマーが脂肪族環や窒素含有環などを有することが好ましい。この場合、硬化反応が効率よく進行し易く、硬化性樹脂組成物の硬化物のTgの制御が容易である。また、高い強度が得られやすく、硬化の際の歪みが少ない。より具体的には、脂環式アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルや、窒素含有環状化合物と(メタ)アクリル酸との酸アミドを第1モノマーとして用いることが好ましい。
硬化性樹脂組成物中の第1モノマーの含有量は、例えば、10質量%以上であり、15質量%以上であることが好ましい。第1モノマーの含有量がこのような範囲である場合、硬化反応が進行し易くなるとともに、硬化性樹脂組成物の粘度を低く保ち易い。第1モノマーの含有量は、例えば、70質量%以下であり、60質量%以下であることが好ましい。第1モノマーの含有量がこのような範囲である場合、反応性ポリマーを硬化性樹脂組成物中により均一に分散し易くなるとともに、高い硬化速度を確保し易い。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。
第1モノマーのうち、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーの含有量は、例えば、90質量%以上であり、95質量%以上であることが好ましく、第1モノマーを(メタ)アクリロイル基を有するモノマーのみで構成してもよい。
多官能の反応性モノマー(以下、単に第2モノマーとも言う)を用いる場合、硬化により架橋構造が形成されるため、硬化物の強度をさらに高めやすくなる。第2モノマーとしては、第2反応性基を2個以上有するものが使用できる。第2反応性基の個数は、例えば、2~4個であり、2個または3個であってもよい。
第2モノマーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。 複数種の第2モノマーを用いる場合、各第2モノマーにおける第2反応性基の種類は全て同じであってもよく、一部が同じであってもよく、全てが異なっていてもよい。
第2モノマーとしては、例えば、ポリオールの少なくとも2つのヒドロキシ基が、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、アクリロイルオキシ基、およびメタクリロイルオキシ基からなる群より選択される少なくとも一種で置き換わった化合物が挙げられる。ポリオールは、脂肪族ポリオール(アルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、糖アルコールなど)、脂環式ポリオール(ジヒドロキシシクロヘキサンなど)、芳香族ポリオール(ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレンなど)のいずれであってもよい。アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ヘキサンジオールなどのC2-10アルキレングリコールが挙げられる。脂肪族ポリオールには、芳香環、脂肪族環、または複素環(酸素、窒素、および/または硫黄を環の構成元素として含む4員~8員の複素環など)を有するものも含まれる。このような脂肪族ポリオールとしては、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ベンゼンジメタノールなどが挙げられる。第2モノマー(具体的には、第2モノマーを形成するポリオール)が脂肪族環、複素環(上記窒素含有環も含む)を有することが好ましい。この場合、硬化反応が効率よく進行し易く、硬化性樹脂組成物の硬化物のTgの制御が容易である。また、高い強度が得られやすく、硬化の際の歪みが少ない。より具体的には、ビニル基を有する複素環化合物、脂環式アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、複素環式アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、窒素含有環状化合物と(メタ)アクリル酸との酸アミドを第2モノマーとして用いることが好ましい。なお、芳香族環や脂肪族環には、酸素、窒素、および/または硫黄を環の構成元素として含む複素環も含まれる。
また、第2モノマーとしては、少なくとも2つの第2反応性基を有するエーテルを用いてもよい。このようなエーテルとして、(株)日本触媒製のFX-AO-MAを用いてもよい。FX-AO-MAは、アリル基とアクリロイルオキシ基とを有する2官能のモノマーであり、環化重合によりテトラヒドロフラン環を形成可能である。FX-AO-MAのような、硬化によりマトリックスポリマーに脂肪族環や複素環などの環構造を導入できるエーテルを第2モノマーに用いると、高い強度や硬化の際の歪みを低減できる。また、FX-AO-MAを用いると、マトリックスポリマーの靱性を高めることもできる。
硬化性樹脂組成物中の第2モノマーの含有量は、例えば、1質量%以上40質量%以下であり、10質量%以上35質量%以下であってもよい。第2モノマーの含有量がこのような範囲である場合、高い靱性と高い強度とのバランスを取りやすい。
なお、第2モノマーのうち、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーの含有量は、例えば、90質量%以上であり、95質量%以上であることが好ましく、第2モノマーを(メタ)アクリロイル基を有するモノマーのみで構成してもよい。
(反応性オリゴマー)
反応性オリゴマーとしては、反応性ポリマーのMwよりも小さなMwを有するものが使用される。反応性オリゴマーのMwは、組み合わせる反応性ポリマーのMwに応じて決定すればよい。反応性オリゴマーのMwは、例えば、40,000以下であり、30,000以下であってもよいが、10,000未満が好ましく、5,000以下または5,000未満がより好ましい。Mwがこのような範囲である場合、硬化性樹脂組成物中で反応性ポリマーの相溶状態を確保し易く、硬化性樹脂組成物の粘度を低く保ち易い。反応性オリゴマーのMwは、例えば、500以上であり、1,000以上であることが好ましい。Mwがこのような範囲である場合、硬化性樹脂組成物中における反応性ポリマーの相分離を抑制し易く、高い硬化速度を確保し易いことに加え、硬化の際の歪みを抑制する効果を高めることができる。また、マトリックスの強度をさらに高めることができる。これらの上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。
反応性オリゴマーとは、少なくとも、構成ユニットの繰り返し部分(繰り返し数は2以上)を含むものを言い、反応性モノマーと区別される。
反応性オリゴマーが有する反応性基(第3反応性基とも言う)は、例えば、第1反応性基について例示したものから選択できる。高い硬化速度が得られ易く、光造形などの造形用途に適している観点からは、(メタ)アクリロイル基が好ましい。反応性オリゴマーは、第3反応性基を1つ有する単官能のオリゴマーであってもよく、2つ以上の第3反応性基を有する多官能のオリゴマーであってもよい。多官能のオリゴマーにおいて、第3反応性基の個数は、例えば、2~8個であり、2~4個であってもよく、2個または3個であってもよい。
反応性オリゴマーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、種類の異なるものを二種以上組み合わせてもよく、Mwの異なるものを二種以上組み合わせてもよい。Mwが異なるものを二種以上組み合わせる場合、マトリックスの強度をさらに高める観点からは、例えば、Mwが1000以上の反応性オリゴマーを少なくとも用いることが好ましい。
反応性オリゴマーは、(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーを含むことが好ましい。反応性オリゴマーのうち、(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーの含有量は、例えば、90質量%以上であり、95質量%以上であることが好ましく、反応性オリゴマーを(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーのみで構成してもよい。
反応性オリゴマーとしては、上述の反応性モノマー(具体的には、第1モノマーおよび/または第2モノマー)の多量体の他、ビスフェノール類の(メタ)アクリレート、水添ビスフェノール類の(メタ)アクリレート、オリゴマータイプのポリオールの(メタ)アクリレートなどが挙げられる。オリゴマータイプのポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリエステルウレタンポリオール、ポリエーテルウレタンポリオールなどが挙げられる。硬化反応が進行し易く、硬化性樹脂組成物の粘度を低く保ち易い観点からは、ポリオールは、非芳香族性のポリオールであることが好ましい。
反応性オリゴマーとしては、ダイセル・オルネクス(株)製のEBECRYLシリーズ、例えば、EBECRYL4491、4859、8402、8411、8811などを使用してもよい。反応性オリゴマーとしては、日本合成化学工業(株)製のUV-3700B、日本化薬(株)製のUX6101、アルケマ社製のウレタンアクリレートオリゴマーであるCN983NSおよびCN9893NSなどを用いてもよい。
硬化性樹脂組成物の構成成分の高い相溶性を確保し易く、相分離構造の界面において結合させる易い観点から、反応性オリゴマーのうち、オリゴマータイプのポリオールの(メタ)アクリレートを用いてもよい。このような反応性オリゴマーは、高い硬化速度を確保し易く、光造形などの造形用途にも適している。また、靱性と硬化物の強度とのバランスを取り易い観点から、ポリウレタンポリオールの(メタ)アクリレート、および/またはポリエーテルウレタンポリオールの(メタ)アクリレートを用いてもよい。また、ウレタン構造を有するポリオールの(メタ)アクリレートを用いることで、耐熱性を高めることもできる。
硬化性樹脂組成物中の反応性オリゴマーの含有量は、例えば、10質量%以上であり、20質量%以上であってもよく、30質量%以上であってもよい。反応性オリゴマーの含有量がこのような範囲である場合、硬化性樹脂組成物中で反応性ポリマーの相溶状態をより確保し易くなるとともに、硬化時の歪みを抑制しながらも、高い硬化速度を確保することができる。また、マトリックスの強度をさらに高めることができる。硬化性樹脂組成物中の反応性オリゴマーの含有量は、例えば、60質量%以下であり、50質量%以下であってもよい。反応性オリゴマーの含有量がこのような範囲である場合、硬化性樹脂組成物の粘度を低く保ち易い。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。
(開始剤)
開始剤としては、光や熱の作用により活性化して、硬化性樹脂組成物の硬化(具体的には重合)を開始させるものが使用される。このような開始剤は、反応開始剤や重合開始剤と呼ばれることもある。光造形用途では、光の作用により活性化する開始剤が使用される。
開始剤としては、例えば、光や熱の作用によりラジカルを発生するラジカル重合開始剤のほか、光や熱の作用により酸(またはカチオン)や塩基(またはアニオン)を生成するもの(具体的には、カチオン発生剤やアニオン発生剤)が挙げられる。開始剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。開始剤は、第1反応性基、第2反応性基、および第3反応性基のタイプ(例えば、ラジカル重合性であるか、カチオン重合性であるか)などに応じて選択される。ラジカル重合開始剤としては、例えば、アルキルフェノン系重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系重合開始剤などが挙げられる。
アルキルフェノン系重合開始剤としては、例えば、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(BASF社、IRGACURE 651)、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(BASF社、IRGACURE 184)、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン(BASF社、IRGACURE 1173)、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(BASF社、IRGACURE 2959)、2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン(BASF社、IRGACURE 127)、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(BASF社、IRGACURE 907)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1(BASF社、IRGACURE 369E)、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン(BASF社、IRGACURE 379EG)などが挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系重合開始剤としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド(BASF社、IRGACURE TPO)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド(BASF社、IRGACURE 819)などが挙げられる。
(その他)
硬化性樹脂組成物は、さらに、その他の公知の硬化性樹脂などを含んでもよい。また、硬化性樹脂組成物は、公知の添加剤を含むことができる。
高い靱性を確保する観点からは、硬化性樹脂組成物は、イオン重合性の成分(カチオン重合性の成分およびアニオン重合性の成分など)を含まないか、含む場合でもその含有量は少ないことが好ましい。硬化性樹脂組成物中のイオン重合性の成分の含有量は、例えば、5質量%以下であり、1質量%以下であってもよい。イオン重合性の成分には、例えば、イオン重合性の化合物が含まれる。なお、イオン重合性の反応性基とラジカル重合性の反応性基とを有する成分(モノマー、オリゴマー、またはポリマーなど)は、ラジカル重合性の成分に含めるものとする。
上記局面に係る硬化性樹脂組成物においては、反応性ポリマーは相溶しているが、硬化樹脂組成物の硬化に伴って相分離して分散相を形成する。上記のような反応性ポリマーと、反応性モノマーと、反応性オリゴマーとを組み合わせるため、液状の硬化性樹脂組成物中で、反応性ポリマーを分子レベルで微分散させることができ、サイズが小さく、より均一な分散相を硬化物中に形成できる。また、反応性ポリマーを用いることで、硬化におけるポリマーのブリードアウトを抑制できる。よって、柔軟な分散相による靱性の向上効果が効果的に発揮される。また、反応性モノマーおよび反応性オリゴマーの硬化反応により形成されるマトリックスにより高い強度が得られる。よって、高い強度と高い靱性とを両立できる。
硬化性樹脂組成物の硬化物の靱性は、例えば、アイゾット衝撃強度などで評価することができる。上記局面に係る硬化性樹脂組成物の硬化物について、ASTM D256に準拠して測定されるアイゾット衝撃強度は、例えば、40J/m以上であり、60J/m以上とすることもできる。
なお、アイゾット衝撃強度は、縦62mm、横12mm、厚み6mmのサイズの硬化物のサンプル(ノッチ付き)について測定される。
光硬化性樹脂組成物の硬化物の強度は、例えば、ショアD硬度などで評価することができる。上記局面に係る光硬化性樹脂組成物の硬化物のJIS K7215:1986に準拠して測定されるショアD硬度は、例えば、65以上であり、70以上が好ましい。
ショアD硬度は、例えば、厚み6mmの硬化物のサンプルについて、タイプDデュロメータを用い、JIS K7215:1986に準拠して測定できる。
硬化性樹脂組成物の硬化物のDMA測定では、例えば、分散相を構成する反応性ポリマーの硬化物のTgと、マトリックスとなるポリマーのTgとが観察される。反応性ポリマーの硬化物は、ゴム相を形成してもよく、マトリックスは、ガラス相であってもよい。マトリックスとなるポリマーのTgは、例えば、40℃以上200℃以下であり、45℃以上150℃以下であってもよく、50℃以上140℃以下であってもよい。硬化性樹脂組成物の硬化物が、このようなTgを有する場合、実用に適した高い強度と高い耐熱性とのバランスを取りやすい。Tgは、硬化性樹脂組成物の硬化物について、市販のDMAを用いて測定できる。マトリックスとなるポリマーのTgは、反応性ポリマーの硬化物のTgの場合と同様にして測定できる。高温側のピークの温度がマトリックスとなるポリマー(硬化物)のTgである。
硬化性樹脂組成物は、構成成分を混合することにより得ることができる。硬化性樹脂組成物は、一液硬化型であってもよく、二液硬化型であってもよい。
硬化性樹脂組成物は、光や熱の作用により硬化させて硬化物を得ることができるが、特に、光照射により硬化させて、二次元や三次元の光造形物(硬化物)を形成するのに適している。本発明には、硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物も含まれる。
硬化物において、分散相の平均粒子径は、例えば、10nm以上であり、50nm以上であってもよい。分散相の平均粒子径は、例えば、2000nm以下であり、1000nm以下が好ましい。このような小さな分散相がより均一に形成されることで、高い靱性を確保し易くなる。また、平均粒子径が500nm以下または100nm以下といった、サイズの小さな分散相を形成することもできる。
分散相の平均粒子径は、例えば、硬化物の断面の電子顕微鏡写真を、画像解析ソフト(例えば、旭化成エンジニアリング(株)製「A像くん」)を用いて解析することにより求めることができる。また、電子顕微鏡写真において、任意の10個の分散相を選択し、各分散相の外縁で囲まれた領域の面積と同じ面積の円の直径を求め、平均化することにより求めてもよい。
硬化性樹脂組成物は、様々な造形方法により、二次元や三次元などの造形物(またはパターン)を形成することができ、特に、光造形に適している。硬化性樹脂組成物は、室温で液状であるため、例えば、バット方式の光造形に用いてもよく、インクジェット式の光造形に用いてもよい。
三次元の光造形物は、例えば、硬化性樹脂組成物の液膜を形成し、液膜を硬化させてパターンを形成する工程(i)と、パターンに接するように別の液膜を形成する工程(ii)と、パターン上の別の液膜を硬化させて別のパターンを積層する工程(iii)と、を含む製造方法により製造できる。
以下にバット式の光造形の手順について例示する。
図1は、樹脂槽(バット)を備える光造形装置(パターニング装置)を用いて三次元造形物を形成する場合の一例である。図示例では、吊り下げ方式の造形について示したが、硬化性樹脂組成物を用いて三次元光造形することができる方法であれば特に制限されない。また、光照射(露光)の方式についても特に制限されず、点露光でも、面露光でもよい。
パターニング装置1は、パターン形成面2aを備えるプラットフォーム2と、硬化性樹脂組成物5を収容した樹脂槽3と、面露光方式の光源としてのプロジェクタ4とを備える。
(i)液膜を形成し、硬化させてパターンを形成する工程
工程(i)では、(a)に示すように、まず、樹脂槽3に収容された硬化性樹脂組成物5に、プラットフォーム2のパターン形成面2aを、プロジェクタ4(つまり、樹脂槽3の底面)に向けた状態で浸漬させる。このときに、パターン形成面2aとプロジェクタ4(または樹脂槽3の底面)との間に液膜7a(液膜a)が形成されるように、パターン形成面2a(またはプラットフォーム2)の高さを調整する。次いで、(b)に示すように、プロジェクタ4から液膜7aに向けて、光Lを照射(面露光)することで、液膜7aを光硬化させてパターン8a(パターンa)を形成する。
パターニング装置1では、樹脂槽3が、硬化性樹脂組成物5の供給ユニットとしての役割を有する。液膜に光源から光が照射されるように、樹脂槽の少なくとも、液膜とプロジェクタ4との間に存在する部分(図示例では、底面)は露光波長に対して透明であることが望ましい。プラットフォーム2の形状、材質、およびサイズなどは特に制限されない。
液膜aを形成した後、光源から液膜aに向かって光照射することにより、液膜aを光硬化させる。光照射は、公知の方法で行うことができる。露光方式は、特に制限されず、点露光でも面露光でもよい。光源としては、光硬化に使用される公知の光源が使用できる。点露光方式の場合には、例えば、プロッター式、ガルバノレーザ(またはガルバノスキャナ)方式、SLA(ステレオリソグラフィー)方式などが挙げられる。面露光方式の場合には、光源としてプロジェクタを用いると簡便である。プロジェクタとしては、LCD(透過型液晶)方式、LCoS(反射型液晶)方式、およびDLP(登録商標、Digital Light Processing)方式などが例示できる。露光波長は、硬化性樹脂組成物の構成成分(特に、開始剤の種類)に応じて適宜選択できる。
(ii)パターンaと光源との間に液膜を形成する工程
工程(ii)では、工程(i)で得られたパターンaと、光源との間に、硬化性樹脂組成物を供給して、液膜(液膜b)を形成する。つまり、パターン形成面に形成されたパターンa上に液膜bを形成する。硬化性樹脂組成物の供給は、工程(i)についての説明が参照できる。
例えば、工程(ii)では、図1の(c)に示すように、二次元パターン8a(二次元パターンa)を形成した後、パターン形成面2aをプラットフォーム2ごと上昇させてもよい。そして、二次元パターン8aと樹脂槽3の底面との間に硬化性樹脂組成物5を供給することにより、液膜7b(液膜b)を形成することができる。
(iii)パターンa上に別のパターンbを積層する工程
工程(iii)では、工程(ii)で形成した液膜bに対して、光源から露光して、液膜bを光硬化させ、パターンaに別のパターン(液膜bの光硬化により得られるパターンb)を積層する。このようにパターンが厚み方向に積層されることで、三次元造形パターンを形成することができる。
例えば、図1の(d)に示すように、パターン8a(パターンa)と樹脂槽3の底面との間に形成された液膜7b(液膜b)に、プロジェクタ4から露光して、液膜7bを光硬化させる。この光硬化により、液膜7bがパターン8b(パターンb)に変換される。このようにして、パターン8aにパターン8bを積層することができる。
光源や露光波長などは、工程(i)についての記載を参照できる。
(iv)工程(ii)と工程(iii)とを繰り返す工程
第1工程は、工程(ii)と工程(iii)とを複数回繰り返す工程(iv)を含むことができる。この工程(iv)により、複数のパターンbが厚み方向に積層されることになり、さらに立体的な造形パターンが得られる。繰り返し回数は、所望する三次元造形物(三次元造形パターン)の形状やサイズなどに応じて適宜決定できる。
例えば、図1の(e)に示すように、パターン形成面2a上にパターン8a(パターンa)およびパターン8b(パターンb)が積層された状態のプラットフォーム2を上昇させる。このとき、パターン8bと樹脂槽3の底面との間に液膜7b(液膜b)が形成される。そして、図1の(f)に示すように、プロジェクタ4から液膜7bに対して露光し、液膜7bを光硬化させる。これにより、パターン8b上に別のパターン8b(パターンb)が形成される。そして、(e)と(f)とを交互に繰り返すことで、複数のパターン8b(二次元パターンb)を積層させることができる。
工程(iii)や工程(iv)で得られた三次元造形パターンには、未硬化の硬化性樹脂組成物が付着しているため、通常、溶剤による洗浄処理が施される。
工程(iii)や工程(iv)で得られた三次元造形パターンには、必要に応じて、後硬化を施してもよい。後硬化は、パターンに光照射することで行うことができる。光照射の条件は、硬化性樹脂組成物の種類や得られたパターンの硬化の程度などに応じて適宜調節できる。後硬化は、パターンの一部に対して行ってもよく、全体に対して行ってもよい。
[実施例]
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1~4および比較例1~2
(1)硬化性樹脂組成物の調製
表1および表2に示す成分(反応性モノマー、反応性オリゴマー、および/または反応性ポリマーと開始剤)を表2に示す質量比で混合し、攪拌しながら80℃のオーブンで加熱して、固形成分を溶解させることにより均一な液状の硬化性樹脂組成物を調製した。
(2)評価
上記(1)で得られた硬化性樹脂組成物または硬化性樹脂組成物に用いた成分について以下の評価を行った。
(a)相溶性
硬化性樹脂組成物が透明である場合を○、濁っている場合を×として、相溶性を評価した。
(b)粘度
E型粘度計(TVE-20H、東機産業(株))を用いて、25℃にて、100rpmの回転速度で硬化性樹脂組成物の粘度を測定した。
(c)Tgおよび弾性率
トレイに、硬化性樹脂組成物を注いで、厚み300μmの液膜を作製し、液膜の両方の主面に対して、波長405nmのLED光を光照射して液膜を完全に硬化させることにより、硬化物のサンプルを作製した。トレイには、上記LED光を透過するものを用いた。
得られたサンプルについて、DMA((株)日立ハイテクサイエンス製、DMS6100)を用いて、周波数1Hz、5℃/minの昇温速度にて-100℃から+200℃まで昇温した。そして、150℃のときの弾性率(MPa)を求めるとともに、tanδがトップピークとなる温度を硬化性樹脂組成物の硬化物のTgとして求めた。硬化性樹脂組成物の硬化物のTgとした。なお、tanδが極大となるピークが複数ある場合には、表1には、より高温側のピークの温度(マトリックスとなるポリマーのTg)を示した。
また、硬化性樹脂組成物に代わりに反応性ポリマーを用いて、上記と同様にして、反応性ポリマー「RC200C」の硬化物のTgを求めたところ、-39℃であった。
(d)耐折り曲げ性
DLP(登録商標)方式の3Dプリンタ(武藤工業(株)製、ML-48)を用いて、1層当たりの照射時間30秒およびz軸(高さ方向)のピッチ100μmの条件で、短冊状のサンプル(縦40mm×横20mm×厚み(高さ)0.5mm)を作製した。このサンプルを縦方向の中央付近で180°折り曲げ(1回目)、この状態から360°反対側に折り曲げ(2回目)、360°の折り曲げをさらに2回繰り返した(3回目、4回目)。このときの状態を下記の基準で評価した。
○:4回目の折り曲げ後もクラックが見られない。
△:2回目の折り曲げでクラックが見られる。
×:1回目の折り曲げでクラックまたは破断部が見られる。
(e)アイゾット衝撃強度
(d)の場合に準じて、硬化物のサンプル(縦62mm×横12mm×厚み6mmのノッチありの試験片)を作製した。この試験片についてASTM D256に準拠して、ハンマー速度3.46m/sにて、アイゾット衝撃強度を測定した。
(f)ショアD硬度
(d)の場合と同様にして、硬化物のサンプルを作製した。このサンプルについて、タイプDデュロメータを用い、JIS K7215:1986に準拠して、ショアD硬度を測定した。
実施例および比較例の評価結果を表2に示す。表1には、実施例および比較例で用いた成分を示す。表1中の「-」は、未測定の評価である。
Figure 0007213660000001
Figure 0007213660000002
表2に示されるように、反応性ポリマーを用いていない比較例1では、アイゾット衝撃強度が20J/mと顕著に低く、耐折り曲げ性の試験でも2回目の折り曲げでクラックが生じた。反応性ポリマーを用いても、反応性オリゴマーを用いなかった比較例2では、耐折り曲げ性の試験において、1回目の折り曲げでクラックが観察された。これは、マトリックスの強度が不十分となったことによるものと考えられる。このように、比較例では、十分な靱性を確保することが難しかった。
それに対し、実施例では、高いショアD硬度を確保しながらも、高いアイゾット強度を得ることができ、高い強度と高い靱性とを両立することができた。これは、反応性ポリマーの分散相と、高い強度を有するマトリックスとが形成されることによるものと考えられる。また、反応性ポリマーが微分散されたことで、高い耐折り曲げ性が得られ、ある程度の弾性率を確保することもできた。実施例では、マトリックスポリマーのTgも高く、高い耐熱性を確保することもできた。
本発明の上記局面に係る硬化性樹脂組成物は、高い強度と高い靱性とを備えている。そのため、光造形などの造形用途で、二次元や三次元の造形物(例えば、人工臓器や組織、フィギュアなど)を形成する材料として適している。
1:光造形装置、2:プラットフォーム、2a:パターン形成面、3:樹脂槽、4:プロジェクタ、5:硬化性樹脂組成物、6:離型剤層、7a:液膜a、7b:液膜b、8a:二次元パターンa、8b:二次元パターンb、L:光


Claims (9)

  1. 反応性ポリマーと、単官能の反応性モノマーと、反応性オリゴマーと、開始剤と、を含む、室温で液状の硬化性樹脂組成物であって、
    前記硬化性樹脂組成物は、硬化による積層構造を有する硬化物を形成するための三次元光造形用途に用いられ、
    前記反応性ポリマーは、重量平均分子量が10,000以上であり、分子量分布が1.5以下であり、硬化物のガラス転移点が35℃以下であり、(メタ)アクリロイル基を有するアクリルゴムを含み、
    前記反応性モノマーは、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーを含み、
    前記反応性オリゴマーは、(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーを含み、
    前記反応性オリゴマーの重量平均分子量は、前記反応性ポリマーの重量平均分子量よりも小さく、
    前記反応性ポリマーは、前記硬化性樹脂組成物中で相溶しており、前記硬化性樹脂組成物の硬化物中では分散相を構成する、硬化性樹脂組成物。
  2. 前記反応性オリゴマーの重量平均分子量は、5,000未満である、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記反応性オリゴマーの重量平均分子量は、1,000以上である、請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記反応性オリゴマーの含有量は、30質量%以上60質量%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記反応性ポリマーの含有量は、1質量%以上25質量%以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記反応性モノマーの含有量は、10質量%以上70質量%以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 前記反応性モノマーは、窒素含有環または脂肪族環を有する第1モノマーを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 前記硬化性樹脂組成物の硬化物について、ASTM D256に準拠して測定されるアイゾット衝撃強度が、40J/m以上である、請求項1~7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物であって、
    硬化による積層構造を有する三次元光造形物である、硬化物
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