JP2017079623A - 動物侵入防止装置、及び、動物侵入防止装置の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本実施形態に係る動物侵入防止装置1は、可撓性を備えたシートであり、メッシュ状に形成された網材30と、網材30と設置面との間に設けられ、網材30を設置面から50cm以下の位置で離間させて保持する第1保持部材10と、対向する位置にある第1保持部材10の間に設けられ、網材30を設置面から離間した位置で保持する第2保持部材12と、固定杭15とを含み構成されている。網材30は、張った状態で固定され、一部の穴の大きさが動物の脚が入り込む大きさに形成されている。
【選択図】図1
Description
また、特許文献2には、動物捕獲用の檻に設置し、捕獲した動物の動きを拘束する捕獲動物拘束装置において、ロープを編んで作製されることで柔軟性を備え、捕獲しようとする動物の脚が入り込む網目を有する網と、前記檻の内部の底面に載置され、前記網の周囲を固定する可動枠と、前記可動枠を前記檻の天井柵に向かって上昇させる引き上げ機構と、前記可動枠と前記引き上げ機構とを接続する接続部と、前記引き上げ機構により前記可動枠を上昇させるとき、前記可動枠及び前記接続部が前記檻の側柵に干渉しないよう案内する案内機構と、を備えることを特徴とする捕獲動物拘束装置が開示されている。
図1は、本実施例に係る動物侵入防止装置1の構成を説明する図である。
図1に例示するように、動物侵入防止装置1は、第1保持部材10、第2保持部材12、固定杭20、及び、網材30を含んで構成されている。動物侵入防止装置1は、例えば、野生動物120による農作物被害を防ぐため、または、野生動物120の侵入を防ぐために設置される。動物侵入防止装置1は、野生の動物が標的であり、具体的には、野生の動物における四足動物のうち、哺乳類である例えば、イノシシ、シカ、タヌキ、アライグマ、ハクビシン等が標的である。なお、本例の野生動物120とは、例えば、イノシシである。
第1保持部材10は、本発明に係る保持部の一例である。
図1に例示するように、第1保持部材10は、例えば、既定の長さを備えた棒状であり、具体的には、パイプ部材、角材、または、丸太材である。なお、本例の第1保持部材10は、パイプ部材である。第1保持部材10は、網材30と、動物侵入防止装置1を設置する設置面(以下設置面)とのあいだに設置される。第1保持部材10は、網材30を設置面から既定の高さとなる位置で離間させた状態で、網材30を保持する。
ここで、既定の高さとは、設置面が地面と同じ位置である場合、設置面からの距離が50cm以下の位置である。また、網材30と設置面との離間距離は、野生動物120の脚の長さに合わせて適宜設定することが望ましい。本例の第1保持部材10は、パイプの外径により、網材30と設置面との離間距離を決定している。また、網材30と設置面との離間距離を例えば、1cm以上離間させることにより、網材30に足を踏み入れた野生動物に対して、警戒させることが期待できる。とくにシカやイノシシに対して効果的である。
また、第1保持部材10は、網材30の周縁部分に設けられている。第1保持部材10は、網材30の周縁部分である四辺それぞれの位置に配置されてもよいし、網材30の四隅それぞれの位置に配置してもよい。第1保持部材10は、四辺それぞれの位置に配置される場合、枠状にして配置されてもよい。
本例での第1保持部材10は、網材30の周縁部分のうち、互いに対向する位置にそれぞれ配置する。対向する位置にある各第1保持部材10は、網材30を張った状態を維持できる位置に互いに離間してそれぞれ配置され、網材30を張った状態で保持する。
第2保持部材12は、本発明に係る保持部の一例である。
図1に例示するように、第2保持部材12は、例えば、既定の長さを備えた棒状であり、具体的には、パイプ部材、角材、または、丸太材である。なお、本例の第2保持部材12は、パイプ部材である。
第2保持部材12は、第1保持部材10と同様に、網材30を設置面から既定の高さとなる位置で離間させた状態で、網材30を保持する。具体的には、第2保持部材12は、対向する位置にある第1保持部材10のあいだに設けられ、網材30を設置面から離間した位置で保持している。第2保持部材12は、網材30の中央部分を設置面から離間した位置で保持する。これにより、第2保持部材12は、網材30の中央部分の撓みを防止する。本例の第2保持部材12は、パイプの外径により、網材30と設置面との離間距離を決定している。なお、第2保持部材12は、網材30の撓み状態に合わせて、第2保持部材12における高さ(外径)と、第1保持部材10における高さ(外径)とを異なる高さとしてもよい。また、第2保持部材12は、網材30のサイズが小さく中央領域が撓まない場合に省くこともできる。
貫通孔15は、第1保持部材10、及び、第2保持部材12に設けられ、第1保持部材10、及び、第2保持部材12の軸方向と交差する方向に穿設された孔である。貫通孔15の口径は、固定杭20を挿通できる大きさである。また、貫通孔15は、網材30と、第1保持部材10、及び、第2保持部材12とを固定するためであれば、いくつ設けてもよい。
図1に例示するように、固定杭20は、網材30、第1保持部材10、及び、第2保持部材12を設置面に固定するための棒体である。固定杭20は、一方が尖った形状であり、他方が網材30を固定する形状に形成されている。網材30を固定する形状とは、例えば、リング状、フック状、又は、折れ曲がり形状(U字型、J字型、L字型)等である。また、固定杭20は、網材30と、網材30を固定する形状部分とを結束具等を用いて接続してもよい。
また、固定杭20は、第1保持部材10、及び、第2保持部材12の側壁に設けられた貫通孔15に挿通できる太さに形成されている。また、固定杭20は、網材30を固定する部分が貫通孔15の孔径より大きく形成されている。これにより、固定杭20は、第1保持部材10、及び、第2保持部材12を貫通しない。
また、固定杭20は、網材30と、第1保持部材10と、第2保持部材12とを設置面に固定する。固定杭20は、第1保持部材10と、第2保持部材12とに設けられた各貫通孔15にそれぞれ挿通し、網材30を外れないように固定した状態で、設置面に打ち込まれる。これにより、固定杭20は、第1保持部材10と、第2保持部材12と、網材30とを設置面に固定する。このとき網材30が撓まないように固定杭20を設置面に打ち込むことが望ましい。
図2(A)は、網材30の平面を例示する図であり、図2(B)は網材30におけるA部を例示する拡大図である。
[網材30]
網材30は、本発明に係るシート部の一例である。
図1に例示するように、網材30は、メッシュ状に形成されているシート材である。網材30は、円形状若しくは多角形状の穴(目)を備えたシート材、または、多角形状の網目を備えた網材である。円形状とは、例えば、円形状、及び、楕円状を含む。また、多角形状とは、三角形状、四角形状(格子状)、ひし形形状、及び、六角形状(ハニカム状または亀甲状)等を含む。なお、本例の網材30の網目は、多角形状の網目のうち、六角形状の網目である。
図2(A)に例示するように、網材30は、六角形状の網目を備えたワイヤーメッシュ材である。また、網材30は、少なくとも一部の網目の大きさが野生動物120の脚が入り込み、かつ、胴体部が通らない大きさに形成されている。本例の網材30は、シート全体に網目が形成されている。なお、図2(B)に例示するように、網材30の網目の大きさ(D寸法)は、3cm以上の大きさであり、好ましくは、D寸法が7cm〜18cmの大きさである。なお、本例の網材30の網目のD寸法は、10cm、又は、15cmの大きさである。また、網材30の網目形状が四角形状である場合、網目の寸法は、10cm×10cm、又は、15cm×15cmの大きさである。
また、網材30は、金属、又は、合成樹脂で形成された網材である。網材30は、合成樹脂で形成される場合、金属製に比べて重量も軽く、丸めて人力で持ち運ぶこともでき、リサイクル性にも優れている。また、網材30は、合成樹脂で形成されることにより、耐食性に優れる。また、網材30は、金属で形成される場合、安価に入手することができる。また、網材30は、耐食性のある金属を用いることにより、長期間使用することができる。なお、本例の網材30は、合成樹脂で形成された網材である。
図3(A)は、四角形状の網目を備えた網材を例示する図であり、図3(B)は、ひし形形状の網目を備えた材を例示する図である。また、図3(C)は、円形の孔あき鋼板を例示する図である。
図3に例示するように、網材30は、六角形状の網目だけでなく適宜に形状を選択することができる。網材30は、図3(A)に例示するような、四角形状の網目を備えたワイヤーメッシュ材(網材)であってもよいし、図3(B)に例示するような、ひし形形状の網目を備えた網材であってもよい。なお、一般的な四角形状、及び、ひし形形状の網目を備えた網材において、例えば1回程度、網目形状の頂点部分で織られて形成されている。また、図3(B)に例示する網目を備えた網材は、エキスパンドメタル材であってもよい。
また、網材30は、図3(C)に例示するような、円形状の穴を備えたシート材であるパンチングメタル材であってもよい。また、網材30は、可撓性を備えた穴なしシート材(板材)であってもよい。網材30は、板材である場合、野生動物120が体重を加えることにより変形する可撓性を備える。板材は、歩行しにくい程度に変形するものがよい。野生動物120は、板材に体重を加えることによって変形するため、足元が不安定になる。これにより、体重を加えた野生動物に対して不安感を与えることが期待できる。網材30は、板材として、例えばトタン板である場合に、可撓性を備えると共に、撓みによる音の発生が期待できる。これにより、音による忌避効果が期待できる。
図4は、本実施例に係る動物侵入防止装置1の設置方法を説明する図である。
図4(A)に例示するように、まず、設置者は、設置面に第1保持部材10及び第2保持部材12を配置する。設置者は、設置面と網材30との離間距離に合わせた寸法(50cm以下)となるよう、離間距離に合う外径寸法である第1保持部材10及び第2保持部材12を選択し、設置面に配置する。
設置者は、第1保持部材10及び第2保持部材12を丸太として用いる場合、野生動物120に発見されにくくすることが期待できる。また、設置者は、動物侵入防止装置1の設置場所が木々のしげる設置場所である場合、第1保持部材10及び第2保持部材12を、設置場所の付近にて調達することもできる。
また、設置者は、設置時において、網材30を撓まないよう張った状態で固定するが、野生動物120が網材30に体重をかけた時に、網材30が伸びることを考慮して固定する。これにより、網材30に体重をかけた野生動物120は、張った状態であった網材30が伸びて撓むことにより、足元が不安定になる。また、設置者は、網材30の伸び代を考慮して固定することにより、網材30に掛かった野生動物120が暴れた場合であっても、動物侵入防止装置1の破壊を防止することが期待できる。
このように、設置者は、動物侵入防止装置1を設置する。また、設置者は、草等の生い茂る領域に、動物侵入防止装置1を設置することが好ましい。これにより、設置者は、動物侵入防止装置1を野生動物120に発見されにくくすることができる。
図5は、本実施例に係る動物侵入防止装置1における野生動物120の侵入時における作用を説明する図である。
図5(A)および図5(B)は、野生動物120が動物侵入防止装置1に脚を掛ける動作を例示する図であり、図5(C)および図5(D)は、図5(B)におけるB部を示す図であり、網材30の配置する高さの違いを例示している。
まず、図5(A)に例示するように、野生動物120は、設置者により設置された動物侵入防止装置1に侵入する。設置された動物侵入防止装置1は、第1保持部材10、及び、第2保持部材12の外径寸法を野生動物120の脚の長さに合わせて選択されたものであり、野生動物120の脚の長さに合わせた高さに網材30を張った状態で配置されている。ここで、本例の野生動物120とは、例えばイノシシである。
このように、網材30の網目に脚が入り込んだ野生動物120は、後退することができず、網材30から前脚を引き抜くことができない。また、野生動物120の脚が、網材30の網目から脚が抜けた場合であっても、設置者は、野生動物120に対して、動物侵入防止装置1を配置された領域が危険であることを植え付けることが期待できる。これにより、再び動物侵入防止装置1を配置された領域に侵入することを防止することが期待できる。
また、動物侵入防止装置1は、第1保持部材10を伐採された木から切り出した丸太材等を利用することにより、安価に配置することができる。
また、動物侵入防止装置1は、第1保持部材10及び第2保持部材12を中空状であるパイプ材で構成することにより、中実状の棒体に比べて弾力性を備え、網材30と共に振動しやすい状態で配置することができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、これらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、追加等が可能である。
なお、変形例1〜4では、上記実施例と実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[変形例1]
図6は、本実施例に係る動物侵入防止装置1の変形例1を説明する図である。
図7は、変形例1における網材30の網目方向を変更した動物侵入防止装置1を説明する図である。
図6及び図7に例示するように、本変形例に係る動物侵入防止装置1は、線路脇に設置されている。動物侵入防止装置1は、線路脇に設置されることにより、野生動物120が線路内に侵入することを防止する。
図6(A)に例示するように、動物侵入防止装置1は、周囲の地面より低い位置にある設置面に設置されている。これにより、動物侵入防止装置1は、網材30の取り付けられた位置と周囲の地面とが略同じ位置となるため、沿線の景観を害することなく設置することができる。
また、第1保持部材10と第2保持部材12とは、網材30と設置面との離間距離が部分的に変化するよう構成してもよい。具体的には、網材30と設置面との離間距離が部分的に野生動物120の脚の長さより長くなるように、網材30を保持してもよい。これにより、網材30に脚を掛けた野生動物120は、掛けた脚が設置面に着くことなくぶら下がった状態となるため、簡単に網材30から脚を抜くことが困難となる。
また、図6(B)に例示するように、動物侵入防止装置1は、対向する位置にある第1保持部材10の配置する高さ、または、第1保持部材10の形状を変えることにより、傾いた設置面であっても設置することができる。
また、動物侵入防止装置1は、網材30のねじり部分の軸方向と、野生動物120の侵入方向とが同じ方向となるよう網材30を配置している。また、動物侵入防止装置1は、網材30のねじり部分の軸方向にレールが位置するよう、網材30を配置している。
網材30は、六角形状の網目における互いに対向する位置にねじり部分がそれぞれ配置されている。そのため、網材30は、製造時における網材30の流れ方向と直交する方向、又は、ねじり部分の軸方向と直交する方向(横目方向)において、ねじり部分を回転させ丸めることができる。また、網材30は、製造時における網材30の流れ方向、又は、ねじり部分の軸方向(縦目方向)において、ねじり部分が撓み防止となるため、変形(たわみ等)しても元の状態に復元する。
網材30は、配置された第2保持部材12の上に設置され、網材30の縦目方向における一方の端部を設置面に、他方の端部を斜面に接触させて設置される。また、網材30は、網材30における横目方向と、第2保持部材12の軸方向とが同じ方向となるよう配置されている。言い換えると、網材30における縦目方向と、第2保持部材12の軸方向とが交差する(直交する)方向に配置されている。網材30は、縦目方向において、撓みに対する復元力(弾力)があるため、反る状態で固定される。
このように、動物侵入防止装置1は、網材30の網目方向を考慮し、設置面における傾斜を利用して網材30を配置することにより、網材30を支持する第1保持部材10、第2保持部材12、及び、固定杭20の部材数を減らすことができる。
まず、設置者は、網材30と第2保持部材12とを設置面に配置する。設置者は、第2保持部材12を設置面に配置し、配置した第2保持部材12の上に網材30を配置する。このとき、設置者は、網材30における横目方向と、棒状の第2保持部材12の軸方向とが同じ方向となるように配置し、かつ、網材30の中央領域に第2保持部材12が位置するように配置する。設置者は、網材30の縦目方向における一方の端部を設置面に配置し、他方の端部を設置面に対して傾斜する面に配置する。つまり設置者は、斜面に対して縦目方向を向けた状態の網材30を斜面に立てかける。
次に、設置者は、第2保持部材12に保持された網材30を撓ませた状態で、網材30と第2保持部材12とを設置面に固定する。設置者は、第2保持部材12に設けられ貫通孔15に固定杭20を挿通し、網材30と第2保持部材12とを固定する。
このように、設置者は、動物侵入防止装置1を施工する。
図8は、本実施例に係る動物侵入防止装置1の変形例2を説明する図である。
図8(A)は、動物侵入防止装置1の正面を例示する図であり、図8(B)は、動物侵入防止装置1の側面を例示する図である。また、図8(C)は、動物侵入防止装置1の作用を説明する図である。
図8(A)及び図8(B)に例示するように、動物侵入防止装置1は、動物侵入防止装置1は、網材30の少なくとも一部の周縁部分に連続して設けられた網材周縁部30aを備えている。本変形例の網材周縁部30aは、網材30の外側である周縁全体に配置されている。網材周縁部30aは、第1保持部材10に保持された網材30から連続して設置面に敷設されている。
網材30は、設置面に網材周縁部30aを配置し、固定杭20により固定されている。固定杭20は、網材周縁部30aの端部に既定の間隔をあけて複数配置される。また、固定杭20は、設置面に打ち込まれる部分が2つ叉に分かれた形状である例えば、U字状、または、コの字状である場合、連続して複数配置してもよい。また、固定杭20は、櫛状(杭となり設置面に打ち込まれる部分が3つ叉以上に分かれた形状)であってもよい。
網材周縁部30aの幅寸法(Y寸法)は、例えば、25cm以上であり、好ましくは45cm〜50cmである。また、網材周縁部30aにおける設置面と接触する幅寸法(Z寸法)は、例えば、25cm〜40cmである。
図8(C)に例示するように、野生動物120は、設置面に固定された第1保持部材10と第2保持部材12とを取り外すために、例えば、設置面の掘削、または、第1保持部材10の取外しを行う。しかし、野生動物120は、第1保持部材10の近傍に網材周縁部30aが設置面に固定されているため、第1保持部材10を取り外すことができない。
このように、変形例2における動物侵入防止装置1は、網材周縁部30aを配置することにより、正面方向において、野生動物120によって第1保持部材10と第2保持部材12とが設置面から外されることを防止することができる。また、動物侵入防止装置1は、網材周縁部30aを配置することにより、側面方向において、野生動物120が網材30と設置面との間の潜り抜けることを防止する。
図9は、本実施例に係る動物侵入防止装置1の変形例3を説明する図である。
図9に例示するように、動物侵入防止装置1は、設置面に対して傾けた網材30を備え、網材30は、一方の端部を設置面に固定され、他方の端部を第1保持部材10に固定されている。網材30は、一方の端部を設置面に固定され、他方の端部を第1保持部材10に固定されているため、設置面に対して傾斜して配置されている。動物侵入防止装置1は、網材30と設置面との離間距離を変化させることにより、網材30に侵入した野生動物の足元を不安定にさせることができるため、野生動物の忌避効果が期待できる。
また、第1保持部材10に固定された網材30端部と設置面との距離(H寸法)は、例えば10cm以上50cm以下の位置で離間して固定される。また、網材30における第1保持部材10に固定された固定端から設置面に固定された固定端までの距離(L寸法)は、例えば30cm以上4m以下である。網材30は、L寸法の長さを調節することにより、網材30の傾斜角度を調節することができる。
このように、変形例3における動物侵入防止装置1は、網材30を設置面に対して傾斜させて配置することにより、部品数を抑えて構成できるため費用を抑えることができる。また、部品数を抑えた構成により設置者が施工しやすい。
また、動物侵入防止装置1は、網材30の一方を設置面に固定し、他方を第1保持部材10に固定することにより、網材30を設置面から第1保持部材10の方向に徐々に設置面から離間するよう傾斜して配置する。これにより、動物侵入防止装置1は、侵入した野生動物120の足元を、傾斜した網材30で不安定(網材30の振動、または、網材30の網目による足場の減少)にすることで、忌避効果が期待できる。
図10は、本実施例に係る動物侵入防止装置1の変形例4を説明する図である。
図10(A)に例示するように、変形例4の動物侵入防止装置1は、直径寸法の異なる2つの第1支持部材10、網材30、固定杭20、及び、間隔材40を含み構成されている。動物侵入防止装置1は、2つの第1支持部材10、網材30、固定杭20、及び、間隔材40を含む動物侵入防止セットとし販売することができる。
(第1支持部材10)
動物侵入防止装置1は、直径が異なる2つの第1支持部材10を用いて、直径の違いにより網材30を設置面に対して傾斜させて配置している。第1支持部材10は、例えば、基本外径寸法が165mm以下のパイプ材を選択でき、本変形例4では、基本外径寸法が165mm(第1支持部材10a)と、基本外径寸法が60mm(第1支持部材10b)とである。また、第1支持部材10の長さは、網材30の幅寸法に合わせた長さであり、長さ寸法が1m〜3mである。また、第1支持部材10は、固定杭20を購入するための貫通孔15が設けられている。
(網材30)
また、動物侵入防止装置1は、網材30のねじり部分の軸方向と直交する方向(横目方向)と、野生動物120の侵入方向とが同じ方向となるよう、網材30を配置している。網材30は、網材30における縦目方向と、第1保持部材10の軸方向とが同じ方向に配置されている。言い換えると、網材30における横目方向と、第2保持部材12の軸方向とが交差する(直交する)よう配置されている。
なお、変形例4における網材30の配置する方向は、実施例1と同様の配置方向である。また、網材30は、幅寸法が2m〜3mであり、長さ寸法が2m〜4mである。
(間隔材40)
また、動物侵入防止装置1は、対向する位置に配置された2つの第1支持部材10の間に、間隔材40が配置されている。間隔材40は、網材30が変形し撓んだ場合であっても、第1支持部材10が移動しないよう、第1支持部材10同士の間隔を維持するために配置されている。間隔材40は、例えば、角材、棒材、パイプ材であってもよい。
また、図10(B)に例示するように、動物侵入防止装置1は、網材30の横目方向に丸めることができるため、第1支持部材10に網材30を巻きつけることで、容易に収納することができる。
このように、変形例4の動物侵入防止装置1は、2つの第1支持部材10、網材30、固定杭20、及び、間隔材40を含み構成されている。
また、動物侵入防止装置1は、網材30における縦目方向と、第1保持部材10の軸方向とが同じ方向に配置することにより、ねじり部分で回転しやすい状態となるため、固定した網材30であっても揺れやすい状態とすることができる。
また、動物侵入防止装置1は、網材30における縦目方向と、第1保持部材10の軸方向とが同じ方向であることにより、網材30のねじり部分で折り畳むことができ、2つの第1支持部材10とともにコンパクトに収納できる。また、第1支持部材10は、例えば、合成樹脂であるポリエチレンパイプであれば、弾力性を備え、網材30と共に容易に持ち運ぶことができる。
10 第1保持部材
12 第2保持部材
15 貫通孔
20 固定杭
30 網材
30a 網材周縁部
40 間隔材
Claims (8)
- 可撓性を備えたシート部と、
前記シート部と、該シート部を設置する設置面との間に設けられ、該シート部を設置面から50cm以下の位置で離間させて保持する保持部と
を有する
動物侵入防止装置。 - 前記シート部は、メッシュ状に形成されたシートであり、少なくとも一部の穴の大きさが動物の脚が入り込む大きさに形成されている
請求項1に記載の動物侵入防止装置。 - 前記シート部は、六角形形状の網目を備えた網材である
請求項2に記載の動物侵入防止装置。 - 前記保持部は、前記シート部と設置面との離間距離が動物の脚の長さより長くなる位置に、該シート部を保持している
請求項3に記載の動物侵入防止装置。 - 前記シート部の少なくとも一部の周縁部分に連続して設けられた周縁部
をさらに有し、
前記周縁部は、前記保持部に保持された前記シート部から連続して設置面に敷設されている
請求項4に記載の動物侵入防止装置。 - 前記保持部は、棒状であり、前記シート部の周縁領域のうち対向する位置にそれぞれ設けられ、
対向する位置に配置された前記保持部は、互いに異なる太さであり、前記シート部を張った状態で保持し、
前記シート部は、該シート部における縦目方向と、棒状の前記保持部の軸方向とが同じ方向となるよう配置されている
請求項3に記載の動物侵入防止装置。 - 前記保持部は、前記シート部の中央領域に設けられ、
前記シート部は、該シート部における横目方向と、棒状の前記前記保持部の軸方向とが同じ方向となるよう配置されている
請求項3に記載の動物侵入防止装置。 - 六角形形状の網目を備えた網材における横目方向と、棒状の保持部の軸方向とが同じ方向となるよう、該網材の中央領域に、該網材を設置面から離間させて保持する保持部を配置し、該網材の縦目方向における一方の端部を設置面に配置し、他方の端部を設置面に対して傾斜する面に配置する工程と、
前記保持部に保持された前記網材を撓ませた状態で、該網材と該保持部とを設置面に固定する工程と
を有する動物侵入防止装置の施工方法。
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