JP2017078691A - 形状測定装置の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】設計値からのずれがやや大きいワークに対しても測定動作を継続する形状測定装置の制御方法を提供する。
【解決手段】測定子とワークとが接触した状態から測定子をワークから離間させるリトラクション時に、測定子とワークとの接触の有無を監視する。リトラクション時に測定子とワークとの接触を検知した場合には、測定子がワークに接触しない位置にプローブを移動させ、リカバリー処理を実行する。リトラクション開始点におけるワーク表面上の点Psfと、前記測定子と前記ワークとの接触点Pcoと、の距離をLmとするとき、測定子の直径dを考慮して、(Lm−d)に係数k(0<k<1)を乗算した値を適正リトラクション量Lrとする。リトラクションの開始点からリトラクションの方向に適正リトラクション量Lrだけ移動した点をリトラクション停止点Prとし、測定子をリトラクション停止点Prに移動させる。
【選択図】図10

Description

本発明は、形状測定装置の制御方法に関する。
被測定物の表面に沿って測定子を倣い移動させることで被測定物の形状を測定する形状測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の装置では、まず、CADデータ等に基づいた設計値(例えばNURBS(Non−UniformRationalB−Spline:非一様有理Bスプライン)データ)を所定次数の多項式曲線群に変換する。
ここでは、多項式として三次関数を用い、PCC曲線群(ParametricCubicCurves)とする。このPCC曲線を元にワークを測定する経路を生成する。さらに、PCC曲線を分割して分割PCC曲線群とする。
分割PCC曲線群から速度曲線を算出してプローブの移動速度(移動ベクトル)を算出する。(例えば分割PCC曲線群の各セグメントの曲率などに基づいてプローブの移動速度(移動ベクトル)を設定する。)このように算出された移動速度に基づいてプローブを移動させ、被測定物の表面に倣って測定子を移動させる(パッシブ設計値倣い測定)。
さらに、プローブの押し込み量を一定にするように押込み修正ベクトルを時々刻々算出して、軌道修正しながら倣い測定する方法も知られている(特許文献2)。ここでは、このような設計値倣いを「アクティブ設計値倣い測定」と称することにする。
測定箇所を倣い測定した後、プローブをワークから離間させる。そして、全測定が終了であれば、プローブを初期の待機位置に戻す。あるいは、次の測定箇所があるならば、続けて、次の測定開始位置にプローブを移動させることになる。
プローブをワークから離間させる動作をリトラクションと称する。
まず、リトラクションの方向Drは、プローブのセンサ出力から求められる。つまり、プローブのセンサ出力に基づいて測定面の法線方向は分かる。この法線方向がリトラクションの方向Drとなる。
リトラクション長LRは、指定リトラクション長LRとして予め与えられている。例えば、指定リトラクション長LRは4mmというように与えられる。
指定リトラクション長LRは、次の移動を行うにあたってプローブとワークとの安全が確保できる程度には十分な離間量になっていなければならない。その一方、リトラクション時にプローブがワークに接触するほどに大きな値になっていてもいけない。指定リトラクション長LRが大きすぎると、リトラクション時にワークの対向面にプローブが接触する可能性がある。
指定リトラクション長LRが適切かどうかは、例えば、ワークの設計データ(例えばCADデータ)に基づいて確認することができる。
倣い測定のパートプログラムにおいて、倣い測定の終点に達したら次の指令として「リトラクション」が指示(プログラミング)されている。したがって、倣い測定の終点に達したら、センサ出力からリトラクション方向Drを求め、指定されているリトラクション長LRで測定面からリトラクションする。このリトラクションでプローブが測定面から離間したら、次に指定されている移動先の座標に移動する。
特開2008−241420号公報 特開2013−238573号公報
上記のようにリトラクションが実行されるのであるが、リトラクション時にワークとプローブとが接触してエラーが発生することがしばしば生じていた。
この原因の一つとして、設計値と実際のワークとの間に誤差があることが挙げられる。
リトラクション時にワークとプローブとが接触した場合、プローブおよびワークが破損しないように、接触を検知した時点で即時に緊急停止し、ユーザに異常発生を報知するようにしていた。
しかし、このような緊急停止がしばしば発生すると、測定効率が低下してしまう。
緊急停止が発生すると、ユーザがマニュアルでエラーを解除し、さらに、プローブを安全な位置に退避させるという作業が必要になる。これにはかなりの専門技量も要求される。
さらには、同じエラーがでないようにするにはリトラクション長をマニュアルで設定し直す必要があるが、これにはさらに高度な専門技量を要する。ユーザにとってはかなり面倒な作業であり、測定効率も下がってしまう。
本発明の目的は、設計値からのずれがやや大きいワークに対しても測定動作を継続する形状測定装置の制御方法を提供することにある。
本発明の形状測定装置の制御方法は、
先端に測定子を有するプローブと、前記プローブを移動させる移動機構と、を備え、前記測定子とワークの表面との接触を検知して前記ワークの形状を測定する形状測定装置の制御方法であって、
前記測定子と前記ワークとが接触した状態から前記測定子を前記ワークから離間させるリトラクションを実行させるにあたって、
最終指令位置Pnと最終指令位置Pnに対応する最終位置決め点Pn'とのズレ量Lsを求め、
前記ズレ量Lsと予め指定された指定リトラクション長LRとを対比し、
Ls<β・LRを満たす場合には前記指定リトラクション長LRでリトラクションを実行し、
Ls<β・LRを満たさない場合には、前記指定リトラクション長LRよりも短い値に設定されたエラー回避用リトラクション長Lr'によりリトラクションを実行する
ことを特徴とする。
βは、0<β<1である。
本発明では、
エラー回避用リトラクション長Lr'によりリトラクションを実行した後、前記プローブとワークとの接触を検知した場合には、前記最終位置決め点Pn'に戻る
ことが好ましい。
本発明では、
前記最終位置決め点Pn'に戻り、さらに、前記エラー回避用リトラクション長Lr'よりも短くしたリトラクション長Lr'によりリトラクションを実行する
ことが好ましい。
本発明では、
前記エラー回避用リトラクション長Lr'でリトラクションを実行する際のリトラクションの方向は、プローブのセンサ出力に基づいて求められる被測定面の法線方向である
ことが好ましい。
本発明では、
前記エラー回避用リトラクション長Lr'は、0.1mmから0.5mmの範囲から選択される値である
ことが好ましい。
より好ましくは、前記エラー回避用リトラクション長Lr'は、0.1mmから0.3mmの範囲から選択される値とすることが好ましい。
本発明の形状測定装置の制御方法は、
先端に測定子を有するプローブと、前記プローブを移動させる移動機構と、を備え、前記測定子とワークの表面との接触を検知して前記ワークの形状を測定する形状測定装置の制御方法であって、
前記測定子と前記ワークとが接触した状態から前記測定子を前記ワークから離間させるリトラクション時に、前記測定子と前記ワークとの接触の有無を監視し、
前記リトラクション時に前記測定子と前記ワークとの接触を検知した場合には、前記測定子が前記ワークに接触しない位置に前記プローブを移動させる
ことを特徴とする。
本発明では、
前記リトラクション時に前記測定子と前記ワークとの接触を検知した場合には、この前記測定子と前記ワークとの接触点Pcoの座標をサンプリングする
ことが好ましい。
本発明では、
リトラクション開始点におけるワーク表面上の点Psfと、前記測定子と前記ワークとの接触点Pcoと、の距離Lmを求め、
この距離Lmと前記測定子の径とに基づいて適正リトラクション量Lrを設定し、
リトラクションの開始点からリトラクションの方向に前記適正リトラクション量Lrだけ移動した点をリトラクション停止点Prとし、
前記測定子を前記リトラクション停止点Prに移動させる
ことが好ましい。
本発明では、
前記適正リトラクション量Lrは、前記測定子の直径をdとし、1未満の正の整数である所定の係数k(0<k<1)を用い、
Lr=(Lm−d)×k
とする
ことが好ましい。
本発明の形状測定装置の制御プログラムは、
前記形状測定装置の制御方法をコンピュータに実行させる。
この形状測定装置の制御プログラムは、コンピュータ読取可能な不揮発性記録媒体に記録して配布するようにしてもよい。
形状測定システムの全体構成を示す図である。 モーションコントローラおよびホストコンピュータの機能ブロック図である。 エラー修正付き設計値倣い測定の動作を説明するための全体フローチャートである。 準備工程(ST100)の手順を示すフローチャートである。 リカバリーモードのON/OFFをユーザに選択させる選択画面の例を示す図である。 細い孔を持つワークをアクティブ設計値倣い測定で測定する様子を示す図である。 実際のワークと設計データとの間にズレが生じている場合を例示する図である。 図7のワークをアクティブ設計値倣い測定で測定する様子を示す図である。 リカバリー処理(ST150)の動作手順を示すフローチャートである。 リカバリー処理を説明するための図である。 エラー処理(ST170)の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態「エラー回避機能付き設計値倣い測定」の動作を説明するためのフローチャートである。 準備工程(ST200)の手順を示すフローチャートである。 エラー回避モードのON/OFFをユーザに選択させる選択画面の例を示す図である。 設計データ通りに加工された細孔をアクティブ設計値倣い測定で測定する様子である。 設計データから若干ズレたワークをアクティブ設計値倣い測定で測定する様子である。 設計データからズレたワークをアクティブ設計値倣い測定で測定する様子である。 エラー回避処理の前準備の手順を示すフローチャートである。 エラー回避処理(ST300)の具体的手順を説明するためのフローチャートである。 Lr'=1.7mmでリトラクションした状態を示す図である。 座標値Pn'から1.4mmリトラクションした状態を例示する図である。 エラー処理(ST260)の手順を示すフローチャートである。 変形例2を示すフローチャートである。 リトラクション長が短すぎる場合の問題を例示するための図である。
本発明の実施形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、形状測定システム100の全体構成を示す図である。
形状測定システム100の基本的な構成は既に知られたものであるが、簡単に説明しておく。
形状測定システム100は、三次元測定機200と、三次元測定機200の駆動を制御するモーションコントローラ300と、モーションコントローラ300を制御すると共に必要なデータ処理を実行するホストコンピュータ500と、を備える。
三次元測定機200は、定盤210と、移動機構220と、プローブ230と、を備える。
移動機構220は、定盤210上をY方向にスライド可能に設けられた門型のYスライダ221と、Yスライダ221のX方向のビームに沿ってスライドするXスライダ222と、Xスライダ222に固定されたZ軸コラム223と、Z軸コラム223内をZ方向に昇降するZスピンドル224と、を備える。
Yスライダ221、Xスライダ222およびZスピンドル224には、それぞれ駆動モータ(不図示)とエンコーダ(不図示)とが付設されている。モーションコントローラ300からの駆動制御信号によって各駆動モータが駆動制御される。エンコーダは、Yスライダ221、Xスライダ222およびZスピンドル224それぞれの移動量を検出し、検出値をモーションコントローラ300に出力する。Zスピンドル224の下端にプローブ230が取り付けられている。
プローブ230は、測定子232を先端側(−Z軸方向側)に有するスタイラス231と、スタイラス231の基端側(+Z軸方向側)を支持する支持部233と、を備える。測定子232は、球状であって、被測定物Wに接触する。
支持部233は、スタイラス231に外力が加わった場合、すなわち測定子232が被測定物に当接した場合にはスタイラス231が一定の範囲内でX、Y、Z軸の各軸方向に移動可能となるようにスタイラス231を支持している。さらに、支持部233は、スタイラス231の各軸方向の位置をそれぞれ検出するためのプローブセンサー(不図示)を備える。プローブセンサは検出値をモーションコントローラ300に出力する。
(モーションコントローラ300の構成)
図2は、モーションコントローラ300およびホストコンピュータ500の機能ブロック図である。
モーションコントローラ300は、PCC取得部310と、カウンタ部320と、経路算出部330と、駆動制御部340と、を備える。
PCC取得部310は、ホストコンピュータ500からPCC曲線データを取得する。カウンタ部320は、エンコーダから出力される検出信号をカウントして各スライダの変位量を計測するとともに、各プローブセンサから出力される検出信号をカウントしてプローブ230(スタイラス231)の変位量を計測する。計測されたスライダおよびプローブ230の変位から測定子232の座標位置Pp(以下、プローブ位置Pp)が得られる。また、カウンタ部320にて計測されたスタイラス231の変位(プローブセンサの検出値(Px,Py,Pz))から、測定子232の押込み量(ベクトルEpの絶対値)が得られる。
経路算出部330は、プローブ230(測定子232)で被測定物表面を測定するためのプローブ230(測定子232)の移動経路を算出し、その移動経路に沿った速度成分ベクトル(経路速度ベクトル)を算出する。経路算出部330は、測定方式(測定モード)に応じた経路を算出する各機能部を具備している。具体的には、パッシブ設計値倣い測定、アクティブ設計値倣い測定、自律倣い測定、ポイント測定、の4つがある。各測定方式については、必要に応じて後述する。さらに、アクティブ設計値倣い測定の機能部にはリカバリー処理部が付設されている。リカバリー処理部の動作は後述する。
駆動制御部340は、経路算出部330にて算出された移動ベクトルに基づいて、各スライダを駆動制御する。
なお、モーションコントローラ300には、手動コントローラ400が接続されている。手動コントローラ400は、ジョイスティックおよび各種ボタンを有し、ユーザからの手動入力操作を受け付け、ユーザの操作指令をモーションコントローラ300に送る。この場合、モーションコントローラ300(駆動制御部340)は、ユーザの操作指令に応じて各スライダを駆動制御する。
(ホストコンピュータ500の構成)
ホストコンピュータ500は、CPU511(CentralProcessingUnit)やメモリ等を備えて構成され、モーションコントローラ300を介して三次元測定機200を制御する。
ホストコンピュータ500は、さらに、記憶部520と、形状解析部530と、を備える。
記憶部520は、被測定物(ワーク)Wの形状に関する設計データ(CADデータやNURBSデータ等)、測定で得られた測定データ、および、測定動作全体を制御する測定制御プログラムを格納する。
形状解析部530は、モーションコントローラ300から出力された測定データに基づいて被測定物の表面形状データを算出し、算出した被測定物の表面形状の誤差や歪み等を求める形状解析を行う。また、形状解析部530は、設計データ(CADデータやNURBSデータ等)からPCC曲線への変換等の演算処理も担う。
CPU511(中央処理装置)で測定制御プログラムを実行することにより本実施形態の測定動作が実現される。
ホストコンピュータ500には、必要に応じて、出力装置(ディスプレイやプリンタ)および入力装置(キーボードやマウス)が接続されている。
(測定動作の説明)
順を追って測定動作を説明する。
本実施形態は、エラーを自動修正する機能が付いた設計値倣い測定であり、「エラー修正付き設計値倣い測定」と称することにする。
本実施形態の手順を図3に示し、順を追って説明する。
図3は、エラー修正付き設計値倣い測定の動作を説明するための全体フローチャートである。
まず、倣い測定に必要な準備を行う(準備工程ST100)。
準備工程(ST100)はホストコンピュータ500により実行される。
(フローチャートのボックスに"H"と記したのはホストコンピュータ500によって実行されると解釈されたい。
"H"を付していないボックスはモーションコントローラ300によって実行されると解釈されたい。)
図4に、準備工程(ST100)の手順を示した。
ユーザは、測定対象となるワークを定盤210上に設置するとともに、このワークの設計データを記憶部520に格納しておく。ワークの設計データは"オリジナルデータ"として記憶部520に格納される(ST101)。
次に、ホストコンピュータ500は、ユーザの選択に応じて、モーションコントローラ300に設計値倣い測定を指令する(ST102)。ここでは、アクティブ設計値倣い測定を指令することとする。
ホストコンピュータ500は、ユーザによってアクティブ設計値倣い測定が選択された場合、ユーザにモードの選択を要求する(ST103)。例えば、図5のような選択画面をディスプレイに表示し、リカバリーモードのON/OFFをユーザに選択させる。リカバリーモードの選択の有無はホストコンピュータ500からモーションコントローラ300に送られる。リカバリーモードがONのときには必要に応じてリカバリー処理(ST150)が実行されるようになる。リカバリー処理(ST150)については、後述する。ここまでで準備工程(ST100)は終了である。
準備工程(ST100)を受けてモーションコントローラ300は、ワークをアクティブ設計値倣いで測定する(ST110)。アクティブ設計値倣い測定そのものは知られたものであり、例えば特開2013−238573号公報に詳しく開示されている。
詳細は割愛するが、アクティブ設計値倣い測定を簡単に説明しておく。
オリジナルデータは例えばCADデータ(例えばNURBSデータ)である。
まず、CADデータ(例えばNURBSデータ)を点群のデータに変換する。
各点のデータは、座標値(x、y、z)と法線方向(P、Q、R)とを組み合わせたデータである。(つまり、(x、y、z、P、Q、R)である。)
各点の座標値を法線方向に所定量だけオフセットする。
(所定量とは、具体的には、測定子半径r―押込み量Epである。)このようにして求めた点群データをPCC曲線群に変換する。PCC曲線群をさらに複数の点でセグメント(分割PCC曲線)に分割する。
ここまでの処理はホストコンピュータ500内で演算処理される。
このようにして生成されたPCC曲線はモーションコントローラ300に送られ、PCC取得部310に一旦格納される。
経路算出部330は、取得されたPCC曲線を元に、ワークを測定するための経路を生成する。経路算出部330は、測定方式に応じた経路を生成する。
ここでは、アクティブ設計値倣い測定が選択されているので、アクティブ設計値倣い測定のための経路を生成する。
(ちなみに、アクティブ設計値倣い測定とパッシブ設計値倣い測定とでは、生成される経路は同じである。)
そして、経路算出部330は、分割PCC曲線の曲率等に応じてプローブ230の移動速度を設定し、PCC曲線上の各点における移動方向および移動速さ(速度ベクトル)を決定する。
この移動ベクトルに従ってプローブ230を移動させれば設計値倣い測定が実現される。
さらに、アクティブ設計値倣い測定の場合、押込み量Epが一定になるように法線方向のベクトル(押込み修正ベクトル)を生成するとともに、現在の測定子232の中心座標と経路とのずれを修正する軌道修正方向のベクトル(軌道修正ベクトル)を生成する。
そして、速度ベクトルと押込み修正ベクトルと軌道修正ベクトルとを合成した合成速度ベクトルを生成する。
駆動制御部340は、合成速度ベクトルに従って三次元測定機200に駆動信号を与える。
これにより、三次元測定機200は、ワークをアクティブ設計値倣い測定で測定する。
モーションコントローラ300からの駆動信号によって三次元測定機200が駆動され、アクティブ設計値倣い測定が実行される(ST110)。三次元測定機200から検出値(プローブセンサ検出値およびエンコーダ検出値)がモーションコントローラ300を介してホストコンピュータ500にフィードバックされる。測定で得られたデータは記憶部520に記録されていく。
アクティブ設計値倣い測定を実行しつつ(ST110)、モーションコントローラ300は、リトラクション動作中にプローブ230(測定子232)とワークとの想定外の接触がないか監視する(ST120)。接触がなければ(ST120:NO)、測定対象(例えばワーク全体)を全て測定するまでST110、ST120をループし、測定対象(例えばワーク全体)を全て測定できたら(ST160:YES)終了である。
ここで、アクティブ設計値倣い測定時の動作を例示する。
図6に、細い孔を持つワークWをアクティブ設計値倣い測定で測定する様子を示す。
図6においては、設計データの通りにワークWが加工されているとする。
設計値倣い測定の経路(PCC曲線)は、設計データを元にして、設計データに所定のオフセットを加味したものになる。(アクティブ)設計値倣い測定を行うと、経路(PCC曲線)上の補間点(i)から次の補間点(i+1)へ測定子232が移動するように三次元測定機200が駆動制御される。
いま、図6中の点Pnで細孔部分の測定が終了し、次の測定対象箇所(例えば隣の細孔部分)にプローブ230が移動するとする。
このとき、点Pnの地点でプローブ230がワークから離間するリトラクションを行う。
図6ではワークが設計データ通りに加工されている。
したがって、リトラクション時にプローブ230(測定子232)がプローブ230(測定子232)とワークとが接触するおそれはない。
ここで、図6中、LRは、設計値に基づくリトラクション経路でリトラクションを行うときのリトラクション長である。
これを指令リトラクション長LRとする。
次に、図7においては、設計データに従ってワークが加工されたのであるが、若干の加工誤差が生じた場合を例示している。
工作機械の精度の高低により、実際に出来上がったワークは設計データから多少ずれるのはやむ得ないことである。
この場合でも、(アクティブ)設計値倣い測定の経路は設計データを元にして生成される。
図8は、図7のワークをアクティブ設計値倣い測定で測定する様子を示す図である。
アクティブ設計値倣い測定では、押込み量Epを一定とする軌道修正により、測定子232がワーク表面に沿って倣い移動する。
したがって、図7(図8)のように設計データと実際のワークとの間にズレがあってもプローブ230は倣い測定を継続する。
アクティブ設計値倣い測定が継続された結果、点Pn'にプローブ230(測定子232)が到達したとする。
点Pn'は、押し込み量Epを一定にすべく点Pnを軌道修正した点に相当する。
点Pn'に到達したら、リトラクションを行う。
このとき、指定リトラクション長LRでリトラクションを行うと、プローブ230(測定子232)とワークとが接触してしまう場合がある(ST120:YES)。
なお、アクティブ設計値倣い測定ではなくてパッシブ設計値倣い測定を実行する場合、設計データと実際のワークとの間にズレ(例えば0.数mm程度のズレ)があると、プローブ230(測定子232)とワークとが離れてしまったり、プローブ230が押し込み過ぎになったりしてエラーが発生する。
このようなエラーが発生した場合、設計値倣い測定自体が不能となって三次元測定機200は動作を停止する。
すなわち、図7(図8)のように設計値とワークとのズレがあると、パッシブ設計値倣い測定ではプローブ230(測定子232)が細孔の奥まで入ることがない。
ちなみに、アクティブ設計値倣い測定であっても許容できるズレの大きさは予め設定されていることが多い。
設計値倣い測定の経路と実際の測定子232の位置とのズレを軌道誤差ΔLと称する。
軌道誤差ΔLの許容値は、例えば、1.5mm程度に設定される。
軌道誤差ΔLが1.5mmを超えてしまっていると、アクティブ設計値倣い測定といえども軌道修正不可能となり、アクティブ設計値倣い測定自体がエラーとなる。
この場合、エラーにより、三次元測定機200は動作を停止する。
一方、軌道誤差ΔLが1.5mm以内であればアクティブ設計値倣い測定が継続されることになる。
アクティブ設計値倣い測定により、設計データからのズレが大きいワークであってもエラー無しで倣い測定を継続できるようになった。
これ自体はユーザにとって便利になったと言えるが、パッシブ設計値倣い測定では極まれにしか起こり得なかったリトラクション時の接触がしばしば生じる可能性がでてきたわけである。
しかも、細い孔のなかでプローブが停止した場合、マニュアルでの復帰は若干の困難を伴うかもしれない。孔の中は直接目視できないことも有り得る。
さて、リトラクション時の接触が発生した場合(ST120:YES)の動作を説明する。
モーションコントローラ300は、リトラクション時にプローブ230(測定子232)がワークに接触したことを検知した場合、すぐにプローブ230の移動を停止させる(ST130)。すなわち、リトラクション時にプローブ230が押し込まれたことを検知したら、三次元測定機200の動作を一時停止させる。
そして、リカバリーモードが選択(ST103)されているかを確認する。リカバリーモードが選択されている場合(ST140:YES)、リカバリー処理(ST150)に移行する。
リカバリー処理(ST150)を具体的に説明する。
図9は、リカバリー処理(ST150)の動作手順を示すフローチャートである。
リカバリー処理にあたって、モーションコントローラ300は、まず、リカバリー処理に移行したことをホストコンピュータ500に通知する(ST151)。ホストコンピュータ500は、リカバリー処理に移行したことをユーザに通知する(例えばディスプレイに表示する)とともに、測定データの記録等の測定動作を一時待機状態にする。
続いて、モーションコントローラ300は、接触位置の算出を行う(ST152)。すなわち、エンコーダから出力される検出信号により各スライダの位置を求め、さらに、プローブセンサから出力される検出信号をカウントしてプローブ230(スタイラス231)の変位量を求める。これにより測定子232の中心座標Pp(プローブ位置Pp)が得られるので、さらに、押し込み方向に測定子232の半径分のオフセットを加味して、ワークと測定子232との接触点Pcoを求める(図10参照)。
これは、いわゆるポイント測定と同じであり、所定の押し込み量(例えば0.3mm)になったときに座標をサンプリングすることで接触点Pcoの正確な座標を得る。
次に、最終指令位置(Pn)に対応する最終位置決め位置(Pn´)のワーク表面上の点(Psf)を求めて、PsfとPcoとの距離Lmを求める(ST153)。
この距離Lmは、例えば細孔の幅に相当する。
測定子232の径dを考慮にいれると、リトラクション開始点(Pn´)からワークとの接触点(Pco)に達するまでの最大可動距離はLm−d(dは測定子直径)となる(ST154)。つまり、この最大可動距離(Lm−d)未満であれば、ワークと接触せずにリトラクションできるはずである。
そこで、次に、適正リトラクション量Lrを算出する(ST155)。
適正リトラクション量Lrは、最大可動距離Lm−dに1未満の係数k(0<k<1)を乗算することによって求められる。
ここでは、一例として、k=0.5とする。
このようにして求まった適正リトラクション量Lrの範囲内であれば、測定子232とワークとが接触せずにリトラクションできることになる。
ここで、細かい点であるが大事なことでもあるので、若干補足説明しておく。
倣い測定中の所定押込み量を0.3mmに設定したとすると、点Pn´の位置でプローブ230はワークに向けて0.3mm押し込まれていることになる。
ただし、測定子中心の座標値(Pn´)は、三次元測定機200の各エンコーダ出力とプローブセンサ出力との和に基づいて求められ、測定子232がワークに接触している間は同一の座標値となる。三次元測定機200がプローブ230をワークに押し込んだ分だけプローブセンサは押込み量を出力するのであるから、差し引きゼロである。
さて、プローブ230をワークに押し込んだ状態からプローブ230をバックさせる動作を詳細に考える。
三次元測定機200がプローブ230のバックを開始させたとしても、押込み分(0.3mm)を戻している間は、測定子232の移動はない(測定子中心も不動)。測定子232が移動しないのであるから、この間に測定子232がワークと意図しない衝突をするなどということもない。
プローブ230の押込みがゼロになると、測定子232がワークから離れ始める。
本明細書では、リトラクション動作は、測定子232がワークから離れた瞬間(押込み量がゼロ)から開始するものと考え、リトラクション動作とは、測定子232がワークから離れた瞬間(押込み量がゼロ)から停止するまでのことをいうとする。
適正リトラクション量Lrに基づいて、リトラクション停止点Prを算出する(ST156)。
リトラクション停止点Prは、リトラクション開始点(Pn')からリトラクションの方向に適正リトラクション量Lrを加算した位置である。
リトラクション停止点Prが求まったら、モーションコントローラ300はプローブ230(測定子232)をこのリトラクション停止点Prに移動させる(ST157)。
これにより、プローブ230(測定子232)とワークとの接触状態が解消され、リカバリーに成功したことになる。
モーションコントローラ300は、先に求めた接触点Pcoの座標値をホストコンピュータ500に通知する(ST158)。これでリカバリー処理(ST150)は終了である。
ホストコンピュータ500は、接触点Pcoの通知を受けると、リカバリーの待機状態を解除する。ホストコンピュータ500は、通知された接触点Pcoを記憶部520に記憶しておく。そして、接触点Pcoの情報に基づいて、設計データの補正を行っておく。
例えば、最終位置決め位置(Pn´)のワーク表面上の点(Psf)と接触点Pcoとの距離Lmから細孔の幅と中心軸とが判明する。
この情報を元に細孔の位置を形状解析によって補正しておく。
このように補正した設計データをモーションコントローラ300(PCC取得部310)に戻せば、ワークに接触しない移動経路が得られるであろう。
したがって、このあと(リトラクション停止点Pr後の測定)の適切な経路を生成でき、このあとの倣い測定を継続できることはもちろんである。
また、同じ設計データを元にして同じ工作機械で加工したワーク(製品)であれば、二個目以降は設計値倣い測定でエラー無く測定できると期待できる。
念のため補足しておく。設計データの補正を行うといってもオリジナルの設計データからズレたワークを作りたいわけではない。実際に出来たワークを設計値倣い測定で測定するにあたって好適な経路を生成するのが主眼であることはいうまでもない。
リカバリーに成功したらモーションコントローラ300はアクティブ設計値倣い測定を継続し(ST110)、測定対象(例えばワーク全体)を全て測定できたら(ST160:YES)終了である。
準備工程(ST100)中のリカバリーモードの選択(ST103)でユーザがリカバリーモードを選択しなかった場合について補足しておく。リカバリーモードが選択されていない状態でリトラクション時にプローブ230(測定子232)とワークとが接触する場合も有り得る。この場合、エラー終了してしまってもよいが、ユーザに再度選択のチャンスを与えてもよい。
リトラクション時にプローブ230(測定子232)とワークとが接触したが(ST120:YES)、リカバリーモードの選択がないとする(ST140:NO)。この場合、次のようなエラー処理(ST170)を実行する。図11にエラー処理(ST170)の手順を示す。モーションコントローラ300は、ホストコンピュータ500に対してエラーを通知する(ST171)。つまり、リカバリーモードの選択がない状態でプローブ230(測定子232)とワークとが接触したことをホストコンピュータ500に通知する。ホストコンピュータ500は、エラー通知を受けると、エラー表示を行う(例えばディスプレイに表示する)。このとき、合わせて、ホストコンピュータ500は図5に示したような選択画面をディスプレイに表示し、リカバリーモードのON/OFFをユーザに選択させる。
ユーザがリカバリーモードをON(選択)したら(ST173:YES)、リカバリー処理(ST150)へ移行する。この場合、先に説明したリカバリー処理(図9)が実行される。
ユーザがリカバリーモードを選択しなかったら(例えばリカバリーモードを選択せずにキャンセルするなど)、そのまま終了となる。(このあとは、ユーザの判断でマニュアル操作が行われることになる。)
このような本実施形態−「エラー修正付き設計値倣い測定」−によれば次の効果を奏する。
(1)アクティブ設計値倣い測定は、設計データからのズレがやや大きいワークに対しても設計値倣い測定ができるので、測定効率の点で多大な利点がある。例えば、パッシブ設計値倣い測定は、設計データからのズレが大きいワークには適用できない。また、自律倣い測定では時間がかかる。ただ、設計データからのズレがやや大きいワークに対してアクティブ設計値倣い測定を行うと、リトラクション時に予期しない接触が発生することがある。リトラクション時の接触で逐一エラー終了していては、測定効率を特長としているアクティブ設計値倣い測定の効果がかなり減殺されてしまう。
この点、本実施形態では、リトラクション時の接触を自動的にリカバーするリカバリーモードを有し、リカバリー処理によって自動復帰できる。このことは、アクティブ設計値倣い測定の利便性をさらに向上させ、測定の高速化、測定作業の簡易化、効率化など種々の格別な効果に繋がる。
(2)リカバリー処理にあたり、接触点Pcoの座標を求め(ST152)、接触点Pcoの位置をホストコンピュータ500に通知して記憶させるようにしている(ST158)。ホストコンピュータ500に記憶された接触点Pcoの情報に基づいて、その後の測定の継続、および、二個目以降の効率的測定を可能とする。単に接触状態(エラー状態)を解消するだけであれば、接触(衝突)を検知した時点で単純に逆方向に少し引き返せばエラーから復帰はできる。(その後、ユーザがマニュアル操作で次の測定箇所までプローブ230を移動させるという考え方もあるかもしれない。)エラー状態が自動解消されることで多少は使い易くなるかもしれないが、ユーザが逐一マニュアル操作しなければならないとするとやはり面倒であることに違いはない。
この点、本実施形態では、接触点Pcoの座標を正確に求め(ST152)、これを記録することとした(ST158)。これにより、ユーザのマニュアル操作はほぼ不要となり、測定作業が格段に簡便になる。
(変形例1)
上記実施形態では、リトラクション量として、Lr=(Lm−d)×k、を例示した。
プローブ(測定子)がワークに衝突しない範囲でリトラクションできればよいので、この他にもリトラクション量の設定方法は考えられ得る。
例えば、(1)Lr=Lm×k'とし、このとき、k'を0.1や0.2程度の小さい値に設定してもよい。
Lmから測定子の径dを引いておかなくても、k'を小さくしておけば、適正なリトラクション量を設定できると考えられる。
あるいは、(2)Lr=Lm−d−α (0.5mm<α<2.0mm)、とする考え方もある。ワークから距離αだけ離れていれば安全なリトラクションが可能と考えられる。
なお、Lr(=Lm−d−α)からリトラクション停止点Prを求めたときに、リトラクション停止点Prがワークの内部に入ってしまうような場合はエラー終了してもよいし、αをより小さい値に再設定してもよいだろう。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態を説明する。
上記第1実施形態においては、指定された通りにリトラクション動作を行ってみて、リトラクション時にプローブとワークとが接触したら復帰処理(リカバリー処理)を行うというものであった。
これに対し、第2実施形態では、できる限りリトラクション時にプローブとワークとが接触(衝突)しないように配慮している点に特徴を有する。
第2実施形態は、エラー回避機能がついた設計値倣い測定であり、「エラー回避機能付き設計値倣い測定」と称することにする。
以下、順に説明する。
図12は、「エラー回避機能付き設計値倣い測定」(第2実施形態)の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、倣い測定に必要な準備を行う(準備工程ST200)。
準備工程ST200は図13のフローチャートに示す通り、基本的には第1実施形態と同様であり、ステップごとの詳しい説明は割愛する。
第2実施形態にあっては、図14の選択画面においてエラー回避モードを選択する(ST203)。
準備工程(ST200)を受けてモーションコントローラ300は、ワークをアクティブ設計値倣いで測定する(ST210)。
アクティブ設計値倣い測定も第1実施形態で説明したので重複する説明は割愛する。
第2実施形態を説明するにあたっては数値を例示した方がわかりやすいと考えるので、図15、図16、図17に、アクティブ設計値倣い測定で細孔を測定する様子を例示する。
図15は、設計データ通りに加工された細孔をアクティブ設計値倣い測定で測定する様子である。
ここで、細孔の幅が8mmであり、測定子232の直径が4mmであるとする。
図16は、設計データから若干ズレたワークをアクティブ設計値倣い測定で測定する様子である。
設計データの孔が8mmだとして、実際のワークでは孔の側面が0.5mm程度ずつ内側にズレてしまっており、孔が約7mm程度になっているとする。
図17については後述する。
なお、分かりやすい典型例として「孔」を例示するのであるが、文字通りの「孔」でなくてもよいのであって、測定対象の面と僅かなギャップを隔ててワークの別の部位が存在しているような場合を想定していただいてももちろんよい。
設計値倣い測定の経路(PCC曲線)は、設計データを元にして、設計データに所定のオフセットを加味したものになる。
(アクティブ)設計値倣い測定を行うと、経路(PCC曲線)上の補間点(i)から次の補間点(i+1)へ測定子232が移動するように三次元測定機200が駆動制御される。
いま、図15(図16)中の点Pnが細孔部分の測定の最終指令位置であるとする。
モーションコントローラ300は、移動指令がその測定箇所の最終指令位置Pnに達したか否かを判断する(ST220)。
(「移動指令がその測定箇所の最終指令位置Pnに達したか否か」というのは、別の言葉でいうと、動作指令がリトラクション動作の1つ手前に達したどうか、ということである。)
移動指令がその測定箇所の最終指令位置Pnに達した場合(ST220:YES)、(リトラクションの指令に移行せずに、)最終指令位置Pnに対応するワーク表面上の点に測定子232を位置決めする(ST230)。
アクティブ設計値倣い測定をONにしているので、最終指令位置Pnへの移動指令(速度ベクトル)に押込み修正ベクトルと軌道修正ベクトルとが加わり、自動的に最終指令位置Pnに対応するワーク表面上の点Pn'にプローブ230が位置決め制御される(図16参照)。
(Pn'は測定子中心の座標値(Pn´)を表わすとする。
アクティブ制御によってプローブ230は所定押込み量(0.3mm)だけワーク表面に押し込まれるが、測定子中心の座標値(Pn´)は、三次元測定機200の各エンコーダ出力とプローブセンサ出力との和に基づいて求められ、測定子232がワークに接触している間は同一の座標値となる。
(三次元測定機200がプローブ230をワークに押し込んだ分だけプローブセンサは押込み量を出力するのであるから、差し引きゼロである。)
なお、図15では、設計データと実際のワークとにズレがないので、最終指令位置Pnが最終位置Pn'に一致していると解釈されたい。
最終位置Pn'への位置決めが完了したら(ST230)、次に、最終指令位置Pnと最終位置Pn'とのズレ量Lsを求める(ST240)。
Ls=|Pn−Pn'|
このようにして求められたズレ量Lsを指定リトラクション長LRと対比する(ST250)。
ここではLRに所定の係数βを乗じて、Lsとβ・LRとの大きさを対比する。
例として、βは0.5であるとする。
ここで、指定リトラクション長LRは、予め設定されているリトラクション長である。
例えば、孔幅8mm、測定子232の直径が4mmなので、指定リトラクション長LRが2mmに設定されているとする。
図15を参照していただいて、測定子232が実線(測定子が孔の側面に当接している)から破線で示した位置に指定リトラクション長LR(2mm)だけリトラクションすると、測定子232の中心座標Ppは孔の真ん中にくる。
なお、リトラクションの方向Drは、プローブ230のセンサ出力から求められる。つまり、プローブ230のセンサ出力に基づいて点Psfにおける測定面の法線方向は分かる。この法線方向がリトラクションの方向Drとして設定される。
図15では、リトラクション後、測定子232の外面と孔の側面と間には約2mmのギャップがある。
(ここでは、測定子232は、測定面からも対向面からも2mm離間している。)
約2mmのギャップがあれば、この後、次の移動先に移動する際にプローブ230(測定子232)とワーク(孔)とが接触(衝突)する可能性は低い。
図15では、設計データと実際のワークとにズレが無いという理想形を想定しているのであるから当然にLs<β・LRを満たしているのであり(ST250:YES)、指定された通りのリトラクションを行えばよい。
つまり、指定リトラクション長LR(=2mm)でリトラクションを行えばよい。
そして、次に測定すべき箇所があれば(ST280:NO)、アクティブ設計値倣い測定を継続する(ST210)。
次に図16を参照していただきたい。
図16では、実際のワークが設計データからズレており、孔の側面が0.5mm程度ずつ内側にズレている。
アクティブ設計値倣い測定であるから実際のワークが設計データからズレていても倣い測定が可能であり、最終指令位置Pnへの移動指令(速度ベクトル)に押込み修正ベクトルと軌道修正ベクトルとが加わり、自動的に最終指令位置Pnに対応するワーク表面上の点Pn'にプローブが位置決め制御される(図16参照)。
そして、最終位置Pn'への位置決めが完了したら(ST230)、最終指令位置Pnと最終位置Pn'とのズレ量Lsを求める(ST240)。
Ls=|Pn−Pn'|
ここでは、Ls≒0.5mmである。
さて、図16の場合においてLs(≒0.5)とβ・LR(=1.0mm)とを対比すると、Ls<β・LRを満たす(ST250:YES)。
安全判定条件(Ls<β・LR)を満たしているので(ST250:YES)、設定された通りのリトラクションを行う(ST270)。
つまり、指定リトラクション長LR(=2mm)でリトラクションを行えばよい。
実際に図16において指定リトラクション長LR(=2mm)でリトラクションしてみる。すると、図16に作図するように、孔の対向面と測定子232の間に1mm程度のギャップが確保される。1mm程度のギャップがあれば、安全にリトラクションできると考えられる。
ここで、ズレ量Lsが0.5mmだからといって孔幅が1.0mm狭くなるというのは最悪のケースを想定してのことである。
一般的にズレ(Ls)の方向が面に垂直とは限らないのであるから、孔幅が2×Lsだけ狭くなるというのは考え得る最悪のケースである。
図16のように設計データと実際のワークとがズレている場合であっても、指定リトラクション長LRに比べてズレ量Lsが十分に小さければ指定リトラクション長LRで安全にリトラクションできると考えてよいであろう。
さて、図17の場合を説明する。
図17では、実際のワークが設計データからズレていて、孔の側面が1.2mm程度ずつ内側にズレてしまっているとする。
アクティブ設計値倣い測定であるから実際のワークが設計データからズレていても倣い測定が可能である。
軌道誤差ΔLの許容値は例えば1.5mm程度まで許容できるから、前記1.2mm程度の加工誤差であればアクティブ設計値倣い測定による軌道修正で倣い測定が可能である。
図17のケースにおいて、最終指令位置Pnに対応する最終位置Pn'に位置決めが完了したとする(ST230)。
最終指令位置Pnと最終位置Pn'とのズレ量Lsを求める(ST240)。
Ls=|Pn−Pn'|
ここでは、Ls≒1.2mmである。
図17のケースにおいてLs(≒1.2)とβ・LR(=1.0mm)とを対比すると、Ls<β・LRを満たさない(ST250:NO)。つまり、安全判定条件(Ls<β・LR)を満たしていない。
この場合、設定された通りのリトラクション長LRでリトラクションを行うと測定子232が対向面に衝突する可能性がでてくる。
図17においては孔の側面が1.2mm程度ずつ内側にズレているとすると、孔幅は5.6mm程度になっている可能性がある。
仮に、指定リトラクション長LR(=2mm)でリトラクションしたとすると、測定子232の直径4mmにリトラクション長LR(=2mm)が加算されると6mmに達する。
押し込み量が0.3mmに達するまではエラー信号がでないとして、ギャップ5.6mmに押し込みの余裕0.3mmを見込んでも、やはり、測定子が対向面に基準押込み量(0.3mm)を超えて押し込まれてしまうことになる。
リトラクション時の移動速度が速いと、基準押込み量(0.3mm)を超えて対向面に衝突してしまうことになる。
そこで、安全判定条件(Ls<β・LR)を満たしていない場合には(ST250:NO)、エラー回避処理(ST300、図18)に切り替えてリトラクションを行うこととする。
安全判定条件(Ls<β・LR)を満たしていない場合には(ST250:NO)、エラー回避モードが選択されているかを確認する(ST251)。
エラー回避モードが選択されている場合には(ST251:YES)、エラー回避処理(ST300)に移行することになるが、エラー回避処理(ST300)に移行する前に、モーションコントローラ300はエラー回避処理に移行したことをホストコンピュータ500に通知する(ST252)。
ホストコンピュータ500は、エラー回避処理に移行したことをユーザに通知する(例えばディスプレイに表示する)とともに、測定データの記録等の測定動作を一時待機状態にする。
続いて、モーションコントローラ300は、最終位置Pn'の座標を取得し、ホストコンピュータ500にも通知しておく(ST253)。
この最終位置Pn'は、指定リトラクション長LRでリトラクションできない点を意味する。
ホストコンピュータ500は、この最終位置Pn'の座標値を記録しておき、二個目以降のワークについては設計値倣い測定でエラー無く測定できるように設計データの補正および指定リトラクション長LRの再設定をしておく。
その後、エラー回避処理(ST300)を行う。
図19は、エラー回避処理(ST300)の具体的手順を説明するためのフローチャートである。
まず、リトラクション長をエラー回避処理用に予め設定された短い長さに設定変更する(ST301)。
ここでは、エラー回避用リトラクション長Lr'として1.7mmが予め設定されているとする。これは、指定リトラクション長LRよりも0.3mm短い値である。
なお、エラー回避用リトラクション長Lr'としては、1.7mmに限定されるというわけではなく、0.1mmから1.9mm程度の間、で適宜設定されればよい。
エラー回避用リトラクション長Lr'(=1.7mm)でリトラクションを実行する(ST302)。(リトラクションの方向は、プローブ300のセンサ出力から求められる被測定面の法線方向である。)
また、後の処理のため、エラー回避用リトラクション長を用いたリトラクションの回数を記憶しておく。
ここでは、一回目のトライであるから,パラメータjを1に初期化する(ST303)。
図20は、Lr'=1.7mmでリトラクションした状態を示す図である。
いま、孔の両側面が1.2mmずつ内側にずれているケースを考えているので、孔幅は5.6mmしかない。
直径4mmの測定子を1.7mmリトラクションしようとすると、1.6mmリトラクションした時点で測定子が対向面に接触し、さらに、プローブが0.1mm対向面に押し込まれることになる。
ちなみに、もし指定リトラクション長LRである2.0mmでリトラクションを行っていたとすると、プローブが0.4mm対向面に押し込まれていたことになる。
つまり、指定リトラクション長LR(=2.0mm)のままだと、基準押込み量(=0.3mm)を超えてプローブが対向面に押し込まれていた可能性があるわけであり、この点、エラー回避用の短いリトラクション長Lr'(=1.7mm)に設定変更していた意味がある。
ただし、エラー回避用の短いリトラクション長Lr'であっても必ずリトラクションに成功するとは限らない。
対向面に過大な押込み量で衝突する可能性は低くなるが、やはり、今回のように、測定子が対向面に接触する可能性がある。
測定子232とワークとの接触を検知した場合(ST306:YES)、モーションコントローラ300は、パラメータjの値を確認する(ST308)。
パラメータjが5以下であれば(ST308:YES)、記憶していた座標値Pn'を読み出し、この座標値Pn'に戻る。
座標値Pn'に戻ったら、リトラクション長Lr'を再設定する(ST310)。つまり、リトラクション長Lr'をさらに0.3mm短くするようにする(ST310)。
そして、パラメータjに"1"を加算したのち(ST311)、再設定したリトラクション長Lr'(=1.4)でリトラクションを実行する(ST312)。
座標値Pn'から1.4mmリトラクションした状態を図21に例示する。
今度は、対向面に接触せずにリトラクションすることに成功した(ST306:NO)。
したがって、この後、ST280(図12)に戻って、全測定が終了するまでメインのフロー(ST210−ST280)を継続すればよい。すなわち、次の測定箇所があれば、リトラクション後の位置(Pr2)から次の移動先に移動すればよい。
このように、ワークが設計値からズレており、安全判定条件(Ls<β・LR)を満たさないような場合には(ST250:NO)、エラー回避用のリトラクション長Lr'に設定変更し、さらに徐々にリトラクション長Lr'を短くしていくことで、安全なリトラクションを成功させることができる。
なお、リトラクション長Lr'を短くしながら繰り返しリトラクションを実行してもワークとの接触が解消しない場合(ST306:YES)、今回であればパラメータjが5に達したところで(ST308:NO)、エラー回避処理(図19)のループを抜けることとする。もはやリトラクション長Lr'をそれ以上短くすることはできないのであり、何か予期しない理由のエラーが生じていると考えられる。
したがって、パラメータjが5に達したら(ST308:NO)、モーションコントローラ300からホストコンピュータ500にエラー通知を行い(ST313)、その後、終了する。
準備工程(ST200)中のエラー回避モードの選択(ST203)でユーザがエラー回避モードを選択しなかった場合について補足しておく。
エラー回避モードが選択されていない状態でズレ量Lsがβ・LR以上(ST250:NO)になってしまう場合も有り得る。
この場合、エラー終了してしまってもよいが、ユーザに再度選択のチャンスを与えてもよい。
プローブ230(測定子232)が最終指令位置Pnに達したところでズレ量Lsがβ・LR以上(ST250:NO)になっているが、エラー回避モードの選択がないとする(ST251:NO)。
この場合、次のようなエラー処理(ST260)を実行する。
図22にエラー処理(ST260)の手順を示す。
モーションコントローラ300は、ホストコンピュータ500に対してエラーを通知する(ST261)。
つまり、エラー回避モードの選択がない状態でズレ量Lsが指定リトラクション長LRに比してある程度の大きさになっている(ST250:NO)ことをホストコンピュータ500に通知する。
ホストコンピュータ500は、エラー通知を受けると、エラー表示を行う(例えばディスプレイに表示する)。
このとき、合わせて、ホストコンピュータ500は図14に示したような選択画面をディスプレイに表示し、エラー回避モードのON/OFFをユーザに選択させる。
ユーザがエラー回避モードをON(選択)したら(ST263:YES)、エラー回避処理(ST300)へ移行する(図18中のF)。
この場合、先に説明したエラー回避処理(図19)が実行される。
ユーザがエラー回避モードを選択しなかったら(例えばエラー回避モードを選択せずにキャンセルするなど)、そのまま終了となる。
(このあとは、ユーザの判断でマニュアル操作が行われることになる。)
第2実施形態によれば次の効果を奏する。
本第2実施形態では、最終指令位置Pnと最終指令位置Pnに対応する最終位置決め点Pn'とのズレ量Lsを求めている。
このズレ量Lsが大きいと、設計値とワークとのズレが大きいということであるので、指定リトラクション長LRでリトラクションすると、予期せず対向面に衝突するおそれがでてくる。
この点、第2実施形態では、ズレ量Lsと指定リトラクション長LRとを対比し、指定リトラクション長LRがズレ量Lsよりも(十分に)大きいか否か、すなわち、安全にリトラクションできるか否かを判定することとしている。そして、指定リトラクション長LRで安全にリトラクションできないと判断される場合には、短めに設定されたエラー回避用リトラクション長Lr'でリトラクションを実行する。
したがって、指定リトラクション長LRでリトラクションして対向面に衝突するというような事態を極力避けることができる。これにより、プローブの負担が軽減すると期待できる。
設計値からのズレがやや大きいワークをアクティブ制御倣い測定しても、リトラクション時にエラー中断することはなく、測定効率の向上に繋がる。
(変形例2)
上記第2実施形態では、安全判定条件(Ls<β・LR)を満たしていない場合(ST250:NO)、徐々にリトラクション長Lr'を短くしていくとした。
この点、変形例2としては、図23に示すフローチャートのように、エラー回避用のリトラクション長Lr'を極めて短い値、例えば、0.1mmに設定するようにしてもよい(ST301A)。このように極めて短いリトラクション長Lr'(=0.1mm)であれば、リトラクション時にプローブが対向面に接触するという事態は確実に回避できる。
ちなみに、それならば、指定リトラクション長LRを初めから極めて短い値(=0.1mm)に設定しておけばよいようにも感じられるだろうが、それは好ましくない。リトラクション長LRが極めて短い値であればプローブが対向面に接触する可能性は極めて低くなるのであるが、短か過ぎる指定リトラクション長LRには別の問題が生じる可能性が極僅かながらある。
例えば、図24に示すように、湾曲したワークの外側面を倣い測定し、一つの終点としてPn'に到達したとする。そして、次の移動先が例えば点Pkのような位置にあるとする。
もし、リトラクション長LRが短か過ぎてプローブとワークとが十分な離間距離をもっていないと、次の移動先Pkに移動する際にプローブとワークとが接触するおそれがある(図24中の経路R1を参照)。
一方、プローブとワークとが十分な離間距離をもっていれば、次の移動先Pkに移動する際にプローブとワークとが接触するといった可能性は低くなるのであり(図24中の経路R2)、したがって、指定リトラクション長LRとしては、安全を確保できる十分な離間距離として設定されている必要がある。
短いリトラクション長Lr'に設定変更するのは、安全判定条件(Ls<β・LR)を満たしていない場合(ST250:NO)のようなエラー回避の特例に留めておくのが適切である。
なお、エラー回避用のリトラクション長Lr'は0.1mmに限定されるものではなく、例えば、0.1mm〜0.5mm、より好ましくは、0.1mm〜0.3mmの範囲から選択される適切な値とすればよい。
なお、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
上記実施形態では、アクティブ設計値倣い測定を中心に説明したが、"アクティブ設計値倣い測定"を"ポイント測定"に読み替えてもよい。
すなわち、本発明はポイント測定にも適用できる。ポイント測定(あるいはタッチ測定ともいう)自体は、よく知られているものである。ポイント測定では、一旦、プローブ230をワークから離間させる。そして、プローブ230(測定子232)をワークに接近させ、押し込み量が所定値(例えば0.3mm)になったところで座標値を取り込む、といった測定方式である。ある一つの測定点(ポイント)から次の測定点(ポイント)に移動するのにリトラクションが必要であるから、本発明が有効となる。
100…形状測定システム、200…三次元測定機、210…定盤、
220…移動機構、221…Yスライダ、222…Xスライダ、223…Z軸コラム、224…Zスピンドル、
230…プローブ、231…スタイラス、232…測定子、233…支持部、
300…モーションコントローラ、310…PCC取得部、320…カウンタ部、330…経路算出部、340…駆動制御部、
400…手動コントローラ、
500…ホストコンピュータ、520…記憶部、530…形状解析部。
詳細は割愛するが、アクティブ設計値倣い測定を簡単に説明しておく。
オリジナルデータは例えばCADデータ(例えばNURBSデータ)である。
まず、CADデータ(例えばNURBSデータ)を点群のデータに変換する。
各点のデータは、座標値(x、y、z)と法線方向(P、Q、R)とを組み合わせたデータである。(つまり、(x、y、z、P、Q、R)である。)
各点の座標値を法線方向に所定量だけオフセットする。
(所定量とは、具体的には、測定子半径r―基準押込み量Eである。)このようにして求めた点群データをPCC曲線群に変換する。PCC曲線群をさらに複数の点でセグメント(分割PCC曲線)に分割する。
ここまでの処理はホストコンピュータ500内で演算処理される。
このようにして生成されたPCC曲線はモーションコントローラ300に送られ、PCC取得部310に一旦格納される。
そして、リカバリーモードが選択されているかを確認する。リカバリーモードが選択されている場合(ST140:YES)、リカバリー処理(ST150)に移行する。

Claims (10)

  1. 先端に測定子を有するプローブと、前記プローブを移動させる移動機構と、を備え、前記測定子とワークの表面との接触を検知して前記ワークの形状を測定する形状測定装置の制御方法であって、
    前記測定子と前記ワークとが接触した状態から前記測定子を前記ワークから離間させるリトラクションを実行させるにあたって、
    最終指令位置Pnと最終指令位置Pnに対応する最終位置決め点Pn'とのズレ量Lsを求め、
    前記ズレ量Lsと予め指定された指定リトラクション長LRとを対比し、
    Ls<β・LRを満たす場合には前記指定リトラクション長LRでリトラクションを実行し、
    Ls<β・LRを満たさない場合には、前記指定リトラクション長LRよりも短い値に設定されたエラー回避用リトラクション長Lr'によりリトラクションを実行する
    ことを特徴とする形状測定装置の制御方法。
    βは、0<β<1である。
  2. 請求項1に記載の形状測定装置の制御方法において、
    エラー回避用リトラクション長Lr'によりリトラクションを実行した後、前記プローブとワークとの接触を検知した場合には、前記最終位置決め点Pn'に戻る
    ことを特徴とする形状測定装置の制御方法。
  3. 請求項2に記載の形状測定装置の制御方法において、
    前記最終位置決め点Pn'に戻り、さらに、前記エラー回避用リトラクション長Lr'よりも短くしたリトラクション長Lr'によりリトラクションを実行する
    ことを特徴とする形状測定装置の制御方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の形状測定装置の制御方法において、
    前記エラー回避用リトラクション長Lr'でリトラクションを実行する際のリトラクションの方向は、プローブのセンサ出力に基づいて求められる被測定面の法線方向である
    ことを特徴とする形状測定装置の制御方法。
  5. 請求項1に記載の形状測定装置の制御方法において、
    前記エラー回避用リトラクション長Lr'は、0.1mmから0.5mmの範囲から選択される値である
    ことを特徴とする形状測定装置の制御方法。
  6. 先端に測定子を有するプローブと、前記プローブを移動させる移動機構と、を備え、前記測定子とワークの表面との接触を検知して前記ワークの形状を測定する形状測定装置の制御方法であって、
    前記測定子と前記ワークとが接触した状態から前記測定子を前記ワークから離間させるリトラクション時に、前記測定子と前記ワークとの接触の有無を監視し、
    前記リトラクション時に前記測定子と前記ワークとの接触を検知した場合には、前記測定子が前記ワークに接触しない位置に前記プローブを移動させる
    ことを特徴とする形状測定装置の制御方法。
  7. 請求項6に記載の形状測定装置の制御方法において、
    前記リトラクション時に前記測定子と前記ワークとの接触を検知した場合には、この前記測定子と前記ワークとの接触点Pcoの座標をサンプリングする
    ことを特徴とする形状測定装置の制御方法。
  8. 請求項7に記載の形状測定装置の制御方法において、
    リトラクション開始点におけるワーク表面上の点Psfと、前記測定子と前記ワークとの接触点Pcoと、の距離Lmを求め、
    この距離Lmと前記測定子の径とに基づいて適正リトラクション量Lrを設定し、
    リトラクションの開始点からリトラクションの方向に前記適正リトラクション量Lrだけ移動した点をリトラクション停止点Prとし、
    前記測定子を前記リトラクション停止点Prに移動させる
    ことを特徴とする形状測定装置の制御方法。
  9. 請求項8に記載の形状測定装置の制御方法において、
    前記適正リトラクション量Lrは、前記測定子の直径をdとし、1未満の正の整数である所定の係数k(0<k<1)を用い、
    Lr=(Lm−d)×k
    とする
    ことを特徴とする形状測定装置の制御方法。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の形状測定装置の制御方法をコンピュータに実行させる形状測定装置の制御プログラム。
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