JP2017078331A - トイレブース用化粧板及びトイレブース - Google Patents

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Abstract

【課題】表層樹脂層の劣化を防ぎ、機能性の効果の維持に優れたトイレブース用化粧板を提供する。【解決手段】基板と、前記基板の一方面又は両面上に積層される表層樹脂層と、前記表層樹脂層上に存在する機能性物質とからなることを特徴とするトイレブース用化粧板。【選択図】 図1

Description

本発明は、トイレブース用化粧板及びトイレブースに関する。
トイレブースでは、悪臭の除去が問題となるが、そのほかにも細菌が発生し易く、細菌の発生を防止し、衛生環境を維持するための手段を講ずる必要がある。
これらの問題に対し、従来から、メラミン化粧板等の化粧板に、光触媒などの機能性物質を添加もしくは塗布することで、防汚性、抗菌性等の機能性を付与した化粧板が提供されている。
特許文献1には、消臭、防虫、抗菌等の機能を有する薬剤を、フラッシュパネル本体に直接又は該パネル中空部内に封入した担体を介して保持せしめ、さらに上記パネル本体の表面に気体透過性化粧層を形成したトイレブース用フラッシュパネルが提案されている。
特許文献2には、抗菌・抗ウィルス性等の機能を有する機能材を含有する樹脂塗膜で被覆されて機能材が表面近傍で固定化されていることを特徴とする機能性建材が提案されている。
特許文献3には、紙の表面に抗菌性金属を担持させたカルシウム系セラミックス焼成物粉末よりなる抗菌剤を添加した不飽和ポリエステル樹脂を塗布することで抗菌性ポリエステル化粧板を得る製造方法が提案されている。
また、特許文献4には、紫外線で活性化する光触媒をトイレの壁面の一部に担持し、紫外線を照射して消臭機能を発揮させる技術が記載されている。
特許文献5には、所定の面粗さを持つ光触媒担持化粧板が開示されている。
実開平1−96920号公報 特開2008−80210号公報 特開平07−304619号公報 特開平04−307065号公報 特許第4193980号公報
しかしながら、特許文献1に記載のフラッシュパネルで、薬剤をパネル中空部内に封入した担体を介して保持した場合には、気体透過性化粧層の表面がフラッシュパネルの表面となるため、消臭、防虫に関してはある程度の効果を有すると考えられるが、フラッシュパネルに付着した細菌等に対しては、継続的な効果が小さいという問題があった。
また、フラッシュパネル本体に直接含浸させた場合には、清掃作業を行うと、表面の薬剤は除去されてしまい、抗菌性を維持することができないという問題があった。
また、特許文献4では、紫外線応答型の光触媒が使用されている上、光触媒の使用は紫外線が照射される範囲のみで限定的であり、トイレの壁面の化粧材ではなく、抗ウィルス機能を充分に発揮できないという問題があった。さらに、特許文献5では、算術平均粗さ(Ra)が0.3μmの化粧板に光触媒を担持する技術が開示されているが、キッチン等で使用される防汚性化粧板であり、トイレの壁面への使用や抗ウィルス機能については明示されていない。
また、図5は、従来の化粧板を模式的に示す概略断面図である。
この化粧板3では、紫外線等で活性化される光触媒などの機能性物質14が表層樹脂層12に固定されている。
図5に示した化粧板3では、光触媒などの機能性物質14が表層樹脂層12に長時間接触すると表層樹脂層12を劣化させることがある。具体的には、表層樹脂層12の変色や機能性物質14の脱落が生じることがある。これによって、機能性が低下するだけでなく、表層樹脂層12の変色による化粧板3の意匠性の低下、表面の凹凸の発生による化粧板3の外観の不具合を引き起こすという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、メラミン樹脂等からなる表層樹脂層の劣化を防ぎ、機能性の効果の維持に優れたトイレブース用化粧板及びそれを用いたトイレブースを提供することを目的とする。特に、抗菌性、抗ウィルス性の効果の維持に優れたトイレブース用化粧板及びそれを用いたトイレブースを提供することを目的とする。
本発明のトイレブース用化粧板は、基板と、上記基板の一方面又は両面上に積層される表層樹脂層と、上記表層樹脂層上に存在する機能性物質とからなることを特徴とする。
上記トイレブース用化粧板では、さらに、上記表層樹脂層上には、カチオン担体粒子が露出して配置され、上記機能性物質は、上記カチオン担体粒子の露出面上に担持されていることが望ましい。
本明細書において、カチオン担体粒子とは、カチオン担体粒子の露出面上に担持されている機能性物質の等電点よりも高い等電点となる粒子を指す。ここで等電点とは、溶液の水素イオン濃度を変化させたとき、溶質となる粒子の正と負の電荷が全体としてゼロになり、電場をかけても移動しないような状態で、粒子全体の電荷平均が0となるときの水素イオン指数であり、その値をpHとして表す。この等電点は物質により規定される値であり、その一例として、機能性物質の等電点はpH5〜6であるものが多く、それに対して、カチオン担体粒子は、機能性物質の等電点よりも高い等電点となるものを用いることができる。特に、カチオン担体粒子の等電点がpH7以上であることがより望ましい。なお、等電点の測定方法としては、電気泳動法、電気浸透法、流動電位法のいずれかの方法により行うことができる。
上記カチオン担体粒子として、無機、金属、これらを組み合わせたものを用いることができる。具体的には、上記機能性物質の等電点がpH5〜6のものを用いる場合には、上記機能性物質の等電点よりも高い等電点となる粒子をカチオン担体粒子として用いることが好ましい。
カチオン担体粒子としては、具体的には、セリウム、ジルコニウム、ストロンチウム、アルミニウム、珪素、鉄、コバルト、銅、クロム、ニッケル、錫、カドミウム、マグネシウム、マンガン、タングステン、バナジウム、イットリウムなどから選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属酸化物あるいは金属水和物の粒子、アルミナ含有粒子、シリカ含有粒子、珪藻土からなる粒子等を用いることができる。また、等電点に関し、アルミナ(Al)の等電点は、pH:7.4〜9.2、ベーマイト(AlOOH)の等電点は、pH7.7〜9.4、カドミウム水酸化物(Cd(OH))の等電点は、pH10.5以上、酸化カドミウム(CdO)の等電点は、pH7.7、鉄水和物(Fe(OH))の等電点は、pH12、酸化鉄(Fe)の等電点は、pH12、酸化銅(CuO)の等電点は、pH9.5、銅水和物(Cu(OH))の等電点は、pH7.7である。上記したカチオン担体粒子を構成する化合物のなかでは、特にアルミナ含有粒子を用いることが望ましい。
カチオン担体粒子は、菌やウィルスを引き寄せやすいという作用を有する。そもそも、菌やウィルスは、タンパク質や脂肪を含んでいるため、アニオン物質であり、アニオン物質は、その対極であるカチオン物質に引き寄せられるという性質を有する。つまり、トイレブース用化粧板の表層に存在する菌やウィルスは、カチオン担体粒子に引き寄せられ、カチオン担体粒子に担持された機能性物質により、菌やウィルスを減少させることができ、また、菌やウィルスが増殖しないので、抗菌や抗ウィルスの効果を得やすくなる。カチオン担体粒子でない粒子の場合、トイレブース用化粧板の表層に存在する菌やウィルスが機能性物質に接触する頻度が低いので、菌やウィルスが残存または増殖し、抗菌や抗ウィルスの効果を得にくいのである。
また、表層樹脂層上に露出した配置されたカチオン担体粒子は、機能性物質を一定間隔で担持しやすいという性質を有する。カチオン担体粒子でない粒子に機能性物質を担持させると、機能性物質の間隔が狭くなりやすい。そのため、菌やウィルスと機能性物質との接触頻度が低下し、想定される菌やウィルスの減少作用が発揮されなくなる。その結果、菌やウィルスを減少させるのに時間を要し、抗菌、抗ウィルスの効果が発現しにくくなる。これに対して、本発明で用いるカチオン担体粒子は、一定間隔に露出した状態で配置されるので、菌やウィルスが機能性物質との接触頻度の低下がなく、所望の時間で菌やウィルスを減少させ、抗菌、抗ウィルスの効果が発現しやすくなる。このように、カチオン担体粒子は、機能性物質の担持を一定間隔にさせ、菌やウィルスを引き寄せるという効果があり、抗菌や抗ウィルス効果を向上させることができる。機能性物質に、菌やウィルスが接触すると、機能性物質は、菌やウィルスを全分解させるか、又は、一部を損傷させることができるので、菌やウィルスを減少させることができる。
上記した効果は、カチオン担体粒子の露出面に機能性物質を担持させることにより得られる。
本発明のトイレブース用化粧板では、カチオン担体粒子として、アルミナ含有粒子を用いることが望ましい。本発明のトイレブース用化粧板において、アルミナ含有粒子としては、アルミナの含有量が5wt%以上であるものが望ましく、アルミナの含有量が15wt%以上のものがより望ましい。アルミナ含有粒子は、アルミナ100wt%からなるものであってもよい。また、カチオン担体粒子として、具体的には、アルミナ又はアルミン酸ストロンチウムのいずれかからなる粒子を用いることが望ましい。アルミナを含有することで、機能性物質を担持させることができる。
本発明のトイレブース用化粧板において、アルミナの含有量が5wt%未満であると、機能性物質の種類によっては担持させにくくなることがある。アルミナの含有量が15wt%以上であると、機能性物質の種類や粒子径に拘わらず担持することができ、機能性物質の機能を発現させることができる。
本発明のトイレブース用化粧板において、カチオン担体粒子の平均粒子径は、0.1μm〜55μmであることが望ましい。
本発明のトイレブース用化粧板において、上記カチオン担体粒子の全表面積に対し、上記カチオン担体粒子が上記表層樹脂層表面より露出している露出面積の割合は、0.1%以上であることが望ましい。
本発明のトイレブース用化粧板において、機能性物質は、可視光応答型光触媒であることが望ましい。
本発明のトイレブース用化粧板において、上記可視光応答型光触媒は、白金担持チタニア触媒、銅担持チタニア触媒、鉄担持チタニア触媒、窒素ドープチタニア触媒、硫黄ドープチタニア触媒、炭素ドープチタニア触媒、又は、酸化タングステンのいずれかであることが望ましい。特に、可視光応答型光触媒の等電点は、pH5〜6であることが望ましい。
本発明のトイレブース用化粧板において、上記表層樹脂層は、シリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有することが望ましい。
本発明のトイレブース用化粧板において、カチオン担体粒子の表層に無機ゾルの乾燥体又は有機ゾルの乾燥体を有していることが望ましい。
本発明のトイレブース用化粧板において、上記表層樹脂層は、耐酸化性樹脂からなることが望ましく、
上記表層樹脂層には、凹陥模様が形成されてなることが望ましい。
さらに、本発明のトイレブース用化粧板において、上記凹陥模様の深さは、10〜50μmであることが望ましく、上記表層樹脂層の表面粗さは、測定長さ12.5mmの条件で、JIS B 0601に基づく算術平均粗さ(Ra)が0.1〜10μmである(但し、凹陥模様を除く)ことが望ましい。
凹陥模様の形成方法としては、例えば、その表面に凸状模様が形成された金属製賦型板や、PETフィルムなどを表層樹脂層とプレス機との間に介在させ、プレス機により化粧板をプレスする方法が挙げられる。その際、金属製賦型板やPETフィルムの表面をサンドブラスト等により粗化させ、粗化表面を形成してプレスすることにより、表層樹脂層の表面を所定粗さの粗化面とすることができる。
本発明のトイレブースは、扉、仕切り板及び壁面からなるトイレブースであって、
基板と、上記基板の一方面又は両面上に積層される表層樹脂層と、上記表層樹脂層上に存在する機能性物質とからなるトイレブース用化粧板が、上記扉、上記仕切り板及び上記壁面のいずれかに用いられていることを特徴とする。
上記トイレブースにおいて、上記トイレブース用化粧板は、さらに、上記表層樹脂層上に露出して配置されるカチオン担体粒子を有し、上記機能性物質は、上記カチオン担体粒子の露出面上に担持されていることが望ましい。
本発明のトイレブース用化粧板では、機能性物質は表層樹脂層上に存在するため、抗菌性、抗ウィルス性等、機能性物質としての本来の機能を発揮することができ、その効果を長期間維持することができる。また、化粧板であるからトイレブース壁面全体を構成することになり、換気機能により空気中のウィルスが撹拌されて壁面に接触する確率が高くなり、充分な抗ウィルス機能を発現できる。
本発明においては、化粧板表面(表層樹脂層)に凹陥模様を形成することで、空気や水のような流動媒体中のウィルスをトラップさせることができ、ウィルスを失活させやすい。可視光応答型光触媒の場合は、凹陥模様の深さは、は、10μm〜50μmであることが望ましく、また、化粧板表面(表層樹脂層)の表面粗さに関し、JIS B 0601に基づく算術平均粗さ(Ra)が0.1〜10μmであることが望ましい(凹陥模様部分を除く)。凹陥模様の深さが浅い場合は、トラップしたウィルスが脱離しやすく、逆に深すぎると可視光が入射しにくくなるため触媒機能が発揮されず、いずれにせよ充分な抗ウィルス機能を発現させることが難しい。また、上記算術平均粗さ(Ra)が0.1μm未満では、ウィルスを充分にトラップさせることができず、一方、上記算術平均粗さ(Ra)10μmを超えると、光触媒が凹陥模様を構成する溝部の底部に凝集して担持されてしまい、やはり抗ウィルス機能が低下してしまう。このように、凹陥模様および上記表面粗さの範囲は、トイレブース用の化粧板として特有の範囲である。
なお、凹陥模様は、導管の窪み状に形成でき、木目調の化粧板とする場合は好適である。
上記トイレブース用化粧板において、さらに、上記表層樹脂層上に、カチオン担体粒子が露出して配置され、上記機能性物質は、上記カチオン担体粒子の露出面上に担持されていると、上記機能性物質は表層樹脂層に直接接触しない。このため、機能性物質による表層樹脂層の劣化を防ぐことができ、表層樹脂層の変色や表層樹脂層の劣化等に起因する機能性物質の脱落を防止することができる。また、機能性物質がカチオン担体粒子の露出面上に担持されていると、機能性物質の表層樹脂層中への埋没がなく、化粧板表面上に露出されているので、抗菌性、抗ウィルス性等、機能性物質としての本来の機能を発揮することができ、その効果を長期間維持することができる。
また、本発明のトイレブースでは、上述のトイレブース用化粧板が扉、仕切り板及び壁面のいずれかに用いられているため、トイレブースの美観を維持することができるとともに、菌の繁殖やウィルスの繁殖を長期間にわたって防止することができ、清潔かつ衛生的なトイレブースとなる。
図1は、本発明の一実施形態に係るトイレブース用化粧板を模式的に示す概略断面図である。 図2(a)は、本発明のトイレブース用化粧板を構成するカチオン担体粒子の露出部の面積率の算定の基礎となる面積部を示す断面図であり、図2(b)は、本発明のトイレブース用化粧板を構成するカチオン担体粒子の露出部の面積率の算定の基礎となる面積部を示す説明図である。 図3(a)は、本発明の一実施形態に係るトイレブース用化粧板を模式的に示す概略断面図であり、図3(b)は、本発明の他の実施形態に係るトイレブース用化粧板を模式的に示す概略断面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係るトイレブースを模式的に示す平面図である。 図5は、従来の化粧板を模式的に示す概略断面図である。 図6は、実施例2で得られたトイレブース用化粧板の表層樹脂層表面の溝に垂直な方向における粗さ曲線を示すチャートである。 図7は、実施例2で得られたトイレブース用化粧板の表層樹脂層表面の溝に平行な方向(溝を含まない)における粗さ曲線を示すチャートである。
以下、本発明のトイレブース用化粧板について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るトイレブース用化粧板を模式的に示す概略断面図である。
本発明のトイレブース用化粧板1は、基板(図示せず)と基板の表面上に積層されるメラミン樹脂等からなる表層樹脂層12を有し、カチオン担体粒子13が表層樹脂層12上に露出して配置され、機能性物質14がカチオン担体粒子13の露出面上に担持された構造を有するものである。
本発明のトイレブース用化粧板に使用する基板は、特に限定されるものではなく、一般的に化粧板に使用されるコア紙やマグネシアセメント等の不燃基材等を使用することができる。コア紙は単独でもよく複数枚のコア紙を積層した積層体としてもよい。コア紙の枚数は特に限定されないが、1〜20枚とすることができる。コア紙としては、例えば、水酸化アルミニウム抄造紙を使用することができる。コア紙には、フェノール樹脂を含浸させることができる。また、コア紙とマグネシアセメント不燃基材を積層させて基板とすることもできる。
マグネシアセメント不燃基材は、単独で使用することにより、又は、コア紙の中心部に積層して配置させることにより基板を構成することができる。マグネシアセメント不燃板は、酸化マグネシウム(MgO)と塩化マグネシウム(MgCl)を混合し、さらに骨材と水を加えて混練し、板状に成形することにより製造されるものである。骨材としては、ロックウール、グラスウール等の無機質繊維、ウッドチップ、パルプ等の有機質繊維を用いることができる。また、マグネシアセメント不燃板の強度を高めるため、中間層として網目状等に形成されたガラス繊維層を設けることができる。
複数又は単数のコア紙及び/又はマグネシアセメント不燃基材からなる基板表面上に表層樹脂層を形成する方法は、特に限定されるものではなく、一般的な方法で行うことができる。例えば、基板の片面又は両面にメラミン樹脂含浸紙を積層し、熱圧成形する方法を用いることができる。上記方法を用いると、メラミン樹脂含浸紙のメラミン樹脂がコア紙に浸透し、そこで硬化反応が進行して、コア紙に対するメラミン樹脂含浸紙の接着力が発現する。
また、本発明のトイレブース用化粧板を構成する表層樹脂層に用いることができる樹脂としては、メラミン樹脂、ジアリルフタレート(DAP)樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、グアナミン樹脂などが挙げられる。これらの中では、メラミン樹脂を用いることが望ましい。
メラミン樹脂は、透光性などの光学的、視覚的特性を損なうことなく、寸法安定性や靭性を改善した樹脂である。メラミン樹脂としては、メラミン及びその誘導体をモノマーとする樹脂であれば公知のものを採用することができる。また、メラミン樹脂は、単一のモノマーからなる樹脂であってもよく、複数のモノマーからなる共重合体であってもよい。メラミンの誘導体としては、例えば、イミノ基やメチロール基、メトキシメチル基、ブトキシメチル基等のアルコキシメチル基などの官能基を有する誘導体が挙げられる。また、メチロール基を有するメラミン誘導体に低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物をモノマーとして用いることができる。モノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン等のメチロール基を有する誘導体(以下、「メチロール化メラミン」という。)を架橋剤としてメラミンと共重合させてなるメラミン樹脂を用いることができる。
メラミン樹脂含浸紙は、パターン紙にメラミン樹脂を所定の含浸率で含浸させた後、加熱、乾燥させることにより作製される。メラミン樹脂をパターン紙に含浸させるには、溶媒として、例えば、ホルムアルデヒド水溶液を使用したメラミン樹脂含有溶液中にパターン紙を浸漬することにより行うことができる。また、メラミン樹脂含浸紙に曲げ加工性を付与するために、メラミン樹脂と共に可塑剤を含む溶液を含浸させることができる。可塑剤としては、例えば、ε−カプロラクタム、アセトグアナミン、パラトルエンスルフォン酸アミド、尿素等を使用することができる。パターン紙としては、例えばチタン紙が用いられる。パターン紙の坪量は、パターン紙の厚みや重さを考慮して80〜150g/mとすることができる。加熱、乾燥の温度は、パターン紙にメラミン樹脂を強固に固着させるために100〜150℃に設定することができる。
本発明のトイレブース用化粧板を構成するカチオン担体粒子としては、機能性物質の等電点より高い等電点を有し、機能性物質を担持することができる粒子であれば特に限定されないが、アルミナ含有粒子であることが望ましい。アルミナ含有粒子としては、アルミナの含有量が5wt%以上であるものが望ましく、アルミナの含有量が15wt%以上のものがより望ましい。アルミナ含有粒子は、アルミナ100wt%からなるものであってもよい。カチオン担体粒子としては、具体的には、アルミナ又はアルミン酸ストロンチウムのいずれかからなる粒子を用いることが望ましい。アルミナを含有することで、機能性物質を担持させることができる。アルミナの含有量が5wt%未満であると、機能性物質の種類によっては担持させにくくなることがある。アルミナの含有量が15wt%以上であると、機能性物質の種類や粒子径に拘わらず、担持することができ、機能性物質の機能を発現することができる。
本発明のトイレブース用化粧板において、カチオン担体粒子の平均粒子径は0.1〜55μmであることが望ましく、0.5〜5μmであることがより望ましい。カチオン担体粒子の平均粒子径が0.1μm未満であると表層樹脂層に埋まりやすくなり、機能性物質をカチオン担体粒子に担持しにくくなる。また、カチオン担体粒子の平均粒子径が55μmを超えると、表層に凹凸を形成させてしまうことがあり、外観及び意匠上において問題となる場合がある。さらに、カチオン担体粒子の平均粒子径が0.5〜5μmであると、機能性物質としての機能性が発揮されて、外観及び意匠性においても問題とならない。
本発明のトイレブース用化粧板において、上記カチオン担体粒子の全表面積に対し、上記カチオン担体粒子が上記表層樹脂層表面より露出している露出面積の割合は、0.1%以上であることが望ましく、上記カチオン担体粒子の全表面積に対し、上記カチオン担体粒子が上記表層樹脂層表面より露出している露出面積の割合は、0.2%以上であることがより望ましく、上記カチオン担体粒子の全表面積に対し、上記カチオン担体粒子が上記表層樹脂層表面より露出している露出面積の割合は、0.3%以上であることがさらに望ましい。
図2(a)は、本発明のトイレブース用化粧板を構成するカチオン担体粒子の露出部の面積率の算定の基礎となる面積部を示す断面図であり、図2(b)は、本発明のトイレブース用化粧板を構成するカチオン担体粒子の露出部の面積率の算定の基礎となる面積部を示す説明図である。
図2(a)及び(b)に示したように、本発明のトイレブース用化粧板おいて、「カチオン担体粒子の全表面積に対し、カチオン担体粒子が表層樹脂層表面より露出している露出面積の割合」とは、カチオン担体粒子の全表面積Aに対して、カチオン担体粒子13が表層樹脂層表面より露出している面積Bの割合を意味する。
カチオン担体粒子の全表面積に対し、カチオン担体粒子が表層樹脂層表面より露出している露出面積の割合が0.1%未満であると、機能性物質の機能性が十分に発揮できない傾向にある。なお、カチオン担体粒子の全表面積に対し、カチオン担体粒子が表層樹脂層表面より露出している露出面積の割合は、70%以下であることがさらに望ましい。カチオン担体粒子の全表面積に対し、カチオン担体粒子が表層樹脂層表面より露出している露出面積の割合が70%を超えるような露出面積にすると、カチオン担体粒子が脱落しやすくなることが経験上確認されている。
本発明のトイレブース用化粧板において、機能性物質は、抗菌性、抗ウィルス性、抗アレルゲン性、消臭性等の機能を有する機能材であることが望ましい。例えば、抗菌性、抗ウィルス性の機能性物質としては、可視光応答型光触媒が挙げられる。この可視光応答型光触媒の具体例としては、例えば、酸化チタンに白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなどの白金族、鉄、銅などを担持させたものなどが挙げられる。
可視光応答型光触媒は、トイレ内の照明のように低照度でも光触媒機能を発現して、ウィルスを失活させることができるため、トイレブース用化粧板に担持する光触媒としては好適である。
本発明のトイレブース用化粧板において、可視光応答型光触媒は、白金担持チタニア触媒、銅担持チタニア触媒、鉄担持チタニア触媒、窒素ドープチタニア触媒、硫黄ドープチタニア触媒、炭素ドープチタニア触媒、酸化タングステンのいずれかであることが望ましく、銅担持チタニア触媒であることがより望ましい。銅担持チタニア触媒としては、例えば、特開2006−232729号公報に記載されたCuO/TiO(重量%比)=1.0〜3.5の範囲で銅を含有するアナターゼ型酸化チタン、特開2012−210557号公報に記載された亜酸化銅(酸化銅(I):CuO)と酸化チタンとが複合化した光触媒組成物、特開2013−166705号公報に記載された一価銅化合物及び二価銅化合物を含む混合物を表面に担持した酸化チタン、並びに、国際公開第2013/094573号に記載された結晶性ルチル型酸化チタンを含む酸化チタンと2価銅化合物とを含有する銅及びチタン含有組成物などが挙げられる。
本発明のトイレブース用化粧板において、表層樹脂層は、シリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有することが望ましい。シリコーン樹脂としては、例えば、シリコーンレジン、変性シリコーンオイル等を用いることができる。変性シリコーンオイルとしては、分子内に1個以上の官能基を有するシリコーンオイルを用いることができる。官能基を導入する位置は特に限定されず、ポリシロキサン主鎖の片末端、両末端あるいは側鎖のいずれの位置に導入してもよい。また、官能基としては、例えば、水酸基、アミノ基、メトキシ基、ヒドラジノ基、エポキシ基、メタクリル基、カルボキシル基、カルビノール基等を導入することができる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロキシ基、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート基といった官能基を持ったものが望ましい。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、ジアリルジメチルシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネ−トプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、本発明のトイレブース用化粧板において、カチオン担体粒子の表層に無機ゾルの乾燥体又は有機ゾルの乾燥体を有していることが望ましい。カチオン担体粒子の表層に無機ゾル又は有機ゾルを付着させた後、機能性物質を担持し、乾燥させることにより、機能性物質を無機ゾルの乾燥体又は有機ゾルの乾燥体で固定化し、機能性物質をより強固に固定化することができるからである。無機ゾルとしては、シリカゾル、アルミナゾル、シリカ−アルミナゾル、チタニアゾル等を用いることができるが、シリカゾルを用いることが望ましい。有機ゾルとしては、熱硬化性樹脂を用いることができ、具体的にはシリコーン樹脂、フッ素樹脂等を用いることでき、その中でもシリコーン樹脂を用いることが望ましい。ゾルとしてシリカ又はシリコーン樹脂を用いることにより、機能性物質とカチオン担体粒子との密着性を向上させることができ、機能性物質の脱落が抑制され、機能性が維持される。
次に、本発明のトイレブース用化粧板の製造方法について説明する。
最初に、複数又は単数のコア紙及び/又はマグネシアセメント不燃基材等からなる基板表面上に表層樹脂層を形成する。上記基板やその製造方法、上記表層樹脂層については、本発明のトイレブース用化粧板の説明において説明したので、ここでは省略する。
本発明のトイレブース用化粧板においても説明したが、基板表面上に表層樹脂層を形成する方法は、特に限定されるものではなく、一般的な方法で行うことができる。具体的な表層樹脂層の形成方法としては、例えば、コア紙の積層体からなる基板の片面又は両面にメラミン樹脂等の樹脂含浸紙を積層する積層工程と、メラミン樹脂等の樹脂含浸紙が積層された基板を熱圧成形する熱圧成形工程を含む方法が挙げられる。上記方法を用いると、メラミン樹脂含浸紙のメラミン樹脂がコア紙に浸透し、そこで硬化反応が進行して、コア紙に対するメラミン樹脂含浸紙の接着力が発現する。
熱圧成形する際の加熱条件としては、トイレブース用化粧板の温度を125〜150℃とすることができ、加圧条件としては、1.96〜9.80MPa(20〜100kg/cm)とすることができる。温度が125℃未満の場合又は圧力が1.96MPa未満の場合には、基板に対する樹脂含浸紙の密着性が不足し、剥離が発生しやすくなる。一方、温度が150℃を超える場合又は圧力が9.80MPaを超える場合には、亀裂が発生するおそれがある。
基板上に表層樹脂層を有する表層樹脂層表面に、カチオン担体粒子を固定する方法としては、例えば、カチオン担体粒子を含むスプレー液を表層樹脂層表面に吹き付け、乾燥後、熱圧着する方法をとることができる。上記方法により、樹脂表面上にカチオン担体粒子を露出して固定させることができる。上記工程の後、カチオン担体粒子が配置された基板を、機能性物質を含む溶液中に浸漬することにより、機能性物質をカチオン担体粒子の露出面上に担持させることができる。機能性物質を含む溶液を、カチオン担体粒子が配置された基板上に塗布することにより、機能性物質をカチオン担体粒子の露出面上に担持させてもよい。
本発明のトイレブース用化粧板の製造方法においては、カチオン担体粒子を表層樹脂層表面に熱圧着する際、カチオン担体粒子吹き付け面と熱圧着プレス面との間にポリエチレンテレフタレート(PET)からなる離形クッション材を介在させて行うことができる。これによって、カチオン担体粒子が表層樹脂層内に埋没するのを防止することができ、表層樹脂層の表面上に露出して固定することができる。
他のトイレブース用化粧板の製造方法の製造方法としては、転写フィルムにカチオン担体粒子を含むスプレー液を吹き付け、次いで、表層樹脂層を有する基板の樹脂表面に、転写フィルムのカチオン担体粒子付着面を対向させて、カチオン担体粒子を熱転写する方法が挙げられる。
表層樹脂層にシリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有させる際には、メラミン樹脂溶液中に、シリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含ませることによって、表層樹脂層にシリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含浸する方法を用いることができる。
図3(a)は、本発明の一実施形態に係るトイレブース用化粧板を模式的に示す概略断面図であり、図3(b)は、本発明の他の実施形態に係るトイレブース用化粧板を模式的に示す概略断面図である。
表層樹脂層がシリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有すると、メラミン樹脂等の表面に撥水性を付与することができる。機能性物質をカチオン担体粒子の露出面上に担持させる際に、図3(a)に模式的に示されるように、表層樹脂層12がシリコーン樹脂及びシランカップリング剤を含有しない場合には、カチオン担体粒子13表面だけでなく、表層樹脂層表面15に機能性物質14が付着することがある。一方、図3(b)に模式的に示されるように、表層樹脂層12がシリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有する場合には、シリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有する表層樹脂層表面16の撥水性によって、機能性物質14は、表層樹脂層12の表面を避け、極力、カチオン担体粒子13の露出面上に付着するようになり、表層樹脂層12の表面に直接接触する機能性物質14の量をさらに低減することができる。また、表層樹脂層がシランカップリング剤を含有すると、メラミン樹脂等に硬化性を付与することができ、カチオン担体粒子を熱圧着する際に、表層樹脂層中に埋没することを防ぐことができる。
表層樹脂層にシリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有させることで、カチオン担体粒子を埋没させずに固定化させることができ、表層樹脂層に機能性物質が付着しにくくする効果がある。具体的には、工程中に過剰となった機能性物質が表層樹脂層に付着しても、洗浄工程後に除去しやすいということである。さらに、菌やウィルスなどを含む汚染水が親水性のカチオン担体粒子や機能性物質に引き寄せられやすくなり、機能性が発現しやすくなる。特に、表層樹脂層にメラミン樹脂を用いた場合には、上記の作用、効果を得やすい。
さらに、本発明のトイレブース用化粧板の製造方法においては、カチオン担体粒子の表層に無機ゾル又は有機ゾルを付着させ、乾燥させることが望ましい。機能性物質の固定化を補強することができるからである。無機ゾルとしてはシリカゾル、アルミナゾル、シリカ−アルミナゾル、チタニアゾル等を用いることができ、シリカゾルを用いることが望ましい。有機ゾルとしては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等を用いることでき、その中でもシリコーン樹脂を用いることが望ましい。
本発明では、表層樹脂層が耐酸化性樹脂からなっていてもよい。耐酸化性樹脂としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂から選ばれる少なくとも1種以上が望ましい。
次に、本発明のトイレブースについて説明する。
本発明のトイレブースは、扉、仕切り板及び壁面からなるトイレブースであって、
基板と、上記基板の一方面又は両面上に積層される表層樹脂層と、上記表層樹脂層上に存在する機能性物質とからなるトイレブース用化粧板が、前記扉、前記仕切り板及び前記壁面のいずれかに用いられていることを特徴とする。
上記トイレブースにおいて、上記トイレブース用化粧板は、さらに、上記表層樹脂層上に露出して配置されるカチオン担体粒子を有し、上記機能性物質は、上記カチオン担体粒子の露出面上に担持されていることが望ましい。本発明のトイレブースにおいて、トイレブース用化粧板には、上述した本発明のトイレブース用化粧板が用いられていることが望ましい。また、扉、仕切り板及び壁面の全てに上述したトイレブース用化粧板が用いられていてもよい。
さらに、トイレブースの床材として、本発明のトイレブース用化粧板が用いられていることが望ましい。本発明のトイレブース用化粧板を床材として使用する場合は、複数又は単数のコア紙及び/又はマグネシアセメント不燃基材の表層樹脂層形成側の反対側の面にポリ塩化ビニルからなるクッション層が設けられていることが望ましい。
トイレブースの仕切り板とは、トイレを取り囲む間仕切りの役割を果たす建具であり、トイレブース用の扉とは、トイレの出入口に開閉可能に設けられた建具である。
本発明のトイレブース用化粧板については、上記した本発明のトイレブース用化粧板が用いられていることが望ましい。上記トイレブース用化粧板は、上述の本発明のトイレブース用化粧板の説明で詳述しているので、ここではその説明を省略することとする。
上記トイレブース用化粧板が上記表層樹脂層上に露出して配置されるカチオン担体粒子を有し、上記機能性物質は、上記カチオン担体粒子の露出面上に担持されていると、カチオン担体粒子は、表層樹脂層に直接接触しない。このため、機能性物質による表層樹脂層の劣化を防ぐことができ、表層樹脂層の変色や表層樹脂層の劣化等に起因する機能性物質の脱落を防止することができる。また、機能性物質が上記カチオン担体粒子の露出面上に担持されていると、抗菌性、抗ウィルス性等、機能性物質としての本来の機能を発揮することができ、清掃を行っても機能性物質の脱落がないので、その効果を長期間維持することができる。
図4は、本発明の一実施形態に係るトイレブースを模式的に示す平面図である。
図4に示すように、本発明のトイレブース20は、便器21を取り囲む仕切り板23及び壁面24と、仕切り板23の一部に取り付けられた扉22とを含んで構成されている。扉22、仕切り板23及び壁面24には、上記した本発明のトイレブース用化粧板が用いられている。
本発明のトイレブースでは、トイレブースを構成する仕切り板のうち、便器と対向している仕切り板(内側の仕切板)にトイレブース用化粧板が用いられていることが望ましい。また、扉については、閉じた際に外側に面する部分も、人が内部にいない場合には解放され、便器の近くにあるので、扉の両側にトイレブース用化粧板が用いられていることが望ましい。さらに、壁面全体を覆うように本発明のトイレブース用化粧板が用いられている。
図4に示すトイレブースでは、上記トイレブース用化粧板が扉、仕切り板及び壁面に用いられているので、上述したように、トイレブースの美観を維持することができるとともに、菌の繁殖やウィルスの繁殖を防止することができ、清潔かつ衛生的なトイレブースとなる。
また、トイレブースでは、天井等に換気扇が設けられているため、トイレブースの内部を、トイレを水洗洗浄することで飛散する菌やウイルスを含む微細な水滴が空気の流れに乗って流動しているが、トイレブース用化粧板表面に凹陥模様を形成することで、空気のような流動媒体中のウィルスをトラップさせることができ、ウィルスを失活させやすい。
(実施例1)
(一次メラミン含浸工程)
厚さ0.2〜0.3mmの紙ロールを、メラミン樹脂を含む溶液中に浸漬する。溶液の温度20℃、浸漬時間2分となるように、ロール紙を溶液中に浸漬しながら通過させることにより、ロール紙にメラミン樹脂を含浸させた。なお、ロール紙の移動速度は、10〜20cm/秒であった。
(乾燥工程)
メラミン溶液中を通過したロール紙は、乾燥機(ESPEC社製、OVEN PH−201)により、温度100℃、乾燥時間30秒となるように乾燥させた。
(二次メラミン含浸工程)
乾燥工程を経た紙ロールを、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、シランカップリング剤からなる溶液中に浸漬させた。溶液の温度20℃、浸漬時間30分となるように、ロール紙を溶液中に浸漬しながら通過させることにより、メラミン樹脂、シリコーン樹脂及びシランカップリング剤を紙ロールに含浸させた。なお、ロール紙の移動速度は、10〜20cm/秒であった。
(乾燥・切断工程)
メラミン樹脂、シリコーン樹脂、シランカップリング剤からなる溶液中を通過したロール紙は、乾燥機(ESPEC社製、OVEN PH−201)により、温度100℃、乾燥時間2時間となるように乾燥させた。乾燥後、910mm×1820mmに切断した。
(アルミナ粒子スプレー工程)
平均粒子径0.5μmのγアルミナ粒子とエタノールからなるスプレー液を調製した。スプレー液を常温でスプレーに充填させて、切断したメラミン含浸紙に吹き付けた。
(乾燥工程)
アルミナ粒子を吹き付けたメラミン樹脂含浸紙を乾燥機(ESPEC社製、OVEN PH−201)により、温度110℃、乾燥時間2分となるように乾燥させた。
(組合せ工程)
厚み0.3〜0.4mmのフェノール樹脂含浸コア紙を4枚積層し、その上に、上記工程により得られたアルミナ粒子を吹き付けたメラミン樹脂含浸紙をアルミナ粒子吹き付け面が外面となるように積層し、プレス機のプレス面とメラミン樹脂含浸紙のアルミナ粒子吹き付け面との間にPETからなる離形クッション材を介在させて、温度143℃、プレス圧80kg/cm、プレス時間(昇温時間を含む)50分で熱圧着した。これにより、メラミン樹脂含浸層上にアルミナ粒子が露出して固定された。なお、固定されなかったアルミナ粒子については、化粧板を揺する等して除去した。
(光触媒担持工程)
平均粒子径100nmのCu−TiOの光触媒と、シリカゾル(SiO濃度:80重量%)とを、5:5の重量割合で含むメタノール混合溶液(光触媒濃度:40重量%)を調製した。上記工程で得られたアルミナ粒子が表面に露出して配置されたメラミン樹脂含浸層を表面に有する基板に、刷毛を用いて上記メタノール混合溶液を塗布し、70℃で30分間乾燥させることにより、アルミナ粒子上に上記光触媒が担持されたトイレブース用化粧板の製造を完了した。
(比較例1)
上記実施例1における(一次メラミン含浸工程)〜(乾燥・切断工程)と同様にして、メラミン樹脂含浸紙を得た。次いで、厚み0.3〜0.4mmのフェノール樹脂含浸コア紙を4枚積層し、その上に、上記工程により得られたメラミン樹脂含浸紙を載せ、プレス機により、温度143℃、プレス圧80kg/cm、プレス時間(昇温時間を含む)50分で熱圧着した。これにより、表面にメラミン樹脂含浸層を有する基板が得られた。
次に、実施例1と同様にして、平均粒子径100nmであり、紫外線で活性化するTiOの光触媒を含むメタノール溶液(光触媒濃度40重量%)を調製した。上記工程で得られたメラミン樹脂含浸層を表面に有する基板に、刷毛を用いて上記メタノール溶液を塗布し、70℃で30分間乾燥させることにより、メラミン樹脂含浸層上に上記光触媒が担持された化粧板の製造を完了した。
(実施例2)
(パターン層用メラミン樹脂含浸紙作製工程)
厚さ0.2mmのチタン紙(酸化チタン含有量15重量%)の一方の表面にパターンをグラビア印刷する。このチタン紙をメラミン樹脂溶液中に浸漬し、溶液の温度20℃、浸漬時間2分となるように、チタン紙にメラミン樹脂を含浸させた。
メラミン樹脂溶液を含浸させたチタン紙は、乾燥機に(ESPEC社製、OVEN PH−201)より、温度100℃で30秒間乾燥させた。乾燥後、910mm×1820mmに切断し、パターン層用メラミン樹脂含浸紙を得た。
(耐酸化性樹脂シート作製工程)
厚さ0.2mmのオーバーレイ紙(タルク含有量0.5重量%)に、アクリルシリコーン樹脂エマルジョン(チタン工業株式会社製 PCU−103)を、固形分重量に換算して77g/mとなるように含浸させた。アクリルシリコーン樹脂エマルジョンを含浸させたオーバーレイ紙は、乾燥機により、温度100℃で30秒間乾燥させた。乾燥後、910mm×1820mmに切断し、耐酸化性樹脂シートを得た。
(組合せ工程)
厚み0.3mmのフェノール樹脂含浸コア紙を4枚積層し、その上に、チタン紙に印刷された色彩面が上記コア紙とは反対側となるように上記パターン層用メラミン樹脂含浸紙を積層し、プレス機のプレス面とパターン層用メラミン樹脂含浸紙との間にPETからなる離型クッション材を介在させて、温度143℃、プレス圧80kg/cm、プレス時間(昇温時間を含む)50分で熱圧着した(第1積層工程)。
さらにその上に耐酸化性樹脂シートを積層して、耐酸化性樹脂シートとプレス機との間に、転写により凹陥模様が形成されるように、凸状模様が形成され、さらにアルミナ粒子を用いたサンドブラストにより、下記する表面粗さ測定器による下記条件下での測定において、JIS B 0601に基づく算術平均粗さ(Ra)が1.2μmとなるステンレス賦型板を介在させ、温度143℃、プレス圧80kg/cm、プレス時間(昇温時間を含む)50分で熱圧着した(第2積層工程)。
これにより、基板の片面に表面に深さ10〜40μmの凹陥模様が形成され、下記する表面粗さ測定器による下記条件下での測定において、JIS B 0601に基づく算術平均粗さ(Ra)が1.2μmの表面粗さを持つ耐酸化性樹脂層を形成することができた。
(光触媒担持工程)
平均粒子径100nmのCu−TiOの光触媒を水に分散したスラリー(固形分濃度25重量%)と、シリカゾル(SiO濃度:3重量%)とを、4.5:5.5の重量割合(固形分重量)で含むメタノール混合溶液(光触媒濃度0.05重量%)を調製した。上記工程で得られた基板の耐酸化性樹脂層の表面に、スプレーを用いて上記メタノール混合溶液を塗布し、25℃で12時間乾燥させることにより、シリカゾルの乾燥体を介して上記光触媒が担持されたトイレブース用化粧板の製造を完了した。
化粧板に担持された光触媒の固形分重量は、0.11g/mとした。
実施例2〜7で得られたトイレブース用化粧板および上記実施例2〜7で用いられたステンレス賦型板に対し、表面粗さ測定器として、(株)東京精密製のサーフコム1800Dを用い、測定長さ12.5mmの条件で、JIS B 0601:2013に基づく表面の算術平均粗さ(Ra)を測定した。測定条件は、算出規格:JIS-´94規格、測定長さ:12.5mm、カットオフ波長:2.5mm、測定倍率:×2K、測定速度:0.30mm/s、カットオフ種別:ガウシアン、傾斜補正:最小二乗直線補正である。
図6は、実施例2で得られたトイレブース用化粧板の表層樹脂層表面の溝に垂直な方向における粗さ曲線を示すチャートであり、図7は、実施例2で得られたトイレブース用化粧板の表層樹脂層表面の溝に平行な方向(溝を含まない)における粗さ曲線を示すチャートである。
図6に示す粗さ曲線から求められた垂直方向における算術平均粗さ(Ra)は、5.8μmであり、図7に示す粗さ曲線から求められた平行方向における算術平均粗さ(Ra)は、1.2μmである。
表1には、溝に平行な方向(溝を含まない)における算術平均粗さ(Ra)を算術平均粗さとして記載している。
(実施例3)
実施例2と同様であるが、上記表面粗さ測定器を用い、下記条件下で測定したJIS B 0601に基づく表面の算術平均粗さ(Ra)が0.08μmとなる賦型板を用いた点が異なる。
その結果、上記表面粗さ測定器を用い、下記条件下で測定したJIS B 0601に基づく転写後の耐酸化性樹脂層表面の表面算術平均粗さ(Ra)は、0.1μmであった。
(実施例4)
実施例2と同様であるが、上記表面粗さ測定器を用い、下記条件下で測定したJIS B 0601に基づく表面の算術平均粗さ(Ra)が10.5μmとなる賦型板を用いた点が異なる。
その結果、上記表面粗さ測定器を用い、下記条件下で測定したJIS B 0601に基づく転写後の耐酸化性樹脂層表面の算術平均粗さ(Ra)は、10μmであった。
(実施例5)
実施例2と同様であるが、賦型板に凸状模様を形成しなかった。このため、耐酸化性樹脂層の表面には、凹陥模様は形成されなかった。ただし、上記表面粗さ測定器を用い、下記条件下で、JIS B 0601に基づく表層樹脂層表面の算術平均粗さ(Ra)を測定した。その結果、算術平均粗さ(Ra)は、1.2μmであった。
(実施例6)
実施例2と同様であるが、上記表面粗さ測定器を用い、下記条件下で測定したJIS B 0601に基づく表面の算術平均粗さ(Ra)が0.05μmの賦型板を用いた点が異なる。
その結果、上記表面粗さ測定器を用い、下記条件下で測定したJIS B 0601に基づく転写後の耐酸化性樹脂層表面の算術平均粗さ(Ra)は、0.05μmであった。
(実施例7)
実施例2と同様であるが、上記表面粗さ測定器を用い、下記条件下で測定したJIS B 0601に基づく表面の算術平均粗さ(Ra)が15μmとなる賦型板を用いた点が異なる。
その結果、上記表面粗さ測定器を用い、下記条件下で測定したJIS B 0601に基づく転写後の耐酸化性樹脂層表面の算術平均粗さ(Ra)は、15μmであった。
(抗ウィルス性評価)
実施例1及び比較例1で得られた光触媒が担持された化粧板の抗ウィルス性を評価するために、JIS R1756 可視光応答形光触媒材料の抗ウィルス性試験方法に準じて抗ウィルス性に関する測定を行った。実施例2〜7では、バクテリオファージ液を試料に滴下してフィルムで被覆する代わりに、1辺50±2mm角の試料をバイクテリオファージ液に浸漬して、マグネチックスターラーで撹拌しながら、バウテリオファージ液を流動させた。また、光源は白色光としこれを24時間照射した。測定結果は、大腸菌に対して不活化されたウィルス濃度で表す。ここで、ウィルス濃度の指標として、大腸菌に対して不活化されたウィルスの濃度(ウィルス不活度)を使用した。
ウィルス不活度とは、バクテリオファージを用いた抗ウィルス性試験で、ファージウィルスQβ濃度:830万個/ミリリットルを用いて、大腸菌に感染することができるウィルスの濃度を測定することにより、大腸菌に対して不活化されたウィルスの濃度を算出した結果である。すなわち、ウィルス不活度は、ファージウィルスQβ濃度に対して、大腸菌に感染することができない濃度の度合いであり、(ファージウィルスQβ濃度−大腸菌に感染することができるウィルスの濃度)/(ファージウィルスQβ濃度)×100で算出することができる。ウィルス不活度の値が高いほど(ウィルス不活性度の絶対値が高い程)、抗ウィルス性に優れるといえる。
また、ウィルス不活度からウィルス不活性度を計算する。
ウィルス不活性度とは、元のウィルスの量を1とし、ウィルス失活処理後に失活したウィルスの相対量をXとした場合に、常用対数log(1−X)で示される数値(負の値で示される)であり、絶対値が大きい程ウィルスを不活性化する能力が高い。例えば、元のウィルスの99.9%が失活した場合、ウィルス不活性度は、log(1−0.999)=−3.00で表記される。なお、ウィルス失活処理前の全ウィルス量に対するウィルス失活処理後に失活したウィルス量の割合を%で表したもの(上記の場合、99.9%)をウィルス不活度という。上記のようにして、ウィルス不活度からウィルス不活性度を求め、表1に示す。
なお、表1には、各実施例および比較例における、凹陥模様の形成の有無、表層樹脂層の表面の算術平均粗さ(Ra)、ウィルス不活度、ウィルス不活性度、外観に関する問題を記載している。なお、実施例1及び比較例1では、表層樹脂層の表面粗さを測定していない。
Figure 2017078331
表1に示すように、実施例1のトイレブース用化粧板では、大腸菌に感染することができるウィルスの濃度が830個/ミリリットル以下という結果であり、ウィルス不活度に換算すると99.99%以上相当(ウィルス不活性度が−4.00と同等か、それよりも抗ウィルス性に優れた値)になり、高い抗ウィルス性を有することが確認された。これに対して、比較例1のトイレブース用化粧板では、大腸菌に感染することができるウィルスの濃度が約827000個/ミリリットルという結果であり、ウィルス不活度に換算すると約90%であり(ウィルス不活性度が−1.00)、ウィルスの残留している度合いが実施例1に比べて高く、抗ウィルス性が実施例1に比べて劣ることが確認された。TiO単独では可視光領域で十分に触媒活性を発現できないと推定される。
実施例2〜4でも、ウィルス不活性度が−4.00以上であり、ウィルスが流動性の媒体中で運動していても、トイレブース用化粧板表面に凹陥模様を形成することにより、ウィルスを失活させる機能を有し、高い抗ウィルス性を有することが確認される。一方、実施例2〜4、実施例6,7の比較から、表層樹脂層の算術平均粗さ(Ra)が0.1〜10μmの場合は、特に抗ウィルス機能が高くなることが分かる。このように、トイレブースでは、換気扇により菌を含む空気が流動しているが、トイレブース用化粧板表面に凹陥模様を形成すること、あるいは、表層樹脂層の算術平均粗さ(Ra)を調整することで、空気のような流動媒体中のウィルスをトラップさせることができ、ウィルスを失活させることができることが確認される。つまり、トイレブース用化粧板として最適であることがわかる。
(清掃後の機能性物質の脱落)
アルコールを含む布巾を用い、実施例1及び比較例1に係る化粧板の表面を拭いた後、布巾への機能性物質の付着の有無を確認した。
その結果、実施例1のトイレブース用化粧板では、布巾への機能性物質の付着が確認されなかった。一方、比較例1のトイレブース用化粧板では、布巾への機能性物質の付着が確認された。この結果より、実施例1では機能性物質の脱落がないことから、機能性の効果が維持されると推定される。それに対して、比較例1では機能性物質の脱落があり、機能性の効果が維持されないと推定される。
(トイレブースへの化粧板の貼着)
実施例1〜7に係る化粧板のフェノール樹脂コア紙側に酢酸ビニル系接着剤を塗布して、図4に示すトイレブースの内壁面全体に貼着して、抗ウィルス機能を持つトイレブースを完成させる。
1 トイレブース用化粧板
3 化粧板
12 表層樹脂層
13 カチオン担体粒子
14 機能性物質
15 表層樹脂層表面
16 シリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有する表層樹脂層表面
20 トイレブース
21 便器
22 扉
23 仕切り板
24 壁面
A カチオン担体粒子の全表面積
B カチオン担体粒子が表層樹脂層表面より露出している面積

Claims (17)

  1. 基板と、
    前記基板の一方面又は両面上に積層される表層樹脂層と、
    前記表層樹脂層上に存在する機能性物質とからなることを特徴とするトイレブース用化粧板。
  2. さらに、前記表層樹脂層上には、カチオン担体粒子が露出して配置され、
    前記機能性物質は、前記カチオン担体粒子の露出面上に担持されている請求項1に記載のトイレブース用化粧板。
  3. 前記カチオン担体粒子は、アルミナ含有粒子である請求項2に記載のトイレブース用化粧板。
  4. 前記アルミナ含有粒子は、アルミナの含有量が5wt%以上である請求項3に記載のトイレブース用化粧板。
  5. 前記カチオン担体粒子は、アルミナ又はアルミン酸ストロンチウムのいずれかからなる粒子である請求項2〜4のいずれか1に記載のトイレブース用化粧板。
  6. 前記カチオン担体粒子の平均粒子径は、0.1μm〜55μmである請求項2〜5のいずれか1に記載のトイレブース用化粧板。
  7. 前記カチオン担体粒子の全表面積に対し、前記カチオン担体粒子が前記表層樹脂層表面より露出している露出面積の割合は、0.1%以上である請求項2〜6のいずれか1に記載のトイレブース用化粧板。
  8. 前記機能性物質は、可視光応答型光触媒である請求項1〜7のいずれか1に記載のトイレブース用化粧板。
  9. 前記可視光応答型光触媒は、白金担持チタニア触媒、銅担持チタニア触媒、鉄担持チタニア触媒、窒素ドープチタニア触媒、硫黄ドープチタニア触媒、炭素ドープチタニア触媒、又は、酸化タングステンである請求項8に記載のトイレブース用化粧板。
  10. 前記表層樹脂層は、シリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有する請求項1〜9のいずれか1に記載のトイレブース用化粧板。
  11. 前記カチオン担体粒子の表層に無機ゾルの乾燥体又は有機ゾルの乾燥体を有している請求項2〜10のいずれか1に記載のトイレブース用化粧板。
  12. 前記表層樹脂層は、耐酸化性樹脂からなる請求項1〜11のいずれか1に記載のトイレブース用化粧板。
  13. 前記表層樹脂層には、凹陥模様が形成されてなる請求項1〜12のいずれか1に記載のトイレブース用化粧板。
  14. 前記凹陥模様の深さは、10〜50μmである請求項13に記載のトイレブース用化粧板。
  15. 前記表層樹脂層の表面粗さは、測定長さ12.5mmの条件で、JIS B 0601に基づく算術平均粗さ(Ra)が0.1〜10μmである(但し、凹陥模様を除く)請求項1〜14のいずれか1に記載のトイレブース用化粧板。
  16. 扉、仕切り板及び壁面からなるトイレブースであって、
    基板と、前記基板の一方面又は両面上に積層される表層樹脂層と、前記表層樹脂層上に存在する機能性物質とからなるトイレブース用化粧板が、前記扉、前記仕切り板及び前記壁面のいずれかに用いられていることを特徴とするトイレブース。
  17. 前記トイレブース用化粧板は、さらに、前記表層樹脂層上に露出して配置されるカチオン担体粒子を有し、前記機能性物質は、前記カチオン担体粒子の露出面上に担持されている請求項16に記載のトイレブース。
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