JPWO2002040609A1 - 可視光応答性塗料、塗膜及び物品 - Google Patents

可視光応答性塗料、塗膜及び物品 Download PDF

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Abstract

バインダー、可視光応答型材料及び溶媒を含む可視光応答性塗料。バインダー及び可視光応答型材料を含む可視光応答性塗膜及びこの塗膜を有する物品。前記可視光応答型材料が、少なくともアナターゼ型二酸化チタンを含み、かつ真空中、77Kにおいて420nm以上の波長を有する光の照射下で測定したESRにおいて、g値が2.004〜2.007である主シグナルとg値が1.985〜1.986及び2.024である2つの副シグナルが観測され、かつこれらの3つシグナルは真空中、77K、暗黒下において微小に観測されるか、又は実質的に観測されない材料である。

Description

技術分野
本発明は、可視光応答型塗料及び塗膜並びにこの可視光応答型塗膜を有する物品に関する。
背景技術
アナターゼ型二酸化チタンからなる光触媒を用いて、抗菌性タイル、セルフ・クリーニング建材、超親水性材料、脱臭・消臭材料、水の浄化、癌の治療等を行えることが知られ(光クリーン革命(藤嶋昭他))、種々の用途開発が活発に行われている。具体的には、例えば、WO94/11092号には室内照明下における光触媒による空気処理方法が開示されている。特開平7−102678号には、光触媒を用いた院内感染の防止方法が開示されている。特開平8−67835号公報及び特開平8−164334号公報には抗菌性塗料が開示されている。さらにWO96/29375には超親水性材料が開示されている。
ところが、アナターゼ型二酸化チタンは、励起光として400nm以下の紫外線が必要である。それに対して、励起光源となり得る太陽光や人工光には、紫外線よりも可視光線がケタ違いに多く含まれている。しかし、上記二酸化チタンからなる光触媒では、残念ながら、可視光線はほとんどといって良いほど利用できず、エネルギー変換効率という観点からは、非常に非効率的であった。そして、この非効率性が実用化に向けての大きな壁となっていた。
そこで、可視光線を利用可能な光触媒の開発も徐々に行われている。例えば、特開平10−146530号公報には、表面よりも深い層におけるO/Ti原子数比が表面におけるO/Ti原子数比よりも小さい酸化チタン系光触媒が開示されている。この光触媒は、チタンアルコキシドとキレート化剤(例えば、アセチルアセトン)との錯体を酸化性雰囲気で500℃前後で加熱することで形成される。しかるに、この方法では、チタンアルコキシドとキレート化剤(例えば、アセチルアセトン)を使用するため製造コストが高くなり、O/Ti原子数比を表面と内部とで異なるようにする必要があるために製造条件のコントロールが非常に困難である、といった問題がある。また、実施例において420nm以上の光照射により、活性が得られたと記載されているが、得られる活性は、非常に低く、実用に供せる程度のものではなかった。また、本発明者らの検討の結果、光触媒の機能として期待されている可視光線によるNOxの酸化活性は、残念ながら有さなかった。
また、安定した酸素欠陥を有する二酸化チタンからなる可視光照射下で活性を有する触媒が知られている(WO00/10706)。この光触媒は、例えば、紫外線型光触媒として知られている石原産業製のST−01を原料とし、これを水素またはアルゴン等のプラズマ処理することで得られるものである。その活性は420nm付近にとどまらず600nmを超える波長の光でもNOを光酸化できるものであり、真に可視型の光触媒といえる物であった。
しかるに、プラズマ処理を用いることから、減圧系を必要とした。その結果、粉体の処理、特に均一な混合が容易でなく、また連続的な生産にも不向きである、という問題があった。
アナタース型酸化チタンの湿式による一般的な製造方法としては、(1)硫酸チタニル、硫酸チタンなどの含チタン溶液の加水分解法、(2)チタンアルコキシドなどの有機チタン化合物の加水分解法、(3)四塩化チタンなどのハロゲン化チタン溶液の中和法又は加水分解法などにより得られる沈殿物を焼成する方法が知られている。
上述のように、チタンアルコキシドを用いた可視型光触媒の開発の試みはあるが、原料として安価な、硫酸チタンや塩化チタンを原料とする可視型光触媒、光応答性材料はこれまでに知られていない。
光触媒の実用化には、物品に光触媒で被覆された表面を形成する必要がある。光触媒で被覆された表面の形成には、光触媒のみで被覆面を形成する方法と光触媒を含む塗膜で被覆面を形成する方法とがある。前者は、被覆面に存在する光触媒の割合が高いことから、高い光触媒活性が期待できるが、スパッタリング法等を使用する必要があり、光触媒被覆面の形成は容易ではない。一方、後者は、光触媒を含む塗料を用いて被覆面を形成できるため、被覆面の形成は容易である。
従来から、上述のように光触媒を含む塗料は知られているが、可視光型の光触媒を含む塗料は殆ど知られていない。特に、製造が容易な湿式法により製造された可視光型の光触媒を含む塗料は全く知られていない。
そこで本発明の目的は、安価に製造することが可能であり、可視光線にも応答する新規な光応答性材料(光触媒)を含む塗料及び塗膜並びにこの塗膜を有する物品を提供することにある。
特に本発明は、従来の光触媒が紫外線型であるために、塗料のバインダーが有機物(有機高分子化合物)の場合、光触媒の作用により劣化するという問題があり、バインダーとして例えば、ポリシロキサンのような無機系のバインダーが用いられている。しかし、無機系のバインダーは限られており、有機系のバインダーを用いての光触媒塗料の提供が望まれており、本発明は、無機系バインダー及び有機系バインダーのいずれのバインダーであっても、光触媒の作用による劣化の問題が生じない、新たな光応答性材料(光触媒)を含む塗料及び塗膜並びにこの塗膜を有する物品を提供することにある。
特に、本発明は、ポリシロキサンのような無機系のバインダーを用いることなく、実用的な耐候性を有し、かつ光照射により親水性を示す塗膜及びこの塗膜を有する物品、並びに前記塗膜を形成するための塗料を提供することにある。
発明の開示
本発明は、バインダー、可視光応答型材料及び溶媒を含む可視光応答性塗料であって、前記可視光応答型材料が、少なくともアナターゼ型二酸化チタンを含み、かつ真空中、77Kにおいて420nm以上の波長を有する光の照射下で測定したESRにおいて、g値が2.004〜2.007である主シグナルとg値が1.985〜1.986及び2.024である2つの副シグナルが観測され、かつこれらの3つシグナルは真空中、77K、暗黒下において微小に観測されるか、又は実質的に観測されない材料であることを特徴とする塗料に関する。
さらに本発明は、バインダー、縮合リン酸塩、可視光応答型材料及び溶媒を含む塗料であって、前記可視光応答型材料が、少なくともアナターゼ型二酸化チタンを含み、かつ真空中、77Kにおいて420nm以上の波長を有する光の照射下で測定したESRにおいて、g値が2.004〜2.007である主シグナルとg値が1.985〜1.986及び2.024である2つの副シグナルが観測され、かつこれらの3つシグナルは真空中、77K、暗黒下において微小に観測されるか、又は実質的に観測されない材料であることを特徴とする塗料に関する。
加えて本発明は、バインダー及び可視光応答型材料を含む可視光応答性塗膜であって、前記可視光応答型材料が、少なくともアナターゼ型二酸化チタンを含み、かつ真空中、77Kにおいて420nm以上の波長を有する光の照射下で測定したESRにおいて、g値が2.004〜2.007である主シグナルとg値が1.985〜1.986及び2.024である2つの副シグナルが観測され、かつこれらの3つシグナルは真空中、77K、暗黒下において微小に観測されるか、又は実質的に観測されない材料であることを特徴とする塗膜に関する。
さらに本発明は、バインダー、縮合リン酸塩及び可視光応答型材料を含む可視光応答性塗膜であって、前記可視光応答型材料が、少なくともアナターゼ型二酸化チタンを含み、かつ真空中、77Kにおいて420nm以上の波長を有する光の照射下で測定したESRにおいて、g値が2.004〜2.007である主シグナルとg値が1.985〜1.986及び2.024である2つの副シグナルが観測され、かつこれらの3つシグナルは真空中、77K、暗黒下において微小に観測されるか、又は実質的に観測されない材料であることを特徴とする光照射下で親水性を示す塗膜に関する。
さらに本発明は、上記本発明の塗膜を表面の少なくとも一部に有する物品に関する。
発明を実施するための最良の形態
[可視光応答型材料]
本発明の塗料及び塗膜で用いる可視光応答型材料は、少なくともアナターゼ型二酸化チタンを含み、かつ真空中、77Kにおいて420nm以上の波長を有する光の照射下で測定されたESRにおいて、g値が2.004〜2.007である主シグナルとg値が1.985〜1.986及び2.024である2つの副シグナルが観測されるものである。さらに、本発明で用いる可視光応答型材料は、上記3つシグナル(主シグナル及び2つの副シグナル)は真空中、77K、暗黒下においては微小に観測されるか、又は実質的に観測されないものである。
本発明で用いる可視光応答型材料は好ましくはアナターゼ型二酸化チタンを主成分とするものであり、それ以外にルチル型二酸化チタン及び/又は非晶質の二酸化チタンを含んでいてもよい。また、アナターゼ型二酸化チタンも、必ずしも高い結晶性を有するものでなくてもよい。
本発明で用いる可視光応答型材料の真空中、77K測定されたESRの典型的なスペクトルを図1に示す。図中、上段は暗黒下でのスペクトルであり、中段が420nm以上の波長を有する光(水銀ランプの光の内、420nm未満の光をカットオフ)の照射下でのスペクトルである。下段は、420nm未満の光をカットオフせずに水銀ランプの光をカットオフせずに光照射した場合のスペクトルである。尚、上段、中段及び下段は、いずれも同一のゲイン(GAIN)の下で測定した結果である。
図1の上段と中段のスペクトルを比較すると明らかに、中段のスペクトルにおいて、g値が2.004〜2.007である主シグナル、並びにg値が1.985〜1.986及び2.024である2つの副シグナルは、上段のスペクトルにおけるより強度が大きい。また、図1の中段と下段のスペクトルを比較すると明らかに、g値が2.004〜2.007である主シグナル、並びにg値が1.985〜1.986及び2.024である2つの副シグナルの強度は、いずれも、照射光中に420nm以下の光を含んでいてもいなくても実質的に相違しない。
さらに本発明で用いる可視光応答型材料は、図2に示すように、前記3つシグナルが真空中、常温において、暗黒下及び420nm以上の波長を有する光照射下におけるESRにおいても測定される物であることができる。図2中、上段は暗黒下でのスペクトルであり、中段が420nm以上の波長を有する光(水銀ランプの光の内、420nm未満の光をカットオフ)の照射下でのスペクトルである。下段は、420nm未満の光をカットオフせずに水銀ランプの光をカットオフせずに光照射した場合のスペクトルである。尚、上段、中段及び下段は、いずれも同一のゲイン(GAIN)の下で測定した結果である。
また、本発明で用いる可視光応答型材料における前記3つシグナルが正孔補足に起因するラジカルに帰属されるものであると考えられる。これは、参考例においても示すように、電子ドナー分子であるイソプロパノール雰囲気中でのESRスペクトル及び電子アクセプター分子である酸素雰囲気中でのESRスペクトルから明らかである。
本発明で用いる可視光応答型材料は、真空中、77Kにおいて420nm以上の波長を有する光の照射下で測定されたESRにおいて、上記シグナルに加えて、g値が2.009〜2.010である副シグナルをさらに有することもできる。g値が2.009〜2.010である副シグナルは、図1の中段のESRスペクトルに示めされている。
本発明の塗料及び塗膜に用いる可視光応答型材料はTi(チタン)とO(酸素)の結合比が2より過小な酸素欠陥型酸化チタンであることができる。酸素欠陥型酸化チタンであるか否かはX線光電子分光法(XPS)で測定することが可能である。
X線光電子分光法(XPS)により測定、規定することのできるチタンと酸素の結合状態及び元素の量論比を確定する為には、近接する結合エネルギーを持つ酸化チタンのTi−Oに帰属する530±0.5eVと、吸着酸素のO−O結合に帰属する532±0.5eVを分離し、計算によって求めることが好ましい。この方法により測定及び計算を行った結果で見ると、本発明実施例に記載される可視光応答型材料は酸素欠陥型であることがわかる。
市販の酸化チタン触媒であるST−01(石原産業製)及びその他のJRC−IT03(日本触媒学会参照触媒),P−25(日本アエロジル製)などは誤差も考慮してもO/Tiの比は2.0±0.05の値である。酸素欠陥については一義的に定義できない側面はあるものの、望ましくは1.5〜1.95である。
本発明で用いる可視光応答型材料は、非晶質または不完全な結晶質の二酸化チタンを原料として製造することができ、この原料二酸化チタンは、硫酸法や塩化物法等やチタンアルコキサイドを原料とする湿式法で得られる物であることができる。より具体的には、原料二酸化チタンは、塩化チタンを水酸化アンモニウムで加水分解して得られたものであることができる。この加水分解は、反応液のpHが6以上になるように水酸化アンモニウムの添加量を調整して行うことが適当である。塩化チタンは、三塩化チタン、四塩化チタン、オキシ塩化チタンなどのいずれであっても良く、これらの混合物を用いてもよい。上記加水分解は、例えば、冷却下、または常温〜90℃の範囲の温度で行うことができるが、常温での加水分解が、比較的結晶性が低い、または非結晶質の二酸化チタンが得られるという観点から好ましい場合が有る。また、塩化チタンの水酸化アンモニウムによる加水分解物は、水酸化アンモニウム水溶液で洗浄した後に原料二酸化チタンとして用いることが好ましい。この水酸化アンモニウム水溶液での洗浄は、加水分解時に生成する塩化アンモニウムの残存量が適当量まで低下するように行うことができ、好ましくは、複数回行うことができる。
また、非晶質または不完全な結晶質の二酸化チタンは、市販品を用いても良く、例えば、石原産業製のST−01またはC−02のような不完全な結晶質の二酸化チタンであってもよい。
あるいは、可視光応答型材料の製造は、硫酸チタンまたは硫酸チタニルを加水分解して得られた加水分解物を、水で洗浄して前記加水分解物に含まれる硫酸イオンの少なくとも一部を除去した後に、アンモニア又はその誘導体の存在下で加熱することを含む、少なくともアナターゼ型酸化チタンを含む酸化チタンからなる方法により行うこともできる。
上記加水分解物の洗浄は水またはアンモニア水で行うことができるが、その後の検討の結果、アンモニア水洗浄に比べ、水洗浄により、BET比表面積がより高い生成物が得られることが分かり、本発明では、水洗浄を採用している。より具体的には、加熱条件を同一にした場合、アンモニア水洗浄に比べ、水洗浄で得られる生成物は、ほぼ2倍のBET比表面積を有する生成物を得ることができる。
より高いBET比表面積を有する生成物は、吸着性能の点で優れることが期待できることから、本発明の製造方法により得られた材料を光触媒として使用する場合、極めて有利である。
さらに、上記の製造方法は、前記水での洗浄を洗浄濾過液中の硫酸イオン濃度が2000ppm以下になるまで行うことが好ましい。前記水での洗浄を洗浄濾過液中の硫酸イオン濃度が1500ppm以下になるまで行うことがさらに好ましい。尚、硫酸チタンまたは硫酸チタニルを加水分解をアンモニアを用いて行う場合は、前記水での洗浄を洗浄濾過液中のアンモニウムイオン濃度が200ppm以下になるまで行うことが好ましい。
本発明で用いる可視光応答型材料の製造は、上記の方法以外に、例えば、以下のように行うことができる。非晶質または不完全な結晶質の二酸化チタンをアンモニア又はその誘導体の存在下で加熱する。アンモニアは液体であっても気体であってもよい。アンモニアガスを用いる場合、原料二酸化チタンをアンモニアガス雰囲気下加熱する。また、アンモニア誘導体としては、例えば、塩化アンモニウム等のアンモニウム塩を挙げることができ、例えば、原料二酸化チタンを塩化アンモニウムの共存下で加熱する。
原料二酸化チタンのアンモニア又はその誘導体の存在下での加熱は、加熱により生成する材料の波長450nmにおける光の吸収が、原料二酸化チタンの波長450nmにおける光の吸収より大きい時点で前記加熱を終了させることにより行う。通常、原料二酸化チタンは白色であり、波長450nmにおける光の吸収は10%前後である。それに対して、原料二酸化チタンをアンモニア又はその誘導体の存在下で加熱すると、徐々に黄色に着色する。しかし、この着色はある時点をピークに薄らぎ、ついには原料二酸化チタンと同程度の吸収を示す物となる。原料二酸化チタンの種類や共存させるアンモニア(誘導体)の種類と量、加熱温度及び時間等により異なるが、波長450nmにおける光の吸収は最大で60%前後に達する場合もある。可視光応答型材料の特性は、波長450nmにおける光の吸収強度により一義的に決まるものではないが、波長450nmにおける光の吸収が20%以上(反射率80%以下)である場合、明らかに可視光応答性を示す材料となる。
上記加熱の条件は、必ずしも温度だけで規定はできないが、用いる温度としては例えば300〜500℃の範囲の温度であることができる。また、この加熱は常圧下で行うことができる。また、加熱時間は、加熱により生成する材料の波長450nmにおける光の吸収を目安に適宜決定できる。
上記加熱は、当分野で通常用いられているロータリーキルン、トンネルキルン、マッフル炉などを用いることができる。加熱により酸化チタンの個々の粒子が凝集したり、焼結したりした場合には、必要に応じて粉砕器により粉砕してもよい。
また、上記のように加熱して得られた材料を、必要により水又は水溶液で洗浄することができる。この洗浄により、得られる可視光応答型材料の可視光応答性を改善できる場合がある。例えば、非晶質または不完全な結晶質の二酸化チタン(加熱前の材料)が、塩化チタンを水酸化アンモニウムで加水分解して得られたものである場合、加水分解物に相当量の塩化アンモニウムが残存しており、その結果、上記のように非晶質または不完全な結晶質の二酸化チタンを可視光応答型材料に変換することが可能になる。しかるに、加熱処理後も相当量の塩化アンモニウムが得られる材料に残存する場合がある。その様な場合には、水または適当な水溶液を用いて洗浄することで、塩化アンモニウムを除去し、可視光応答型材料の可視光応答性を改善できる場合がある。この場合、加熱して得られた材料の水又は水溶液での洗浄を、洗浄後の水又は水溶液のpHが例えば、5以上の範囲となるように行うことができる。
本発明で用いる可視光応答型材料には、用途に応じてその表面及び/又は内部にケイ素、アルミニウム、スズ、ジルコニウム、アンチモン、リン、白金、金、銀、銅、鉄、ニオブ、タングステン、タンタルなどの元素やそれらを含む化合物を被覆したり、担持したり、或いはドープしたりすることもできる。例えば、上記可視光応答型材料は、特開2000−119017号公報に記載された透明活性アルミナを担体として、担持することもできる。これにより、透明な可視光応答型材料が得られ、透明な塗料を提出することもできる。
[塗料]
本発明の塗料は上記可視光応答型材料とバインダー及び溶媒を少なくとも含有する。バインダーは有機バインダー及び無機バインダーのいずれであってもよい。
無機バインダーとしては、例えば、アルキルシリケート、ハロゲン化ケイ素およびこれらの部分加水分解物などの加水分解性ケイ素化合物を加水分解して得られた生成物、シリカ、コロイダルシリカ、水ガラス、オルガノポリシロキサンなどのケイ素化合物、有機ポリシロキサン化合物の重縮合物、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウムなどのリン酸塩、重リン酸塩、セメント、石灰、セッコウ、ほうろう用フリット、グラスライニング用うわぐすり、プラスターなどの無機系バインダーを挙げることができる。また、有機バインダーとしては、例えば、フッ素系ポリマー、シリコン系ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂などの有機系バインダーなどが挙げられる。バインダーは、光触媒の光触媒機能により劣化したり、分解したりするため、使用場面、光触媒機能の程度や用途に応じてバインダーの種類を適宜選択する必要がある。しかし、本発明では、光触媒として可視光応答型材料を用いるため、従来の紫外線型の光触媒を用いる塗料に比べて光触媒機能による劣化が格段に少ないか、紫外線の殆どない室内で使用される場合には、光触媒機能による劣化は殆どない。従って、紫外線型の光触媒を使用した塗料では使用できなかったアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂等の有機バインダーも良好に使用することができる。
本発明では、これらのバインダーを単一または2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルキルシリケートとしては、例えば、一般式としてSin−1(OR)2n+2(但しSiはケイ素、Oは酸素、Rはアルキル基を示す。)で表される化合物を挙げることができ、上記nは例えば、1〜6であって、Rは例えば、炭素数が1〜4のアルキル基であるものを挙げることができる。ただし、これらに限定されない。
セメントとしては、例えば早強セメント、普通セメント、中庸熱セメント、耐硫酸塩セメント、ホワイト(白色)セメント、油井セメント、地熱井セメントなどのポルトランドセメント、フライアッシュセメント、高硫酸塩セメント、シリカセメント、高炉セメントなどの混合セメント、アルミナセメントなどを用いることができる。
プラスターとしては、例えばセッコウプラスター、石灰プラスター、ドロマイトプラスターなどを用いることができる。
フッ素系ポリマーとしては、例えばポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化三フッ化エチレン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ四フッ化エチレン−六フッ化プロピレンコポリマー、エチレン−ポリ四フッ化エチレンコポリマー、エチレン−塩化三フッ化エチレンコポリマー、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマーなどの結晶性フッ素樹脂、パーフルオロシクロポリマー、ビニルエーテル−フルオロオレフィンコポリマー、ビニルエステル−フルオロオレフィンコポリマーなどの非晶質フッ素樹脂、各種のフッ素系ゴムなどを用いることができる。特に、ビニルエーテル−フルオロオレフィンコポリマー、ビニルエステル−フルオロオレフィンコポリマーを主成分としたフッ素系ポリマーが分解・劣化が少なく、また、取扱が容易であるため好ましい。
シリコン系ポリマーとしては、直鎖シリコン樹脂、アクリル変性シリコン樹脂、各種のシリコン系ゴムなどを用いることができる。
有機ポリシロキサン化合物の重縮合物に用いる有機ポリシロキサン化合物は、有機珪素化合物の加水分解物として公知の物質であり、例えば、特開平8−164334号公報、特開平8−67835号公報、特開平8−155308号公報、特開平10−66830号公報、特許第2756474号等に記載のものをそのまま使用することができる。
有機ポリシロキサン化合物は、有機珪素化合物を加水分解物であるが、有機珪素化合物としては、アルキル基及びアルコキシ基を有するものを挙げることができる。
アルキル基及びアルコキシ基を有する有機珪素化合物を加水分解物も公知であり、例えばR Si(OR4−nで表される有機珪素化合物を加水分解することにより得られる。R及びRは、それぞれ、例えば、炭素数1〜8の低級アルキル基であることができ、得られるコーティングの膜強度を考慮すると、Rは炭素数1〜3の低級アルキル基、好ましくはメチル基であることが適当である。上記式中のnは、0〜2の整数であり、具体的には、少なくともnが1及び2の有機珪素化合物の混合物の加水分解物(3次元架橋物)を用いることが膜強度等を考慮すると適当である。
上記有機珪素化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン;エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン、エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン;n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン、n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン;n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリイソプロポキシシラン、n−ヘキシルトリt−ブトキシシラン、n−ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシルトリブロムシラン;n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン、n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン;n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン、n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン等を挙げることができる。
バインダーの配合量は、固形分に換算して、可視光応答型材料粒子に対して10〜2000重量%程度であり、25〜1000重量%が好ましく、25〜500重量%がより好ましく、25〜250重量%がさらに好ましい。バインダーの配合量を上記範囲とすることで、可視光応答型材料塗膜としたとき可視光応答型材料が脱離することなく、かつ可視光応答型材料機能を維持することができる。
溶媒としては、無機溶媒または有機溶媒、それらの混合物を用いることができる。無機溶媒としては水が好ましい。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコール等のアルコール類、ケトン類などを用いることができる。取扱い性、塗工性の点からアルコールを含有してなるものが好ましい。溶媒の配合量は、作業性に応じて適宜設定することができる。
本発明の可視光応答型塗料組成物には、必要により、ジカルボン酸およびその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を含有させることができる。ジカルボン酸とは、分子内にカルボキシル基COOHを二個持つ有機化合物であり、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族飽和ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族不飽和ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸などを用いることができる。ジカルボン酸誘導体とは、前記のジカルボン酸のエステル化物、ジカルボン酸の塩、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸アジド、ジカルボン酸アミド、ジカルボン酸イミドなどのジカルボン酸に小部分の構造上の変化があってできる化合物のことであり、例えば、ジカルボン酸メチル、ジカルボン酸エチル、ジカルボン酸プロピル、ジカルボン酸ブチル、ジカルボン酸ナトリウム、ジカルボン酸アンモニウムなどを用いることができる。また、ジカルボン酸またはその誘導体を含有した商品、例えば、三種のジカルボン酸エステルを配合した商品名ローディアソルブ(ローヌ・プーラン ジャパン社製)を用いてもよい。
ジカルボン酸およびその誘導体の含有量は、可視光応答型塗料組成物中の可視光応答型材料粒子に対して0.5〜500重量%程度であり、5〜500重量%が好ましく、10〜500重量%がより好ましく、25〜250重量%がさらに好ましい。ジカルボン酸およびその誘導体の含有量が上記範囲より少ないと添加効果が発現しにくく、また、上記範囲より多くしてもそれ以上の顕著な効果が認められにくい。なお、ジカルボン酸またはその誘導体を含有する可視光応答型塗料組成物を用いて作成した可視光応答型材料膜は多孔性になり、可視光応答型材料機能が改善できる。また、本発明の可視光応答型塗料組成物には、ジカルボン酸およびその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種の化合物、可視光応答型材料粒子、バインダー、溶媒以外に、分散剤、界面活性剤、硬化剤、架橋剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
本発明は、前記の可視光応答型塗料組成物を用いて可視光応答型材料塗膜を形成された物品に関する。物品としては、セラミックス、ガラスなどの無機材質の物品、プラスチック、ゴム、木、紙などの有機材質の物品、アルミニウムなどの金属、綱などの合金などの金属材質の物品を用いることができる。物品の大きさや形には特に制限されない。物品上に形成される可視光応答型材料塗膜の膜厚は、用途に応じて適宜設定することができ、例えば、0.01〜100μm程度の膜厚とすることができる。本発明の可視光応答型塗料組成物を用いて、物品上に可視光応答型材料膜を形成するには、物品に可視光応答型塗料組成物を塗布したりあるいは吹き付けたりして行うことができる。具体的には、可視光応答型材料粒子とバインダーとを溶媒に分散させて塗料組成物とし、次いで、該塗料組成物を基体に塗布し或いは吹き付けて、該可視光応答型材料粒子とバインダーとを基体の少なくとも一部に配置させるのが好ましい。前記の溶媒としては、水やトルエン、アルコールなどの有機溶媒を用いることができる。塗布方法としては、例えば、含浸法、ディップコーティング法、スピナーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、リバースロールコーティング法、刷毛塗り法、スポンジ塗り法などの通常の方法で塗布したり、あるいは、スプレーコーティング法などの通常の方法で吹き付けたりすることができる。このようにして塗布あるいは吹き付けた後、乾燥または焼成して溶媒を除去する。乾燥または焼成の温度は、500℃より低い温度で行うのが好ましく、室温〜400℃の温度で行うのがより好ましい。この場合、500℃より高いと可視光応答型材料機能が低下しやすくなるため好ましくない。さらに、必要に応じて、用いたバインダーを固化するために、例えば紫外線照射などの方法を用いてもよい。なお、物品に可視光応答型塗料組成物を塗布したりあるいは吹き付けしたりする前に、必要に応じて、前記の有機系バインダーである、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂などの有機系バインダーや前記の無機系バインダーをプライマーあるいは塗装として予め物品に塗布したりあるいは吹き付けしたりしてもよい。
本発明の塗料及び塗膜は、粒状物質、吸着剤、担体及び/又は縮合リン酸塩をさらに含むことができる。粒状物質は、例えば、平均粒子径が1nm〜100μmの無機物または有機物粒子であることができる。本発明においては、バインダーを介して、可視光応答型材料粒子と吸着剤及び/又は担体とを基体上に接着させると、被処理物質を吸着及び/又は担持する作用を兼ね備えることができるため好ましい。前記の吸着剤及び担体としては、一般的な吸着剤及び担体を用いることができ、例えば、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、透明活性アルミナ(例えば、特開2000−119017号公報)、非晶質又は結晶性の低い二酸化チタン、珪藻土などを用いることができる。非晶質又は結晶性の低い二酸化チタンは、硫酸チタンまたは硫酸チタニルを水酸化アンモニウムで加水分解した後、硫酸イオンが残存する状態で、例えば、400℃で焼成後、必要により洗浄することで得られたものであることができる。上記吸着剤または担体の内の適当な材料(例えば、透明活性アルミナ)に可視光応答型材料を吸着または担持したものを可視光応答型材料として使用すると、塗膜とした場合に透明性が得られ、機械的強度や耐候性も向上できる場合がある。
また、本発明は、バインダー、縮合リン酸塩、可視光応答型材料及び溶媒を含む塗料を包含し、この塗料においては、溶媒は水であることが好ましい。溶媒が水であり、かつ縮合リン酸塩を含む塗料は、可視光応答型材料粒子の分散性が良好であり、この塗料から得られる塗膜は、優れた可視光応答を示す。
特に、本発明では、バインダー、縮合リン酸塩及び可視光応答型材料を含む塗膜を包含し、この塗膜は、光照射下で親水性を示す。
従来の親水性塗料及び塗膜(例えば、特開平11−1659号公報)は、耐候性を得るために、シリカやシリコーンを含むものであった。それに対して、本発明では、シリカやシリコーンを含むことなく、耐候性に優れた塗膜を得ることができる。シリカやシリコーンを含むことなく、耐候性に優れた塗膜を得ることができるため、組成の自由度がまし、例えば、バインダー量を増やしたり、可視光応答型材料の含有量を増やしたりすることも可能である。
但し、本発明の塗料及び塗膜は、シリカやシリコーンを含むものであっても良い。
上記塗料及び塗膜において、縮合リン酸塩の量は、可視光応答型材料の重量基準で0.5〜5%、好ましくは1〜1.2%配合することによって、分散性、粘度、安定性等の点で良好な塗料が得られる。概ね、可視光応答型材料の比表面積が大きいほど、また、表面被覆剤の量が多いほど、縮合リン酸塩の最適配合量は多くなる。また、可視光応答型材料の製法、表面被覆剤の種類によっても縮合リン酸塩の最適配合量は異なってくる。縮合リン酸塩は、1種のものに限定する必要はなく、2種以上のものを組み合わせて使用してもよい。
本発明の塗料及び塗膜は、上記成分以外に、コロイド状酸化物をさらに含有させることができる。コロイド状酸化物としてはコロイド状シリカを挙げことができる。コロイド状酸化物は、微粒子であることからコーティングの表面積を高め(多孔性にする)、可視光応答型材料と被反応物との接触頻度を高めることができる。しかし、コロイド状酸化物は、本発明の塗膜が、耐候性を示すのに必須の成分ではない。
さらに、本発明においては、基体上に、バインダーからなる、可視光応答型材料粒子を含有しない第一層を設け、さらに、該第一層の上に、バインダーと可視光応答型材料粒子とからなる第二層を設けることができる。可視光応答型材料粒子を含有しない第一層を設けることによって、基体と、可視光応答型材料粒子を含有した第二層との結びつきが強固になって、該可視光応答型材料粒子を基体上に、一層強固に、かつ、一層長期間にわたって接着させることができる。このようなバインダーとしては、有機系バインダーが好ましい。さらに、前記の第一層には、充填剤として、可視光応答型材料機能を有さない無機粒子を含有させるのが好ましい。このような無機粒子としては、可視光応答型材料機能を有さないように、酸化ケイ素、酸化アルミニウムや酸化ジルコニウムなどで表面処理を施した、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどを用いることができる。
本発明においては、塗料組成物中の可視光応答型材料粒子の量は、該可視光応答型材料粒子とバインダーとの合量に対する容積基準で5〜98%、好ましくは20〜98%、より好ましくは50〜98%、もっとも好ましくは70〜98%である。前記塗料組成物には、架橋剤、分散剤、充填剤などを配合させることができる。架橋剤としては、イソシアネート系、メラミン系などの通常の架橋剤を、分散剤としては、カップリング剤などを使用することができる。特に、塗料組成物中の可視光応答型材料粒子の含有量を、該可視光応答型材料粒子とバインダーとの合量に対する容積基準で40〜98%とする場合には、該塗料組成物中にカップリング剤を配合するのが好ましい。このカップリング剤の添加量は、好ましくは5〜50%、より好ましくは7〜30%である。
前記のようにして塗布或いは吹き付けた後、固化させて本発明の可視光応答型材料体を得る。固化は、乾燥したり、紫外線を照射したり、加熱したり、冷却したり、架橋剤を使用したりする方法で行なうことができるが、固化の温度は、400℃より低い温度、好ましくは室温〜200℃の温度で行なう。この場合、400℃より高いとバインダーが熱劣化し、可視光応答型材料粒子が脱離し易くなるため好ましくない。本発明においては、イソシアネート系、メラミン系などの架橋剤を使用して固化させる方法が好ましい。
本発明は、上記本発明の塗膜を基材表面の少なくとも一部に有する物品に関する。基材としては、例えば、建築物の外壁面、屋根外面屋上面、窓ガラス外面若しくは窓ガラス内面、部屋の壁面、床面若しくは天井面、ブラインド、カーテン、道路の防護壁、トンネルの内壁、照明灯の外面若しくは反射面、車両の内装面、ミラー面、窓ガラス外面若しくは窓ガラス内面であることができる。
本発明の可視光応答型材料含む塗膜又はこの塗膜を有する物品を用いることで、殺菌及び/又は防汚方法を提供することができる。また、本発明の可視光応答型材料を用いることで、水の浄化方法や窒素酸化物の浄化方法を提供することもできる。
本発明の可視光応答型材料を含む塗膜は、可視光線を照射させることにより、その回りに存在する有害物質、悪臭物質、油分などを分解して浄化したり、殺菌したりすることができる。照射する光としては、可視光線を含有した光が挙げられ、例えば、太陽光や蛍光灯、ハロゲンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀灯などの光を用いることができる。特に、400nm〜700nmの可視光線を含有した光が好ましい。光の照射量や照射時間などは処理する物質の量などによって適宜設定できる。
実施例
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
参考例1
四塩化チタン(関東化学株式会社製、特級)500gを純水の氷水(水として2リットル)に添加し、攪拌し、溶解し、四塩化チタン水溶液を得た。この水溶液200gをスターラーで攪拌しながら、約50mlのアンモニア水(NHとして13wt%含有)をできるだけ速やかに加えた。アンモニア水の添加量は、水溶液のpHが約8になるように調整した。これにより水溶液は白色のスラリー状となった。さらに攪拌を15分間続けた後、吸引濾過器で濾過した。濾取した沈殿は20mlのアンモニア水(NHとして6wt%含有)に分散させ、スターラーで約20時間攪拌した後、再度吸引濾過して、白色の加水分解物を得た。
得られた白色の加水分解物を坩堝に移し、電気炉を用い、大気中400℃で1時間加熱し、黄色の生成物を得た。
得られた生成物のXRDの測定結果を図3の上段に示す。併せて、白色の加水分解物を50℃で乾燥してもののXRDの測定結果も図3の下段に示す。この結果から、白色の加水分解物を50℃で乾燥してものは、アモルファスであり、得られた生成物がアナターゼ型二酸化チタンであることが分かる。
得られた生成物と白色の加水分解物を50℃で乾燥してものの吸収スペクトルを、積分球を取り付けた日立自記分光光度計(U−3210)により、以下の条件で測定した。
scan speed:120nm/min、
response:MEDIUM、
band pass:2.00nm、
リファレンス:硫酸バリウム
その結果、得られた生成物の700nmにおける反射率を100%としたときの450nmにおける反射率が61%であったのに対し、白色の加水分解物を50℃で乾燥してものは、700nmにおける反射率を100%としたときの450nmにおける反射率は95%であった。
また、得られた生成物のESRスペクトルを測定した。測定は、真空中(0.1Torr)、77K又は常温で行った。測定条件は以下の通りである。
〔基本的パラメーター〕
測定温度 77K又は常温
フィールド 324mT±25mT
走査時間 4分
Mod. 0.1mT
レシーバー・ゲイン 10〜100(測定感度)
タイムコンスタント 0.1秒
光源 高圧水銀ランプ 500W
フィルター L−42
〔試料作成〕
真空脱気 1時間以上
〔g値の計算〕
Mn2+マーカー(gmn=1.981)を基準として
g=gmn×Hmn/(Hmn+△H)
mn:Mn2+マーカーの磁場、△H:Hmnからの磁場の変化量
図1(測定温度77K)及び図2(測定温度常温)に、上段に暗黒下でのESRスペクトル、中段に420nm以下の光(500Wの高圧水銀ランプを使用)をカットするフィルター(L−42)を介して光照射した状態で測定したESRスペクトル、下段に420nm以下の光をカットするフィルター(L−42)を使用せずに500Wの高圧水銀ランプを使用して光照射した状態で測定したESRスペクトルをそれぞれ示す。
図1の上段と中段のスペクトルを比較すると明らかに、中段のスペクトルにおいて、g値が2.004〜2.007である主シグナル、並びにg値が1.985〜1.986及び2.024である2つの副シグナルは、上段のスペクトルにおけるより強度が大きかった。また、図1の中段と下段のスペクトルを比較すると明らかに、g値が2.004〜2.007である主シグナル、並びにg値が1.985〜1.986及び2.024である2つの副シグナルの強度は、いずれも、照射光中に420nm以下の光を含んでいても実質的に相違しなかった。
さらに図2に示すように参考例1の可視光応答型材料は、前記3つシグナルが大気中、常温、暗黒下及び420nm以上の波長を有する光照射下におけるESRにおいても測定される物であった。
尚、白色の加水分解物を50℃で乾燥してものには、g値が2.004〜2.007である主シグナル、並びにg値が1.985〜1.986及び2.024である2つの副シグナルは、いずれのESR測定条件においても観測されなかった。
真空であった測定雰囲気を空気またはイソプロパノールとし、420nm以下の光(500Wの高圧水銀ランプを使用)をカットするフィルター(L−42)を介して光照射する条件で上記と同様にしてESRスペクトルを測定した。その結果を図4に示す。図中、上段が真空中、中段が空気中、下段がイソプロパノール中での測定結果である。主シグナル及び2つの副シグナル共に、真空中で最も小さく、イソプロパノール中では、真空中よりやや大きくなるが、中段の空気中で最大となる。イソプロパノールは電子ドナー分子であるのに対し、空気中の酸素は電子アクセプター分子となるので、上記結果は、前記3つシグナルが正孔補足に起因するラジカルに帰属されるものであることを示唆するものである。
参考例2
参考例1で得た白色の加水分解物を、加熱時間を20分または3時間とした以外は参考例1と同様の条件で加熱して、黄色の生成物を得た。これらの生成物の吸収スペクトルを参考例1と同様に測定した。加熱時間20分の試料は、700nmにおける反射率を100%としたときの450nmにおける反射率は67%であり、加熱時間3時間の試料は、700nmにおける反射率を100%としたときの450nmにおける反射率は67%であった。
参考例3
四塩化チタンを三塩化チタンに代えた以外は参考例1と同様の条件で白色の加水分解物を得、この白色の加水分解物を400℃、1時間加熱して、黄色の生成物を得た。この生成物について、420nm以下の光(500Wの高圧水銀ランプを使用)をカットするフィルター(L−42)を介して光照射した状態で測定したESRスペクトル(測定温度77K)は、図1の中段に示すと同様のg値を有する主シグナル及び2つの副シグナルを示した。
参考例4
アナターゼ型二酸化チタン粉末(石原産業(株)製C−02)1.6kgを内容積25リットルの内壁に邪魔板を有する加熱容器に充たし、外熱型ロータリーキルン装置に装着した。上記加熱容器内を窒素ガスでパージし、その後アンモニアガスを窒素ガス換算で1.5リットル/分流通させた。同時に外部ヒーターにより容器内の温度を400℃とし、容器を回転させながら90分間加熱した。加熱後、室温まで冷却し、黄色の生成物を得た。図5に420nm以下の光(500Wの高圧水銀ランプを使用)をカットするフィルター(L−42)を介して光照射した状態で測定したESRスペクトル(測定温度77K)を示す。
参考例5
参考例1で得られた粉末3gを100mlの純水に懸濁しマグネチックスターラーを用い、1時間攪拌した。得られた溶液は吸引ろ過を行った。濾紙上に残った試料を再度純水に攪拌し、吸引ろ過を行った。ろ過は、ろ液がpH試験紙で6〜7になるまで3回繰り返し行った。
得られた粉末は、110℃に設定した乾燥器内に一昼夜放置し、乾燥させて、図1の中段に示すと同様のg値を有する主シグナル及び2つの副シグナルを示す材料を得た。
参考例6
300リットルの反応容器(冷却及び攪拌が可能)内に満たした温度0℃の水207kgに四塩化チタン23kgを徐々に加えた。このとき水溶液の温度は、最高6℃であった。塩化チタン攪拌を2日間行い透明な四塩化チタン水溶液を作成した。作成した四塩化チタン水溶液を攪拌しながら12.5%アンモニア水を滴下すると、この溶液は徐々に白濁した、アンモニア水の量は、白濁した溶液がpH8となるように調整した。
白濁した溶液は、吸引ろ過を行った。濾紙上に残った白色の沈殿物は、131kgであった。白色の沈殿物は、200kgのアンモニア水(NHとして6%)に分散させたのち、24時間攪拌し、吸引ろ過を行った。ろ過後白色の沈殿物は、108kgであった。白色の沈殿物は、50℃に設定した強制送風式棚型乾燥機にいれ、4日間乾燥を行った。乾燥後試料は、17kgであった。
乾燥試料をアルミナ坩堝(20×20×5cm)に1kg入れ、ガス炉内に設置し、試料表面に熱電対を置き、試料の温度が400℃となるようにして、1時間焼成した。
冷却後、図1の中段に示すと同様のg値を有する主シグナル及び2つの副シグナルを示す濃い黄色の材料が得られた。この材料を乳鉢で粉砕して、後述の評価に用いた。
参考例7
参考例6で作成した粉末3gを100mlの純水に懸濁しマグネチックスターラーを用い、1時間攪拌した。得られた溶液は吸引ろ過を行った。濾紙上に残った試料を再度純水に攪拌し、吸引ろ過を行った。ろ過は、ろ液がpH試験紙で6〜7になるまで3回繰り返し行った
得られた粉末は、110℃に設定した乾燥器内に一昼夜放置し、乾燥させて、図1の中段に示すと同様のg値を有する主シグナル及び2つの副シグナルを示す材料を得た。
参考例8
1Lビーカーに240mLの純水を用意した。これにキシダ化学 硫酸チタニル(製品番号020−78905)60gを加え、ラボミキサーで攪拌溶解した。次に、この水溶液に関東化学(特級)アンモニア水55mLを加えることにより、加水分解沈殿物を得た。得られた沈殿物を吸引ろ過して、白色の固形分(沈殿ケーキ)を分離した。更に、このケーキを1.0Lの純水で3回(ケーキが割れる直前に注ぎ足す手順で)、合計3.0Lでリンスし、ろ過洗浄を行った。最後にろ液が出なくなるまで濾過したケーキを110℃、12時間で乾燥し、乳鉢で粉砕した。この白色粉末を、空気中400℃、1時間で焼成することにより、図1の中段に示すと同様のg値を有する主シグナル及び2つの副シグナルを示す黄色の材料を得た。
実施例1
参考例7で得られた可視光応答材料を以下に示す組成の混合物としてペイントシェイカーで1時間振とうして充分混合し、分散させて塗料組成物を得た。
可視光応答材料9.8g
酢酸ビニル−アクリルコポリマー
(大日本インキ化学工業社製、ボンコート6290)0.7g
水24.8ml
前記組成の塗料組成物を20cmのガラス板に塗布した後、120℃で10分間乾燥させて、可視光応答型塗膜(試料A)を得た。この試料Aの可視光応答材料含有量は、該可視光応答材料とバインダーとの合量に対する容積基準で90%であった。
実施例2
参考例7で得られた可視光応答材料を以下に示す組成の混合物をペイントシェイカーで3時間振とうして充分混合し、分散させて塗料組成物を得た。なお、下記のルミフロンLF200Cは、ビニルエーテルとフルオロオレフィンとのコポリマーを主成分としたフッ素系ポリマーである。
可視光応答材料9.80g
フッ素系ポリマー
(旭ガラス社製、ルミフロンLF200C)0.80g
イソシアネート系硬化剤0.16g
チタンカップリング剤
(味の素社製、プレーンアクト338X) 1.00g
トルエン23.60ml
前記組成の塗料組成物を20cmのガラス板に塗布した後、120℃の温度で20分間乾燥させて、本発明の可視光応答型塗膜(試料B)を得た。この試料Bの可視光応答型材料含有量は、該可視光応答型材料とバインダーとの合量に対する容積基準で90%であった。
実施例3
参考例7で得られた可視光応答材料を以下に示す組成の混合物としてペイントシェイカーで3時間振とうして充分混合し、分散させて塗料組成物を得た。
可視光応答材料7.64g
フッ素系ポリマー
(旭ガラス社製、ルミフロンLF200C)2.36g
イソシアネート系硬化剤0.47g
チタンカップリング剤
(味の素社製、プレーンアクト338X) 0.76g
トルエン22.50ml
前記組成の塗料組成物を20cmのガラス板に塗布した後、120℃の温度で20分間乾燥させて、本発明の可視光応答型塗膜(試料C)を得た。この試料Cの可視光応答材料含有量は、該可視光応答材料とバインダーとの合量に対する容積基準で70%であった。
実施例4
参考例7で得た可視光応答材料を以下に示す組成の混合物としてペイントシェイカーで1時間振とうして充分混合し、分散させて塗料組成物を得た。
可視光応答材料9.8g
ポリオルガノシロキサン系無機バインダー
(日本合成ゴム社製、T2202AとT2202Bの3:1混合品)2.7g
イソプロピルアルコール21.5ml
前記組成の塗料組成物を20cmのガラス板に塗布した後、180℃で10分間乾燥させて、本発明の可視光応答型塗膜(試料D)を得た。この試料Dの可視光応答材料含有量は、該可視光応答材料とバインダーとの合量に対する容積基準で90%であった。
試験例
NOの酸化活性(除去率)
実施例1〜4で作製した試料A〜Dをパイレックスガラス製反応容器(内径160mm、厚さ25mm)内に設置した。光源には300Wクセノンランプを用い、日本分光製照射装置により半値幅20nmの単色光として、光を照射した。
上記反応容器に湿度0%RHの模擬汚染空気(NO:1ppm)を1.5リットル/分の流速で連続的に供給し、反応出口におけるNOの濃度変化をモニターした。NOの濃度はオゾンを用いた化学発光法により測定した。1時間のモニター値の累積値からNOxの除去率を求めた。
470nmにおける各試料のNO除去率(%)を下記の表1に示した。
Figure 2002040609
実施例5
参考例7で得た可視光応答材料を含む塗膜の抗菌性能を見るために、財団法人日本食品センター「光フィルム密着法」を参考にして、依頼試験を行った。
試験方法は、抗菌製品技術協議会 試験法「抗菌製品の抗菌力評価試験法III(1998年度改訂版)」を参考にして検体の抗菌力試験を行った。
条件は以下の通り
黄色ブドウ球菌:スタフィロコッカス・アウレウス(staphylococcus aureus)IFO12732
菌液調整溶液:1/500NB 培地(リン酸緩衝溶液で希釈)
光照射条件:6000lx(白色蛍光灯)
塗膜試料は、バインダーとしては、アルコキシシラン系バインダー(オキツモ(株)製)を用いた。このバインダーは、メチルトリメトキシシラン100重量部とコロイド状シリカの水分散液(固形分30%)100重量部との混合物を加水分解して調製されたものである。このバインダー100gと参考例7のサンプル50gと混合し、得られた混合物にイソプロピルアルコール50gを加えて塗料とし、作成した塗料をガラス板(5×5cm)に刷毛で塗布し、乾燥させた後、180℃で2時間焼き付けを行うことにより塗膜試料を作成した。
得られた塗膜試料に、生菌数が約3×10個となるように、上記黄色ブドウ球菌を含有する菌液調整溶液を塗布した。この試料に白色蛍光灯を25℃で24時間照射した後の生菌数を常法によりカウントした。
対照サンプルとして、ポリエチレンフィルム及び塗膜を有さないガラス板を用いた。得られた結果を表2に示す。
Figure 2002040609
参考例9
参考例8で得られた材料6.00g、表3に示す縮合リン酸塩0.04g及び所定量の純水を100mLのポリエチレン容器に入れ、直径5mmのジルコニアボールを使用して、1時間ボールミル粉砕した。この分散溶液をマグネティックスターラーで攪拌しながら、スポイトで分取してスライドグラスに塗布した後、塗布面が均一になるように整えてから乾燥させて塗膜を形成した。
参考例8で得られた材料の代わりにミレニアム社製光触媒PC500または日本アエロジル社製光触媒P−25を用いて、同様の塗膜を作成した。
得られた塗膜について、前記試験例で挙げた方法と同様の方法で、NOの酸化活性(除去率)を求めた。結果を表3に示す。
Figure 2002040609
実施例6
参考例9で調製した分散液にフッ素樹脂分散液、造膜助剤、消泡剤を下記の組成となるように混合し、水性塗料を調製した。
塗料組成
参考例8の材料    19.9%
縮合リン酸塩      1.0%
フッ素樹脂(固形分)  9.1%
造膜助剤        1.5%
消泡剤         0.05%
水            残
合計          100%
ガラス基板上に水性シーラー層(30μm)、アクリルシリコン系塗料層(100μm2層)を設けたその上に、上記塗料を1層(30μm:塗膜1)又は2層(30μm×2:塗膜2)を設けた。得られた塗膜のNOの酸化活性(除去率)を、前記試験例で挙げた方法と同様の方法で測定した。NO除去率(%)(塗膜面積5×5cm)を表4に示す。
Figure 2002040609
さらに、塗膜の親水性試験及び耐候性試験を以下の方法によって行った。尚、親水性試験は、上記塗膜2について行い、耐候性試験は、上記塗膜1について行った。
塗膜表面親水性の評価(接触角の測定)
測定方法
▲1▼ガラス平板に、試料塗料を塗付し、試料板とする(塗膜2形成)
▲2▼試料板に、蒸留水を滴下し、試料板の接触角を測定する(初期接触角)
▲3▼蛍光灯12時間照射後、接触角を測定する(光照射後接触角)
接触角の測定は、10ヶ所について行い、その平均値をデータとした。結果を表5に示す。表5の結果から、本発明の塗膜は、光照射により、親水性を示すことが分かる。
Figure 2002040609
塗膜耐候性試験(屋外暴露試験)
塗膜の屋外における耐候性の評価を目的に行った。
屋外暴露条件において、白亜化、割れ、はがれ、膨れ、穴など外観に変化がないか観察により評価する。
試験方法
耐候性の試験条件はJIS K−5400 9.4に準じて行った(概略は下記)。
▲1▼試験片の作製:フレキシブル板を用意し、塗料を塗りつけ、塗りつけが終わってから十分に乾燥したものを試験片とした(塗膜1)。
▲2▼試験片の暴露:試験片を架台にとりつけ、傾斜45°の角度で据え付け、屋外に暴露する。
▲3▼白亜化、割れ、はがれ、膨れ、穴など外観に変化がないか観察する。
結果は、塗膜1は、11日目に剥がれが見られた。それに対して、参考例8で得られた材料の代わりにミレニアム社製光触媒PC500を用いて参考例9で調製した分散液に、実施例6と同様の組成比でフッ素樹脂分散液、造膜助剤、消泡剤を混合して調製した水性塗料を用いて形成した塗膜(30μmの塗膜1層)では、2日目に剥がれが見られた。即ち、本発明の塗膜は優れた耐候性を有することが分かる。
産業上の利用可能性
本発明によれば、可視光線にも応答する新規な光応答性材料を含む塗料及び塗膜並びにこの塗膜を有する物品を提供することができる。本発明の可視光応答型塗膜及びこの可視光応答型塗膜を有する物品は、光触媒、光センサー、光電池用材料、光防汚材料、光親水性材料、光防菌材料等として有用なものである。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明で用いる可視光応答型材料(参考例1)の真空中、77Kで測定されたESRスペクトル。上段は暗黒下でのスペクトルであり、中段が420nm以上の波長を有する光(水銀ランプの光の内、420nm未満の光をカットオフ)の照射下でのスペクトルであり、下段は、420nm未満の光をカットオフせずに水銀ランプの光をカットオフせずに光照射した場合のスペクトルである。
図2は、本発明で用いる可視光応答型材料(参考例1)の真空中、常温で測定されたESRスペクトル。上段は暗黒下でのスペクトルであり、中段が420nm以上の波長を有する光(水銀ランプの光の内、420nm未満の光をカットオフ)の照射下でのスペクトルであり、下段は、420nm未満の光をカットオフせずに水銀ランプの光をカットオフせずに光照射した場合のスペクトルである。
図3は、参考例1の生成物(上段)及び加水分解物(50℃乾燥)(下段)のXRDの測定結果である。
図4は、測定雰囲気を真空中(上段)、空気中(中段)またはイソプロパノール(下段)とし、420nm以下の光(500Wの高圧水銀ランプを使用)をカットするフィルター(L−42)を介して光照射する条件で測定したESRスペクトルである。
図5は、参考例4で得られた生成物の、420nm以下の光(500Wの高圧水銀ランプを使用)をカットするフィルター(L−42)を介して光照射した状態で測定したESRスペクトル(測定温度77K)を示す。

Claims (21)

  1. バインダー、可視光応答型材料及び溶媒を含む可視光応答性塗料であって、前記可視光応答型材料が、少なくともアナターゼ型二酸化チタンを含み、かつ真空中、77Kにおいて420nm以上の波長を有する光の照射下で測定したESRにおいて、g値が2.004〜2.007である主シグナルとg値が1.985〜1.986及び2.024である2つの副シグナルが観測され、かつこれらの3つシグナルは真空中、77K、暗黒下において微小に観測されるか、又は実質的に観測されない材料であることを特徴とする塗料。
  2. 前記3つシグナルは真空中、常温において、暗黒下及び420nm以上の波長を有する光照射下におけるESRにおいても測定される請求項1に記載の塗料。
  3. 前記3つシグナルが正孔補足に起因するラジカルに帰属されるものである請求項1又は2に記載の塗料。
  4. 真空中、77Kにおいて420nm以上の波長を有する光の照射下で測定されたESRにおいて、g値が2.009〜2.010である副シグナルをさらに有する請求項1に記載の塗料。
  5. 前記可視光応答型材料は酸素欠陥型酸化チタンである請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗料。
  6. バインダーが有機バインダーまたは無機バインダーである請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗料。
  7. 溶媒が水または有機溶媒である請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗料。
  8. 有機バインダーが、フッ素系ポリマー、シリコン系ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のバインダーである請求項6または7に記載の塗料。
  9. 無機バインダーが、アルキルシリケート、ハロゲン化ケイ素およびこれらの部分加水分解物などの加水分解性ケイ素化合物を加水分解して得られた生成物、有機ポリシロキサン化合物の重縮合物、シリカ、コロイダルシリカ、水ガラス、オルガノポリシロキサンなどのケイ素化合物、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウムなどのリン酸塩、重リン酸塩、セメント、石灰、セッコウ、ほうろう用フリット、グラスライニング用うわぐすり、プラスターからなる群から選ばれる少なくとも1種のバインダーである請求項6または7に記載の塗料。
  10. 粒状物質、吸着剤、担体及び/又は縮合リン酸塩をさらに含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の塗料。
  11. 粒状物質が、平均粒子径が1nm〜100μmの無機物または有機物粒子であり、吸着剤及び担体が活性炭、ゼオライト、アルミナ、珪藻土またはシリカゲルであり、縮合リン酸塩がヘキサメタリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムおよびピロリン酸ナトリウムから成る群から選ばれる少なくとも1種である請求項10に記載の塗料。
  12. バインダー、縮合リン酸塩、可視光応答型材料及び溶媒を含む塗料であって、前記可視光応答型材料が、少なくともアナターゼ型二酸化チタンを含み、かつ真空中、77Kにおいて420nm以上の波長を有する光の照射下で測定したESRにおいて、g値が2.004〜2.007である主シグナルとg値が1.985〜1.986及び2.024である2つの副シグナルが観測され、かつこれらの3つシグナルは真空中、77K、暗黒下において微小に観測されるか、又は実質的に観測されない材料であることを特徴とする塗料。
  13. バインダー及び可視光応答型材料を含む可視光応答性塗膜であって、前記可視光応答型材料が、少なくともアナターゼ型二酸化チタンを含み、かつ真空中、77Kにおいて420nm以上の波長を有する光の照射下で測定したESRにおいて、g値が2.004〜2.007である主シグナルとg値が1.985〜1.986及び2.024である2つの副シグナルが観測され、かつこれらの3つシグナルは真空中、77K、暗黒下において微小に観測されるか、又は実質的に観測されない材料であることを特徴とする塗膜。
  14. バインダーが有機バインダーまたは無機バインダーである請求項13に記載の塗膜。
  15. 有機バインダーが、フッ素系ポリマー、シリコン系ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のバインダーである請求項14に記載の塗膜。
  16. 無機バインダーが、アルキルシリケート、ハロゲン化ケイ素およびこれらの部分加水分解物などの加水分解性ケイ素化合物を加水分解して得られた生成物、有機ポリシロキサン化合物の重縮合物、シリカ、コロイダルシリカ、水ガラス、オルガノポリシロキサンなどのケイ素化合物、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウムなどのリン酸塩、重リン酸塩、セメント、石灰、セッコウ、ほうろう用フリット、グラスライニング用うわぐすり、プラスターからなる群から選ばれる少なくとも1種のバインダーからなる群から選ばれる少なくとも1種のバインダーである請求項14に記載の塗膜。
  17. 粒状物質、吸着剤、担体及び/又は縮合リン酸塩をさらに含む請求項13〜16のいずれか1項に記載の塗膜。
  18. 粒状物質が、平均粒子径が1nm〜100μmの無機物または有機物粒子であり、吸着剤及び担体が、活性炭、ゼオライト、アルミナ、珪藻土またはシリカゲルであり、縮合リン酸塩がヘキサメタリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムおよびピロリン酸ナトリウムから成る群から選ばれる少なくとも1種である請求項17に記載の塗膜。
  19. バインダー、縮合リン酸塩及び可視光応答型材料を含む塗膜であって、前記可視光応答型材料が、少なくともアナターゼ型二酸化チタンを含み、かつ真空中、77Kにおいて420nm以上の波長を有する光の照射下で測定したESRにおいて、g値が2.004〜2.007である主シグナルとg値が1.985〜1.986及び2.024である2つの副シグナルが観測され、かつこれらの3つシグナルは真空中、77K、暗黒下において微小に観測されるか、又は実質的に観測されない材料であることを特徴とする光照射下で親水性を示す塗膜。
  20. 請求項13〜19のいずれか一項に記載の塗膜を表面の少なくとも一部に有する物品。
  21. 物品が、セラミックス、ガラスなどの無機材質の物品、プラスチック、ゴム、木、紙などの有機材質の物品、またはアルミニウムなどの金属、綱などの合金などの金属材質の物品である請求項20に記載の物品。
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