JP2017077550A - イオン交換樹脂の処理方法および処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン交換樹脂からの放射性核種または重金属元素の脱離率を向上させることができるイオン交換樹脂の処理方法を提供する。【解決手段】実施形態のイオン交換樹脂の処理方法は、放射性核種または重金属元素がイオン交換基に吸着したイオン交換樹脂を、オゾン、過酸化水素、鉄化合物、および酸を含む反応液に接触させて、前記イオン交換樹脂に吸着した前記放射性核種または前記重金属元素を脱離させる脱離工程を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、イオン交換樹脂の処理方法および処理装置に関する。
原子力発電所においては、炉水浄化系、復水浄化系、放射性廃液の処理系等にイオン交換樹脂が使用されている。このようなイオン交換樹脂には、その使用により放射性核種が吸着している。放射性核種を含む廃棄物の容量を低減する観点等から、イオン交換樹脂を廃棄する場合、その使用により吸着した放射性核種を脱離させてから廃棄することが好ましい。
また、重金属元素を含む産業排水を無害化処理するためにイオン交換樹脂が使用されている。このようなイオン交換樹脂には、その使用により重金属元素が吸着している。重金属元素を含む廃棄物の容量を低減する観点等から、イオン交換樹脂を廃棄する場合、その使用により吸着した重金属元素を脱離させてから廃棄することが好ましい。
従来、イオン交換樹脂の廃棄において、超臨界水を使用してイオン交換樹脂を分解することが知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。また、硫酸、シュウ酸等を使用してイオン交換樹脂から放射性核種や重金属元素を脱離させることが知られている(例えば、特許文献3、4参照。)。
特開平10−324768号公報 特開2006−84236号公報 特許3124148号公報 特許5489124号公報
従来、硫酸、シュウ酸等を使用して、イオン交換樹脂から放射性核種や重金属元素を脱離させている。しかしながら、硫酸やシュウ酸を使用した場合には、硫酸廃液やシュウ酸廃液の処理が課題であった。このため、イオン交換樹脂の処理時に、添加剤由来の難分解性分を低減するために、オゾンと過酸化水と少量の鉄化合物を用いて核種を脱離する技術開発が進められてきた。しかし、オゾンと過酸化水と少量の鉄化合物を用いた脱離技術では、陰イオン交換樹脂の存在下で陽イオン交換樹脂から放射性核種または重金属元素を脱離させる場合、必ずしも脱離率が高くなく、その向上が求められている。
本発明は、イオン交換樹脂からの放射性核種または重金属元素の脱離率を向上させることができるイオン交換樹脂の処理方法を提供することを目的とする。
実施形態のイオン交換樹脂の処理方法は、放射性核種または重金属元素がイオン交換基に吸着したイオン交換樹脂を、オゾン、過酸化水素、鉄化合物、および酸を含む反応液に接触させて、イオン交換樹脂に吸着した放射性核種または重金属元素を脱離させる脱離工程を有することを特徴とする。
実施形態のイオン交換樹脂の処理方法によれば、オゾン、過酸化水素、および鉄化合物とともに酸を使用することにより、イオン交換樹脂からの放射性核種または重金属元素の脱離率を向上させることができる。
実施形態のイオン交換樹脂の処理方法を示すフローチャートである。 実施形態の脱離工程の第1の例を示すフローチャートである。 実施形態の脱離工程の第2の例を示すフローチャートである。 実施形態の沈降工程の一例を示すフローチャートである。 実施形態のイオン交換樹脂の処理装置を示すブロック図である。 実施例におけるコバルトの脱離率を示す図である。 実施例におけるコバルトの沈殿率を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態のイオン交換樹脂の処理方法を示すフローチャートである。
実施形態の処理方法は、例えば、脱離工程S1、第1の分離工程S2、沈降工程S3、および第2の分離工程S4を有する。
脱離工程S1では、放射性核種または重金属元素がイオン交換基に吸着したイオン交換樹脂に、オゾン、過酸化水素、鉄化合物、および酸を含む反応液を接触させて、イオン交換樹脂11に吸着した放射性核種または重金属元素を脱離させる。
以下、本実施形態の脱離工程S1で行われる反応について説明する。オゾン、過酸化水素、鉄化合物の混合溶液中には、酸化力が強い活性酸素(以下、ラジカル)が生じる。イオン交換樹脂と混合溶液を接触させて反応させると、ラジカルによってイオン交換樹脂が酸化され吸着している放射性核種または重金属元素ごとイオン交換基がイオン交換樹脂から脱離する。混合溶液中に発生するラジカルが多いほど、より多くのイオン交換基及び放射性核種または重金属元素はイオン交換樹脂から脱離し、脱離率は向上する。
なお、オゾン、過酸化水素、鉄化合物の混合溶液系では、ラジカルはアルカリ性及び中性の環境よりも、酸性の環境で発生量が多くなる傾向がある。そのため、オゾン、過酸化水素、鉄化合物の混合溶液に酸を添加し酸性とすることで、より多くのラジカルが発生し、脱離率が向上する。ここで、オゾン、過酸化水素、鉄化合物、および酸を含有する溶液を反応液と呼称する。
図2は、脱離工程S1の第1の例を示すフローチャートである。
イオン交換樹脂11は、例えば、原子力発電所の炉水浄化系、復水浄化系、もしくは放射性廃液の処理系、または重金属元素を含む産業排水の無害化処理に使用されたものであって、放射性核種または重金属元素がイオン交換基に吸着したものである。放射性核種として、Co−60等が挙げられる。また、重金属元素として、クロム(Cr)、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)等が挙げられる。
イオン交換樹脂11は、陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂の中から選ばれる少なくとも1種を含む。なお、陰イオン交換樹脂は、オゾン、過酸化水素、鉄化合物の混合溶液と反応させた場合、混合溶液のpHがアルカリ側に近づくため、ラジカルの発生量が増加しにくく、脱離率が低下しやすい。しかし、実施形態の処理方法においては、反応溶液には酸が添加されているため、陰イオン交換樹脂との反応であっても反応液中のpHを酸性側に保つことが可能であり、酸が添加されていない場合と比較して、脱離率を向上させることが可能である。
反応液12は、例えば、イオン交換樹脂11に、水120、オゾン121、過酸化水素122、鉄化合物123、および酸124を供給して調製される。各成分は、同時に供給してもよいし、別々に供給してもよい。例えば、酸124は、他の成分と同時に供給してもよいし、他の成分の供給が終了してから供給を開始してもよい。
オゾン121は、イオン交換樹脂11から放射性核種または重金属元素を脱離させるために必要な量が供給される。オゾン121は、例えば、バブリングにより、10〜100mmol/hを供給することが好ましく、30〜70mmol/hを供給することがより好ましい。
過酸化水素122は、イオン交換樹脂11から放射性核種または重金属元素を脱離させるために必要な量が供給される。過酸化水素122は、反応液12中、0.1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
鉄化合物123は、過酸化水素122との反応によりラジカルを発生させるものが好ましい。鉄化合物123としては、例えば、塩化鉄(II)等が挙げられる。鉄化合物123は、反応液12中、鉄換算で、10〜100質量ppmが好ましく、30〜70質量ppmがより好ましい。
酸124は、オゾン121、過酸化水素122、および鉄化合物123と併用することにより、脱離率を向上させるために供給される。酸124としては、脱離率を向上させることができるものを広く用いることができる。酸124は、硫酸、硝酸、および塩酸の中から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。硫酸、硝酸、および塩酸の中から選ばれる少なくとも1種を含むことにより、高い脱離率を得ることができる。
酸124は、反応液12のpHを測定するpH測定13の結果に基づいて供給することが好ましい。例えば、反応液12のpHが所定値を超えている場合、再び酸124を供給することが好ましい。このような操作を繰り返すことにより、反応液12のpHが所定値以下となるまで酸124を供給することが好ましい。反応液12のpHは、2以下が好ましい。反応液12のpHが2以下となる場合、高い脱離率を得ることができる。
脱離14は、このようにして得られる反応液12がイオン交換樹脂11に接触することにより行われる。すなわち、反応液12においては、オゾン121、過酸化水素122、および鉄化合物123が共存することにより、ヒドロキシラジカル等のラジカルが生成する。このラジカルにより、イオン交換樹脂11から放射性核種または重金属元素が脱離する。特に、酸124を含むことにより、pHが低下してラジカルの生成量が多くなる。これにより、脱離14が促進されて、高い脱離率を得ることができる。
イオン交換樹脂11(g)に対する反応液12(mL)の比(液固比)は10(mL/g)以上が好ましい。上記比が10(mL/g)以上である場合、イオン交換樹脂11に対して反応液12の量が十分となり、高い脱離率を得ることができる。
脱離14においては、反応液12を加熱することが好ましい。反応液12を加熱することにより、ラジカルの発生が促進されて脱離率が向上する。反応液12の温度は、60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましい。通常、反応液12の温度は90℃以下である。また、イオン交換樹脂11と反応液12との接触時間は10分以上が好ましく、30分以上がより好ましく、1時間以上がさらに好ましい。接触時間は、処理効率の観点から、10時間以下が好ましく、5時間以下がより好ましい。
図3は、脱離工程S1の第2の例を示すフローチャートである。
図3に示すように、反応液12は、まず水120と酸124とを供給した後、その他の成分、すなわち、オゾン121、過酸化水素122、および鉄化合物123を供給して調製してもよい。
この場合、酸124の供給は、水120および酸124からなる液相のpHを測定するpH測定13の結果に基づいて行うことが好ましい。例えば、水120および酸124からなる液相のpHが所定値を超えている場合、再び酸124を供給することが好ましい。このような操作を繰り返すことにより、水120および酸124からなる液相のpHが所定値以下となるまで酸124を供給することが好ましい。水120および酸124からなる液相のpHは、2以下が好ましい。水120および酸124からなる液相のpHが2以下である場合、その他の成分を供給して得られる反応液12のpHが2以下になりなりやすく、これにより高い脱離率を得ることができる。
水120および酸124の供給後、オゾン121、過酸化水素122、および鉄化合物123を供給して反応液12とする。このようにして得られる反応液12をイオン交換樹脂11に接触させることにより脱離14を行う。オゾン121、過酸化水素122、および鉄化合物123の供給、ならびに脱離14については、第1の例と同様にして行うことができる。
第2の例のように、水120および酸124を供給した後、オゾン121、過酸化水素122、および鉄化合物123を供給して反応液12とする場合についても、第1の例と同様に脱離率を向上させることができる。
第1の分離工程S2では、脱離工程S1において得られたイオン交換樹脂11と反応液12とを分離する。第1の分離工程S2は、例えば、脱離工程S1において得られたイオン交換樹脂11を含む反応液12をフィルタに通過させることにより行うことができる。第1の分離工程S2を行うことにより、放射性核種または重金属元素を含む反応液12と、放射性核種または重金属元素をほとんど含まないイオン交換樹脂11とに分離することができる。
沈降工程S3は、図4に示されるように、第1の分離工程S2において得られた放射性核種または重金属元素を含む反応液12にpH上昇剤21を加えることにより行われる。放射性核種または重金属元素を含む反応液12にpH上昇剤21を加えることにより、反応液12のpHが上昇して放射性核種または重金属元素が沈降23する。
pH上昇剤21としては、アルカリ金属の水酸化物が好ましい。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化ナトリウムが好ましい。pH上昇剤21は、反応液12のpHが10以上となるように供給することが好ましい。反応液12のpHが10以上となる場合、放射性核種または重金属元素の沈降23が促進される。pH上昇剤21は、反応液12のpHが11以上となるように供給することがより好ましい。
沈降工程S3では、pH上昇剤21とともに凝集剤22を使用することが好ましい。pH上昇剤21とともに凝集剤22を使用することにより、放射性核種または重金属元素の沈降23がさらに促進される。凝集剤22としては、放射性核種または重金属元素の沈降23を促進するものであればよいが、アルミニウム系が好ましい。アルミニウム系の凝集剤22としては、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム等が挙げられる。
第2の分離工程S4では、沈降工程S3において得られた放射性核種または重金属元素の沈降物と反応液12とを分離する。第2の分離工程S4は、例えば、沈降工程S3において得られた放射性核種または重金属元素の沈降物を含む反応液12をフィルタに通過させることにより行う。第2の分離工程S4を行うことにより、反応液12から多くの放射性核種や重金属元素を分離回収することができる。
実施形態の処理方法によれば、放射性核種または重金属元素を含む沈殿物と、放射性核種または重金属元素の含有量が少ないイオン交換樹脂11および反応液12とに分離することができる。これにより、高濃度で放射性核種または重金属元素を含む廃棄物の容量を低減することができる。
次に、実施形態のイオン交換樹脂の処理装置について説明する。
図5は、実施形態の処理装置を示すブロック図である。
処理装置30は、例えば、脱離部31および沈降部32を有する。
脱離部31は、例えば、反応槽311、イオン交換樹脂供給部312、オゾン供給部313、過酸化水素供給部314、鉄化合物供給部315、酸供給部316、フィルタ317を有する。
イオン交換樹脂を保持するイオン交換樹脂供給部312は、配管やコンベア等で反応槽311に接続しており、イオン交換樹脂11を反応槽311に供給する。オゾン供給部313は、配管等で反応槽311に接続し、反応槽311にオゾン121を供給する。過酸化水素供給部314は、配管等で反応槽311に接続し、反応槽311に過酸化水素122を供給する。鉄化合物供給部315は配管等で反応槽311に接続し、反応槽311に鉄化合物123を供給する。酸供給部316は配管等で反応槽311に接続し、反応槽311に酸124を供給する。酸供給部316と反応槽311をつなぐ配管にはバルブ326が設けられ、酸の供給量を制御することが可能である。
反応槽311には反応槽pH測定部324が接続されており、反応槽pH測定部324は反応槽311の内容物のpHを測定することが可能である。反応槽pH測定部324が測定したpHに応じてバルブ326の開閉が制御され、反応槽311への酸の供給量が制御される。
反応槽311では、オゾン121、過酸化水素122、鉄化合物供給部315、および酸124が混合されて反応液12となる。また、反応槽311では、このような反応液12がイオン交換樹脂11に接触して、イオン交換樹脂11の脱離14が行われる。
フィルタ317は、例えば、イオン交換樹脂11以外の反応液12を通過させるものである。このようなフィルタ317に反応槽311から排出される反応液12を通過させることにより、放射性核種または重金属元素を含む反応液12から、放射性核種または重金属元素の含有量が低減されたイオン交換樹脂11を回収することができる。
沈降部32は、例えば、沈降槽321、pH上昇剤供給部322、およびフィルタ323、沈降槽pH測定部325を有する。pH上昇剤を貯蔵するpH上昇剤供給部322は、配管等で沈降槽321に接続され、沈降槽321にpH上昇剤を供給する。沈降槽321とpH上昇剤供給部322を接続する配管にはバルブ327が設けられ、pH上昇剤の供給量を制御することが可能である。
沈降槽pH測定部325は沈降槽321の内容物のpHを測定することが可能である。沈降槽pH測定部325が測定したpHに応じてバルブ327の開閉が制御され、反応槽311への酸の供給量が制御される。
沈降槽321には、フィルタ317から排出される反応液12が供給されるとともに、pH上昇剤供給部322によりpH上昇剤21が供給される。沈降槽321では、反応液12にpH上昇剤21が加えられることにより、反応液12のpHが上昇して放射性核種または重金属元素が沈降23する。
フィルタ323は、例えば、放射性核種または重金属元素の沈降物以外の反応液12を通過させるものである。このようなフィルタ323に沈降槽321から排出される反応液12を通過させることにより、反応液12から多くの放射性核種や重金属元素を分離回収することができる。
このような処理装置30によれば、放射性核種または重金属元素を含む沈殿物と、放射性核種または重金属元素の含有量が低減されたイオン交換樹脂11および反応液12とに分離することができる。これにより、高濃度の放射性核種または重金属元素を含む廃棄物の容量を低減することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
イオン交樹樹脂として、陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂を用意した。このうち陽イオン交換樹脂については、硫酸コバルト溶液に浸漬して、イオン交換基にコバルトを吸着させた。
次に、陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂を水に浸漬した後、この水に硫酸を添加してpHを1に調整した。その後、この水および硫酸からなる液相中に、オゾン、過酸化水素、および鉄化合物を供給して反応液とするとともに、この反応液を陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂に接触させてコバルトの脱離を行った。なお、接触時間は、5分、10分、30分、または60分とした。
なお、オゾンは、バブリングにより供給した。オゾンの供給量は、50mmol/hとした。過酸化水素は、過酸化水素水として供給した。過酸化水素の含有量は、液相中、2質量%とした。鉄化合物は、塩化鉄(II)を使用した。鉄化合物の含有量は、液相中、鉄換算で、50質量ppmとした。イオン交換樹脂(g)に対する反応液(mL)の比は10(mL/g)とした。また、反応液の温度は90℃とした。
(比較例1)
硫酸を添加しないこと、すなわち反応液のpHを調整しないことを除いて、実施例1と同様にして反応液を調製し、この反応液を陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂に接触させてコバルトの脱離を行った。なお、反応液のpHは5である。また、接触時間は30分とした。
次に、実施例1および比較例1の脱離方法についてコバルトの脱離率を求めた。結果を図6に示す。
なお、コバルトの脱離率は、液相中に溶出したコバルト濃度を測定することにより求めた。
図6にも示されるように、実施例1の脱離方法のように硫酸を添加した場合、試験時間にもよるが、陰イオン交換樹脂の共存下においても90%以上の脱離率を得ることができる。一方、比較例1の脱離方法のように硫酸を添加しない場合、脱離率は0.1%以下となる。
このように、オゾン、過酸化水素、および鉄化合物とともに酸を使用することにより、イオン交換樹脂からの放射性核種または重金属元素の脱離率を向上させることができる。このような効果は、酸の使用によりpHが低下してラジカルの生成量が多くなり、これにより放射性核種または重金属元素の脱離が促進されることによる。
(実施例2)
実施例1の脱離方法における脱離後の反応液(接触時間を60分としたもの)にpH上昇剤としての水酸化ナトリウムを添加してpHを徐々に上昇させ、このときのコバルトの沈殿率を求めた。結果を図7に示す。
図7にも示されるように、反応液のpHが上昇するにつれてコバルトの沈殿率が高くなり、pHが11のときにコバルトの沈殿率が99%となる。すなわち、反応液のpHを11程度とすることにより、反応液に含まれるコバルトを1%に低減することができる。
このように、脱離後の反応液のpHを上昇させることにより、放射性核種または重金属元素を沈殿させて濃縮することができる。これにより、高濃度の放射性核種または重金属元素を含む廃棄物の容量を低減できる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…イオン交換樹脂、12…反応液、13…pH測定、14…脱離、21…pH上昇剤、22…凝集剤、23…沈降、30…処理装置、31…脱離部、32…沈降部、121…オゾン、122…過酸化水素、123…鉄化合物、124…酸、311…反応槽、312…イオン交換樹脂供給部、313…オゾン供給部、314…過酸化水素供給部、315…鉄化合物供給部、316…酸供給部、317…フィルタ、321…沈降槽、322…pH上昇剤供給部、323…フィルタ、324…反応槽pH測定部、325…沈降槽pH測定部、326…バルブ、327…バルブ、S1…脱離工程、S2…第1の分離工程、S3…沈降工程、S4…第2の分離工程。

Claims (9)

  1. 放射性核種または重金属元素がイオン交換基に吸着したイオン交換樹脂を、オゾン、過酸化水素、鉄化合物、および酸を含む反応液に接触させて、前記イオン交換樹脂から前記放射性核種または前記重金属元素を脱離させる脱離工程を有することを特徴とするイオン交換樹脂の処理方法。
  2. 前記イオン交換樹脂は陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂の少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする請求項1記載のイオン交換樹脂の処理方法。
  3. 前記酸は、硫酸、硝酸、および塩酸の中から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1または2記載のイオン交換樹脂の処理方法。
  4. 前記反応液のpHが2以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のイオン交換樹脂の処理方法。
  5. 前記脱離工程後、前記反応液にpH上昇剤を加えて前記放射性核種または前記重金属元素を沈降させる沈降工程を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のイオン交換樹脂の処理方法。
  6. 前記pH上昇剤がアルカリ金属の水酸化物であることを特徴とする請求項5記載のイオン交換樹脂の処理方法。
  7. 前記沈降工程において前記反応液のpHが10以上になるように前記pH上昇剤を加えることを特徴とする請求項5または6記載のイオン交換樹脂の処理方法。
  8. 放射性核種または重金属元素がイオン交換基に吸着したイオン交換樹脂を、オゾン、過酸化水素、鉄化合物、および酸を含む反応液に接触させて、前記イオン交換樹脂から前記放射性核種または前記重金属元素を脱離させる反応槽と、
    前記反応槽に接続され前記イオン交換樹脂を供給するイオン交換樹脂供給部と、
    前記反応槽に接続され前記オゾンを供給するオゾン供給部と、
    前記反応槽に接続され前記過酸化水素を供給する過酸化水素供給部と、
    前記反応槽に接続され前記鉄化合物を供給する鉄化合物供給部と、
    前記反応槽に接続され前記酸を供給する酸供給部と、
    前記反応槽の内容物のpHを測定可能な反応槽pH測定部と、
    前記反応槽と前記酸供給部を接続する配管に設けられ前記反応槽pH測定部の測定結果に応じて制御される第1のバルブと、
    を有することを特徴とするイオン交換樹脂の処理装置。
  9. 前記反応槽に接続され、前記反応槽から排出される前記放射性核種または前記重金属元素を含む前記反応液にpH上昇剤を混合して前記放射性核種または前記重金属元素を沈降させる沈降槽と、
    前記沈降槽に接続され前記pH上昇剤を供給するpH上昇剤供給部と、
    前記沈降槽の内容物のpHを測定可能な沈降槽pH測定部と、
    前記沈降槽と前記pH上昇剤供給部を接続する配管に設けられ前記沈降槽pH測定部の測定結果に応じて制御される第2のバルブと、
    を有することを特徴とする請求項8記載のイオン交換樹脂の処理装置。
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