JP2017075283A - ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法 - Google Patents

ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒドロシリル基の失活量を低減することで、ヒドロシリル基を定量的かつ多量に導入可能な、溶剤の無い状態では性状が固形状であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】式(1)〜(3)を酸触媒下で加水分解後、式(4)、(5)のヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物を添加し加水分解を行い、酸触媒の当量より多い塩基触媒で中和し、縮合することで、式(6)の固形状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂を製造するヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法を提供する。R13SiOSiR13(1)R13SiX1(2)SiX24(3)HnR23−nSiOSiR23−nHn(4)HnR23−nSiX3(5)(R13SiO1/2)a(HnR23−nSiO1/2)b(SiO2)c(R4SiO3/2)d(6)【選択図】なし

Description

本発明は、工業的に利用価値の高い、ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法に関するものである。
有機ケイ素樹脂は、Q単位(SiO4/2)やT単位(RSiO3/2)(Rは、例えば一価の有機基である)のケイ素を必須成分とした三次元構造体である。強固な骨格を有する有機ケイ素樹脂は、耐候性・耐熱性・撥水性・電気絶縁性といった特徴を示すことから、感圧接着剤・ゴムパウンド・離型剤・コーティング剤などに応用されている。また近年では、一部の有機ケイ素樹脂に皮膜形成性があることから、ファンデーション、アイシャドー、クリーム、乳液、頭髪用化粧品等の化粧品用原料としての需要が増加している。
更に、有機ケイ素樹脂に対して有機官能基を修飾することで、上記以外の新たな特性を付与することが可能である。例えば、ポリエーテルのような親水基を修飾した場合、親水性の付与が可能である。一般的な有機ケイ素樹脂は、M単位(RSiO1/2)源として(CHSiCl,(CHSiOSi(CH,(CHSiOHなどのオルガノシランやジシロキサン類を用いているため、表面がトリメチルシリル基で覆われており非常に疎水的である。そのため、親水基の付与により、保水力を有した樹脂の合成が可能となる(特許文献1)。また、エポキシ基のような反応性官能基を修飾した場合、熱硬化性樹脂としてLEDなどの光半導体材料として応用できる(特許文献2、特許文献3)。さらに、短鎖アルキル基を修飾した場合、顔料含有の化粧品配合物における樹脂添加剤として応用可能である(特許文献4)。
有機ケイ素樹脂に対して有機官能基を導入する手法として、(1)post−grafting法(グラフト法)、(2)co−condensation法(共縮合法)が挙げられる。(1)の手法では、例えば有機ケイ素樹脂の表面シラノール基に対して、RSiClのようなクロロシランをシリル化することで有機基の導入が可能である。しかし、有機ケイ素樹脂表面のシラノール基量の完全な制御が困難であることから、修飾する有機基の量を精度よく制御するのが難しいという問題点がある。また、シリル化反応時に強酸が発生する為、有機ケイ素樹脂の結合を切断する可能性がある。(2)の手法では、例えばQ単位(SiO4/2)とT単位(RSiO3/2)(Rの一部が有機官能基である)からなる2種類のアルコキシシランを共縮合することで、ワンポットによる有機官能基の導入が可能である。しかし、この2種類のアルコキシシランの加水分解性が異なるため、Q単位とT単位が均一に分散した有機ケイ素樹脂を得ることが難しかった。
一方、(1)のグラフト法で使用できる反応活性点を持つ有機ケイ素樹脂の活性点としてはシラノール基以外にビニル基が挙げられる。ビニル基を有する有機ケイ素樹脂に対して、ヒドロシリル基を有する有機化合物とのヒドロシリル化反応、チオール基を有する有機化合物とのチオール・エン反応、などにより有機基の導入が可能である。しかし、ヒドロシリル基やチオール基を有する有機化合物の数は少なく、導入できる有機基が限定される。また、反応活性点としてはヒドロシリル基も考えられる。このヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂に対して、ビニル、アリル基を有する有機化合物とのヒドロシリル化反応による有機基の導入が可能である。ビニル、アリル基を有する有機化合物は種々あるため、この方法を用いることにより種々の有機基を持つ有機ケイ素樹脂を得ることができる。
ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法として、有機ケイ素樹脂表面のシラノール基に対してジメチルクロロシランやメチルジクロロシランなどのクロロシラン類を反応させる方法があるが、クロロシラン類は反応性が非常に高く、自己で加水分解縮合を起こしやすく、定量的にヒドロシリル基が導入できないという問題点がある。また、合成した有機ケイ素樹脂に対して、ヒドロシリル基を持つジオルガノポリシロキサンまたはテトラオルガノジシロキサンを添加し、再平衡化反応によりヒドロシリル基を導入する方法が提案されている(特許文献5)。しかし、この方法では導入可能なヒドロシリル基の量は少量であり、多量な導入は困難と考えられる。
さらに、ヒドロシリル基含有クロロシラン(特許文献6、特許文献7)や水素化ハロシラン(特許文献8)の共加水分解・縮合反応により、ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造が可能であるが、低分子量化や低い水素含有量といった問題が挙げられる。また、ヒドロキシル基含有有機ケイ素樹脂に対してヒドロシリコーン油を脱水素反応により付加する方法も提案されているが、柔軟なシリコーンの修飾により得られる有機ケイ素樹脂の形状は液状に限定される(特許文献9)。
特開平8−319351号公報 特開2014−185263号公報 特開2011−184509号公報 特表2014−517101号公報 特開平7−228701号公報 米国特許出願公開第20060081864号明細書 中国特許出願公開第101295032号明細書 中国特許出願公開第1261384号明細書 特表2013−541623号公報
前述したように、種々の有機基を持つ有機ケイ素樹脂の重要な原料となるヒドロシリル基を持つ有機ケイ素樹脂において、そのヒドロシリル基を任意に設定でき、工程中に失活するヒドロシリル基を低減したヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ヒドロシリル基の失活量を低減することで、ヒドロシリル基を定量的かつ多量に導入可能な、溶剤の無い状態では性状が固形状であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明によれば、ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法であって、
下記一般式(1)及び下記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物のうち1種又は2種以上と、下記一般式(3)で表される加水分解性シラン、該加水分解性シランの部分加水分解縮合物又は前記加水分解性シランの金属塩のいずれか1種以上、との混合物を酸触媒下で加水分解後、
SiOSiR (1)
SiX (2)
(式中、Rは互いに同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基を示す。また、Xは加水分解性を有する官能基を示す。)
SiX (3)
(式中、Xは加水分解性を有する官能基を示す。)
下記一般式(4)及び(5)で表されるヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物のうち1種又は2種以上を添加し再度加水分解を行い、
3−nSiOSiR 3−n (4)
3−nSiX (5)
(式中、Rは互いに同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基を示す。また、Xは加水分解性を有する官能基を示す。さらに1≦n≦3である。)
その後、前記酸触媒のモル当量より多い塩基触媒を添加することで中和し、
その後、縮合することにより、
下記平均組成式(6)で表される、Q単位(SiO),M単位((R SiO1/2)及び(H 3−nSiO1/2))を必須成分とした、溶剤の無い状態では性状が固形状であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂を製造することを特徴とするヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法を提供する。
(R SiO1/2(H 3−nSiO1/2(SiO(RSiO3/2 (6)
(式中、R、R、nは上記と同様である。Rは、非置換又は置換一価炭化水素基を示す。また、0<a≦1.5,0.2≦b≦1.5,0<c≦1、0≦d≦1.5、0.5≦a+b/c≦1.0である。)
本発明のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法は、上記一般式(1)及び上記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物のうち1種又は2種以上と、上記一般式(3)で表される加水分解性シラン、該加水分解性シランの部分加水分解縮合物又は前記加水分解性シランの金属塩のいずれか1種以上、との混合物を酸触媒下で加水分解後に、上記一般式(4)及び(5)で表されるヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物のうち1種又は2種以上を添加し、再度加水分解を行うことで、加水分解中におけるヒドロシリル基の失活を低減することができ、その結果、ヒドロシリル基を定量的かつ多量に導入可能となる。
また、酸触媒の当量より多い塩基触媒で中和しても、ヒドロシリル基の失活がほとんど起こらず、逆に有機ケイ素樹脂の縮合反応が優先し、その結果として分子量が上がり、溶剤の無い状態では固形状であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂を得ることができる。
また、本発明のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法によれば、製造されたヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の29Si−NMR分析において、−10〜−20ppmのピークの積分値が全ケイ素の積分値の合計に対して、1.0%以下、更には、0.1%以下とすることができる。
このように、本発明のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法により製造されたヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂は、ヒドロシリル基が失活する反応により生成されたD単位に起因する29Si−NMR分析においてのピークの積分値が、全ケイ素の積分値の合計に対して、1.0%以下、更には、0.1%以下にまで抑制されたものとすることも可能である。
また、本発明のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法では、前記一般式(1)及び(2)で表される有機ケイ素化合物のうち1種又は2種以上と、前記一般式(3)で表される加水分解性シラン、該加水分解性シランの部分加水分解縮合物又は前記加水分解性シランの金属塩のいずれか1種以上、との混合物を酸触媒下で加水分解後、加水分解物の温度を25℃まで冷却し、前記ヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物を添加した後に、使用するヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物の沸点未満で再度の加水分解を行うことが好ましい。
このような温度範囲でヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造を行うと、ヒドロシリル基の失活を更に抑制することができるために好ましい。
また、本発明のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法では、前記塩基触媒による中和において、強塩基触媒として水酸化ナトリウム、弱塩基触媒として炭酸カルシウムを併用して用いることが好ましい。
このように、塩基触媒として、水酸化ナトリウムと炭酸カルシウムの組み合わせを用いることで、分子量が十分に増加し、より確実に固体状の有機ケイ素樹脂を得ることが可能となる。
また、本発明のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法では、前記一般式(1)及び(2)で表される有機ケイ素化合物の1種又は2種以上と、前記一般式(3)で表される加水分解性シラン、該加水分解性シランの部分加水分解縮合物又は前記加水分解性シランの金属塩のいずれか1種以上、との混合物の加水分解前、又は該加水分解後で前記再度の加水分解前に、下記一般式(7)
(RO)SiR (7)
(式(7)中、Rは上記と同様である。Rはそれぞれ互いに同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基を示す。)
で示される有機ケイ素化合物の1種又は2種以上の混合物をさらに添加することで、前記平均組成式(6)で表される(ただし、前記平均組成式(6)中、dは0<d≦1.5である)、溶剤の無い状態では粉末状態であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂を製造することができる。
上記一般式(7)で示される有機ケイ素化合物の1種又は2種以上の混合物をさらに添加することで、製造されたヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂をT単位(RSiO3/2)を含むものとすることができる。
本発明のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法によれば、加水分解中におけるヒドロシリル基の失活を低減することができ、その結果、ヒドロシリル基を定量的かつ多量に導入可能となる。また、酸触媒の当量より多い塩基触媒で中和することで、有機ケイ素樹脂の縮合反応が優先し、その結果として分子量が上がり、溶剤の無い状態では固形状(例えば、粉末状)であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂を得ることができる。特に、塩基触媒として強塩基触媒として水酸化ナトリウム、弱塩基触媒として炭酸カルシウムを併用して用いることにより、より確実に固形状であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂を得ることができる。さらに、本発明は、ヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物の仕込み量を変えることで、有機ケイ素樹脂中に含まれるヒドロシリル基量を定量的に変化させることができる。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物と、下記一般式(3)で表される加水分解性シラン、該加水分解性シランの部分加水分解縮合物又は前記加水分解性シランの金属塩、との混合物の加水分解後に、下記一般式(4)及び/又は下記一般式(5)で表されるヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物を添加し再度加水分解を行うことで、加水分解中におけるヒドロシリル基の失活を低減することを見出した。また、驚くべきことに酸触媒の当量より多い塩基触媒で中和しても、ヒドロシリル基の失活がほとんど起こらず、逆に有機ケイ素樹脂の縮合反応が優先し、その結果として分子量が上がり、溶剤の無い状態では固形状であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂が得られることを見出し、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は、ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法であって、
下記一般式(1)及び下記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物のうち1種又は2種以上と、下記一般式(3)で表される加水分解性シラン、該加水分解性シランの部分加水分解縮合物又は前記加水分解性シランの金属塩のいずれか1種以上、との混合物を酸触媒下で加水分解後、
SiOSiR (1)
SiX (2)
(式中、Rは互いに同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基を示す。また、Xは加水分解性を有する官能基を示す。)
SiX (3)
(式中、Xは加水分解性を有する官能基を示す。)
下記一般式(4)及び(5)で表されるヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物のうち1種又は2種以上を添加し再度加水分解を行い、
3−nSiOSiR 3−n (4)
3−nSiX (5)
(式中、Rは互いに同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基を示す。また、Xは加水分解性を有する官能基を示す。さらに1≦n≦3である。)
その後、前記酸触媒のモル当量より多い塩基触媒を添加することで中和し、
その後、縮合することにより、
下記平均組成式(6)で表される、Q単位(SiO),M単位((R SiO1/2)及び(H 3−nSiO1/2))を必須成分とした、溶剤の無い状態では性状が固形状であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂を製造することを特徴とするヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法である。
(R SiO1/2(H 3−nSiO1/2(SiO(RSiO3/2 (6)
(式中、R、R、nは上記と同様である。Rは、非置換又は置換一価炭化水素基を示す。また、0<a≦1.5,0.2≦b≦1.5,0<c≦1、0≦d≦1.5、0.5≦a+b/c≦1.0である。)
上記一般式(1),(2)及び(6)において、Rは、互いに同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基であり、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基等の飽和脂肪族炭化水素基、シクロペンチル基,シクロヘキシル基等の飽和脂環式炭化水素基、フェニル基,トリル基等の芳香族炭化水素基、トリフルオロプロピル基,ヘプタデカフルオロデシル基,クロロプロピル基,クロロフェニル基等のハロゲン化炭化水素基を挙げることができ、特に炭素数1〜5の飽和炭化水素基、フェニル基又はトリフルオロプロピル基が好ましい。
上記一般式(4),(5)及び(6)において、Rは、互いに同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基であり、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基等の飽和脂肪族炭化水素基、シクロペンチル基,シクロヘキシル基等の飽和脂環式炭化水素基、フェニル基,トリル基等の芳香族炭化水素基、トリフルオロプロピル基,ヘプタデカフルオロデシル基,クロロプロピル基,クロロフェニル基等のハロゲン化炭化水素基を挙げることができ、特に炭素数1〜5の飽和炭化水素基、フェニル基又はトリフルオロプロピル基が好ましい。
上記一般式(6)において、Rは非置換又は置換一価炭化水素基であり、好ましくは、炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基であり、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基等の飽和脂肪族炭化水素基、シクロペンチル基,シクロヘキシル基等の飽和脂環式炭化水素基、フェニル基,トリル基等の芳香族炭化水素基、トリフルオロプロピル基,ヘプタデカフルオロデシル基,クロロプロピル基,クロロフェニル基等のハロゲン化炭化水素基を挙げることができ、特に炭素数1〜5の飽和炭化水素基、フェニル基又はトリフルオロプロピル基が好ましい。
上記一般式(2)において、Xはケイ素原子に直接結合した加水分解性を有する官能基であり、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;アルケノキシ基;アシロキシ基;アミド基;オキシム基などが挙げられる。その中でも、入手の容易さ、加水分解速度の観点から特にメトキシ基、エトキシ基および塩素原子が好ましい。
上記一般式(3)において、Xはケイ素原子に直接結合した加水分解性を有する官能基であり、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;アルケノキシ基;アシロキシ基;アミド基;オキシム基などが挙げられる。その中でもアルコキシ基が好ましく、入手の容易さ、加水分解速度の観点から特にメトキシ基やエトキシ基が好ましい。また、1分子中の加水分解性基Xは同一種や異種を問わない。
上記一般式(5)において、Xはケイ素原子に直接結合した加水分解性を有する官能基であり、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;アルケノキシ基;アシロキシ基;アミド基;オキシム基などが挙げられる。その中でも、入手の容易さ、加水分解速度の観点から特にメトキシ基、エトキシ基および塩素原子が好ましい。
一般式(1)R SiOSiR で示される有機ケイ素化合物の例としては、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシロキサン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン、1,1,1,3,3,3−ヘキサエチルジシロキサン、1,1,1,3,3,3−ヘキサビニルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタビニルメチルジシロキサン、1,1,1,3,3−n−オクチルペンタメチルジシロキサン、1,1,1,3,3−クロロメチルペンタメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジアリルジシロキサン、1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラビニルジシロキサンなどが挙げられる。特に1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシロキサン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフェニルジシロキサンが好ましい。
一般式(2)R SiXで示される有機ケイ素化合物の例としては、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン、トリビニルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシランなどが挙げられる。特にトリメチルクロロシラン、トリメチルエトキシシランが好ましい。
一般式(3)SiX で示される加水分解性シランの例としては、テトラクロロシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが挙げられる。また、該加水分解性シランの部分加水分解縮合物としては、テトラメトキシシラン縮合物、テトラエトキシシラン縮合物などが挙げられる。また、該加水分解性シランの金属塩としては、水ガラス、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなどが挙げられる。特にテトラエトキシシラン、テトラエトキシシラン縮合物が好ましい。
一般式(4)H 3−nSiOSiR 3−nで示されるヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物の例としては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサンなどが挙げられる。特に1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが好ましい。尚、一般式(4)、(5)中、nは1≦n≦3であるが、一般式(4)中においては、1つのシリコン原子に結合するH、Rに係るnは、もう片方のシリコン原子に結合するH、Rに係るnと、同一でも異なっていても良い。
一般式(5)H 3−nSiXで示されるヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物の例としては、ジメチルクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルエトキシシランなどが挙げられる。特にジメチルクロロシラン、ジメチルメトキシシランが好ましい。
また、本発明においては、前記一般式(1)及び(2)で表される有機ケイ素化合物の1種又は2種以上と、前記一般式(3)で表される加水分解性シラン、該加水分解性シランの部分加水分解縮合物又は前記加水分解性シランの金属塩のいずれか1種以上、との混合物の加水分解前、又は該加水分解後で前記再度の加水分解前に、下記一般式(7)
(RO)SiR (7)
(式(7)中、Rは上記と同様である。Rはそれぞれ互いに同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基を示す。)
で示される有機ケイ素化合物の1種又は2種以上の混合物をさらに添加することで、前記平均組成式(6)で表される(ただし、前記平均組成式(6)中、dは0<d≦1.5である)、溶剤の無い状態では粉末状態であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂を製造することができる。
一般式(7)において、Rはそれぞれ互いに同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基であり、好ましくは、炭素数1〜10の一価炭化水素基で、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基等の飽和脂肪族炭化水素基を挙げることができ、特に炭素数1〜5の飽和炭化水素基、更にはメチル基、エチル基が好ましい。
一般式(7)(RO)SiRで示されるケイ素化合物の例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、クロロプロピルトリエトキシシラン、ブロモプロピルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。特に、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランが好ましい。
本発明におけるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法の具体的な一例を以下に示す。
溶剤(特には、有機溶剤)及び加水分解原料(上記一般式(1)及び上記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物のうち1種又は2種以上と、上記一般式(3)で表される加水分解性シラン、該加水分解性シランの部分加水分解縮合物又は前記加水分解性シランの金属塩のいずれか1種以上)を反応器に仕込み、触媒である酸を添加し、撹拌しつつ水を滴下する。この場合、有機溶剤は水の滴下終了後に加えるようにしてもよい。尚、加水分解は酸性条件で行うことが好ましいことから、酸触媒の添加が必須である。
なお、水を滴下するときの温度は0〜80℃、特に0〜50℃が好ましく、上記温度範囲内に収めることにより、系中の加水分解原料の加水分解反応に由来する反応熱を抑制できる。滴下する水の量は、加水分解性を有する官能基(アルコキシ基等)に対してモル比で0.6〜2、好ましくは1.0〜1.8の範囲である。上記範囲内に収めることにより、更にヒドロシリル基の失活を抑制することが可能となる。
加水分解反応に用いる溶媒としては、加水分解反応中の均一な反応系の保持・粘性増加による反応速度の低下の抑制のために、有機溶剤の使用が好ましい。また、加水分解時の還流温度よりも高い沸点を有する溶剤の使用が望ましい。
有機溶剤の例としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン, デカメチルシクロペンタシロキサン, ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどの環状オルガノポリシロキサン;トルエン, キシレンなどの芳香族炭化水素;アセトン, メチルエチルケトン, ジエチルケトン, メチルイソブチルケトンなどのケトン系有機溶剤;ヘキサン, ヘプタン, オクタン, シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素などが挙げられる。
また、場合により炭素数1〜10のアルコール溶媒を併用することもできる。例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−メチルブタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、フェノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコールなどが挙げられる。アルコール溶媒は、アルコキシ基のような加水分解基とアルコール交換反応をするため、長鎖アルコール溶媒の利用は加水分解反応の律速に繋がる。そのため、特にメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールが好ましい。
用いる溶媒の使用量は、系全体の1〜80%(重量%、以下同じ)、特に5〜50%とすることが好ましい。上記範囲内にすると、反応系中が均一に保持され、反応が効率よく進行する。
酸触媒の例としては、塩酸、硫酸、亜硫酸、発煙硫酸、シュウ酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、燐酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、クエン酸などが挙げられる。酸触媒の使用量は少量で良く、系全体の0.001〜10%の範囲であることが好ましい。
上記のように水を滴下した後は、例えば温度50〜150℃、より好ましくは80〜120℃で2〜8時間程度加熱して、加水分解反応を行う。
このようにして上記一般式(1)及び上記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物のうち1種又は2種以上と、上記一般式(3)で表される加水分解性シラン、該加水分解性シランの部分加水分解縮合物又は加水分解性シランの金属塩のいずれか1種以上、との混合物を酸触媒下で加水分解を行った後は、10〜100℃、好ましくは10〜60℃、より好ましくは10〜30℃で、更に好ましくは25度まで冷却し、上記一般式(4)及び(5)で表されるヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物のうち1種又は2種以上を徐々に滴下して添加する。
その後、再度加水分解を行うが、この際、使用するヒドロシリル基含有有機化合物の沸点未満、例えば、温度40〜150℃、より好ましくは40〜120℃で2〜8時間程度加熱して、再度加水分解反応を行うことが好ましい。上記温度範囲内で反応を行うと、ヒドロシリル基の失活を更に抑制することができる。
上記再度の加水分解後は、10〜40℃でアルカリ金属炭酸塩,アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属水酸化物等の塩基触媒により中和する。このとき、強塩基触媒と弱塩基触媒を併用すると、ヒドロシリル基の失活抑制及び、有機ケイ素樹脂の縮合反応が更に促進される。この強塩基触媒の例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等が挙げられる。また、弱塩基触媒の例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。特に強塩基触媒と弱塩基触媒の組み合わせとして、高分子量化のしやすさから水酸化ナトリウムと炭酸カルシウムの組み合わせが望ましく、この組み合わせだと、分子量が十分に増加し、より確実に固形状の有機ケイ素樹脂を得ることが可能となる。
塩基触媒の使用量は、酸触媒のモル当量よりも多い量が必要であり、酸触媒の当量より多い塩基触媒で中和することで、有機ケイ素樹脂の縮合反応が優先し、その結果として分子量が上がり、溶剤の無い状態では固形状(例えば、粉末状)であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂を得ることができる。特には、塩基触媒の使用量が、酸触媒の1.1〜3.0モル当量の範囲であることが好ましい。添加量を上記範囲内にすることで、有機ケイ素樹脂の縮合反応が優先し、その結果として目的の分子量の樹脂を得ることができる。
中和後、生成したアルコール類、溶媒と過剰の水を常圧或いは減圧下、95〜120℃で加熱して除去しても良い。そして、生成したアルコール類、溶媒と過剰の水の除去を確認後、例えば、120〜150℃で2〜5時間程度加熱することにより、縮合反応を行う。これより、ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂が得られる。
一方、中和剤として塩基を使用すると、一部のヒドロシリル基が失活する反応式(8)が起こる可能性がある。
SiO1/23−n(M単位)+〜Si−OH→〜Si−O−SiO1/2n−13−n (D単位)・・・(8)
(式(8)中、Rは炭素数1〜10の一価炭化水素基、nは1〜3の整数である。)
上記反応により生成したD単位は、29Si−NMR分析において−10〜−20ppmのブロードなピークとして観測される。しかしながら、本発明のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法により得られたヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂においては、原料の添加順序、即ち、上記一般式(1)及び/又は上記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物と、上記一般式(3)で表される加水分解性シラン等との混合物の加水分解後に、上記一般式(4)及び/又は上記一般式(5)で表されるヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物を添加し再度加水分解を行うことで、上記反応(8)を極僅かになるように抑制することができ、原料の添加量、触媒の種類を工夫することによりこの反応を更に抑えることができる。そして、製造されたヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂は、29Si−NMRの−10〜−20ppmのピークの積分値が全ケイ素の積分値の合計に対して、1.0%以下、更には0.1%以下にまで抑えたものとすることができる。
また、本発明のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法においては、上記一般式(1)、(2)、(4)及び(5)の化合物の総物質量と一般式(3)及び(7)の化合物のSiO単位及び/又はRSiO3/2単位の総物質量との使用割合は、モル比として0.3:1〜2:1、特には0.6:1〜1.3:1とすることが好ましい。さらに、式(1),(2)の化合物の総物質量と式(4),(5)の化合物の総物質量の使用割合はモル比として0.3:1.0〜2.0:1.0、特には0.6:1.0〜1.3:1.0とすることが望ましい。上記範囲内とすることで、有機ケイ素樹脂中に含まれるヒドロシリル基量をより正確に定量的に変化させることができる。このように、本発明は、式(4)及び式(5)の仕込み量を変えることで、有機ケイ素樹脂中に含まれるヒドロシリル基量を定量的に変化させることができる。
本発明のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法は、ヒドロシリル基の失活量を低減することを特徴とした処方である。また従来処方と比較して、ヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物の仕込み量を変えることで、有機ケイ素樹脂中に含有されたヒドロシリル基量が容易に調整可能であり、多量な導入も可能となる。更に、加水分解原料の配合量、酸触媒の種類、添加量、反応温度、反応時間、溶媒の添加量、添加方法を変化させることにより、有機ケイ素樹脂の分子量分布や形状等を調整することができ、使用用途に応じた有機ケイ素樹脂を製造することができる。
本発明のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法で製造したヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂は、上記平均組成式(6)で表される、Q単位(SiO),M単位((R SiO1/2)及び(H 3−nSiO1/2))を必須成分とし、T単位(RSiO3/2)を任意成分とする構成成分からなる溶剤の無い状態では、室温での形態が固形状であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂である。たとえば、MQレジン、MTQレジンなどが挙げられる。その重量平均分子量は、2000〜30000の範囲が好ましく、3000〜15000の範囲が性能及びろ過等の作業性の点でより好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の重量平均分子量として求めることができる。
本発明のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法で製造したヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂は、アルケニル基(炭素−炭素不飽和結合)を末端に有する化合物とのヒドロシリル化反応が可能である。不飽和結合を末端に有する化合物の例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル、アリルアルコール、アリルベンゼン、アリルアミン、アリルイソチオシアネート、臭化アリル、塩化アリル、などが挙げられる。このような官能基の修飾により、新たな特性の付与が可能となる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
尚、有機ケイ素樹脂中のヒドロシリル基量の定量は次のように行った。まず、サンプル1gを三角フラスコに採取後、1−ブタノールを加え混合する。次に25 wt%NaOH水溶液を滴下し、このときに発生する水素ガス(Si−H+HO→Si−OH+H↑)の量を測定した。また、Si環境の同定は、日本電子株式会社のNMR ECX500を用いて、積算回数:1000、重溶媒:重クロロホルムを測定条件の下行った。
(実施例1)
ヘキサメチルジシロキサン50g(0.31mol)、SiO分を40%、(SiOEt)SiO1/2分を60%含むエチルポリシリケート180g(エチルポリシリケート中、SiO分が1.2mol※)、デカメチルシクロペンタシロキサン150gを反応容器に仕込み、メタンスルホン酸を1.2g(12.5mmol)添加して10〜20℃に冷却し、攪拌しながら水42.6g(2.36mol)を滴下した。滴下終了後、70〜90℃で6時間加熱して加水分解を行う。その後、70〜90℃で加熱した反応容器中にテトラメチルジシロキサン30g(0.22mol)を徐々に滴下し、4時間加熱して加水分解を行う。加水分解終了後、室温まで冷却し、25wt%水酸化ナトリウム水溶液1.92g(12.0mmol)と炭酸カルシウム0.25g(2.5mmol)を加えることで酸を中和した後、120℃まで加熱することで加水分解により生成したエタノール、過剰の水を除去した。完全な溶媒の留去を確認後、150℃で5時間加熱して縮合反応を行った。更にデカメチルシクロペンタシロキサンで希釈した後、濾過することにより、ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液330gを得た。
得られたヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液330gを減圧下で120〜130℃に加熱し、デカメチルシクロペンタシロキサンを除去することにより、(MeSiO1/222.5(HMeSiO1/216.0(SiO43.5で表される粉末状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量5500)160gを得た(平均組成式(6)中、a=0.31,b=0.22,c=0.60,d=0)。また、水素ガス発生量を測定したところ64.5mL/gであった(水素ガス発生量の理論値:65.8mL/g)。更に、生成物のSi−NMR分析において、−10〜−20ppmのピークの積分値は全ケイ素の積分値の合計に対して、0.7%であった。
※エチルポリシリケートの総質量からSiOの質量及び物質量を算出
Ex.)SiO分を40%含むエチルポリシリケート180gのQ単位量=180×0.4/60(SiO2のMw)=1.2mol(以下同様にして算出)
(実施例2)
ヘキサメチルジシロキサン50g(0.31mol)、SiO分を40%含むエチルポリシリケート180g(エチルポリシリケート中、SiO分が1.2mol※)、イソプロパノール80gを反応容器に仕込み、メタンスルホン酸を1.2g(12.5mmol)添加して10〜20℃に冷却し、攪拌しながら水42.6g(2.36mol)を滴下した。滴下終了後、70〜90℃で6時間加熱して加水分解を行う。その後、70〜90℃で加熱した反応容器中にテトラメチルジシロキサン30g(0.22mol)を徐々に滴下し、4時間加熱して加水分解を行った。加水分解終了後、室温まで冷却し、25wt%水酸化ナトリウム水溶液1.92g(12.0mmol)と炭酸カルシウム0.25g(2.5mmol)を加えることで酸を中和した後、デカメチルシクロペンタシロキサン140gを添加して120℃まで加熱することで加水分解により生成したエタノール、イソプロパノール、過剰の水を除去した。完全な溶媒の留去を確認後、150℃で5時間加熱して縮合反応を行った。更にデカメチルシクロペンタシロキサンで希釈した後、濾過することにより、ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液320gを得た。得られたヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液320gを減圧下で120〜130℃に加熱し、デカメチルシクロペンタシロキサンを除去することにより、(MeSiO1/222.5(HMeSiO1/216.0(SiO43.5で表される粉末状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量5500)145gを得た(平均組成式(6)中、a=0.31,b=0.22,c=0.60,d=0)。また、水素ガス発生量を測定したところ64.9mL/gであった(水素ガス発生量の理論値:65.8mL/g)。更に、生成物のSi−NMR分析において、−10〜−20ppmのピークの積分値は全ケイ素の積分値の合計に対して、0.5%であった。
(実施例3)
ヘキサメチルジシロキサン41.7g(0.26mol)、SiO分を40%含むエチルポリシリケート180g(エチルポリシリケート中、SiO分が1.2mol※)、イソプロパノール80gを反応容器に仕込み、メタンスルホン酸を1.2g(12.5mmol)添加して10〜20℃に冷却し、攪拌しながら水42.6g(2.36mol)を滴下した。滴下終了後、70〜90℃で6時間加熱して加水分解を行った。その後、70〜90℃で加熱した反応容器中にテトラメチルジシロキサン25g(0.19mol)を徐々に滴下し、4時間加熱して加水分解を行う。加水分解終了後、室温まで冷却し、25wt%水酸化ナトリウム水溶液1.92g(12.0mmol)と炭酸カルシウム0.25g(2.5mmol)を加えることで酸を中和した後、デカメチルシクロペンタシロキサン140gを添加して120℃まで加熱することで加水分解により生成したエタノール、イソプロパノール、過剰の水を除去した。完全な溶媒の留去を確認後、150℃で5時間加熱して縮合反応を行う。更にデカメチルシクロペンタシロキサンで希釈した後、濾過することにより、ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液260gを得た。得られたヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液260gを減圧下で120〜130℃に加熱し、デカメチルシクロペンタシロキサンを除去することにより、(MeSiO1/261.5(HMeSiO1/244.9(SiO141.8で表される粉末状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量16500)110gを得た(平均組成式(6)中、a=0.31,b=0.23,c=0.71,d=0)。また、水素ガス発生量を測定したところ58.6mL/gであった(水素ガス発生量の理論値:60.1mL/g)。更に、生成物のSi−NMR分析において、−10〜−20ppmのピークの積分値は全ケイ素の積分値の合計に対して、0.8%であった。
(実施例4)
トリメチルクロロシラン67.4g(0.62mol)、SiO分を40%含むエチルポリシリケート180g(エチルポリシリケート中、SiO分が1.2mol※)、イソプロパノール80gを反応容器に仕込み、メタンスルホン酸を1.2g(12.5mmol)添加して10〜20℃に冷却し、攪拌しながら水42.6g(2.36mol)を滴下した。滴下終了後、70〜90℃で6時間加熱して加水分解を行った。その後、70〜90℃で加熱した反応容器中にジメチルクロロシラン41.6g(0.44mol)を徐々に滴下し、4時間加熱して加水分解を行った。加水分解終了後、室温まで冷却し、25wt%水酸化ナトリウム水溶液1.92g(12.0mmol)と炭酸カルシウム0.25g(2.5mmol)を加えることで酸を中和した後、デカメチルシクロペンタシロキサン140gを添加して120℃まで加熱することで加水分解により生成したエタノール、イソプロパノール、過剰の水を除去した。完全な溶媒の留去を確認後、150℃で5時間加熱して縮合反応を行った。更にデカメチルシクロペンタシロキサンで希釈した後、濾過することにより、ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液300gを得た。得られたヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液300gを減圧下で120〜130℃に加熱し、デカメチルシクロペンタシロキサンを除去することにより、(MeSiO1/227.0(HMeSiO1/219.1(SiO52.2で表される粉末状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量6600)130gを得た(平均組成式(6)中、a=0.31,b=0.22,c=0.60,d=0)。また、水素ガス発生量を測定したところ64.3mL/gであった(水素ガス発生量の理論値:65.8mL/g)。更に、生成物のSi−NMR分析において、−10〜−20ppmのピークの積分値は全ケイ素の積分値の合計に対して、0.7%であった。
(実施例5)
ヘキサメチルジシロキサン20g(0.12mol)、SiO分を40%含むエチルポリシリケート180g(エチルポリシリケート中、SiO分が1.2mol※)、デカメチルシクロペンタシロキサン150gを反応容器に仕込み、メタンスルホン酸(12.5mmol)を1.2g添加して10〜20℃に冷却し、攪拌しながら水42.6gを滴下した。滴下終了後、70〜90℃で6時間加熱して加水分解を行う。その後、70〜90℃で加熱した反応容器中にテトラメチルジシロキサン55g(0.41mol)を徐々に滴下し、4時間加熱して加水分解を行った。加水分解終了後、室温まで冷却し、25wt%水酸化ナトリウム水溶液1.92g(12.0mmol)と炭酸カルシウム0.25g(2.5mmol)を加えることで酸を中和した後、120℃まで加熱することで加水分解により生成したエタノール、過剰の水を除去した。完全な溶媒の留去を確認後、150℃で5時間加熱して縮合反応を行った。更にデカメチルシクロペンタシロキサンで希釈した後、濾過することにより、ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液315gを得た。得られたヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液315gを減圧下で120〜130℃に加熱し、デカメチルシクロペンタシロキサンを除去することにより、(MeSiO1/29.0(HMeSiO1/230.8(SiO45.1で表される粉末状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量5500)145gを得た(平均組成式(6)中、a=0.12,b=0.41,c=0.60,d=0)。また、水素ガス発生量を測定したところ121.8mL/gであった(水素ガス発生量の理論値:123.5mL/g)。更に、生成物のSi−NMR分析において、−10〜−20ppmのピークの積分値は全ケイ素の積分値の合計に対して、0.9%であった。
(実施例6)
ヘキサメチルジシロキサン50g(0.31mol)、SiO分を40%含むエチルポリシリケート180g(エチルポリシリケート中、SiO分が1.2mol※)、イソプロパノール80gを反応容器に仕込み、メタンスルホン酸を1.2g(12.5mmol)添加して10〜20℃に冷却し、攪拌しながら水42.6g(2.36mol)を滴下した。滴下終了後、70〜90℃で6時間加熱して加水分解を行う。その後、室温(25℃)まで冷却した反応容器中にテトラメチルジシロキサン30g(0.22mol)を徐々に滴下し、40〜50℃で4時間加熱して加水分解を行う。加水分解終了後、室温まで冷却し、25wt%水酸化ナトリウム水溶液1.92g(12.0mmol)と炭酸カルシウム0.25g(2.5mmol)を加えることで酸を中和した後、デカメチルシクロペンタシロキサン140gを添加して120℃まで加熱することで加水分解により生成したエタノール、イソプロパノール、過剰の水を除去した。完全な溶媒の留去を確認後、150℃で5時間加熱して縮合反応を行った。更にデカメチルシクロペンタシロキサンで希釈した後、濾過することにより、ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液320gを得た。得られたヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液320gを減圧下で120〜130℃に加熱し、デカメチルシクロペンタシロキサンを除去することにより、(MeSiO1/223.7(HMeSiO1/216.8(SiO45.9で表される粉末状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量5800)145gを得た(平均組成式(6)中、a=0.31,b=0.22,c=0.6,d=0)。また、水素ガス発生量を測定したところ65.3mL/gであった(水素ガス発生量の理論値:65.8mL/g)。更に、生成物のSi−NMR分析において、−10〜−20ppmのピークの積分値は全ケイ素の積分値の合計に対して、0.06%であった。
(実施例7)
ヘキサメチルジシロキサン50g(0.31mol)、SiO分を40%含むエチルポリシリケート180g(エチルポリシリケート中、SiO分が1.2mol※)、イソプロパノール80gを反応容器に仕込み、メタンスルホン酸を1.2g(12.5mmol)添加して10〜20℃に冷却し、攪拌しながら水42.6g(2.36mol)を滴下した。滴下終了後、70〜90℃で6時間加熱して加水分解を行う。その後、室温まで冷却した反応容器中にテトラメチルジシロキサン30g(0.22mol)を徐々に滴下し、40〜50℃で4時間加熱して加水分解を行った。加水分解終了後、室温まで冷却し、25wt%水酸化ナトリウム水溶液2.35g(14.7mmol)と炭酸カルシウム0.25g(2.5mmol)を加えることで酸を中和した後、デカメチルシクロペンタシロキサン140gを添加して120℃まで加熱することで加水分解により生成したエタノール、イソプロパノール、過剰の水を除去した。完全な溶媒の留去を確認後、150℃で5時間加熱して縮合反応を行った。更にデカメチルシクロペンタシロキサンで希釈した後、濾過することにより、ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液320gを得た。得られたヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液320gを減圧下で120〜130℃に加熱し、デカメチルシクロペンタシロキサンを除去することにより、(MeSiO1/255.2(HMeSiO1/239.2(SiO106.8で表される粉末状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量13500)145gを得た(平均組成式(6)中、a=0.31,b=0.22,c=0.60,d=0)。また、水素ガス発生量を測定したところ65.1mL/gであった(水素ガス発生量の理論値:65.8mL/g)。更に、生成物のSi−NMR分析において、−10〜−20ppmのピークの積分値は全ケイ素の積分値の合計に対して、0.08%であった。
(比較例)
ヘキサメチルジシロキサン50g(0.31mol)、テトラメチルジシロキサン30g(0.22mol)、SiO分を40%含むエチルポリシリケート180g(エチルポリシリケート中、SiO分が1.2mol※)、イソプロパノール80gを反応容器に仕込み、メタンスルホン酸を1.2g(12.5mmol)添加して10〜20℃に冷却し、攪拌しながら水42.6g(2.36mol)を滴下した。滴下終了後、70〜90℃で6時間加熱して加水分解を行う。加水分解終了後、室温まで冷却し、25wt%水酸化ナトリウム水溶液1.92g(12.0mmol)と炭酸カルシウム0.25g(2.5mmol)を加えることで酸を中和した後、デカメチルシクロペンタシロキサン140gを添加して120℃まで加熱することで加水分解により生成したエタノール、イソプロパノール、過剰の水を除去した。完全な溶媒の留去を確認後、150℃で5時間加熱した。更にデカメチルシクロペンタシロキサンで希釈した後、濾過することにより、ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液320gを得た。得られたヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン溶液320gを減圧下で120〜130℃に加熱し、デカメチルシクロペンタシロキサンを除去することにより、平均組成式(MeSiO1/225.7(HMeSiO1/218.3(SiO49.8で表される粉末状のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(重量平均分子量6300)150gを得た。また、水素ガス発生量を測定したところ61.1mL/gであった(水素ガス発生量の理論値:65.8mL/g)。更に、生成物のSi−NMR分析において、−10〜−20ppmのピークの積分値は全ケイ素の積分値の合計に対して、3.6%であった。
本発明のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法(実施例1〜7)で製造したヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂は、原料となる加水分解性シランを全て同時に加水分解する方法により製造されたヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂(比較例)よりも、ヒドロシリル基の失活量を低減することができた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に含有される。

Claims (6)

  1. ヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法であって、
    下記一般式(1)及び下記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物のうち1種又は2種以上と、下記一般式(3)で表される加水分解性シラン、該加水分解性シランの部分加水分解縮合物又は前記加水分解性シランの金属塩のいずれか1種以上、との混合物を酸触媒下で加水分解後、
    SiOSiR (1)
    SiX (2)
    (式中、Rは互いに同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基を示す。また、Xは加水分解性を有する官能基を示す。)
    SiX (3)
    (式中、Xは加水分解性を有する官能基を示す。)
    下記一般式(4)及び(5)で表されるヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物のうち1種又は2種以上を添加し再度加水分解を行い、
    3−nSiOSiR 3−n (4)
    3−nSiX (5)
    (式中、Rは互いに同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基を示す。また、Xは加水分解性を有する官能基を示す。さらに1≦n≦3である。)
    その後、前記酸触媒のモル当量より多い塩基触媒を添加することで中和し、
    その後、縮合することにより、
    下記平均組成式(6)で表される、Q単位(SiO),M単位((R SiO1/2)及び(H 3−nSiO1/2))を必須成分とした、溶剤の無い状態では性状が固形状であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂を製造することを特徴とするヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法。
    (R SiO1/2(H 3−nSiO1/2(SiO(RSiO3/2 (6)
    (式中、R、R、nは上記と同様である。Rは、非置換又は置換一価炭化水素基を示す。また、0<a≦1.5,0.2≦b≦1.5,0<c≦1、0≦d≦1.5、0.5≦a+b/c≦1.0である。)
  2. 前記製造されたヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の29Si−NMR分析において、−10〜−20ppmのピークの積分値が全ケイ素の積分値の合計に対して、1.0%以下であることを特徴とする請求項1に記載のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法。
  3. 前記製造されたヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の29Si−NMR分析において、−10〜−20ppmのピークの積分値が全ケイ素の積分値の合計に対して、0.1%以下であることを特徴とする請求項1に記載のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法。
  4. 前記一般式(1)及び(2)で表される有機ケイ素化合物のうち1種又は2種以上と、前記一般式(3)で表される加水分解性シラン、該加水分解性シランの部分加水分解縮合物又は前記加水分解性シランの金属塩のいずれか1種以上、との混合物を酸触媒下で加水分解後、加水分解物の温度を25℃まで冷却し、前記ヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物を添加した後に、使用するヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物の沸点未満で再度の加水分解を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法。
  5. 前記塩基触媒による中和において、強塩基触媒として水酸化ナトリウム、弱塩基触媒として炭酸カルシウムを併用して用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法。
  6. 前記一般式(1)及び(2)で表される有機ケイ素化合物の1種又は2種以上と、前記一般式(3)で表される加水分解性シラン、該加水分解性シランの部分加水分解縮合物又は前記加水分解性シランの金属塩のいずれか1種以上、との混合物の加水分解前、又は該加水分解後で前記再度の加水分解前に、下記一般式(7)
    (RO)SiR (7)
    (式(7)中、Rは上記と同様である。Rはそれぞれ互いに同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基を示す。)
    で示される有機ケイ素化合物の1種又は2種以上の混合物をさらに添加することで、前記平均組成式(6)で表される(ただし、前記平均組成式(6)中、dは0<d≦1.5である)、溶剤の無い状態では粉末状態であるヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂を製造することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のヒドロシリル基含有有機ケイ素樹脂の製造方法。
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