JP2017069082A - セラミックヒータ及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】ガラスを介して接合されたヒータ本体とフランジとの間の接合強度及び耐食性に優れるとともに、製造が容易なセラミックヒータを提供すること。
【解決手段】本発明のセラミックヒータ11は、セラミック製の筒状のヒータ本体13と、ヒータ本体13に外嵌される金属製の環状のフランジ15とを備える。フランジ15は、第1面S1及び第2面S2を貫通する穴部27を有し、第1面S1側に凹状部分16を有する。凹状部分16には、ガラス33が充填されたガラス溜り部35を有する。ガラス溜り部35に配置されたガラス33を介して、フランジ15及びヒータ本体13が接合される。フランジ15の第2面S2側において少なくとも穴部27の周囲の表層部は、フランジ15の内層部に比べて、金属組織の結晶粒界が潰れた状態となっている。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば温水洗浄便座、ファンヒータ、電気温水器、24時間風呂などに用いられるセラミックヒータに係り、特にはセラミック製の筒状のヒータ本体に、金属製の環状のフランジを外嵌させた構造のセラミックヒータ及びその製造方法に関するものである。
通常、温水洗浄便座には、樹脂製の容器(熱交換器)を有する熱交換ユニットが用いられている。この熱交換ユニットには、熱交換器内に収容された洗浄水を暖めるために、筒状のセラミックヒータが取り付けられている。
この種のセラミックヒータとしては、円筒状のセラミック製のヒータ本体に、平板からなる円環状のセラミック製のフランジを外嵌し、ガラスを介してヒータ本体とフランジとを接合したものが知られている。
また、近年では、ヒータ本体とフランジとの間の気密性や強度(接合強度)などを改善するために、円筒状のセラミック製のヒータ本体に、平板からなる円環状の金属製のフランジを外嵌し、ヒータ本体とフランジとをろう材によって接合したものが提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
特開平11−74063号公報 特開平9−283197号公報
しかしながら、上述したヒータ本体と金属製フランジとを加熱接合する場合には、金属製フランジの表面組織の変化により、使用時にサビが発生するという問題があった。
具体的には、セラミック製のヒータ本体と、クロム及び鉄を含有する金属からなるフランジとを加熱接合する場合には、ある温度域に加熱すると金属フランジ表面における金属粒界にクロムが偏析する一方、その周囲にはクロム欠乏組織が発生する。そして、クロム欠乏組織では鉄含有量が多くなっていることから、金属製フランジにおいて使用時に水分が接触しやすい面側にて鉄が酸化し、サビとなることがあった。従って、この場合には耐食性が低下するばかりでなく、ヒータ本体とフランジとの間の接合強度も低下することから、セラミックヒータに十分な性能を付与することが難しかった。
また、上記の原因によるサビの発生を未然に防ごうとすると、金属製フランジにニッケルめっきを施したり、偏析しにくい温度にて溶着できるガラスを選択したりする必要があった。従って、製造が煩雑なセラミックヒータとなりやすいという問題があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガラスを介して接合されたヒータ本体とフランジとの間の接合強度及び耐食性に優れるとともに、製造が容易なセラミックヒータ及びその製造方法を提供することにある。
そして上記課題を解決するための手段(手段1)としては、セラミック製の筒状のヒータ本体と、前記ヒータ本体に外嵌されている金属製の環状のフランジとを備えたセラミックヒータにおいて、前記フランジは、第1面及び第2面を貫通している穴部を有するとともに、前記第1面側に凹状部分を有し、前記凹状部分には、ガラスが充填されたガラス溜り部を有するとともに、前記ガラス溜り部に配置された前記ガラスを介して、前記フランジ及び前記ヒータ本体が接合されており、前記フランジの前記第2面側において少なくとも前記穴部の周囲の表層部は、前記フランジの内層部に比べて、金属組織の結晶粒界が潰れた状態となっていることを特徴とするセラミックヒータがある。
従って、手段1に記載の発明によると、フランジの第2面側において少なくとも穴部の周囲の表層部は、フランジの内層部に比べて金属組織の結晶粒界が潰れた状態となっている。このため、表層部における結晶粒界へのクロム偏析が発生しにくくなり、鉄含有量が多いクロム欠乏組織も発生しにくくなる。よって、クロム欠乏組織の鉄の酸化によりフランジの第2面側にサビが発生することが回避される。従って、ガラスを介して接合されたヒータ本体とフランジとの間の接合強度及び耐食性に優れるとともに、製造が容易なセラミックヒータを提供することができる。ここで、「穴部の周囲の表層部」とは、穴部の開口縁から径方向に向かって2mmの範囲内となる領域の表層部のことを言うものとする。
上記手段のセラミックヒータでは、フランジの凹状部分のガラス溜り部には、ガラスが充填され、そのガラスを介してヒータ本体及びフランジが接合されている。ゆえに、この構成のセラミックヒータを製造する場合には、例えばガラス溜り部にガラスの材料を充填して、そのガラスを介してヒータ本体とフランジとを溶着接合すればよい。よって、従来のろう付けによる接合方法を行う場合に比べて、容易に製造可能なセラミックヒータとすることができる。
また、凹状部分を有する上記手段のフランジを用いた場合、例えば平板状のフランジの穴部の幅の狭い内周面のみで接合する場合に比べて、ガラス溜り部に配置されたガラスが、軸方向に沿って広い面積にわたりヒータ本体の外周面やフランジの穴部の内面に溶着する。それによって、ヒータ本体とフランジとの間に高い気密性や接合強度が付与される。
ここで「ガラス溜り部」とは、前記凹状部分のうち、ガラスを溜めることができる部分(ガラスが充填されて溜められている部分)のことを指す。
前記フランジがクロム及び鉄を含む金属からなる場合において、フランジの穴部の周囲の表層部におけるクロム含有量/鉄含有量の値のバラツキが小さい(即ち「最大値−最小値」の値が小さい)ことが好ましく、また、鉄含有量が低いことが好ましい。
具体的には、穴部の周囲の表層部を無作為に10μm四方にて10箇所分析した場合において、クロム含有量/鉄含有量の最大値と、クロム含有量/鉄含有量の最小値との差が50%以下であり、かつ鉄含有量が45%未満であることが好ましい。このような金属組織は、クロム偏析及びクロム欠乏組織の存在率が十分に小さいことから、フランジにおけるサビの発生を確実に回避することができる。さらに好ましくは、穴部の周囲の表層部を無作為に5μm四方にて10箇所分析した場合において、クロム含有量/鉄含有量の最大値と、クロム含有量/鉄含有量の最小値との差が100%以下であり、かつ鉄含有量が55%未満であることがよい。
ガラスが充填されたフランジの第1面側(即ち凹状部分のある面側)に関しては、表層部のクロム含有量が、内層部のクロム含有量より大きいことが好ましい。この場合、第1面側のガラスの濡れ性が向上することから、ガラスがフランジに強固に接合しやすくなり、気密性や接合強度が向上する。なお、フランジの表層部のクロムは、金属単体として存在していてもよいほか、酸化物として存在していてもよい。
フランジは、板材が凹状部分を有するようにカップ形状に曲げられた状態に形成されたものであることが好ましく、ガラスはガラス溜り部となるカップ内部の少なくとも一部を埋めた状態に形成されていることが好ましい。このような構造であれば、例えばプレス加工等により、板材からフランジを容易に製造することができる。
上記手段のセラミックヒータでは、フランジを構成する金属の熱膨張係数は、ヒータ本体を構成するセラミックの熱膨張係数及びガラスの熱膨張係数よりも大きいことが好ましい。従って、ガラスの溶着の際の温度(溶着温度)から例えば常温に温度が低下する際に、外側のフランジから内側のガラス及びヒータ本体に対して応力を加えることができる。この応力の作用により、気密性や接合強度を高めることができる。
ここで、フランジを形成する金属の熱膨張係数としては、特に限定されないが、例えば100×10−7/K〜200×10−7/Kの範囲内の値を採用することができる。また、ヒータ本体を構成するセラミックの熱膨張係数及びガラスの熱膨張係数としては、いずれも特に限定されないが、例えば50×10−7/K〜90×10−7/Kの範囲内の値を採用することができる。なお、ガラスの熱膨張係数はセラミックの熱膨張係数より大きいことが好ましく、この場合には気密性や接合強度をよりいっそう向上させることができる。
セラミックヒータでは、フランジはガラス及びヒータ本体に圧縮残留応力を加えていることがよく、この場合には気密性や接合強度をよりいっそう向上させることができる。
上記手段のセラミックヒータにおいて、ヒータ本体を形成するセラミックとしては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化けい素、窒化ほう素、ジルコニア、チタニア、ムライトなどを好適例として挙げることができる。ヒータ本体は、例えば、タングステン、モリブデン、タンタル等などからなる発熱体(ヒータパターン層)を備えている。
上記手段のセラミックヒータに使用されるガラスとしては、特に限定されないが、例えば、B・SiO・Al系、SiO・NaO系、SiO・PbO系、SiO・Al・BaO系のガラス、または、それぞれの成分を組み替えた成分系のガラスなどが好適例として挙げられる。
ガラスが溜められるガラス溜り部の深さ(軸方向における深さ)としては、例えば1mm〜20mmの範囲で設定されることが好ましく、ガラスの深さとしては、例えば2mm以上に設定されることが好ましい。
また、上記課題を解決するための別の手段(手段2)としては、上記手段1に記載のセラミックヒータを製造する方法であって、前記フランジの前記第2面側に対する機械的または物理的な加工によって、前記穴部の周囲の表層部における金属組織の結晶粒界を潰す工程と、前記ガラスの材料を溶着温度に加熱して溶融させた後に冷却することによって、前記ガラスを介して前記フランジと前記ヒータ本体とを溶着する工程とを含むことを特徴とするセラミックヒータの製造方法がある。
従って、手段2に記載の発明によると、フランジの第2面側に対する機械的または物理的な加工によって、穴部の周囲の表層部における金属組織の結晶粒界が潰される(破壊される)結果、当該金属組織の結晶粒界にクロムが偏析しにくくなる。それゆえ、当該金属組織には、鉄含有量が多いクロム欠乏組織が発生しにくくなる。よって、クロム欠乏組織の鉄の酸化によりフランジの第2面側にサビが発生することが回避される。また、この発明によれば、サビを防止するために、フランジに対してめっき処理を行ったり、特定のガラスを選択したりすること等が要求されなくなるので、製造の煩雑化を回避することができる。
上記結晶粒界破壊工程及び上記溶着工程はいずれを先に行ってもよいが、例えば結晶粒界破壊工程後に溶着工程を行うことが好ましい。また、フランジはクロムを含む金属からなり、ガラスを溶着温度に加熱することによって、穴部の周囲の表層部にクロムを析出させることが好ましい。
ここで、前記機械的または物理的な加工としては、フランジを形成している金属組織の結晶粒界を潰すことができる任意の加工法を採用することが可能であり、具体例としては、ブラスト加工、バレル加工、サンドペーパー加工、研削加工などを挙げることができる。
(a)は本発明を具体化した実施形態におけるセラミックヒータの正面図、(b)は同セラミックヒータにおけるフランジ及びガラスの部分を軸方向に沿って切断したときの部分破断面図。 実施形態のセラミックヒータのガラス部分を透過して示す平面図。 実施形態のセラミックヒータのセラミック層のヒータパターン層側を展開して示す説明図。 (a)は実施形態のセラミックヒータのフランジを示す平面図、(b)は(a)のA−A断面図。 実施形態のセラミックヒータにおけるフランジ及びガラスの部分を軸方向に沿って切断したときの要部拡大破断面図。 実施形態のセラミックヒータにおけるフランジ及びガラスの部分を軸方向に沿って切断したときの要部拡大破断面図。 (a)〜(f)は実施形態のセラミックヒータの製造方法を示す説明図。 実験例における製品サンプルAのSEM像を示す写真。 実験例における製品サンプルBのSEM像を示す写真。 実験例における製品サンプルCのSEM像を示す写真。 実験例における製品サンプルDのSEM像を示す写真。
以下、本発明を具体化した一実施形態のセラミックヒータ及びその製造方法を図1〜図11に基づいて説明する。
本実施形態のセラミックヒータ11は、例えば温水洗浄便座の熱交換ユニットの熱交換器において、洗浄水を暖めるために用いられるものである。
図1、図2に示されるように、このセラミックヒータ11は、円筒状をなすセラミック製のヒータ本体13と、ヒータ本体13に外嵌される金属製の円環状のフランジ15とを備えている。ヒータ本体13は、セラミック管17と、そのセラミック管17の外周のほぼ全体を覆うセラミック層19とにより構成されている。本実施形態では、セラミック管17の外径が10mmφ、内径が8mmφ、長さが65mmに設定され、セラミック層19の厚さが0.5mm、長さが60mmに設定されている。セラミック層19はセラミック管17の外周を完全には覆っていないため、ヒータ本体13の外周面14には、軸方向に沿って延びる例えば幅1mm×深さ0.5mmの溝部21が形成されている。
このヒータ本体13を構成しているセラミック管17及びセラミック層19は、例えばアルミナからなる。アルミナの熱膨張係数としては、50×10−7/K〜90×10−7/Kの範囲内であり、本実施形態のものでは70×10−7/K(30℃〜380℃)となっている。
図3に示されるように、セラミック層19の内周面(セラミック管17側の面)または内部には、蛇行したパターン形状のヒータパターン層22及び一対の内部端子23が形成されている。これらの内部端子23は、図示しないビア導体等を介して、セラミック層19の外周面の端部の外部端子25(図1参照)と電気的に接続されている。
図4に示されるように、フランジ15は、例えばステンレス等の金属からなる円環状の部材であり、板材の中央部分が第1面S1の側に曲げられて凹状(カップ形状)となったものである。より具体的にいうと、本実施形態のフランジ15は、例えば厚さ1mmの板材を曲げることで形成されたものである。板材の中央部には、内面である第1面S1及び外面である第2面S2を貫通する穴部27が形成されている。本実施形態では、凹状部分16の開口部側(即ち図4(b)の上側)の内径は、例えば16mmφに設定されている。一方、凹状部分16の底部側(即ち図4(b)の下側)の内径、つまり穴部27の内径は、例えば12mmφに設定されている。
また、フランジ15の全体の高さH1(図4(b)の上下方向)は例えば6mmであり、半径r(例えば1.5mm)にて湾曲した底部29と、底部29から上方に(軸方向と垂直に)延びる円筒状の側部31とから構成されている。なお、例えば、底部29の高さH2は1.5mmであり、側部31の高さH3は4.5mmである。また、半径rは、軸方向に沿った断面における半径を意味する。
ここで、フランジ15を形成する金属の熱膨張係数は、100×10−7/K〜200×10−7/Kの範囲内の値となる。例えば、フランジ15がSUS304(主成分がFe、Ni、Cr)製である場合には、その熱膨張係数は、178×10−7/K(30℃〜380℃)であり、SUS430(主成分がFe、Cr)製である場合には、その熱膨張係数は、110×10−7/K(30℃〜380℃)である。
本実施形態では、図5に示されるように、フランジ15の凹状部分16のうち、ヒータ本体13の外周面とフランジ15の内面である第1面S1とで囲まれた空間が、ガラス33が充填されるガラス溜り部35とされている。なお、図1及び図2では、ガラス33の部分にハッチングをかけて示している。
このガラス溜り部35の高さH4(図5の上下方向)は、例えば1mm〜20mmの範囲内にて設定され、本実施形態では5mmとされている。ガラス溜り部35の側部31における幅(即ち開口部の径方向の長さ)Xは、例えば1mm〜20mmの範囲内にて設定され、本実施形態では2mmとされている。
ガラス溜り部35には、ガラス33がガラス溜り部35の高さH4の1/3以上に充填されており、そのガラス33を介してヒータ本体13とフランジ15とが溶着接合されている。ガラス33の高さ(ヒータ本体13の軸方向に沿った寸法)H5は、例えば1mm〜19mmの範囲内にて設定されている。
ガラス33としては、例えばNaO・Al・B・SiO系のガラス、いわゆるAl・B・SiO系のガラス(ホウケイ酸ガラス)が用いられている。このガラス33の熱膨張係数は、例えば50×10−7/K〜90×10−7/K(30℃〜380℃)の範囲内の値となり、本実施形態では62×10−7/K(30℃〜380℃)となっている。
図5をさらに拡大した図6に示されるように、凹状部分16の底部29側に位置する穴部27の内面28と、ヒータ本体13の外周面14との間には、例えば0.1mm〜1.0mm程度の隙間39が存在し、本実施形態ではその隙間39の寸法Yが0.3mm〜0.5mm程度に設定されている。第1面S1側のガラス溜まり35に充填されたガラス33の一部は、この隙間39をヒータ本体13の外周面14に沿って軸方向に流出し、第2面S2の下端のさらに下方位置まで到っている。
ここで、図6のフランジ15の場合、第2面S2側において少なくとも穴部27の周囲を含む表層部(即ち、フランジ15の底面の表層部)に対して、機械的・物理的な加工が施されている。このような機械的・物理的な加工を経た結果、フランジ15の第2面S2側の表層部は、フランジ15の内層部に比べて、金属組織の結晶粒界が潰れた状態となっている。図示の便宜上、図5、図6等においては、破線で表現した部分を「結晶粒界破壊部43」としている。なお、本実施形態において「表層部」とは金属組織の表面から0.1μm未満の深さの領域のことを指し、「内層部」とは金属組織の表面から0.1μm以上の深さの領域のことを指すものとする。ところで、フランジ15の第1面S1側に対しては上記加工が施されていないため、第1面S1側の表層部の金属組織の結晶粒界は潰れた状態ではなく、結晶粒界破壊部43も存在していない。
次に、本実施形態のセラミックヒータ11を製造する方法を図7に基づいて説明する。
まず、図7(a)に示されるように、円筒状をなすアルミナ質のセラミック管17を仮焼成する。
また、図7(b)に示されるように、アルミナ質のセラミックシート51の表面または積層したシート内部に、タングステン等の高融点金属を印刷する。これにより、後にヒータパターン層22、内部端子23及び外部端子25となるパターン53を形成する。
次に、このセラミックシート51の片側面にセラミックペースト(アルミナペースト)を塗布し、図7(c)に示されるように、セラミックシート51をセラミック管17の外周面に巻き付けて接着してから一体焼成する。その後、外部端子25にニッケルめっきを施し、ヒータ本体13とする。
次に、ステンレスからなる板材を金型を用いてプレス成形して、カップ状のフランジ15を形成した後、このフランジ15の第2面S2側に対して、例えば従来公知のバレル加工を施し、選択的に結晶粒界破壊部43を形成する(結晶粒界破壊工程;図6参照)。ここで、バレル加工とは、容器(バレル)のなかに、被加工物(ワーク)、研磨石(メディア)、コンパウンド(研磨媒剤)等を混入し、バレルに一定の回転・振動、あるいは高速旋回による遠心力等を加えて、ワークを研磨加工する方法のことをいう。本実施形態では、主に水を用いて研磨する湿式バレル加工を行ってもよく、あるいは水を用いない乾式バレル加工を行ってもよい。バレル加工を行う装置としては、例えば、回転バレル加工機、振動バレル加工機、遠心バレル加工機のいずれを用いることも可能である。本実施形態においては、例えば、遠心バレル加工機を用いるとともに、メディアとしてアルミナ粒を用い、コンパウンドとして界面活性剤を用い、旋回速度:220rpm、30分という条件を設定して湿式バレル加工を行う。この加工の結果、フランジ15の第2面S2側の表層部における金属組織の結晶粒界を破壊し、その部分の結晶粒界が視覚的に不明確なものとなるようにした。
なお、結晶粒界破壊工程として、バレル加工の代わりに例えば従来公知のサンドブラスト加工を行ってもよい。ここで、サンドブラスト加工とは、ブラスト加工の一種であって、圧縮した空気とともに砂状の研磨剤(砥粒)を吹きつけることで、ワークの表面を研削加工する方法のことをいい、湿式及び乾式の両方がある。本実施形態においては、例えば、サンドブラスト装置を用いるとともに、研磨剤としてアルミナビーズを用い、エアガンにて加工時間2分という条件を設定してサンドブラスト加工を行う。この加工によっても、フランジ15の第2面S2側の表層部における金属組織の結晶粒界を破壊することができる。
なお、凹状部分16内に充填されたガラス33との密着性を確保するため、フランジ15の第1面S1側には結晶粒界破壊部43を極力形成しないようにする。そして、このようにして準備したフランジ15を、図7(d)に示されるように、ヒータ本体13の所定の取付位置に外嵌する。この状態でヒータ本体13及びフランジ15を図示しない治具で支持する。
また、ホウケイ酸ガラスからなる上記ガラス材料をリング状にプレス成形し、これを640℃で30分仮焼して、仮焼済みガラス材55を作製する。そして、図7(e)に示されるように、ヒータ本体13とフランジ15との間のガラス溜り部35に、リング状の仮焼済みガラス材55を配置する。
次に、この状態のものを焼成用の連続炉に投入して、ヒータ本体13とフランジ15とのガラス付けを行う(溶着工程)。具体的には、連続炉内を還元雰囲気(例えば、N+5%H)にして溶着温度(1015℃)で所定時間加熱することで、仮焼済みガラス材55を溶融させる。その後、仮焼済みガラス材55を常温(例えば25℃)まで冷却して固化させることで、ガラス33を介してヒータ本体13とフランジ15とを溶着固定し、セラミックヒータ11を完成させる。
<実験例>
以下、本実施形態のセラミックヒータ11の性能を評価するために行った実験例について説明する。
ここでは、フランジ15に対するサンドブラスト加工を上記条件にて行い、第2面S2の表層部における金属組織の結晶粒界を破壊した後、上記の溶着工程を行った。これにより、結晶粒界が視覚的に不明確となったセラミックヒータ11(実施例の製品サンプルA,B)を作製した。そして、これらのフランジ15の第2面S2の表層部を走査電子顕微鏡(×2000)にて観察するとともに、ESD(エネルギー分散型X線分析)にてクロム(Cr)及び鉄(Fe)の成分分析を行った。その結果を表1、表2にそれぞれ示す。なお、図8は製品サンプルAのフランジ15の底面部のSEM像を示す写真を示し、図9は製品サンプルBのフランジ15の底面部のSEM像を示す写真を示している。また、上記方法により作製したセラミックヒータ11の製品サンプルA,Bを恒温恒湿槽に投入し、フランジ15部分におけるサビの発生有無を観察調査した。
また同時に、フランジ15に対するサンドブラスト加工を行わないで、第2面S2の表層部の金属組織の結晶粒界をそのまま残した後、上記の溶着工程を行った。これにより、結晶粒界が視覚的にはっきりと観察できるセラミックヒータ(比較例の製品サンプルC,D)を作製した。そして、これらのフランジ15の第2面S2の表層部についても、同様の走査電子顕微鏡による観察、及びESDによるCr及びFeの成分分析を行った。その結果を表3、表4にそれぞれ示す。また、製品サンプルC,Dについても恒温恒湿槽に投入し、フランジ15部分におけるサビの発生有無を観察調査した。
フランジ15の第2面S2において金属組織を破壊した製品サンプルAでは、走査電子顕微鏡(×2000)を用いても結晶粒界を見ることができなかった(図8参照)。また、製品サンプルAにて穴部27の周囲の表層部を無作為に10μm四方にて10箇所分析し、a〜jの各々の箇所についてクロム含有量(Cr含有量)、鉄含有量(Fe含有量)、及びそれらの存在比であるクロム含有量/鉄含有量(Cr含有量/Fe含有量)を求めた。その結果、クロム含有量/鉄含有量の最大値は98%であり、クロム含有量/鉄含有量の最小値は52%であったため、「最大値−最小値」の値は46%(即ち50%以下)であった。また、鉄含有量はいずれも45%未満であった。ゆえに、製品サンプルAはクロム含有量/鉄含有量の値のバラツキが小さくかつ鉄含有量が低いことから、フランジ15の第2面S2の表層部における金属組織の結晶粒界へのクロム偏析が発生しておらず、クロム欠乏組織も発生していなかった。従って、結晶粒界破壊部43に関して、サビが発生しにくい金属組織になっていることが示唆された。そこで、恒温恒湿槽投入後に観察したところ、フランジ15部分におけるサビの発生は認められなかった。従って、このセラミックヒータ11には十分な耐食性が付与されていることがわかった。
同様に、フランジ15の第2面S2において金属組織を破壊した製品サンプルBでは、走査電子顕微鏡(×2000)を用いても結晶粒界を見ることができなかった(図9参照)。また、製品サンプルBにて穴部27の周囲の表層部を無作為に5μm四方にて10箇所分析し、a〜jの各々の箇所についてクロム含有量、鉄含有量、クロム含有量/鉄含有量の値を求めた。その結果、クロム含有量/鉄含有量の最大値は98%であり、クロム含有量/鉄含有量の最小値は47%であったため、「最大値−最小値」の値は51%(即ち100%以下)であった。また、鉄含有量はいずれも55%未満であった。ゆえに、製品サンプルBはクロム含有量/鉄含有量の値のバラツキが小さくかつ鉄含有量が低いことから、フランジ15の第2面S2の表層部における金属組織の結晶粒界へのクロム偏析が発生しておらず、クロム欠乏組織も発生していなかった。従って、結晶粒界破壊部43に関して、サビが発生しにくい金属組織になっていることが示唆された。そこで、恒温恒湿槽投入後に観察したところ、フランジ15部分におけるサビの発生は認められなかった。従って、このセラミックヒータ11には十分な耐食性が付与されていることがわかった。
同様に、フランジ15の第2面S2において金属組織を破壊しない製品サンプルCでは、走査電子顕微鏡(×2000)を用いて結晶粒界をはっきりと見ることができた(図10参照)。また、製品サンプルCにて穴部27の周囲の表層部を無作為に10μm四方にて10箇所分析し、a〜jの各々の箇所についてクロム含有量、鉄含有量、クロム含有量/鉄含有量の値を求めた。その結果、クロム含有量/鉄含有量の最大値は250%であり、クロム含有量/鉄含有量の最小値は74%であったため、「最大値−最小値」の値は176%となり、50%を超えるものとなった。また、鉄含有量の最大値は48.4%となり、45%を超えるものとなった。ゆえに、製品サンプルCはクロム含有量/鉄含有量の値のバラツキが大きくかつ鉄含有量が高いことから、フランジ15の第2面S2の表層部における金属組織の結晶粒界へのクロム偏析が発生しており、クロム欠乏組織も発生していると結論付けられた。従って、サビが発生しやすい金属組織になっていることが示唆された。そこで、恒温恒湿槽投入後に観察したところ、フランジ15部分においてサビの発生が認められた。従って、このセラミックヒータは耐食性に劣るものであることがわかった。
同様に、フランジ15の第2面S2において金属組織を破壊しない製品サンプルDでは、走査電子顕微鏡(×2000)を用いて結晶粒界をはっきりと見ることができた(図11参照)。また、製品サンプルDにて穴部27の周囲の表層部を無作為に5μm四方にて10箇所分析し、a〜jの各々の箇所についてクロム含有量、鉄含有量、クロム含有量/鉄含有量の値を求めた。その結果、クロム含有量/鉄含有量の最大値は296%であり、クロム含有量/鉄含有量の最小値は52%であったため、「最大値−最小値」の値は244%となり、100%を超えるものとなった。また、鉄含有量の最大値は56.0%となり、55%を超えるものとなった。ゆえに、製品サンプルDはクロム含有量/鉄含有量の値のバラツキが大きくかつ鉄含有量が高いことから、フランジ15の第2面S2の表層部における金属組織の結晶粒界へのクロム偏析が発生しており、クロム欠乏組織も発生していると結論付けられた。従って、サビが発生しやすい金属組織になっていることが示唆された。そこで、恒温恒湿槽投入後に観察したところ、フランジ15部分においてサビの発生が認められた。従って、このセラミックヒータは耐食性に劣るものであることがわかった。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態のセラミックヒータ11では、フランジ15の第2面S2側において少なくとも穴部27の周囲の表層部は、フランジ15の内層部に比べて金属組織の結晶粒界が潰れた状態となっている。このため、表層部における結晶粒界へのクロム偏析が発生しにくくなり、鉄含有量が多いクロム欠乏組織も発生しにくくなる。よって、クロム欠乏組織の鉄の酸化によりフランジ15の第2面S2側にサビが発生することが回避される。従って、本実施形態によれば、ガラス33を介して接合されたヒータ本体13とフランジ15との間の接合強度及び耐食性に優れるとともに、製造が容易なセラミックヒータ11を提供することができる。
(2)本実施形態のセラミックヒータ11の製造方法では、結晶粒界破壊工程及び溶着工程を行うことを特徴としている。そして、結晶粒界破壊工程において、フランジ15の第2面S2側に対する機械的または物理的な加工を行うことによって、穴部の周囲の表層部における金属組織の結晶粒界が潰される(破壊される)。この結果、当該金属組織の結晶粒界にクロムが偏析しにくくなり、ひいてはフランジ15におけるサビの発生が防止される。また、この製造方法によれば、サビを防止するために、フランジ15に対してめっき処理を行ったり、特定のガラス33を選択したりすること等が要求されなくなるので、製造の煩雑化を回避することができる。ゆえに、従来と比べてセラミックヒータ11を容易に製造することができる。
(3)本実施形態のセラミックヒータ11の製造方法では、結晶粒界破壊工程を実施した後に溶着工程を実施するという工程順を採用していることから、ガラス33が機械的または物理的なダメージを受けにくいという利点がある。ゆえに、ヒータ本体13とフランジ15との間の接合強度、耐食性等の向上が達成されやすくなり、信頼性も高くなる。なお、仮に逆の工程順を採用した場合には、ガラス33に対する機械的または物理的なダメージを回避するための対策が必要となる場合があるが、本実施形態の工程順であれば、このような対策が不要になる分、製造コストを抑えることができる。さらに、本実施形態の製造方法では、結晶粒界破壊工程にてサンドブラスト加工またはバレル加工を行うこととしているが、これらの加工を行うための装置は比較的安価であることから、製造コストを抑えることができる。
(4)本実施形態のセラミックヒータ11では、フランジ15の凹状部分16のガラス溜り部35にガラス33が充填され、そのガラス33を介してヒータ本体13及びフランジ15が接合されている。ゆえに、この構成のセラミックヒータ11を製造する場合には、ガラス溜り部35にガラス33の材料を充填して、そのガラス33を介してヒータ本体13とフランジ15とを溶着接合すればよい。よって、従来のろう付けによる接合方法を行う場合に比べて、セラミックヒータ11を容易に製造することができる。また、本実施形態のフランジ15はカップ形状に曲げられたものであり、ガラス33がガラス溜り部35となるカップ内部を埋めた構造となっている。従って、このような構造であれば、例えばプレス加工等により、板材からフランジ15を容易に製造することができる。
(5)本実施形態のセラミックヒータ11では、凹状部分16を有するフランジ15を用いている。このため、従来の平板状のフランジを接合する場合に比べて、ガラス溜り部35に配置されたガラス33が、軸方向に沿って広い面積にわたりヒータ本体13の外周面14やフランジ15の穴部27の内面28に溶着する。それによって、ヒータ本体13とフランジ15との間に高い気密性や接合強度が付与される。
(6)本実施形態のセラミックヒータ11では、フランジ15を構成する金属(ステンレス)の熱膨張係数は、ヒータ本体13を構成するセラミック(アルミナ)の熱膨張係数及びガラス33の熱膨張係数よりも大きくなっている。従って、ガラス33の溶着の際の温度から常温に温度が低下する際に、外側のフランジ15から内側のガラス33及びヒータ本体13に対して応力を加えることができる。この応力の作用により、気密性や接合強度を高めることができる。また、製造後においてもこのフランジ15は、ガラス33及びヒータ本体13に圧縮残留応力を加えているため、気密性や接合強度をよりいっそう向上させることができる。
(7)本実施形態のセラミックヒータ11では、フランジ15がクロム及び鉄を含むステンレスからなり、焼成工程を経ることでフランジ15の表面のクロム含有量が、フランジ15の内部のクロム含有量より大きくなっている。従って、フランジ15の表面におけるガラス33の濡れ性が向上する結果、ガラス33がフランジ15の表面に強固に接合しやすくなり、気密性や接合強度が向上する。また、金属製のフランジ15の表面にクロムが多く存在することで、耐食性の向上を図ることができる。
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態のセラミックヒータ11では、カップ状のフランジ15の底面に対して機械的または物理的な加工を行うことで、フランジ15の第2面S2側における表層部の一部に結晶粒界破壊部43を形成した。これに限定されず、例えば、フランジ15の第2面S2側における表層部の全体に結晶粒界破壊部43を形成してもよい。
・上記実施形態では、結晶粒界破壊工程を実施した後に溶着工程を実施するという工程順を採用したが、結晶粒界破壊工程を実施する前に溶着工程を実施するという工程順を採用してもよい。
・上記実施形態では、結晶粒界破壊工程にてフランジ15の第2面S2側に対する機械的または物理的な加工によって、金属組織の結晶粒界を潰すようにしたが、例えば、エッチング処理等の化学的な加工を採用することができる。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)上記手段1において、前記フランジの前記第1面側は潰れた状態ではないこと。
(2)上記手段1または2において、前記フランジを構成する金属の熱膨張係数は、前記ヒータ本体を構成するセラミックの熱膨張係数及び前記ガラスの熱膨張係数よりも大きいこと。
(3)上記手段1または2において、前記フランジを構成する金属の熱膨張係数は、前記ガラスの熱膨張係数よりも大きく、前記ガラスの熱膨張係数は、前記ヒータ本体を構成するセラミックの熱膨張係数よりも大きいこと。
(4)上記手段1または2において、前記フランジは、前記ガラス及び前記ヒータ本体に圧縮残留応力を加えていること。
(5)上記手段2において、前記機械的または物理的な加工は、ブラスト加工であること。
(6)上記手段2において、前記機械的または物理的な加工は、バレル加工であること。
(7)上記手段2において、前記機械的または物理的な加工は、サンドペーパー加工であること。
(8)上記手段2において、前記機械的または物理的な加工は、研削加工であること。
11…セラミックヒータ
13…ヒータ本体
15…フランジ
16…凹状部分
27…穴部
33…ガラス
35…ガラス溜り部
S1…第1面
S2…第2面

Claims (8)

  1. セラミック製の筒状のヒータ本体と、前記ヒータ本体に外嵌されている金属製の環状のフランジとを備えたセラミックヒータにおいて、
    前記フランジは、第1面及び第2面を貫通している穴部を有するとともに、前記第1面側に凹状部分を有し、
    前記凹状部分には、ガラスが充填されたガラス溜り部を有するとともに、前記ガラス溜り部に配置された前記ガラスを介して、前記フランジ及び前記ヒータ本体が接合されており、
    前記フランジの前記第2面側において少なくとも前記穴部の周囲の表層部は、前記フランジの内層部に比べて、金属組織の結晶粒界が潰れた状態となっている
    ことを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 前記フランジは、クロム及び鉄を含む金属からなり、前記穴部の周囲の表層部を無作為に10μm四方にて10箇所分析した場合において、クロム含有量/鉄含有量の最大値と、クロム含有量/鉄含有量の最小値との差が50%以下であり、かつ前記鉄含有量が45%未満であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックヒータ。
  3. 前記フランジは、クロム及び鉄を含む金属からなり、前記穴部の周囲の表層部を無作為に5μm四方にて10箇所分析した場合において、クロム含有量/鉄含有量の最大値と、クロム含有量/鉄含有量の最小値との差が100%以下であり、かつ前記鉄含有量が55%未満であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックヒータ。
  4. 前記フランジは、ステンレスからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセラミックヒータ。
  5. 前記フランジは、板材が前記凹状部分を有するようにカップ形状に曲げられた状態に形成されたものであって、前記ガラスは、カップ内部の少なくとも一部を埋めた状態に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセラミックヒータ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のセラミックヒータを製造する方法であって、
    前記フランジの前記第2面側に対する機械的または物理的な加工によって、前記穴部の周囲の表層部における金属組織の結晶粒界を潰す工程と、
    前記ガラスの材料を溶着温度に加熱して溶融させた後に冷却することによって、前記ガラスを介して前記フランジと前記ヒータ本体とを溶着する工程と
    を含むことを特徴とするセラミックヒータの製造方法。
  7. 前記穴部の周囲の表層部における金属組織の結晶粒界を潰す工程を行った後、前記ガラスを介して前記フランジと前記ヒータ本体とを溶着する工程と行うことを特徴とする請求項6に記載のセラミックヒータの製造方法。
  8. 前記フランジは、クロムを含む金属からなり、前記ガラスを前記溶着温度に加熱することによって、前記穴部の周囲の表層部にクロムを析出させることを特徴とする請求項6または7に記載のセラミックヒータの製造方法。
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