JP2017069084A - セラミックヒータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラスを介して接合されたヒータ本体とフランジとの間の気密性及び接合強度に優れたセラミックヒータを提供する。
【解決手段】セラミックヒータ11は、セラミック製の筒状のヒータ本体13と、ヒータ本体13に外嵌される金属製の環状のフランジ15とを備える。フランジ15は、第1面及び第2面を貫通する穴部を有し、第1面側に凹状部分を有する。凹状部分には、ガラス33が充填されたガラス溜り部35を有する。ガラス溜り部35に配置されたガラス33を介して、フランジ15及びヒータ本体13が接合される。ヒータ本体13の外周面とフランジ15の穴部の内面との間には、ヒータ本体13の周方向に沿って不均一な寸法の隙間が形成される。隙間の最大寸法Ymaxが0.8mm以下である。隙間の最大隙間Ymaxと最小寸法Yminとの差が0.1mm以上である。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば温水洗浄便座、ファンヒータ、電気温水器、24時間風呂などに用いられるセラミックヒータに係り、特にはセラミック製の筒状のヒータ本体に、金属製の環状のフランジを外嵌させた構造のセラミックヒータに関するものである。
通常、温水洗浄便座には、樹脂製の容器(熱交換器)を有する熱交換ユニットが用いられている。この熱交換ユニットには、熱交換器内に収容された洗浄水を暖めるために、筒状のセラミックヒータが取り付けられている。
この種のセラミックヒータとしては、円筒状のセラミック製のヒータ本体に、平板からなる円環状のセラミック製のフランジを外嵌し、ガラスを介してヒータ本体とフランジとを接合したものが知られている。
また、近年では、ヒータ本体とフランジとの間の気密性や強度(接合強度)などを改善するために、円筒状のセラミック製のヒータ本体に、平板からなる円環状の金属製のフランジを外嵌し、ヒータ本体とフランジとをろう材によって接合したものが提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
特開平11−74063号公報 特開平9−283197号公報
しかしながら、上述したセラミック製ヒータ本体と金属製フランジとをガラスを介して溶着接合する場合、ヒータ本体とフランジとの隙間に対し、溶融したガラスが均一に行き渡らず、それが原因となって接合強度不足や水漏れが起こるという問題がある。即ち、セラミックと金属とではガラスに対する濡れ性が異なり、具体的には、金属製フランジよりもセラミック製ヒータ本体のほうがガラスに対する濡れ性が高い。よって、溶融したガラスはまずヒータ本体の外周面に濡れ拡がり、次いでフランジの穴部内面が濡れ始める。しかし、ヒータ本体の外周面とフランジの穴部内面との隙間の寸法が周方向にわたりほぼ均等である場合には、フランジ側への濡れ拡がりが遅れやすく、溶融したガラスが周方向全体に行き渡らないことがある。その結果、当該隙間がガラスによって完全には埋まらず、それが原因となって接合強度が不足したり、気密性の悪化により水漏れが起こったりするなどの問題があった。従って、上述の場合にはセラミックヒータに十分な性能を付与することが難しかった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガラスを介して接合されたヒータ本体とフランジとの間の気密性及び接合強度に優れたセラミックヒータを提供することにある。
そして上記課題を解決するための手段(手段1)としては、セラミック製の筒状のヒータ本体と、前記ヒータ本体に外嵌されている金属製の環状のフランジとを備えたセラミックヒータにおいて、前記フランジは、第1面及び第2面を貫通している穴部を有するとともに、前記第1面側に凹状部分を有し、前記凹状部分には、ガラスが充填されたガラス溜り部を有するとともに、前記ガラス溜り部に配置された前記ガラスを介して、前記フランジ及び前記ヒータ本体が接合されており、前記ヒータ本体の外周面と前記フランジの前記穴部の内面との間には、前記ヒータ本体の周方向に沿って不均一な寸法の隙間が形成されるとともに、前記隙間の最大寸法が0.8mm以下であり、かつ前記隙間の最大寸法と最小寸法との差が0.1mm以上であることを特徴とするセラミックヒータがある。
手段1に記載の発明によると、ヒータ本体の外周面とフランジの穴部の内面との間には、ヒータ本体の周方向に沿って不均一な寸法の隙間が形成され、その隙間には最大寸法となる箇所と最小寸法となる箇所が存在している。よって、隙間の最小寸法となる箇所、つまりヒータ本体の外周面とフランジの穴部の内面とが最も接近した箇所を起点として、溶融したガラスが濡れ拡がり始める。そして、溶融したガラスは、隙間の最小寸法となる箇所から隙間が最大寸法となる箇所へと徐々に回り込み、結果として隙間の周方向全体に十分に行き渡る。従って、当該隙間がガラスによって完全に埋められることから、ヒータ本体とフランジとの間の気密性及び接合強度に優れたセラミックヒータを提供することができる。
ここで、隙間の最大寸法と最小寸法との差が0.1mm未満であると、両者の寸法差が小さすぎて、隙間の最小寸法となる箇所が濡れ拡がりの起点となりにくく、溶融したガラスが周方向全体に行き渡らないおそれがある。また、隙間の最大寸法が0.8mm超であると、隙間の最大寸法となる箇所までガラスが回り込まず、溶融したガラスによってその箇所が埋められなくなるおそれがある。従って、上記のように、隙間の最大寸法を0.8mm以下とし、かつ隙間の最大寸法と最小寸法との差を0.1mm以上とすることが、気密性及び接合強度の向上を図るうえで必須となる。
なお、ヒータ本体が軸方向に沿って延びる溝部を外周面に有する場合、隙間において溝部を除く領域についての最大寸法が0.8mm以下であることが好ましい。
上記手段のセラミックヒータでは、ヒータ本体の周方向に沿って不均一な寸法の隙間を形成するために、例えば、フランジの中心軸をヒータ本体の中心軸に対して偏心した状態で配置するようにしてもよい。このときの偏心量としては特に限定されないが、例えば0.05mm以上が好適であり、さらには0.05mm〜0.5mmとすることがより好適である。あるいは、フランジの中心軸をヒータ本体の中心軸に対して傾斜した状態で配置するようにしてもよい。このときの傾斜角度としては特に限定されないが、例えば0.1°以上が好適であり、さらには0.1°〜3.0°とすることがより好適である。
そのほか、ヒータ本体の周方向に沿って不均一な寸法の隙間を形成するために、フランジの穴部の断面形状またはヒータ本体の外周面の断面形状を非円形状にしてもよい。具体的にいうと、例えばフランジの穴部の断面形状が円形状である場合、ヒータ本体の外周面の断面形状(ただし溝部を除く)を略楕円形状としてもよい。また、ヒータ本体の外周面の断面形状(ただし溝部を除く)が円形状である場合、フランジの穴部の断面形状を略楕円形状としてもよい。
上記手段のセラミックヒータでは、フランジの凹状部分のガラス溜り部には、ガラスが充填され、そのガラスを介してヒータ本体及びフランジが接合されている。ゆえに、この構成のセラミックヒータを製造する場合には、例えばガラス溜り部にガラスの材料を充填して、そのガラスを介してヒータ本体とフランジとを溶着接合すればよい。よって、従来のろう付けによる接合方法を行う場合に比べて、容易に製造可能なセラミックヒータとすることができる。
また、凹状部分を有する上記手段のフランジを用いた場合、例えば平板状のフランジの穴部の幅の狭い内周面のみで接合する場合に比べて、ガラス溜り部に配置されたガラスが、軸方向に沿って広い面積にわたりヒータ本体の外周面やフランジの穴部の内面に溶着する。それによって、ヒータ本体とフランジとの間に高い気密性や接合強度が付与される。
ここで「ガラス溜り部」とは、前記凹状部分のうち、ガラスを溜めることができる部分(ガラスが充填されて溜められている部分)のことを指す。
前記フランジは、金属製の環状のフランジであって、それを形成する金属材料としては、金属単体や合金が挙げられる。このような金属単体や合金の好適例としては、クロム及び鉄を含む金属であるSUS304、SUS430などのステンレスが挙げられる。ステンレスを用いる理由としては、ステンレスは耐熱性、耐食性、機械的強度に優れ、かつガラスに対する密着性が高いからである。そのほか、鉄、銅、クロム、ニッケル等といった金属単体や、クロム鋼、鉄−ニッケル、鉄−ニッケル−コバルト等といった合金なども、フランジを形成する金属材料として選択することができる。
ここで、フランジがクロムを含む金属からなる場合、フランジの表面のクロム含有量は、フランジの内部のクロム含有量より大きいことが好ましい。この場合、フランジの表面におけるガラスの濡れ性が向上することから、ガラスがフランジの表面に強固に接合しやすくなり、気密性や接合強度が向上する。また、金属製のフランジの表面にクロムが多く存在すると、耐食性の向上につながるという利点がある。なお、フランジの表面のクロムは、金属単体として存在していてもよいほか、酸化物として存在していてもよい。
フランジは、板材が凹状部分を有するようにカップ形状に曲げられた状態に形成されたものであることが好ましく、ガラスはガラス溜り部となるカップ内部の少なくとも一部を埋めた状態に形成されていることが好ましい。このような構造であれば、例えばプレス加工等により、板材からフランジを容易に製造することができる。
上記手段のセラミックヒータでは、フランジを構成する金属の熱膨張係数は、ヒータ本体を構成するセラミックの熱膨張係数及びガラスの熱膨張係数よりも大きいことが好ましい。従って、ガラスの溶着の際の温度(溶着温度)から例えば常温に温度が低下する際に、外側のフランジから内側のガラス及びヒータ本体に対して応力を加えることができる。この応力の作用により、気密性や接合強度を高めることができる。
ここで、フランジを形成する金属の熱膨張係数としては、特に限定されないが、例えば100×10−7/K〜200×10−7/Kの範囲内の値を採用することができる。また、ヒータ本体を構成するセラミックの熱膨張係数及びガラスの熱膨張係数としては、いずれも特に限定されないが、例えば50×10−7/K〜90×10−7/Kの範囲内の値を採用することができる。なお、ガラスの熱膨張係数はセラミックの熱膨張係数より大きいことが好ましく、この場合には気密性や接合強度をよりいっそう向上させることができる。
セラミックヒータでは、フランジはガラス及びヒータ本体に圧縮残留応力を加えた状態に接合されていることがよく、この場合には気密性や接合強度をよりいっそう向上させることができる。
上記手段のセラミックヒータにおいて、ヒータ本体を形成するセラミックとしては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化けい素、窒化ほう素、ジルコニア、チタニア、ムライトなどを好適例として挙げることができる。ヒータ本体は、例えば、タングステン、モリブデン、タンタル等などからなる発熱体(ヒータパターン層)を備えている。
上記手段のセラミックヒータに使用されるガラスとしては、特に限定されないが、例えば、B・SiO・Al系、SiO・NaO系、SiO・PbO系、SiO・Al・BaO系のガラス、または、それぞれの成分を組み替えた成分系のガラスなどが好適例として挙げられる。
ガラスが溜められるガラス溜り部の深さ(軸方向における深さ)としては、例えば1mm〜20mmの範囲で設定されることが好ましく、ガラスの深さとしては、例えば2mm以上に設定されることが好ましい。
(a)は本発明を具体化した実施形態におけるセラミックヒータの正面図、(b)は同セラミックヒータにおけるフランジ及びガラスの部分を軸方向に沿って切断したときの部分破断面図。 実施形態のセラミックヒータのガラス部分を透過して示す平面図。 実施形態のセラミックヒータのセラミック層のヒータパターン層側を展開して示す説明図。 (a)は実施形態のセラミックヒータのフランジを示す平面図、(b)は(a)のA−A断面図。 実施形態のセラミックヒータにおけるフランジ及びガラスの部分を軸方向に沿って切断したときの要部拡大破断面図。 (a)〜(f)は実施形態のセラミックヒータの製造方法を示す説明図。 別の実施形態のセラミックヒータのガラス部分を透過して示す平面図。 別の実施形態のセラミックヒータにおけるフランジ及びヒータ本体を軸方向に沿って切断したときの概略断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態のセラミックヒータ及びその製造方法を図1〜図6に基づいて説明する。
本実施形態のセラミックヒータ11は、例えば温水洗浄便座の熱交換ユニットの熱交換器において、洗浄水を暖めるために用いられるものである。
図1、図2に示されるように、このセラミックヒータ11は、円筒状をなすセラミック製のヒータ本体13と、ヒータ本体13に外嵌される金属製の円環状のフランジ15とを備えている。ヒータ本体13は、セラミック管17と、そのセラミック管17の外周のほぼ全体を覆うセラミック層19とにより構成されている。本実施形態では、セラミック管17の外径が10mmφ、内径が8mmφ、長さが65mmに設定され、セラミック層19の厚さが0.5mm、長さが60mmに設定されている。セラミック層19はセラミック管17の外周を完全には覆っていないため、ヒータ本体13の外周面14には、軸方向に沿って延びる例えば幅1mm×深さ0.5mmの溝部21が形成されている。
このヒータ本体13を構成しているセラミック管17及びセラミック層19は、例えばアルミナからなる。アルミナの熱膨張係数としては、50×10−7/K〜90×10−7/Kの範囲内であり、本実施形態のものでは70×10−7/K(30℃〜380℃)となっている。
図3に示されるように、セラミック層19の内周面(セラミック管17側の面)または内部には、蛇行したパターン形状のヒータパターン層22及び一対の内部端子23が形成されている。これらの内部端子23は、図示しないビア導体等を介して、セラミック層19の外周面の端部の外部端子25(図1参照)と電気的に接続されている。
図4に示されるように、フランジ15は、例えばステンレス等の金属からなる円環状の部材であり、板材の中央部分が第1面S1の側に曲げられて凹状(カップ形状)となったものである。より具体的にいうと、本実施形態のフランジ15は、例えば厚さ1mmの板材を曲げることで形成されたものである。板材の中央部には、内面である第1面S1及び外面である第2面S2を貫通する穴部27が形成されている。本実施形態では、凹状部分16の開口部側(即ち図4(b)の上側)の内径は、例えば16mmφに設定されている。一方、凹状部分16の底部側(即ち図4(b)の下側)の内径、つまり穴部27の内径は、例えば12mmφに設定されている。
また、フランジ15の全体の高さH1(図4(b)の上下方向)は例えば6mmであり、半径r(例えば1.5mm)にて湾曲した底部29と、底部29から上方に(軸方向と垂直に)延びる円筒状の側部31とから構成されている。なお、例えば、底部29の高さH2は1.5mmであり、側部31の高さH3は4.5mmである。また、半径rは、軸方向に沿った断面における半径を意味する。
ここで、フランジ15を形成する金属の熱膨張係数は、100×10−7/K〜200×10−7/Kの範囲内の値となる。例えば、フランジ15がSUS304(主成分がFe、Ni、Cr)製である場合には、その熱膨張係数は、178×10−7/K(30℃〜380℃)であり、SUS430(主成分がFe、Cr)製である場合には、その熱膨張係数は、110×10−7/K(30℃〜380℃)である。
本実施形態では、図5に示されるように、フランジ15の凹状部分16のうち、ヒータ本体13の外周面とフランジ15の内面である第1面S1とで囲まれた空間が、ガラス33が充填されるガラス溜り部35とされている。なお、図1及び図2では、ガラス33の部分にハッチングをかけて示している。
このガラス溜り部35の高さH4(図5の上下方向)は、例えば1mm〜20mmの範囲内にて設定され、本実施形態では5mmとされている。ガラス溜り部35の側部31における幅(即ち開口部の径方向の長さ)Xは、例えば1mm〜20mmの範囲内にて設定され、本実施形態では2mmとされている。
ガラス溜り部35には、ガラス33がガラス溜り部35の高さH4の1/3以上に充填されており、そのガラス33を介してヒータ本体13とフランジ15とが溶着接合されている。ガラス33の高さ(ヒータ本体13の軸方向に沿った寸法)H5は、例えば1mm〜19mmの範囲内にて設定されている。
ガラス33としては、例えばNaO・Al・B・SiO系のガラス、いわゆるAl・B・SiO系のガラス(ホウケイ酸ガラス)が用いられている。このガラス33の熱膨張係数は、例えば50×10−7/K〜90×10−7/K(30℃〜380℃)の範囲内の値となり、本実施形態では62×10−7/K(30℃〜380℃)となっている。
図4,図5に示されるように、凹状部分16の底部29側に位置する穴部27の内面28と、ヒータ本体13の外周面14との間には、寸法Yの隙間39が存在している。本実施形態においてこの隙間39は、ヒータ本体13の周方向に沿って不均一な寸法となっている。隙間39において溝部21を除く領域の最大寸法Ymaxは、0.8mm以下となるように設定されている。また、隙間39の最大寸法Ymaxと最小寸法Yminとの差は、0.1mm以上となるように設定されている。第1面S1側のガラス溜まり35に充填されたガラス33の一部は、この隙間39をヒータ本体13の外周面14に沿って軸方向に流出し、第2面S2の下端のさらに下方位置まで到っている。
次に、本実施形態のセラミックヒータ11を製造する方法を図6に基づいて説明する。
まず、図6(a)に示されるように、円筒状をなすアルミナ質のセラミック管17を仮焼成する。
また、図6(b)に示されるように、アルミナ質のセラミックシート51の表面または積層したシート内部に、タングステン等の高融点金属を印刷する。これにより、後にヒータパターン層22、内部端子23及び外部端子25となるパターン53を形成する。
次に、このセラミックシート51の片側面にセラミックペースト(アルミナペースト)を塗布し、図6(c)に示されるように、セラミックシート51をセラミック管17の外周面に巻き付けて接着してから一体焼成する。その後、外部端子25にニッケルめっきを施し、ヒータ本体13とする。
次に、ステンレスからなる板材を金型を用いてプレス成形して、カップ状のフランジ15を形成しておき、このフランジ15を、図6(d)に示されるように、ヒータ本体13の所定の取付位置に外嵌する。この状態でヒータ本体13及びフランジ15を図示しない治具で支持する。なお、ヒータ本体13の周方向に沿って不均一な寸法の隙間39を形成するために、ここではフランジ15の中心軸C1をヒータ本体13の中心軸C2に対して若干(例えば0.2mm〜0.3mm程度)偏心した状態で配置する(図4参照)。
また、ホウケイ酸ガラスからなる上記ガラス材料をリング状にプレス成形し、これを640℃で30分仮焼して、仮焼済みガラス材55を作製する。そして、図6(e)に示されるように、ヒータ本体13とフランジ15との間のガラス溜り部35に、リング状の仮焼済みガラス材55を配置する。
次に、この状態のものを焼成用の連続炉に投入して、ヒータ本体13とフランジ15とのガラス付けを行う。具体的には、連続炉内を還元雰囲気(例えば、N+5%H)にして溶着温度(1015℃)で所定時間加熱することで、仮焼済みガラス材55を溶融させる。その後、仮焼済みガラス材55を常温(例えば25℃)まで冷却して固化させることで、ガラス33を介してヒータ本体13とフランジ15とを溶着固定し、セラミックヒータ11を完成させる。
<実験例>
以下、本実施形態のセラミックヒータ11の性能を評価するために行った実験例について説明する。
ここでは、上記製造方法にてセラミックヒータ11を製造するにあたり、隙間39において溝部21を除く領域の最大寸法Ymaxが、0.4mm、0.6mm、0.8mm、1.0mmとなるようにした。また、隙間39の最大寸法Ymaxと最小寸法Yminとの差が、0.05mm、0.1mm、0.2mm、0.3mmとなるようにした。このように試験区を設定して、1試験区あたり10本のセラミックヒータ11を連続炉に投入し、ガラス付けを行った。そして、得られたセラミックヒータ11の製品サンプルについて気密性試験を行い、気密性不具合の有無(「気密性不具合発生数/投入数(各10本)」)を調査した。その結果を表1に示す。なお、気密性検査においては、従来周知のヘリウムリークディテクタを用い、1×10−8Pa・m/s以上のヘリウム漏れをもって「不具合」とした。
Figure 2017069084
表1に示されるように、隙間39において溝部21を除く領域の最大寸法Ymaxが0.8mm以下、かつ隙間39の最大寸法Ymaxと最小寸法Yminとの差が0.1mm以上の試験区(即ち実施例)では、気密性不具合は全く発生しなかった。これに対し、上記最大寸法Ymaxが1.0mmの試験区では、最大寸法Ymaxと最小寸法Yminとの差が0.05mm〜0.3mmの範囲のいずれにおいても、気密性不具合が発生した。また、最大寸法Ymaxと最小寸法Yminとの差が0.05mmの試験区では、最大寸法Ymaxが0.6mm〜1.0mmの範囲のいずれもおいても、気密性不具合が発生した。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態のセラミックヒータ11では、ヒータ本体13の外周面14とフランジ15の穴部27の内面28との間には、ヒータ本体13の周方向に沿って不均一な寸法の隙間39が形成されている。また、その隙間39には最大寸法Ymaxとなる箇所と最小寸法Yminとなる箇所が存在している。よって、隙間39の最小寸法Yminとなる箇所、つまりヒータ本体13の外周面14とフランジ15の穴部27の内面28とが最も接近した箇所を起点として、溶融したガラス33が濡れ拡がり始める。そして、溶融したガラス33は、隙間39の最小寸法Ymaxとなる箇所から隙間39が最大寸法Ymaxとなる箇所へと徐々に回り込み、結果として隙間39の周方向全体に十分に行き渡る。従って、当該隙間39がガラス33によって完全に埋められることから、ヒータ本体13とフランジ15との間の気密性及び接合強度に優れたセラミックヒータ11を提供することができる。
(2)本実施形態のセラミックヒータ11では、フランジ15の凹状部分16のガラス溜り部35にガラス33が充填され、そのガラス33を介してヒータ本体13及びフランジ15が接合されている。ゆえに、この構成のセラミックヒータ11を製造する場合には、ガラス溜り部35にガラス33の材料を充填して、そのガラス33を介してヒータ本体13とフランジ15とを溶着接合すればよい。よって、従来のろう付けによる接合方法を行う場合に比べて、セラミックヒータ11を容易に製造することができる。また、本実施形態のフランジ15はカップ形状に曲げられたものであり、ガラス33がガラス溜り部35となるカップ内部を埋めた構造となっている。従って、このような構造であれば、例えばプレス加工等により、板材からフランジ15を容易に製造することができる。
(3)本実施形態のセラミックヒータ11では、凹状部分16を有するフランジ15を用いている。このため、従来の平板状のフランジを接合する場合に比べて、ガラス溜り部35に配置されたガラス33が、軸方向に沿って広い面積にわたりヒータ本体13の外周面14やフランジ15の穴部27の内面28に溶着する。それによって、ヒータ本体13とフランジ15との間に高い気密性や接合強度が付与される。
(4)本実施形態のセラミックヒータ11では、フランジ15を構成する金属(ステンレス)の熱膨張係数は、ヒータ本体13を構成するセラミック(アルミナ)の熱膨張係数及びガラス33の熱膨張係数よりも大きくなっている。従って、ガラス33の溶着の際の温度から常温に温度が低下する際に、外側のフランジ15から内側のガラス33及びヒータ本体13に対して応力を加えることができる。この応力の作用により、気密性や接合強度を高めることができる。また、製造後においてもこのフランジ15は、ガラス33及びヒータ本体13に圧縮残留応力を加えているため、気密性や接合強度をよりいっそう向上させることができる。
(5)本実施形態のセラミックヒータ11では、フランジ15がクロム及び鉄を含むステンレスからなり、焼成工程を経ることでフランジ15の表面のクロム含有量が、フランジ15の内部のクロム含有量より大きくなっている。従って、フランジ15の表面におけるガラス33の濡れ性が向上する結果、ガラス33がフランジ15の表面に強固に接合しやすくなり、気密性や接合強度が向上する。また、金属製のフランジ15の表面にクロムが多く存在することで、耐食性の向上を図ることができる。
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態のセラミックヒータ11では、フランジ15の穴部27の断面形状及びヒータ本体13の外周面14の断面形状(ただし溝部21を除く)がともに円形状であったため、フランジ15の中心軸C2をヒータ本体13の中心軸C1に対して偏心した状態で配置した。これに対し、例えば図7に示す別の実施形態のセラミックヒータ11Aのように、ヒータ本体13の外周面14の断面形状(ただし溝部21を除く)を円形状とする一方、フランジ15Aの穴部27の断面形状を略楕円形状としてもよい。この場合においても、ヒータ本体13の周方向に沿って不均一な寸法の隙間39を形成することができる。なお、図示しないが、フランジ15の穴部27の断面形状が円形状である場合、ヒータ本体13の外周面14の断面形状(ただし溝部21を除く)を略楕円形状としてもよい。
・上記実施形態のセラミックヒータ11では、フランジ15の中心軸C2がヒータ本体13の中心軸C1に対して若干偏心した状態で配置したが、これに限定されない。例えば図8に示す別の実施形態のセラミックヒータ11Bのように、フランジ15の中心軸C2をヒータ本体13の中心軸C1に対して傾斜した状態で配置するようにしてもよい。この場合においても、ヒータ本体13の周方向に沿って不均一な寸法の隙間39を形成することができる。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)上記手段1において、前記フランジの中心軸は、前記ヒータ本体の中心軸に対して偏心した状態で配置されていること。
(2)上記手段1において、前記フランジの中心軸は、前記ヒータ本体の中心軸に対して0.05mm以上偏心した状態で配置されていること。
(3)上記手段1において、前記フランジの中心軸は、前記ヒータ本体の中心軸に対して傾斜した状態で配置されていること。
(4)上記手段1において、前記フランジの中心軸は、前記ヒータ本体の中心軸に対して0.1°以上傾斜した状態で配置されていること。
(5)上記手段1において、前記フランジの前記穴部または前記ヒータ本体の外周面は、略断面楕円形状であること。
(6)上記手段1において、前記フランジを構成する金属の熱膨張係数は、前記ヒータ本体を構成する金属の熱膨張係数及び前記ガラスの熱膨張係数よりも大きいこと。
11,11A…セラミックヒータ
13…ヒータ本体
14…ヒータ本体の外周面
15,15A…フランジ
16…凹状部分
27…穴部
28…穴部の内面
33…ガラス
35…ガラス溜り部
39…隙間
d1…フランジの径方向
S1…第1面
S2…第2面
Ymax…隙間の最大寸法
Ymin…隙間の最大寸法

Claims (5)

  1. セラミック製の筒状のヒータ本体と、前記ヒータ本体に外嵌されている金属製の環状のフランジとを備えたセラミックヒータにおいて、
    前記フランジは、第1面及び第2面を貫通している穴部を有するとともに、前記第1面側に凹状部分を有し、
    前記凹状部分には、ガラスが充填されたガラス溜り部を有するとともに、前記ガラス溜り部に配置された前記ガラスを介して、前記フランジ及び前記ヒータ本体が接合されており、
    前記ヒータ本体の外周面と前記フランジの前記穴部の内面との間には、前記ヒータ本体の周方向に沿って不均一な寸法の隙間が形成されるとともに、
    前記隙間の最大寸法が0.8mm以下であり、かつ前記隙間の最大寸法と最小寸法との差が0.1mm以上である
    ことを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 前記ヒータ本体は、軸方向に沿って延びる溝部を外周面に有するとともに、前記隙間において前記溝部を除く領域についての最大寸法が0.8mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックヒータ。
  3. 前記フランジは、クロムを含む金属からなることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックヒータ。
  4. 前記フランジは、ステンレスからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセラミックヒータ。
  5. 前記フランジは、板材が前記凹状部分を有するようにカップ形状に曲げられた状態に形成されたものであって、前記ガラスは、カップ内部の少なくとも一部を埋めた状態に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセラミックヒータ。
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