JP6502226B2 - セラミックヒータ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば温水洗浄便座、ファンヒータ、電気温水器、24時間風呂などに用いられるセラミックヒータに係り、特にはセラミック製の筒状のヒータ本体に、金属製の環状のフランジを外嵌させた構造のセラミックヒータに関するものである。
通常、温水洗浄便座には、樹脂製の容器(熱交換器)を有する熱交換ユニットが用いられている。この熱交換ユニットには、熱交換器内に収容された洗浄水を暖めるために、筒状のセラミックヒータが取り付けられている。
この種のセラミックヒータとしては、円筒状のセラミック製のヒータ本体に、平板からなる円環状のセラミック製のフランジを外嵌し、ガラスを介してヒータ本体とフランジとを接合したものが知られている。
また、近年では、ヒータ本体とフランジとの間の気密性や強度(接合強度)などを改善するために、円筒状のセラミック製のヒータ本体に、平板からなる円環状の金属製のフランジを外嵌し、ヒータ本体とフランジとをろう材によって接合したものが提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
特開平11−74063号公報 特開平9−283197号公報
しかしながら、上述したセラミック製ヒータ本体と金属製フランジとをガラスを介して溶着接合する場合には、3種の材料の熱膨張係数差に起因してガラスクラックが発生したり、クラック発生部位からガラスが脱落したりするという問題があった。
より具体的には、例えばフランジが平板状ではなく片側面にガラス溜り部ができるような形状の場合、フランジを構成する金属の熱膨張係数はガラスの熱膨張係数よりも大きいことから、全体的にはガラスに対して圧縮応力が作用する。その一方で、ガラスに対して局所的(例えばフランジの穴部の他面側開口部の近傍など)には引張応力も作用する。そして、流出したガラスがこのような箇所に存在すると、ガラスクラックが発生することがあった。その結果、ヒータ本体とフランジとの間の気密性及び接合強度が低下するおそれがあった。また、クラック発生部位のガラスは強度的に弱くなるため、脱落して異物の発生につながるおそれがあった。従って、上述の場合にはセラミックヒータに十分な性能を付与することが難しかった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガラスを介して接合されたヒータ本体とフランジとの間の気密性及び接合強度に優れたセラミックヒータを提供することにある。
そして上記課題を解決するための手段(手段1)としては、セラミック製の筒状のヒータ本体と、前記ヒータ本体に外嵌されている金属製の環状のフランジとを備えたセラミックヒータにおいて、前記フランジは、第1面及び第2面を貫通している穴部を有するとともに、前記第1面側に凹状部分を有し、前記凹状部分には、ガラスが充填されたガラス溜り部を有するとともに、前記ガラス溜り部に配置された前記ガラスを介して、前記フランジ及び前記ヒータ本体が接合されており、前記ガラスは、前記穴部を介して前記第2面側に流出しているとともに、前記ガラスの流出幅は、前記穴部の開口縁から前記フランジの径方向に向かって0.7mm以下となるように設定されていることを特徴とするセラミックヒータがある。
金属製フランジの凹状部分にガラスを配置して溶着接合すると、熱膨張係数差に起因して、全体的にはガラスに対して圧縮応力が作用する。その一方、フランジの穴部を介して第2面側開口部の近傍に流出するガラスには、テコの原理により、ガラスクラックの原因となる引張応力が作用する。その点、手段1に記載の発明によると、第2面側におけるガラスの流出幅が穴部の開口縁からフランジの径方向に向かって0.7mm以下となるように設定されているため、引張応力が集中する箇所にガラスが殆ど存在しなくなり、ガラスクラックが発生しにくくなる。よって、ヒータ本体とフランジとの間の気密性及び接合強度が向上することに加え、ガラスの脱落による異物の発生も防止することができる。
なお、ガラスの流出幅は、穴部の開口縁からフランジの径方向に向かって0.5mm以下となるように設定されていることが好適である。流出幅をこのように設定した場合、ガラスの溶着接合のための焼成時間が短くてもガラスクラックの発生を防止することができる。また、この場合には、ガラスの特性の使用範囲が広がり、ガラスの材料選択の余地が大きくなるため、さらに汎用性の高い設計とすることができる。
ガラスの流出幅を制御して所定値以下に抑えるための具体的手段としては、例えば、溶着時のガラス流動性を低減すること、フランジの第2面側における穴部の周縁にガラス流出防止層を形成すること、当該穴部の周縁にガラス流出防止加工を施すこと、当該穴部の周縁にガラス流出防止部材を配置した状態でガラスの溶着を行うこと、等がある。溶着時のガラス流動性の低減の例としては、ガラス成分の調整により溶着時のガラス粘度を高めるようにすることなどが挙げられる。ガラス流出防止層の例としては、溶融したガラスを弾くセラミック層などが挙げられる。ガラス流出防止加工の例としては、粗面加工などが挙げられる。
上記手段のセラミックヒータでは、フランジの凹状部分のガラス溜り部には、ガラスが充填され、そのガラスを介してヒータ本体及びフランジが接合されている。ゆえに、この構成のセラミックヒータを製造する場合には、例えばガラス溜り部にガラスの材料を充填して、そのガラスを介してヒータ本体とフランジとを溶着接合すればよい。よって、従来のろう付けによる接合方法を行う場合に比べて、容易に製造可能なセラミックヒータとすることができる。
また、凹状部分を有する上記手段のフランジを用いた場合、例えば平板状のフランジの穴部の幅の狭い内周面のみで接合する場合に比べて、ガラス溜り部に配置されたガラスが、軸方向に沿って広い面積にわたりヒータ本体の外周面やフランジの穴部の内面に溶着する。それによって、ヒータ本体とフランジとの間に高い気密性や接合強度が付与される。
ここで「ガラス溜り部」とは、前記凹状部分のうち、ガラスを溜めることができる部分(ガラスが充填されて溜められている部分)のことを指す。
前記フランジは、金属製の環状のフランジであって、それを形成する金属材料としては、金属単体や合金が挙げられる。このような金属単体や合金の好適例としては、クロム及び鉄を含む金属であるSUS304、SUS430などのステンレスが挙げられる。ステンレスを用いる理由としては、ステンレスは耐熱性、耐食性、機械的強度に優れ、かつガラスに対する密着性が高いからである。そのほか、鉄、銅、クロム、ニッケル等といった金属単体や、クロム鋼、鉄−ニッケル、鉄−ニッケル−コバルト等といった合金なども、フランジを形成する金属材料として選択することができる。
ここで、フランジがクロムを含む金属からなる場合、フランジの表面のクロム含有量は、フランジの内部のクロム含有量より大きいことが好ましい。この場合、フランジの表面におけるガラスの濡れ性が向上することから、ガラスがフランジの表面に強固に接合しやすくなり、気密性や接合強度が向上する。また、金属製のフランジの表面にクロムが多く存在すると、耐食性の向上につながるという利点がある。なお、フランジの表面のクロムは、金属単体として存在していてもよいほか、酸化物として存在していてもよい。
フランジは、板材が凹状部分を有するようにカップ形状に曲げられた状態に形成されたものであることが好ましく、ガラスはガラス溜り部となるカップ内部の少なくとも一部を埋めた状態に形成されていることが好ましい。このような構造であれば、例えばプレス加工等により、板材からフランジを容易に製造することができる。
上記手段のセラミックヒータでは、フランジを構成する金属の熱膨張係数は、ヒータ本体を構成するセラミックの熱膨張係数及びガラスの熱膨張係数よりも大きいことが好ましい。従って、ガラスの溶着の際の温度(溶着温度)から例えば常温に温度が低下する際に、外側のフランジから内側のガラス及びヒータ本体に対して応力を加えることができる。この応力の作用により、気密性や接合強度を高めることができる。
ここで、フランジを形成する金属の熱膨張係数としては、特に限定されないが、例えば100×10−7/K〜200×10−7/Kの範囲内の値を採用することができる。また、ヒータ本体を構成するセラミックの熱膨張係数及びガラスの熱膨張係数としては、いずれも特に限定されないが、例えば50×10−7/K〜90×10−7/Kの範囲内の値を採用することができる。なお、ガラスの熱膨張係数はセラミックの熱膨張係数より大きいことが好ましく、この場合には気密性や接合強度をよりいっそう向上させることができる。
セラミックヒータでは、フランジはガラス及びヒータ本体に圧縮残留応力を加えた状態に接合されていることがよく、この場合には気密性や接合強度をよりいっそう向上させることができる。
上記手段のセラミックヒータにおいて、ヒータ本体を形成するセラミックとしては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化けい素、窒化ほう素、ジルコニア、チタニア、ムライトなどを好適例として挙げることができる。ヒータ本体は、例えば、タングステン、モリブデン、タンタル等などからなる発熱体(ヒータパターン層)を備えている。
上記手段のセラミックヒータに使用されるガラスとしては、特に限定されないが、例えば、B・SiO・Al系、SiO・NaO系、SiO・PbO系、SiO・Al・BaO系のガラス、または、それぞれの成分を組み替えた成分系のガラスなどが好適例として挙げられる。
ガラスが溜められるガラス溜り部の深さ(軸方向における深さ)としては、例えば1mm〜20mmの範囲で設定されることが好ましく、ガラスの深さとしては、例えば2mm以上に設定されることが好ましい。
(a)は本発明を具体化した実施形態におけるセラミックヒータの正面図、(b)は同セラミックヒータにおけるフランジ及びガラスの部分を軸方向に沿って切断したときの部分破断面図。 実施形態のセラミックヒータのガラス部分を透過して示す平面図。 実施形態のセラミックヒータのセラミック層のヒータパターン層側を展開して示す説明図。 (a)は実施形態のセラミックヒータのフランジを示す平面図、(b)は(a)のA−A断面図。 実施形態のセラミックヒータにおけるフランジ及びガラスの部分を軸方向に沿って切断したときの要部拡大破断面図。 参考例のセラミックヒータにおけるフランジ及びガラスの部分を軸方向に沿って切断したときの要部拡大破断面図。 実施形態のセラミックヒータにおけるフランジ及びガラスの部分を軸方向に沿って切断したときの要部拡大破断面図。 (a)〜(f)は実施形態のセラミックヒータの製造方法を示す説明図。 別の実施形態のセラミックヒータにおけるフランジ及びガラスの部分を軸方向に沿って切断したときの要部拡大破断面図。 別の実施形態のセラミックヒータにおけるフランジ及びガラスの部分を軸方向に沿って切断したときの要部拡大破断面図。 別の実施形態のセラミックヒータにおけるフランジ及びガラスの部分を軸方向に沿って切断したときの要部拡大破断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態のセラミックヒータ及びその製造方法を図1〜図8に基づいて説明する。
本実施形態のセラミックヒータ11は、例えば温水洗浄便座の熱交換ユニットの熱交換器において、洗浄水を暖めるために用いられるものである。
図1、図2に示されるように、このセラミックヒータ11は、円筒状をなすセラミック製のヒータ本体13と、ヒータ本体13に外嵌される金属製の円環状のフランジ15とを備えている。ヒータ本体13は、セラミック管17と、そのセラミック管17の外周のほぼ全体を覆うセラミック層19とにより構成されている。本実施形態では、セラミック管17の外径が10mmφ、内径が8mmφ、長さが65mmに設定され、セラミック層19の厚さが0.5mm、長さが60mmに設定されている。セラミック層19はセラミック管17の外周を完全には覆っていないため、ヒータ本体13の外周面14には、軸方向に沿って延びる例えば幅1mm×深さ0.5mmの溝部21が形成されている。
このヒータ本体13を構成しているセラミック管17及びセラミック層19は、例えばアルミナからなる。アルミナの熱膨張係数としては、50×10−7/K〜90×10−7/Kの範囲内であり、本実施形態のものでは70×10−7/K(30℃〜380℃)となっている。
図3に示されるように、セラミック層19の内周面(セラミック管17側の面)または内部には、蛇行したパターン形状のヒータパターン層22及び一対の内部端子23が形成されている。これらの内部端子23は、図示しないビア導体等を介して、セラミック層19の外周面の端部の外部端子25(図1参照)と電気的に接続されている。
図4に示されるように、フランジ15は、例えばステンレス等の金属からなる円環状の部材であり、板材の中央部分が第1面S1の側に曲げられて凹状(カップ形状)となったものである。より具体的にいうと、本実施形態のフランジ15は、例えば厚さ1mmの板材を曲げることで形成されたものである。板材の中央部には、内面である第1面S1及び外面である第2面S2を貫通する穴部27が形成されている。本実施形態では、凹状部分16の開口部側(即ち図4(b)の上側)の内径は、例えば16mmφに設定されている。一方、凹状部分16の底部側(即ち図4(b)の下側)の内径、つまり穴部27の内径は、例えば12mmφに設定されている。
また、フランジ15の全体の高さH1(図4(b)の上下方向)は例えば6mmであり、半径r(例えば1.5mm)にて湾曲した底部29と、底部29から上方に(軸方向と垂直に)延びる円筒状の側部31とから構成されている。なお、例えば、底部29の高さH2は1.5mmであり、側部31の高さH3は4.5mmである。また、半径rは、軸方向に沿った断面における半径を意味する。
ここで、フランジ15を形成する金属の熱膨張係数は、100×10−7/K〜200×10−7/Kの範囲内の値となる。例えば、フランジ15がSUS304(主成分がFe、Ni、Cr)製である場合には、その熱膨張係数は、178×10−7/K(30℃〜380℃)であり、SUS430(主成分がFe、Cr)製である場合には、その熱膨張係数は、110×10−7/K(30℃〜380℃)である。
本実施形態では、図5に示されるように、フランジ15の凹状部分16のうち、ヒータ本体13の外周面とフランジ15の内面である第1面S1とで囲まれた空間が、ガラス33が充填されるガラス溜り部35とされている。なお、図1及び図2では、ガラス33の部分にハッチングをかけて示している。
このガラス溜り部35の高さH4(図5の上下方向)は、例えば1mm〜20mmの範囲内にて設定され、本実施形態では5mmとされている。ガラス溜り部35の側部31における幅(即ち開口部の径方向の長さ)Xは、例えば1mm〜20mmの範囲内にて設定され、本実施形態では2mmとされている。
ガラス溜り部35には、ガラス33がガラス溜り部35の高さH4の1/3以上に充填されており、そのガラス33を介してヒータ本体13とフランジ15とが溶着接合されている。ガラス33の高さ(ヒータ本体13の軸方向に沿った寸法)H5は、例えば1mm〜19mmの範囲内にて設定されている。
ガラス33としては、例えばNaO・Al・B・SiO系のガラス、いわゆるAl・B・SiO系のガラス(ホウケイ酸ガラス)が用いられている。このガラス33の熱膨張係数は、例えば50×10−7/K〜90×10−7/K(30℃〜380℃)の範囲内の値となり、本実施形態では62×10−7/K(30℃〜380℃)となっている。
図5をさらに拡大した図7に示されるように、凹状部分16の底部29側に位置する穴部27の内面28と、ヒータ本体13の外周面14との間には、例えば0.1mm〜1.0mm程度の隙間39が存在し、本実施形態ではその隙間39の寸法Yが0.3mm〜0.5mm程度に設定されている。第1面S1側のガラス溜まり35に充填されたガラス33の一部は、この隙間39をヒータ本体13の外周面14に沿って軸方向に流出し、第2面S2の下端のさらに下方位置まで到っている。
ここで、図7のフランジ15の場合、第2面S2側における穴部27の周縁を含むフランジ15の底部表面に、ガラス流出防止層43が形成されている。ガラス流出防止層43としては、溶融したガラス33を弾く層であることがよく、本実施形態において具体的には窒化ほう素やアルミナなどからなる薄いセラミック層が形成されている。そのため、本実施形態のセラミックヒータ11では、第2面S2側にこのようなガラス流出防止層43があることから、ガラス33が第2面S2側に沿って殆ど流出していない。即ち、上記セラミック層によりガラス33が弾かれることで径方向d1への流出がくい止められる結果、第2面S2側にガラス33が殆ど付着していない状態となっている。具体的にいうと、ガラス33の流出幅w1は、穴部27の開口縁40からフランジ15の径方向d1に向かって0.7mm以下(具体的にはw1=0mm)となっている。ここで、図5をさらに拡大した図6には、ガラス33の流出幅w1が穴部27の開口縁40からフランジ15の径方向d1に向かって0.7mmとなっているもの(参考例)を示す。この参考例ではガラス流出防止層43を設けていないため、ガラス33がフランジ15の径方向d1に向かっていくぶん流出している。
次に、本実施形態のセラミックヒータ11を製造する方法を図8に基づいて説明する。
まず、図8(a)に示されるように、円筒状をなすアルミナ質のセラミック管17を仮焼成する。
また、図8(b)に示されるように、アルミナ質のセラミックシート51の表面または積層したシート内部に、タングステン等の高融点金属を印刷する。これにより、後にヒータパターン層22、内部端子23及び外部端子25となるパターン53を形成する。
次に、このセラミックシート51の片側面にセラミックペースト(アルミナペースト)を塗布し、図8(c)に示されるように、セラミックシート51をセラミック管17の外周面に巻き付けて接着してから一体焼成する。その後、外部端子25にニッケルめっきを施し、ヒータ本体13とする。
次に、ステンレスからなる板材を金型を用いてプレス成形して、カップ状のフランジ15を形成した後、このフランジ15の底部表面に対してガラス流出防止層43を形成する(図7参照)。ここでは、第2面S2側における穴部27の周縁を含むフランジ15の底部表面に、ガラス流出防止層43の形成材料である窒化ほう素(BN)粉末を塗布し、60℃、30分の条件で乾燥、固化を行う。その結果、窒化ほう素からなる厚さ1μm〜100μm程度の極めて薄いガラス流出防止層43が得られる。なお、凹状部分16内に充填されたガラス33との密着性を確保するため、フランジ15の第1面S1側にはガラス流出防止層43を形成しないようにする。よって、窒化ほう素粉末はフランジ15の第2面S2側のみに塗布する。そして、このようにして準備したフランジ15を、図8(d)に示されるように、ヒータ本体13の所定の取付位置に外嵌する。この状態でヒータ本体13及びフランジ15を図示しない治具で支持する。
また、ホウケイ酸ガラスからなる上記ガラス材料をリング状にプレス成形し、これを640℃で30分仮焼して、仮焼済みガラス材55を作製する。そして、図8(e)に示されるように、ヒータ本体13とフランジ15との間のガラス溜り部35に、リング状の仮焼済みガラス材55を配置する。
次に、この状態のものを焼成用の連続炉に投入して、ヒータ本体13とフランジ15とのガラス付けを行う。具体的には、連続炉内を還元雰囲気(例えば、N+5%H)にして溶着温度(1015℃)で所定時間加熱することで、仮焼済みガラス材55を溶融させる。その後、仮焼済みガラス材55を常温(例えば25℃)まで冷却して固化させることで、ガラス33を介してヒータ本体13とフランジ15とを溶着固定し、セラミックヒータ11を完成させる。
<実験例>
以下、本実施形態のセラミックヒータ11の性能を評価するために行った実験例について説明する。
ここでは、ガラス付け時の焼成条件を変更するべく、連続炉内に投入した被焼成物の搬送速度を変えて、入炉から出炉までの時間(即ち焼成時間)が2時間、6時間、24時間となるようにした。また、上記のようなガラス流出防止層43をフランジ15にあらかじめ形成しておくことで、第2面S2側におけるガラス33の流出幅w1が、穴部27の開口縁40からフランジ15の径方向d1に向かって、0.3mm、0.5mm、0.7mm、0.9mm、1.1mmとなるようにした。このように試験区を設定して、1試験区あたり5本のセラミックヒータ11を連続炉に投入し、ガラス付けを行った。そして、出炉後のセラミックヒータ11について、第2面S2側に流出したガラス33におけるガラスクラックの発生状況(「クラック発生数/投入数(各5本)」)を目視調査した。その結果を表1に示す。ちなみに、入炉から出炉までの時間を短く設定した場合、長く設定した場合に比べて温度変化が急激になり、ガラス33に加わる熱衝撃が大きくなることから、ガラスクラックが発生しやすい焼成条件となる。
Figure 0006502226
表1に示されるように、6時間以上の焼成を行った場合、ガラス33の流出幅w1が0.7mm以下の試験区(即ち実施例)では、ガラスクラックが全く発生しなかった。これに対し、ガラス33の流出幅w1が0.9mm以上の試験区(即ち比較例)では、6時間の焼成を行った場合のみならず、24時間の長時間焼成を行った場合についても、ガラスクラックが発生した。また、2時間の短時間焼成を行った場合、ガラス33の流出幅w1が0.7mmの試験区ではガラスクラックが若干発生したが、0.5mm以下の試験区ではガラスクラックが全く発生しなかった。
以上のことから、フランジ15の第2面S2側におけるガラス33の流出幅w1を0.7mm以下とすることで、十分に量産に対応しうる6時間焼成でもガラスクラックが発生しないセラミックヒータ11が得られることがわかった。また、ガラス33の流出幅w1を0.5mm以下とした場合には、2時間の短時間焼成が可能となり、上記のセラミックヒータ11を効率よく製造できることがわかった。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態のセラミックヒータ11では、第2面S2側におけるガラス33の流出幅w1が穴部27の開口縁40からフランジ15の径方向d1に向かって0.7mm以下となるように設定されている。このため、引張応力が集中する箇所にガラス33が殆ど存在しなくなり、そこにガラスクラックが発生しにくくなる。よって、ヒータ本体13とフランジ15との間の気密性及び接合強度が向上することに加え、ガラス33の脱落による異物の発生も防止することができる。従って、本実施形態によれば、セラミックヒータ11に十分な性能を付与することができる。
(2)本実施形態において、ガラス33の流出幅w1が0.5mm以下となるように設定した場合には、ガラス33の溶着接合のための焼成時間が短くても、ガラスクラックの発生を防止することができる。よって、生産性の向上を図ることができる。また、この場合には、ガラス33の特性の使用範囲が広がり、ガラス33の材料選択の余地が大きくなるため、さらに汎用性の高い設計とすることができる。
(3)本実施形態のセラミックヒータ11では、フランジ15の凹状部分16のガラス溜り部35にガラス33が充填され、そのガラス33を介してヒータ本体13及びフランジ15が接合されている。ゆえに、この構成のセラミックヒータ11を製造する場合には、ガラス溜り部35にガラス33の材料を充填して、そのガラス33を介してヒータ本体13とフランジ15とを溶着接合すればよい。よって、従来のろう付けによる接合方法を行う場合に比べて、セラミックヒータ11を容易に製造することができる。また、本実施形態のフランジ15はカップ形状に曲げられたものであり、ガラス33がガラス溜り部35となるカップ内部を埋めた構造となっている。従って、このような構造であれば、例えばプレス加工等により、板材からフランジ15を容易に製造することができる。
(4)本実施形態のセラミックヒータ11では、凹状部分16を有するフランジ15を用いている。このため、従来の平板状のフランジを接合する場合に比べて、ガラス溜り部35に配置されたガラス33が、軸方向に沿って広い面積にわたりヒータ本体13の外周面14やフランジ15の穴部27の内面28に溶着する。それによって、ヒータ本体13とフランジ15との間に高い気密性や接合強度が付与される。
(5)本実施形態のセラミックヒータ11では、フランジ15を構成する金属(ステンレス)の熱膨張係数は、ヒータ本体13を構成するセラミック(アルミナ)の熱膨張係数及びガラス33の熱膨張係数よりも大きくなっている。従って、ガラス33の溶着の際の温度から常温に温度が低下する際に、外側のフランジ15から内側のガラス33及びヒータ本体13に対して応力を加えることができる。この応力の作用により、気密性や接合強度を高めることができる。また、製造後においてもこのフランジ15は、ガラス33及びヒータ本体13に圧縮残留応力を加えているため、気密性や接合強度をよりいっそう向上させることができる。
(6)本実施形態のセラミックヒータ11では、フランジ15がクロム及び鉄を含むステンレスからなり、焼成工程を経ることでフランジ15の表面のクロム含有量が、フランジ15の内部のクロム含有量より大きくなっている。従って、フランジ15の表面におけるガラス33の濡れ性が向上する結果、ガラス33がフランジ15の表面に強固に接合しやすくなり、気密性や接合強度が向上する。また、金属製のフランジ15の表面にクロムが多く存在することで、耐食性の向上を図ることができる。
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態のセラミックヒータ11では、フランジ15の第2面S2側における穴部27の周縁を含むフランジ15の底部表面に、ガラス流出防止層43を形成する一方、穴部27の内面28にはガラス流出防止層43を形成しなかった。これに対し、例えば図9に示す別の実施形態のセラミックヒータ11Aのように、ガラス流出防止層43を穴部27の内面28の一部または全部に対しても形成することができる。あるいは、例えば図10に示す別の実施形態のセラミックヒータ11Bのように、第2面S2側における穴部27の開口縁40からフランジ15の径方向d1に向かって、0.7mm〜1.5mmの領域にガラス流出防止層43を形成してもよい。つまり、穴部27の開口縁40にすぐ近くの領域に、必ずしもガラス流出防止層43は存在していなくてもよい。
・上記実施形態のセラミックヒータ11、11A、11Bでは、ガラス流出防止層43を形成したが、これに代えて、同様の位置にガラス流出防止加工を施してもよい。具体的には、サンドブラスト、バフ研磨、ラッピング等といった物理的処理により粗面を加工形成してもよく、あるいは粗化液等を用いた化学的処理により粗面を加工形成してもよい。このような粗面が存在していると、溶融したガラス33の濡れ性が低下し、流出がくい止められる。なお、粗面の表面粗さ(Ra)は限定されないが、例えば0.5μm〜3μm程度とすることが好ましい。
・上記実施形態に代えて、例えば、当該穴部27の周縁にガラス流出防止部材を配置した状態でガラス33の溶着を行うことで、ガラス33の流出をくい止めるようにしてもよい。具体的には、図11に示す別の実施形態のセラミックヒータ11Cのように、溶融したガラス33を弾きやすい材料(例えば窒化ほう素や窒化珪素等)からなる治具71を用いる。この治具71には、例えば穴部27に対応して同様の穴が設けられている。そして、この治具71を当該穴部27の周縁にて当接させて配置し、この状態でガラス33の溶着を行うようにする。その結果、溶融したガラス33が治具71の表面にて弾かれることで、流出がくい止められる。
・上記実施形態では、ガラス流出防止層43の形成やガラス流出防止加工による粗面の形成を、フランジ15をカップ状にプレス成形した後に行っていたが、これをプレス成形の前に(即ち板材がまだ平坦な状態で)行っても勿論よい。なお、平坦な板材にはプレス成形の前にあらかじめ穴部27を加工形成する必要があるが、上記のガラス流出防止層43の形成等は、穴開け加工の前後を問わず行うことが可能である。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)上記手段1において、前記フランジの前記第2面側における前記穴部の周縁に、ガラス流出防止層が形成されていること。
(2)上記思想(1)において、前記ガラス流出防止層は、溶融した前記ガラスを弾く層であること。
(3)上記思想(1)において、前記ガラス流出防止層は、溶融した前記ガラスを弾くセラミック層であること。
(4)上記手段1において、前記フランジの前記第2面側における前記穴部の周縁に、ガラス流出防止加工部が形成されていること。
(5)上記思想(4)において、前記ガラス流出防止加工部は、粗面加工された部分であること。
(6)上記手段1において、前記フランジを構成する金属の熱膨張係数は、前記ガラスの熱膨張係数よりも大きく、前記ガラスの熱膨張係数は、前記ヒータ本体を構成するセラミックの熱膨張係数よりも大きいこと。
(7)上記手段1において、前記ガラスの流出幅は、前記穴部の開口縁から前記フランジの径方向に向かって0.5mm以下となるように設定されていること。
11,11A,11B,11C…セラミックヒータ
13…ヒータ本体
15…フランジ
16…凹状部分
27…穴部
33…ガラス
35…ガラス溜り部
40…穴部の開口縁
d1…フランジの径方向
w1…ガラスの流出幅
S1…第1面
S2…第2面

Claims (6)

  1. セラミック製の筒状のヒータ本体と、前記ヒータ本体に外嵌されている金属製の環状のフランジとを備えたセラミックヒータにおいて、
    前記フランジは、第1面及び第2面を貫通している穴部を有するとともに、前記第1面側に凹状部分を有し、
    前記凹状部分には、ガラスが充填されたガラス溜り部を有するとともに、前記ガラス溜り部に配置された前記ガラスを介して、前記フランジ及び前記ヒータ本体が接合されており、
    前記ガラスは、前記穴部を介して前記第2面側に流出しているとともに、前記ガラスの流出幅は、前記穴部の開口縁から前記フランジの径方向に向かって0.7mm以下となるように設定されている
    ことを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 前記フランジは、板材が前記凹状部分を有するようにカップ形状に曲げられた状態に形成されたものであって、前記ガラスは、カップ内部の少なくとも一部を埋めた状態に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のセラミックヒータ。
  3. 前記フランジを構成する金属の熱膨張係数は、前記ヒータ本体を構成するセラミックの熱膨張係数及び前記ガラスの熱膨張係数よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックヒータ。
  4. 前記フランジは、前記ガラス及び前記ヒータ本体に圧縮残留応力を加えた状態に接合されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセラミックヒータ。
  5. 前記フランジは、クロム及び鉄を含む金属からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセラミックヒータ。
  6. 前記フランジは、ステンレスからなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のセラミックヒータ。
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