JP2639913B2 - シーズヒータユニツト - Google Patents

シーズヒータユニツト

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JP2639913B2
JP2639913B2 JP16280086A JP16280086A JP2639913B2 JP 2639913 B2 JP2639913 B2 JP 2639913B2 JP 16280086 A JP16280086 A JP 16280086A JP 16280086 A JP16280086 A JP 16280086A JP 2639913 B2 JP2639913 B2 JP 2639913B2
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metal pipe
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sus329j1
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佳則 中山
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は温水タンク等の加熱に用いるシーズヒータユ
ニットに関する。
(ロ) 従来の技術 この種のシーズヒータユニットとしては特公昭61−22
64号公報に示されている構成がある。これは金属パイプ
の中央部にヒータ線を配置して成るシーズヒータの両端
部をフランジ金具の孔に嵌挿したものである。そしてか
かるシーズヒータユニットは一般に、金属パイプにはSU
S316L、フランジ金具にはSUS304を夫々用いて、両者を
タングステンイナートガス溶接(以下、TIG溶接とい
う)により接合している。
(ハ) 発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記した従来のシーズヒータの欠点は、
引張応力と腐食作用の両因子の協同で起こる割れ状の腐
食即ち応力腐食割れが発生することである。ここで引張
応力としては金属パイプの折曲げ或いは溶接による残留
応力があり、また腐食作用としては加熱すべき水に含ま
れている塩化物が原因となっている。
したがって本発明は応力腐食割れに強いシーズヒータ
ユニットを提供するものである。
(ニ) 問題点を解決するための手段 実施例に基いて説明すると、金属パイプ(2)にはイ
ンコロイ800を使用し、フランジ(3)にはSUS304を使
用する。そしてフランジ(3)の孔(4)に金属パイプ
(2)を嵌挿し、SUS329J1の溶接棒を用いて溶接して成
る。
(ホ) 作用 インコロイ800は、Feと比べて腐食電位の貴な元素で
あるNiの含有量が多いために、金属パイプ(2)の応力
腐食割れに対する抵抗が増す。また金属パイプ(2)と
フランジ(3)の溶接にSUS329J1の溶接棒を用いると、
溶接棒を用いないTIG溶接に比べて溶接部の近傍の応力
腐食割れに対する抵抗が大きくなる。
(ヘ) 実施例 第1図はシーズヒータユニットの構成を示しており、
金属パイプ(2)にヒータ線(1)を挿入し、エポキシ
樹脂にて封口するとともに、金属パイプ(2)を折曲し
て両端をフランジ(3)の孔(4)を介挿している。こ
のようなシーズヒータユニットは温水タンクに挿入され
てフランジ(3)で固定されるもので、フランジ(3)
には更に給水用パイプ(5)を設けている。そして金属
パイプ(2)にはインコロイ800を用いるが、第2図の
鋼種毎のFe以外の含有成分表から明らかなように、イン
コロイ800はSUS304等のようなオーステナイト系ステン
レス鋼と比べてNiの含有量が多いために、応力腐食割れ
の抵抗性が数倍高くなる。この理由は、NiはFeより腐食
電位が貴な元素で耐食性に優れているからである。
次にフランジ(3)の孔(4)に嵌挿した金属パイプ
(2)をSUS329J1の溶接棒を用いて溶接するが、かかる
溶接棒を用いないTIG溶接に比べて溶接部の近傍の応力
腐食割れ抵抗性が高くなる。この理由として、(a)SU
S329J1はフェライト相主体の結晶構造を有するために負
荷による粗大すべりを起こしにくいこと、(b)フェラ
イト相はオーステナイト相に比較してCrの量が高くNiの
量が少ないため、これがアノードになってオーステナイ
ト相を防食すること、(c)Niの含有量が8%以下では
Niが少ないほど応力腐食割れの抵抗性を増す傾向がある
のでオーステナイト相よりもNi量の少ないフェライト相
において割れ速度が低下することなどがあげられる。SU
S329J1の代表的な組成は第2図の通りであるが、一部の
化学成分がこの範囲外となる場合もある。また図示した
化学成分に加えて、或いは一部の化学成分に換えて、Cu
等の化学成分を含有するSUS329J1の存在についても知ら
れている。
第3図はSUS316Lによる材料A、インコロイ800とSUS3
04とをSUS329J1の溶接棒にてTIG溶接した材料B、及び
インコロイ800とSUS304とを溶接棒を用いないでTIG溶接
した材料Cを、それぞれ42%MgCl2(142±1℃)溶液中
に放置したときの応力腐食割れ発生時間を示す実験結果
である。同図において、材料Bは1000分が経過しても応
力腐食割れを発生していない。第4図はこの実験に供し
た材料Cのミクロ組織を示しており、写真で示す応力腐
食割れは10分ぐらいで認められた。また、第5図はこの
実験に供した材料Bのミクロ組織を示しており、溶接棒
に使用したSUS329J1のオーステナイト相及びフェライト
相の2相組織が認められる。そして材料Bには応力腐食
割れは発生しておらず、SUS329J1は耐応力腐食割れ性に
富んでいることが分かる。
このようにSUS304のフランジ(3)にインコロイ800
を使用する金属パイプ(2)を嵌挿し、フランジ(3)
と金属パイプ(2)とをSUS329J1を溶接棒として溶接し
て成る本発明のヒータユニットは、応力腐食割れに対し
て強い抵抗性を有している。ところでSUS329J1は耐応力
腐食割れ性に優れた鋼材であることが確かめられたので
あるから、フランジ(3)及び金属パイプ(2)にSUS3
29J1を使用することも考えられるが、SUS329J1は高価で
あるためにこのようなヒータユニットでは採算がとれな
い。一方、温水タンクを食品機器に使用した場合におい
ては、温水を飲食に使用するために耐食性に優れた材料
が望まれており、その点フランジ(3)にはSUS304を使
用するのが好ましい。しかもSUS304は比較的安価な鋼材
である。そして応力腐食割れが発生する金属パイプ
(2)には、SUS329J1より安価であるインコロイ800を
使用することで、この割れに対する抵抗性を上げてい
る。このインコロイ800は耐熱性にも優れヒータパイプ
としても最適である。またインコロイ800の金属パイプ
(2)とSUS304のフランジ(3)との溶接部は通常のTI
G溶接であると、応力腐食割れが発生しやすいのは上記
実験の通りである。しかしながらSUS329J1を溶接棒とし
て溶接することで、溶接部の応力腐食割れに対する抵抗
性も大きくなる。
(ト) 発明の効果 本発明によれば、金属パイプ部及び金属パイプとフラ
ンジとの接合部において、耐応力腐食割れに優れたヒー
タユニットが提供される。そして接合部にのみSUS329J1
を使用して溶接するために安価であり、しかもフランジ
にSUS304を使用して、且つ金属パイプにはインコロイ80
0を使用したことで耐孔食性及びヒータとしての性能も
優れる。
【図面の簡単な説明】
第1図はシーズヒータユニットの一例を示す図、第2図
はSUS304・SUS329J1・インコロイ800におけるFe以外の
含有成分を示す図、第3図はSUS316Lによる材料A、イ
ンコロイ800とSUS304とをSUS329J1の溶接棒にてTIG溶接
した材料B、及びインコロイ800とSUS304とを溶接棒を
用いないでTIG溶接した材料Cをそれぞれ42%MgCl2(14
2±1℃)溶液中に放置したときの応力腐食割れ発生時
間を示す図、第4図は応力腐食割れが発生したインコロ
イ800とSUS304とを溶接棒を用いないでTIG溶接して成る
金属材料の組織を800倍に拡大して示す写真、第5図は
インコロイ800とSUS304とをSUS329J1ほ溶接棒にてTIG溶
接して成る金属材料の組織を800倍に拡大して示す写真
である。 (1)……ヒータ線、(2)……金属パイプ、(3)…
…フランジ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒータ線を挿入する金属パイプを折曲して
    両端をフランジに介挿して成るシーズヒータユニットに
    おいて、前記金属パイプにインコロイ800を使用し、前
    記フランジにはSUS304を使用し、SUS329J1を溶接棒とし
    て前記金属パイプ及び前記フランジを溶接することを特
    徴としたシーズヒータユニット。
JP16280086A 1986-07-10 1986-07-10 シーズヒータユニツト Expired - Fee Related JP2639913B2 (ja)

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