JP6052137B2 - 円筒形スパッタリングターゲット用ターゲット材、ならびに、円筒形スパッタリングターゲットおよびその製造方法 - Google Patents

円筒形スパッタリングターゲット用ターゲット材、ならびに、円筒形スパッタリングターゲットおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6052137B2
JP6052137B2 JP2013226884A JP2013226884A JP6052137B2 JP 6052137 B2 JP6052137 B2 JP 6052137B2 JP 2013226884 A JP2013226884 A JP 2013226884A JP 2013226884 A JP2013226884 A JP 2013226884A JP 6052137 B2 JP6052137 B2 JP 6052137B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target material
target
bonding
cylindrical
backing tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013226884A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015086447A (ja
Inventor
茂 五十嵐
茂 五十嵐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2013226884A priority Critical patent/JP6052137B2/ja
Publication of JP2015086447A publication Critical patent/JP2015086447A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6052137B2 publication Critical patent/JP6052137B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、マグネトロン型回転カソードスパッタリング装置によるスパッタリングに使用される円筒形スパッタリングターゲットおよびその製造方法、並びに、この円筒スパッタリングターゲットに使用される円筒形セラミックス焼結体からなるターゲット材に関する。
従来、スパッタリングターゲットとしては、平板状のターゲット材をバッキングプレートに接合した平板形スパッタリングターゲットが一般的に利用されているが、この平板形スパッタリングターゲットを使用して、マグネトロンスパッタリング法によりスパッタリングを行った場合、その使用効率は20%〜30%にとどまっている。これは、マグネトロンスパッタリング法では、磁場によってプラズマをターゲット材の特定箇所に集中して衝突させるため、ターゲット材表面の特定箇所にエロージョンが進行する現象が起こり、その最深部がバッキングプレートまで達したところで、ターゲット材の寿命となってしまうためである。
この問題に対して、スパッタリングターゲットを円筒形とすることで、ターゲット材の使用効率を上げることが提案されている。このスパッタリング法は、円筒形のバッキングチューブとその外周部に形成された円筒形のターゲット材からなる円筒形スパッタリングターゲットを用い、バッキングチューブの内側に磁場発生設備と冷却設備を設置して、円筒形スパッタリングターゲットを回転させながら、スパッタリングを行うものである。このような円筒形スパッタリングターゲットの使用により、ターゲット材の使用効率を60%〜70%にまで高めることができるとされている。
このような円筒形のターゲット材の材料としては、円筒形状への加工が容易で機械的強度の高い金属材料が広く使用されているものの、セラミックス材料については、機械的強度が低く、脆いという特性から、いまだ普及するに至っていない。
現在、円筒形セラミックス焼結体からなるターゲット材を用いた円筒形スパッタリングターゲットの製造手段は、円筒形のバッキングチューブの外周にセラミックス粉末を溶射して付着させる溶射や、円筒形のバッキングチューブの外周にセラミックス粉末を充填し、高温高圧の不活性雰囲気下でセラミックス粉末を焼成する、熱間静水圧プレス(HIP)などに限られている。しかしながら、溶射には、高密度のターゲット材が得られにくいという問題がある。一方、HIPには、高密度のターゲット材が得られるものの、ターゲット材とバッキングチューブの線膨張率の差が大きいため、これらを接合した後の冷却過程において、ターゲット材が剥離し、軸方向または周方向の位置ずれが生じるという問題がある。このような位置ずれを防止する手段として、特開平7−173622号公報には、バーキングチューブとターゲット材との境界部に、凹部または凸部からなる位置ずれ防止部を設ける方法が開示されている。しかしながら、この方法では、軸方向の位置ずれを防止することはできても、周方向の位置ずれを防止することはできない。また、HIPは、本来的にイニシャルコストが高く、また、ターゲット材およびバッキングチューブを再利用することができないため、ランニングコストを抑えることも難しく、現実的に工業規模の生産に適用することはきわめて困難である。
このような事情から、冷間静水圧プレス(CIP)により円筒形セラミックス成形体を成形し、これを焼成することで円筒形セラミックス焼結体を得て、これをバッキングチューブとボンディング(接合)することにより、円筒形スパッタリングターゲットを形成する技術の確立が要望されている。
円筒形スパッタリングターゲットでは、通常、オーステナイト系ステンレス、銅、チタンなどの金属製のバッキングチューブが使用される。このため、ターゲット材とバッキングチューブとを組み合わせた状態で加熱し、これらの間隙に、溶融させた低融点半田などの接合材を流し込み、接合層を形成することにより、ターゲット材をバッキングチューブに接合固定することが必要となる。
しかしながら、本来的に、セラミックスと金属との接合性は低いため、溶融した接合材をターゲット材に接触させた状態で冷却固化し、接合層を形成するだけでは、ターゲット材と接合層との接合強度を十分なものとすることができない。また、接合材のセラミックスへの濡れ性が低いことに加えて、ターゲット材とバッキングチューブを組み合わせた状態では、これらの間の間隙は1mm程度と狭く、接合材を流し込む際に空気が取り込まれて巣(す)が発生したり、あるいは、十分な量の接合材を流し込むことができず、ひけ(凹み)が発生したりするため、均一な接合層を得ることは困難である。さらに、HIPの場合と同様に、ターゲット材とバッキングチューブの線膨張率の差が大きいことに起因して、冷却過程におけるバッキングチューブの収縮量がターゲット材の収縮量よりもはるかに大きくなるため、ターゲット材がバッキングチューブから剥離し、ターゲット材が軸方向または周方向に位置ずれしてしまう、著しい場合には、ターゲット材がバッキングチューブから脱落してしまうといった問題がある。
セラミックス焼結体からなるターゲット材と接合材との接合強度を改善する方法として、たとえば、特開2002−30431号公報および特開2009−242915号公報には、平板状のターゲット材の接合面をブラスト加工することにより粗面化し、接合材を介して、バッキングプレートに接合する方法が開示されている。この方法では、ターゲット材の接合面に作用するアンカー効果により、ターゲット材の接合強度を向上させることができると考えられる。しかしながら、この技術は平板形スパッタリングターゲットには適用可能であるが、円筒形スパッタリングターゲットの場合には、セラミックス製のターゲット材と金属製のバッキングチューブとの間における冷却収縮量の差が大きすぎるため、接合面を粗面化し、接合材を介して接合させるのみでは、バッキングチューブとともに収縮した接合層からのターゲット材の剥離を十分に防止することができない。
このため、円筒形スパッタリングターゲットでは、ターゲット材の接合面に、めっき処理などによりニッケルや銅からなる下地層を形成したり、超音波はんだごてを用いて、接合材を接合面になじませる濡らし作業を行ったりといった前処理が必須とされており、その生産コストを十分に低減することが困難となっている。さらに、円筒形スパッタリングターゲットでは、その接合面がターゲット材の内周面となるため、めっき処理や濡らし作業に相当の手間と時間がかかり、その生産コストの低減化が一層困難なものとなっている。
一方、接合層の巣やひけを防止する方法としては、特開2010−18883号公報に、円筒形のターゲット材とバッキングチューブとにより形成されたキャビティ(間隙)に、溶融状態にある接合材を充填し、軸方向の一端から他端に向かって順次冷却を行うとともに、さらに接合材を供給する方法が開示されている。また、特開2010−150610号公報には、円筒形のターゲット材の少なくとも一方の端面の内周面の少なくとも一部を、端面から円筒形のターゲット材の内側に向かって、テーパ状および/または段状とし、この端面から接合材を供給する方法が開示されている。これらの方法では、巣やひけの発生が防止され、均一な接合層が得られるとされており、ターゲット材と接合層との接触面積のロスの低減が図られ、ある程度の接合強度の改善は期待される。しかしながら、ターゲット材と接合層との接合形態自体は従来と変わらないため、ターゲット材の接合強度を十分に向上させ、ターゲット材の剥離を防止するための前処理が不要となるわけではない。
特開平7−173622号公報 特開2002−030431号公報 特開2009−242915号公報 特開2010−150610号公報
本発明は、円筒形スパッタリングターゲットの形成に際して、その冷却後においても、接合層から剥離することのないターゲット材、および、このターゲット材を用いた円筒形スパッタリングターゲットを提供することを目的とする。また、本発明は、このような円筒形スパッタリングターゲットを、金属層の形成や濡らし作業などの前処理を行わずとも、容易に量産可能な製造方法を提供することを目的とする。
本発明の円筒形スパッタリングターゲット用ターゲット材は、内周面と、該内周面から径方向中心に向かって突出し、軸方向の両側に1対の段差面を有する少なくとも1つの段差部とを備えた、円筒形スパッタリングターゲット用の円筒形のターゲット材であって、前記段差部の高さは、0.5mm以上、かつ、前記ターゲット材の内周面と、該ターゲット材が外嵌かつ接合されるバッキングチューブの外周面との間のクリアランスの95%以下であり、前記段差部の内周面の軸方向の長さは、軸方向の同一直線上にある該段差部全体で、前記ターゲット材の全長の5%〜95%であり、かつ、前記段差部の周方向の長さは、同一円周上にある段差部全体で、前記ターゲット材の内周の長さの10%〜100%であることを特徴とする。
前記1対の段差面のそれぞれは、軸方向に勾配する傾斜面により構成され、かつ、互いに異なった向きに傾斜していてもよい。
前記段差部は、前記ターゲット材の周方向に複数配置されていることが好ましい。
前記段差部は、前記ターゲット材の軸方向の両端に備えられていてもよく、また、軸方向の両端以外に備えられていてもよい。
本発明の円筒形スパッタリングターゲットは、少なくとも1つの前記ターゲット材と、該ターゲット材の中空部に同軸に配置された、前記円筒形のバッキングチューブと、該ターゲット材と該バッキングチューブとの間隙に形成される接合層とからなることを特徴とする。
前記円筒形スパッタリングターゲットは、前記バッキングチューブの軸方向にわたり、前記ターゲット材が複数連結されていてもよい。
前記ターゲット材が、単一のターゲット材によって構成されている場合には、前記段差部は、該ターゲット材の非エロ―ジョン部のみに備えられていることが好ましい。
前記接合層の接合率は90%以上であって、かつ、接合強度は1.0MPa以上であることが好ましい。
本発明の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法は、円筒形セラミックス焼結体の内周面を研削加工することで、該円筒形セラミックス焼結体の内周面に、該内周面から径方向中心に向かって突出し、軸方向の両側に段差面を有する少なくとも1つの段差部を形成し、円筒形スパッタリングターゲット用ターゲット材を得る研削工程と、前記ターゲット材の中空部にバッキングチューブを同軸に配置し、該ターゲット材とバッキングチューブとの間の間隙の両端開口部のうち一端側を封止した後、該ターゲット材とバッキングチューブを、これらの間の間隙に流し込まれる接合材の融点以上に加熱し、該ターゲット材とバッキングチューブとの間の間隙の両端開口部のうち、封止されていない他端側であって、前記段差部が存在しない位置から溶融状態にある接合材を流し込み、冷却固化する接合工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、セラミックス製で円筒形のターゲット材と金属製で円筒形のバッキングチューブとが接合層を介して接合された円筒形スパッタリングターゲットにおいて、冷却後においても、接合層から剥離することのないターゲット材が提供される。さらに、本発明によれば、このようなターゲット材を用いることにより、円筒形スパッタリングターゲットを、金属層の形成や濡らし作業などの前処理を行わずとも、容易に量産することが可能となるため、本発明の工業的意義はきわめて大きい。
図1は、本発明の円筒形スパッタリングターゲットの実施形態の第1例を示す、(a)側面断面図と、(b)正面図、および、(c)A部分の拡大図である。 図2は、本発明の円筒形スパッタリングターゲットの実施形態の第2例を示す、側面断面図である。 図3は、本発明の円筒形スパッタリングターゲットの実施形態の第3例を示す、側面断面図である。 図4は、本発明の円筒形スパッタリングの実施形態の第4例を示す側面断面図である。
本発明者らは、上述した問題に鑑み、円筒形スパッタリングターゲットを構成する円筒形のターゲット材(以下、「ターゲット材」という)の内周面に金属層を形成したり、濡らし作業をしたりすることなく、ターゲット材を円筒形のバッキングチューブに接合させる接合層から冷却後においても剥離させることなく、ターゲット材とバッキングチューブとを高い接合強度をもって接合させる手段について、鋭意研究を重ねた。
その結果、ターゲット材の内周面に、この内周面から径方向中心に向かって突出し、軸方向の両側に1対の段差面を有する少なくとも1つの段差部を形成し、かつ、この段差部の高さ、軸方向の長さおよび周方向の長さを所定範囲に制御することにより、上記問題のすべてを解決することができるとの知見を得た。本発明は、この知見に基づき完成されたものである。
以下、本発明を、「1.円筒形スパッタリングターゲット」と、「2.円筒形スパッタリングターゲットの製造方法」に分けて、それぞれについて詳細に説明する。なお、本発明のターゲット材は、その大きさによって限定されることはないが、以下では、外径が100mm〜200mm、内径が80mm〜180mm、全長が50mm〜200mmの円筒形セラミックス焼結体を用いて、本発明のターゲット材および円筒形スパッタリングターゲットを製造する場合を例に挙げて説明する。
1.円筒形スパッタリングターゲット
本発明の円筒形スパッタリングターゲットは、従来技術と同様に、ターゲット材と、ターゲット材の中空部に同軸に配置される円筒形バッキングチューブと、ターゲット材とバッキングチューブとの間隙に形成される接合層とから構成される。
(1)ターゲット材
(1−a)材質
本発明のターゲット材として使用することができる円筒形セラミックス焼結体は、特に限定されることはない。たとえば、インジウム(In)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)タンタル(Ta)またはチタン(Ti)の少なくとも1種を主成分とする酸化物などから構成される円筒形セラミックス焼結体を使用することができる。
なお、本発明は、ターゲット材の内周面の段差部と接合層とが係合することにより、めっき処理や濡らし作業などの前処理を行わずとも、ターゲット材と接合層とが高い接合強度をもって、接合することを可能とするものであるが、より高い接合強度を得る観点から、接合材となじみやすいセラミックスを使用してもよい。このようなセラミックスとしては、酸化インジウムを主成分とするセラミックス、具体的には、スズを含有する酸化インジウム(ITO)、セリウム(Ce)を含有する酸化インジウム(ICO)、ガリウムを含有する酸化インジウム(IGO)、ガリウムおよび亜鉛を含有する酸化インジウム(IGZO)などを挙げることができる。また、ターゲット材として酸化亜鉛系または酸化チタン系などの円筒形セラミックス焼結体を使用する場合には、その内周面にニッケル(Ni)や銅(Cu)などの金属層を形成してもよい。
ターゲット材としては、1つの円筒形セラミックス焼結体から構成されるものだけではなく、複数の円筒形セラミックス焼結体を連結したものも使用することができる。この際の円筒形セラミックス焼結体の連結方法は、特に限定されることはなく、公知の方法を用いることができる。
(1−b)段差部
以下、図1〜4を用いて、本発明の特徴的部分である段差部について説明するが、本発明は、これらの実施形態に限定されることはなく、これに種々の変更を加えて実施することも可能である。なお、図1〜4では、説明のため、実際の円筒形スパッタリングターゲットよりも、段差部の高さおよびターゲット材の間隙を強調して表している。
[実施形態の第1例]
a)段差部の配置
図1(a)〜(c)に示す実施形態の第1例では、ターゲット材2aは、内周面3aから径方向中心に向かって突出し、軸方向の両側に1対の段差面4aを有する段差部5aを、ターゲット材2aの軸方向の両端に備えている。このようなターゲット材2aを用いた円筒形スパッタリングターゲット1aでは、ターゲット材2aの段差部5aが、接合層6aと強固に係合することができるため、ターゲット材2aが接合層6aから剥離し、その軸方向または径方向に位置ずれしたり、ターゲット材2aがバッキングチューブ7から脱落することを効果的に防止することができる。
段差部5aを形成する位置は、特に限定されることはなく、ターゲット材2aの軸方向の両端に形成してもよく、両端以外の部分に形成してもよい。さらには、軸方向の両端に加えて、軸方向の両端以外の部分に形成してもよい。
また、図1の例では、段差部5aは、ターゲット材2aの両端において周方向に4つずつ配置されているが、周方向の設置数は特に限定されることはない。ただし、段差部5aの周方向の設置数を1つとする場合には、ターゲット材2aの中空部にバッキングチューブ7を安定的に配置する観点から、段差部5aの形状を円輪状またはC字状とすることが好ましい。これに対して、複数の段差部5aを間欠的に形成する場合には、周方向の設置数は、好ましくは3つ以上、より好ましくは6つ〜8つとする。段差部5aの周方向の設置数を9つ以上としても、それ以上の効果を得ることができないばかりか、ターゲット材2aの加工工数が増加し、生産性が悪化してしまう。なお、この場合、段差部5aは、周方向に等間隔で形成されることが好ましい。これにより、ターゲット材2aとバッキングチューブ7とを同軸に配置する作業を容易なものとすることができる。
b)段差部の形状
段差部5aの形状は、接合層6aと係合することができる限り、特に限定されることはなく、種々の形状を採用することができるが、図1に示すように、段差部5a径方向の断面が矩形で、かつ、軸方向の断面が円弧状(アーチ状)となるように形成することが好ましい。このような形状であれば、円筒形セラミックス焼結体の内周面を研削加工する際に、段差部5aとなるべき部分を残しつつ、研削加工すればよいので、段差部5aを形成することによる生産性の悪化を最小限に抑えることができる。
c)段差部の寸法
本実施形態では、段差部5aの高さhは0.5mm以上、かつ、ターゲット材2aの内周面3aと、ターゲット材2aが外嵌かつ接合されるバッキングチューブ7の外周面8aとの間のクリアランスdの95%以下とする。ここで、クリアランスdとは、ターゲット材2aおよびバッキングチューブ7の冷却時、すなわち、ターゲット材2aおよびバッキングチューブ7の温度が室温程度である場合における、両者の間のクリアランスを意味する。
段差部5aの高さhが0.5mm未満では、ターゲット材2aと接合層6aとを十分に係合させることができないため、冷却過程においてターゲット材2aが接合層6aから剥離してしまうおそれがある。一方、クリアランスdの95%を超えると、接合工程における熱膨張により、段差部5aとバッキングチューブ7とが干渉し、ターゲット材2aに割れが生じるおそれがある。なお、段差部5aの高さhは、より高い接合強度を得る観点から、0.6mm以上、かつ、クリアランスdの95%以下とすることが好ましく、0.7mm以上、かつ、クリアランスdの95%以下とすることがより好ましい。
段差部5aの内周面3aの軸方向の長さは、軸方向の同一直線上にある段差部5a全体で、ターゲット材2aの全長の5%〜95%、好ましくは10%〜90%、より好ましくは20%〜80%とする。ここで、段差部5aの内周面3aの軸方向の長さとは、段差面4aと内周面3aの接する部分の軸方向の長さを意味する。段差部5aの内周面3aの軸方向の長さが、軸方向の同一直線上にある段差部5a全体で、ターゲット材2aの全長の5%未満では、段差部5aの強度が著しく低いものとなる。一方、95%を超えると、段差部5aに係合する接合層6aの強度が著しく低いものとなる。このため、いずれの場合であっても、ターゲット材2aが接合層6aから剥離することを防止することが困難となる。
段差部5aの周方向の長さは、同一円周上にある段差部5a全体で、ターゲット材2aの内周の長さの10%〜100%とする。段差部5aの周方向の長さが、同一円周上にある段差部5a全体で、ターゲット材2aの内周の長さの10%未満では、段差部5aの強度を確保することができず、冷却過程において圧縮応力が作用した場合に、段差部5aが破壊されてしまうおそれがある。
なお、本発明では、段差部5aの周方向の長さを、同一円周上にある段差部5a全体で、ターゲット材2aの内周の100%とした場合、すなわち、段差部5aを円輪状に形成した場合には、ターゲット材2aとバッキングチューブ7との組み合わせによっては、軸方向の位置ずれを防止することができても、周方向の位置ずれを防止することができない場合がある。このような場合には、複数の段差部5aを周方向にわたって間欠的に形成する必要があるが、その場合、段差部5aの周方向の長さを、同一円周上にある段差部5a全体で、ターゲット材2aの内周の長さの20%〜80%とすることが好ましい。段差部5aの周方向の長さが、同一円周上にある段差部5a全体で、ターゲット材2aの内周の長さの20%未満では、接合材の充填状態によっては軸方向の位置ずれが生じたり、ターゲット材2aがバッキングチューブ7から脱落しやすくなる場合がある。一方、80%を超えると、バッキングチューブ7と組み合わせた状態で開口部の面積が狭くなり、後述する接合材を流し込む作業が困難となる。
[実施形態の第2例]
図2(a)に示す実施形態の第2例では、ターゲット材2bは、内周面3bから径方向中心に向かって突出し、軸方向の両側に1対の段差面4bを有する段差部5bを、ターゲット材2bの軸方向の中央に備えている。このようなターゲット材2bを用いた円筒形スパッタリングターゲット1bでは、ターゲット材2bの段差部5bが、接合層6bと強固に係合することができるため、ターゲット材2bが接合層6bから剥離し、その軸方向または径方向に位置ずれしたり、ターゲット材2bがバッキングチューブ7から脱落することを効果的に防止することができる。また、本実施形態では、ターゲット材2bの開口部に段差部5bが存在しないため、後述する接合工程において、ターゲット材2bとバッキングチューブ7との間の間隙に接合材を流し込む作業を容易に行うことができる。
本実施形態では、段差部5bの内周面3bの軸方向の長さを、軸方向の同一直線上にある段差部5b全体で、ターゲット材2bの全長の10%〜90%とすることが好ましく、20%〜80%とすることがより好ましい。段差部5bの内周面3bの軸方向の長さが、軸方向の同一直線上にある段差部5b全体で、ターゲット材2bの全長の10%未満では、段差部5bの強度が著しく低いものとなる。一方、90%を超えると、段差部5bに係合する接合層6bの強度が著しく低いものとなる。このため、いずれの場合であっても、ターゲット材2bが接合層6bから剥離することを防止することが困難となる。
また、本実施形態においては、段差部5bの代わりに、段差面のそれぞれが軸方向に勾配する傾斜面4cにより構成される段差部5cを好適に適用することができる(図2(b)参照)。ただし、このような傾斜面4cは、互いに異なった向きに傾斜していることが必要となる。このような段差部5cを適用することにより、後述する接合工程において、接合材を円滑に流し込むことが可能となる。なお、内周面3cに対する傾斜面4cの傾斜角は、好ましくは15°〜60°、より好ましくは30°〜45°とする。傾斜角が15°未満では、段差部5cが接合層6cと強固に係合することができなくなるため、接合強度が低下してしまう。一方、60°を超えると、上記効果を得ることができなくなる。
本実施形態は、ターゲット材が、単一のターゲット材2bによって構成されている場合に好適に適用することができる。すなわち、本実施形態によれば、円筒形セラミックス焼結体よりターゲット材2bを形成する際に、ターゲット材2bの非エロージョン部9bとなる部分の裏面のみが研削加工され、エロージョン部10bの裏面はほとんど研削加工されないため、本発明の実施により、材料となる円筒形セラミックス焼結体の使用効率が低下することはなく、上記効果を得ることができる。
その他、段差部5b、5cの周方向の配置や形状などについては、実施形態の第1例と同様であるため、ここでの説明は省略する。
[実施形態の第3例]
図3に示す実施形態の第3例では、ターゲット材2dは、内周面3dから径方向中心に向かって突出し、軸方向の両側に1対の段差面4dを有する段差部5dを、ターゲット材2dの軸方向の両端および中央に備えている。このようなターゲット材2dを用いた円筒形スパッタリングターゲット1dでは、軸方向の両端と中央の段差部5dが接合層6dと係合するため、他の実施形態のよりも、その接合強度を大きなものとすることができる。
段差部5dの内周面3dの軸方向の長さは、軸方向の同一直線上にある段差部5d全体で、ターゲット材2dの全長の、好ましくは10%〜90%、より好ましくは20%〜80%とする。段差部5d内周面3dの軸方向の長さが、軸方向の同一直線上にある段差部5d全体で、ターゲット材2dの全長の10%未満では、段差部5dの強度が著しく低いものとなる。一方、90%を超えると、段差部5dに係合する接合層6dの強度が著しく低いものとなる。このため、いずれの場合であっても、ターゲット材2dが接合層6dから剥離することを防止することが困難となる。
その他、段差部5dの周方向の配置や形状などについては、実施形態の第1例と同様であるため、ここでの説明は省略する。
[実施形態の第4例]
図4(a)〜(c)に示す実施形態の第4例のターゲット材は、バッキングチューブ7aの軸方向にわたり、5つのターゲット材2a〜dが連結した分割ターゲット材11a〜dにより形成されている。本実施形態では、分割ターゲット材11a〜dを構成するターゲット材として、両端部のみならず、これを構成するターゲット材のすべてをターゲット材2a〜dにより構成している。このため、分割ターゲット材11a〜dを構成するターゲット材2a〜dのすべてが接合層6a〜dと係合することができ、その軸方向または周方向の位置ずれが効果的に防止されることとなる。
本実施形態では、ターゲット材2a〜d同士の間隙は、好ましくは0.2mm〜1.0mm、より好ましくは0.3mm〜0.5mmとする。ターゲット材2a〜d同士の間隙が0.2mm未満では、スパッタリング時の熱膨張により、隣り合うターゲット材2a〜dの端面同士が接触し、割れや欠けが生じるおそれがある。一方、1.0mmを超えると、分割部を起点として、アーキングやノジュールが発生するおそれがある。
また、バッキングチューブ7aの中心軸に対する、ターゲット材2a〜dの中心軸のずれを1.0mm未満とすることが好ましく、0.5mm未満とすることがより好ましい。さらに、ターゲット材2a〜d同士の中心軸のずれも1.0mm未満とすることが好ましく、0.5mm未満とすることがより好ましい。バッキングチューブ7aの中心軸に対するターゲット材2a〜dの中心軸のずれ、および、ターゲット材2a〜d同士の中心軸のずれを、このような範囲に制御することにより、得られる円筒形スパッタリングターゲット12a〜dにおいて、一定条件下でスパッタリングを行うことが可能となる。
なお、図4の例では、5つのターゲット材は同一種類のものとなっているが、ターゲット材2a〜dから選択される2種以上を組み合わせて、分割ターゲット材を構成してもよい。
(2)バッキングチューブ
本発明の円筒形スパッタリングターゲット1a〜dおよび12a〜dを構成する円筒形のバッキングチューブ7、7aとしては、一般的なオーステナイト系ステンレス製、特に、SUS304製のものに加えて、銅または銅合金、チタンまたはチタン合金、モリブデンまたはモリブデン合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの各種バッキングチューブを使用することができる。ただし、これらの中には、その外周面8a〜dに不動態皮膜や酸化皮膜が存在し、接合材との接合性に劣ったものもある。このようなものをバッキングチューブ7、7aとして使用する場合には、その外周面8a〜dに銅および/またはニッケルなどの金属層を形成することが好ましい。あるいは、バッキングチューブ7、7a側にも、接合層6a〜dと係合可能な凹部を形成してもよい。
バッキングチューブ7、7aの外径は、バッキングチューブ7、7aとターゲット材2a〜dの線膨張率の差を考慮して設定することが好ましい。たとえば、ターゲット材2a〜dとして、20℃における線膨張率が7.2×10-6/℃のITOを使用し、バッキングチューブ7、7aとして、20℃における線膨張率が17.3×10-6/℃のSUS304を使用する場合には、ターゲット材2a〜dの内周面3a〜dに形成された段差部5a〜dの先端とバッキングチューブ7、7aの外周面8a〜dの間隙が、好ましくは0.3mm〜3.0mm、より好ましくは0.5mm〜1.0mmとなるように、バッキングチューブ7、7aの外径を設定する。間隙が0.3mm未満では、接合工程における接合材の流し込みが困難となる。一方、3.0mmを超えると、冷却過程において発生する応力によりターゲット材2a〜dが割れてしまうおそれがある。また、冷却過程において割れが発生しない場合でも、スパッタリング中に応力が解放されると、接合層6a〜d中に空隙が発生し、冷却不十分となる領域が形成されてしまうおそれがある。
(3)接合層
接合層6a〜dは、ターゲット材2a〜dとバッキングチューブ7、7aの間の間隙に、溶融状態にある接合材を注入し、冷却固化することにより形成される。この過程において、接合材は収縮することとなるが、これにより発生した圧縮応力により、ターゲット材2a〜dの内周面3a〜dに形成された段差部5a〜dが接合層6a〜dと強固に係合するため、ターゲット材2a〜dとバッキングチューブ7、7aとを、高い接合強度をもって接合することが可能となる。
この際、使用することができる接合材としては、インジウムやスズなどを主成分とする公知の低融点はんだを挙げることができるが、インジウムを主成分とする低融点はんだを使用することが好ましい。これは、インジウムを主成分とする低融点はんだは、冷却固化後の硬度が、スズを主成分とする低融点はんだよりも低く、冷却過程において、ターゲット材2a〜dに割れが生じることを効果的に防止することができるからである。特に、インジウムを80質量%以上、好ましくは90質量%〜100質量%含有する低融点はんだを用いることが好ましい。このような低融点はんだであれば、冷却固化後の硬度が適切な範囲にあるばかりでなく、溶融時の流動性が高いため、巣やひけがきわめて少ない、均一な接合層6a〜dを容易に得ることができる。
(4)特性
本発明のターゲット材2a〜dを用いた場合、接合材の冷却過程において生じる圧縮応力により、段差部5a〜dと接合層6a〜dとを強固に係合させることができる。しかも、段差部5a〜dが形成されている部分を除き、ターゲット材2a〜dとバッキングチューブ7、7aとの間の間隙の幅を広くすることができるため、この間隙に高い充填性をもって接合材を流し込むことができ、巣やひけがきわめて少ない、均一な接合層6a〜dを形成することができる。この結果、本発明の円筒形スパッタリングターゲット1a〜dおよび12a〜dは、ターゲット材2a〜dとバッキングチューブ7、7aとの接合率および接合強度を大幅に向上させることができる。具体的には、接合率を90.0%以上、好ましくは95.0%以上とし、かつ、接合強度を1.0MPa以上、好ましくは5.0MPa以上とすることができる。このため、冷却後においても、ターゲット材2a〜dが接合層6a〜dから剥離することはなく、ターゲット材2a〜dの軸方向または周方向の位置ずれが生じたり、ターゲット材2a〜dがバッキングチューブ7、7aから脱落するといったことを効果的に防止することができる。なお、本発明において接合率とは、ターゲット材2a〜dとバッキングチューブ7、7aとの間の間隙の体積に対する、この間隙に流し込まれた接合材の体積(充填量)をいう。間隙に流し込まれた接合材の充填量は、超音波探傷装置によって測定することができる。一方、接合強度とは、金属材料引張試験方法(JIS Z2241)に基づき、引張試験機によって求められる降伏点をいう。
また、本発明の円筒形スパッタリングターゲット1a〜dおよび12a〜dは、スパッタリング後に、接合材の融点以上に加熱することで、ターゲット材2a〜dとバッキングチューブ7、7aとを容易に分離することができる。このため、本発明の円筒形スパッタリングターゲット1a〜dおよび12a〜dは、ターゲット材2a〜dやバッキングチューブ7、7aをリサイクルすることができ、生産コストの低減や省資源の観点からも優れたものであるといえる。
2.円筒形スパッタリングターゲットの製造方法
本発明の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法は、円筒形セラミックス焼結体の内周面を研削加工することで、円筒形セラミックス焼結体の内周面に、この内周面から、径方向中心に向かって突出し、軸方向の両側に段差面を有する少なくとも1つの段差部を形成し、円筒形スパッタリングターゲット用ターゲット材を得る研削工程と、得られたターゲット材の中空部にバッキングチューブを同軸に配置し、ターゲット材とバッキングチューブとの間の間隙の両端開口部のうち一端側を封止した後、ターゲット材とバッキングチューブを、これらの間の間隙に流し込まれる接合材の融点以上に加熱し、ターゲット材とバッキングチューブとの間の間隙の両端開口部のうち、封止されていない他端側であって、段差部が存在しない位置から溶融状態にある接合材を流し込み、冷却固化する接合工程とを備えることを特徴とする。
以下、本発明の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法について説明するが、研削工程および接合工程以外の工程、具体的には、CIPにより円筒形セラミックス成形体を成形する工程や、円筒形セラミックス成形体を焼成する工程などは、従来技術と同様であるため、その説明は省略する。
(1)研削工程
研削工程は、円筒形セラミックス焼結体の内周面を研削加工することで、たとえば、実施形態の第1例〜第3例に表されるターゲット材を得る工程である。
従来技術においても、ターゲット材をバッキングチューブに接合する際に、ターゲット材の偏心を防止する観点から、ターゲット材となる円筒形セラミックス焼結体の内周面または外周面を研削加工することが必要とされていた。このため、研削加工において、段差部となる部分を残すように、円筒形セラミックス焼結体の内周面を加工すれば、段差部を形成するために別途工程を設ける必要はなく、段差部を形成することによる生産性の悪化を最小限に抑えることができる。
研削方法としては、上述した段差部を形成することができる限り特に限定されることはなく、たとえば、マシニングセンタ、NC旋盤、立形研削盤などを用いて加工することができる。これらの中でも、加工工数が少なく、効率的な加工が可能なマシニングセンタを用いて加工することが好ましい。
(2)接合工程
接合工程は、研削工程で得られたターゲット材の中空部にバッキングチューブを同軸に配置した後、ターゲット材とバッキングチューブとの間の間隙の両端開口部の一端側を、耐熱性のOリングなどの封止手段を用いて封止した後、ターゲット材とバッキンチューブを、これらの間に流し込まれる接合材の融点以上に加熱し、ターゲット材とバッキングチューブとの間の間隙の両端開口部のうち、封止されていない他端側であって、段差部が存在しない位置から溶融状態にある接合材を流し込み、冷却固化する工程である。
従来、ターゲット材とバッキングチューブの間の間隙は1mm程度ときわめて狭いことに起因して、接合材を流し込む前に、ターゲット材の内周面に対して、金属層の形成や濡らし作業などの前処理を行うことが必須とされていた。これに対して、本発明のターゲット材を用いた場合、段差部が形成されている部分を除き、段差部の高さの分だけ、ターゲット材とバッキングチューブとの間の間隙を広くすることができる。このため、前述した前処理を行わずとも、間隙に十分な量の接合材を流し込むことができ、巣やひけのきわめて少ない、均一な接合層を形成することができる。
ターゲット材とバッキングチューブとの間の間隙に接合材を流し込む際、ターゲット材の軸方向の両端に段差部が形成されている場合はもちろんのこと、軸方向の両端以外の部分に段差が形成されている場合であっても、段差部が形成されていない周方向位置から接合材を流し込むことが必要となる。これは、溶融状態にある接合材と段差部との衝突により、空気が巻き込まれたり、あるいは、接合材の流れが乱れ、十分な量の接合材を流し込むことができなくなり、巣やひけなどの内部欠陥が発生することを防止するためである。
また、ターゲット材およびバッキングチューブは、予め、その表面温度が接合材の融点以上、好ましくは融点より10℃〜30℃高い温度となるように加熱しておくことが必要である。ターゲット材およびバッキングチューブの表面温度が接合材の融点以下では、接合材がターゲット材またはバッキングチューブに接触すると同時に硬化し、十分な量の接合材を流し込むことが困難となる。
接合工程では、接合材は、加熱溶融した上で、ターゲット材とバッキングチューブとの間の間隙に流し込まれることが一般的である。しかしながら、本発明では、上述したように、段差部が存在している部分を除き、ターゲット材とバッキングチューブとの間の間隙を広く形成することができるため、この部分に薄板状の接合材をあらかじめ配置し、ターゲット材とバッキングチューブを加熱することにより、これを溶融し、不足分を間隙に流し込んでよい。このような方法であれば、空気の巻き込みなどを一層低減することができるため、より均一な接合層を形成することができる。
なお、長尺の円筒形スパッタリングターゲットを得る手段としては、特に限定されることはなく、公知の手段を用いることができる。たとえば、予め、複数のターゲット材を一定間隔で固定することで分割ターゲット材を構成し、この中空部にバッキングチューブを挿入することで、長尺の円筒形スパッタリングターゲットを得てもよい。また、初めに、長尺のバッキングチューブに第1のターゲット材を挿入して接合させた後、環状テフロンシートなどのスペンサとともに第2のターゲット材を挿入して接合させ、以後、同様の作業を繰り返すことで、長尺の円筒形スパッタリングターゲットを得てもよい。
以下、実施例および比較例を用いて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例および比較例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例では、得られた円筒形スパッタリングターゲットに対して、超音波探傷装置(株式会社KJTD製、SDS−WIN)を用いて、接合材の充填量を測定し、この測定値より、ターゲット材とバッキングチューブの接合率を評価した。具体的には、接合率が95.0%以上のものを「優(○)」、90.0%以上95.0%未満のものを「良(△)」、90.0%未満のもの、または、ターゲット材がバッキングチューブから脱落し、接合率を評価できなかったものを「不良(×)」として評価した。
また、ターゲット材と接合層との接合強度は、金属材料引張試験方法(JIS Z2241)に基づき、引張試験機(株式会社島津製作所製、オートグラフ)を用いて、接合強度を測定することにより評価した。具体的には、接合強度が5.0MPa以上のものを「優(○)」、1.0MPa以上5.0MPa未満のものを「良(△)」、1.0MPa未満のもの、または、ターゲット材がバッキングチューブから脱落し、接合強度を評価できなかったものを「不良(×)」として評価した。
(実施例1)
外径100mm、内径80mm、全長200mmのITO製の円筒形セラミックス焼結体を5つ用意した。これらの円筒形セラミックス焼結体の内周面を、マシニングセンタ(DMG森精機株式会社製、DMC635V)を用いて研削し、内周面3aから径方向中心に向かって突出し、軸方向の両側に1対の段差面4aを有する段差部5aを、軸方向の両端に備えるターゲット材2aを形成した。
ターゲット材2aは、段差部5aが形成されていない部分の内径が82mmであり、段差部5aの高さhが0.7mm(クリアランスdの70%)であった。また、ターゲット材2aにおいて、段差部5aの内周面3aの軸方向の長さは、軸方向の同一直線上にある段差部5a全体で、40mm(ターゲット材2aの全長の20%)であり、周方向の長さは、同一円周上にある段差部5a全体で、51.5mm(ターゲット材2aの内周の長さの20%)であった。なお、これらのターゲット材2aの内周面3aに対して、金属層の形成や濡らし作業などの前処理は行わなかった。
これらのターゲット材2aに対して、接合面となる内周面3a以外の部分に余分な接合材が付着しないように、耐熱性のマスキングテープによりマスキングを行った。その後、5つのターゲット材2aを、これらの間に厚さ0.5mmのシリコンパッキンが挟み込まれるように配列し、外周面をテープで固定することにより、全長1002mmの分割ターゲット材11aを得た。
一方、バッキングチューブとして、外径80mm、内径70mm、全長1100mmのSUS304製の円筒形バッキングチューブ7aを用意した。バッキングチューブ7aに対して、接合面以外の部分に余分な接合材が付着しないように、耐熱性のマスキングテープでマスキングを行った。次に、電解めっきにより、バッキングチューブ7aの表面に、厚さ1μmの銅めっき層からなる下地層を形成した。
その後、X−Yステージを用いて、バッキングチューブ7aを分割ターゲット材11aの中空部に同軸に配置するとともに、分割ターゲット材11aとバッキングチューブ7aとの間に形成された間隙の両端開口部のうち、一端を耐熱Oリングによって封止し、この封止側が下方となるように、分割ターゲット材11aとバッキングチューブ7aからなる組合せ体を直立させた。この状態で、分割ターゲット材11aを構成するすべてのターゲット材2aの外周面に、出力150Wのバンドヒータ(坂口電熱株式会社製、)を取り付け、設定温度を180℃として加熱した。また、接合材として、インジウムを80質量%、スズを10質量%、アンチモンを5質量%、亜鉛を5質量含有するインジウム系低融点接合材(融点:160℃)を用意し、これをバンドヒータで190℃まで加熱することにより溶融させた。
ターゲット材2aに取り付けたバンドヒータが、すべて設定温度に達したことを確認した後、上方の開口部のうち、段差部5aが存在しない位置から溶融させた接合材を流し込んだ。この際、接合材が空気を巻き込まないように、酸化被膜を除去しながら作業した。所定量の接合材を流し込んだ後、下方に位置するバンドヒータから順次スイッチを切り、室温(20℃)まで冷却した。この際、接合材の収縮量に応じて、溶融した接合材を適時流し込んだ。接合材が完全に固化したことを確認した後、マスキングテープ、耐熱Oリングおよびシリコンパッキンを取り除き、円筒形スパッタリングターゲット12aを得た。
得られた円筒形スパッタリングターゲット12aの接合率および接合強度を、上記方法により評価した結果、いずれも優れたものであることが確認された。また、円筒形スパッタリングターゲット12aをマグネトロン型回転カソードスパッタリング装置に取り付け、3.0Paのアルゴン雰囲気中、出力300Wで放電試験を実施したところ、スパッタリング中に、分割ターゲット材12aに割れや欠けなどが生じることはなかった。これらの結果を表1に示す。
(実施例2)
5つの円筒形セラミックス焼結体の内周面を、マシニングセンタを用いて研削し、内周面3bから径方向中心に向かって突出し、軸方向の両側に1対の段差面4bを有する段差部5bを、軸方向の中央に備えるターゲット材2bを形成した。
ターゲット材2bは、段差部5bが形成されていない部分の内径が82mmであり、段差部5bの高さhが0.7mm(クリアランスdの70%)であった。また、ターゲット材2bにおいて、段差部5bの内周面3bの軸方向の長さは、軸方向の同一直線上にある段差部5b全体で、20mm(ターゲット材2bの全長の10%)であり、周方向の長さは、同一円周上にある段差部5b全体で、51.5mm(ターゲット材2bの内周の長さの20%)であった。なお、これらのターゲット材12bの内周面3bに対して、金属層の形成や濡らし作業などの前処理は行わなかった。
ターゲット材2bを用いたこと以外は実施例1と同様にして、5つのターゲット材2bが連結した分割ターゲット材11bを構成し、これをバッキングチューブ7aに接合することで円筒形スパッタリングターゲット12bを得た。円筒形スパッタリングターゲット12bの接合率および接合強度を、上記方法により評価した結果、いずれも優れたものであることが確認された。また、実施例1と同様にして放電試験を実施したところ、スパッタリング中に、分割ターゲット材11bに割れや欠けなどが生じることはなかった。これらの結果を表1に示す。
(実施例3)
5つの円筒形セラミックス焼結体の内周面を、マシニングセンタを用いて研削し、内周面3dから径方向中心に向かって突出し、軸方向の両側に1対の段差面4dを有する段差部5dを、軸方向の両端および中央に備えるターゲット材2dを形成した。
ターゲット材2dは、段差部5dが形成されていない部分の内径が82mmであり、段差部5dの高さhが0.7mm(クリアランスdの70%)であった。また、ターゲット材2dにおいて、段差部5dの内周面3dの軸方向の長さは、軸方向の同一直線上にある段差部5d全体で、40mm(ターゲット材2dの全長の20%)であり、周方向の長さは、同一円周上にある段差部5d全体で、51.5mm(ターゲット材2dの内周の長さの20%)であった。なお、これらのターゲット材2dの内周面3dに対して、金属層の形成や濡らし作業などの前処理は行わなかった。
ターゲット材2dを用いたこと以外は実施例1と同様にして、5つのターゲット材2dが連結した分割ターゲット材11dを構成し、これをバッキングチューブ7aに接合することで円筒形スパッタリングターゲット12dを得た。円筒形スパッタリングターゲット12dの接合率および接合強度を、上記方法により評価した結果、いずれも優れたものであることが確認された。また、実施例1と同様にして放電試験を実施したところ、スパッタリング中に、分割ターゲット材11dに割れや欠けなどが生じることはなかった。これらの結果を表1に示す。
(実施例4)
段差部5aの高さhを0.5mm(クリアランスdの50%)としたこと以外は実施例1と同様にして、5つのターゲット材2aが連結した分割ターゲット材11aを構成し、これをバッキングチューブ7aに接合することで円筒形スパッタリングターゲット12aを得た。円筒形スパッタリングターゲット12aの接合率および接合強度を、上記方法により評価した結果、いずれも優れたものであることが確認された。また、実施例1と同様にして放電試験を実施したところ、スパッタリング中に、分割ターゲット材11aに割れや欠けなどが生じることはなかった。これらの結果を表1に示す。
(実施例5)
段差部5aの内周面3aの軸方向の長さを、軸方向の同一直線上にある段差部5a全体で、12.5mm(ターゲット材2aの全長の5%)としたこと以外は実施例1と同様にして、5つのターゲット材2aが連結した分割ターゲット材11aを構成し、これをバッキングチューブ7aに接合することで円筒形スパッタリングターゲット12aを得た。円筒形スパッタリングターゲット12aの接合率および接合強度を、上記方法により評価した結果、いずれも優れたものであることが確認された。また、実施例1と同様にして放電試験を実施したところ、スパッタリング中に、分割ターゲット材11aに割れや欠けなどが生じることはなかった。これらの結果を表1に示す。
(実施例6)
段差部5aの内周面3aの軸方向の長さを全体で、軸方向の同一直線上にある段差部5aで、190mm(ターゲット材2aの全長の95%)としたこと以外は実施例1と同様にして、5つのターゲット材2aが連結した分割ターゲット材11aを構成し、これをバッキングチューブ7aに接合することで円筒形スパッタリングターゲット12aを得た。円筒形スパッタリングターゲット12aの接合率および接合強度を、上記方法により評価した結果、いずれも優れたものであることが確認された。また、実施例1と同様にして放電試験を実施したところ、スパッタリング中に、分割ターゲット材11aに割れや欠けなどが生じることはなかった。これらの結果を表1に示す。
(実施例7)
段差部5aの周方向の長さを、同一円周上にある段差部5a全体で、25.6mm(ターゲット材2aの周方向の長さの10%)としたこと以外は実施例1と同様にして、5つのターゲット材2aが連結した分割ターゲット材11aを構成し、これをバッキングチューブ7aに接合することで円筒形スパッタリングターゲット12aを得た。円筒形スパッタリングターゲット12aの接合率および接合強度を、上記方法により評価した結果、いずれも優れたものであることが確認された。また、実施例1と同様にして放電試験を実施したところ、スパッタリング中に、分割ターゲット材11aに割れや欠けなどが生じることはなかった。これらの結果を表1に示す。
(実施例8)
段差部5aを円輪状に形成したこと、すなわち、段差部5aの周方向の長さを全体で、257.5mm(ターゲット材2aの周方向の長さの100%)としたこと以外は実施例1と同様にして、5つのターゲット材2aが連結した分割ターゲット材11aを構成し、これをバッキングチューブ7aに接合することで円筒形スパッタリングターゲット12aを得た。円筒形スパッタリングターゲット12aの接合率および接合強度を、上記方法により評価した結果、いずれも優れたものであることが確認された。また、実施例1と同様にして放電試験を実施したところ、スパッタリング中に、分割ターゲット材11aに割れや欠けなどが生じることはなかった。これらの結果を表1に示す。
(比較例1)
円筒形セラミックス焼結体の内周面に段差部を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして、5つのターゲット材が連結した分割ターゲット材を構成し、これをバッキングチューブ7aに接合することで円筒形スパッタリングターゲットを得た。この円筒形スパッタリングターゲットの接合率および接合強度を、上記方法により評価しようとしたところ、分割ターゲット材が接合層6aから剥離し、バッキングチューブ7aから脱落してしまった。このため、比較例1では、接合率および接合強度の評価および放電試験を実施することができなかった。
(比較例2)
段差部5aの高さhを0.4mm(クリアランスdの40%)としたこと以外は実施例1と同様にして、5つのターゲット材2aが連結した分割ターゲット材11aを構成し、これをバッキングチューブ7aに接合することで円筒形スパッタリングターゲット12aを得た。円筒形スパッタリングターゲット12aの接合率および接合強度を、上記方法により評価しようとしたところ、分割ターゲット材11aが接合層6aから剥離し、バッキングチューブ7aから脱落してしまった。このため、比較例2では、接合率および接合強度の評価および放電試験を実施することができなかった。
(比較例3)
段差部5aの内周面3aの軸方向の長さを、軸方向の同一直線上にある段差部5a全体で、5mm(ターゲット材2aの全長の2.5%)としたこと以外は実施例1と同様にして、5つのターゲット材2aが連結した分割ターゲット材11aを構成し、これをバッキングチューブ7aに接合することで円筒形スパッタリングターゲット12aを得た。円筒形スパッタリングターゲット12aの接合率および接合強度を、上記方法により評価しようとしたところ、分割ターゲット材11aの端部が欠け、バッキングチューブ7aから脱落してしまった。このため、比較例3では、接合率および接合強度の評価および放電試験を実施することができなかった。
(比較例4)
段差部5aの内周面3aの軸方向の長さを、軸方向の同一直線上にある段差部5a全体で、195mm(ターゲット材2aの全長の97.5%)としたこと以外は実施例1と同様にして、5つのターゲット材2aが連結した分割ターゲット材11aを構成し、これをバッキングチューブ7aに接合することで円筒形スパッタリングターゲット12aを得た。円筒形スパッタリングターゲット12aの接合率および接合強度を、上記方法により評価しようとしたところ、分割ターゲット材11aが接合層6aから剥離し、バッキングチューブ7aから脱落してしまった。このため、比較例4では、接合率および接合強度の評価および放電試験を実施することができなかった。
(比較例5)
段差部5aの周方向の長さを、軸方向の同一直線上にある段差部5a全体で、12.9mm(ターゲット材2aの周方向の長さの5%)としたこと以外は実施例1と同様にして、5つのターゲット材2aが連結した分割ターゲット材11aを構成し、これをバッキングチューブ7aに接合することで円筒形スパッタリングターゲット12aを得た。円筒形スパッタリングターゲット12aの接合率および接合強度を、上記方法により評価しようとしたところ、分割ターゲット材11aが接合層6aから剥離し、バッキングチューブ7aから脱落してしまった。このため、比較例5では、接合率および接合強度の評価および放電試験を実施することができなかった。
Figure 0006052137
1a〜d 円筒形スパッタリングターゲット
2a〜d ターゲット材
3a〜d ターゲット材の内周面
4a、4b、4d 段差面
4c 傾斜面
5a〜d 段差部
6a〜d 接合層
7、7a バッキングチューブ
8、8a バッキングチューブの外周面
9a〜d エロ―ジョン部
10a〜d 非エロージョン部
11a〜d 分割ターゲット材
12a〜d 円筒形スパッタリングターゲット

Claims (8)

  1. 内周面と、該内周面から径方向中心に向かって突出し、軸方向の両側に1対の段差面を有する複数の段差部とを備えた、少なくとも1つの円筒形のターゲット材と、該ターゲット材の中空部に同軸に配置された、円筒形のバッキングチューブと、前記ターゲット材と前記バッキングチューブとの間隙に形成される接合層とからなる、円筒形スパッタリングターゲットであって、
    前記段差部が、前記ターゲット材の軸方向の両端に備えられており、
    前記段差部の高さは、0.5mm以上、かつ、前記ターゲット材の内周面と、該ターゲット材が外嵌かつ接合される前記バッキングチューブの外周面との間のクリアランスの95%以下であり、
    前記段差部の内周面の軸方向の長さは、軸方向の同一直線上にある段差部全体で、前記ターゲット材の全長の5%〜95%であり、かつ、
    前記段差部の周方向の長さは、同一円周上にある段差部全体で、前記ターゲット材の内周の長さの10%〜100%である、
    円筒形スパッタリングターゲット。
  2. 前記1対の段差面のそれぞれが、軸方向に勾配する傾斜面により構成され、かつ、互いに異なった向きに傾斜している、請求項1に記載の円筒形スパッタリングターゲット。
  3. 前記段差部が、前記ターゲット材の周方向に複数配置されている、請求項1または2に記載の円筒形スパッタリングターゲット。
  4. 前記段差部が、前記ターゲット材の軸方向の両端に加え、該両端以外の部分にも備えられている、請求項1〜のいずれかに記載の円筒形スパッタリングターゲット。
  5. 前記バッキングチューブの軸方向にわたり、前記ターゲット材が複数連結されている、請求項1〜4のいずれかに記載の円筒形スパッタリングターゲット。
  6. 前記ターゲット材が、単一のターゲット材によって構成されており、前記段差部は、該ターゲット材の非エロ―ジョン部のみに備えられている、請求項1〜4のいずれかに記載の円筒形スパッタリングターゲット。
  7. 前記接合層の接合率が90%以上であって、かつ、接合強度が1.0MPa以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の円筒形スパッタリングターゲット。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法であって、
    円筒形セラミックス焼結体の内周面を研削加工することで、該円筒形セラミックス焼結体の内周面に、該内周面から径方向中心に向かって突出し、軸方向の両側に前記1対の段差面を有する複数の前記段差部を形成し、前記ターゲット材を得る研削工程と、
    前記ターゲット材の中空部に前記バッキングチューブを同軸に配置し、前記ターゲット材と前記バッキングチューブとの間の間隙の両端開口部のうち一端側を封止した後、前記ターゲット材と前記バッキングチューブを、これらの間の間隙に流し込まれる接合材の融点以上に加熱し、前記ターゲット材と前記バッキングチューブとの間の間隙の両端開口部のうち、封止されていない他端側であって、前記段差部が存在しない位置から溶融状態にある接合材を流し込み、冷却固化する接合工程と
    を備える、円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。
JP2013226884A 2013-10-31 2013-10-31 円筒形スパッタリングターゲット用ターゲット材、ならびに、円筒形スパッタリングターゲットおよびその製造方法 Active JP6052137B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013226884A JP6052137B2 (ja) 2013-10-31 2013-10-31 円筒形スパッタリングターゲット用ターゲット材、ならびに、円筒形スパッタリングターゲットおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013226884A JP6052137B2 (ja) 2013-10-31 2013-10-31 円筒形スパッタリングターゲット用ターゲット材、ならびに、円筒形スパッタリングターゲットおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015086447A JP2015086447A (ja) 2015-05-07
JP6052137B2 true JP6052137B2 (ja) 2016-12-27

Family

ID=53049571

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013226884A Active JP6052137B2 (ja) 2013-10-31 2013-10-31 円筒形スパッタリングターゲット用ターゲット材、ならびに、円筒形スパッタリングターゲットおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6052137B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6376101B2 (ja) * 2015-10-27 2018-08-22 住友金属鉱山株式会社 円筒形スパッタリングターゲットおよびその製造方法
JP6259847B2 (ja) * 2016-02-05 2018-01-10 住友化学株式会社 円筒型ターゲットの製造方法
JP6734746B2 (ja) * 2016-09-26 2020-08-05 三井金属鉱業株式会社 円筒形スパッタリングターゲットの製造方法
JP7245661B2 (ja) * 2019-01-30 2023-03-24 Jswアフティ株式会社 ターゲットおよび成膜装置並びに成膜対象物の製造方法
CN109972100B (zh) * 2019-05-13 2023-06-06 无锡飞而康新材料科技有限公司 一种管状铬靶材的制备方法
WO2020250588A1 (ja) * 2019-06-10 2020-12-17 株式会社アルバック スパッタリングターゲット及びスパッタリングターゲットの製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010150610A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Tosoh Corp 円筒形スパッタリングターゲット

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015086447A (ja) 2015-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6052137B2 (ja) 円筒形スパッタリングターゲット用ターゲット材、ならびに、円筒形スパッタリングターゲットおよびその製造方法
US10991616B2 (en) High speed low temperature method for manufacturing and repairing semiconductor processing equipment and equipment produced using same
JP5103911B2 (ja) 円筒形スパッタリングターゲット及びその製造方法
JP6568867B2 (ja) 円筒形セラミックススパッタリングターゲットならびにその製造装置および製造方法
JPH0539566A (ja) スパツタリング用ターゲツト及びその製造方法
KR20180068335A (ko) 냉각 구조물을 갖는 스퍼터 타겟 배킹 플레이트 어셈블리
JP2015036431A (ja) 円筒形スパッタリングターゲットおよびその製造方法。
JP6332155B2 (ja) 円筒形スパッタリングターゲットの製造方法
JP6273735B2 (ja) 円筒形スパッタリングターゲットとその製造方法
JP2015168832A (ja) 円筒形スパッタリングターゲットとその製造方法
JP2010150610A (ja) 円筒形スパッタリングターゲット
JP2011252237A (ja) 円筒形スパッタリングターゲットの製造方法
JP2005288710A (ja) ダイプレート
JP6376101B2 (ja) 円筒形スパッタリングターゲットおよびその製造方法
JP6895263B2 (ja) 円筒形スパッタリングターゲット、バッキングチューブ、および円筒形スパッタリングターゲットの製造方法
JP6233224B2 (ja) 接合材シート及び円筒形スパッタリングターゲットの製造方法
CN109365981B (zh) 一种不锈钢套与黄铜环的连接方法
JP6768606B2 (ja) 円筒形スパッタリングターゲットの製造方法
JP6861048B2 (ja) 円筒形スパッタリングターゲット、焼結体及び円筒形スパッタリングターゲットの製造方法
JP6734746B2 (ja) 円筒形スパッタリングターゲットの製造方法
TWI565819B (zh) 圓筒形濺射靶件
JP6332078B2 (ja) 円筒形スパッタリングターゲットの製造方法
JP6830421B2 (ja) 円筒形スパッタリングターゲットの製造方法
JP6774702B2 (ja) 円筒形スパッタリングターゲットの製造方法
TWI815011B (zh) 濺鍍靶以及濺鍍靶的製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150918

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160621

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161012

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161101

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6052137

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250