JP2017068915A - リチウムイオン二次電池用負極 - Google Patents

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浩哉 梅山
Hiroya Umeyama
浩哉 梅山
福本 友祐
Yusuke Fukumoto
友祐 福本
直之 和田
Naoyuki Wada
直之 和田
友嗣 横山
Yuji Yokoyama
友嗣 横山
橋本 達也
Tatsuya Hashimoto
達也 橋本
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Abstract

【課題】ハイレートサイクルに伴う性能低下が抑制されたリチウムイオン二次電池用負極を提供する。【解決手段】リチウムイオン二次電池用負極は、造粒体から構成された負極合材層を備える。負極合材層の密度は、0.90g/cm3以上1.50g/cm3以下である。負極合材層の表面の85度鏡面光沢度は、3.0%以上13.4%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用負極に関する。
特開平10−55801号公報(特許文献1)には、湿潤粉末を造粒することにより合材顆粒を得、該合材顆粒を加圧成形することにより、負極を製造する方法が開示されている。
特開平10−55801号公報
従来、負極の製造方法としては、負極合材を溶媒中に分散させた塗料(「スラリー」、「ペースト」等とも称される)を調製し、該塗料を負極集電体の表面に塗着する方法が一般的である。塗着された負極合材は負極合材層となり、ロール圧延等によって、所定の厚さ、合材密度となるように圧縮される。
特許文献1によると、塗料に代えて合材顆粒(以降、本明細書では「造粒体」と称する)を用いることにより、圧縮時、負極合材の充填性が向上するとされている。
負極合材の充填性の向上は、エネルギー密度の観点からは好ましい。しかし単純に、負極合材層の合材密度が高いだけであると、負極合材層内の空隙が減少し、負極合材層に電解液を浸透、保持させることが困難になる。負極合材層の電解液保持量が少ない場合、たとえばサイクル寿命が短くなる。
電解液の浸透性を向上させるため、合材密度を低く設定することも考えられる。しかしこの場合、電解液の浸透性は向上するが、同時に電解液の排出も起こりやすくなる。すなわち、電池の製造過程で負極合材層に電解液を十分浸透させても、実使用時の充放電サイクルにより負極合材層が膨張、収縮するため、電解液が負極合材層から押し出されてしまう。この傾向は、ハイレート(大電流)サイクルが必要となる用途において特に顕著である。ハイレート充電によって、負極合材層が激しく膨張するためである。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものである。すなわち本発明の目的は、ハイレートサイクルに伴う性能低下が抑制されたリチウムイオン二次電池用負極の提供にある。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討を行った結果、造粒体を負極合材層に成形する際、特定の条件で成形を行うことにより、電解液を保持するための空隙を確保し、なおかつ急激な充電によっても電解液が流出し難い負極合材層を形成できることを見出した。
すなわち、本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、造粒体から構成された負極合材層を備える。負極合材層の密度は、0.90g/cm3以上1.50g/cm3以下である。負極合材層の表面の85度鏡面光沢度は、3.0%以上13.4%以下である。
本発明者の検討によると、負極合材層の密度(以下「合材密度」と記す場合がある)を1.50g/cm3以下とすることにより、負極合材層内に十分な量の電解液を保持させることができる。しかし、合材密度が0.90g/cm3未満になると、負極活物質同士の間隔が広くなるため、導電性が低下する可能性がある。ゆえに合材密度の下限は0.90g/cm3とする。
上記の負極合材層は、0.90g/cm3以上1.50g/cm3以下の合材密度を有するが、その最表面は局所的に合材密度が高くなっている。そのため、急激な充電が行われた場合にも、負極合材層内に保持された電解液は、最表面から外部に流出し難いと考えられる。後述するように、造粒体から負極合材層を構成することにより、最表面の負極合材を選択的、局所的に圧縮することができる。
本発明者の検討によると、「JIS Z 8741:鏡面光沢度−測定方法」に準拠して測定される85度鏡面光沢度は、最表面の合材密度の指標とすることができる。すなわち85度鏡面光沢度が高い程、最表面の合材密度は高いと評価できる。85度鏡面光沢度が、3.0%以上となるように、最表面の合材密度を高めることにより、電解液の流出を顕著に抑制できる。他方、85度鏡面光沢度が13.4%を超えると、電解液が浸透し難くなり、性能低下が促進される可能性がある。
なお塗料を塗着することにより形成された負極合材層においても、合材密度を高めることで、85度鏡面光沢度を3.0%以上13.4%以下とすることはできる。しかしこの負極合材層では、最表面の負極合材を選択的に圧縮することができないため、合材層全体の合材密度が高くなり、ハイレートサイクルに伴う性能低下がむしろ大きくなる。
上記によれば、ハイレートサイクルに伴う性能低下が抑制されたリチウムイオン二次電池用負極が提供される。
電極製造装置の構成の一例を示す概略図である。 リチウムイオン二次電池の構成の一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態(以下「本実施形態」と記す)の一例を説明する。ただし本実施形態は以下の説明に限定されるものではない。以下の説明では、リチウムイオン二次電池を単に「電池」と記す場合がある。
<リチウムイオン二次電池用負極>
本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極は、造粒体から構成された負極合材層を備える。
《造粒体》
造粒体は、負極合材粉末を造粒してなる粒状体(複合粒子の集合体)である。たとえば光学顕微鏡を用いて、造粒体から構成された負極合材層を観察すると、複合粒子が石垣状に敷き詰められた状態が確認できる。
造粒体は、負極活物質およびバインダを含有する。造粒体は、負極活物質を、たとえば97〜99.5質量%程度含有する。負極活物質は、好ましくは鱗片状黒鉛である。鱗片状黒鉛を用いることにより、所望の85度鏡面光沢度すなわち最表面の合材密度が実現されやすいためである。鱗片状黒鉛は、球形化処理が施された球形化黒鉛であってもよい。球形化黒鉛の場合、その表面に、非晶質炭素による被覆処理が施されていてもよい。
鱗片状黒鉛のd50は、たとえば1〜20μm程度でよい。「d50」は、レーザ回折/散乱法によって測定された体積基準の粒度分布において累積値50%での粒径(「メジアン径」とも称される)を示すものとする。
造粒体は、バインダを、たとえば0.5〜3.0質量%程度(好ましくは1.0〜2.0質量%程度)含有する。バインダは、たとえば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸(PAA)ならびにこれらのナトリウム(Na)塩、リチウム(Li)塩およびアンモニウム塩等であってもよい。本発明者の検討のよると、これらのうち、ポリアクリル酸のNa塩(ポリアクリル酸ナトリウム;PAA−Na)、ポリアクリル酸のLi塩(ポリアクリル酸リチウム;PAA−Li)、およびポリアクリル酸のアンモニウム塩(ポリアクリル酸アンモニウム;PAA−NH4)が好ましい。
すなわち造粒体は、バインダとしてPAA−Na、PAA−LiおよびPAA−NH4からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。これらのバインダを用いると、所望の85度鏡面光沢度が実現されやすいためである。メカニズムの詳細は明らかではないが、これらのバインダにより造粒体に柔軟性が付与されるためと予想される。より好ましくはPAA−Na、PAA−LiおよびPAA−NH4において、中和度は70%以上100%以下である。ここで中和度とは、ポリアクリル酸の全構成単位のうち、カルボキシ基(−COOH)が塩(たとえば「−COONa」)となっている構成単位のモル比率を示している。
造粒体は、2種以上のバインダを含有していてもよい。たとえば造粒体は、上記のPAA−Na等を第1成分とし、スチレンブタジエンゴム(SBR)等を第2成分として含有していてもよい。第2成分の含有量は、たとえば0.1〜1.0質量%程度とするとよい。第2成分として適用可能なバインダとしては、SBRの他、たとえばアクリロニトリルブタジエンゴム(NMR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が挙げられる。
造粒体は、攪拌造粒装置を用いて調製することができる。たとえばアーステクニカ社製の「ハイスピードミキサ」、「ハイフレックスグラル」等またはこれらの同等品を用いて、造粒体を調製することができる。造粒時の溶媒には、たとえば水を用いることができる。造粒時の固形分比率は、好ましくは70〜80質量%程度(典型的には75質量%程度)である。固形分比率は、混合物(造粒体、塗料)において溶媒以外の成分が占める質量比率を示す。
《電極製造装置》
図1は、電極製造装置の構成の一例を示す概略図である。電極製造装置90は、造粒体を用いて電極を製造するための装置である。まず図1を参照しながら、負極の製造方法の概要を説明する。
電極製造装置90は、供給部95と、3本のロール(Aロール91、Bロール92およびCロール93)とから構成される。各ロールに描かれた曲線矢印は、各ロールの回転方向を示している。
造粒体は、湿潤状態のまま(溶媒を含んだまま)、供給部95に充填される。供給部95は、造粒体をAロール91とBロール92とのギャップに供給する。Aロール91には、Bロール92に向かう方向に、所定の荷重が印加されている。そのためAロール91とBロール92とのギャップでは、造粒体が圧密され、シート状に成形される。
(合材密度)
負極合材層の合材密度は、主にAロール91とBロール92とのギャップによって調整することができる。本実施形態では、負極合材層の合材密度が0.90g/cm3以上1.50g/cm3以下となるように、Aロール91とBロール92とのギャップが調整される。負極合材層の合材密度は、0.90g/cm3以上1.21g/cm3以下であってもよいし、1.21g/cm3以上1.50g/cm3以下であってもよい。負極合材層の合材密度は、負極合材層の質量を、負極合材層の体積(面積×厚さ)で除することにより求めるものとする。たとえば、負極から5cm×5cm程度の矩形領域を切り出して、合材密度を測定してもよい。
シート状となった造粒体(すなわち負極合材層)は、Bロール92によって搬送され、Bロール92とCロール93とのギャップに供給される。負極集電体101は、Cロール93によって搬送され、Bロール92とCロール93とのギャップに供給される。
Bロール92とCロール93とのギャップでは、造粒体が負極集電体101に押し付けられ、造粒体はBロール92から離れて、負極集電体101の表面に圧着される。換言すれば、造粒体が負極集電体の表面に転写される。こうして、負極集電体101と、負極集電体101上に配置され、かつ造粒体から構成された負極合材層102とを備えた負極が製造される。その後、負極合材層に残存する溶媒を蒸発させるため、乾燥操作を行ってもよい。
(85度鏡面光沢度)
負極合材層の最表面の密度、すなわち負極合材層の表面の85度鏡面光沢度は、Bロール92とCロール93との周速比によって制御できる。すなわち周速比を調整することにより、Bロール92に接触する造粒体の最表面を選択的に、僅かに変形させることができる。この方法によれば、負極合材層全体の合材密度を高くすることなく、最表面のみ合材密度を高くすることができる。これにより、急激な充電によっても、電解液が流出し難い負極合材層を形成できる。
塗料を塗工することで形成された負極合材層では、上記のような加工は極めて困難である。塗料から形成された負極合材層は、乾燥後でなければ圧縮ができないためと考えられる。すなわち乾燥後の負極合材層は、バインダによって一体物となっているため、局所的な圧縮が困難である。その一方、造粒体は、成形(圧縮)時に湿潤状態であり、造粒体を構成する各粒子が若干の流動性を示すため、上記のような加工が可能になると考えられる。
BロールとCロールとの周速比は、負極合材層の表面の85度鏡面光沢度が、3.0%以上13.4%以下となるように調整される。これによりハイレート充電時の電解液の流出を抑制できる。本発明者の検討によると、負極合材層の表面の85度鏡面光沢度は、3.0%以上13.4%以下の範囲内であれば、低いほど好ましい。負極合材層の表面の85度鏡面光沢度は、好ましくは3.0%以上10%以下であり、より好ましくは3.0%以上8.2%以下であり、特に好ましくは3.0%以上5.1%以下である。
なお「JIS Z 8741:鏡面光沢度−測定方法」に準拠して測定される85度鏡面光沢度とは、入射角(θ)=85±1°、反射角(θ’)=θ±1°としたとき、下記式(I)によって求められる値を示す。
s(θ)=(φs/φos)×Gos(θ)・・・(I)
式(I)中、Gs(θ)、Gos(θ)、φsおよびφosは、以下の値をそれぞれ示す
s(θ):試料面の85度鏡面光沢度
os(θ):使用した標準面の光沢度〔%〕
φs:規定された入射角(θ)に対する、試料面からの鏡面反射光束
φos:規定された入射角(θ)に対する、標準面からの鏡面反射光束。
85度鏡面光沢度は、市販の光沢計によって測定できる。たとえば日本電色工業社製の「PG−1M」またはこれと同等品を用いて、測定を行ってもよい。
以下、実施例を用いて本実施形態を説明するが、本実施形態は以下の例に限定されるものではない。たとえば以下の例では円筒形電池を用いたが、本実施形態は角形電池、ラミネート式電池等にも適用可能である。
<リチウムイオン二次電池の製造>
以下のように、各種負極およびこれを用いた電池を製造した。
《実施例1》
1.負極の製造
以下の材料を準備した。
(負極用材料)
負極活物質:鱗片状黒鉛(d50=10μm)
バインダ(第1成分):ポリアクリル酸ナトリウム(PAA−Na)
バインダ(第2成分):なし
溶媒 :水
負極集電体:銅(Cu)箔。
攪拌造粒装置として、アーステクニカ社製の「ハイフレックスグラル」を準備した。負極活物質とバインダとを、質量比で負極活物質:バインダ=98.5:1.5となるように配合し、攪拌槽に投入した。さらに固形分比率が75質量%となるように溶媒を加え、造粒した。これにより、造粒体を調製した。
図1に示す電極製造装置90に造粒体を供給し、前述のようにして造粒体から負極合材層を形成し、負極を製造した。負極合材層の目付量(単位面積あたりの質量)は、18mg/cm2とした。合材密度の狙い値は0.90g/cm3とした。
AロールとBロールとの周速比(Aロールの周速÷Bロールの周速)は「3」に調整した。BロールとCロールとの周速比(Bロールの周速÷Cロールの周速)は「1.3」に調整した。負極集電体上に、造粒体から構成された負極合材層を形成した後、所定の寸法に裁断した。以上より、実施例1に係る負極を製造した。
2.正極の製造
以下の材料を準備した。
(正極用材料)
正極活物質:Li含有ニッケルコバルトマンガン複合酸化物(d50=6μm)
導電材 :アセチレンブラック(AB)
バインダ :ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
溶媒 :N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
正極集電体:アルミニウム箔。
プラネタリミキサの混合容器に、正極活物質、ABおよびPVDFを投入し、適宜NMPを加えて混練することにより、正極合材スラリーを調製した。固形分の配合は、質量比で正極活物質:AB:PVDF=93:4:3とした。
ダイコータを用いて、正極合材スラリーを正極集電体の表面に塗工し、乾燥させた。これにより正極合材層を形成した。塗工量は、30mg/cm2とした。その後、所定の寸法に、圧縮、裁断することにより、正極を製造した。
3.組み立て
図2は、リチウムイオン二次電池の構成の一例を示す概略図である。図2に示すように、負極100と正極200との間にセパレータ300が介在するように、これらを積層し、かつ巻回した。これにより円筒状の電極群800を構成した。
直径18mm、高さ650mmである円筒形の電池ケース500を準備した。電極群800を電池ケース500に収容した。電池ケース500に所定の電解液を注入し、電池ケース500を密閉した。以上より、電池1000(18650サイズの円筒形リチウムイオン二次電池、定格容量=1Ah)を製造した。
《実施例2〜5》
表1に示すように、BロールとCロールとの周速比を変更することを除いては、実施例1と同様にして、実施例2〜5に係る負極およびこれを用いた電池を製造した。
《実施例6〜10》
合材密度の狙い値を1.20g/cm3に変更することを除いては、実施例1〜5と同様にして、実施例6〜10に係る負極およびこれを用いた電池を製造した。表1の合材密度の欄に示す値は実測値である。
《実施例11〜15》
合材密度の狙い値を1.50g/cm3に変更することを除いては、実施例1〜5と同様にして、実施例11〜15に係る負極およびこれを用いた電池を製造した。
《実施例16〜18》
表1に示すように、PAA−Naに代えて、PAA−Li、PAA−NH4、およびPAA−Na(第1成分)とSBR(第2成分)との混合バインダを用いることを除いては、実施例1と同様にして、実施例16〜18に係る負極およびこれを用いた電池を製造した。
《比較例1および2》
表1に示すように、BロールとCロールとの周速比を「1」、「3.5」にそれぞれ調整することを除いては、実施例6〜10と同様にして、比較例1および2に係る負極および電池を製造した。
Figure 2017068915
<評価>
1.85度鏡面光沢度の測定
前述の方法によって、各負極において、負極合材層の表面の85度鏡面光沢度を測定した。結果を表1に示す。
2.ハイレートサイクル試験
ハイレートサイクル試験により電池性能を評価した。25℃に設定された恒温槽内に電池を配置した。電池のSOC(State Of Charge)を60%に調整した。以下のパルス充電とパルス放電との組み合わせを1サイクルとして、充放電サイクルを3000サイクル実行した。ここで電流の単位「C」は電池の定格容量を1時間で放電しきる電流を示すものとする。
(サイクル条件)
パルス充電:電流=10C、充電時間=80秒
パルス放電:電流=2C、放電時間=400秒。
3000サイクル後のIV抵抗を、初期のIV抵抗で除することにより、抵抗増加率(百分率)を求めた。結果を表1に示す。表1中、抵抗増加率が低い程、ハイレートサイクルに伴う性能低下が小さいと評価できる。
<結果と考察>
表1より、BロールとCロールとの周速比によって、負極合材層の表面の85度鏡面光沢度を制御できることが分かる。その一方、AロールとBロールとの周速比は、85度鏡面光沢度に、影響しないことが分かる。
表1より、負極合材層の密度が0.90g/cm3以上1.50g/cm3以下であり、かつ負極合材層の表面の85度鏡面光沢度が3.0%以上13.4%以下である実施例の負極を用いた電池は、かかる条件を満たさない比較例の負極を用いた電池に比し、ハイレートサイクルに伴う性能低下が抑制されていることが分かる。最表面の合材密度を選択的に高めることにより、ハイレートサイクルに伴う電解液の流出が抑制されたためと考えられる。またこの態様によれば、負極合材層全体の合材密度は低く保つことができるため、負極合材層内に十分な量の電解液を保持させることができたと考えられる。
実施例の負極を用いた電池の結果を比較すると、85度鏡面光沢度が3.0%以上13.4%以下の範囲内では、85度鏡面光沢度が低い程、性能低下が小さいことが分かる。
実施例1ならびに実施例16〜18の結果から、バインダ種にかかわらず、性能低下の抑制効果を確認できた。今回使用したPAA−Na、PAA−LiおよびPAA−NH4ならびにPAA−NaとSBRとの混合バインダの間では、造粒体の物性に大差がないと考えられる。
以上のように、本実施形態によればハイレートサイクルに伴う性能低下を抑制できる。ゆえに本実施形態は、たとえばハイレートサイクル特性が重視される車載用途に好適といえる。
今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
90 電極製造装置、91 Aロール、92 Bロール、93 Cロール、95 供給部、100 負極、101 負極集電体、102 負極合材層、200 正極、300 セパレータ、500 電池ケース、800 電極群、1000 電池。

Claims (1)

  1. 造粒体から構成された負極合材層を備え、
    前記負極合材層の密度は、0.90g/cm3以上1.50g/cm3以下であり、
    前記負極合材層の表面の85度鏡面光沢度は、3.0%以上13.4%以下である、リチウムイオン二次電池用負極。
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