JP2017067378A - 天井内消音換気ルーバー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】天井チャンバ方式の空調システムにおいて、室内音が換気によって室外に漏洩するのを防止するため天井内に配設される消音ルーバーであって、天井内間仕切り壁に穿設された方形の通風孔に嵌装する枠体2と、枠体2内に架設される複数の筒状消音体3とで構成され、筒状消音体3が円筒形の消音材と、消音材の中空部に貫挿され、消音材を枠体に固着するための支持管とで構成されてなる。
【選択図】図1
Description
しかし、この消音エルボは、内部を流れる空気を伝播する音に対し、エルボ内面に貼着されたガラスウール等の吸音材による音の吸収と、エルボによる音の反射減衰とを利用して音の伝搬、漏洩を防止するものであり、比較的大きな消音効果が得られるが、間仕切り壁の天井内部分表面から突出した短ダクトの端部に消音エルボで方向転換した形状で取り付けられるので、天井内のスペースにゆとりがないと取り付け難く、また取り付けた消音エルボを安定に保持するためには上階床の梁に吊設固定する必要があるなど、間仕切り壁の天井内部分への通風ダクト用の開口の補強枠段取りから鉛の張設までの工程数が多く、工費がかかるという問題があった。
また、消音エルボやパスダクトの面積を小さくして費用を抑えたり納まりを良くしようとすると、ダクト内の通風断面積が小さくなるため還気又は排気を通過させる通風抵抗が大きくなり、所定の還気又は排気量が確保できず、無理に確保しようとすると空調機ファンの搬送動力が大きくなるだけでなく、パスダクトの通過風速が速くなると風切り音が発生して本末転倒となる。
このように上記消音エルボを設ける構造は、消音エルボの形状から気流に対する抵抗値が高くなり、これを減じるため気流の面速度を1.5m/s前後に設定されていたことから、納まりが悪いだけでなく、ダクト内の通風断面積が大きいため、ダクトやエルボ内面吸音材に波として当たる音の吸収やエルボの形状による音の反射が何度も起こる減衰が効かない、数度しか吸音材にぶつからずダクト内で減衰しない音が多くなり、クロストーク(別な空間に音がもれてしまう現象:室間漏話)を防止しにくいという問題があった。
また、一定の通風断面積を確保しようとすると、消音エルボのサイズが大きくなるため、設置スペースの狭い箇所では取付作業が困難となるおそれがある。
そして、消音エルボで気流を90°方向転換するため、天井内の収まりが厳しいという問題もあった。
さらにパスダクトの間仕切壁の天井内部分の施工は、通常、墨出し→開口→ダクトの開口部貫通→実管スリーブ施工→短管ダクト接続→短管ダクト接続の両端に消音エルボ設置→穴埋め→鉛シート張りという工程で行われ、工程数が多く、施工費の増大化が余儀なくされている。これは、間仕切りを下地専用の軽量形鋼(LGS)で下地を組みボードを貼る工法で形成する場合でも、墨出しの後,LGSで開口部分を枠形成し、ボード開口した後、ダクトの開口部貫通に続き、まったく工程は減少しない。
(1)外部とのクロストークを防止する必要のある対象室からの還気又は排気を、他の室に設置される空調機へ前記対象室天井内空間でダクトを介さずに戻す天井チャンバ方式の空調システムにおいて、前記対象室の室内音が、前記対象室を形成する間仕切壁を通過して還気又は排気経路を介して室外に漏洩するのを防止するため前記間仕切壁の天井内部分に配設される消音ルーバーであって、
前記間仕切り壁の天井内部分に穿設された方形の通風孔に嵌装する枠体と、該枠体内に架設され、枠体内の還気又は排気が流れる方向の前後複数列として千鳥に配設され、かつ還気又は排気が流れる方向に平面視した際に向こう側が見えない密度で配設される複数の筒状消音体とを有し、前記還気又は排気は前記筒状消音体の表面にぶつかって流れ、前記筒状消音体が、円筒形の消音材であり、前記筒状消音材の中空部を背後空気層として構成されてなることを特徴とする天井内消音換気ルーバー。
(2)前記複数の筒状消音体が、枠体に水平又は鉛直に架設されるよう、前記筒状消音材の中空部に貫挿され、前記消音材を枠体に固着するための支持管を備えていることを特徴とする(1)に記載の消音換気ルーバー。
(3)前記円筒形の消音材が、配管用のグラスウール保温筒で構成され、かつその表面に防塵塗装が施されてなり、該塗装表面が平滑化されて還気又は排気への流通抵抗を減少させてなることを特徴とする(1)又は(2)に記載の天井内消音換気ルーバー。
(4)前記枠体が、短尺の角筒の外郭鋼板と、その内面に積層配置されたグラスウール、ガラスクロス、パンチングメタルとで構成されてなることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の天井内消音換気ルーバー。
(5)前記枠体が、その垂直内壁面の前記角筒の外郭鋼板に固定され、枠体のグラスウール、ガラスクロス、パンチングメタルを貫通して、前記筒状消音体を貫装する固定具を千鳥に配設してなることを特徴とする(4)に記載の天井内消音換気ルーバー。
前記間仕切り壁の天井内部分に穿設された方形の通風孔に嵌装する枠体と、該枠体内に架設され、枠体内の還気又は排気が流れる方向の前後複数列として千鳥に配設され、かつ還気又は排気が流れる方向に平面視した際に向こう側が見えない密度で配設される複数の筒状消音体とを有し、前記還気又は排気は前記筒状消音体の表面にぶつかって流れ、前記筒状消音体が、円筒形の消音材であり、前記筒状消音材の中空部を背後空気層として構成されているので、
消音換気ルーバーを構成する部材数が少なく構造も簡単で製造しやすく、また消音材に、すでに保温材として使用されているガラスウール保温筒等を流用できることから、材料費やルーバー製作費は安価で加工性も良い。また、会議室などのクロストークを防止すべき室と外部との間仕切りの天井内部分の開口に奥行きの小さなルーバーを嵌めるだけで済むことから、間仕切り墨出し、箱抜き開口(LGSの額縁設置とボード開口)、ルーバー設置、充填材による隙間穴埋め、と手順が少なく、工事費の大幅な削減ができる。さらに背後空気層を備えているので、低廉でかつ高性能な消音ルーバーが提供できる。そして、パスダクトや消音ルーバーでは、通過風量に対する消音材の面積が大きいほど消音効果が高くなるが、簡単な構成なのに非常に消音材面積が稼げる構成となっている。ルーバーの格子部分を筒状消音材としたことで、消音材面積を大きく稼ぎながら、風路としての通風抵抗を極小にできた。
〈2〉前記複数の筒状消音体が、枠体に水平又は鉛直に架設されるよう、前記筒状消音材の中空部に貫挿され、前記消音材を枠体に固着するための支持管を備えているので、
前記消音ルーバー内を通過する還気は消音材の間を蛇行して流れ、消音材との接触時間が長くなるので、還気に乗った音声の減衰度も高まり、他室への漏洩が防止できる。天井納まりが厳しい場合通常長手方向である水平に架設するので筒状消音体の本数が少なくてすみ低廉な消音ルーバーを提供でき、天井納まりに余裕があり、対象室が小さい場合にも鉛直方向に長く消音ルーバーを低廉に提供できる。
また、何れの場合もルーバー枠体への取り付けも、予め筒状消音材の中空部に支持管を挿入するだけで支持できるので消音ルーバーの製作が容易になる。
〈3〉前記円筒形の消音材が、配管用のグラスウール保温筒で構成され、かつその表面に防塵塗装が施されてなり、該塗装表面を平滑化されているので、
前記消音材表面への塵埃の付着が防止でき、また還気又は排気の気流への抵抗が減じられ、空調設備としの機能を損なうことがない。配管用のグラスウール保温筒という別な用途で汎用化している材料を用いることで大変低廉に消音ルーバーを提供できる。また、消音材の表面が平滑化されていることで、天井内の開口として面速1.5m/sで所定の還気または排気風量を流す面積としても、風路抵抗は非常に少なくてすむ。また、防塵塗装として平滑化したことで室内からの還気または排気に同伴されるほこりの付着が阻害され、風路抵抗が増加せずメンテナンスの頻度が抑えられる。
〈4〉前記枠体が、短尺の角筒の外郭鋼板と、その内面に積層配置されたグラスウール、ガラスクロス、パンチングメタルとで構成されているので、
パンチングメタル背後のグラスウールも消音効果をもたらし、還気に乗った音声の他室への漏洩防止をより高めることができる。
〈5〉前記枠体が、その垂直内壁面の前記角筒の外郭鋼板に固定され、枠体のグラスウール、ガラスクロス、パンチングメタルを貫通して、前記筒状消音体を貫装する固定具を千鳥に配設しているので、
消音材の枠体への取付は、枠の外郭鋼板に強固に固定された固定具へ、筒状消音体の中空部に支持管を貫挿した消音材を差し込めばよく、さらに、間仕切り壁の天井内部分に穿設された方形の通風孔への取付も消音ルーバーとして組み立てられた状態で実施できるので、従来の消音エルボを設けた空調設備に比べて大幅な工期の短縮と大幅な工事費の削減が図れる。
図1は本発明の天井内消音換気ルーバーの外観斜視図、図2は図1に示す天井内消音換気ルーバーの横断面図、図3は図1に示す天井内消音換気ルーバーの縦断面図、図4は本発明の天井内消音換気ルーバーに装着される筒状消音体の構成を示す斜視図、図5は本発明の天井内消音換気ルーバーを天井内間仕切りへ取り付けた状態図である。
図において1は消音換気ルーバー、2は枠体、3は筒状消音体、4は円筒形状のグラスウールの消音材、5は支持管、6は塗装面、7は外郭鋼板、8はグラスウール、9はガラスクロス、10はパンチングメタル板、11は固定具(カラー)であり、20は間仕切り壁、21は天井板(天井ボードやシステム天井の鋼板製天井板)、22は上階の床スラブに固定される間仕切りの上端形鋼材を示す。
なお、本実施の態様においては前記円筒形状のグラスウールの消音材4として、配管保温用のグラスウール保温筒を使用しているが、これに限定されるものではなく配管の保温用途なら安価で入手しやすく、例えばロックウール保温筒、ポリエチレンフォーム保温筒、ポリスチレンフォーム保温筒等を用いてもよい。間仕切りの区画により防火性能を要求される場合、グラスウール保温筒やロックウール保温筒を用いると防火性能を満たすので適切である。
また、本実施の形態においては、前記筒状消音体3は、図4に示すように円筒形状のグラスウールの消音材4と、自己形状保持は十分あるが強い風力には少し耐力に欠ける前記円筒形状のグラスウールの消音材4の中空部に挿入され、円筒形状のガラスウールの消音材4を支持して枠体に固着する支持管5と、前記消音材4の表面に施された防塵塗装面6とで構成されている。支持管5については、設置する間仕切りの区画に対応して、防火区画の貫通部なら鋼管を選択し、非防火区画なら例えば塩ビ管などの軽量樹脂管としてもよい。
前記防塵塗装面6は、筒状消音体3の表面であり、常に風が接するため、埃がつきやすいことから、通風の妨げにならず、かつ防塵性があり平滑で付着阻害作用の高い塗料や、撥水効果や撥油効果のある塗料が塗布される。
本実施例においては、フッ素樹脂を含有する塗料(株式会社フロロテクノロジー製、撥水撥油処理剤「フロロサーフ」)を使用しているが、同様の効果を有する塗料であれば任意に選択できる。
そして枠体2は、図3に示すように、天井内の間仕切り壁に穿設した方形の通気口に嵌入するため強固に消音換気ルーバーを形成し火災時に形状を一定期間維持できる1.6mm以上の厚さを有する外郭鋼板7と、該外郭鋼板7の内面に枠体自体の消音材としてグラスウール8、ガラスクロス9、風圧による消音材剥離を抑えるパンチングメタル板10が順次積層されて構成され、消音効果を高めている。また、枠体2の垂直壁面のパンチングメタル板10の内面には 前記筒状消音体3を固着するためのカラーである固定具11が千鳥に配設固定され、該個定具11の中心軸に同軸に前記支持管5が外郭鋼板7の内面に固定されるように前記筒状消音体が挿入・固定される。
なお、本実施の態様においては前記外郭鋼板7の内面にはグラスウールの抑えにガラスクロスとパンチングメタル板を用いているが、これに限定されるものではなく、例えば抑えにアルミガラスクロス等を用いてもよい。
また、固定具11は、筒状消音体3を枠体2に固着させることができるものであればよく、実施例ではパンチングメタル板に固定されているが、外郭鋼板7に固定されていても良く、その形状や固定方法は本実施例に限定されるものではなく、適宜選択することができる。
天井内消音換気ルーバー1の製作としては、枠体2の短手の一方の枠を形成する外郭鋼板7(端部を内側に、グラスウール8+ガラスクロス9+パンチングメタル板10の厚み分折り曲げた鋼板)の内側面に、グラスウール8を貼り込み、所定の千鳥に筒状消音体3が配設されるよう筒状消音体3の外径にグラスウール8に穴を開設し、その穴を介して支持管5をビスなどで外郭鋼板7に固定する。所定の千鳥に筒状消音体3外径の穴を予め配設したガラスクロス9及びその孔にカラーである固定具11を嵌めたパンチングメタル板10を、複数の支持管5に貫挿して外郭鋼板7に固定する。枠体2のほかの3方枠を形成する外郭鋼板7(端部を内側に、グラスウール8+ガラスクロス9+パンチングメタル板10の厚み分折り曲げた鋼板)の内側面に、グラスウール8を貼り込み、長手方向の外郭鋼板7には抑えのガラスクロス9及びパンチングメタル板10を固定する。もう一方の短手方向の外郭鋼板7には、所定の千鳥に筒状消音体3外径の穴を予め配設したガラスクロス9及びその孔にカラーである固定具11を嵌めたパンチングメタル板10を固定し、塗装面6を形成済みのグラスウール消音材4を支持管5に外嵌した状態で、支持管5をもう一方の短手方向の外郭鋼板7の内面にビスなどで固定しながら4方枠を組み立てる。
枠体2の消音材抑えであるパンチングメタル板10に強固にカラーである固定具11が固着できるのであれば、短手方向の外郭鋼板7の所定の千鳥にグラスウール8、ガラスクロス9、パンチングメタル板10の穴開設を省略し、カラーである固定具11のみの保持力で筒状消音体3を保持するようにしてもよい。また、グラスウール消音材4は自己形状保持力があるため、支持管5は、短手方向の枠体2部の外郭鋼板7から所定の長さだけ突き出していて、グラスウール消音材4の長さ方向の中央部は支持管5が内嵌されていない状態にしていてもよい。
本実施の形態においては、前記筒状消音体3は、円筒形状のグラスウールの消音材4と、それを支持して枠体に固着する支持管5とを備えるが、この円筒形状のグラスウールの消音材4は、消音用にグラスウールを特製して形成するものではなく、建築設備において非常に汎用的に用いられている配管の保温材としての保温筒を用いることが特徴である。JIS A9504や、JIS A9511に規定される保温材の、特に保温筒を利用するのが、支持するための支持管の管サイズとの適用性で好適である。例えば保温筒のサイズを20Aと選択すると、管外径26〜27mmに適合するように筒内面が製作され、配管用炭素鋼鋼管でも硬質ポリ塩化ビニル管でも遊びなく嵌合することができる。保温筒とは、グラスウールに接着剤を用いて円筒状に形成したものである。今回の実施例では仕上げにガラスクロスを巻いているものを利用すると塗装の乗りが良い。密度によって24K〜96Kに区分されるが、例えば40Kの密度で厚みを25t、内部管径20Aの保温筒を用いるのが適用性で好適な一例である。
また、後述するが、筒になったことで背後空気層が形成できている消音材となっていることも好適である。
消音エルボにおいては、気流の面速度を1.5m/sとして気流に対する抵抗を減らしつつ、面積を小さくして費用を抑えたり納まりを良くしているが、ダクト内の通風断面積が小さくなるため還気又は排気を通過させる通風抵抗が大きくなり、空調機ファンの搬送動力が大きくなるだけでなく、風切り音が発生する恐れもあるぎりぎりである。この短ダクトでの面速度1.5m/sを、消音エルボ部分で速度を小さくすると、納まりが悪いだけでなく、ダクト内の通風断面積が大きいため、ダクトやエルボ内面吸音材に波として当たる音の吸収やエルボの形状による音の反射が何度も起こる減衰が効かない、数度しか吸音材にぶつからずダクト内で減衰しない音が多くなり、クロストーク(別な空間に音がもれてしまう現象:室間漏話)を防止しにくいという問題があった。
しかし、本発明の天井内消音換気ルーバー1においては、気流は枠体2内に水平に、かつ前後複数列として、千鳥に架設された筒状消音体3の表面に沿って蛇行するものの、消音エルボのように直角に曲げられることなく滑らかに通過するので、気流に対する抵抗圧力損失は、面速1.5m/sで所定風量流しても8Pa(0.8mmAq)と極めて小さく、このように抵抗圧力損失が小さいのはルーバーをなす円筒消音材3の円筒形状によるところが大きく、面速度を上げることによって発生しやすくなる風切り音も円筒消音材3の形状や圧力損失の低さからその風切り音発生部位が生じにくくて防止でき、良好な消音効果が得られるとともに、消音換気ルーバー1の小型化も図れている。このようにパスダクトと同じ面速度で形成できるので、天井内部分の間仕切りへの設置は、パスダクトと同じ面積で済みながら、ダクト防音やエルボの吊設の手間がなく容易となっている。
図6は本発明の天井内消音喚起ルーバーの消音設計についての説明用NC曲線図であり、本発明の天井内消音換気ルーバー1の製作に先立ち消音性能をクロストーク消音設計として行った消音計算書における合成音圧レベルを表している。
同図において横軸はオクターブバンドレベル中心周波数、縦軸は音圧レベルである。
上記消音計算書で設計基準として示されるのは、例えば、本発明の天井内消音換気ルーバーを天井内部分の間仕切りに設置する会議室の室表面積(137m2)、廊下の表面積(137m2)、受音点の位置(廊下側室中央H=1.5m)とし、会議室と廊下に平均吸音率と放射係数、会議室と廊下の天井チャンバ内減衰量等の消音に関わるパラメータを加味して計算を行うクロストーク消音設計計算を表したNC(Noise Criteria)曲線である。
会議室内の音圧レベル(a)について、オクターブバンドレベル中心周波数 63,125,250,500,1000,2000,4000,8000の各Hz毎(以下、中心周波数ごとの各Hz毎という。)に、男性の声として設定したパワーレベルdBを、70,75,79,79,76,75,69,64とした音源とし、廊下での基準値となるNC−40(会話妨害レベルが40dBの意味)を表す音圧レベル(b)とする条件を示し、計算上での合計減衰量を合算して(a)の音圧レベルから減じた、廊下受音点での計算上の音圧レベル(c線)を定めたものである。
音源室である会議室の放射係数を、表面積137m2(会議室の大きさ:6m×6m、天井高2.7mと設定)、θ=4、r=1.5として、放射係数計算式10Log(θ/4πr2+4/R)から、音源室の音源と開口との距離に伴う放射係数補正は、中心周波数ごとの各Hz毎で、−4.0,−5.0,−6.0,−6.0,−6.0,−6.0,−6.0,−6.0となり、会議室天井チャンバ内減衰量は、システム天井の値を採用し、中心周波数ごとの各Hz毎で、−1.0,−3.0,−5.0,−6.0,−8.0,−8.0,−7.0,−7.0となる。
受音室である廊下の放射係数を、表面積137m2、θ=4、r=1.5として、放射係数計算式10Log(θ/4πr2+4/R)から、音源室の音源と開口との距離に伴う放射係数補正は、中心周波数ごとの各Hz毎で、−4.0,−5.0,−6.0,−6.0,−6.0,−6.0,−6.0,−6.0となり、廊下側天井チャンバ内減衰量は、システム天井の値を採用し、中心周波数ごとの各Hz毎で、−1.0,−3.0,−5.0,−6.0,−8.0,−8.0,−7.0,−7.0となり、廊下側開口の開放端減衰は、S=0.18として、中心周波数ごとの各Hz毎で、−8.0,−4.0,−2.0,−1.0,0.0,0.0,0.0,0.0となる。
これらと、消音換気ルーバーへ開口入射PWL補正で、S=0.18として、中心周波数ごとの各Hz毎で、−7.4,-7.4,−7.4,−7.4,−7.4,−7.4,−7.4,−7.4を考慮すると、設計消音換気ルーバーの設計減衰量は、中心周波数ごとの各Hz毎で、−2.5,−3.5,−4.5,−9.0,−15.0,−18.0,−19.0,−17.0となると、基準値であるNC−40をはるかに下回る、廊下受音点での計算上の音圧レベル(c線)が達成できる。
同図(a)は、本発明の天井内消音換気ルーバーを配置して、測定点Aと測定点Bでの音圧レベルを測定する場合の構成である。音源室及び測定室を模した室に対し、実際に1.5m/sで消音換気ルーバーを通気させつつ、音源室にてスピーカにて音を発生させて受音室である測定室(実際は廊下天井チャンバ内で測定する状態)で、実情に即して、減衰量を計測する。
同図(b)は、本発明の天井内消音換気ルーバーを使用せずにダクトを配置して測定点Aと測定点Bでの音圧レベルを測定する場合の構成である。
図8は試験用送風機の風量を970CMH、ダクトサイズを600×300とし、前記試験用送風機から970CMHの風量をダクトに送りダクトから出てくる音圧を、天井内消音換気ルーバー1及びダクトの正面前方1mの位置(測定点A)に配設した騒音計でその測定した音圧レベル、図9は天井内消音換気ルーバー1及びダクトの正面1mの距離で下方に45度の位置(測定点B)で測定した音圧レベルを表す。
このように本発明の天井内消音換気ルーバー1の効果を、送風機からダクトを介して送られ風に乗せて送られる雑音を、前記ダクトの開口外周に設けられた遮音壁に前記ダクトに接続させた前記消音換気ルーバー1に流入させ、その正面前方1mの位置に配設した騒音計でその音圧レベルを測定するとともに、前記消音換気ルーバーを取り外したダクト短管のみの場合の音圧レベルとの比較によって検証した。
図8において横軸はオクターブバンドレベル中心周波数、縦軸は音圧レベルである。
また、折れ線は上からダクト正面から1mの位置における音圧レベル(▲)、消音スリーブ正面から1mの位置における音圧レベル(◆)、倉庫内の音圧レベルを表し、棒線ブラフは消音性能(▲−◆)を表している。
同様に図9において横軸はオクターブバンドレベル中心周波数、縦軸は音圧レベルである。
また、図8と同様に折れ線は上からダクト正面から1mの位置における音圧レベル(▲)、消音スリーブ正面から1mの位置における音圧レベル(◆)、倉庫内の音圧レベルを表し、棒線ブラフは消音性能(▲−◆)を表している。
通常、直達音を計測する測定点Aを示す図8が厳しい値となるが、図8の棒グラフの中心周波数ごとの各Hz毎で、−2.7,−3.9,−4.1,−9.3,−15.9,−18.2,−20.1,−17.5となり、設計減衰量である中心周波数ごとの各Hz毎で、−2.5,−3.5,−4.5,−9.0,−15.0,−18.0,−19.0,−17.0と比べ、250Hzで僅かに0.4少なかったことを除き、設計よりも大きな減衰量がえられ、当然基準値であるNC−40を遥かに超える減音性能を有することがわかる。
この高い性能、特にグラスウールの吸音性能では苦しい低いオクターブバンド中心周波数で高い減衰量を確保するのは、単に消音換気ルーバーのルーバー状消音体に無垢のグラスウールを使用するだけでは無理であり、同じ吸音材の厚みでも厚さを厚くする代わりに、多孔質材料の背後に空気層を設けることで低音域の大きな吸音率になる現象を利用した、内部が空気層になっている円筒形状のグラスウールの消音材4と、自己形状保持は十分あるが強い風力には少し耐力に欠ける前記円筒形状のグラスウールの消音材4の中空部に挿入され、円筒形状のグラスウールの消音材4を支持して枠体に固着する支持管5とで構成されていることで、高い消音性能を発揮していることが確認できる。
この消音換気ルーバーは、この実施例では枠体2に20A用の保温筒である円筒形状のグラスウールの消音材4を枠体に正対して見通せないように奥行き3列の千鳥配置したことで、枠体2の奥行きは225mmに抑えることができ、それでいて消音エルボ1.5個分の高い消音性能を保有した消音換気ルーバーが実現できた。
円筒形状の吸音材をその円筒内を空気流路として利用するような消音セルとしての利用ではなく、円筒内の空間を背後空気層として有効利用し、その円筒の表面の空気の流れやすさと風切り音の発生しにくさを利用したことで高い性能を有する消音器が実現できた。
なお、これまで、天井内の懐が小さい建物が多いので、枠体2の縦横比の横が長い消音換気ルーバーを示してきたが、天井に高さの余裕がある場合、枠体2の縦横比の縦が長い消音換気ルーバーの場合は、複数の筒状消音体が、枠体に鉛直に架設されるよう、筒状消音材の中空部に貫挿され、消音材を枠体に固着するための支持管を備える様にしてもよい。
2:枠体
3:筒状消音体
4:円筒形状の消音材
5:支持管
6:塗装面
7:外郭鋼板
8:グラスウール
9:ガラスクロス
10:パンチングメタル板
11:固定具
20:間仕切り壁
21:天井板
22:上階の床スラブに固定される間仕切りの上端形鋼材
Claims (5)
- 外部とのクロストークを防止する必要のある対象室からの還気又は排気を、他の室に設置される空調機へ前記対象室天井内空間でダクトを介さずに戻す天井チャンバ方式の空調システムにおいて、
前記対象室の室内音が、前記対象室を形成する間仕切壁を貫通する還気又は排気経路を介して室外に漏洩するのを防止するため前記間仕切壁の天井内部分に配設される消音ルーバーであって、
前記間仕切り壁の天井内部分に穿設された方形の通風孔に嵌装する枠体と、
該枠体内に架設され、枠体内の還気又は排気が流れる方向の前後複数列として千鳥に配設され、かつ還気又は排気が流れる方向に平面視した際に向こう側が見えない密度で配設される複数の筒状消音体とを有し、
前記還気又は排気は前記筒状消音体の表面にぶつかって流れ、
前記筒状消音体が、円筒形の消音材であり、前記筒状消音材の中空部を背後空気層として構成されてなることを特徴とする天井内消音換気ルーバー。 - 前記複数の筒状消音体が、枠体に水平又は鉛直に架設されるよう、前記筒状消音材の中空部に貫挿され、前記消音材を枠体に固着するための支持管を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の天井内消音換気ルーバー。 - 前記円筒形の消音材が、配管用のグラスウールの保温筒で構成され、かつその表面に防塵塗装が施こされてなり、該塗装表面が平滑化されて還気又は排気への流通抵抗を減少させてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の天井内消音換気ルーバー。
- 前記枠体が、短尺の角筒の外郭鋼板と、その内面に積層配置されたグラスウール、ガラスクロス、パンチングメタルとで構成されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の天井内消音換気ルーバー。
- 前記枠体が、その垂直内壁面の前記角筒の外郭鋼板に固定され、枠体のグラスウール、ガラスクロス、パンチングメタルを貫通して、前記筒状消音体を貫装する固定具を千鳥に配設してなることを特徴とする請求項4に記載の天井内消音換気ルーバー。
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