以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(水中電動ポンプの構成)
図1を参照して、本発明の第1実施形態の水中電動ポンプ100について説明する。
第1実施形態による水中電動ポンプ100は、図1に示すように、ポンプ本体101と、ポンプ本体101とは別体で設けられるオイル貯留タンク102とを備えている。また、水中電動ポンプ100は、ポンプ本体101とオイル貯留タンク102とを同じ高さ位置に横並びで有しており、オイル貯留タンク102の液位を視認することにより、ポンプ本体101(後述するオイル室5)の液位を把握可能に構成されている。詳細については後述する。また、水中電動ポンプ100は、回転軸2が上下方向に延びる縦型の水中電動ポンプである。
(ポンプ本体の構成)
ポンプ本体101は、モータ1と、回転軸2と、羽根車3と、ポンプ室4と、オイル室5と、摺動部6aおよび6bを有するメカニカルシール6と、環状体7とを備えている。なお、ポンプ本体101は、オイル室5に連結されるオイル貯留タンク102の後述する上側連結管95aおよび下側連結管95bを介して、オイル貯留タンク102との間で、流体(液体)または気体を互いに流入(流出)させることが可能なように構成されている。また、上側連結管95aおよび下側連結管95bは、それぞれ、特許請求の範囲の「連結管」の一例である。
モータ1は、固定子11と、回転子12とを含んでいる。モータ1は、外部からの水が浸入しないように、密閉されている。また、モータ1は、羽根車3(回転軸2)を回転駆動させるように構成されている。
固定子11は、コイルを有する。また、固定子11は、モータ1の内部に配置されている。また、ケーブル13より固定子11のコイルに電力が供給されることにより、磁界を発生させるように構成されている。回転子12は、固定子11と対向するように回転軸2の外周に取り付けられている。また、回転子12は、固定子11からの磁界により回転するように構成されている。
回転軸2は、モータ1の駆動により回転するように構成されている。また、回転軸2は、モータ1の駆動を羽根車3に伝達するように構成されている。また、回転軸2は、平面視において(上方から見た場合に)、時計回り(右回り)に回転するように構成されている。また、回転軸2は、ベアリング21および22により回転可能に支持されている。ベアリング21は、モータ1の反負荷側(ポンプ室4に対して反対側)に設けられている。ベアリング22は、モータ1の負荷側(ポンプ室4側)に設けられている。また、回転軸2は、モータ1からオイル室5を貫通してポンプ室4まで延びるように配置されている。また、回転軸2のポンプ室4側端部には、羽根車3が取り付けられている。
羽根車3は、ポンプ室4内に配置されている。また、羽根車3は、回転駆動することにより、水に速度エネルギーを与える。そして、ポンプ室4内にて水の速度エネルギーが圧力エネルギーに変換されることによって、水に圧力が作用されて送られるように構成されている。つまり、羽根車3の回転駆動により、ポンプ室4の吸水口41から水が吸い上げられて、吐出口42から吸い上げられた水が吐出される。
オイル室5は、モータ1およびポンプ室4の間に配置されており、オイル室5には、オイルが充填されている。オイル室5のモータ1側は、壁51が配置されている。また、オイル室5の回転軸2の周りには、オイルリフター52が設けられている。また、オイル室5内には、摺動部6aおよび6bを有するメカニカルシール6が設けられており、オイル室5に充填されたオイルによって摺動部6aおよび6bが潤滑されるとともに、摺動部6aおよび6bが焼きつかないように冷却されるように構成されている。具体的には、メカニカルシール6の負荷側(ポンプ室4側)の摺動部6aは、オイル室5のポンプ室4側に設けられている。つまり、メカニカルシール6の負荷側(ポンプ室4側)の摺動部6aは、ポンプ室4の圧力水がオイル室5に入らないように設けられている。また、メカニカルシール6の反負荷側(ポンプ室4に対して反対側)の摺動部6bは、オイル室5のモータ1側に設けられている。つまり、メカニカルシール6の反負荷側(ポンプ室4に対して反対側)の摺動部6bは、オイル室5のオイルを含む流体がモータ1側に入らないように設けられている。なお、水中電動ポンプ100の使用開始時点(オイル室5に圧力水が侵入していない時点)において、オイル室5およびオイル貯留タンク102の上方には、オイルが充填されていない体積Vの気体部分がある。
オイルリフター52は、回転軸2の周りに筒状に設けられている。オイルリフター52は、回転軸2の回転に伴いオイルを上方向に持ち上げるように構成されている。つまり、オイルリフター52は、摺動部6bにオイルを供給するように構成されている。オイルリフター52の下部には、貫通孔521が設けられている。貫通孔521からオイルリフター52の内周側にオイルが導かれるように構成されている。
メカニカルシール6は、固定部材61と、回転部材62と、バネ63とを含んでいる。固定部材61は、摺動面611を有している。回転部材62は、摺動面621を有している。固定部材61は、オイル室5のハウジングに固定されている。また、固定部材61は、回転軸2を囲むように円環状に形成されている。回転部材62は、回転軸2に取り付けられている。つまり、回転部材62は、回転軸2とともに回転するように構成されている。また、回転部材62は、回転軸2を囲むように円環状に形成されている。また、回転部材62は、バネ63により、固定部材61側に付勢されている。
固定部材61および回転部材62は、回転軸2の軸方向に対向するように配置されている。摺動部6aおよび6bでは、固定部材61の摺動面611と、回転部材62の摺動面621とが、互いに摺動するように構成されている。また、摺動面611および621の間には、オイル室5内のオイルがわずかに入るように構成されている。これにより、摺動面611および621が潤滑されるとともに、摺動面611および621が焼きつかないようにオイルにより冷却され、摺動部6aおよび6b(オイル室5)がシールされるように構成されている。
環状体7は、オイル室5の反負荷側(ポンプ室4に対して反対側)の壁51からモータ1側に突出するように設けられている。また、環状体7は、回転軸2と所定の間隔を隔てて回転軸2を取り囲むように円環状に設けられている。また、環状体7の内側には、シール71が設けられている。シール71は、たとえば、オイルシールやシールリップまたは回転軸2と摺動するリップ部に傾斜リブや溝などの負荷側に推力発生する機構を有したシールが用いられる。また、シール71は、環状体7と回転軸2との間に配置されている。
(オイル貯留タンクの構成)
オイル貯留タンク102は、タンク本体91と、蓋部92と、排気弁93と、排水口94と、上側連結管95aと、下側連結管95bと、圧力センサ96と、浸水検知部97とを備えている。
タンク本体91は、上下方向に延びる中空の円筒形状を有している。また、タンク本体91は、上方が開放されている。なお、開放部分は、蓋部92により塞がれている。また、タンク本体91(オイル貯留タンク102)は、オイル室5と同じ高さ位置にある部分を含んでいる。詳細には、タンク本体91(オイル貯留タンク102)は、上下方向において、オイル室5の全域およびポンプ室4の上方側からの一部の範囲に渡る高さ位置に設けられている。
タンク本体91の底面911は、オイル室5の底面5aよりも低い位置に配置されている。詳細には、タンク本体91の底面911は、オイル室5の底面5aの高さ位置から所定高さ位置(底面5aからの上下方向の距離H)に設けられており、この所定高さ位置はポンプ室4の底面の高さと略同じになるまで構成可能である。なお、タンク本体91は、特許請求の範囲の「貯留部分」の一例である。
タンク本体91には、ポンプ室4からオイル室5に圧力水が侵入していない状態(水中電動ポンプ100の使用開始時の状態)で、オイル室5と同じ高さ位置の液位のオイルが充填されている。また、タンク本体91は、上側連結管95aおよび下側連結管95bにより、オイル室5とオイル貯留タンク102間でそれぞれ流体の流入ができるように構成されている。
ここで、第1実施形態では、タンク本体91(オイル貯留タンク102)は、外部から液位を視認することにより、オイル室5の液位を把握可能に構成されている。詳細には、タンク本体91は、外部からオイル室5の液位を把握可能なように、全体が透明の部材により形成されている。たとえば、タンク本体91は、ABS樹脂、アクリル樹脂またはポリ塩化ビニル樹脂などの部材により形成されている。なお、タンク本体91の液位の確認は、たとえば、定期メンテナンスの際など、水中電動ポンプ100が停止され、水中電動ポンプ100が水中から地上に引き上げられた際に行われる。
蓋部92は、タンク本体91に上方から取り付け可能に構成されている。また、蓋部92は、タンク本体91に取り付けられることにより、タンク本体91の開放部分を塞ぎ、タンク本体91を密閉するように構成されている。
排気弁93は、オイル貯留タンク102の上方に設けられている。詳細には、排気弁93は、蓋部92に設けられている。また、排気弁93は、オイル室5およびオイル貯留タンク102の液位が上昇することに伴い、オイル室5およびオイル貯留タンク102の圧力が高くなることにより、開かれるように構成されている。そして、排気弁93は、オイル貯留タンク102の外部に気体を排出することにより、オイル室5およびオイル貯留タンク102の圧力上昇を抑制している。
排水口94は、タンク本体91(オイル貯留タンク102)の底面911近傍に設けられている。また、排水口94には、排水プラグ94aが設けられている。なお、オイル貯留タンク102は、メンテナンス時などに、排水プラグ94aに排水用のホース(図示せず)を取り付けることにより、オイル貯留タンク102に溜まった流体(主に水)を外部に排出可能に構成されている。
上側連結管95aはタンク本体91(オイル貯留タンク102)の上方側、下側連結管95bはタンク本体91(オイル貯留タンク102)の下方側にそれぞれ設けられている。上側連結管95aおよび下側連結管95bは、共に、水平方向に延びている。
上側連結管95aは、ポンプ室4からオイル室5に水が浸入していない状態(水中電動ポンプ100の使用開始時点の状態)のオイル室5内の液位よりも高い位置に設けられている。したがって、上側連結管95aは、オイル貯留タンク102内の流体を、越流させてオイル室5へ流入させる機能を有している。
下側連結管95bは、オイル室5の底面5a近傍に設けられている。したがって、下側連結管95bは、オイル室5とオイル貯留タンク102との間で、流体(液体)を互いに流入(流出)させる経路としての機能を有している。
なお、水は、オイル(本実施形態で用いるオイル)よりも比重が大きい。また、上記の通り、タンク本体91の底面911は、オイル室5の底面5aよりも低い位置に配置されている。したがって、下側連結管95bは、ポンプ室4からオイル室5に圧力水が侵入した場合、主にオイル室5からオイル貯留タンク102に(底面が低い側に)水を移動させる(通す)ように構成されている。
圧力センサ96は、オイル貯留タンク102内の圧力を測定する機能を有している。また、圧力センサ96は、オイル貯留タンク102内に配置されている。また、圧力センサ96は、ポンプ室4からオイル室5に圧力水が侵入していない状態の液位よりも上側に配置されている。
圧力センサ96は、ケーブル13を介して測定圧力についての信号を制御盤(図示せず)に送信するように構成されている。制御盤は、測定圧力についての信号を受信することより、各種制御を行うように構成されている。具体的には、オイル室5およびオイル貯留タンク102の圧力が上昇した場合に、オイル室5に圧力水が侵入して液位が上昇することにより圧力が上昇していると判断して、水中電動ポンプ100を停止させ、ユーザに警報を発するなどの制御を行うように構成されている。また、制御盤は、オイル室5およびオイル貯留タンク102の圧力が低下した場合に、オイル室5からオイル漏れが発生しているとして、ユーザに警報を発するなどの制御を行うように構成されている。
浸水検知部97は、ポンプ室4からオイル室5を介してオイル貯留タンク102に水が流入したことを検知する機能を有している。また、浸水検知部97は、オイル貯留タンク102に配置されている。また、浸水検知部97は、下側連結管95bと同じ高さ位置に設けられている。また、浸水検知部97は、オイル貯留タンク102に流入している途中(下側連結管95bから流入中)の圧力水を検知しないように、オイル貯留タンク102に流入途中の圧力水と接触しない下側連結管95bから離れた位置に設けられている。したがって、浸水検知部97は、オイル貯留タンク102に溜められた圧力水の液位が上昇し、圧力水の液位が浸水検知部97まで達して、浸水した圧力水によって、たとえば、オイル室5のケーシング(一方の電極)と浸水検知部97(他方の電極)とが導通することにより浸水を検知するように構成されている。
浸水検知部97は、ケーブル13を介して検知結果についての信号を制御盤(図示せず)に送信するように構成されている。制御盤は、検知結果についての信号を受信することより、各種制御を行うように構成されている。具体的には、制御盤は、浸水を検知した場合に、水中電動ポンプ100を停止させて、ユーザに警報を発するなどの制御を行なうように構成されている。
ここで、ポンプ室4からオイル室5に水が浸入していない状態における、オイル室5内およびオイル貯留タンク102内の気体の体積の合計(体積V)は、オイル貯留タンク102の浸水検知部97よりも下側の容積と略等しい。詳細には、タンク本体91は、底面積Sを有する。そして、オイル貯留タンク102の浸水検知部97よりも下側の容積は、S×H(タンク本体91の底面911からオイル室5の底面5aまでの上下方向の距離)で示される。つまり、V≒S×Hとなる。したがって、容積S×Hの領域が圧力水で満たされると、オイル室5およびオイル貯留タンク102は、流体により略満たされ、許容量までの浸水が生じることになる。浸水検知部97は、オイル室5およびオイル貯留タンク102が流体により略満たされた場合に浸水を検知可能な位置に配置されている。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、オイル室5に連結される上側連結管95aおよび下側連結管95bを有し、オイル室5と同じ高さ位置にある部分を含み、外部から液位を視認することによりオイル室5の液位を把握可能なオイル貯留タンク102をポンプ本体101に併設する。これにより、ポンプ本体101とオイル貯留タンク102とを異なる高さ位置に設ける場合と比較して、ポンプ本体101とオイル貯留タンク102とを連結する上側連結管95aおよび下側連結管95bを短くすることができるので、長い連結管の取り回しの必要もなくなり、その結果、装置構成を簡素化することができる。また、オイル貯留タンク102がオイル室5と同じ高さ位置にある部分を含むので、オイル室5の液位とオイル貯留タンク102の液位とを合わせること、また、オイル室5からオイル貯留タンク102に流体を流入させることができるようになる。すなわち、保守作業時に、地上に水中電動ポンプ100を引き上げた際に、オイル貯留タンク102の液位からオイル室5の液位を直感的に把握することができるように、オイル室5の液位とオイル貯留タンク102の液位とを関連付けることができる。したがって、オイル室5の液位を外部から視認して容易に把握することができるとともに、装置構成を簡素化することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、オイル貯留タンク102のタンク本体91の底面911を、オイル室5の底面5aよりも低い位置に配置する。これにより、オイル室5からオイル貯留タンク102に流入させる流体の量を十分確保し、オイル室5からオイル貯留タンク102にオイルより比重の大きい水を流入させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、オイル貯留タンク102を、外部からオイル室5の液位を把握可能なように、透明の部材により形成する。これにより、外部からオイル貯留タンク102内の液位を容易に視認することができる。その結果、オイル室5の液位を容易に把握することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、オイル貯留タンク102に配置され、ポンプ室4からオイル室5を介してオイル貯留タンク102に水が流入したことを検知する浸水検知部97を設ける。これにより、検知結果に基づいてオイル室5(オイル貯留タンク102)に水が侵入した時点で水中電動ポンプ100の運転を停止させることができるので、侵入した水を含む流体がモータ1に到達するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、下側連結管95bを、オイル室5の底面5a近傍に設けられ、浸水検知部97は、下側連結管95bと同じ高さ位置に配置する。これにより、水がオイルより比重が大きい場合、下側連結管95bを介してオイル室5からオイル貯留タンク102に流入して浸水検知部97の下方に貯留された水が、下側連結管95bの高さ位置近傍の所定の水位となったことを検知することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ポンプ室4からオイル室5に水が浸入していない状態における、オイル室5内およびオイル貯留タンク102内の気体の体積の合計Vを、オイル貯留タンク102の浸水検知部97よりも下側の容積S×Hと略等しくする。これにより、オイル貯留タンク102の浸水検知部97よりも下側が水で満たされたことを、浸水検知部97により検知することができる。すなわち、オイル室5内およびオイル貯留タンク102内が流体(オイルおよび水)により満たされたことを、浸水検知部97により検知することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、下側連結管95bを、ポンプ室4からオイル室5に水が浸入していない状態のオイル室5内の液位よりも高い位置に加えて、オイル室5の底面911近傍にも設ける。これにより、オイル室5の底面5a近傍の下側連結管95bを介して、オイル室5からオイル貯留タンク102に流体を流入させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、オイル貯留タンク102に配置され、オイル貯留タンク102の圧力を測定する圧力センサ96を設ける。これにより、圧力センサ96により圧力上昇を検知することにより、水中電動ポンプ100の運転を停止させる、または、ユーザに警告を発するなどの各種制御を行なうことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、オイル貯留タンクの上方に、排気弁93を設ける。このように構成すれば、排気弁93によりオイル貯留タンク102から気体を外部に排出することができるので、オイル貯留タンク102への浸水による液位の上昇に起因して圧迫されるオイル貯留タンク102内の空気を外部へ逃がすことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、オイル貯留タンクの底面近傍に、オイル貯留タンクに貯留された水を排出する排水口94を設ける。これにより、オイル貯留タンク102の底面911近傍に設けられた排水口94を介してオイル貯留タンク102からオイルよりも比重の大きい水を排出することができる。
[第2実施形態]
次に、図2を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、オイル貯留タンク102が2つの連結管(上側連結管95aおよび下側連結管95b)を備える上記第1実施形態とは異なり、オイル貯留タンク102aが1つの連結管(上側連結管95a)のみを備える構成について説明する。
図2に示すように、第2実施形態による水中電動ポンプ200は、ポンプ本体101aと、ポンプ本体101aとは別体で設けられるオイル貯留タンク102aとを備えている。なお、水中電動ポンプ200の使用開始時点(オイル室5に圧力水が侵入していない時点)において、オイル室5には、オイルが充填されており、オイル貯留タンク102aは、空である。また、オイル室5内の液位は、水中電動ポンプ200の使用開始時点で、上側連結管95aの高さ位置よりも僅かに低い位置である。また、水中電動ポンプ200は、回転軸2が上下方向に延びる縦型の水中電動ポンプである。
(ポンプ本体の構成)
ポンプ本体101aは、モータ1と、回転軸2と、羽根車3と、ポンプ室4と、オイル室5と、摺動部6aおよび6bを有するメカニカルシール6と、環状体7と、浸水検知部81とを備えている。なお、ポンプ本体101aは、オイル室5に連結されるオイル貯留タンク102aの上側連結管95aを介して、オイル貯留タンク102aとの間で、流体(液体)または気体を互いに流入(流出)させることが可能なように構成されている。
浸水検知部81は、オイル室5に設けられ、オイル室5のケーシングである壁51から、壁51とは電気的に絶縁された状態で下方に延びるように形成されている。また、浸水検知部81は、ポンプ室4からオイル室5に所定量を超える圧力水が侵入し、オイルに対する水の割合の増加に伴い、たとえばオイル室5のケーシングである壁51(一方の電極)と浸水検知部81(他方の電極)とが導通することにより浸水を検知するように構成されている。つまり、浸水検知部81が浸水を検知した時点で、オイル室5内に充填されていたオイルの大半は上側連結管95aから越流してオイル貯留タンク102aへ流入し、オイル室5は、水で略満たされた状態となる。
(オイル貯留タンクの構成)
オイル貯留タンク102aは、タンク本体91と、蓋部92と、排気弁93と、排水口94と、上側連結管95aと、圧力センサ96とを備えている。
上側連結管95aは、越流により、オイル室5からオイル貯留タンク102aに流体を流入させるように構成されている。なお、オイル室5の上方には水に比べて比重の小さいオイルが充填されているため、オイル室5へ浸水が発生した場合、上側連結管95aは、主にオイルを流入させる。なお、オイル室5に水が侵入すると、上側連結管95aからオイル貯留タンク102aに流体(オイル)が流入するため、オイル貯留タンク102aには、オイル室5に侵入した水と略等しい量の流体が溜められる。
ここで、第2実施形態では、タンク本体91(オイル貯留タンク102a)は、外部から液位を視認することにより、オイル室5の液位を把握可能に構成されている。詳細には、オイル貯留タンク102aは、未だ流体により満たされていない(上側連結管95aよりも低い液位)ならば、オイル室5の液位が上側連結管95aと略同じ高さ位置にあることを把握することができる。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、オイル室5に連結される上側連結管95aを有し、オイル室5と同じ高さ位置にある部分を含み、外部から液位を視認することによりオイル室5の液位を把握可能なオイル貯留タンク102aをポンプ本体101に併設する。これにより、オイル室5の液位を容易に把握することができるとともに、装置構成を簡素化することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、上側連結管95aを、ポンプ室4からオイル室5に水が浸入していない状態のオイル室5内の液位よりも高い位置に1つ設ける。これにより、オイル室5へ浸水が生じることにより液位が上昇するオイルを越流させてオイル貯留タンク102aへ流入させて、モータ1側へのオイル昇りを効果的に抑制することができる。また、水中電動ポンプ100の使用開始時点(オイル室5に圧力水が侵入していない時点)において、オイル貯留タンク102aを空にすることが可能となるので、水中電動ポンプ100の使用開始時点において、オイル貯留タンク102aにオイルが充填されている場合と比較して、より多くのオイル室5への浸水を許容することができるとともに、オイル貯留タンク102aの液位がオイル室5へ浸水した水量であることを確認することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
次に、図3を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、オイル貯留タンク102に排気弁93が設けられている上記第1実施形態とは異なり、オイル貯留タンク102bに第1加圧部93aが設けられている構成について説明する。
図3に示すように、第3実施形態による水中電動ポンプ300は、ポンプ本体101と、ポンプ本体101とは別体で設けられるオイル貯留タンク102bとを備えている。なお、水中電動ポンプ300は、回転軸2が上下方向に延びる縦型の水中電動ポンプである。
(オイル貯留タンクの構成)
オイル貯留タンク102bは、タンク本体91aと、排水口94と、上側連結管95aと、下側連結管95bと、圧力センサ96と、浸水検知部97とを備えている。また、オイル貯留タンク102bには、第1加圧部93aが設けられている。なお、タンク本体91aは、特許請求範囲の「貯留部分」の一例である。
タンク本体91aは、上下方向に延びる中空の円筒形状を有している。また、第1実施形態とは異なり、蓋部がなく、上方が開放されていない(上面を有している)。第1加圧部93aは、タンク本体91a(オイル貯留タンク102b)の上方にある上面に設けられている。また、第1加圧部93aは、オイル貯留タンク102bの周囲(外部)からの水圧によりオイル貯留タンク102b内を加圧するように構成されている。詳細には、第1加圧部93aは、蛇腹形状を有している。そして、第1加圧部93aは、蛇腹部分が水中に沈められて、蛇腹部分に周囲から水圧が加わることにより、蛇腹部分が押し縮められるように構成されている。その結果、第1加圧部93aは、オイル貯留タンク102bおよびオイル室5を加圧するように構成されている。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、オイル室5に連結される上側連結管95aおよび下側連結管95bを有し、オイル室5と同じ高さ位置にある部分を含み、外部から液位を視認することによりオイル室5の液位を把握可能なポンプ本体101とは別体のオイル貯留タンク102bを設ける。これにより、オイル室5の液位を容易に把握することができるとともに、装置構成を簡素化することができる。
また、第3実施形態では、上記のように、オイル貯留タンク102bの上方に、オイル貯留タンク102bの外部からの水圧によりオイル貯留タンク102bを加圧する第1加圧部93aを設ける。これにより、オイル室5およびオイル貯留タンク102bが加圧されるので、ポンプ室4からオイル室5への浸水を効果的に抑制することができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第4実施形態]
次に、図4を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、上記第1実施形態の構成に加えて、モータ1を加圧する第2加圧部82をさらに備える構成について説明する。
図4に示すように、第4実施形態による水中電動ポンプ400は、ポンプ本体101bと、ポンプ本体101bとは別体で設けられるオイル貯留タンク102とを備えている。なお、水中電動ポンプ400は、回転軸2が上下方向に延びる縦型の水中電動ポンプである。
(ポンプ本体の構成)
ポンプ本体101bは、モータ1と、回転軸2と、羽根車3と、ポンプ室4と、オイル室5と、摺動部6aおよび6bを有するメカニカルシール6と、環状体7とを備えている。また、ポンプ本体101bには、第2加圧部82が設けられている。
第2加圧部82は、モータ1に設けられている。詳細には、第2加圧部82は、ポンプ本体101bの外側からモータ1に接続されている。また、第2加圧部82は、ポンプ本体101bの周囲(外部)からの水圧によりモータ1を加圧するように構成されている。詳細には、第2加圧部82は、蛇腹形状を有している。そして、第2加圧部82は、蛇腹部分が水中に沈められて、蛇腹部分に周囲から水圧が加わることにより、蛇腹部分が押し縮められるように構成されている。その結果、第2加圧部82は、モータ1を加圧するように構成されている。
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第4実施形態では、上記第1実施形態と同様に、オイル室5に連結される上側連結管95aおよび下側連結管95bを有し、オイル室5と同じ高さ位置にある部分を含み、外部から液位を視認することによりオイル室5の液位を把握可能なポンプ本体101bとは別体のオイル貯留タンク102を設ける。これにより、オイル室5の液位を容易に把握することができるとともに、装置構成を簡素化することができる。
また、第4実施形態では、上記のように、モータ1には、ポンプ本体101bの外部からの水圧によりモータ1を加圧する第2加圧部82を設ける。これにより、モータ1が加圧されるので、オイル室5からモータ1側へのオイル昇りを効果的に抑制することができる。
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第5実施形態]
次に、図5を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。この第5実施形態では、上記第1実施形態の構成に加えて、上記第3実施形態および第4実施形態において説明した第1加圧部93aおよび第2加圧部82を共に設ける構成について説明する。
図5に示すように、第5実施形態による水中電動ポンプ500は、ポンプ本体101bと、ポンプ本体101bとは別体で設けられるオイル貯留タンク102bとを備えている。ポンプ本体101bには、第2加圧部82が設けられている。また、オイル貯留タンク102bには、第1加圧部93aが設けられている。なお、水中電動ポンプ500は、回転軸2が上下方向に延びる縦型の水中電動ポンプである。
第2加圧部82は、モータ1の圧力がオイル室5の圧力よりも大きくなるように加圧するように構成されている。また、第1加圧部93aは、オイル貯留タンク102bおよびオイル室5の圧力がポンプ室4の圧力よりも大きくなるように加圧するように構成されている。
なお、第5実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第5実施形態の効果)
第5実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第5実施形態では、上記第1実施形態と同様に、オイル室5に連結される上側連結管95aおよび下側連結管95bを有し、オイル室5と同じ高さ位置にある部分を含み、外部から液位を視認することによりオイル室5の液位を把握可能なポンプ本体101bとは別体のオイル貯留タンク102bを設ける。これにより、オイル室5の液位を容易に把握することができるとともに、装置構成を簡素化することができる。
また、第5実施形態では、上記のように、オイル貯留タンク102bの上方に、オイル貯留タンク102bの外部からの水圧によりオイル貯留タンク102bを加圧する第1加圧部93aを設けるとともに、ポンプ本体101bの外部からの水圧によりモータ1を加圧する第2加圧部82を設ける。これにより、ポンプ室4からオイル室5への浸水を効果的に抑制することができるとともに、オイル室5からモータ1側へのオイル昇りを効果的に抑制することができる。
なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第6実施形態]
次に、図6を参照して、本発明の第6実施形態について説明する。この第6実施形態では、上記第1実施形態の構成に加えて、流体加圧部83をさらに備える構成について説明する。
図6に示すように、第6実施形態による水中電動ポンプ600は、ポンプ本体101cと、ポンプ本体101cとは別体で設けられるオイル貯留タンク102とを備えている。なお、水中電動ポンプ600は、回転軸2が上下方向に延びる縦型の水中電動ポンプである。
(ポンプ本体の構成)
ポンプ本体101cは、モータ1と、回転軸2と、羽根車3と、ポンプ室4と、オイル室5と、摺動部6aおよび6bを有するメカニカルシール6と、環状体7と、流体加圧部83とを備えている。
流体加圧部83は、環状体7の内側の空間に配置されている。また、流体加圧部83は、モータ1とオイル室5との間に配置されている。また、流体加圧部83は、流体をオイル室5側に加圧するように構成されている。また、流体加圧部83は、図6に示すように、側面視において、水平面に対して右下がりに傾斜した溝部が外周部分に形成された環状の筒体により構成されている。流体加圧部83の溝部は、複数(たとえば、2つ)設けられている。
また、流体加圧部83は、モータ1とオイル室5との間に配置されている。また、流体加圧部83は、回転軸2に取り付けられており、回転軸2とともに回転されるように構成されている。流体加圧部83は、たとえば、ゴム材料により形成されている。
また、壁51には、流体返送路84が設けられている。流体返送路84は、環状体7の内側の空間とオイル室5とを連通するように設けられている。つまり、流体返送路84は、環状体7の内部に昇ってきたオイルを含む流体をオイル室5に返送するように構成されている。また、流体返送路84は、筐体に設けられる貫通孔や、溝状に造形した開口部などにより構成されることが望ましいが、パイプや、チューブなどの管部材により構成してもよい。つまり、流体返送路84は、流体加圧部83(環状体7の内部)とオイル室5とが連通されるよう構成されていればよい。
流体返送路84には、逆止弁85が設けられている。逆止弁85は、流体加圧部83側がオイル室5より高圧になることで開くように構成されている。また、逆止弁85は、流体加圧部83からオイル室5に向かう流体のみを通し、流体の逆流を防止するように構成されている。
なお、第6実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第6実施形態の効果)
第6実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第6実施形態では、上記第1実施形態と同様に、オイル室5に連結される上側連結管95aおよび下側連結管95bを有し、オイル室5と同じ高さ位置にある部分を含み、外部から液位を視認することによりオイル室5の液位を把握可能なポンプ本体101cとは別体のオイル貯留タンク102を設ける。これにより、オイル室5の液位を容易に把握することができるとともに、装置構成を簡素化することができる。
また、第6実施形態では、上記のように、モータ1とオイル室5との間に配置され、流体をオイル室5側に加圧する流体加圧部83を設ける。これにより、オイル室5からモータ1側に流入しようとする流体に対してオイル室5側へ圧力を加えることができるので、オイル室5からの流体昇りを効果的に抑制することができる。
また、第6実施形態では、上記のように、流体加圧部83が配置された空間と、オイル室5とを連通する流体返送路84を設ける。これにより、流体返送路を介して、流体加圧部83により加圧された流体をより効果的にオイル室5に返送することができる。
また、第6実施形態では、上記のように、流体返送路84には逆止弁85が設けられている。これにより、逆止弁85は流体加圧部83側がオイル室5より高圧になることで開くように構成されているので、オイル室5から流体加圧部83側へ流体を逆流させることを防ぐことができる。
なお、第6実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第7実施形態]
次に、図7を参照して、本発明の第7実施形態について説明する。この第7実施形態では、上記第6実施形態のオイル室5に流体を返送する流体返送路84とは異なり、オイル貯留タンク102cに流体を送る流体返送路84aについて説明する。
図7に示すように、第7実施形態による水中電動ポンプ700は、ポンプ本体101dと、ポンプ本体101dとは別体で設けられるオイル貯留タンク102cとを備えている。なお、上記第2実施形態と同様に、水中電動ポンプ700の使用開始時点(オイル室5に圧力水が侵入していない時点)において、オイル室5には、オイルが充填されており、オイル貯留タンク102cは、空である。また、水中電動ポンプ700は、回転軸2が上下方向に延びる縦型の水中電動ポンプである。
(ポンプ本体の構成)
ポンプ本体101dは、モータ1と、回転軸2と、羽根車3と、ポンプ室4と、オイル室5と、摺動部6aおよび6bを有するメカニカルシール6と、環状体7と、浸水検知部81と、流体加圧部83とを備えている。
また、壁51には、流体返送路84aが設けられている。流体返送路84aは、環状体7の内側の空間とオイル貯留タンク102c(後述する加圧部側連結管95c)とを連通するように設けられている。また、流体返送路84aは、横方向に直線状に延びている。つまり、流体返送路84aは、環状体7の内部に昇ってきたオイルを含む流体をオイル貯留タンク102cに返送するように構成されている。また、流体返送路84aは、筐体に設けられる貫通孔や、溝状に造形した開口部などにより構成されることが望ましいが、パイプや、チューブなどの管部材により構成してもよい。つまり、流体返送路84aは、流体加圧部83(環状体7の内部)とオイル貯留タンク102cとが連通されるよう構成されていればよい。
(オイル貯留タンクの構成)
オイル貯留タンク102cは、タンク本体91と、蓋部92と、排気弁93と、排水口94と、上側連結管95aと、加圧部側連結管95cと、圧力センサ96とを備えている。
加圧部側連結管95cは、上側連結管95aの上側に位置する流体返送路84aと同じ高さ位置に設けられている。また、加圧部側連結管95aには逆止弁85aが設けられており、逆止弁85aは、流体加圧部83側がオイル貯留タンク102cより高圧になることで開くように構成されている。また、加圧部側連結管95cは、流体返送路84aに連結されている。また、加圧部側連結管95cは、オイル貯留タンク102cに流体を流入させる経路としての機能を有している。
なお、第7実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第7実施形態の効果)
第7実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第7実施形態では、上記第1実施形態と同様に、オイル室5に連結される上側連結管95aを有し、オイル室5と同じ高さ位置にある部分を含み、外部から液位を視認することによりオイル室5の液位を把握可能なポンプ本体101dとは別体のオイル貯留タンク102cを設ける。これにより、オイル室5の液位を容易に把握することができるとともに、装置構成を簡素化することができる。
また、第7実施形態では、上記のように、ポンプ本体101dの流体返送路84aに接続される加圧部側連結管95cをオイル貯留タンク102cに設ける。これにより、流体返送路84aおよび加圧部側連結管95cを介して、流体加圧部83により加圧された流体をオイル貯留タンク102cに送るとともに、流体をオイル貯留タンク102cに貯留することができる。
また、第7実施形態では、上記のように、加圧部側連結管95aには逆止弁85aが設けられている。これにより、逆止弁85aは流体加圧部83側がオイル貯留タンク102cより高圧になることで開くように構成されているので、オイル貯留タンク102cから流体加圧部83側へ流体を逆流させることを防ぐことができる。
なお、第7実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第8実施形態]
次に、図8を参照して、本発明の第8実施形態について説明する。この第8実施形態では、オイル貯留タンク102に排気弁93が設けられている上記第6実施形態とは異なり、オイル貯留タンク102bに第1加圧部93aが設けられている構成について説明する。
図8に示すように、第8実施形態による水中電動ポンプ800は、ポンプ本体101cと、ポンプ本体101cとは別体で設けられるオイル貯留タンク102bとを備えている。なお、水中電動ポンプ800は、回転軸2が上下方向に延びる縦型の水中電動ポンプである。また、第6実施形態と同様に、壁51には、流体返送路84が設けられている。流体返送路84には、逆止弁85が設けられている。逆止弁85は、流体加圧部83側がオイル室5より高圧になることで開くように構成されている。したがって、逆止弁85によりオイル室5から流体加圧部83側へ流体を逆流させることを防ぐことができる。
(オイル貯留タンクの構成)
オイル貯留タンク102bは、タンク本体91aと、排水口94と、上側連結管95aと、下側連結管95bと、圧力センサ96と、浸水検知部97とを備えている。また、オイル貯留タンク102bには、第1加圧部93aが設けられている。
タンク本体91aは、上下方向に延びる中空の円筒形状を有している。また、上記第6実施形態とは異なり、蓋部がなく、上方が開放されていない(上面を有している)。第1加圧部93aは、タンク本体91a(オイル貯留タンク102b)の上方にある上面に設けられている。また、第1加圧部93aは、オイル貯留タンク102bの周囲からの水圧によりオイル貯留タンク102bを加圧するように構成されている。詳細には、第1加圧部93aは、蛇腹形状を有している。そして、第1加圧部93aは、蛇腹部分が水中に沈められて、蛇腹部分に周囲から水圧が加わることにより、蛇腹部分が押し縮められるように構成されている。その結果、第1加圧部93aは、オイル貯留タンク102bおよびオイル室5を加圧するように構成されている。
なお、第8実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第8実施形態の効果)
第8実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第8実施形態では、上記第1実施形態と同様に、オイル室5に連結される上側連結管95aおよび下側連結管95bを有し、オイル室5と同じ高さ位置にある部分を含み、外部から液位を視認することによりオイル室5の液位を把握可能なポンプ本体101cとは別体のオイル貯留タンク102bを設ける。これにより、オイル室5の液位を容易に把握することができるとともに、装置構成を簡素化することができる。
また、第8実施形態では、上記のように、ポンプ本体101cに、流体加圧部83と、流体加圧部83が配置された空間とオイル室5とを連通する流体返送路84とを設け、オイル貯留タンク102bの上方に、オイル貯留タンク102bの外部からの水圧によりオイル貯留タンク102bを加圧する第1加圧部93aを設ける。これにより、流体返送路84を介して、流体加圧部83により加圧された流体をオイル室5に返送することができるとともに、オイル室5およびオイル貯留タンク102bが加圧されるので、ポンプ室4からオイル室5への浸水を抑制することができる。
なお、第8実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第9実施形態]
次に、図9を参照して、本発明の第9実施形態について説明する。この第9実施形態では、上記第8実施形態の構成に加えて、モータ1を加圧する第2加圧部82をさらに備える構成について説明する。
図9に示すように、第9実施形態による水中電動ポンプ900は、ポンプ本体101eと、ポンプ本体101eとは別体で設けられるオイル貯留タンク102bとを備えている。ポンプ本体101eには、第2加圧部82が設けられている。また、オイル貯留タンク102bには、第1加圧部93aが設けられている。なお、水中電動ポンプ900は、回転軸2が上下方向に延びる縦型の水中電動ポンプである。
第2加圧部82は、モータ1の圧力がオイル室5の圧力よりも大きくなるように加圧するように構成されている。また、第1加圧部93aは、オイル貯留タンク102bおよびオイル室5の圧力がポンプ室4の圧力よりも大きくなるように加圧するように構成されている。
なお、第9実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第9実施形態の効果)
第9実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第9実施形態では、上記第1実施形態と同様に、オイル室5に連結される上側連結管95aおよび下側連結管95bを有し、オイル室5と同じ高さ位置にある部分を含み、外部から液位を視認することによりオイル室5の液位を把握可能なポンプ本体101aとは別体のオイル貯留タンク102bを設ける。これにより、オイル室5の液位を容易に把握することができるとともに、装置構成を簡素化することができる。
また、第9実施形態では、上記のように、ポンプ本体101eに、流体加圧部83と、流体加圧部83が配置された空間とオイル室5とを連通する流体返送路84と、第2加圧部82とを設け、オイル貯留タンク102bの上方に、オイル貯留タンク102bの外部からの水圧によりオイル貯留タンク102bを加圧する第1加圧部93aを設ける。これにより、第2加圧部82により、モータ1側への流体昇りを抑制しながら、流体返送路84を介して、流体加圧部83により加圧された流体をオイル室5に返送することができるとともに、オイル室5およびオイル貯留タンク102bが加圧されるので、ポンプ室4からオイル室5への浸水を抑制することができる。
なお、第9実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第10実施形態]
次に、図10を参照して、本発明の第10実施形態について説明する。この第10実施形態では、タンク本体91が中空である上記第1実施形態とは異なり、タンク本体91bが内部に蛇行する経路部912を有している構成について説明する。なお、タンク本体91bは、特許請求範囲の「貯留部分」の一例である。
図10に示すように、第10実施形態による水中電動ポンプ1000は、ポンプ本体101と、ポンプ本体101とは別体で設けられるオイル貯留タンク102dとを備えている。なお、水中電動ポンプ1000は、回転軸2が上下方向に延びる縦型の水中電動ポンプである。
(オイル貯留タンクの構成)
オイル貯留タンク102dは、タンク本体91bと、蓋部92と、排気弁93と、排水口94と、上側連結管95aと、下側連結管95bと、圧力センサ96と、浸水検知部97とを備えている。
タンク本体91bは、内部に蛇行する経路部912を有している。詳細には、タンク本体91bは、内部に複数の板状の隔壁部分を有しており、この隔壁部分により、内部に蛇行する経路部912が形成されている。経路部912は、下側連結管95bから下側の底面911まで延びており、そこから、さらに上方に向けて横方向に蛇行して延びている。また、経路部912は、オイル貯留タンク102dの上側で上側連結管95aに接続されている。
圧力センサ96は、オイル貯留タンク102内に配置されている。詳細には、ポンプ室4からオイル室5に圧力水が侵入していない状態の液位よりも上側に配置されている。浸水検知部97は、オイル貯留タンク102に配置されている。また、浸水検知部97は、下側連結管95bと同じ高さ位置に設けられている。
なお、第10実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第10実施形態の効果)
第10実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第10実施形態では、上記第1実施形態と同様に、オイル室5に連結される上側連結管95aおよび下側連結管95bを有し、オイル室5と同じ高さ位置にある部分を含み、外部から液位を視認することによりオイル室5の液位を把握可能なポンプ本体101とは別体のオイル貯留タンク102dを設ける。これにより、オイル室5の液位を容易に把握することができるとともに、装置構成を簡素化することができる。
また、第10実施形態では、上記のように、オイル貯留タンク102dの内部に、蛇行する経路部912を設ける。これにより、水がオイルより比重が大きい場合、オイル貯留タンク102dの下側に水が溜まるので、オイル貯留タンク102dの底部に確実に水を流入させることができ、オイル貯留タンク102d内の流体をオイル貯留タンク102dの上部へ送ることができる。
なお、第10実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第11実施形態]
次に、図11を参照して、本発明の第11実施形態について説明する。この第11実施形態では、タンク本体91bと経路部912とが一体的に構成されている上記第10実施形態とは異なり、タンク本体91cと経路部(ホース部912a)とが別体である構成について説明する。なお、ホース部912aは、特許請求の範囲の「貯留部分」の一例である。
図11に示すように、第11実施形態による水中電動ポンプ1100は、ポンプ本体101と、ポンプ本体101とは別体で設けられるオイル貯留タンク102eとを備えている。なお、水中電動ポンプ1100は、回転軸2が上下方向に延びる縦型の水中電動ポンプである。
(オイル貯留タンクの構成)
オイル貯留タンク102eは、タンク本体91cと、上側連結管95aと、下側連結管95bと、浸水検知部97と、ホース部912aとを備えている。
タンク本体91cは、上下方向に延びる中空の円筒形状を有している。ホース部912aは、タンク本体91cの内部に配置されている。また、ホース部912aは、下側連結管95bから下側のタンク本体91cの底面911まで延びて底面に当接し、そこから、さらに上方に向けて横方向に回転しながら螺旋状に延びている。また、ホース部912aは、オイル貯留タンク102eの上側で上側連結管95aに接続されている。なお、ホース部912aは、タンク本体91cの内面に支持されている。これにより、ホース部912aは、螺旋形状を保持している。また、ホース部912aの底面911a(タンク本体91cの底面911に当接する面)は、オイル室5の底面5aよりも低い位置に配置されている。
浸水検知部97は、オイル貯留タンク102に配置されている。また、浸水検知部97は、下側連結管95bと同じ高さ位置に設けられている。
なお、第11実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第11実施形態の効果)
第11実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第11実施形態では、上記第1実施形態と同様に、オイル室5に連結される上側連結管95aおよび下側連結管95bを有し、オイル室5と同じ高さ位置にある部分を含み、外部から液位を視認することによりオイル室5の液位を把握可能なポンプ本体101とは別体のオイル貯留タンク102eを設ける。これにより、オイル室5の液位を容易に把握することができるとともに、装置構成を簡素化することができる。
また、第11実施形態では、上記のように、オイル貯留タンク102eの内部に、螺旋状のホース部912aを設ける。これにより、水がオイルより比重が大きい場合、オイル貯留タンク102eの下側に水が溜まるので、オイル貯留タンク102eの底部に確実に水を流入させることができ、オイル貯留タンク102e内の流体をオイル貯留タンク102eの上部へ送ることができる。
なお、第11実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1〜第11実施形態では、連結管を1つまたは2つ設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、連結管を3つ以上設けてもよい。
また、上記第1〜第11実施形態では、オイル貯留タンク(タンク本体)を透明に形成した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、オイル貯留タンク(タンク本体)を半透明に形成してもよい。
また、上記第1〜第11実施形態では、オイル貯留タンク(タンク本体)の全体を透明に形成した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、オイル貯留タンク(タンク本体)の一部のみを透明または半透明に形成してもよい。具体的には、オイル貯留タンク(タンク本体)に上下方向に延びる透明または半透明の窓部を設けるとともに、その他の部分を不透明にしてもよい。
また、上記第1〜第10実施形態では、オイル貯留タンクに圧力センサを設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、オイル貯留タンクに圧力センサを設けなくてもよい。
また、上記第1〜第11実施形態では、水中電動ポンプに浸水検知部を設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、水中電動ポンプに浸水検知部を設けなくてもよい。
また、上記第1、第3〜第6および第8〜第11実施形態では、浸水検知部をオイル室の底面近傍の下側連結管と略同じ高さ位置に設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、浸水検知部を下側連結管よりも下側に設けてもよい。
また、上記第3、第5、第8および第9実施形態では、オイル貯留タンクのタンク本体に、直接、第1加圧部を設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、オイル貯留タンクのタンク本体に、蓋部を設け、蓋部に第1加圧部を設けてもよい。
また、上記第1〜第11実施形態では、摺動部6aおよび6bを有するメカニカルシール6を設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、メカニカルシール6を負荷側(ポンプ室4側)の摺動部6aのみから構成し、摺動部6bの代わりにオイルシールやリップシール等を配置してもよく、この場合、オイル室にオイルリフターを設けていなくてもよい。
また、上記第1〜第10実施形態では、圧力センサの測定結果をケーブル13を介して制御盤に送信した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、圧力センサの測定結果を無線通信により制御盤に送信してもよい。
また、上記第1〜第11実施形態では、浸水検知部の検知結果をケーブル13を介して制御盤に送信した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、浸水検知部の検知結果を無線通信により制御盤に送信してもよい。