JP2017063032A - 蓄電池用電極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高容量であるが、強塩基性である活物質を用いて、安定して蓄電池用電極を製造する。
【解決手段】強塩基性活物質と酸化グラフェンの混合物、あるいはそれを加熱処理したものや還元剤を添加して還元処理したものの塩基性の程度を測定し、その結果が、予め定められた範囲に適合したもののみを、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の結着剤(バインダー)と混合して、スラリーを形成することで、結着剤のゲル化を防ぐことができる。
【選択図】図6

Description

本発明の一態様は、蓄電池用電極、及びその製造方法、蓄電池、並びに電子機器に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様は、物、方法、又は製造方法に関する。本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、又は組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、それらの駆動方法、又は、それらの製造方法を一例として挙げることができる。
近年の携帯電話、スマートフォン、電子書籍端末(電子ブック)、携帯型ゲーム機等の携帯型電子機器の著しい普及に伴い、その駆動電源である二次電池の小型化・大容量化の要求が高まっている。携帯型電子機器に用いられる二次電池として、高いエネルギー密度、大容量といった利点を有するリチウムイオン二次電池に代表される非水系二次電池が広く利用されている。
非水系二次電池の中でも高エネルギー密度を有することで広く普及しているリチウムイオン二次電池は、コバルト酸リチウム(LiCoO)やリン酸鉄リチウム(LiFePO)などの活物質を含む正極と、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な黒鉛等の活物質を含む負極と、エチレンカーボネートやジエチルカーボネートなどの有機溶媒に、LiBFやLiPF等のリチウム塩からなる電解質を溶解させた非水電解液などにより構成される。リチウムイオン二次電池の充放電は、二次電池中のリチウムイオンが非水電解液を介して正極−負極間を移動し、正極負極の活物質にリチウムイオンが挿入脱離することにより行われる。
正極又は負極には、活物質粒子と活物質粒子、及び活物質層と集電体とを結着させるために、結着剤(バインダともいう。)を混入する。結着剤は、絶縁性のポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の高分子有機化合物が一般的であるため電気伝導性が極めて低い。また、結着剤には電荷蓄積能力がない。このため、活物質量に対して結着剤の割合を増加させると、二次電池の内部抵抗が高くなることにより出力電圧が低下し、また、電極中の活物質量の割合が相対的に低下するため、結果として二次電池の放電容量が低下してしまう。
そこで、アセチレンブラック(AB)やグラファイト(黒鉛)粒子などの導電助剤を混合することで活物質粒子間又は活物質層−集電体間の電気伝導性を向上させている。これにより電気伝導性の高い活物質層の提供を可能としている(特許文献1参照)。
また、グラフェンを導電助剤として含む電極が開発されている。特許文献2および特許文献3には、グラフェンの酸化誘導体である酸化グラフェン(GO(Graphene Oxideの略記)ともいう。)、活物質、及び結着剤を混合した後に、GOを還元する工程を有する電極の製造方法が開示されている。この製造方法により、少量の導電助剤で高い電気伝導性を有する活物質層を提供することができる。
特開2002−110162号公報 特開2014−7141号公報 米国特許公開2015/0099179号明細書
蓄電池の性能を向上させるために、容量を十分に確保できる電極の製造方法の開発が求められている。また、蓄電池の量産を容易にするため、電極の製造方法の簡略化が求められている。
そこで、本発明の一態様は、高容量な蓄電池用電極の安定な製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明の一態様は、蓄電池の製造方法を簡略化することを課題とする。
また、本発明の一態様は、均一な厚みを有する蓄電池用電極を提供することを課題とする。また、本発明の一態様は、強度が高い蓄電池用電極及び蓄電池を提供することを課題とする。
または、本発明の一態様は、新規な電極、新規な蓄電池、または、新規な電極の製造方法などを提供することを課題とするものである。なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの課題の全てを解決する必要はない。また、本発明の一態様では、上記課題の少なくとも一を解決するものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、活物質を製造する工程と、第1の導電助剤の酸化誘導体と活物質を用いて混合物を製造する工程と、混合物の一部を用いて塩基性の程度を測定する過程と、測定された塩基性の程度が予め定められた範囲内の場合にのみ、混合物の他と結着剤とを用いてスラリーを製造する工程と、を有する蓄電池用電極の製造方法である。
ここで、活物質は粉状である。活物質と、pHが7である水と、を、1対10の重量比で混合して得られる水溶液のpHは10以上14以下、あるいは、11.1以上12.5以下でもよい。また、塩基性の程度を測定する過程では、混合物の一部を乾燥させて粉体とした後、予め定められた比率で、特定のpHを有する水と混合して得られる水溶液の水素イオン濃度を測定してもよい。
また、上記において、特定のpHを有する水のpHは7であり、予め定められた比率は、粉体1に対して、水10の重量比であり、予め定められた条件は、pHが7.0以上11.1未満、あるいは、10以上11以下であってもよい。
また、本発明の一態様は、活物質を製造する工程と、第1の導電助剤の酸化誘導体と活物質を用いて混合物を製造する工程と、結着剤と混合物とを用いてスラリーを製造する工程と、を有し、活物質は粉状であり、活物質と、pHが7である水とを、1対10の重量比で混合して得られる水溶液のpHが10以上14以下、あるいは、11.1以上12.5以下であることを特徴とする、蓄電池用電極の製造方法である。
ここで、混合物を乾燥させて得られる粉体と、pHが7である水とを、1対10の重量比で混合して得られる水溶液のpHが7.0以上11.1未満、あるいは、10以上11以下であってもよい。
上記において、スラリーをろ過する工程を有してもよい。
また、混合物は、第1の導電助剤の酸化誘導体が還元されて生成する物質を含んでもよい。
また、スラリーを還元する工程を有してもよい。また、スラリーを集電体に塗布後、還元する工程を有してもよい。
また、第1の導電助剤の酸化誘導体は酸化グラフェンであってもよく、酸化グラフェンと、pHが7である水と、を、1対10の重量比で混合して得られる水溶液のpHが0.5以上2.0以下、好ましくは、0.9以上1.2以下となる酸化グラフェンを用いてもよい。
結着剤は、第2の導電助剤を含んでもよく、第2の導電助剤はアセチレンブラックであってもよい。結着剤はポリフッ化ビニリデンを含んでもよい。
本発明の一態様により、高容量な蓄電池用電極の安定的な製造方法を提供できる。
また、本発明の一態様により、蓄電池の製造方法を簡略化することができる。
また、本発明の一態様により、活物質層を形成するための混合物が強塩基性になるのを抑制することができる。また、本発明の一態様により、活物質層において活物質が凝集することを抑制することができる。また、本発明の一態様により、結着剤のゲル化を抑制することができる。上記の効果によって、本発明の一態様により、均一な厚みを有する活物質層を有する電極を提供することができる。また、本発明の一態様により、強度が高い電極及び蓄電池を提供することができる。
また、本発明の一態様により、新規な電極、新規な蓄電池、または、新規な電極の製造方法などを提供することができる。なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
活物質の製造方法を説明するフローチャート。 蓄電池用電極の斜視図。 活物質粒子の断面を示す図。 結晶構造を説明する図。 結晶構造を説明する図。 蓄電池用電極の製造方法を説明するフローチャート。 蓄電池用電極の製造方法を説明するフローチャート。 蓄電池用電極の製造方法を説明するフローチャート。 蓄電池用電極を説明する図。 蓄電池用電極を説明する図。
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
なお、本明細書で説明する各図において、膜や層、基板などの厚さや領域の大きさ等は、個々に説明の明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしも各構成要素はその大きさに限定されず、また各構成要素間での相対的な大きさに限定されない。
なお、本明細書等において、第1、第2などとして付される序数詞は、便宜上用いるものであって工程の順番や積層の順番などを示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、蓄電池用電極について、図2及び図3を用いて説明する。図2に電極の斜視図を、図3(A)、(B)に、活物質粒子の断面図を示す。
図2は、電極200の斜視図である。図2では電極200を矩形のシート形状で示しているが、電極200の形状はこれに限らず、任意の形状を適宜選択することができる。図2においては、活物質層202は集電体201の一方の面にのみ形成しているが、活物質層202は集電体201の両面に形成してもよい。また、活物質層202は集電体201の全面に形成する必要はなく、タブと接続するための領域等、非塗布領域を適宜設ける。
集電体201には、ステンレス、金、白金、亜鉛、鉄、銅、アルミニウム、チタン等の金属、及びこれらの合金など、導電性の高く、リチウム等のキャリアイオンと合金化しない材料を用いることができる。また、シリコン、チタン、ネオジム、スカンジウム、モリブデンなどの耐熱性を向上させる元素が添加されたアルミニウム合金を用いることができる。また、シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素で形成してもよい。シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル等がある。集電体201は、箔状、板状(シート状)、網状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状等の形状を適宜用いることができる。集電体201は、厚みが10μm以上30μm以下のものを用いるとよい。また、集電体201の表面に、グラファイトなどを用いてアンダーコート層を設けてもよい。
図3(A)、(B)は、電極200の活物質層202を構成する活物質粒子の、断面の模式図である。
活物質粒子の外周には、活物質粒子を覆うように、領域133が形成される。領域133はグラフェンあるいは還元された酸化グラフェン、グラフェン化合物のいずれかを含む。活物質は図のように領域131と領域132という、2つの領域から構成されてもよい。領域133は、活物質粒子の表面の全体に設けられてもよく、一部のみに設けられてもよい。また、活物質粒子において、露出した劈開面を覆うように領域133が形成されることが好ましい。また、活物質粒子の劈開面の少なくとも一部に領域133が設けられていればよい。劈開面の少なくとも一部が領域133で覆われた活物質粒子を電極に用いることにより、電池の電圧の低下や、放電容量の低下を抑制することができる。これにより、充放電に伴う電池のサイクル特性を向上させることができる。
グラフェンは、高い導電性を有するという優れた電気特性、および柔軟性並びに機械的強度が高いという優れた物理特性を有する。そのため、当該活物質粒子を含む電極を電池に用いることにより、電池が充放電を繰り返すことで、リチウムマンガン複合酸化物が膨張収縮したとしても、体積変化でリチウムマンガン複合酸化物がさらに劈開して割れてしまうことを防止することができる。
活物質層は複数の活物質粒子から構成されており、複数の活物質粒子は互いに接触することで電気伝導の経路を形成している。接触状態については、隣接する活物質粒子の、表面を覆うように形成されたグラフェンどうしが接触する、という状態でも良い。また、一方の活物質粒子の、グラフェンが形成されていない部分と、他方の活物質粒子のグラフェンが形成されている部分が接触することもあれば、両方の活物質粒子の表面の、グラフェンが形成されていない部分どうしが接触することもあるが、複数の活物質粒子によって活物質層を形成すると、複数の活物質粒子どうしの接触により、活物質粒子の表面のグラフェンが互いに接触することで三次元的に導電経路が形成され、活物質層の導電性を確保することが可能となる。
グラフェンは、実施の形態2で説明する蓄電池用電極の製造方法において、還元剤を用いて酸化グラフェンを還元することによって形成される。なお、該蓄電池用電極の製造方法においては、活物質、酸化グラフェン及び還元剤を混合するため、活物質層202に還元剤が残存していてもよい。また、還元剤は、酸化グラフェンを還元するのと同時に酸化される。従って、活物質層202には、還元剤が酸化されることにより生成される誘導体(以下、還元剤の酸化誘導体と呼ぶ)が含まれていてもよい。
活物質層202に還元剤又は還元剤の酸化誘導体が存在することは、EDX(energy dispersive X−ray spectrometry)分析、XPS(X−ray photoelectron spectroscopy)、又はToF−SIMS(Time−of−flight secondary ion mass spectrometry)等の分析手段により検出することができる。
還元剤としては、アスコルビン酸、ヒドラジン、ジメチルヒドラジン、ヒドロキノン、水素化硼素ナトリウム(NaBH)、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH)、またはN,N−ジエチルヒドロキシルアミン、あるいはそれらの誘導体を用いることができる。特に、アスコルビン酸及びヒドロキノンは、ヒドラジンや水素化硼素ナトリウムに比べ還元力が弱いため安全性が高く、工業的に利用しやすい点において好ましい。
還元剤は、酸化グラフェンを還元する反応により、還元剤の酸化誘導体となる。ここでは例として、アスコルビン酸の酸化還元反応について説明する。アスコルビン酸は、酸化されてデヒドロアスコルビン酸となる。従って、還元剤としてアスコルビン酸を用いた場合は、還元剤の酸化誘導体として、デヒドロアスコルビン酸が活物質層202に残存していてもよい。また、還元剤としてアスコルビン酸を用いる場合に限らず、還元剤の酸化誘導体が活物質層202に残存していてもよい。
グラフェンは、炭素が形成する六角形の骨格を平面状に延ばした結晶構造をもつ炭素材料である。グラフェンはグラファイト結晶の一原子面を取り出したものであり、電気的、機械的又は化学的な性質に驚異的な特徴を有することから、グラフェンを利用した高移動度の電界効果トランジスタや高感度のセンサ、高効率な太陽電池、次世代向けの透明導電膜など、様々な分野での応用が期待され注目を浴びている。
本明細書において、グラフェンは単層のグラフェン、又は2層以上100層以下の多層グラフェンを含むものである。単層グラフェンとは、π結合を有する1原子層の炭素分子のシートのことをいう。また、酸化グラフェンとは、上記グラフェンが酸化された化合物のことをいう。なお、酸化グラフェンを還元してグラフェンを形成する場合、酸化グラフェンに含まれる酸素は全て脱離されずに、一部の酸素はグラフェンに残存してもよい。実施の形態2で説明する蓄電池用電極の製造方法により、酸化グラフェンを還元する反応の効率を高めることができる。なお、グラフェン中の酸素の割合は、XPSで測定した場合にグラフェン全体の2atomic%以上20atomic%以下、好ましくは3atomic%以上15atomic%以下である。
酸化グラフェンは、Hummers法と呼ばれる酸化法を用いて作製することができる。Hummers法では、グラファイト粉末に、過マンガン酸カリウムの硫酸溶液、過酸化水素水等を加えて酸化反応させて酸化グラファイトを含む混合液を作製する。酸化グラファイトは、グラファイトの炭素の酸化により、エポキシ基、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等の官能基が結合する。このため、複数のグラフェンの層間距離がグラファイトと比較して長くなり、層間の分離による薄片化が容易となる。次に、酸化グラファイトを含む混合液に、超音波振動を加えることで、層間距離が長い酸化グラファイトを劈開し、酸化グラフェンを分離するとともに、酸化グラフェンを含む混合液を作製することができる。そして、酸化グラフェンを含む混合液から溶媒を取り除くことで、粉末状の酸化グラフェンを得ることができる。
酸化グラフェンは、過マンガン酸カリウム等の酸化剤の量を適宜調整することで形成してもよい。例えば、グラファイト粉末に対して酸化剤の量を増加させることで、酸化グラフェンの酸化度(炭素に対する酸素の比)を高めることができる。従って、製造する酸化グラフェンの量に合わせて、原料となるグラファイト粉末に対する酸化剤の量を決定すればよい。
なお、酸化グラフェンの作製は過マンガン酸カリウムの硫酸溶液を用いたHummers法に限られず、例えば硝酸、塩素酸カリウム、又は硝酸ナトリウム等を使用するHummers法、又はHummers法以外の酸化グラフェンの作製方法を適宜用いてもよい。
また、酸化グラファイトの薄片化は、超音波振動の付加の他、マイクロ波やラジオ波、又は熱プラズマの照射や、物理的応力の付加により行ってもよい。
作製した酸化グラフェンは、エポキシ基、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等を有する。酸化グラフェンはNMPに代表される極性溶媒の中においては、官能基の酸素がマイナスに帯電するため、NMPと相互作用する一方で異なる酸化グラフェンどうしとは反発し、凝集しにくい。このため、極性溶媒中においては、酸化グラフェンが均一に分散しやすい。
活物質は、原料化合物を所定の比率で混合し焼成した焼成物を、適当な手段により粉砕、造粒及び分級した、平均粒径や粒径分布を有する(二次粒子からなる)粒状の物質である。このため、図3(A)及び図3(B)においては、活物質粒子(領域131および領域132)を模式的に示しているが、この形状に限られるものではない。
電極200を蓄電池の正極として用いる場合には、活物質としては、リチウムイオンの挿入及び脱離が可能な材料を用いることができる。例えば、オリビン型の結晶構造、層状岩塩型の結晶構造、又はスピネル型の結晶構造を有するリチウムマンガン含有複合酸化物等が挙げられる。なお、領域131および領域132のいずれか一方のリチウムの吸蔵放出能力が、他方に比べて著しく劣っていることがある。
オリビン型構造のリチウム含有複合リン酸塩としては、例えば、一般式LiMPO(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上)が挙げられる。一般式LiMPOの代表例としては、LiFePO、LiNiPO、LiCoPO、LiMnPO、LiFeNiPO、LiFeCoPO、LiFeMnPO、LiNiCoPO、LiNiMnPO(a+bは1以下、0<a<1、0<b<1)、LiFeNiCoPO、LiFeNiMnPO、LiNiCoMnPO(c+d+eは1以下、0<c<1、0<d<1、0<e<1)、LiFeNiCoMnPO(f+g+h+iは1以下、0<f<1、0<g<1、0<h<1、0<i<1)等が挙げられる。
特にLiFePOは、安全性、安定性、高容量密度、高電位、初期酸化(充電)時に引き抜けるリチウムイオンの存在等、活物質に求められる事項をバランスよく満たしているため、好ましい。
層状岩塩型の結晶構造を有するリチウム酸化物としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMnO、LiNi0.8Co0.2等のNiCo系(一般式は、LiNiCo1−x(0<x<1))、LiNi0.5Mn0.5等のNiMn系(一般式は、LiNiMn1−x(0<x<1))、LiNi1/3Mn1/3Co1/3等のNiMnCo系(NMCともいう。一般式は、LiNiMnCo1−x−y(x>0、y>0、x+y<1))が挙げられる。さらに、Li(Ni0.8Co0.15Al0.05)O、LiMnO−LiMO(M=Co、Ni、Mn)等も挙げられる。
特に、LiCoOは、容量が大きい、LiNiOに比べて大気中で安定である、LiNiOに比べて熱的に安定である等の利点があるため、好ましい。
スピネル型の結晶構造を有するリチウムマンガン含有複合酸化物としては、例えば、LiMn、Li1+xMn2−x(0<x<2)、LiMn2−xAl(0<x<2)、LiMn1.5Ni0.5等が挙げられる。
LiMn等のマンガンを含むスピネル型の結晶構造を有するリチウムマンガン含有複合酸化物に、少量のニッケル酸リチウム(LiNiOやLiNi1−x(0<x<1、M=Co、Al等))を混合すると、マンガンの溶出を抑制する、電解液の分解を抑制する等の利点があり好ましい。
また、正極活物質として、一般式Li(2−j)MSiO(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上、jは0以上2以下)で表される複合ケイ酸塩を用いることができる。一般式Li(2−j)MSiOの代表例としては、Li(2−j)FeSiO、Li(2−j)NiSiO、Li(2−j)CoSiO、Li(2−j)MnSiO、Li(2−j)FeNiSiO、Li(2−j)FeCoSiO、Li(2−j)FeMnSiO、Li(2−j)NiCoSiO、Li(2−j)NiMnSiO(k+lは1以下、0<k<1、0<l<1)、Li(2−j)FeNiCoSiO、Li(2−j)FeNiMnSiO、Li(2−j)NiCoMnSiO(m+n+qは1以下、0<m<1、0<n<1、0<q<1)、Li(2−j)FeNiCoMnSiO(r+s+t+uは1以下、0<r<1、0<s<1、0<t<1、0<u<1)等が挙げられる。
また、正極活物質として、A(XO(A=Li、Na、Mg、M=Fe、Mn、Ti、V、Nb、Al、X=S、P、Mo、W、As、Si)の一般式で表されるナシコン型化合物を用いることができる。ナシコン型化合物としては、Fe(MnO、Fe(SO、LiFe(PO等が挙げられる。また、正極活物質として、LiMPOF、LiMP、LiMO(M=Fe、Mn)の一般式で表される化合物、FeF等のペロブスカイト型フッ化物、TiS、MoS等の金属カルコゲナイド(硫化物、セレン化物、テルル化物)、LiMVO等の逆スピネル型の結晶構造を有するリチウムバナジウム含有複合酸化物、バナジウム酸化物系(V、V13、LiV等)、マンガン酸化物、有機硫黄化合物等の材料を用いることができる。
また、正極活物質として、組成式LiMnで表すことができるリチウムマンガン複合酸化物を用いることができる。ここで、元素Mは、リチウム、マンガン以外から選ばれた金属元素、またはシリコン、リンを用いることが好ましく、ニッケルであることがさらに好ましい。また、リチウムマンガン複合酸化物の粒子全体を測定する場合、放電時に0<a/(b+c)<2、かつc/b>0(好ましくは0.3<c/b<0.5、典型的には、c/bは約0.4)、かつ0.26≦(b+c)/d<0.5を満たすことが好ましい。なお、リチウムマンガン複合酸化物の粒子全体の金属、シリコン、リン等の組成は、例えばICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析計)を用いて測定することができる。またリチウムマンガン複合酸化物の粒子全体の酸素の組成は、例えばEDXを用いて測定することが可能である。また、ICP−MS分析と併用して、融解ガス分析、XAFS(X線吸収微細構造)分析の価数評価を用いることで求めることができる。なお、リチウムマンガン複合酸化物とは、少なくともリチウムとマンガンとを含む酸化物をいい、クロム、コバルト、アルミニウム、ニッケル、鉄、マグネシウム、モリブデン、亜鉛、インジウム、ガリウム、銅、チタン、ニオブ、シリコン、およびリンなどからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を含んでいてもよい。
リチウムマンガン複合酸化物の原料としては、マンガン化合物およびリチウム化合物を用いることができる。また、マンガン化合物およびリチウム化合物の原料と共に、クロム、コバルト、アルミニウム、ニッケル、鉄、マグネシウム、モリブデン、亜鉛、インジウム、ガリウム、銅、チタン、ニオブ、シリコン、およびリンなどからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を含む化合物の原料を用いることができる。マンガン化合物としては、例えば、二酸化マンガン、三二酸化マンガン、四三酸化マンガン、水和マンガン酸化物、炭酸マンガン、硝酸マンガンなどを用いることができる。また、リチウム化合物としては、例えば、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウムなどを用いることができる。
リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子は、第1の領域および第2の領域の有してもよい。また、リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子は、さらに第3の領域を有してもよい。
正極活物質粒子の径は、例えば5nm以上100μm以下が好ましい。
第2の領域は、第1の領域の外側の少なくとも一部に接する。ここで、外側とは、粒子の表面により近いことを示す。第3の領域は、第2の領域の外側の少なくとも一部に接することが好ましい。
また、第2の領域が層状の領域を有する場合に、例えばその厚さは0.1nm以上30nm以下であることが好ましく、1nm以上15nm以下であることがより好ましい。
第1の領域および第2の領域は、リチウムと、酸素と、を有する。また、第1の領域および第2の領域の少なくともいずれかはマンガンを有する。また、また、第1の領域および第2の領域の少なくともいずれかは元素Mを有する。
また、第1の領域および第2の領域は、マンガンと、元素Mと、の両方を有することがより好ましい。
また、第3の領域は、リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子の、表面と一致する領域を有することが好ましい。
また、第3の領域が層状の領域を有する場合に、例えばその厚さは0.1nm以上30nm以下であることが好ましく、1nm以上20nm以下であることがより好ましく、2nm以上10nm以下であることがさらに好ましい。
図3(A)に、粒子が第1の領域として領域131、第2の領域として領域132、および第3の領域として領域133を有する例を示す。
図3(A)に示すように、領域132は、領域131の表面に少なくとも一部が接する。また、領域133は、領域132の表面に少なくとも一部が接する。
また、図3(B)に示すように、領域131は、領域132に覆われない領域を有してもよい。また、領域132は、領域133に覆われない領域を有してもよい。また、例えば領域131に領域133が接する領域を有してもよい。また、領域131は、領域132および領域133のいずれにも覆われない領域を有してもよい。
リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子を用いて蓄電装置を作製した場合、電池反応、例えば充電や放電に対して、第3の領域は第1の領域および第2の領域と比較して、より安定であることが好ましい。
ここで、第2の領域は、第1の領域と異なる結晶構造を有してもよい。または、第2の領域は、第1の領域と異なる向きの結晶を有してもよい。
例えば、第2の領域はスピネル型構造を有し、かつ第1の領域は層状岩塩型構造を有することが好ましい。
または、例えば、第1の領域および第2の領域は層状岩塩型構造を有し、かつ、第1の領域の有する結晶の第1の面と、第2の領域の有する結晶の第2の面と、が平行であることが好ましい。
ここで、第1の面が層状岩塩型構造の{0 0 1}面の場合、層状岩塩型構造の{0 0 1}面は、第2の領域の有する結晶が有する{1 0 0}面、{1 3 −1}面または{−1 3 1}面の少なくともいずれか一と平行であることが好ましい。または、第1の面が層状岩塩型構造の{1 0 0}面の場合、層状岩塩型構造の{1 0 0}面は、第2の領域の有する結晶が有する{0 0 1}面、{1 3 −1}面または{−1 3 1}面の少なくともいずれか一と平行であることが好ましい。または、第1の面が層状岩塩型構造の{1 3 −1}面の場合、層状岩塩型構造の{1 3 −1}面は、第2の領域の有する結晶が有する{0 0 1}面、{1 0 0}面または{−1 3 1}面の少なくともいずれか一と平行であることが好ましい。または、第1の面が層状岩塩型構造の{−1 3 1}面の場合、層状岩塩型構造の{−1 3 1}面は、第2の領域の有する結晶が有する{0 0 1}面、{1 0 0}面または{1 3 −1}面の少なくともいずれか一と平行であることが好ましい。
また、例えば、第1の領域および第2の領域は層状岩塩型構造を有し、かつ、第1の領域の有する結晶の第1の方位と、第2の領域の有する結晶の第2の方位と、が平行であることが好ましい。ここで、第1の領域が有する結晶と、第2の領域が有する結晶の、結晶方位について説明する。
ここで、<1 0 0>、<1 1 0>および<−1 1 0>の3つの結晶方位を第1群とする。また、<0 0 1>、<0 1 1>および<0 1 −1>を第2群とする。また、<−3 2 3>、<3 1 6>および<6 −1 3>を第3群とする。また、<3 2 −3>、<3 −1 6>および<6 1 3>を第4群とする。
第1の領域が有する結晶は、第1群乃至第4群のうち一つの群から選ばれるいずれかの方位を有する。第2の領域が有する結晶は、第1群乃至第4群のうち、第1の領域が有する結晶が有する方位が選ばれる群以外の3つの群のうち一つの群から選ばれるいずれかの方位を有する。
上記、組み合わせの一例について、以下に具体例をあげて説明する。ここでは(001)面と(100)面について説明する。以下では具体的に記載するため、結晶の対称性を考慮しない指数の記載方法を取る。
図4にLiMnOの結晶構造をb軸の負の方向からみた図を示す。ここで、図4に示す破線Aで囲んだ領域が有する層A−1および層A−2を、層A−2側から、層A−1および層A−2に垂直な方向から見た図を図5(A)に示す。ここで層A−1は酸素を有し、層A−2はリチウムおよびマンガンを有する。
また、図4に示す破線Bで囲んで領域が有する層B−1および層B−2を、層B−2側から層B−1と層B−2に垂直な方向から見た図を図5(B)に示す。
図5(A)では、酸素原子の上に、リチウムまたはマンガンが、[110]方向または[−100]方向または[1−10]方向にずれて積層している。同様に図5(B)では酸素が形成する六角形構造の上に、リチウムまたはマンガンが、[0−11]方向または[00−1]方向または[011]方向にずれて積層している。また、図5(A)に破線Cで示す領域において、マンガンをリチウムに変えると、図5(B)と同様の構成となる。つまり、金属原子の種類は異なるものの、金属原子の位置は大よそ一致する。これらのことから、2つの構造は共通点が多く、積層する場合の整合性が良いと考えられる。
また、第2の領域は、第1の領域と異なる組成を有することが好ましい。
例えば、第1の領域と第2の領域の組成を分けて測定し、第1の領域がリチウム、マンガン、元素Mおよび酸素を有し、第2の領域がリチウム、マンガン、元素Mおよび酸素を有し、第1の領域のリチウム、マンガン、元素M、および酸素の原子数比はa1:b1:c1:d1で表され、第2の領域のリチウム、マンガン、元素M、および酸素の原子数比はa2:b2:c2:d2で表される場合について説明する。なお、第1の領域と第2の領域のそれぞれの組成は、例えばTEM(透過型電子顕微鏡)を用いたEDXで測定することができる。EDXを用いた測定では、リチウムの組成の測定が困難な場合がある。そのため、以下では、第1の領域と第2の領域の組成の違いは、リチウム以外の元素について述べる。ここで、d1/(b1+c1)は2.2以上が好ましく、2.3以上であることがより好ましく、2.35以上3以下であることがさらに好ましい。また、d2/(b2+c2)は2.2未満であることが好ましく、2.1未満であることがより好ましく、1.1以上1.9以下であることがさらに好ましい。またこの場合でも、第1の領域と第2の領域を含むリチウムマンガン複合酸化物粒子全体の組成は、前述の0.26≦(b+c)/d<0.5を満たすことが好ましい。
また、第2の領域が有するマンガンは、第1の領域が有するマンガンと異なる価数を有してもよい。また、第2の領域が有する元素Mは、第1の領域が有する元素Mと異なる価数を有してもよい。
ここで、各領域の組成や、元素の価数に空間的な分布がある場合には、例えば複数の箇所についてその組成や価数を評価し、その平均値を算出し、該領域の組成や価数としてもよい。
また、第2の領域と第1の領域との間に、遷移層を有してもよい。ここで遷移層とは、例えば組成が連続的、あるいは段階的に変化する領域である。または、遷移層とは、結晶構造が連続的、あるいは段階的に変化する領域である。または、遷移層とは、結晶の格子定数が連続的、あるいは段階的に変化する領域である。
または、第2の領域と第1の領域との間に、混合層を有してもよい。ここで混合層とは、例えば異なる結晶方位を有する2以上の結晶が混合する場合を指す。あるいは、混合層とは、例えば異なる結晶構造を有する2以上の結晶が混合する場合を指す。あるいは、混合層とは、例えば異なる組成を有する2以上の結晶が混合する場合を指す。
ここで、第1の領域は、層状岩塩型構造を有することが好ましい。また、第2の領域は、スピネル型構造、または層状岩塩型構造のいずれか一を少なくとも有することが好ましい。
ここで、例えば、「リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子」を用いて蓄電池等を作製する場合、蓄電池を作製するまでの各工程において第1の領域乃至第3の領域が形成される場合がある。
例えば、第1の領域乃至第3の領域は、電極作製前、例えば粒子の合成後に形成されてもよい。あるいは、電極形成の過程において形成されてもよい。また、例えば粒子の合成後に形成された第1の領域乃至第3の領域の厚さや組成、および結晶構造等が、電極形成の過程において変化してもよい。
また、第1の領域乃至第3の領域は、蓄電池等を作製する各工程の熱処理において、形成されてもよい。
リチウムマンガン複合酸化物の作製工程において、S15等に示す、一次粒子が焼結したリチウムマンガン複合酸化物の解砕処理工程は、電池の特性を左右する重要な工程である。解砕処理工程では、一次粒子が焼結したリチウムマンガン複合酸化物に、シェア(すりつぶしの応力)をかけることにより、粉末のリチウムマンガン複合酸化物を形成する。このとき、リチウムマンガン複合酸化物が層状岩塩型の結晶構造を有する場合には、層と平行となる面または層と垂直となる面において、一次粒子が劈開して、割れてしまうことがある。一次粒子が劈開して割れてしまったものを、本明細書等では、劈開面を有する粒子、または劈開面が露出した粒子と呼ぶ。なお、割れてしまった一次粒子には、劈開面を有さないものも含まれる。
また、層状岩塩型の結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物のように、劈開性を有する活物質粒子は、解砕処理時だけでなく、電極作製工程において、電極に圧力を加えて成形する際に、活物質層に圧力がかかることにより、活物質粒子がさらに割れてしまうことがある。
また、捲回型の電池を製造する際には、電極の捲回時に大きな応力が作用する。また、電極の捲回体を筐体に収納した場合であっても、常に捲回軸の外側に向かう応力が作用するため、活物質粒子がさらに割れてしまうおそれがある。
このように、リチウムマンガン複合酸化物の一次粒子が劈開して割れてしまうと、電池の放電容量の低下や、サイクル特性の低下を招く原因となる。
このような場合にも、リチウムマンガン複合酸化物の劈開面において、少なくとも一部に炭素を含む層を設けることが好ましい。また、炭素を含む層は、劈開面の全てを覆っていても良いし、劈開面を有するリチウムマンガン複合酸化物の全体を覆っていても良い。
炭素を含む層はグラフェンでもよい。グラフェンは、リチウムマンガン複合酸化物の表面の全体に設けられてもよく、一部のみに設けられてもよい。また、粒子において、露出した劈開面を覆うようにグラフェンが形成されることが好ましい。また、リチウムマンガン複合酸化物の劈開面の少なくとも一部にグラフェンが設けられていればよい。劈開面の少なくとも一部にグラフェンが覆われた活物質粒子を電極に用いることにより、電池の電圧の低下や、放電容量の低下を抑制することができる。これにより、充放電に伴う電池のサイクル特性を向上させることができる。
グラフェンは、高い導電性を有するという優れた電気特性、および柔軟性並びに機械的強度が高いという優れた物理特性を有する。そのため、当該活物質粒子を含む電極を電池に用いることにより、電池が充放電を繰り返すことで、リチウムマンガン複合酸化物が膨張収縮したとしても、体積変化でリチウムマンガン複合酸化物がさらに劈開して割れてしまうことを防止することができる。
また、電極作製工程において、電極に圧力を加えて成形する際に、活物質粒子にかかる圧力をグラフェンの機械的強度により緩和することができる。これにより、活物質粒子がさらに劈開して割れてしまうことを防止することができる。
さらに、捲回型の電池においては、電極の捲回時に大きな応力が作用した場合や、電極の捲回体を筐体に収納した場合に、電極に常に捲回軸の外側に向かう応力がかかったとしても、これにより、活物質粒子がさらに劈開して割れてしまうことを防止することができる。
なお、正極活物質は、塩基性を示す場合があり、電極の作製工程において使用する結着剤、導電助剤、溶媒と、を混練してスラリーまたはペーストを形成する際、正極活物質の示す塩基性によって結着剤のゲル化が加速し、スラリーやペーストの粘度が極端に上昇し、電極の形成が困難になる場合がある。例えば、リチウムマンガン複合酸化物は塩基性を示す。リチウムマンガン複合酸化物は水に溶けにくいのでその塩基性の程度を計ることは難しいが、一例では、リチウムマンガン複合酸化物とpHが7の水とを、1対10の重量比で混合して得られる水溶液のpHは、10以上14以下、典型的には、11.1以上12.5以下となることがある。
一方、酸化グラフェンの水溶液は酸性を示す。このため、酸化グラフェンの水溶液に対して、リチウムマンガン複合酸化物を添加することにより酸塩基反応が生じ、リチウムマンガン複合酸化物の塩基性が緩和される。
その結果、後の工程で結着剤や導電助剤を添加して混練しても、スラリーやペーストのゲル化を低減できる。酸化グラフェンの水溶液に対して、リチウムマンガン複合酸化物を添加するという工程は、結着剤や導電助剤との混練、集電体への塗工という後の工程に対してのマージンが拡大するという効果もあり、電極作製工程を安定に進める上で、有効な方法である。
なお、キャリアイオンが、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンの場合、正極活物質として、上記リチウム化合物及びリチウムマンガン含有複合酸化物において、リチウムの代わりに、アルカリ金属(例えば、ナトリウムやカリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウム、マグネシウム等)、を用いてもよい。
また、製造する蓄電池用電極を蓄電池の負極として用いる場合には、活物質として、リチウムとの合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な材料を用いることができる。
リチウムとの合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な材料としては、炭素系材料が挙げられる。炭素系材料としては、黒鉛、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック等がある。
黒鉛としては、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、コークス系人造黒鉛、ピッチ系人造黒鉛等の人造黒鉛や、球状化天然黒鉛等の天然黒鉛がある。
黒鉛はリチウムイオンが黒鉛に挿入されたとき(リチウム−黒鉛層間化合物の生成時)にリチウム金属と同程度に卑な電位を示す(0.1以上0.3V以下 vs.Li/Li)。これにより、リチウムイオン二次電池は高い作動電圧を示すことができる。さらに、黒鉛は、単位体積当たりの容量が比較的高い、体積膨張が小さい、安価である、リチウム金属に比べて安全性が高い等の利点を有するため、好ましい。
また、リチウムとの合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な材料として、他には、例えば、Ga、Si、Al、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Ag、Zn、Cd、In等のうち少なくとも一つを含む材料を用いることができる。このような元素は炭素と比べて容量が大きく、特に、シリコンは理論容量が4200mAh/gと高い。このような元素を用いた材料としては、例えば、MgSi、MgGe、MgSn、SnS、VSn、FeSn、CoSn、NiSn、CuSn、AgSn、AgSb、NiMnSb、CeSb、LaSn、LaCoSn、CoSb、InSb、SbSn等がある。
また、負極活物質として、SiO、SnO、SnO、二酸化チタン、リチウムチタン酸化物、リチウム−黒鉛層間化合物、五酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化モリブデン等の酸化物を用いることができる。
また、負極活物質として、リチウムと遷移金属の複窒化物である、LiN型構造をもつLi3−xN(M=Co、Ni、Cu)を用いることができる。例えば、Li2.6Co0.4は大きな充放電容量(900mAh/g、1890mAh/cm)を示し好ましい。
リチウムと遷移金属の複窒化物を用いると、負極活物質中にリチウムイオンを含むため、正極活物質としてリチウムイオンを含まないV、Cr等の材料と組み合わせることができ好ましい。なお、正極活物質にリチウムイオンを含む材料を用いる場合でも、あらかじめ正極活物質に含まれるリチウムイオンを脱離させることで、負極活物質としてリチウムと遷移金属の複窒化物を用いることができる。
また、コンバージョン反応が生じる材料を負極活物質として用いることもできる。例えば、酸化コバルト(CoO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化鉄(FeO)等の、リチウムと合金化反応を行わない遷移金属酸化物を負極活物質に用いてもよい。コンバージョン反応が生じる材料としては、さらに、Fe、CuO、CuO、RuO、Cr等の酸化物、CoS0.89、NiS、CuS等の硫化物、Zn、CuN、Ge等の窒化物、NiP、FeP、CoP等のリン化物、FeF、BiF等のフッ化物でも起こる。
また、リチウムマンガン複合酸化物は、例えば、一次粒子の平均粒子径が、5nm以上50μm以下であることが好ましく、100nm以上500nm以下であることがより好ましい。また比表面積が5m/g以上15m/g以下であることが好ましい。また、二次粒子の平均粒子径は、5μm以上50μm以下であることが好ましい。なお平均粒子径は、SEM(走査型電子顕微鏡)またはTEMによる観察、またはレーザ回折・散乱法を用いた粒度分布計等によって測定することができる。また比表面積は、ガス吸着法により測定することができる。
また、活物質層202は第2の導電助剤を有してもよい。活物質層202がグラフェンと第2の導電助剤を有する場合、活物質層中の電気伝導の三次元のネットワークをより複雑な形状にすることができるので、蓄電装置の使用中に活物質層202中の電気伝導経路が切断するのを抑制することができる。第2の導電助剤としては、例えば、天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ等の人造黒鉛、炭素繊維などを用いることができる。また、銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金などの金属粉末や金属繊維、導電性セラミックス材料等を用いることができる。
炭素繊維としては、例えばメソフェーズピッチ系炭素繊維、等方性ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維を用いることができる。また炭素繊維として、カーボンナノファイバーやカーボンナノチューブなどを用いることができる。また、炭素繊維として、気相成長炭素繊維(VGCF(登録商標):Vapor−Grown Carbon Fiber)を用いることができる。VGCF(登録商標)の代表値は、繊維径150nm、繊維長10μm以上20μm以下、真密度2g/cm、比表面積13m/gである。なお、繊維径とは、SEMで観察して、二次元的に撮影された画像から繊維軸に対して垂直方向の断面を切断面とし、この切断面に外接する真円の径のことを指す。また、真密度とは、物質自身が占める体積だけを密度算定用の体積とする密度のことを指す。また、比表面積とは、対象物について単位質量あたりの表面積または単位体積あたりの表面積のことである。
針状の形状を有するVGCF(登録商標)は、高い導電性を有するという優れた電気特性、及び機械的強度という優れた物理特性を有する。そのため、VGCF(登録商標)を導電助剤として用いることにより、活物質粒子同士の接触点や、接触面積を増大させることができる。
また、導電助剤として粒状の材料を用いることもできる。粒状の材料としては、代表的には直径3nm以上500nm以下のアセチレンブラックなどのカーボンブラックを用いることができる。
薄片状や、針状、繊維状の導電助剤は、活物質粒子どうしをつなぐ役目を果たし、電池の劣化を抑制する。また、これらの材料は、活物質層202の形状を維持する構造体、或いは緩衝材としても機能する。活物質層202の形状を維持する構造体、或いは緩衝材としても機能するということは、活物質粒子の膨張、収縮が繰り返される場合や、二次電池を曲げた時などで、集電体と活物質粒子との間で剥がれが生じにくくなる。また、上記材料に代えてアセチレンブラックなどのカーボンブラックを用いてもよいが、VGCF(登録商標)を用いると、活物質層202の形状を維持するための強度が大きくできるため、好ましい。活物質層202の形状を維持するための強度が大きくできると、二次電池の曲げなどの変形による劣化を防止することができる。
以上に示した活物質層202は、活物質層202の総重量に対して、活物質を80wt%以上95wt%以下、グラフェンを0.1wt%以上8wt%以下、結着剤を1wt%以上10wt%以下の割合で含有することが好ましい。また、活物質層202が、第2の導電助剤を有する場合は、グラフェンと第2の導電助剤を合計した重量が、活物質層202の総量に対して、0.1wt%以上8wt%以下であると好ましい。
本実施の形態に示すように、活物質粒子(領域131および領域132)の表面を包むよう領域133(酸化グラフェン等)の被膜が形成され、それらが接触していることで、高密度化された活物質層を含む蓄電池用電極を提供することができる。
なお、本実施の形態において、グラフェンを蓄電池用電極に適用した場合の例を示したが、場合によっては、または、状況に応じて、グラフェンまたは酸化グラフェンは、容量が非常に大きいキャパシタであるスーパーキャパシタのための電極として用いたり、酸素還元電極触媒として用いたり、潤滑油より低摩擦な分散水の材料として用いたり、表示装置や太陽電池などのための透明電極として用いたり、ガスバリア材として用いたり、機械的強度が高くて軽量なポリマー材料として用いたり、放射能汚染水に含まれるウランやプルトニウムを検出するための高感度ナノセンサの材料として用いたり、放射性物質を取りのぞくための材料として用いたり、することができる。または例えば、場合によっては、または、状況に応じて、グラフェンを蓄電池用電極に適用しなくてもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態や実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で例示した活物質、導電助剤、結着剤を用いて、図2に示す活物質層202を含む電極200を製造する方法について、図1を参照して説明する。
まず「リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子」の作製方法について説明する。本実施の形態では、まず、リチウムマンガン複合酸化物を合成する。その後、リチウムマンガン複合酸化物に被覆層を形成し、第1の領域、第2の領域および第3の領域を有する粒子を得る。リチウムマンガン複合酸化物の原料は、実施の形態1に示す材料を用いることができる。本実施の形態では、マンガン化合物としてMnCO、リチウム化合物としてLiCO、およびNiOを出発原料として用いる。
はじめに、図1のステップS11に示すように、出発原料として、LiCOとMnCOとNiOとを用い、それぞれを秤量する。
例えば、出発原料として、LiCOとMnCOとNiOとを用いる場合、秤量の割合(モル比)をLiCO:MnCO:NiO=1:0.7:0.3とすると、最終生成物であるリチウムマンガン複合酸化物として、LiMn0.7Ni0.3が作製されることとなる。この場合、リチウムマンガン複合酸化物の原子数比は、Li:(Mn+Ni)=2:1となる。
リチウムマンガン複合酸化物の原子数比がLi:(Mn+Ni)=2:1からずれるように、出発原料の秤量の割合(モル比)を調整する。
本実施の形態では、出発原料の秤量の割合(モル比)をLiCO:MnCO:NiO=0.84:0.8062:0.318となるように秤量する。
次に、図1のステップS12に示すように、LiCO、MnCO、およびNiOを混合する。出発原料の混合方法については特に制限はなく、公知の解砕機や粉砕機を用いることができる。例えば、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル、ローラーミルなどが挙げられる。また、解砕・粉砕の方式は、乾式でもよいし、湿式でもよい。湿式の際に用いることができる溶媒としても特に制限はなく、例えば、水、アルコール、アセトンなどを用いることができる。
出発原料を混合する際に、湿式で行う場合には、図1のステップS13に示すように、混合された出発原料に含まれる溶媒を蒸発させるための加熱処理を行う。ここで行う加熱処理は、50℃以上150℃以下で行えばよい。加熱処理を行うことにより、混合された出発原料に含まれる溶媒を蒸発させて、混合原料を得る。
次に、図1のステップS14に示すように、坩堝に混合原料を入れ、800℃以上1000℃以下で焼成を行う。焼成時間は、例えば、5時間以上20時間以下とし、焼成ガスにAirガス(乾燥空気)を用い、流量を10L/minとする。焼成雰囲気は、大気雰囲気としてもよいし、酸素ガスを用いた雰囲気としてもよい。混合原料に焼成を行うことにより、焼成物(リチウムマンガン複合酸化物)が形成される。
焼成によって合成された複数の一次粒子が焼結したリチウムマンガン複合酸化物は、複数の一次粒子が焼結して大きな二次粒子が形成された状態となっている。そこで、図1のステップS15に示すように、複数の一次粒子が焼結したリチウムマンガン複合酸化物に対して、解砕処理を行う。焼成物に解砕処理を行うことにより、焼成物を砕いて一次粒子にする、又は一次粒子に近い粉体にする。本明細書等において、解砕処理には、焼結物が粉砕される操作も含む。なお、粉砕とは、一次粒子をさらに砕く操作をいう。解砕処理は、出発原料の混合方法と同様に、公知の解砕機や粉砕機を用いることができる。例えば、ボールミルや、ビーズミルなどを用いることができる。また、解砕・粉砕の方式は、乾式でもよいし、湿式でもよい。湿式の際に用いることができる溶媒としても特に制限はなく、例えば、水、アルコール、アセトンなどを用いることができる。
ここで、解砕・粉砕を行った後の粒子の大きさについては、例えば粒子の比表面積を測定することにより評価することができる。リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子の比表面積を増加させることにより、リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子を正極に用いた蓄電池を作製する場合に、例えば粒子と電解液との接触面積を増やすことができる。電解液との接触面積を増やすことにより、蓄電池の反応速度を高めることができ、例えば出力特性を向上させることができる。
解砕処理を行うことにより、粒子の比表面積が増加する場合があり好ましい。リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子の比表面積は例えば、0.1m/g以上が好ましい。また、粒子の比表面積が大きくなり過ぎると、該粒子を用いて作製する電極において、表面積に対して結着剤の量が不足する場合があり、強度が低下する場合がある。ここで結着剤の量を増やすと、単位重量および単位体積あたりの電極の容量が低下する場合がある。よって、リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子の比表面積は例えば、1m/g以上50m/g以下が好ましく、5m/g以上30m/g以下がより好ましい。
本実施の形態では、一次粒子が焼結したリチウムマンガン複合酸化物の解砕処理を、ビーズミルを用いて、アセトンを用いた湿式法により行う。
解砕処理を行う際に、湿式で行う場合には、解砕処理後に溶媒を蒸発させるための加熱処理を行う。ここで行う加熱処理は、ステップS13と同様に行えばよい。その後、真空乾燥を行うことにより、粉末状のリチウムマンガン複合酸化物を得る。
次に、加熱処理を行う。加熱処理は、図1のステップS16に示すように、坩堝に解砕処理後のリチウムマンガン複合酸化物を入れ、300℃以上1000℃以下、好ましくは600℃以上900℃以下で加熱処理を行う。加熱時間は、例えば、5時間以上20時間以下とし、ガスにAirガス(乾燥空気)を用い、流量を10L/minとする。加熱雰囲気は、大気雰囲気としてもよいし、酸素ガスを用いた雰囲気としてもよい。
以上の工程により、組成式LiMnで表されるリチウムマンガン複合酸化物を形成することができる。本実施の形態では、原料材料の秤量の割合(モル比)を、LiCO:MnCO:NiO=0.84:0.8062:0.318とすることにより、組成式Li1.68Mn0.80620.318で表されるリチウムマンガン複合酸化物を形成することができる。
また、ステップS15に示す解砕処理を行った後のリチウムマンガン複合酸化物は、解砕処理の衝撃により、結晶性の乱れが生じる場合がある。また、リチウムマンガン複合酸化物に酸素欠損が生じる場合がある。よって、真空乾燥を行った後の粉末状のリチウムマンガン複合酸化物に、再度加熱処理を行うことが好ましい。
解砕処理後のリチウムマンガン複合酸化物に熱処理を行うことにより、酸素欠損を修復するとともに、解砕処理時の結晶性の乱れを回復させることができる。また、再度加熱処理を行った後の粉末状のリチウムマンガン複合酸化物に、再度、解砕処理を行っても良く、この場合の解砕処理は、図1のステップS15と同様の方法を用いて行うことができる。
ここで、LiCO:MnCO:NiO=0.84:0.8062:0.318の原料を用い、図1に示すステップS11乃至S16に沿ってリチウムマンガン複合酸化物を作製し、その温度安定性を評価した。具体的には、DSC(示差走査熱量測定)を用いて評価を行った。262.2℃で発熱がみられた。それより低い温度においては、DSC評価において安定であった。よって、リチウムマンガン複合酸化物は、260℃以下の高い温度においても安定であることがわかる。
本実施の形態に示すリチウムマンガン複合酸化物は、原子数比をLi:(Mn+Ni)=2:1からずれるように調整している。このため、原子数比がLi:(Mn+Ni)=2:1となるリチウムマンガン複合酸化物を電極に用いる場合と比較して、電圧が増加し、放電容量も増加する。
以上の工程により、粒子状のリチウムマンガン複合酸化物を得ることができる。ここで、リチウムマンガン複合酸化物は、第1の領域および第2の領域を有することが好ましい。第2の領域は、第1の領域の外側の少なくとも一部に接する。ここで、外側とは、粒子の表面により近いことを示す。
第1の領域および第2の領域は、リチウムと、酸素と、を有する。また、第1の領域および第2の領域の少なくともいずれかはマンガンを有する。また、また、第1の領域および第2の領域の少なくともいずれかは元素Mを有する。ここで、元素Mは、リチウム、マンガン以外の金属元素、またはシリコン、リンであることが好ましく、Ni、Ga、Fe、Mo、In、Nb、Nd、Co、Sm、Mg、Al、Ti、Cu、またはZnから選ばれた金属元素、Si、またはPのいずれかであることがより好ましく、ニッケルであることがさらに好ましい。
次に、得られるリチウムマンガン複合酸化物に被覆層(第3の領域)を設ける。被覆層は、炭素を有することが好ましい。炭素は導電性が高いため、炭素で被覆された粒子を蓄電池の電極に用いることにより、例えば電極の抵抗を低くすることができる。また、被覆層は酸化グラフェンを有してもよく、還元した酸化グラフェンを有してもよい。
または、被覆層は金属化合物を有してもよい。ここで、金属としては例えばコバルト、アルミニウム、ニッケル、鉄、マンガン、チタン、亜鉛、リチウム、炭素等が挙げられる。金属化合物の一例として、これらの金属の酸化物や、フッ化物などが挙げられる。
本実施の形態では、被覆層として、少なくとも一部に炭素を含む層を設ける。炭素を含む層として、グラフェンを用いることが好ましい。グラフェンは、高い導電性を有するという優れた電気特性、および柔軟性並びに機械的強度が高いという優れた物理特性を有する。
なお、本明細書において、グラフェンは、単層のグラフェン、又は2層以上100層以下の多層グラフェンを含む。単層グラフェンとは、π結合を有する1原子層の炭素分子のシートのことをいう。また、酸化グラフェンとは、上記グラフェンが酸化された化合物のことをいう。なお、酸化グラフェンを還元してグラフェンを形成する場合、酸化グラフェンに含まれる酸素は全て脱離されずに、一部の酸素はグラフェンに残存する。グラフェン中の酸素の割合は、X線光電子分光法(XPS)で測定した場合にグラフェン全体の2%以上20%以下、好ましくは3%以上15%以下である。
炭素を含む層の膜厚は、0.4nm以上40nm以下とすることが好ましい。
次に、リチウムマンガン複合酸化物に炭素を含む層を設ける方法について説明する。本実施の形態では、炭素を含む層として、酸化グラフェン(Graphene Oxide;GOと略記する)を還元することによって得られたグラフェン(Reduced Graphene Oxide;RGOと略記する)を用いる。
酸化グラフェンは、Hummers法、Modified Hummers法、又は黒鉛類の酸化等、種々の合成法を用いて作製することができる。
例えば、Hummers法は、鱗片状グラファイト等のグラファイトを酸化して、酸化グラファイトを形成する手法である。形成された酸化グラファイトは、グラファイトがところどころ酸化されることでカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等の官能基が結合したものであり、グラファイトの結晶性が損なわれ、層間の距離が大きくなっている。このため超音波処理等により、容易に層間を分離して、酸化グラフェンを得ることができる。
また、酸化グラフェンの一辺の長さ(フレークサイズともいう。)は一辺の長さが50nm以上100μm以下、好ましくは800nm以上20μm以下である。フレークサイズが大きいほど、リチウムマンガン複合酸化物の表面を覆いやすくなるため好ましい。
まず、酸化グラフェンと水とを混練機に入れ、酸化グラフェンの分散溶液を作製する。以下ではこれを、酸化グラフェンの水溶液、と示す。この時、酸化グラフェンの濃度は、0.5wt%以上5wt%以下とすることが好ましい。0.5wt%未満であると、リチウムマンガン複合酸化物の表面を覆うことが困難となる。また、5wt%を超えると、電極体積が嵩張り、電極重量が重くなってしまう。
また、リチウムマンガン複合酸化物は、塩基性を示す場合があり、後に示す、電極の作製工程において使用する結着剤、導電助剤、溶媒と、を混練してスラリーまたはペーストを形成する際、リチウムマンガン複合酸化物の示す塩基性によって結着剤のゲル化が加速し、スラリーやペーストの粘度が極端に上昇し、電極の形成が困難になる場合がある。
一方、酸化グラフェンの水溶液は酸性を示す。このため、ステップS17において、酸化グラフェンの水溶液に対して、リチウムマンガン複合酸化物を添加することにより酸塩基反応が生じ、リチウムマンガン複合酸化物の塩基性が緩和される。
その結果、後の工程で結着剤や導電助剤を添加して混練しても、スラリーやペーストのゲル化を低減できる。このため、ステップS17における、酸化グラフェンの水溶液に対して、リチウムマンガン複合酸化物を添加するという工程は、結着剤や導電助剤との混練、集電体への塗工という後の工程に対してのマージンが拡大するという効果もあり、電極作製工程を安定に進める上で、有効な方法である。
次に、図1に示すステップS17に示すように、分散溶液にリチウムマンガン複合酸化物を入れ、固練りを行う。なお、固練りとは、高粘度による混練をいう。固練りを行うことにより、リチウムマンガン複合酸化物の粉体の凝集をほどくことができ、酸化グラフェンとリチウムマンガン複合酸化物とを、より均一に分散させることができる。
次に、酸化グラフェンとリチウムマンガン複合酸化物との混合物をベルジャーにて減圧乾燥した後、乳鉢で解砕することにより、酸化グラフェンが被覆されたリチウムマンガン複合酸化物を得る。
次に、図1に示すステップS18に示すように、リチウムマンガン複合酸化物の表面に被覆された酸化グラフェンに還元処理を行う。酸化グラフェンの還元処理は、熱処理によって行っても良いし、還元剤を用いて溶媒中で反応させて行っても良い。本実施の形態では、酸化グラフェンを、還元剤を用いて溶媒中で反応させる。
酸化グラフェンを、還元剤を用いて溶媒中で反応させることにより、リチウムマンガン複合酸化物の表面に被覆された酸化グラフェンは還元され、グラフェンが形成される。なお、酸化グラフェンに含まれる酸素は全て脱離せず、一部の酸素は、グラフェンに残存していてもよい。グラフェン中の酸素の割合は、XPSで測定した場合にグラフェン全体の2atomic%以上20atomic%以下、好ましくは3atomic%以上15atomic%以下である。この還元処理は、室温以上150℃以下、好ましくは室温以上80℃以下の温度で行うことが好ましい。還元処理の際、加熱を行うことにより、還元反応を促進させることができる。また、酸化グラフェンの還元時間は、3分以上10時間以下とすることができる。
還元剤としては、アスコルビン酸、ヒドラジン、ジメチルヒドラジン、ヒドロキノン、水素化硼素ナトリウム(NaBH)、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH)、N,N−ジエチルヒドロキシルアミンあるいはそれらの誘導体を用いることができる。例えば、アスコルビン酸およびヒドロキノンは、ヒドラジンや水素化硼素ナトリウムに比べ還元力が弱いため安全性が高く、工業的に利用しやすい点において好ましい。
溶媒には、極性溶媒を用いることができる。還元剤を溶解することができるものであれば、材料に限定されない。例えば、水、メタノール、エタノール、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンのいずれか一種又は二種以上の混合液を用いることができる。
還元剤および溶媒を含む還元液としては、エタノールおよびアスコルビン酸の混合液、または水、アスコルビン酸および水酸化リチウムの混合液を用いることができる。本実施の形態では、アスコルビン酸、水、および水酸化リチウムを含む還元液を用いる場合について説明する。
酸化グラフェンが被覆されたリチウムマンガン複合酸化物を、還元液中で反応させることにより、酸化グラフェンは、アスコルビン酸によりプロトンが付加される。その後、HOが脱離することにより、酸化グラフェンが還元される。
還元処理後、図1に示すステップS19に示すように、粉体の回収を行う。ここでは、還元液のろ過を行う。ここで得られる物質を、物質Aと呼ぶ。ろ過には、吸引濾過等を用いればよい。または、遠心分離を用いて物質Aと、液体と、を分離してもよい。
次に、得られた物質Aを洗浄する。洗浄は、例えば、還元液に含まれる溶媒として挙げた溶液を用いて行うとよい。なお、還元液に含まれる溶媒と同一の溶液としてもよいし、異なる溶液を用いてもよい。
次に、乾燥を行う。この乾燥工程は、例えば、50℃以上500℃未満、より好ましくは120℃以上400℃以下の温度で、1時間以上48時間以下で行うとよい。この乾燥によって、極性溶媒や水分をよく蒸発あるいは除去させる。当該乾燥工程においても、酸化グラフェンの還元を促進させることができる。減圧(真空)下又は還元雰囲気下にて行ってもよいし、大気圧でおこなってもよい。また、ガスとして、空気を用いてもよいし窒素や、その他の不活性ガスを用いてもよい。
ここで、物質Aは例えば二次粒子を形成することが好ましい。
ここで、物質Aが二次粒子を形成する場合の二次粒径は、その平均値が例えば好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは1μm以上20μm以下である。ここで粒径は、例えば粒度分布計を用いて測定される粒径を指す。または、物質Aが二次粒子を形成する場合に、その二次粒子の粒径を指してもよい。二次粒子の粒径は、前述の粒度分布計の他に、例えば顕微鏡による粒子の観察により算出することができる。また、粒径は、例えばその断面の面積から円換算の直径を算出すればよい。
なお、物質Aを洗浄した後に、物質Aを溶媒に分散させた溶液を作製し、溶液にスプレードライ処理を行って、乾燥させてもよい。スプレードライを行うことにより、物質Aが例えば二次粒子を形成して、粒径が変化する場合がある。
また、スプレードライ後に、さらに熱処理を行うことが好ましい。例えば、50℃以上500℃未満、より好ましくは120℃以上400℃以下の温度で、1時間以上48時間以下で行うとよい。この熱処理によって、極性溶媒や水分をよく蒸発あるいは除去させる。当該熱処理においても、酸化グラフェンの還元を促進させることができる。また、熱処理は、減圧(真空)下又は還元雰囲気下にて行ってもよいし、大気圧でおこなってもよい。また、ガスとして、空気を用いてもよいし窒素や、その他の不活性ガスを用いてもよい。
以上の工程により、酸化グラフェンは還元され、リチウムマンガン複合酸化物の表面にグラフェンを形成することができる。
なお、酸化グラフェンに含まれる酸素は全て脱離させる必要はなく、一部の酸素が、グラフェンに残存していてもよい。グラフェン中の酸素の割合は、XPSで測定した場合に、全体の2%以上20%以下、好ましくは、3%以上15%以下である。
還元処理後に熱処理を行うことにより、熱処理を行う前と比較して得られるグラフェンの電気伝導度をより高めることができる場合がある。
還元処理後に熱処理を行うことにより、例えば、「リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子」において、第1の領域乃至第3の領域が形成される場合がある。「リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子」が有する第1の領域乃至第3の領域は、熱処理前に形成されてもよい。あるいは、熱処理の過程において形成されてもよい。また、例えば被覆層形成前や、被覆層形成後、および還元処理後に形成された第1の領域乃至第3の領域の厚さや組成、および結晶構造等が、熱処理の過程において変化してもよい。
また、熱処理を行うことにより、例えば、結着剤が有する元素と、リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子と、が反応する場合がある。一例として、結着剤にPVdFを用いる場合において、PVdFが有するフッ素と、リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子のリチウム、マンガン、および元素Mのいずれかまたは複数と、が金属フッ化物を形成してもよい。
または、リチウムマンガン複合酸化物の被覆層、例えばここでは炭素を含む層の例を示したが、被覆層に含まれる元素と、フッ素と、が結合を形成してもよい。例えば被覆層として炭素を含む層を用いる場合には、フッ化炭素物が形成されてもよい。ここで、該被覆層は、「リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子」の有する第3の領域と一致してもよいし、第3の領域と、リチウムマンガン複合酸化物の一部と、を有しても構わない。また、「リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子」の有する第2の領域は、例えば該被覆層の一部を有してもよい。
以上の工程により、リチウムマンガン複合酸化物の表面の少なくとも一部にグラフェンが設けられた粒子を形成することができる。
グラフェンは、高い導電性を有するという優れた電気特性、および柔軟性並びに機械的強度が高いという優れた物理特性を有する。そのため、当該粒子を含む電極を電池に用いることにより、例えば当該電極の電気伝導性をより高めることができる。
次に、電極200の作製方法について説明する。
まず、電極合剤組成物を作製する。電極合剤組成物は、例えば上述した活物質を用い、結着剤や導電助剤等を添加して、溶媒とともに混練することで作製することができる。電極合剤組成物は、スラリー状であっても、ペースト状であってもよい。なお、溶媒としては、例えば、水や、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)などを用いることができる。安全性とコストの観点から、水を用いることは好ましい。
一例として電極200が蓄電池用の正極である場合を説明する。ここでは、導電助剤としてアセチレンブラックを用い、結着剤としてPVdFを用い、溶媒としてNMPを用いる例について説明する。
まず、活物質と、アセチレンブラックと、ポリフッ化ビニリデンと、を混合する。これらの混合物に、所定の粘度になるまでNMPを添加し、混練することで、電極合剤組成物を形成することができる。この工程において、混練と極性溶媒との添加を複数回繰り返し行ってもよい。電極合剤組成物は、スラリー状でもペースト状であってもよい。
以上の工程により、活物質、導電助剤、結着剤の分散状態が均一な電極合剤組成物を形成することができる。
ここで、集電体上に、アンダーコートを形成してもよい。なお、アンダーコートとは、接触抵抗の低減や、集電体と活物質層との密着性向上のための被覆層をいう。アンダーコートとして、例えば、炭素層、金属層、炭素および高分子を含む層、並びに金属および高分子を含む層を用いることができる。集電体上にアンダーコートを形成することにより、後に形成される集電体と活物質層との接触抵抗を低減することができる。また、集電体と活物質層との密着性を高めることができる。なお、アンダーコートは、導電助剤としてグラフェンを用いる場合には、酸化グラフェンの還元工程において、還元液によって溶解しないものが好ましい。
また、アンダーコートとしては、例えば、黒鉛やアセチレンブラックなどの分散水溶液、または当該水溶液に高分子を混ぜたものを用いることができ、例えば、黒鉛と、ポリアクリル酸ナトリウム(PAA)との混合物、また、ABとPVdFとの混合物などを用いることができる。また、黒鉛とPAAとの配合比は、黒鉛:PAA=95:5から50:50の範囲、ABとPVdFとの配合比は、AB:PVdF=70:30から50:50の範囲とすればよい。
なお、活物質層と集電体との密着性や、電極強度、接触抵抗に問題がなければ、アンダーコートは、必ずしも集電体に形成する必要はない。
次に、スラリーを集電体の片面又は両面に、例えば、ドクターブレード法等の塗布法などにより設ける。
次に、集電体上に設けたスラリーを、通風乾燥又は減圧(真空)乾燥等の方法で乾燥させることにより活物質層を形成する。この乾燥は、例えば、50℃以上180℃以下の熱風を用いて行うとよい。このステップにより、活物質層中に含まれる極性溶媒を蒸発させる。なお、雰囲気は特に限定されない。
ここで、この活物質層を、ロールプレス法や平板プレス法等の圧縮方法により圧力を加えることで、活物質層の密度を高めてもよい。また、プレスを行う際に、90℃以上180℃以下、好ましくは120℃以下の熱を加えることにより、アンダーコートや活物質層に含まれる結着剤(例えば、PVdF)を、電極の特性を変化させない程度に軟化させることにより、集電体と活物質層との密着性をさらに高めることができる。
次に、活物質層を乾燥させる。乾燥は、減圧(真空)下又は還元雰囲気下にて行うとよい。この乾燥工程は、例えば、50℃以上600℃以下、さらにこのましくは120℃以上500℃以下、より好ましくは200℃以上400℃以下の温度で、1時間以上48時間以下で行うとよい。この乾燥によって、活物質層に存在する極性溶媒や水分をよく蒸発あるいは除去させる。
ここで、例えば「リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子」を用いて電極を作製し、該電極を用いて蓄電池を作製する場合、「リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子」が有する第1の領域乃至第3の領域は、「リチウムマンガン複合酸化物を有する粒子」の作製過程、および蓄電池作製過程のいずれの過程において形成されていてもよい。
さらに、活物質層が形成された集電体にプレスを行ってもよい。これにより、活物質層と集電体との密着性を高めることができる。また、活物質層の密度を高めることができる。また、プレスを行う際に、90℃以上180℃以下、好ましくは120℃以下の熱を加えることにより、アンダーコートや活物質層に含まれる結着剤(例えば、PVdF)を、電極の特性を変化させない程度に軟化させることにより、集電体と活物質層との密着性をさらに高めることができる。
最後に、所定のサイズに集電体および活物質層を打ち抜くことにより、電極が作製される。
また、本実施の形態で説明したように、酸性を示す酸化グラフェンの水溶液に、強い塩基性を示す活物質を添加して酸塩基反応が生じることで、活物質の強い塩基性が緩和され、結着剤のゲル化を防止することが可能となり、その結果、強度が高く、外的な衝撃によって破壊されにくい電極を作製することができる。従って、本実施の形態で説明した電極の製造方法を用いて蓄電池を作製することにより、蓄電池のサイクル特性及びレート特性を向上させることができる。また、蓄電池の製造方法を簡略化することができる。また、強度が高く、例えば外的な衝撃によって破壊されにくい蓄電池を作製することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態や実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、蓄電池用電極について、実施の形態1および2とは異なる例について説明する。図9(A)に活物質層の平面図を、図9(B)及び図10に、活物質層の縦断面図を示す。
本実施の形態に示す蓄電池の電極の、活物質粒子に対する導電助剤の配置状態等の構造は実施の形態1と異なるものである。ただし、蓄電池のそれ以外の構成要素である正極集電体、正極活物質、負極集電体、負極活物質、他の導電助剤、電解液等は実施の形態1に示す材料等を利用することが可能である。
図9(A)及び図9(B)は、活物質層202の上面及び縦断面を、図10はさらにその断面の拡大を、それぞれ示した模式図である。活物質層202は、導電助剤としてのグラフェン204と、活物質粒子203と、結着剤と、を含む。活物質層202は、グラフェン以外の導電助剤(第2の導電助剤ともいう。図示せず)を有していてもよい。
図9(A)に示す活物質層202の上面図のように、複数の活物質粒子203は、複数のグラフェン204によって被覆されている。一枚のシート状のグラフェン204は、複数の活物質粒子203と接続する。特に、グラフェン204がシート状であるため、活物質粒子203の表面の一部を包むように面接触することができる。活物質粒子と点接触するアセチレンブラック等の粒状の導電助剤と異なり、グラフェン204は接触抵抗の低い面接触を可能とするものであるから、導電助剤の量を増加させることなく、活物質粒子203とグラフェン204との電気伝導性を向上させることができる。
また、複数のグラフェン204どうしも面接触している。これはグラフェン204の形成に、極性溶媒中での分散性が極めて高い酸化グラフェンを用いるためである。均一に分散した酸化グラフェンを含有する分散媒から溶媒を揮発除去し、酸化グラフェンを還元してグラフェンとするため、活物質層202に残留するグラフェン204は部分的に重なり合い、互いに面接触する程度に分散していることで電気伝導の経路を形成している。
図9(A)に示す活物質層202の上面図において、グラフェン204は必ずしも活物質層202の表面でのみ他のグラフェンと重なり合うものではなく、グラフェン204の一部は活物質層202の間に設けられる。また、グラフェン204は炭素分子の単層又はこれらの積層で構成される極めて薄い膜(シート)であるため、個々の活物質粒子203の表面をなぞるようにその表面の一部を覆って接触しており、活物質粒子203と接していない部分は複数の活物質粒子203の間で撓み、皺となり、あるいは引き延ばされて張った状態を呈する。
活物質層202の縦断面においては、図9(B)に示すように、活物質層202の内部において概略均一にシート状のグラフェン204が分散する。図9(B)においてはグラフェン204を模式的に太線で表しているが、実際には炭素分子の単層又は多層の厚みを有する薄膜である。活物質層202の上面についての説明と同様に、複数のグラフェン204は、複数の活物質粒子203を包むように、あるいは覆うように形成されているため、互いに面接触している。また、グラフェン204どうしも互いに面接触することで複数のグラフェン204により電気伝導のネットワークを形成している。図9(B)をさらに拡大した模式図が図10である。複数の活物質粒子203の表面上に張り付くようにグラフェン204が被覆するとともに、グラフェンどうしもまた接触してネットワークを形成している。
図9(A)、図9(B)及び図10で示したように、シート状の複数のグラフェン204は活物質層202の内部において三次元的に分散しており、これらが互いに面接触することで、三次元の電気伝導性のネットワークを形成している。また、それぞれのグラフェン204は、複数の活物質粒子203を被覆し面接触している。
本実施の形態は、他の実施の形態や実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態3で例示した活物質、導電助剤、結着剤を用いて、活物質層202を含む電極200を製造する方法について、図6を参照して説明する。
まず、活物質、酸化グラフェン、及び分散媒を混練し、第1の混合物を形成する(ステップS101)。このとき、第2の導電助剤を加えてもよい。活物質、酸化グラフェン、第2の導電助剤については、実施の形態1で説明した材料を用いることができる。
分散媒としては、極性溶媒を用いることができる。例えば、メタノール、エタノール、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)のいずれか一種又は二種以上の混合液を用いることができる。特にNMPは、酸化グラフェンをよく分散させることができるため、好ましい。
次に、これらの混合物に固練りを行うことで、酸化グラフェン及び活物質粒子の凝集をほどくことができる。また、酸化グラフェンは、極性溶媒中において官能基の酸素がマイナスに帯電するため、異なる酸化グラフェンどうしで凝集しにくい。このため、活物質粒子と酸化グラフェンをより均一に分散させることができる。
次に、第1の混合物に還元剤を添加し混合することにより酸化グラフェンを還元して第2の混合物を形成する(ステップS102)。還元剤は少量の溶媒で溶かしてから第1の混合物に添加すると、混合が容易になり好ましい。このステップにより、酸化グラフェンを還元し、グラフェンとすることができる。なお、酸化グラフェンに含まれる酸素は全て脱離されず、一部の酸素は、グラフェンに残存してもよい。
還元剤としては、実施の形態1で説明した材料を用いることができる。溶媒としては、水、メタノール、エタノール等、還元剤の溶解性が高く、沸点が低い溶媒を選択して用いることができる。
還元剤を添加した混合物を、30℃以上200℃以下、好ましくは50℃以上100℃以下で加熱してもよい。加熱により酸化グラフェンの還元反応を促進することができる。なお、雰囲気は特に限定されない。
ここで、還元剤を添加せず、酸化グラフェンを有する混合物を加熱することにより酸化グラフェンを還元すること(熱還元ともいう)ができる。ただし、熱還元によって酸化グラフェンを十分に還元させるためには、高温での加熱が必要となる。従って、電極作製に用いる材料又は装置の耐熱温度等の制限によって、酸化グラフェンを十分に還元する温度にまで加熱することができず、還元が不十分になる場合がある。一方、本発明の一態様では、還元剤を添加することで、高温で加熱をせずとも酸化グラフェンを還元することができる。従って、ステップS102に示す方法により、穏和な条件で酸化グラフェンを還元する反応の効率を高めることができる、といえる。
還元剤の量は、第1の混合物に含まれる酸化グラフェンの重量に対して、5wt%以上500wt%以下の割合とするとよい。また、還元剤の量は、ステップS101で使用した酸化グラフェンの酸化度に応じて変更してもよい。
ここで、高密度な活物質を用いると、活物質層202の密度が高くなることがある。高密度な活物質としては、例えば、組成式LiMnで表されるリチウムマンガン複合酸化物、LiCoO、LiNi1/3Mn1/3Co1/3等のNiMnCo系等が挙げられる。活物質層202を形成した後に酸化グラフェンの還元処理を行うと、酸化グラフェンを十分に還元することができない場合がある。これは活物質層202内の空隙が非常に少なく、還元剤が活物質層202の深層にまで十分に浸透しないことが原因であると考えられる。
本発明の一態様は、ステップS102に示すように、活物質層を形成する前の第1の混合物に還元剤を添加することで、酸化グラフェンを還元するものである。第1の混合物中に還元剤を添加することで、還元剤が混合物中に広く行き渡り、第2の混合物に含まれる酸化グラフェンを高い反応効率で、還元することができる。従って、後のステップS104において、酸化グラフェンが高い反応効率で還元された活物質層202を形成することができる。
活物質として、塩基性を有する物質を用いると、第2の混合物が塩基性となる場合がある。例えば、塩基性を有する活物質としては、組成式LiMnで表されるリチウムマンガン複合酸化物等が挙げられる。このとき、続くステップS105において、例えば、PVdFを含む結着剤を第2の混合物に加えると、PVdFがゲル化し、第3の混合物を均一に混練することが困難になる場合がある。
しかし、ステップS101において、酸性を示す酸化グラフェンの水溶液に、強い塩基性を示す活物質を添加して酸塩基反応が生じることで、第2の混合物が強い塩基性となるのを抑制することができる。従って、ステップS105において、PVdFのゲル化を抑制することができるため、均一に混練された第3の混合物を作製することができる。従って、結着剤が均一に分布した活物質層を形成することができるため、均一な厚みを有する電極を作製することができる。また、強度が高く、例えば外的な衝撃によって破壊されにくい電極を作製することができる。
このように、本発明の一態様では、酸化グラフェンの水溶液を用いて酸塩基反応を生じさせることで、塩基性を有する活物質と、強い塩基性の混合物中でゲル化する結着剤とを組み合わせて、均一な厚みを有する電極や強度が高い電極を作製することができる。すなわち、活物質や結着剤に用いる材料やその組み合わせの選択の幅が広がり、好ましい。
ここで、第2の混合物を、減圧雰囲気下、20℃以上80℃以下、5分以上10時間以下で乾燥させることにより、還元剤とともに添加した溶媒を除去する操作を行ってもよい。
次に、第2の混合物の塩基性の程度を測定する。一例では、第2の混合物を所定の比率で純水あるいは超純水等(pHが7であることが好ましい)と混合し、その水溶液のpHを測定する(ステップS103)。例えば、重量比で、第2の混合物1に対して、純水10を混合し、これをろ過して得られる水溶液の水素イオン濃度を測定すればよい。そして、測定した水素イオン濃度(或いはpH値)を用いて、第2の混合物の品質を確認する(ステップS104)。
例えば、pHが7.0以上11.1未満であれば、基準内にあると判定してもよい。あるいは、pHが10以上11以下であれば、基準内にあると判定してもよい。pHが基準を満たせば、次の処理に進み、そうでなければ、第2の混合物を廃棄する。この過程を経ることで、続く工程での結着剤のゲル化による不良の発生を防止することができる。
次に、第2の混合物に結着剤を加え、固練りを行い、第3の混合物(ペーストともいう)を形成する(ステップS105)。結着剤としては、実施の形態1で説明した材料を用いることができる。上記のステップS104の結果によって、第2の混合物は、結着剤のゲル化をもたらさないことが事前にわかっているので、この工程で不良が発生する確率は極めて低くなる。
次に、第3の混合物を集電体に塗布して、乾燥させる(ステップS106)。乾燥工程は、20℃以上170℃以下、1分以上10時間以下加熱することにより、分散媒を蒸発させることによって行う。なお、雰囲気は特に限定されない。以上により活物質層を形成する。
活物質層202を含む電極200を製造する他の方法について、図7を参照して説明する。まず、活物質、酸化グラフェン、及び分散媒を混練し、第1の混合物を形成する(ステップS111)。次に、第1の混合物に還元剤を添加する(ステップS112)。そして、還元剤の添加された第1の混合物の塩基性の程度を測定する(ステップS113)。そして、その結果に応じて、還元剤の添加された第1の混合物を次の工程に用いるか、廃棄するかを決定する(ステップS114)。
還元剤の添加された第1の混合物の塩基性の程度が、基準内であれば、これと結着剤を混合し、固練りを行い、第4の混合物を形成する。さらに、第4の混合物中の酸化グラフェンを還元する(ステップS115)。次に、第4の混合物を集電体に塗布して、乾燥させる(ステップS116)。以上により活物質層を形成する。なお、酸化グラフェンを還元する工程は、ステップS115のように第4の混合物を集電体に塗布する前に限らず、第4の混合物を集電体に塗布した後におこなってもよい。
活物質層202を含む電極200を製造する他の方法について、図8を参照して説明する。まず、活物質、酸化グラフェン、及び分散媒を混練し、第1の混合物を形成する(ステップS121)。さらに、還元剤を添加する(ステップS122)。次に、還元剤を添加した第1の混合物の塩基性の程度を測定する(ステップS123)。そして、その結果に応じて、還元剤の添加された第1の混合物を次の工程に用いるか、第1の混合物にさらに酸化グラフェンを添加するかを決定する(ステップS124)。
第1の混合物の塩基性の程度が、基準内でなければ、さらに酸化グラフェンを添加する(ステップS125)。ステップS125を経た第1の混合物は、再度、ステップS123において、塩基性の程度が測定される。なお、ステップS125で酸化グラフェンを追加する回数には上限を設け、ステップS123乃至ステップS125のループが無限に継続することを防止してもよい。
ステップS123で、第1の混合物の塩基性の程度が、基準内と判定されれば、これと還元剤、結着剤を混合し、固練りを行い、第5の混合物を形成する(ステップS126)。次に、第5の混合物を集電体に塗布して、乾燥させ、第5の混合物中の酸化グラフェンを還元する(ステップS127)。以上により活物質層を形成する。なお、酸化グラフェンを還元する工程は、ステップS127のように第5の混合物を集電体に塗布した後に限らず、第5の混合物を集電体に塗布する前におこなってもよい。
以上の工程により、活物質粒子203にグラフェン204が均一に分散された活物質層202を有する電極200が作製することができる。なお、乾燥工程の後、電極200に対して、加圧工程を行っても良い。
本実施の形態で活物質層に用いるリチウムマンガン複合酸化物は塩基性が強いのであるが、その度合いは、同じ条件で製造したにも関わらず、ロットごとにばらつくことも観測されている。リチウムマンガン複合酸化物は水に溶けにくいため、その塩基性の度合いを知るには特殊な条件が必要であるが、例えば、重量比で、リチウムマンガン複合酸化物1に対して、純水10を混合し、その上澄み液(あるいは、固形物を除いた水溶液)の水素イオン濃度を調べるとよい。一例では、このようにして得られた水素イオン濃度は、pHで11.1以上12.5以下の範囲でばらつく。
同様のことは、酸化グラフェンに関しても言える。酸化グラフェンの酸性の度合いも、ロットごとにばらつくことがわかっている。一般に酸化グラフェンとは、特定の構造式を有する物質ではなく、グラフェンにエポキシ基、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等のさまざまな官能基が結合したものをいい、分子量も構造も厳密に特定できない。したがって、同じような条件で製造されたとしても、その酸性の度合いが常に厳密に同じとなるわけではない。
酸化グラフェンも水に溶けにくいため、その酸性の度合いを知るには特殊な条件が必要であるが、例えば、重量比で、酸化グラフェン1に対して、純水10を混合し、その上澄み液(あるいは、固形物を除いた水溶液)の水素イオン濃度を調べるとよい。一例では、このようにして得られた水素イオン濃度は、0.5以上2.0以下、典型的には、0.9以上1.2以下の範囲でばらつく。
このようなばらつきがある場合、所定量のリチウムマンガン複合酸化物に所定量の酸化グラフェンを添加したとしても、結着剤のゲル化が防げるかどうかは不明であり、よって、不良が発生する可能性がかなり高い。これに対し、上記に示したように、結着剤を混合する前に、リチウムマンガン複合酸化物を含む混合物の塩基性の度合いがわかっていれば、結着剤と混合すべきかどうかが事前に判定できるので、不良の発生を防止することができる。
本実施の形態で説明したように、活物質と酸化グラフェンを含む混合物に、還元剤を添加し、後の工程で加熱することにより、穏和な条件で酸化グラフェンを還元することができる。また、酸化グラフェンを還元する反応の効率を高めることができる。また、結着剤のゲル化が低減できるので、均一な厚みを有する電極を作製することができる。また、強度が高く、外的な衝撃によって破壊されにくい電極を作製することができる。従って、本実施の形態で説明した電極の製造方法を用いて蓄電池を作製することにより、強度が高く、例えば外的な衝撃によって破壊されにくい蓄電池を作製することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態や実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
以下、本発明の一態様について実施例を用いて具体的に説明する。本実施例では、実施の形態2で示した方法により、正極を作製した結果について説明する。なお、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
正極活物質としてリチウムマンガン複合酸化物の合成を行った。出発材料としてLiCOとMnCOとNiOを用い、Li:Mn:Ni=1.68:0.8062:0.318(モル比)となるようにそれぞれを秤量した。
次に、秤量したNiOの粉末にエタノールを加えた後、ボールミルで周速12m/秒、粉砕時間0.5時間で粉砕し、これに秤量したLiCOとMnCOを混合し、周速10m/秒、粉砕時間0.5時間で粉砕した。
次いで、混合材料のエタノールを揮発させた後、坩堝に入れ、材料を合成した。ここでは1000℃、10時間の条件で焼成を行った。焼成の雰囲気は空気とし、ガス流量は10L/分とした。
次いで、焼成した粒子の焼結を解くために解砕処理を行った。解砕処理は、エタノールを加えた後、ボールミルで周速12m/秒、10時間行った。
次いで、解砕処理後にエタノールを揮発させるための加熱を行い、ニッケルを有するリチウムマンガン複合酸化物を得た。これを試料1とした。
さらに導電助剤である酸化グラフェン(GO)を、ニッケルを有するリチウムマンガン複合酸化物の粒子に被覆するため、試料1にGOを混練した。混練はニッケルを有するリチウムマンガン複合酸化物に対してGOが2重量%となるような比率で混合し、混練回転数80rpm、混練時間30分×2回、混練後の乾燥が70℃、12時間という条件で行った。これを試料2とした。
さらに、GOの還元処理のため、試料2に少量の水に溶解させたL−アスコルビン酸を加えて混練し、60℃で加熱することにより酸化グラフェンを還元した。これを試料3とした。
試料1の水素イオン濃度を測定するため、純水10に対し、試料1が1となるような重量比率で混合した。この混合物をろ過し、固形物を取り除いたものを水溶液Aとした。水溶液AのpHは11.6であった。
試料2の水素イオン濃度を測定するため、純水10に対し、試料2が1となるような重量比率で混合した。この混合物をろ過し、固形物を取り除いたものを水溶液Bとした。水溶液BのpHは11.0であった。
試料3の水素イオン濃度を測定するため、純水10に対し、試料3が1となるような重量比率で混合した。この混合物をろ過し、固形物を取り除いたものを水溶液Cとした。水溶液CのpHは10.8であった。
上記水溶液A、B、C、の水素イオン濃度と、試料1、試料2と試料3に導電助剤としてアセチレンブラック(AB)を5重量%と結着剤としてPVdFを5重量%添加して作製したスラリーの流動性の関係は表1のようになった。表1では、結着剤を添加した際にゲル化しやすければ「NG」、ゲル化しにくければ「OK」と示したが、水溶液Aは、pHが11.6と高く、結着剤として塩基性に弱いPVdFを用いた時に、ゲル化してしまった。一方で、水溶液B、Cは、pHは11.1未満の範囲にあり、PVdFがゲル化しなかった。
最後に、得られた試料3を用いて電極を作製した。導電助剤として、アセチレンブラック(AB)を用い、結着剤としてPVdFを用いた。まず、PVdFと、ABと、極性溶媒であるNMP(N−メチル−2−ピロリドン)とを混練した。混練の回転数は、2000rpm、混練の時間は1回を5分とした。さらに、試料3を添加して混練した。混練の回転数は、2000rpm、混練の時間は1回を5分として、5回繰り返した。さらに、NMPを添加して混練した。混練の回転数は、2000rpm、混練の時間は1回を10分として、2回繰り返した。以上の工程により、スラリー状の電極合剤組成物を得た。電極合剤組成物の配合は、重量比で試料3:AB:PVdF=90:5:5とした。
ニッケルを有するリチウムマンガン複合酸化物に酸化グラフェンを混合することで、塩基性が低下し、その結果、中和工程をすることなくスラリーの流動性が改善することが確認できた。
A−1 層
A−2 層
B−1 層
B−2 層
S11 ステップ
S12 ステップ
S13 ステップ
S14 ステップ
S15 ステップ
S16 ステップ
S17 ステップ
S18 ステップ
S19 ステップ
S101 ステップ
S102 ステップ
S103 ステップ
S104 ステップ
S105 ステップ
S106 ステップ
S111 ステップ
S112 ステップ
S113 ステップ
S114 ステップ
S115 ステップ
S116 ステップ
S121 ステップ
S122 ステップ
S123 ステップ
S124 ステップ
S125 ステップ
S126 ステップ
S127 ステップ
131 領域
132 領域
133 領域
200 電極
201 集電体
202 活物質層
203 活物質粒子
204 グラフェン

Claims (17)

  1. 活物質を製造する工程と、
    第1の導電助剤の酸化誘導体と前記活物質を用いて混合物を製造する工程と、
    前記混合物の一部を用いて塩基性の程度を測定する過程と、
    前記測定された塩基性の程度が予め定められた範囲内の場合にのみ、前記混合物の他と結着剤と、を用いてスラリーを製造する工程と、を有し、
    前記活物質は粉状であり、
    前記活物質と、pHが7である水と、を、1対10の重量比で混合して得られる水溶液のpHが11.1以上12.5以下である、
    蓄電池用電極の製造方法。
  2. 前記塩基性の程度を測定する過程では、前記混合物の一部を乾燥させた後、予め定められた比率で、特定のpHを有する水と混合して得られる水溶液の水素イオン濃度が測定される、請求項1に記載の蓄電池用電極の製造方法。
  3. 前記特定のpHを有する水のpHは7であり、前記予め定められた比率は、前記混合物を乾燥させて得られる粉体1に対して、前記特定のpHを有する水10の重量比であり、前記予め定められた範囲は、pHが7.0以上11.1未満であることを特徴とする、請求項2に記載の蓄電池用電極の製造方法。
  4. 前記特定のpHを有する水のpHは7であり、前記予め定められた比率は、前記混合物を乾燥させて得られる粉体1に対して、前記特定のpHを有する水10の重量比であり、前記予め定められた範囲は、pHが10以上11以下であることを特徴とする、請求項2に記載の蓄電池用電極の製造方法。
  5. 活物質を製造する工程と、
    第1の導電助剤の酸化誘導体と前記活物質を用いて混合物を製造する工程と、
    結着剤と前記混合物とを用いてスラリーを製造する工程と、を有し、
    前記活物質は粉状であり、
    前記活物質と、pHが7である水と、を、1対10の重量比で混合して得られる水溶液のpHが11.1以上12.5以下であることを特徴とする、
    蓄電池用電極の製造方法。
  6. 前記混合物を乾燥させて得られる粉体と、pHが7である水と、を、1対10の重量比で混合して得られる水溶液のpHが7.0以上11.1未満であることを特徴とする、請求項5記載の蓄電池用電極の製造方法。
  7. 前記混合物を乾燥させて得られる粉体と、pHが7である水と、を、1対10の重量比で混合して得られる水溶液のpHが10以上11以下であることを特徴とする、請求項5に記載の蓄電池用電極の製造方法。
  8. 前記スラリーをろ過する工程を有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の蓄電池用電極の製造方法。
  9. 前記混合物は、前記第1の導電助剤の酸化誘導体が還元されて生成する物質を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の蓄電池用電極の製造方法。
  10. 前記スラリーを還元する工程を有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の蓄電池用電極の製造方法。
  11. 前記スラリーを集電体に塗布後、還元する工程を有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の蓄電池用電極の製造方法。
  12. 前記第1の導電助剤の酸化誘導体は酸化グラフェンであることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の蓄電池用電極の製造方法。
  13. 前記酸化グラフェンと、pHが7である水と、を、1対10の重量比で混合して得られる水溶液のpHが0.5以上2.0以下であることを特徴とする、請求項12に記載の蓄電池用電極の製造方法。
  14. 前記酸化グラフェンと、pHが7である水と、を、1対10の重量比で混合して得られる水溶液のpHが0.9以上1.2以下であることを特徴とする、請求項12に記載の蓄電池用電極の製造方法。
  15. 前記結着剤は、第2の導電助剤を含むことを特徴とする、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の蓄電池用電極の製造方法。
  16. 前記第2の導電助剤はアセチレンブラックであることを特徴とする、請求項15に記載の蓄電池用電極の製造方法。
  17. 前記結着剤はポリフッ化ビニリデンを含むことを特徴とする、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の蓄電池用電極の製造方法。
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WO2021014257A1 (ja) * 2019-07-19 2021-01-28 株式会社半導体エネルギー研究所 電極スラリーの作製方法、電極の作製方法、正極の作製方法、二次電池用電極、二次電池用正極

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