JP2017061488A - L−アラニル−l−グルタミンを有する蜂蜜組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】睡眠の向上及び不眠症又は睡眠時無呼吸のような睡眠障害の治療において特定の有用性を有する医薬組成物及び複合製品の提供。
【解決手段】蜂蜜及びL−アラニル−L−グルタミンを含む組成物、その医薬組成物並びに治療において同時に、別々に又は連続して用いられる、蜂蜜及びL−アラニル−L−グルタミンを含む複合製品。前記組成物が、10重量%以下のL−アラニル−L−グルタミンを含む複合製品。不眠症又は睡眠時無呼吸症候群の治療等の睡眠を改善するために、前記複合製品を睡眠30分前以降に用いる睡眠改善方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、蜂蜜およびL−アラニル−L−グルタミンを含む組成物に関する。本発明は
さらに、治療有用性を有する組成物、医薬組成物および複合製品に関する。
人間が生存するためには、以下の基本条件が満たされなければならない:適切な住居/
暖気/衣類、十分な食糧/栄養エネルギー、および明/暗サイクルの暗期中の約8時間の
回復睡眠。現代の西洋の大都市の人間にとって、これらの最初の2つは通常満たされるが
、3つ目は満たされず、ますます満たされなくなっている。米国の国立睡眠財団によると
、米国人の睡眠は必要とされる時間より最大2時間少ない。さらに、栄養エネルギーと睡
眠との間の関係は、おそらくすべての生命科学においてもっとも軽視されている研究領域
であり、脳へのエネルギー供給と睡眠の時間および質との間の関係がもっとも軽視されて
いる。
睡眠および睡眠障害の治療を補助する多数の睡眠または催眠薬;例えば、ベンゾジアゼ
ピンが今日市販されている。しかし、薬剤誘発睡眠は、多くの場合、十分にリフレッシュ
できない睡眠を誘発し、多数の有害作用(例えば、依存性の誘発)を含むことが報告され
ている。
従って、より自然な睡眠の治療が好まれることが多い。
蜂蜜はハチにより生成される天然甘味製品である。数千年間、蜂蜜は幅広い治療用途に
用いることが提案されてきた。蜂蜜は抗菌および鎮咳性を有することが知られている。長
年にわたり、蜂蜜は睡眠を改善するために摂取することができると考えられてきた。最近
の研究により、この考えは立証されてきた。
しかしながら、睡眠を改善し、睡眠障害を治療するための、蜂蜜単独より効率的な蜂蜜
系組成物を提供する必要性が残る。
驚くべきことに、出願人は、蜂蜜およびL−アラニル−L−グルタミンの投与によって
睡眠を改善することができることを見出した。
従って、本発明の第1態様では、蜂蜜およびL−アラニル−L−グルタミンを含む組成
物が提供される。
蜂蜜およびL−アラニル−L−グルタミンは、組成物中で、その治療効果的な量で提供
される。任意に、L−アラニル−L−グルタミンは総組成物の10重量%〜6重量%以下
である。組成物は0.5重量%〜10重量%、1重量%〜10重量%、0.5重量%〜6
重量%、または2重量%〜6重量%のL−アラニル−L−グルタミンを含むことができる
組成物は90重量%〜94重量%以上の蜂蜜を含むことができる。組成物は90重量%
〜99.95重量%、90重量%〜99.9重量%、90重量%〜99重量%、98重量
%〜99.95重量%、98重量%〜99.9重量%、98重量%〜99重量%、または
98重量%〜94重量%の蜂蜜を含むことができる。
組成物は50グラムの蜂蜜および0.5グラムのL−アラニル−L−グルタミンを含む
、またはこれらから構成することができる。
組成物は多数の追加の成分を含むことができる。しかしながら、組成物は本質的には蜂
蜜およびL−アラニル−L−グルタミンから構成することができる。
任意に、組成物中のアミノ酸はジペプチドまたはポリペプチドのみである。しかしなが
ら、アミノ酸モノマーは蜂蜜中に存在し得る。
任意に、組成物はL−イソロイシン、L−ロイシンおよびL−バリンのいずれか1つま
たはすべてを含まない。
任意に、組成物中の炭水化物の供給源は蜂蜜のみである。
任意に、組成物中のグルコースの供給源は蜂蜜のみである。
任意に、組成物は水等の溶媒をさらに含むことができる。水は、蜂蜜の溶解を補助する
ため、加熱することができる。水が含まれる本発明の実施形態では、L−アラニル−L−
グルタミンおよび/または蜂蜜に由来する組成物の好適な割合は、上記で表されたように
、水の非存在下での重量による割合で表される。
本発明の第1態様による組成物が治療用途において有用性を有するように、本発明の第
2態様は本発明の第1態様の組成物および1つ以上の医薬的に許容可能な希釈剤、賦形剤
または担体を含む医薬組成物を提供する。本発明の第2態様の医薬組成物は、本発明の第
1態様について上述した特徴のいずれか1つ以上を含むことができる。
医薬組成物として、組成物は、食品代替物として、または食品もしくは飲料の栄養補助
物としては調製されないことが好ましい。
本発明のさらなる態様は、睡眠を改善する、または睡眠障害(任意で不眠症もしくは睡
眠時無呼吸)を治療するための方法において、該方法は組成物、医薬組成物、または複合
製品を対象に治療に効果的な量で投与するステップを含むことを特徴とする、方法である
組成物は、任意に、液体形態で経口投与することができる。従って、組成物は、溶媒(
任意に水、熱湯であってもよい)中に溶解することにより調製することができる。
さらに、本発明の第4態様では、治療において同時に、別々にまたは連続して用いられ
る、蜂蜜およびL−アラニル−L−グルタミンを含む複合製品が提供される。
本発明の第4態様の複合製品は、本発明の第1または第2態様のいずれか1つ以上の特
徴を含むことができる。
例えば、複合製品の、蜂蜜とL−アラニル−L−グルタミンとの合計重量の10%また
は6%をL−アラニル−L−グルタミンとしてもよい。蜂蜜とL−アラニル−L−グルタ
ミンとの合計重量の0.5%〜10%、1%〜10%、0.5%〜6%、または2%〜6
%をL−アラニル−L−グルタミンとしてもよい。
任意に、蜂蜜とL−アラニル−L−グルタミンとの合計重量の90%または94%を蜂
蜜としてもよい。さらなる実施形態では、蜂蜜とL−アラニル−L−グルタミンとの合計
重量の90%〜99.95%、90%〜99.9%、90%〜99%、98%〜99.9
5%、98%〜99.9%、98%〜99%、または98%〜94%を蜂蜜としてもよい
。複合製品は、50グラムの蜂蜜および0.5グラムのL−アラニル−L−グルタミンを
含む、またはこれらから構成することができる。
複合製品は蜂蜜およびL−アラニル−L−グルタミンを含む組成物として調製すること
ができる。
本発明の第4態様の複合製品は、本発明の第1または第2態様について上述した特徴の
いずれか1つ以上を含むことができる。
複合製品は、睡眠を改善するための方法において用いることができる。睡眠の改善は、
睡眠の質の改善(すなわち睡眠後のリフレッシュした感じ)、睡眠の時間、睡眠を誘発し
ようとするのに要する時間の減少、睡眠から目覚める際の状態、または上記の組み合わせ
として特徴づけることができる。本発明のさらなる実施形態では、複合製品は睡眠障害(
例えば不眠症または睡眠時無呼吸)を治療するための方法において用いることができる。
本発明の複合製品、組成物、または医薬組成物は好適には、受容者が睡眠を誘発するこ
とを望む直前に投与される。好適には、組成物は、受容者が睡眠を誘発することを望む時
間の1時間、45分、30分、15分または10分前以降に摂取される。1つの実施形態
では、受容者は複合製品を就寝直前に投与される。
複合製品は、経口または直腸投与用に調製することができる。
本発明の、これらの態様および他の態様について、ここで例としてのみ記載する。
蜂蜜は、ハチにより、花または植物から直接得られる花蜜または他の植物分泌物が与え
られた後、ハチにより生成される酵素がその花蜜または他の植物分泌物に添加されること
により、蜂蜜として生成される天然甘味製品である。好適には、蜂蜜はセイヨウミツバチ
(Apis meliferra)種のハチにより生成される。蜂蜜は、好適には全蜂蜜
であり、そのいずれの抽出物または還元物でもない。
L−アラニル−L−グルタミンは以下の構造式のジペプチドである。
L−アラニル−L−グルタミンの語はその医薬的に許容可能な塩を含む。
本発明に係る組成物、医薬組成物または複合製品は、蜂蜜およびL−アラニル−L−グ
ルタミンを3:47の重量比で組み合わせることにより調製することができる。水を添加
してもよい。組成物は、個人により就寝直前に引用される。
さらに制限することを意図するものではないが、発明を明確とするため、本発明者らは
、睡眠中に前述の利点を提供する良好なエネルギー供給源を提供することが、本発明の利
点であると理論づける。明/暗サイクルの暗期中の人間の睡眠において、脳には、回復作
用の最適化、およびレム睡眠中の短期記憶(海馬)の長期記憶(新皮質)への処理という
、2つの極めて重要な役割が課されている。これら2つの極めて重要な生理学的活動のそ
れぞれは、夜の断食の時間にわたって脳エネルギーの最適供給に絶対的に依存し、視床下
部/脳下垂体/副腎(HPA)軸が慢性的に刺激されない場合、この供給は脳に大きな代
謝の問題を提示する。人間の脳は人体における最高制御機構であり、代謝および生理作用
のすべてのシステム、とりわけエネルギー資源の獲得、制御および分配についての最高制
御機構であり、この臓器は一方でもっとも高いエネルギー需要、および他方で非常に低い
エネルギー貯蔵容量を有する。エネルギー資源の需要が高い期間(睡眠/運動)中、脳は
すべての他の臓器および組織とエネルギーを取り合うことを強いられるが、そのニーズに
はすべての周辺臓器以上の絶対的優先権が与えられるという、最優先の条件がある。夜の
断食の時間、脳は予備エネルギーを供給するのにほぼ排他的に肝臓グリコーゲンに依存す
ると仮定される。そのエネルギー供給を最適化するのに脳が使用可能な2つのシステムは
、食物摂取およびストレス作用である。通常、食物は夜の断食の時間中には摂取されない
ので、肝臓に睡眠前に最適にエネルギーが供給されない場合、脳は、脳エネルギー供給の
ため体(末梢)からエネルギーを奪う唯一の手段であるHPAシステムを活性化せざるを
得ない(利己的な脳理論)。脳エネルギーは、4つのレベル:神経のATP、星状膠細胞
のグリコーゲン、血中グルコース濃度、および肝臓グリコーゲンで示される。補給のない
状態で、最初の2つは1分未満の時間、3つ目は1時間より顕著に短い時間、エネルギー
を供給するため、重要な夜の予備の脳エネルギーは、肝臓ストレス信号、IGFBP−1
により示される、肝臓グリコーゲンである。健康な人間において、予備の肝臓グリコーゲ
ン予備の消耗を示す肝臓グリコーゲン状態信号IGFBP−1は、午後6時の食事時から
4倍上昇する。このIGFBP−1の上昇は、肝臓グリコーゲン供給を増加させるために
脳が用いることができる唯一の方法であるHPA軸の活性化とともに、IGF−1、重要
な回復作用ホルモンの阻害をもたらす。
本発明は、睡眠前に肝臓グリコーゲン貯蔵を優先的に増加させるものと理論づけされる
本発明の組成物摂取の、睡眠に対する効果を明らかにするための検討を実施した。
1.単一用量組成物(Hibernation Honey)の調製
50グラムの蜂蜜および0.5グラムのL−アラニル−L−グルタミンをプラスチック
バイアル中で混合した後、混合物を飲み物容器に注ぎ、熱湯中で溶解した。すべての蜂蜜
およびジペプチドを飲み物容器に入れるように、バイアル中の混合物のいずれの残渣も熱
湯と混合し、飲み物容器に注ぎ、撹拌した。このように単一用量組成物は飲み物容器中に
調製される。用いられた蜂蜜は、ブレンド蜂蜜(Tesco標準ブレンド)だった。用い
られたL−アラニル−L−グルタミン((登録商標)Sustamine)は、オランダ
の飲料会社Infra Foodbrandsを通して協和インターナショナルから入手
された。
2.睡眠に対する組成物の分析
睡眠に対するHibernation Honeyの効果の分析は、25〜75歳の7
人の健康な成人について、連続6日間にわたって行われた。
Hibernation Honeyを摂取しなかった最初の3日間(1〜3日目)、
入眠潜時、睡眠の質、睡眠時間、夢想起および早朝嘔吐が、7人の成人のそれぞれについ
て3日間の各晩測定された。
次の3日間(4〜6日目)にかけて、同じ成人に、単一用量のHibernation
Honey(上述)を就寝の30分前以降に摂取させた。測定は、7人の成人のそれぞ
れについて、3日の各晩の入眠潜時、睡眠時間、夢想起および早朝嘔吐について行われた
被験者は就寝時間および起床時間を記録するよう求められた。翌朝、起床直後、記録さ
れた時間および彼らの事象に対する記憶に基づき、各被験者は、入眠時間および睡眠時間
を予想することが求められた。睡眠の質は、成人に実験の毎朝起床直後に彼らの睡眠の質
を次の4つのカテゴリーの1つとして記録することを求めることにより、測定された:非
常に悪い/悪い/普通/良い。成人は実験の毎朝起床直後に夢想起および吐き気を記録す
るようにさらに求められた。
3.結果
入眠潜時:
1〜3日目、7人の被験者の総時間は:552分だった。
4〜6日目、7人の被験者の総時間は:468分だった―15.2%の減少。
睡眠時間:
1〜3日目、7人の被験者の睡眠時間の総時間は:140.75時間だった。
4〜6日目、7人の被験者の睡眠時間の総時間は:152時間だった―7.9%の増加。
睡眠の質:
1〜3日目、7人の回答者は睡眠の質を悪い2//普通12//良い7と記録した。
4〜6日目、7人の回答者は睡眠の質を悪い1//普通7//良い13と記録した―質の
向上の明らかな傾向。
夢想起―顕著な結果なし。
早朝嘔吐―顕著な結果なし。
結論:―就寝時間の30分前以降にHibernation Honeyを摂取するこ
とにより、入眠潜時が減少し、睡眠時間および質が改善された。

Claims (14)

  1. 蜂蜜およびL−アラニル−L−グルタミンを含む組成物。
  2. 前記組成物が、10重量%以下のL−アラニル−L−グルタミンを含むことを特徴とす
    る、請求項1に記載の組成物。
  3. 本質的に、蜂蜜およびL−アラニル−L−グルタミンから構成される、前請求項のいず
    れかに記載の組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の組成物および1つ以上の医薬的に許容可能な希釈剤、
    賦形剤または担体を含む医薬組成物。
  5. 治療において同時に、別々にまたは連続して用いられる、蜂蜜およびL−アラニル−L
    −グルタミンを含む複合製品。
  6. 蜂蜜とL−アラニル−L−グルタミンとの合計重量の10%以下が、L−アラニル−L
    −グルタミンであることを特徴とする、請求項5に記載の複合製品。
  7. 本質的には、蜂蜜およびL−アラニル−L−グルタミンから構成される、請求項5また
    は請求項6に記載の複合製品。
  8. 睡眠を改善するための、請求項5〜7のいずれかに記載の複合製品。
  9. 不眠症の治療において用いられる、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物、または請
    求項5〜8のいずれかに記載の複合製品。
  10. 睡眠時無呼吸の治療において用いられる、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物、ま
    たは請求項5〜9のいずれかに記載の複合製品。
  11. 前記複合製品を、前記治療の対象に睡眠の30分前以降に投与するステップを含む、睡
    眠を改善するための方法において用いられる、請求項8に記載の組成物または複合製品。
  12. 前記複合製品を、前記治療の対象に睡眠の30分前以降に投与するステップを含む睡眠
    を改善するための方法において用いられる、請求項9に記載の組成物または複合製品。
  13. 前記複合製品を、前記治療の対象に睡眠の30分前以降に投与するステップを含む睡眠
    を改善するための方法において用いられる、請求項10に記載の組成物または複合製品。
  14. 前記蜂蜜およびL−アラニル−L−グルタミンが単一組成物として調製されることを特
    徴とする、請求項5〜13のいずれかに記載の複合製品。
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