JP2017058515A - 液体現像剤 - Google Patents
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Abstract
Description
構成(1):高化式フローテスターを用いて測定される、トナーの75℃における溶融粘度ηが、100,000Pa・s以上150,000Pa・s以下である。
構成(2):示差走査熱量分析装置(DSC)で測定される第1回目の昇温時の吸熱曲線において、トナーのガラス転移点Tg1stが35℃以上45℃以下であり、第2回目の昇温時の吸熱曲線において、トナーのガラス転移点Tg2ndが確認されない。
構成(3):25℃におけるCasson降伏値が、30mPa以上700mPa以下である。
構成(4):結晶性ポリエステル樹脂は、スチレン系モノマー由来の繰り返し単位と、アクリル酸系モノマー由来の繰り返し単位とを有する。
構成(5):非晶性ポリエステル樹脂の含有量に対する結晶性ポリエステル樹脂の含有量の比率が、0.30以上0.55以下である。
本実施形態の液体現像剤に含有されるトナー粒子は、結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂と、非晶性ポリステル樹脂とを含む。トナー粒子は、必要に応じて、内添剤(例えば、着色剤、又は離型剤)を含有してもよい。なお、トナー粒子が例示した成分の全てを有していることは必須ではなく、トナーの用途に応じて必要のない成分(例えば、着色剤、離型剤、又は帯電制御剤)を割愛してもよい。以下、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を説明する。
[1−1−1.結晶性ポリエステル樹脂]
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合又は共縮重合によって得られる。アルコール成分としては2価又は3価以上のアルコールを使用できる。2価又は3価以上のアルコール成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジ1,2−プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリ1,2−プロパンジオール、又はポリテトラメチレングリコールのようなジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレンビスフェノールA、又はポリオキシプロピレンビスフェノールAのようなビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンのような3価以上のアルコール類が挙げられる。
非晶性ポリエステル樹脂を調製する場合、得られるポリエステル樹脂の結晶化を抑制する必要がある。ポリエステル樹脂の結晶化抑制方法は、特に限定されないが、一般的な結晶化抑制方法として、例えば以下の方法(1)〜(3)が挙げられる。
トナー粒子は、必要に応じて着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。着色剤の使用量は、100質量部の結着樹脂に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
トナー粒子は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、又はアニリンブラックが挙げられる。黒色着色剤は、高い絶縁性を有する材料で被覆される黒色着色剤を用いてもよい。黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナー粒子は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含有していてもよい。
トナー粒子は、必要に応じて離型剤を含んでいてもよい。離型剤は、液体現像剤に含まれるトナーの定着性及び耐オフセット性を向上させる目的で使用される。液体現像剤に含まれるトナーの定着性及び耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の使用量は、100質量部の結着樹脂に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る液体現像剤は、液体キャリアを含有する。液体キャリアは電気絶縁性を有する。液体キャリアには、複数のトナー粒子が分散している。
液体現像剤は、帯電制御剤を含んでもよい。帯電制御剤としては、例えば、正帯電性の帯電制御剤、又は負帯電性の帯電制御剤を挙げることができ、所望のトナーの帯電極性により帯電制御剤の帯電極性を選択することができる。
液体現像剤の製造方法は、トナー粒子準備工程、トナー粒子分散工程を含む。以下、トナー粒子準備工程、及びトナー粒子分散工程を説明する。
トナー粒子準備工程では、例えば、トナー粒子を作製する。トナー粒子は、乾式粉砕法、湿式製造法(例えば、溶解懸濁造粒法)、又は高圧乳化製造法を用いて調製することができる。ここで、乾式粉砕法を例に挙げ、トナー粒子の作製方法を説明する。乾式粉砕法を用いる場合、以下のようにしてトナー粒子を調製することができる。まず、結着樹脂と着色剤とを、流動混合装置(例えば、FMミキサー、日本コークス工業株式会社製「FM20C/I」)を用いて混合する。得られた混合物を、混練機(例えば、二軸押出機、株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて混錬する。得られた混練物を冷却した後、粉砕機(例えば、ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)16/8型」)を用いて粗粉砕する。得られた粗粉砕物を、粉砕機(例えば、フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルRS」)を用いて微粉砕する。これにより、トナー粒子を得る。また、例えば、エルボージェット(日鉄鉱業株式会社製「EJ−LABO型式EJ−L−3」)を用いて、粉砕したトナー粒子を分級してもよい。
トナー粒子分散工程では、トナー粒子及び帯電制御剤を液体キャリア中に分散させる。トナー粒子が水性媒体に懸濁した状態(懸濁液)で液体キャリア中への分散に用いられる場合には、トナー粒子を含む懸濁液を乾燥させて、完全に水性媒体を除去した後、乾燥したトナー粒子を液体キャリアに分散させ、帯電制御剤を分散させることにより、液体現像剤を得ることができる。また、トナー粒子が上述の湿式製造法で調製される場合には、トナー粒子を含む懸濁液をドライアップ又はフラッシングすることにより、液体キャリアに分散させることができる。ドライアップは、トナー粒子を含む懸濁液を完全に乾燥させ、乾燥したトナー粒子を液体キャリアに分散させる方法である。フラッシングは、以下の方法で行われる。まず、トナー粒子を含む懸濁液を濾過して水分を除去し、ウェットケーキ状のトナー粒子(含水率10質量%程度)を得る。得られたウェットケーキ状のトナー粒子を液体キャリアに分散し、攪拌しながら減圧留去する。これにより、ウェットケーキ状のトナー粒子に含まれる水性溶媒を、液体キャリアで置換する。
(1−1.結晶性樹脂Aの作製)
4つ口フラスコを反応容器として用いた。この反応容器は、窒素導入管、脱水管、攪拌器、加熱器、及び熱電対を備え、容量5Lの4つ口フラスコであった。反応容器に、アルコール成分として1,4−ブタンジオール990質量部及び1,6−ヘキサンジオール242質量部と、カルボン酸成分としてフマル酸1,480質量部と、ハイドロキノン2.5質量部とを投入した。常圧(大気圧)下で反応容器内の温度を170℃に昇温した。反応容器内の温度を170℃に維持し、内容物を5時間反応させた。続けて、反応容器内の温度を210℃に昇温した。反応容器内の温度を210℃に維持し、内容物を1.5時間反応させた。続けて、反応容器内の圧力を8.0kPaとした。反応容器内の圧力を8.0kPaに維持し、内容物を1時間反応させた。反応容器内の圧力を常圧に戻した。
モノマー(1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、フマル酸、スチレン、及びメチクリル酸ブチル)の含有量を、それぞれ表1に示すモノマーの含有量に変更した以外は、結晶性樹脂Aと同様にして、結晶性ポリエステル樹脂(結晶性樹脂B〜D)を得た。
4つ口フラスコを反応容器として用いた。この反応容器は、窒素導入管、脱水管、攪拌器、加熱器、及び熱電対を備えた、容量5Lの4つ口フラスコであった。反応容器に、アルコール成分として1,4−ブタンジオール1,060質量部及び1,6−ヘキサンジオール220質量部と、カルボン酸成分としてフマル酸1,480質量部と、ハイドロキノン2.5質量部とを投入した。常圧(大気圧)下で反応容器内の温度を170℃に昇温した。反応容器内の温度を170℃に維持し、内容物を5時間反応させた。続けて、反応容器内の温度を210℃に昇温した。反応容器内の温度を210℃に維持し、内容物を1.5時間反応させた。続けて、反応容器内の圧力を8.0kPaとした。反応容器内の圧力を8.0kPaに維持し、内容物を1時間反応させた。反応容器内の圧力を常圧に戻し、結晶性ポリエステル樹脂(結晶性樹脂E)を得た。表1に結晶性樹脂A〜Eの融点、酸価、水酸基価、重量平均分子量、及び数平均分子量をまとめた。また、表1中「−」は、0質量部を示す。
(2−1.非晶性樹脂Aの作製)
4つ口フラスコを反応容器として用いた。この反応容器は、窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を備えた、容量5Lの4つ口フラスコであった。反応容器内に、アルコール成分としてポリオキシプロピレンビスフェノールAエーテル(BPA−PO)1,700質量部及びポリオキシエチレンビスフェノールAエーテル(BPA−EO)650質量部と、カルボン酸成分としてドデセニル無水コハク酸500質量部及びテレフタル酸400質量部と、酸化ジブチル錫4質量部とを反応容器に投入した。反応容器内の温度を220℃に昇温した。反応容器内の温度を220℃に維持し、内容物を9時間反応させた後、反応容器内の圧力を8.0kPaとした。反応容器内の温度220℃及び反応容器内の圧力8.0kPaを維持し、内容物を2時間反応させ、非晶性ポリエステル樹脂(非晶性樹脂A)を得た。
モノマー(BPA−PO、BPA−EO、ドデセニル無水コハク酸、及びテレフタル酸)の含有量を、それぞれ表2に示すモノマーの含有量に変更した以外は、非晶性樹脂Aと同様にして、非晶性ポリエステル樹脂(非晶性樹脂B〜E)を得た。なお、表中「−」は、0質量部を示し、非晶性樹脂の作製に0質量部のモノマーを使用しなかったことを示す。表2に非晶性樹脂A〜Eの軟化点、ガラス転移点、酸価、水酸基価、重量平均分子量、及び数平均分子量をまとめた。また、表2中「−」は、0質量部を示す。
(3−1.トナー1の作製)
結着樹脂として結晶性樹脂A(結晶性ポリエステル樹脂)25質量部及び非晶性樹脂A(非晶性ポリエステル樹脂)75質量部と、離型剤としてエステルワックス(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」)1質量部、着色剤として黒色顔料(三菱化学株式会社製「MA−10」カーボンブラック)20質量部を投入し、FMミキサー(日本コークス株式会社製「20B」)を用いて混合した。得られた混合物を、二軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて、材料供給速度6kg/時、軸回転数160rpm、及びシリンダー温度90℃の条件で溶融して混練した。その後、冷却して混練物を得た。得られた混練物を粉砕機(株式会社ホソカワケミクロン製「ロートプレックス(登録商標)16/8型」)で粗粉砕した。粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルRS」)を用いて、粗粉砕物を微粉砕した。得られた微粉砕物をエルボージェット(日鉄鉱業株式会社製「EJ−LABO型式EJ−L−3」)で分級して、体積中位径(D50)7μmのトナー1を得た。
結着樹脂の種類及び含有量を、それぞれ表3に示す結着樹脂の種類及び含有量に変更した以外は、トナー1と同様にして、トナー2〜7及びトナーR1〜R14を得た。得られたトナー2〜7及びトナーR1〜R14の体積中位径(D50)は、いずれも7μmであった。表3にトナーの組成をまとめた。
(液体現像剤1の作製)
実施例1
トナー1:75質量部と、液体キャリア(株式会社MORESCO製「モレスコホワイト(登録商標)P−55」)210質量部と、帯電制御剤(ISPジャパン株式会社製「アンタロンV−216」)15質量部とを混合した。湿式粉砕時のメディアとしてガラスビーズ(直径1mm)300質量部を、混合物に添加した。サンドミル(株式会社林商店製)を用いて、ベッセル内のスラリー温度を6℃以上10℃以下の範囲に維持して、トナー粒子の体積中位径D50が1μm以上2μm以下となるまで、添加した混合物を湿式粉砕し、液体現像剤1を得た。
実施例2〜7、及び比較例1〜14
トナー1、液体キャリアの含有量210質量部、及び帯電制御剤の含有量15質量部を、それぞれ表4に示すトナーの種類、液体キャリアの含有量、及び帯電制御剤の含有量に変更した以外は、液体現像剤1と同様にして、液体現像剤2〜7及び液体現像剤R1〜R14を得た。表4に液体現像剤の組成をまとめた。
実施例及び比較例に係る液体現像剤、トナー、及び樹脂の物性の測定方法について説明する。
示差走査熱量分析計(DSC)として、セイコーインスツル株式会社製「DSC6220」を用いた。試料(液体現像剤)からトナーを取出し、測定用試料とした。アルミ皿に5.0mg以上5.2mg以下の測定用試料(トナー)を入れた。続けて、DSCの測定部にアルミ皿をセットした。アルミ皿上の測定用試料を加熱した。加熱は、以下に示す条件(RUN1)〜(RUN3)で行われた。詳しくは、条件(RUN1)に基づいて測定用試料を10℃から150℃まで昇温し、150℃で3分間維持した。次いで条件(RUN2)に基づいて測定用試料を150℃から10℃まで降温し、10℃で3分間維持した。最後に条件(RUN3)に基づいて測定用試料を再度昇温した。
測定開始温度10℃ 測定終了温度150℃ 昇温速度10℃/分・・・(RUN1)
測定開始温度150℃ 測定終了温度10℃ 降温速度10℃/分・・・(RUN2)
測定開始温度10℃ 測定終了温度150℃ 昇温速度10℃/分・・・(RUN3)
示差走査熱量分析計(DSC)として、セイコーインスツル株式会社製「DSC6220」を用いた。アルミ皿に5.0mg以上5.2mg以下の測定用試料(非晶性ポリエステル樹脂)を入れた。続けて、DSCの測定部にアルミ皿をセットした。アルミ皿上の測定用試料を加熱した。加熱は、以下に示す条件(RUN4)で行われた。詳しくは、条件(RUN4)に基づいて測定用試料を昇温した。
測定開始温度10℃ 測定終了温度150℃ 昇温速度10℃/分・・・(RUN4)
昇温時に観測される吸熱ピークの外挿線を非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移点Tgとした。
試料(液体現像剤)からトナーを取出した。トナー1.8gを秤量し、円柱状の孔が形成された型に入れた。孔の中に円柱状のプランジャーを挿し込み、プランジャーの上から加圧機にて4MPaの圧力を加えた。型の孔から、ペレットを取り出した。ペレットを測定用試料とした。このペレットは実質的にトナーからなり、ペレットの体積は約1.9cm3であり、ペレットの形状は円柱状であった。高化式フローテスター(島津製作所社製「CFT−500D」)を用い、ペレットを、昇温速度4℃/分で加熱しながら、プランジャーにより30kg/cm2の荷重を与え、直径1mm、厚さ1mmのノズルからペレット状トナーを押し出した。この際、プランジャー降下量−温度曲線を作成し、曲線からせん断応力及びせん断速度を計算し、トナーの75℃における溶融粘度ηを求めた。
液体現像剤のCasson降伏値は、レオメーター(アントンパール社製「Physica MCR 301」)を用いて求めた。レオメーターはコーンプレート型であり、コーンプレート(「CP25−1」、コーン角度1°、直径2.5cm)を用いた。試料(液体現像剤)をレオメーターにセットし、ギャップを1mm設定した。常温常湿(温度:25℃、湿度:50%RH)環境下で、せん断速度Sにおけるせん断応力Dを測定した。せん断速度Sは2000(1/s)、1000(1/s)、100(1/s)、及び10(1/s)であった。数式(1)を用いて、得られたS及びDをCassonプロットすることで、Casson降伏値を求めた。
√S=a√D+b・・・(1)
詳しくは、得られたS及びDから、数式(1)を用いて、係数bを算出した。得られた係数bを二乗した値をCasson降伏値とした。なお、数式(1)中a及びbはそれぞれ係数を示す。
結着樹脂の酸価(AV値)は、JIS(日本工業規格)K0070−1992に記載の方法に従って測定した。結着樹脂の水酸基価(OHV値)は、JIS(日本工業規格)K1557−1に記載の方法に従って測定した。
トナー粒子の体積中位径(D50)は、粒度分布測定装置(マルバーン社製「マスターサイザー(登録商標)2000」)を用いて測定した。
数平均分子量Mn及び重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として用いる。結着樹脂(結晶性ポリエステル樹脂、又は非晶性ポリエステル樹脂)を、3.0mg/mLの濃度となるようにTHFに投入し、1時間静置させてTHF中に溶解させた。得られたTHF溶液を処理用フィルター(倉敷紡績株式会社製「クロマトディスク25N」、非水系、ポアサイズ:0.45μm)で濾過して、測定用試料溶液を調製した。Mw及びMnの測定は、下記の条件で行われた。具体的には、GPC(東ソー株式会社製「HLC−8220」)を用いて40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させた。その後、温度40℃及び流速1mL/分でTHF溶液をカラムに流した。次いで、測定試料溶液をカラムに注入して、Mw及びMnを測定した。
溶離液:THF(テトラヒドロフラン)
カラム:TSKgel GMHXL(東ソー株式会社製)
カラム本数:2本
検出器:RI
溶出液流速:1mL/分
試料溶液濃度:3.0mg/mL
カラム温度:40℃
試料溶液量:100μL
検量線:標準ポリスチレンを用いて作製
高化式フローテスター(例えば、株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用いて非晶性ポリエステル樹脂の軟化点Tmの測定を行った。測定用試料(非晶性ポリステル樹脂)を高化式フローテスターにセットし、ダイス細孔径1mm、プランジャー荷重20kg/cm2、昇温速度6℃/分の条件で、1cm3の測定用試料を溶融流出させて、温度(℃)/ストローク(mm)に関するS字カーブを得た。得られたS字カーブからTmを読み取る。詳しくは、S字カーブ中のストロークの最大値をS1とし、低温側のベースラインのストローク値をS2とする。S字カーブ中の、ストロークの値が(S1+S2)/2となる温度を、測定用試料の軟化点Tmとした。
得られた液体現像剤1〜7及び液体現像剤R1〜R14の、低温定着性、保存安定性、及び現像性の評価方法について説明する。
評価機として、液体現像式画像形成装置(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)を用いた。調製した液体現像剤を、評価機の現像部及び液体現像剤用コンテナに投入した。評価機の線速を500mm/秒に設定した。評価機の現像ローラー上に形成されるトナー層厚を5μmに設定した。評価機を用いて、被記録媒体に未定着のソリッド画像を形成した。定着温度70℃で未定着のソリッド画像を定着させた(画像の形成)。ソリッド画像を定着させた被記録媒体上の画像が内側となるように半分に折り曲げた。布帛で覆った1kgの分銅を用いて、折り目上を5往復摩擦した(画像へのストレス付与)。次いで、被記録媒体を広げ、折り曲げ部のトナーの剥がれ具合を観察した(はがれの観察)。トナーの剥がれ部分の幅が1mm以下の場合を合格と判定し、1mm超の場合を不合格と判定した(剥がれ具合の判断)。判断結果が「不合格」であった場合、定着温度をさらに5℃上げたこと以外は同様にして上記の画像の形成、画像へのストレス付与、はがれの観察及びはがれ具合の判断を行った。「合格」との判断結果が出るまで、上記の画像の形成、画像へのストレス付与、はがれの観察及びはがれ具合の判断を繰り返した。判断結果が「合格」となった定着温度のうち、最低の定着温度を最低定着温度とした。得られた最低定着温度から、下記の基準に基づいて液体現像剤の低温定着性を評価した。
○(良い):最低定着温度が110℃未満であった。
×(悪い):最低定着温度が110℃以上であった。
作製した現像剤を、熱時保存前の評価用試料とした。粒度分布測定装置(マルバーン社製「マスターサイザー(登録商標)2000」)を用いて、熱時保存前の評価用試料中のトナーの体積中位径を測定した。試料(現像剤)5gを、容量20mLのガラス容器に秤量した。秤量後にガラス容器を密封した。密閉したガラス容器を45℃に設定した恒温器内に3時間静置した。静置後の液体現像剤を、熱時保存後の評価用試料とした。粒度分布測定装置(マルバーン社製「マスターサイザー(登録商標)2000」)を用いて、熱時保存後の評価用試料中のトナーの体積中位径を測定した。測定したトナーの体積中位径から、下記の数式(2)を用いて、凝集度を求めた。得られた凝集度から、下記の基準に基づいて保存安定性を評価した。○(良い)を合格とした。
凝集度(%)=(熱時保存後の体積中位径/熱時保存前の体積中位径)×100・・・(2)
◎(非常に良い):凝集度が120%未満であった。
○(良い) :凝集度が120%以上130%以下であった。
×(悪い) :凝集度が130%超であった。
評価機として、液体現像式画像形成装置(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「カラープリンタ1A」実験機)を用いた。調製した液体現像剤を、評価機の現像部及び液体現像剤用コンテナに投入した。評価機の現像ローラー上に形成されるトナー層厚を5μmに設定した。現像ローラーに印加する現像電界を400Vに設定した。被記録媒体として、上質普通紙(三菱製紙社製「EP−L紙」)を用いた。評価機を用いて、トナー載り量0.026mg/cm2で被記録媒体上に評価用画像を形成した。評価用画像は、正方形(5cm×5cm)のパターンでソリッド画像(画像濃度100%)の画像であった。反射型濃度測定器(Gretag Macbeth社製「SpectroEye(登録商標)」)を用いて、評価用画像の中心部の反射濃度を測定した。同様にして、現像器にトナーをセットし、高温高湿(50℃80%RH)環境に24時間放置した。その後、高温高湿環下で評価用画像を出力し、画像濃度を測定した。得られた画像濃度に基づいて、以下の基準で、液体現像剤の現像性を評価した。
○(良い):画像濃度は、1.3以上であった。
×(悪い):画像濃度は、1.3未満であった。
Claims (5)
- トナーと、電気絶縁性を有する液体キャリアとを含有する液体現像剤であって、
前記トナーは、複数のトナー粒子を含み、
前記トナー粒子は、結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂と、非晶性ポリステル樹脂とを含み、
高化式フローテスターを用いて測定される、前記トナーの75℃における溶融粘度ηが、100,000Pa・s以上150,000Pa・s以下であり、
示差走査熱量分析装置(DSC)で測定される第1回目の昇温時の吸熱曲線において、前記トナーのガラス転移点Tg1stが35℃以上45℃以下であり、第2回目の昇温時の吸熱曲線において、前記トナーのガラス転移点Tg2ndが確認されず、
25℃におけるCasson降伏値が、30mPa以上700mPa以下である、液体現像剤。 - 前記結晶性ポリエステル樹脂は、スチレン系モノマー由来の繰り返し単位と、アクリル酸系モノマー由来の繰り返し単位とを有する、請求項1に記載の液体現像剤。
- 前記非晶性ポリエステル樹脂の含有量に対する前記結晶性ポリエステル樹脂の含有量の比率が、0.30以上0.55以下である、請求項1又は2に記載の液体現像剤。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂の融点Mpが、75℃以上85℃以下である、請求項1〜3の何れか一項に記載の液体現像剤。
- 示差走査熱量分析装置(DSC)で測定される第1回目の昇温時の吸熱曲線において、前記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移点Tgが55℃以上65℃以下であり、
前記非晶性ポリエステル樹脂の軟化点Tmが110℃以上145℃以下である、請求項1〜4の何れか一項に記載の液体現像剤。
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