JP2017055672A - 餃子の皮の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】煩雑な操作や特殊な添加剤の必要なく、既存の圧延装置を有する連続製造ラインを用いて餃子の皮を製造する方法であって、強いグルテンネットワークを有し、食感が向上された餃子の皮、特に加熱調理済み餃子に用いた場合も、澱粉の老化が生じ難く、食感の低下が生じ難い餃子の皮を安定的に得ることができる製造方法の提供。【解決手段】小麦粉を含む原料粉、及び水を含む生地を調製し、前記生地から連続製造ラインで餃子の皮を製造する方法であって、前記原料粉が、原料粉の質量を基準として小麦由来たん白質を9.0質量%以上含有し、前記小麦粉の原料小麦の少なくとも1種が、硬質小麦であり、且つ前記原料粉、及び前記原料粉100質量部に対して38〜50質量部の水を含む生地を混捏機で捏ね上げることにより、前記原料粉及び水が一体化した塊状の生地塊を調製する工程、及び前記生地塊を連続製造ラインの圧延装置へ投入する工程、を含む製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、餃子の皮を製造する方法に関し、特に連続製造ラインを用いて食感が向上された餃子の皮を、安定的に製造する方法に関する。
餃子の皮は、通常、中華料理屋や専門店等で販売される餃子に用いられる少量生産の場合は手作りで製造され、食品メーカーが製造販売する冷蔵又は冷凍餃子、又はスーパーやコンビニエンスストア等の惣菜コーナー等で販売する餃子に用いられる大量生産の場合は連続製造ラインで製造される。手作りの場合は、一般に、まず、小麦粉等の材料をボウルに入れ、加水して手で捏ね、シート状にして折り畳みを繰り返し、次いで、棒状に延ばして1枚分に分割した生地を、麺棒で多方向に円状に延ばして餃子の皮を成形する、という工程で行われる。一方、連続製造ラインの場合は、一般に、(1)小麦粉等の材料をピンミキサー等の混合機に入れ、撹拌しながら所定量の水を添加して、生地がそぼろ状になるまでミキシングする、(2)そぼろ状の生地を圧延装置の複数のロールに通して、粗延べ、圧延して所望の厚さの麺帯を得る、(3)得られた麺帯を型抜きして餃子の皮を成形する、という工程で行われる。
餃子の皮の連続製造ラインにおいては、ミキシング工程(1)における生地の状態は、工程(2)のロールに通し易くするためにそぼろ状である必要があり、手作りの場合と比較して、加水量を多くできない。また、ミキシング工程(1)、及びロール圧延工程(2)を経た麺帯は、加水量が少なく、圧延が一方向にのみ行なわれているため、多方向に延ばす手作りの場合と比較して、グルテンネットワークが弱い傾向がある。そのため、連続製造ラインで製造された餃子の皮を加熱調理した場合、ソフト感・もちもち感が不十分で、弾力が低い傾向がある。また、スーパーやコンビニエンスストア等の惣菜コーナー等で販売する餃子には、茹で調理、焼き調理、蒸し調理等の加熱調理の後に冷却され、冷蔵(チルドを含む)又は冷凍で流通・保管された後、再加熱されて喫食される商品形態(以下、「加熱調理済み餃子」という)があるが、一度加熱調理した餃子の皮を冷却すると、餃子の皮中の澱粉の老化が生じるため、その後再加熱しても良好な食感が得られない場合がある。特に、連続製造ラインで製造された餃子の皮は、上述の通り、加水量が少なく、グルテンネットワークが弱いため、保水性が低くなり、且つ澱粉の老化が生じ易く、食感の低下が生じ易い傾向がある。
従来から、餃子の皮に関する問題点を改善するため、配合面及び製法面から種々の開発が行なわれている。例えば、特許文献1では、餃子等の自動成形機に適合する強度としなやかさを有しながら、食感に優れた圧延ロール製の多加水麺の製造を目的とし、麺帯の製造にあたり、薄力小麦粉及び/又は小麦澱粉に水を加え加熱混合してアルファー化し、これにさらに薄力粉及び/又は小麦澱粉を加え混練物の温度を50〜70℃に調節熟成させ、麺帯の外割り水分率を45〜150%に達しせしめて圧延することを特徴とする多加水麺の製造方法が開発されている。また、特許文献2では、餃子等の包麺皮を製造するために機械で大量生産する場合でも、餃子等の加熱調理後も皮本体はもとより耳の部分も柔らかな包麺皮の工業製造システムの開発を目的とし、ゼラチンを小麦粉に対して0.5〜5%添加し、水を加え混合、圧延し、多加水麺帯とすることを特徴とする包麺皮の製造方法が開発されている。さらに、特許文献3では、従来の麺や餃子の皮の含水率を増加させると、生地が柔らかい状態であるため、ローラーの間に送り込んで圧延させることが困難であり、あるいは不可能であるという問題を解決する製造方法を提供することを目的とし、小麦粉と水を混練して素材を作り、この素材を粗麺帯機ローラーで圧延する、麺や餃子の皮の製造方法であって、圧延機工程では、複数組のローラーを使用し、これらのローラーによって、素材の圧延幅を順次、拡大するように圧延して製造する、麺や餃子の皮の製造方法が開示されている。
特開平4−335864号公報 特開平7−67564号公報 特開2006−333793号公報
しかしながら、特許文献1では、煩雑な操作や熟成時間が必要であり、さらに生地温度の上昇により生地ダレや表面の乾燥等により、製皮性が低下し、皮の品質の安定化が困難である。また、特許文献2のような添加物を加える方法では、添加物によるコストアップが生じるだけでなく、十分なグルテンネットワークの強化にはつながらず、食感の軟化や小麦風味の欠如が生じる場合もある。さらに、特許文献3のような特殊な圧延装置の導入では、大幅な設備変更が必要となり、製造コストの増大につながる上、圧延装置の改良だけでは、含水率を増加させた柔らかい生地のグルテンネットワークを十分に形成させることはできず、生地を圧延できたとしても、生地の保水性が低いため、生地からの離水が起こり易くなる。その結果、澱粉の老化抑制が十分でなく、特に加熱調理済み餃子を再加熱した際に、良好な品質が得られない場合がある。以上のように、従来の技術では、連続製造ラインを用いて、多加水で、且つ強いグルテンネットワークを有し、食感が向上された餃子の皮を製造することは困難であった。
したがって、本発明の目的は、煩雑な操作や特殊な添加剤の必要なく、既存の圧延装置を有する連続製造ラインを用いて餃子の皮を製造する方法であって、強いグルテンネットワークを有し、食感が向上された餃子の皮、特に加熱調理済み餃子に用いた場合も、澱粉の老化が生じ難く、食感の低下が生じ難い餃子の皮を安定的に得ることができる製造方法を提供することにある。
上記目的は、小麦粉を含む原料粉、及び水を含む生地を調製し、前記生地から連続製造ラインで餃子の皮を製造する方法であって、前記原料粉が、原料粉の質量を基準として小麦由来たん白質を9.0質量%以上含有し、前記小麦粉の原料小麦の少なくとも1種が、硬質小麦であり、且つ前記原料粉、及び前記原料粉100質量部に対して38〜50質量部の水を含む生地を混捏機で捏ね上げることにより、前記原料粉及び水が一体化した塊状の生地塊を調製する工程、及び前記生地塊を連続製造ラインの圧延装置へ投入する工程を含む製造方法によって達成される。
従来のそぼろ状の生地を調製する手段とは異なり、混捏機で捏ね上げる手段を用いて、前記原料粉、及び水が一体化した塊状の生地塊を調製することで、多加水の生地を連続製造ラインの圧延装置のローラーに投入しても、良好な製皮性で餃子の皮を製造することができる。これは、圧延装置へ投入される前に、生地塊のグルテンネットワークが十分に形成されるためと考えられる。さらに、本発明の製造方法で得られた餃子の皮は、加水率が高く、十分なグルテンネットワークが形成されているため、ソフト感・もちもち感、及び弾力が高い良好な食感を有し、加熱調理済み餃子に用いた場合も、澱粉の老化が生じ難く、食感の低下が生じ難い餃子の皮である。
本発明の餃子の皮の製造方法を用いることで、多加水で、且つ強いグルテンネットワークが形成されているため、良好な食感を有し、特に加熱調理済み餃子に用いた場合でも、澱粉の老化が生じ難く、食感の低下が生じ難い餃子の皮を安定的に製造することができる。
本発明の餃子の皮の製造方法は、小麦粉を含む原料粉、及び水を含む生地を調製し、前記生地から連続製造ラインで餃子の皮を製造する方法であって、前記原料粉が、原料粉の質量を基準として小麦由来たん白質を9.0質量%以上含有し、前記小麦粉の原料小麦の少なくとも1種が、硬質小麦であり、且つ前記原料粉、及び前記原料粉100質量部に対して38〜50質量部の水を含む生地を混捏機で捏ね上げることにより、前記原料粉及び水が一体化した塊状の生地塊を調製する工程、及び前記生地塊を連続製造ラインの圧延装置へ投入する工程を含む製造方法である。なお、本発明において、「原料粉」とは、餃子の皮の材料の内、水及び水に可溶な食塩等を除く、粉体材料のことであり、小麦粉等の穀粉、澱粉類、たん白素材等が含まれる。
従来、連続製造ラインで餃子の皮を製造する場合、上述のように、(1)小麦粉等の材料をピンミキサー等の混合機に入れ、撹拌しながら所定量の水を添加して、生地がそぼろ状になるまでミキシングする、(2)そぼろ状の生地を圧延装置の複数のロールに通して、粗延べ、圧延して所望の厚さの麺帯を得る、(3)得られた麺帯を型抜きして餃子の皮を成形する、という工程で行われる。なお、通常、型抜きした残りの麺帯は工程(2)に戻されて、再利用される。上記ミキシング工程(1)において、そぼろ状の生地を調製するために原料粉に添加する水の量は、一般に原料粉100質量部に対して、33〜36質量部である。同様な混合手段で、加水量をさらに増加した場合、生地が大きくなって、不均一な団子状になったり、ミキサーの軸に巻き付いたりする。後述する実施例で示す通り、このような生地では、連続製造ラインの圧延装置のローラーに通し難くなるだけでなく、ローラーに通した際、ローラーに張り付いたり、圧延された麺帯表面が荒れたりして製皮性が悪化することになる。
一方、本発明の製造方法においては、上記規定の原料粉、及び原料粉100質量部に対して38〜50質量部の水を含む加水量の多い生地を、そぼろ状の生地を調製する混合手段とは異なり、混捏機を用いる手段で捏ね上げ、前記原料粉、及び水が一体化した塊状の生地塊を調製する。この生地を連続製造ラインの圧延装置に投入することで、製皮性が良好で且つ高品質な餃子の皮を製造することができる。この相違は、以下のように考えられる。すなわち、従来のそぼろ状の生地を調製する混合手段は、ピンミキサー(回転軸から複数の直線状のピンが突き出た形状のミキサー)等の混合機で、原料粉と水とを均一に分散させ、混合する。このような混合機の場合は、原料粉と水とを均一に混ぜ合わせることが主体であり、加水量に関係なく捏ね上げる効果は低いため、グルテンネットワークの形成は不十分のままである。このような混合機で多加水の生地を調製した場合、グルテンネットワークの形成が脆弱であるため、保水性が低く、ローラーによる圧延時に水分が浸み出し、製皮性が悪化するものと考えられる。一方、混捏機(ニーダーともいう)は、原料粉と多くの水とを混ぜ合わせ、生地を捏ね上げる機能を主体としている。したがって、混捏機で捏ね上げた場合は、生地塊にグルテンネットワークが十分に形成される。このようなグルテンネットワークの形成が強固な生地は、保水性が高いため、多加水の生地を調製した場合でもローラーによる圧延時にも水分が浸み出すことなく、良好な製皮性で餃子の皮を製造することができるものと考えられる。
本発明において、加水量は、原料粉100質量部に対して38〜50質量部である。後述する実施例で示す通り、加水量が上記範囲より多い場合は、製皮性が悪化し、少ない場合は、食感改善効果が認められない。加水量は、原料粉100質量部に対して38〜48質量部が好ましく、38〜45質量部がさらに好ましい。
本発明において、生地塊を調製する工程は、前記原料粉、及び水が一体化した塊状の生地塊を調製することができれば特に制限はない。例えば、原料粉及び水を含む原材料を、最初から混捏機で混合して捏ね上げて生地塊を調製してもよく、前処理として、例えば原料粉及び水の一部を含む原材料を、ピンミキサー等の従来の混合機で均一に混合してそぼろ状の生地を調製した後、そぼろ状の生地及び残りの水を、混捏機で混合して捏ね上げて生地塊を調製してもよい。
本発明において混捏機は、上記規定の原料粉、及び水を含む生地塊を捏ね上げることができれば特に制限はない。例えば、さぬき麺機株式会社製「スーパーニーダー」、「プレスニーダー」、株式会社スズキ麺工製「スーパーミキサー」、株式会社トーシン製「DXニーダー」、株式会社高垣製作所製「ファインミキサー」等が挙げられる。
本発明において、調製された生地塊を連続製造ラインの圧延装置へ投入する工程は、特に制限はなく、圧延装置に応じて適宜、前処理をして実施することができる。例えば、圧延装置が、コンベア等のローラーへの搬送ラインを有する場合は、その搬送ラインに生地塊を延ばしながら配置して、ローラーへ送り込んでもよく、圧延装置が、トレー状の生地投入部を有する場合は、生地塊を圧延装置のローラーに通し易い大きさに分割してから、生地投入部に投入してローラーに通してもよい。
本発明の餃子の皮の製造方法は、上記工程により生地塊を連続製造ラインの圧延装置へ投入した後は、特に制限はなく、各々の連続製造ラインの装置に従って餃子の皮を製造することができる。通常、投入された生地を圧延装置でさらに圧延して麺帯を形成し、型抜きし、餃子の皮を成形することができる。
本発明において、原料粉は原料粉の質量を基準として小麦由来たん白質を9.0質量%以上含む。後述する実施例に示す通り、原料粉中の小麦由来たん白質含有量が、9.0質量%未満の場合は、本発明の効果が得られない。本発明において、小麦由来たん白質の含有量は、具体的には原料粉に含まれる小麦粉中のたん白質(グリアジン、グルテニン等)の含有量、及び任意に別途配合することができる小麦グルテン等の小麦たん白の含有量の合計量である。したがって、原料粉における小麦由来たん白質の全量が、原料粉に含まれる小麦粉中のたん白質でもよく、小麦由来たん白質の一部が、別途配合された小麦グルテン等の小麦たん白で補充されていてもよい。小麦グルテンは、例えば、小麦粉に水を加えて混捏し、グルテンが形成された生地を調製した後、その生地を洗浄して澱粉等を除去し、必要に応じてpH調整、乾燥、粉砕等することにより粉状物として得られる。本発明に用いる小麦グルテンとしては、特に制限はなく、市販のものを適宜使用することができる。本発明において、原料粉の小麦由来たん白質の含有量が多過ぎると、得られる餃子の皮の食感が低下する場合があるため、前記原料粉は、原料粉の質量を基準として小麦由来たん白質を9.0〜15.0質量%含有することが好ましく、9.0〜14.0質量%含むことがさらに好ましく、10.0〜13.5質量%含有することが特に好ましい。
本発明において、原料粉は小麦粉を含む。原料粉中の小麦粉の含有量は、本発明の効果が得られれば特に制限はない。小麦粉の含有量が少な過ぎると、食感や風味が劣る場合があるため、原料粉の質量を基準として50質量%以上含有することが好ましく、55質量%以上含有することがさらに好ましく、80質量%含有することが特に好ましい。また、本発明において、原料粉に含まれる小麦粉の原料小麦の少なくとも一種は硬質小麦である。後述する実施例で示す通り、小麦由来たん白質含有量が規定範囲であっても、原料小麦に硬質小麦を用いない場合は、本発明の効果が得られない。小麦粉の原料小麦における硬質小麦の割合は、本発明の効果が得られれば特に制限はない。硬質小麦の割合が少な過ぎると、圧延装置における製皮性が低下する場合があるため、硬質小麦の割合は、原料小麦の15質量%以上が好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、50質量%が特に好ましい。硬質小麦としては、例えば、カナダ産ウェスタン・レッド・スプリング、アメリカ産(ダーク)ノーザン・スプリング、アメリカ産ハード・レッド・ウインター、オーストラリア産プライム・ハード、国内産ゆめちから、国内産春よ恋等が挙げられる。なお、硬質小麦は、一般にたん白質含有量が高く、強力小麦粉、準強力小麦粉の原料になるため、本発明において、小麦粉として、市販の強力小麦粉、準強力小麦粉を適宜用いることができる。
本発明の餃子の皮の製造方法に用いる材料としては、本発明の効果を損なわない限り、上述の小麦粉、及び任意に配合することができる小麦グルテン等の小麦たん白以外に、一般に,餃子の皮に使用される材料を適宜含んでいてもよい。そのような材料としては大麦粉、米粉等の小麦粉以外の穀粉;卵白、卵黄、カゼイン等の小麦たん白以外のたん白素材;食用油脂;糖類;色素;グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム等の増粘剤;アラニン、グリシン、リジン等のアミノ酸;グルタミン酸ナトリウム、食塩等の調味料;香料;かんすい;アルコール製剤等が挙げられる。なお、食塩等の水に可溶な材料は、水に溶解して添加することができる。
本発明の製造方法により得られた餃子の皮は、加水量が多く、グルテンネットワークが強いため、加熱調理した際に、ソフト感・もちもち感が十分にあり、弾力も良好である。さらに、スーパーやコンビニエンスストア等の惣菜コーナー等で販売される加熱調理済み餃子に用いた場合にも、加水量が多いため、加熱調理時に十分に澱粉の糊化が生じ、グルテンネットワークが強いため保水性が高く、一度加熱調理された後に冷却されても澱粉の老化が生じ難く、その後再度加熱することで良好な食感が得られる。したがって、本発明の製造方法により得られた餃子の皮は、特に加熱調理済み餃子に用いることが好ましい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
1.餃子の皮の製造条件の検討
表1〜5に示した各実施例、比較例、及び参考例の配合の原料粉、水、及びその他の材料、並びに各種類のミキサー/混捏機を用いて生地を調製した後、複数のローラーを有する圧延装置に投入して麺帯を作製し、円形の型で型抜きし、餃子の皮(直径90mm、厚さ1.1mm)を製造した。なお、特に記載しない限り、10℃の水を用いた。
2.評価方法
(1)製皮性
各実施例、比較例、及び参考例の生地を圧延装置に投入して圧延した際の麺帯の状態を目視観察し、従来の一般的な製造条件の参考例1(コントロール)と比較して以下の評価基準で評価した。
5:コントロールに対して明らかに良好である。
4:コントロールに対して良好である。
3:コントロールと同等である。
2:コントロールに対してやや劣る。
1:コントロールに対して明らかに劣る。
(2)伸長性
テクスチャーアナライザー(TA.XT.plus(Stable Micro Systems社製))を用いて、生地の伸長性を評価した。具体的には、プランジャーとしてA/KIEを用い、各実施例、比較例、及び参考例の生地から、A/KIE専用の試料調製器具を用いて、麺様形状(53mm×5mm×3mm)に成形した試料について、以下に示す条件で引張試験を行ない、引張に要する力(g)を測定した。
(試験条件)
・Test Mode:引張試験
・Test Speed:2.0mm/sec
・Pre−Test Speed:3.3mm/sec
・Post−Test Speed:10.0mm/sec
・Target Mode:Distance
・Distance:75mm
・Trigger Type:Auto(Force)
・Trigger Force:5.0g
なお、伸長性はグルテンネットワーク形成の程度の指標とした。
(3)食感
豚挽き肉30質量部、野菜(キャベツ、にら、長ネギ、ニンニク、しょうが)50質量部、醤油2質量部、ごま油3質量部、ラード10質量部、調味料類2質量部を混合し、ペースト状にして餡を調製した。各実施例、比較例、及び参考例の餃子の皮に、18gの餡を包み、約28gの生餃子を調製した。次いで200℃に加熱したフライパンに2gの油を引き、生餃子6個を置き、1分間加熱後、水140ml添加し、蓋をして5分間加熱した。その後、蓋をはずして240℃まで加熱した後、餃子を取り出し、10℃で10分間冷却し、10℃で24時間冷蔵保存した。冷蔵保存した餃子6個を1500W電子レンジで30秒間加熱した後喫食し、餃子の皮の食感を、従来の一般的な製造条件の参考例1(コントロール)と比較して以下の評価基準で評価した。なお、評価は10名のパネラーで行い、パネラーの評価点の平均値を評価結果とした。評価点は小数点第2位を四捨五入して示した。
5:コントロールより粘弾性が強く、食感が好ましい。
4:コントロールより粘弾性がやや強く、食感やや好ましい。
3:コントロールと粘弾性、食感とも同等である。
2:コントロールより粘弾性がやや弱く、食感がやや悪い。
1:コントロールより粘弾性が弱く、食感が悪い。
3.評価結果
表1〜5に各実施例、比較例、及び参考例の評価結果を示す。
Figure 2017055672
表1に示した通り、従来の一般的な製造条件の参考例1(コントロール)に対して、加水量を原料粉100質量部に対して38質量部、及び40質量部とし、混捏機を用いて捏ね上げて生地を調製した実施例1及び2は、製皮性が高く、且つ餃子の皮の食感も改善されていた。伸長性は、コントロールと比較して、それぞれ約1.7倍、約2倍に上昇し、強いグルテンネットワークが形成されてことが示唆された。一方、コントロールと同様な横型ミキサー、又は縦型ミキサーを用いて、加水量を原料粉100質量部に対して38質量部、及び40質量部とした比較例1〜4の場合は、ある程度の伸長性の上昇は認められたが、製皮性がコントロールよりも劣り、食感も比較例2を除き改善が認められなかった。また、従来から食感の改善や加水量の増加に用いられる加工澱粉を添加した比較例5及び6では、食感の改善は認められたが、製皮性が悪かった。したがって、本発明の製造方法により、良好な製皮性で、老化し難く食感に優れた餃子の皮を製造できることが示唆された。
Figure 2017055672
表2においては、実施例2と同様な製造条件で、原料粉における小麦由来たん白質の含有量を変えて、その影響を検討した結果を示す。表2に示す通り、原料粉が、原料粉の質量を基準として9.0〜12.6質量%の小麦由来たん白質を含む実施例3〜7は、製皮性、食感ともコントロールより優れており、良好な品質が得られた。また、小麦由来たん白質の含有量の調節は、実施例3〜6のように小麦粉中のたん白質含有量で調節してもよく、実施例7のように別途粉末小麦たん白を添加してもよいことが示唆された。一方、原料粉が、原料粉の質量を基準として8.1質量%、及び8.5質量%の小麦由来たん白質を含む比較例7及び8では、製皮性が悪く、食感の改善も認められなかった。したがって、本発明の製造方法において、前記原料粉が、原料粉の質量を基準として小麦由来たん白質を9.0質量%以上含有することが必要であることが示唆された。
Figure 2017055672
表3においては、小麦粉の原料小麦の種類の影響を検討した結果を示す。表3に示す通り、硬質小麦から得られた小麦粉を用いた実施例8〜10は、製皮性、食感ともコントロールより優れており、良好な品質が得られた。一方、軟質小麦から得られた小麦粉のみを用いた比較例9は、製皮性が悪く、食感もコントロールより劣っていた。また、中間質小麦粉のみを用いた比較例10は、製皮性はコントロールと同等であったが、食感がコントロールと同等で、食感の改善が認められなかった。比較例10は、表2における実施例3と原料粉における小麦由来たん白質の含有量が同じであることから、本発明の製造方法において、前記原料粉に含まれる小麦粉の原料小麦の少なくとも1種が、硬質小麦であることが必要であることが示唆された。
Figure 2017055672
表4においては、実施例1及び2と同様な製造条件で、加水量を変えて、その影響を検討した結果を示す。表1及び表4に示す通り、加水量が原料粉100質量部に対して38〜48質量%の実施例1、2、及び11〜13は、製皮性はコントロールと同等以上であり、食感はコントロールより優れていた。一方、加水量が原料粉100質量部に対して36質量%の比較例11は、食感がコントロールと同等で、食感の改善が認められなかった。また、加水量が原料粉100質量部に対して52質量%の比較例12では、製皮性が悪く、食感もコントロールより劣っていた。したがって、本発明の製造方法において、加水量は、原料粉100質量部に対して38〜50質量%であることが必要であることが示唆された。
Figure 2017055672
表5においては、実施例2と同様な製造条件で、原料粉に加える水の温度を変えて、その影響を検討した結果を示す。表1及び表5に示す通り、10℃の水を用いた実施例2、及び60℃の湯を用いた実施例14を比較すると、実施例2の製皮性がやや高い程度で、同等の評価であった。したがって、原料粉に混合する水の温度は、特に制限なく設定できることが示唆された。
以上により、本発明の餃子の皮の製造方法を用いることで、連続製造ラインにおいて、多加水の生地を製皮性良く圧延し、餃子の皮を安定的に製造することができ、さらに、良好な食感を有し、特に加熱調理済み餃子に用いた場合でも、澱粉の老化が生じ難く、食感の低下が生じ難い餃子の皮を製造することができることが示された。
なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明の餃子の皮の製造方法により、特にスーパーやコンビニエンスストア等の惣菜コーナー等で販売される加熱調理済み餃子に用いた場合でも、食感の低下が生じ難い餃子の皮を、連続製造ラインを用いて、安定的に提供することができる。


Claims (3)

  1. 小麦粉を含む原料粉、及び水を含む生地を調製し、前記生地から連続製造ラインで餃子の皮を製造する方法であって、
    前記原料粉が、原料粉の質量を基準として小麦由来たん白質を9.0質量%以上含有し、
    前記小麦粉の原料小麦の少なくとも1種が、硬質小麦であり、且つ
    前記原料粉、及び前記原料粉100質量部に対して38〜50質量部の水を含む生地を混捏機で捏ね上げることにより、前記原料粉及び水が一体化した塊状の生地塊を調製する工程、及び
    前記生地塊を連続製造ラインの圧延装置へ投入する工程、
    を含む製造方法。
  2. 前記原料粉が、原料粉の質量を基準として小麦由来たん白質を9.0〜15.0質量%含有する請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記原料粉が、原料粉の質量を基準として小麦粉を50質量%以上含有する請求項1又は2に記載の製造方法。


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