JP2017052894A - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、フェニルアセチレン量50ppm以上のスチレン系単量体を用いても、重合機の缶内圧を低く抑え、安全な方法で製造でき、且つ、最終製品の残存スチレン量を低減することができる発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法を提供することにある。【解決手段】押出発泡ボードに使用される発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法であって、フェニルアセチレン量を50ppm以上含有しているスチレン系単量体100重量部に対して、一般式(1)に示される化合物0.05重量部以上2.0重量部以下を重合開始剤として、スチレン系単量体を重合させ、スチレン系単量体の転化率が99%超に達した時点で、発泡剤を導入することを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、フェニルアセチレン量を50ppm以上含有しているスチレン系単量体を使用し、押出発泡によりボードとする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法に関し、さらには押出発泡させて得られるポリスチレン系押出発泡ボードの製造方法に関するものである。
押出発泡ボードは、塊状重合で製造したスチレン系樹脂を押出機で溶融混練させ、次いで、ブタン等の炭化水素系発泡剤を押出機内に圧入し、溶融したスチレン系樹脂粒子と混合後、ダイスからの圧力解放によって発泡され、製造されている。
塊状重合で製造したスチレン系樹脂中には、残存スチレン量を極めて少ない為、最終製品中にも揮発性有機物が少なく、シックハウス問題等から住宅関連資材等に使用される発泡成形品に、多く使用されている。
一方で、特許文献1では、高価な発泡剤圧入設備を用いないで、発泡剤を含有する発泡性スチレン系樹脂粒子を、直接押出機で溶融混連させて押出発泡ボードを製造する方法が提案されている。
このような発泡性スチレン系樹脂粒子を直接押出機へ投入し、押出発泡ボードを製造する方法において、発泡性スチレン系樹脂粒子の主原料であるスチレン単量体中に、フェニルアセチレンが多いと、発泡性スチレン系樹脂粒子中の残存スチレン量が多くなり、最終製品である押出発泡ボードには、残存スチレン量が多くなってしまう。残存スチレン量を低減させるために、低濃度のフェニルアセチレンを含有するスチレン単量体を原料として、発泡性スチレン系樹脂粒子を重合し、押出発泡ボードの原料に使用している。
低濃度のフェニルアセチレンを含有するスチレン系単量体は、フェニルアセチレンを50ppm以上含有する汎用スチレン単量体に対し高価で、汎用スチレン単量体を用いて、残存スチレン量が少ない発泡性スチレン系樹脂粒子が、要求されている。押出発泡ボード製造に使用する発泡性スチレン系樹脂粒子の関する知見は、見当らないが、型内発泡成形法に使用される発泡性スチレン系樹脂粒子については、残存スチレン量を低減させる方法は、種々開示されている。
特許文献2では、カーボネート型構造開始剤を含む重合開始剤を用い、発泡性スチレン系樹脂粒子を提案しているが、カーボネート型構造の開始剤では、押出機内での分子量低下が大きく、押出発泡ボードの強度が脆く、発泡ボードの色調が黄味を呈する。
特許文献3、4、5では、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のケタール構造の重合開始剤を使用することで、残存スチレン量を低下することが記載されているが、重合開始剤量が0.1〜0.2重量部と少なく、50ppm以上のフェニルアセチレンを含有するスチレン単量体を使用すると、最終製品中の残存スチレン量は、1000ppmを超えるものになる。又、押出機内での分子量低下度合等の記載はない。
特許文献6では、重合温度70〜80℃とし、重合後半に重合温度より15℃以上高い温度に上昇させ、重合を終了することで、平滑性の優れた発泡成形体となる発泡性スチレン系樹脂粒子を提案されているが、最終製品の残存スチレン量の記載、使用したスチレン単量体中のフェニルアセチレン量の記載がなく、押出機へ通した後の分子量の記載がない。
特許文献7では、フェニルアセチレン含有量が200ppm以下のスチレンを用いて、塊状重合により、スチレン系樹脂粒子を製造する方法が開示されているが、水系懸濁重合で製造する発泡性スチレン系樹脂粒子とは使用分野が異なっている。
特開昭54−53172号公報 特開2001−151805号公報 特開平7−330943号公報 特開2000−143857号公報 特開2006−206830号公報 特開平7−188453号公報 特開平5−222125号公報
本発明の目的は、フェニルアセチレン量50ppm以上のスチレン系単量体を用いても、重合機の缶内圧を低く抑え、安全な方法で製造でき、且つ、最終製品の残存スチレン量を低減することができる発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法を提供することにある。更に、当該発泡性スチレン系樹脂粒子を直接押出機に投入し、押出発泡ボードを製造しても、分子量の低下を抑制でき、品質が安定したポリスチレン系押出発泡ボードの製造方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の重合開始剤、重合条件を用いることで、押出発泡工程での押出機内での発泡性スチレン系樹脂粒子の分子量低下を抑制し、残存スチレン系単量体量を効率良く低減することができることを見出し本発明の完成に至った。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]押出発泡ボードに使用される発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法であって、フェニルアセチレン量を50ppm以上含有しているスチレン系単量体100重量部に対して、一般式(1)に示される化合物0.05重量部以上2.0重量部以下を重合開始剤として、スチレン系単量体を重合させ、スチレン系単量体の転化率が99%超に達した時点で、発泡剤を導入することを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
Figure 2017052894
(式中のRは、水素基又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
[2]一般式(1)のR構造が水素基又はメチル基であり、R構造がメチル基あるいはエチル基であることを特徴とする[1]請求項1に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
[3]一般式(1)に示される化合物0.3重量部以上0.6重量部以下を重合開始剤として、スチレン系単量体を重合させることを特徴とする[1]または[2]に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
[4]残存スチレン系単量体量が500ppm以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
[5]発泡剤が、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタンおよびネオペンタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法により得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を押出発泡させて得られるポリスチレン系押出発泡ボードの製造方法。
本発明では、フェニルアセチレン量50ppm以上のスチレン系単量体を用い、特定の重合開始剤、重合条件で製造した発泡性スチレン系樹脂粒子は、重合機の缶内圧を低く抑え、安全な方法で製造でき、且つ、最終製品の残存スチレン量を低減することができる。更に、当該発泡性スチレン系樹脂粒子は、直接押出機に投入し、押出発泡ボードを製造しても、分子量の低下を抑制でき、品質安定化が可能である。
以下,本発明の実施の形態をより詳細に説明する。
本発明は、押出発泡ボードに使用される発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法であって、フェニルアセチレン量を50ppm以上含有しているスチレン系単量体100重量部に対して、一般式(1)に示される化合物0.05重量部以上2.0重量部以下を重合開始剤として、スチレン系単量体を重合させ、スチレン系単量体の転化率が99%超に達した時点で、発泡剤を導入することを特徴とする。
Figure 2017052894
(式中のRは、水素基又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
本発明に用いるスチレン系単量体としては、スチレン、及び、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系誘導体が挙げられ、さらにスチレンと共重合が可能な成分、例えばメチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、セチルメタクリレートなどのアクリル酸及びメタクリル酸のエステル、あるいはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレートなどの各種単量体、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの2官能性単量体も包含する。これら共重合が可能な成分を1種又は2種以上使用し共重合に供しても良い。
スチレン系単量体中に含有するフェニルアセチレンは、スチレン単量体の製造過程で副生産物として生成し、重合阻害物質として働き、フェニルアセチレン量が増加すると、最終製品の発泡性スチレン系樹脂粒子中の残存スチレン量が高くなる。一方、フェニルアセチレン量が50ppm未満では、最終製品の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の残存スチレン量が少ないが、フェニルアセチレンを除去する工程が必要となり、スチレン単量体自体のコストが高くなる。汎用スチレンと呼ばれるスチレン系単量体のフェニルアセチレン量は、50〜400ppmである。
本発明で使用する重合開始剤は、一般式(1)で示される化合物である。好ましくは、R構造は水素基あるいはメチル基であり、R構造はメチル基あるいはエチル基をもつものであり、具体的には、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−アミルパーオキシ)シクロヘキサンなどのケタール構造のものがあげられる。一般式(1)で示される化合物を使用することによりフェニルアセチレン量を50ppm以上含有するスチレン系単量体で重合した発泡性スチレン系樹脂粒子中の残存するスチレン系単量体を少なくすることができ、押出機中での分子量低下もない。
Figure 2017052894
(式中のRは、水素基又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
一方、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートのようなカーボネート構造を有する重合開始剤を用いた場合、残存スチレン単量体を低下することは可能であるが、押出機内で発泡性スチレン系樹脂粒子の分子量を低下させ、押出発泡ボードの強度を低下させ、色調が黄味を呈してくる。
前記一般式(1)に示す化合物の使用量は、求める発泡性スチレン系樹脂粒子の分子量により異なるが、スチレン系単量体100重量部に対して、0.05重量部以上2.0重量部以下であり、好ましくは0.3重量部以上0.6重量部以下である。一般式(1)に示す化合物の使用量が、当該範囲内であると、適度な分子量の樹脂が得られ、かつ、残存スチレン量を低減させることが出来る。 0.05重量部未満では、残スチレン量の低減効果が少なく、残スチレン量を低下させるのび、長い反応時間を要する。また、上限は2.0重量部であるが、それを超えると残存スチレン系単量体量を低減させる効果は変わらないが、樹脂の分子量が低下する傾向があり、コストが高くなる。
本発明で使用される重合開始剤では、一般的には、主に樹脂を形成するための開始剤と、残存スチレン量を低下させるための開始剤を併用させることが通常行われている。そして、これらの開始剤の選定は重合温度、重合時間、および必要とする樹脂の分子量を勘案して適宜決められる。よって、本発明においても、一般式(1)に示される重合開始剤の他に、一般に用いられる他の重合開始剤を1種或いは2種以上併用することにより、重合温度、重合時間、樹脂の分子量等の選択幅をより広げた上で、残存スチレン量を低減した良好な製品を得ることができるので、併用することは極めて好ましい実施態様である。ここに、一般に用いられる他の重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシベンゾエート、イソプロピル−t−ブチルパーオキシカーボネート、過安息香酸ブチルのような有機化酸化物やアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物などが例示される。
本発明の押出発泡ボード用の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、(1)重合工程、(2)熱処理工程、(3)発泡剤含浸工程、(4)冷却・乾燥工程を経て、製造される。以下、製造例を示す。
(1)重合工程
所定量の水性懸濁媒体中に、ポリスチレンの重合に使用される一般の重合開始剤に加え、一般式(1)に示す化合物と共に、スチレン系単量体、その他添加剤を添加し、所定の温度、好ましくは90℃以上100℃未満で一定時間重合し、スチレン系単量体の重合転化率が85%以上97%以下に達した時点で重合工程を完了させる。
発泡性スチレン系樹脂粒子の水系懸濁重合の分散剤としては、一般的に用いられている分散剤、例えば、燐酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、ピロリン酸マグネシウムなどの難水溶性無機塩が挙げられる。これら、難水溶性無機塩を用いる場合には、α−オレフィンスルフォン酸ソーダ、ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダなどのアニオン性界面活性剤を併用すると、分散安定性が増すので効果的である。また、難溶性無機塩は得られる押出発泡ボード用発泡性スチレン系樹脂粒子の粒子径を調節するために、重合中に1回以上追加することもある。
(2)熱処理工程
次いで、重合機内の温度を110℃以上120℃以下に上昇させ、一定時間の熱処理を実施し、重合反応を促進させ、残存スチレン量を消費させる。スチレン系単量体の転化率が99%超に達した時点で、熱処理工程を終了させる。重合転化率が99%未満の場合、次工程での発泡剤含浸工程で、残存スチレン量が低減しにくく、長時間の発泡剤含浸工程が必要となり、生産性が大きく低下してしまう。
熱処理温度が110℃未満の場合、残存スチレンの消費速度が遅く、重合転化率が99%超までに上がり難い。一方、120℃を超えた設定にすると、重合転化率は上がるが、重合温度を上昇させることに時間を要し、生産性を低下させてしまう。
(3)発泡剤含浸工程
次いで、重合機の内温度を90℃以上100℃以下に降温し、重合機内に発泡剤を追加し、スチレン系樹脂粒子中に、発泡剤を含浸させる。発泡剤を追加する温度は規定はないが、重合機の内温度が90℃未満では、重合機内の温度降下に時間を要し、又、重合機内の温度が100℃を超えると、重合機内の内容物の分散状態の確認の為の設備が重装備となる。
本発明において使用する発泡剤としては、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン、ネオペンタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種が使用される。さらには、ジフルオロエタン、テトラフルオロエタンなどのオゾン破壊係数がゼロであるフッ化炭化水素類などの揮発性発泡剤を併用してもよい。使用量としてはスチレン系樹脂粒子100重量部に対して、好ましくは2重量部以上12重量部以下、更に好ましくは4重量部以上9重量部以下である。
発泡剤を所定量を添加した後、重合機内温を105℃以上120℃以下まで昇温し、一定時間、発泡剤をスチレン系樹脂粒子へ含浸させる。発泡剤を導入する前に、スチレン系樹脂粒子中の残存スチレン量を十分に低下しているので、含浸温度を低く抑えることができ、発泡剤含浸時の重合機内の缶圧は低く抑えることができ、十分な耐圧を有する重合設備が必要なくなる。
発泡剤含浸工程の温度が105℃以上120℃以下の場合、特に、前記一般式(1)の10時間半減期温度が96℃以上105℃以下である化合物を使用する場合、効率よく、残存スチレン量を消費することができる。しかし、110℃未満の場合、一般式(1)の化合物のラジカル発生が少なくなり、生産性が低下し、120℃を超えると、重合機の内圧が高くなり、重装備の耐圧を有する重合機が必要となる場合がある。
(4)冷却・乾燥工程
発泡剤含浸の所定時間が終了したら、重合温度を冷却、乾燥を経て、本発明の押出発泡ボード用の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が得られる。最終製品の残存スチレン系単量体量が500ppm以下であり、好ましくは300pm以下である。下限は、実用的には0ppmになり難いので敢えて表示するなら1ppm以上である。
押出発泡ボードの製造は、従来公知の方法でよく、特に限定されない。例えば、発泡性スチレン系樹脂粒子に、種々添加剤を加えた後、ヘンシェルミキサー等で混合し、これを押出機のフィーダーに連続的に供給し、押出機内の温度を約130〜250℃に調節して溶融混連し、ダイスから連続的に押出し、押出と同時に、ボード厚みを調整、冷却することによって得られる。
種々の添加剤としては、シリカ、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機化合物、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物などの加工助剤(滑剤)、フェノール系抗酸化剤、リン系安定剤、窒素系安定剤、イオウ系安定剤、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類などの耐光性安定剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料などの着色剤などの添加剤を含有されてもよい。
押出発泡ボードは、食品用包装部材、建築や土木用の断熱資材等々に、幅広く使用される。
以下に実施例、及び比較例を挙げるが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例、及び比較例中の樹脂の分子量、及び樹脂中の残存スチレン量、スチレン単量体中のフェニルアセチレン量は以下の方法で測定した。なお、「部」「%」は特に断りのない限り重量基準である。
(スチレン単量体中のフェニルアセチレン測定法)
フェニルアセチレン量0ppmのスチレンを用いて、フェニルアセチレン量とシクロペンタノール量の比から導いたフェニルアセチレン量の検量線を作成した。
スチレンに、内部標準シクロペンタノールを溶解し、(株)島津製作所製ガスクロマトグラフィーGC−2014(キャピラリーカラム:GLサイエンス製Rtx−1、カラム温度条件:50→70℃(3℃/min)へ昇温し、70℃で30分保持後。70→170℃(10℃/min)へ昇温、キャリアガス:ヘリウム)を用いて、スチレン中のフェニルアセチレン量(ppm)を定量した。
(分子量測定)
発泡性スチレン系樹脂粒子をテトラヒドロフランに溶解し、GPC(東ソー(株)製HLC−8020、カラム:TSKgel Super HZM−H、カラム温度:40℃、流速:0.35ml/1min.)にて測定した。
(残存スチレン量測定)
発泡性スチレン系樹脂粒子を塩化メチレン(内部標準シクロペンタノール)に溶解し、(株)島津製作所製ガスクロマトグラフィーGC−2014(キャピラリーカラム:GLサイエンス製Rtx−1、カラム温度条件:50→80℃(3℃/min)後、80→180℃昇温(10℃/min)、キャリアガス:ヘリウム)を用いて、発泡性スチレン系樹脂粒子中に含まれる残存スチレン量(ppm)を定量した。
(スチレン系単量体の重合転化率の測定)
発泡剤添加直前の耐圧容器からスチレン系樹脂粒子を採取し、ろ紙で、樹脂粒子表面の水分を拭き取った後、上記残存スチレン測定方法に従い、ガスクロマトグラフィーにて測定した。重合転化率は、残存スチレン量から算出した。
(押出発泡ボードの外観色調)
押出発泡ボードを、下記の視点で、色調を観察した。
○表面全体が白色で、美麗である。
△表面全体が薄く黄味を帯びている。
×表面全体が茶褐色である。
(実施例1)
スチレン中のフェニルアセチレン量を測定し、100ppmになるように、フェニルアセチレン量を調整した。
撹拌機付きオートクレーブに水96重量部、第3リン酸カルシウム0.14重量部、α−オレインスルフォン酸ソーダ0.003重量部、過酸化ベンゾイル0.06部、1,1-ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(10時間半減期温度97℃)0.44重量部を仕込んだ後、フェニルアセチレン量を100ppmに調整したスチレン100重量部を仕込み、昇温し、98℃で3.7時間重合を行った。その後、重合温度を120℃に昇温し、3時間の熱処理を実施後、95℃に降温した。この時のスチレン系樹脂粒子の重合転化率は99.1%である。次いで、発泡剤として、ブタン(ノルマル/イソ=70/30)を7.5部仕込んだ。その後、重合機内温度を112℃へ昇温し、5時間、発泡剤の含浸をおこなった。発泡剤含浸時の重合機内の缶圧は1.62MPaであった。その後、40℃まで冷却し、発泡性スチレン系樹脂粒子を取り出し乾燥し、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。重量平均分子量は30万、残存スチレン量は、280ppmであった。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子を、押出機のフィーダーに連続的供給し、押出機内の温度100℃から200℃に調整して溶融混連し、サーキュレーターダイより押出発泡させ厚さ5mm、巾650mmの押出発泡ボードを得た。押出発泡ボードの分子量は27万で、外観は白色で美麗である。その評価結果を表1に示す。
(実施例2)
発泡剤の含浸温度を110℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作を実施し、発泡性スチレン系樹脂粒子、押出発泡ボードを得た。その評価結果を表1に示す。
(実施例3)
過酸化ベンゾイル0.07重量部、1,1-ビス(t−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(10時間半減期温度92℃)0.42重量部を変更した以外は、実施例1と同様の操作を実施し、発泡性スチレン系樹脂粒子、押出発泡ボードを得た。その評価結果を表1に示す。
(実施例4)
フェニルアセチレン量を200ppmに調節したスチレンを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施し、発泡性スチレン系樹脂粒子、押出発泡ボードを得た。その評価結果を表1に示す。
(比較例1)
熱処理時間を1時間、発泡剤含浸温度を110℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作を実施し、発泡性スチレン系樹脂粒子、押出発泡ボードを得た。その評価結果を表1に示す。残存スチレン量が高くなる。
(比較例2)
熱処理時間を1時間、発泡剤含浸温度を114℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作を実施し、発泡性スチレン系樹脂粒子、押出発泡ボードを得た。その評価結果を表1に示す。発泡剤含浸時の重合機の缶内圧が高くなる。
(比較例3)
過酸化ベンゾイル0.13重量部、1,1-ビス(t−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(10時間半減期温度92℃)0.15重量部を変更した以外は、比較例2と同様の操作を実施し、発泡性スチレン系樹脂粒子、押出発泡ボードを得た。その評価結果を表1に示す。発泡剤含浸時の重合機の缶内圧が高くなり、残存スチレン量も高くなる。
(比較例4)
過酸化ベンゾイル0.15重量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(10時間半減期温度99℃)量を0.21重量部とし、発泡剤含浸温度を112℃とし、比較例1と同様の操作を実施し、発泡性スチレン系樹脂粒子、押出発泡ボードを得た。その評価結果を表1に示す。発泡剤含浸時の重合機の缶内圧は低く、残存スチレン量が低いが、押出発泡後のポリスチレンの分子量低下が大きい。
(比較例5)
熱処理時間を2時間に変更した以外は、比較例4と同様の操作を実施し、発泡性スチレン系樹脂粒子、押出発泡ボードを得た。その評価結果を表1に示す。押出発泡後のポリスチレンの分子量低下が大きい。
(比較例6)
熱処理工程を省略した以外は、実施例2と同様の操作を実施し、発泡性スチレン系樹脂粒子、押出発泡ボードを得た。その評価結果を表1に示す。発泡剤含浸時の重合機の缶内圧は高く、残存スチレン量が多い。
(比較例7)
発泡剤の含浸温度を105℃に変更した以外は、実施例2と同様の操作を実施し、発泡性スチレン系樹脂粒子、押出発泡ボードを得た。その評価結果を表1に示す。発泡剤含浸時の重合機の缶内圧は低いが、残存スチレン量が多い。
(比較例8)
フェニルアセチレン量を0ppmのスチレンを用い、過酸化ベンゾイル0.15重量部、1,1-ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(10時間半減期温度97℃)0.24重量部とし、実施例1と同様の操作を実施し、発泡性スチレン系樹脂粒子、押出発泡ボードを得た。その評価結果を表1に示す。発泡剤含浸時の重合機の缶内圧は高く、残存スチレン量が少ない。
(比較例9)
熱処理時間を2時間に変更した以外は、比較例8と同様の操作を実施し、発泡性スチレン系樹脂粒子、押出発泡ボードを得た。その評価結果を表1に示す。発泡剤含浸時の重合機の缶内圧は低く、残存スチレン量が少ない。
Figure 2017052894

Claims (6)

  1. 押出発泡ボードに使用される発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法であって、フェニルアセチレン量を50ppm以上含有しているスチレン系単量体100重量部に対して、一般式(1)に示される化合物0.05重量部以上2.0重量部以下を重合開始剤として、スチレン系単量体を重合させ、スチレン系単量体の転化率が99%超に達した時点で、発泡剤を導入することを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
    Figure 2017052894
    (式中のRは、水素基又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  2. 一般式(1)のR構造が水素基又はメチル基であり、R構造がメチル基あるいはエチル基であることを特徴とする請求項1に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  3. 一般式(1)に示される化合物0.3重量部以上0.6重量部以下を重合開始剤として、スチレン系単量体を重合させることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  4. 残存スチレン系単量体量が500ppm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  5. 発泡剤が、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタンおよびネオペンタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を押出発泡させて得られるポリスチレン系押出発泡ボードの製造方法。
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