JP2017052034A - 緩み止めリング取付工具 - Google Patents

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【課題】緩み止めリングを安全に保持でき、且つ、遠隔操作において回転を伴わずに容易に取り付けることができる緩み止めリング取付工具を提供する。【解決手段】取付工具1では、取付筒部1aと取付筒部1bとが直交配置されている。取付筒部1aは取付側に外筒体2を有し、この外筒体2にはスリット4が形成されている。外筒体2の内側には、内筒体6がその一端6bを重ねて配置されている。外筒体2と内筒体6との重複域8は、熱収縮チューブ18により覆われている。外筒体2は、内筒体6に対して、スリット4の縁部の少なくとも一方が自由端を成すように固定されている。取付筒部1bは、取付筒部1aと同様に、外筒体3及び内筒体7からなる接合構造を有している。取付筒部1aには、内筒体6の他端6c側に打撃による入力を受ける被打撃部10が設けられている。これに対し取付筒部1bの下端には遠隔操作棒30に連結する連結部12が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、縮径方向に撓み片を有するナットの緩み止めリングを、遠隔操作によりボルトに取り付けるための緩み止めリング取付工具に関するものである。
振動が発生する箇所に取り付けられているナットの緩みを防止するために、従来から様々な形態の緩み止め構造が考えられている。このような緩み止め構造の例として、図6に、従来の緩み止め金具とその装着治具とを示す。
ボルトに締結されたナットの緩みを防止するために、従来から緩み止め具が考えられている。図6には、従来の緩み止め具100の平面図が示されている。ここでは、緩み止め具100は実線で、ナットから突出したボルト挿通領域104は点線で表わされ、また、ボルト150及び脱着のための取外し工具160は二点鎖線で表わされている。
図6に示すように、緩み止め具100は正六角形の周囲壁101を有しており、この周囲壁101の下方側(紙面では裏側方向)の周端縁部102から縮径方向に延びるように6枚の板バネ片103が延設されている。これら板バネ片103の先端は二点鎖線で表わしたボルト150のネジ山に係合している。この緩み止め具100の外形は正六角形に形成されているので、一般的なスパナ、メガネレンチ、ラチェットレンチ等の汎用工具によって脱着操作が可能である。このような構成の緩み止め具100については、特許文献1に記載がある。
図7には、図6とは別の形態の緩み止めナット200(図6の緩み止め具100に相当。)と、この緩み止めナット200の脱着工具260が中央縦断面図によって示されている。緩み止めの対象であるナット265の外側に取り付けられた緩み止めナット200については、図6の緩み止め具100と同様に、外周側板部200aから縮径方向に板バネ状の撓み羽根201が形成された構成となっている。図7には、この撓み羽根201がボルト250のネジ山に係合して設置された状態が示されている。
図7の従来例では、図6の例とは異なり、緩み止めナット200の脱着のために専用工具である脱着工具260が用いられる。脱着工具260の先端には、隣接する撓み羽根201同士の隙間に挿入できる爪262が形成されている。図7には、これら複数の爪262が撓み羽根201同士の隙間に挿入された状態が示されている。
このように、撓み羽根201に爪262を引っ掛けた状態で、ハンドル264を押し付けパイプ軸261の回りに回転させると、ボルト250の軸に対して緩み止めナット200の脱着操作が可能である。このような構成の緩み止めナット200及び脱着工具260については、特許文献2に記載がある。
実用新案登録第3113230号公報 国際公開第98/059178号
ところで、上述の図6に示した従来の緩み止め具100の外形は正六角形であり、この
外形に適合した汎用工具を正確に嵌め合せなければ操作できない。しかし、遠隔操作においてレンチなどの汎用工具を用いて緩み止め具100に嵌合させた状態を保持しながらボルト150に取り付けるのは容易ではなく、緩み止め具100の落下の危険を伴う。また、緩み止め具100の外形が正多角形ではなく、円形であったり、回転対称でない形状に対しては汎用工具では対応できない。
これに対して、図7に示したような脱着工具260を用いれば、外形の形状に関わらず、隣接する撓み羽根201同士の隙間に工具の爪262を係合させることにより、脱着作業を行うことが可能である。しかし、取り付けの際には、撓み羽根201同士の隙間に爪262を挿入した状態を保持しながらボルト250に取り付けなければならないのは、上述の図6の構成と同様である。したがって、遠隔操作においては、作業が煩雑になる上、緩み止めナット200の落下の危険を伴う。
また、上記図6、7の構成の何れも、ボルト150、250の軸回りに緩み止め具100又は緩み止めナット200を回転させながら取り付け作業が行われるので、作業効率は悪い。
そこで、本発明では、緩み止めリングを安全に保持でき、且つ、遠隔操作において回転を伴わずに容易に取り付けることができる緩み止めリング取付工具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の緩み止めリング取付工具は、遠隔操作棒の先端に設置され、ボルトのネジ山と係合する撓み片が縮径方向に突出形成されたナットの緩み止めリングを遠隔操作によって取り付ける、緩み止めリング取付工具であって、長手方向の全域に渡ってスリットが形成され、内径が前記緩み止めリングの外径と同径に形成された外筒体と、前記ボルトの軸の先端を収容可能な収容孔が形成された一端側が、前記外筒体の内側に重複域を形成して配置され、前記スリットを形成している対向した縁部の少なくとも一方が自由端を成すように、前記重複域に固定された内筒体と、前記内筒体の他端側に延設され、打撃による入力を受け止める被打撃部と、前記遠隔操作棒を前記長手方向に対して直角の配置で連結可能な連結部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の緩み止めリング取付工具は、上記構成に加えて、前記内筒体は、前記スリットを形成している対向した前記縁部の一方から周方向へ180度の範囲内の前記重複域にて前記外筒体に固定されていることを特徴とする。
また、本発明の緩み止めリング取付工具は、上記構成に加えて、前記外筒体と前記内筒体とからなる第1の接合体は、前記連結部に対して、前記長手方向に延びる軸回りに回転自在に設置されていることを特徴とする。
また、本発明の緩み止めリング取付工具は、上記構成に加えて、前記第1の接合体と同様に構成された第2の接合体が、前記連結部に連結される前記遠隔操作棒の延長方向に延設されていることを特徴とする。
また、本発明の緩み止めリング取付工具は、上記構成に加えて、前記重複域は熱収縮チューブによって覆われていることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、スリットの縁部の少なくとも一方が自由端を成すように外筒体が内筒体に固定されているので、外筒体の内側から拡径方向へ働く力は自由端を
成す縁部の撓みにより吸収される。これにより、緩み止めリングを外筒体内に設置し、内筒体の他端側の被打撃部から打撃を加えてボルトに緩み止めリングを嵌め込む際、外筒体及び内筒体の軸方向と非平行な打撃の力成分は、自由端を成す縁部から逃がされるので、外筒体と内筒体との固定箇所に応力が集中することを防止できる。
また、本発明によれば、上記効果に加えて、スリットを形成する対向した縁部の一方から周方向へ略180度の範囲内において外筒体が内筒体に固定されているので、縁部の他方側は少なくとも周方向に自由端を成している。これにより、少なくともスリットの縁部の他方側は、外筒体の内側からの衝撃を吸収することができる。
また、本発明によれば、上記効果に加えて、外筒体と内筒体とからなる第1の接合体が軸回りに回転自在に設置されているので、作業時にスリットの位置を作業者側へ向けることができる。これにより、外筒体の内側の状態を確認しながら正確に操作を行うことが可能となる。また、第1の接合体を軸回転させて、自由端を成すスリットの縁部を遠隔操作棒を中心とした周方向に向けて配置すると、被打撃部に打撃を受けて遠隔操作棒を中心に首振り動作が生じた場合であっても、自由端を成す縁部の撓み変形を伴いながら周方向へ力を逃がすことができる。
また、本発明によれば、上記効果に加えて、第2の接合体は遠隔操作棒の延長方向に延びるように設置されているので、遠隔操作棒に沿った方向の力を第2の接合体から緩み止めリングへ効率良く伝達することが可能となる。また、第2の接合体は第1の接合体に対して略直角配置で設けられているので、取付可能な作業対象の幅が拡大される。
また、本発明によれば、上記効果に加えて、重複域が熱収縮チューブで覆われているので、自由端を成すスリットの縁部が緩やかに安定して保持される。これにより、外筒体が内筒体に対して固定される範囲が周方向の一部であっても、自由端を成す縁部の緩衝作用を損なうことなく良好な状態で保持することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る緩み止めリング取付工具の全体斜視図である。 図1の緩み止めリング取付工具の使用状態を示す正面図である。 図1の緩み止めリング取付工具の使用状態を示す平面図である。 図1の緩み止めリング取付工具の外筒体の開口縁側から見た拡大側面図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる緩み止めリング取付工具の外筒体の開口縁側から見た拡大側面図である。 従来の緩み止め具を示す平面図である。 従来の緩み止めナット及び脱着工具を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る緩み止めリング取付工具について、図を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1に第1の実施の形態に係る緩み止めリング取付工具1(以下、取付工具1と呼ぶ。)の全体斜視図を示す。ここでは、取付工具1から延びる2本の一点鎖線40、41の延長上に緩み止めのための作業対象であるナット及びボルトが存在するものとして説明を行う。また、取付工具1を遠隔位置から操作するために用いられる遠隔操作棒30は点線で示されている。一点鎖線40、41上に図示されている緩み止めリング33は、そこに表わされた姿勢で取付工具1の内側に設置され、対象となるボルトに取り付けられる。
先ず、取付工具1について説明をする前に、作業対象の緩み止めリング33について説明する。緩み止めリング33は、図1に表わされているように、外形が略円形に形成されており、中央側にはボルトの軸が貫通可能な貫通孔33bが形成されている。この貫通孔33bの内側の縁からは、縮径方向に複数の撓み片33aが突出形成されている。緩み止めリング33は金属製の板状部材で成形されており、撓み片33aは適度なバネ性を有している。これら撓み片33aの先端は、取付対象となるボルトの軸径よりも僅かに小さい円周上に並ぶように、縮径方向に突出している。これにより、貫通孔33b内へボルトが嵌入される際、撓み片33aはネジ山に押し返されて撓む。そして、ナットの近傍のネジ山に係合する位置まで押し込まれ、取り付けが完了する。
次に、取付工具1について説明する。取付工具1では、水平方向に延びる取付筒部1aと鉛直方向に延びる取付筒部1bとが直交するように配置されている。
これら2つの取付筒部1a、1bのうち、水平方向に配置された取付筒部1aから説明する。取付筒部1aの取り付け側(ナット及びボルトに向けられる側)には、略筒状に形成された外筒体2が設けられている。この外筒体2には、一点鎖線40の延びる長手方向の全域に渡ってスリット4が形成されている。図1では、スリット4が正面側(紙面の手前側)に向けて配置された状態が示されている。
この外筒体2において、取付側の逆側には、内側に一端6bを重ねるようにして内筒体6が配置されている。そして、外筒体2と内筒体6との重複域8は、熱収縮チューブ18によって覆われている。また、外筒体2は、重複域8において、内筒体6の周上の一点で固定ネジ20(後に図2に示す。)により固定されている。この固定ネジ20によるネジ留め位置に関する構成については、後に詳しく説明する。
本実施の形態に係る取付工具1において、外筒体2の内径は、緩み止めリング33の外径と略同じ値となるように形成されている。具体的には、外径φが31mmの緩み止めリング33に対して、外筒体2の内径の基準寸法は同一の31mmとして設計される。この場合、寸法公差は±1.5mm程度に設定される。これにより、収容された緩み止めリング33は、外筒体2の内壁との間に適度な摩擦が生じるので、安定して保持される。したがって、上述で言う緩み止めリング33の外径と略同じ径とは、寸法公差程度の範囲も含むものとする。
取付筒部1aには、さらに、内筒体6の他端6cの側に被打撃部10が延設されている。この被打撃部10は、外部からの打撃による入力を受け止めるために設けられている。取付作業を行う際には、外筒体2の内側に緩み止めリング33を収容し、対象となるボルトの先端を緩み止めリング33の貫通孔33bに宛がった状態で被打撃部10に打撃を加えることにより、緩み止めリング33をボルトに取り付けることができる。なお、内筒体6の一端6b側には、ボルトの軸を収容可能な収容孔6aが形成されているので、緩み止めリング33の貫通孔33bを貫通したボルトの軸は収容孔6aに収容され、一端6bの端面で緩み止めリング33を押圧することができる。ここで、収容孔6aは、ボルトを収容する側とは逆側に貫通している孔であっても、貫通していない穴であっても構わない。
次に、鉛直方向に配置された取付筒部1bについて説明する。上述のように、取付筒部1aは、少なくとも外筒体2、内筒体6及び固定ネジ20を含む接合体(第1の接合体)の構造を有している。これと同様に、取付筒部1bも、少なくとも外筒体3、内筒体7及び固定ネジ21(後に図2に示す。)を含む接合体(第2の接合体)の構造を有している。よって、取付筒部1aと同様に、外筒体3にも、一点鎖線41の延びる長手方向の全域に渡ってスリット5が形成されている。また、外筒体3の内側に一端7aを重ねるようにして内筒体7が配置されている。そして、外筒体3は、重複域9において、内筒体7の周方向の一点にて固定ネ
ジ21により固定されている。また、必須の構成ではないが、取付筒部1aと同様に、重複域9が熱収縮チューブ19によって覆われている。取付筒部1aも取付筒部1bも、これら熱収縮チューブ18、19が設けられているので、固定位置が固定ネジ20、21による一点のみの構成であっても、内筒体6、7に対する外筒体2、3の接合状態が安定する。
なお、取付筒部1bは、取付筒部1aのような被打撃部10を有していない代わりに、遠隔操作棒30と連結可能な連結部12を下方に備えており、遠隔操作棒30の延長方向に沿って連結される。
次に、取付工具1の使用状態について図2を用いて説明する。図2は、取付工具1を正面側から見た図であり、作業対象となるボルト31及びナット32も併せて示されている。
鉛直配置の取付筒部1bは、遠隔操作棒30の延長方向に設けられているので、遠隔操作棒30を突き出すように操作すると、ボルト31の軸に対して緩み止めリング33を嵌め込むことができる(矢印42の向き)。このように遠隔操作棒30を突き出すと、外筒体3の内側に保持した緩み止めリング33は、上述のように押し返すネジ山31aに対して撓み片33aを撓ませながら、鉛直方向に設置されたナット32側に押し込まれる。
これに対し、水平配置の取付筒部1aには、遠隔操作棒30に沿った力は作用しない。このため、図2に示したハンマー34のような打撃工具が必要となる。遠隔操作棒30を支えながら、ハンマー34を用いて内筒体6の他端6c側に設けられた被打撃部10に打撃を加えると、緩み止めリング33は、水平方向に設置されたナット32側に押し込まれる。
このとき、図2に示すように、ハンマー34は僅かながら円弧軌道を描くように振り下ろされる。したがって、被打撃部10に加えられる力には、水平成分の力だけでなく鉛直成分の力も含まれる。
この鉛直成分の力は、ハンマー34から被打撃部10に対して鉛直方向に働き、被打撃部10から外筒体2に伝わる。そしてさらに外筒体2から緩み止めリング33の上端に伝わり、最終的にボルト31の軸へ伝達される。このとき、ボルト31は固定されているので、ボルト31に生じた反力が緩み止めリング33から伝わり、外筒体2の上側に変形が生じる。
また、水平成分の力は、被打撃部10を内筒体6の軸方向に押し出すように作用する。これに対して、遠隔操作棒30の下方側は作業者により支えられているので、先端側の取付工具1だけが押し出される。このため、遠隔操作棒30の下端側を支点として取付工具1側が頭を下げるようにしてナット32側へ向かって僅かに回動する(矢印43の向き)。この場合も、僅かではあるが、外筒体2の上側に変形が生じる。
これら鉛直方向へ生じるズレは僅かな量であるが、上述のように、緩み止めリング33の外径と外筒体2の内径とは略同じ寸法となるように設計されているので、緩み止めリング33から外筒体2へはダイレクトに力が伝達される。このため、外筒体2に歪みが生じ易く、固定ネジ20により固定されている部分へ及ぼす影響は大きい。
また、ハンマー34による打撃操作は、水平面内においても僅かに円弧軌道を描く。次に、ハンマー34による水平方向への取り付け作業における取付工具1の動きについて図3を用いて説明する。
図3には、ハンマー34による打撃が加わる前の取付工具1を実線で表わし、打撃後の取付工具1を二点鎖線で表わしている。図3では、説明の便宜のため、ハンマー34の動きをやや誇張して表わしている。
図3に示すように、水平面内で円弧軌道を描くハンマー34によって被打撃部10に打撃が加えられた場合、取付工具1は、遠隔操作棒30を中心として水平面内で回転し、外筒体2側が振れる(矢印44の方向)。このように、ハンマー34が操作される方向によって、外筒体2側は、水平方向又は鉛直方向へ僅かにぶれる。次に、このような外筒体2の変形について、図4を用いて説明する。
図4は、図2のA−A線で切断した拡大断面図を示している。図4は、外筒体2と内筒体6とを固定する固定ネジ20を通過する面で切断した断面図である。ここでは、熱収縮チューブ18、外筒体2、内筒体6及び固定ネジ20の切断面に斜線が付されている。また、外筒体2内に保持された緩み止めリング33は点線で表わされている。
図4(a)は、外筒体2に外力が加わらない静止状態を示している。本実施の形態に係る取付工具1においては、外筒体2のスリット4を形成する対向した縁部4a、4bのうち、上側の縁部4aから固定ネジ20までの間の中心角a1と、下側の縁部4bから固定ネジ20までの間の中心角a2とは、略同じ角度となるように設定されている。
ここで、固定ネジ20により固定された部分を周方向における固定端とすると、撓み変形により内筒体6から離間できる縁部4a、4b側は、周方向における自由端とみなすことができる。図4(a)の例では、中心角a1とa2とは略同じ角度に設定されているので、自由端を成す縁部4a、4b側は、同様の撓み易さを有している。
なお、本実施の形態に係る取付工具1では、外筒体2と内筒体6との重複域8の外側は熱収縮チューブ18により覆われている(図1を参照)。したがって、縁部4a、4bは熱収縮チューブ18によって内筒体6側へ適度に押圧されている。しかし、熱収縮チューブ18の伸縮の許容する範囲で縁部4a、4bは内筒体6から離間可能となる。このような理由から、ここでは、熱収縮チューブ18に覆われた領域も自由端としてみなすこととする。
図4(b)には、外筒体2内に保持されている緩み止めリング33が上方に移動した際の外筒体2の変形の様子が示されている。これは、上述の図2を用いた説明のように、ハンマー34が振り下ろされ、鉛直成分の力が働いた結果、ボルト31に反力が生じて緩み止めリング33が相対的に突き上げられた状態に相当する。
すなわち、ハンマー34を振り下ろした際、瞬間的に取付工具1が下方側へ(僅かに)押し付けられ、ボルト31の軸が内筒体6の収容孔6a(図1を参照)内で上方にずれることにより、緩み止めリング33が外筒体2の内壁を押し上げるような作用が生じる。
本実施の形態に係る取付工具1では、外筒体2は周方向においてスリット4と対極の位置にて内筒体6に固定されている。このため、自由端を成しているスリット4の上側の縁部4aは、周方向において略180度の範囲で撓むことができる。この縁部4a側の自由端は、図4(b)に示したように、固定端である固定ネジ20の位置から遠ざかるほど変位量が大きい。
このように、ハンマー34により加えられる力に鉛直成分の力が含まれている場合であっても、外筒体2の上方に形成された自由端が撓むことにより力を逃がすことができ
るので、固定ネジ20周辺への応力の集中を防ぐことができる。よって、固定ネジ20による固定位置を中心としたひび割れや緩みが防止され、耐久性が向上する。
また、外筒体2と内筒体6との重複域8は、熱収縮チューブ18に覆われているので、上述のように自由端を成す縁部4aの撓みに対して柔軟に変形することができるのみならず、緩み止めリング33から伝達される力を緩和する効果も得られる。このように、効果的に力を逃がすことができるので、緩み止めリング33の変形を防ぐこともできる。
続いて、図4(c)には、外筒体2に保持されている緩み止めリング33が水平方向(紙面右向き)に移動した際の、外筒体2の変形の様子が示されている。これは、上述の図3を用いた説明のように、ハンマー34が水平面内で円弧軌道を描いて打ちつけられた状態に相当する。
図3では、紙面上方から下方に向かって円弧軌道を描いてハンマー34が打ちつけられているので、取付工具1側では、遠隔操作棒30を中心として外筒体2が紙面上方へ首振り動作している様子が示されている。
すなわち、ボルト31に嵌め込まれた緩み止めリング33をその取付位置に残した状態で、外筒体2のみが水平面内で回動するため、相対的に、緩み止めリング33が水平移動することになる。
図4(c)では、緩み止めリング33がスリット4側へ相対移動した状態が示されている。上述のように、外筒体2は、周方向においてスリット4の対極位置で内筒体6にネジ留めされているので、自由端を成す縁部4a、4bは、緩み止めリング33から伝達される力を逃がすように開かれる。
このように、図4(b)の場合と同様に、外筒体2内において緩み止めリング33の位置が瞬間的に水平方向へ変化するような場合であっても、外筒体2及び熱収縮チューブ18の変形により力を逃がすと共に、緩和することができ、固定ネジ20周辺への負担を低減することが可能となる。
ところで、本実施の形態に係る取付工具1は、水平配置の取付筒部1aが鉛直配置の取付筒部1bに対して、自身の軸回り(図1の一点鎖線40の回り)に回転自在に取り付けられている。このため、作業者は、作業を行う前に、周方向におけるスリット4の位置を、内部が確認できるように位置調整することができる。このように、スリット4は内側に保持された緩み止めリング33の状態を目視により確認するための確認窓としての機能も有している。
例えば、作業者が右利きであれば、取付工具1側の遠隔操作棒30を左手で持ち、ハンマー34が右手で操作される。このため、スリット4は、図4において紙面右側(図1では正面側)に配置すると、緩み止めリング33を目視により確認しながら作業を行うことが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態に係る取付工具1によれば、遠隔操作棒30と直交する方向への取付作業において、作業対象である緩み止めリング33の視認性を確保できることに加えて、ハンマー34の打撃によるぶれを効果的に吸収でき、固定ネジ20等の固定構造への負担を和らげることが可能となる。したがって、ハンマー操作等について熟練を要さず作業性が向上すると共に、工具全体の耐久性の向上が図られる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る緩み止めリング取付工具51(以下、取付工具51と呼ぶ。)について、図5を用いて説明する。ここでは、第1の実施の形態において示した取付工具1と同様の構成については、同一の符号を付して説明することとする。
本実施の形態に係る取付工具51は、第1の実施の形態に係る取付工具1と略同じ構成となっており、外筒体52を内筒体56に固定する固定ネジ60の位置のみが異なっている。図5は、取付工具51において水平配置の取付筒部51aの外筒体52側から見た断面図を示している。切断位置は、外筒体52を内筒体56に固定している固定ネジ60の位置であり、図4と同様である。
第1の実施の形態では、固定ネジ20(図4を参照)の位置はスリット4の対極位置に設けられているのに対して、ここでは、スリット4から周方向下方側(図5では時計回りの向き)へ約90度の位置に設けられている。したがって、スリット4を形成している対向した縁部4a、4bのうち、下方側の縁部4bからは90度よりも小さい範囲に固定ネジ60が設けられていることになる。
図5から分かるように、縁部4a、4bは同様に自由端を成しているが、固定ネジ60からの距離は大きく異なっている。上側の縁部4aから固定ネジ60までの間の中心角a4は、下側の縁部4bから固定ネジ60までの間の中心角a3の3倍強となっている。このため、上側の縁部4aの方が撓み易い。
このように構成されているので、取付筒部51aを軸回転させて、スリット4の位置を図5において下方側に配置した構成であっても、固定ネジ60の位置は鉛直方向の中間位置程度にまでしか持ち上がらず、外筒体52の上半分の領域には達しない。すなわち、外筒体52の上半分の領域は図4(b)の場合と同様に、固定ネジ60による固定構造に妨げられることなく自在に撓むことが可能である。このように、本実施の形態に係る取付工具51は、作業対象の直下の位置で緩み止めリング33の状態を確認しながら作業を行う場合に有用である。
また、固定ネジ60から中心角a3側に延びる縁部4b側であってもある程度の撓み幅が得られるので、第1の実施の形態において図4に示したように、スリット4の位置を水平方向に向けて配置した場合であっても、図4(b)及び(c)に相当する効果を得ることは可能である。
なお、上記の各実施の形態では、外筒体2、3、52と内筒体6、7、56とは固定ネジ20、60によって固定されている構成を例として示した。しかし、固定構造としてはネジ締結構造に限らない。スリット4の縁部4a、4bの少なくとも一方が長手方向に渡って自由端を成すような構成であれば、例えば、接着剤を用いた固定構造や、一体成型であっても構わない。
また、上記の各実施の形態では、外筒体2、3、52と内筒体6、7、56とは、周方向における1箇所で固定された構成を例として示した。しかし、スリット4の縁部4a、4bの少なくとも一方が長手方向に渡って自由端を成すような構成であれば、複数箇所で固定する構造であっても構わない。
また、上記の第1の実施の形態では、スリット4の形成されている位置に対して周方向へ対極した位置に固定ネジ20が設けられている構成を例として示した。しかし、スリット4の縁部4a、4bの一方から周方向へ略180度の範囲内であれば、固定位置は何れの位置であっても構わない。
また、上記の各実施の形態では、水平配置の取付筒部1a、51aは、鉛直配置の取付筒部1bに対して軸回りに回転自在に設けられている構成を例として示した。しかし、水平配置の取付筒部1a、51aは固定されていても構わない。
また、上記の各実施の形態では、外筒体2、3、52と内筒体6、7、56との重複域8、9が熱収縮チューブ18、19により覆われている構成を例として示した。しかし、これら熱収縮チューブ18、19は必須の構成ではない。
また、上記の各実施の形態では、水平配置の取付筒部1a、51aに加えて鉛直配置の取付筒部1bを設けた構成を例として示した。しかし、少なくとも水平配置の取付筒部1a、51aを有していれば、鉛直配置の取付筒部1bは備えていなくても構わない。
また、上記の各実施の形態では、水平配置の取付筒部1a、51aと鉛直配置の取付筒部1bとが直交配置されている構成を例として示したが、これは相対的な直交配置の位置関係を説明するためのものであり、水平方向又は鉛直方向に限定するものではない。
本発明の緩み止めリング取付工具は、緩み止めリングを保持する外筒体が、スリットの形成された略筒状に形成されているので、外形が多角形の緩み止めリングに対しても安定して保持することができ、有用である。
1、51 緩み止めリング取付工具(取付工具)
1a、1b、51a 取付筒部
2、3、52 外筒体
4、5 スリット
4a、4b 縁部
6、7、56 内筒体
6a 収容孔
6b (内筒体の)一端
6c (内筒体の)他端
8、9 重複域
10 被打撃部
12 連結部
18、19 熱収縮チューブ
20、21、60 固定ネジ
30 遠隔操作棒
31 ボルト
31a ネジ山
32 ナット
33 緩み止めリング
33a 撓み片
33b 貫通孔
34 ハンマー
40、41 一点鎖線
42、43、44 矢印
100 緩み止め具
101 周囲壁
102 周端縁部
103 板バネ片
104 ボルト挿通領域
150 ボルト
160 取外し工具
200 緩み止めナット
200a 外周側板部
200b 下平面板部
201 撓み羽根
201a 羽根先
250 ボルト
260 脱着工具
261 押し付けパイプ軸
262 爪
263 ボルト逃がしパイプ穴
264 ハンドル
a1、a2、a3、a4 中心角

Claims (5)

  1. 遠隔操作棒の先端に設置され、ボルトのネジ山と係合する撓み片が縮径方向に突出形成されたナットの緩み止めリングを遠隔操作によって取り付ける、緩み止めリング取付工具であって、
    長手方向の全域に渡ってスリットが形成され、内径が前記緩み止めリングの外径と同径に形成された外筒体と、
    前記ボルトの軸の先端を収容可能な収容孔が形成された一端側が、前記外筒体の内側に重複域を形成して配置され、前記スリットを形成している対向した縁部の少なくとも一方が自由端を成すように、前記重複域に固定された内筒体と、
    前記内筒体の他端側に延設され、打撃による入力を受け止める被打撃部と、
    前記遠隔操作棒を前記長手方向に対して直角の配置で連結可能な連結部と、
    を備えたことを特徴とする緩み止めリング取付工具。
  2. 前記内筒体は、前記スリットを形成している対向した前記縁部の一方から周方向へ180度の範囲内の前記重複域にて前記外筒体に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の緩み止めリング取付工具。
  3. 前記外筒体と前記内筒体とからなる第1の接合体は、前記連結部に対して、前記長手方向に延びる軸回りに回転自在に設置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の緩み止めリング取付工具。
  4. 前記第1の接合体と同様に構成された第2の接合体が、前記連結部に連結される前記遠隔操作棒の延長方向に延設されていることを特徴とする請求項3に記載の緩み止めリング取付工具。
  5. 前記重複域は熱収縮チューブによって覆われていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の緩み止めリング取付工具。
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