JP2019007519A - 吊りボルト固定金具及びブレース連結金具 - Google Patents

吊りボルト固定金具及びブレース連結金具 Download PDF

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Abstract

【課題】吊りボルト固定金具を吊りボルトに固定するための作業を従来よりも効率良く行えるようにした吊りボルト固定金具及びブレース連結金具を提供する。【解決手段】吊りボルト固定金具2は、吊りボルト7に対して直交する方向に配置される第1金具10と第2金具20とを有し、第1金具10と第2金具20のそれぞれの一方の端部を互いに重なるように配置して構成される挟着部4と、第1金具10と第2金具20のそれぞれの他方の端部を挟着部4から互いに異なる方向に延設した延設部13,23を有し、作業者が延設部13,23を手で把持して第1金具10と第2金具20とを拡開させることが可能な構成である。【選択図】図2

Description

本発明は、天井空間において垂下状態に設けられる吊りボルトに固定することが可能な吊りボルト固定金具及びそれを備えるブレース連結金具に関する。
従来、天井空間において垂下状態に設けられる吊りボルトが空気調和機や各種配管、天井下地材などの吊下物を支持する構造において、斜め補強材となるブレースを取り付けて地震発生時の振動を抑制することが行われている。そのためのブレース連結金具として、例えば特許文献1のようなものが存在する。特許文献1のブレース連結金具は、内側挟着体と外側挟着体を有する吊りボルトを内側挟着体と外側挟着体の間に挟み込み固定する挟着体と、ブレースを挟着体の側面に圧着固定する斜め支持体と、外側挟着体を内側挟着体に接近する方向に付勢するコイルスプリングを有し、吊りボルトに挟着固定された挟着体の側面にブレースが斜め支持体により固定される。
特許6009710号公報 特開2017‐57704号公報
しかしながら、上記従来技術では、吊りボルトを内側挟着体と外側挟着体の間に収納する際に、挟着体を手で把持しにくく、付勢部材の付勢力に抗して内側挟着体と外側挟着体の間の間隔を拡げにくいため、作業効率が悪いという問題があった。特にこの種の作業は、天井スラブ近傍での高所作業となるため、作業者は狭い足場の上から手を延ばして吊りボルトを内側挟着体と外側挟着体の間に挟み込む作業を行わなければならない。そのような高所作業では作業者が手に強い力を入れることは困難であり、作業効率がより一層低下してしまうことになる。
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、吊りボルト固定金具を吊りボルトに固定するための作業を従来よりも効率良く行えるようにした吊りボルト固定金具及びそれを備えるブレース連結金具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1に、本発明は、吊りボルトに対して直交する方向に配置される第1金具と、前記吊りボルトに対して直交する方向に配置されると共に、前記第1金具との間に前記吊りボルトを挟み込むように配置される第2金具と、を備える吊りボルト固定金具であって、前記第1金具と前記第2金具のそれぞれの一方の端部を互いに重なるように配置して構成される挟着部と、前記第1金具と前記第2金具のそれぞれの他方の端部を前記挟着部から互いに異なる方向に延設した延設部と、を有し、前記挟着部の中央に前記吊りボルトを収容した状態で前記挟着部の両端側に一対の締着ボルトが締着されることにより前記第1金具と前記第2金具で前記吊りボルトを挟着するように構成され、前記一対の締着ボルトのうちの第1の締着ボルトが取り外され、且つ、第2の締着ボルトが緩着された状態のときに、前記延設部に対して所定方向の力を作用させることにより前記第1金具と前記第2金具とを拡開させて前記吊りボルトを前記挟着部の内側に導入可能であることを特徴とする構成である。
第1の構成によれば、作業者は、吊りボルト固定金具の両端において延設される延設部を手で把持可能である。そのため、第1の締着ボルトが取り外され、且つ、第2の締着ボルトが緩着された状態のときに、作業者は、延設部を把持して第1金具と第2金具とを拡開させる作業を行うことができる。また作業者が手で把持した延設部を力点としたてこの原理が働くため、従来と比較して小さい力で第1金具と第2金具とを拡開させることができる。
第2に、本発明は、上記第1の構成において、前記第1金具は、前記一対の締着ボルトが挿通される一対の孔を有し、前記一対の孔のうち少なくとも前記第2の締着ボルトが挿通される孔の前記吊りボルトに直交する方向の大きさは、前記第2の締着ボルトの挿通角度を変化させることが可能な大きさであることを特徴とする構成である。
第2の構成によれば、作業者が第1金具と第2金具とを拡開させる作業を行うとき、孔に挿通された第2の締着ボルトの挿通角度が変化するので、第2の締着ボルトが孔の周縁部に干渉することを防止できる。それ故、第1金具と第2金具とを簡単且つスムーズに拡開させることができるようになる。
第3に、本発明は、上記第1又は第2の構成において、前記挟着部を形成する前記第1金具と前記第2金具とを互いに接近させる方向に付勢する付勢手段を備えることを特徴とする構成である。
第3の構成によれば、吊りボルト固定金具を吊りボルトに取り付ける際、吊りボルトを挟着部の内側に収容した状態で作業者が吊りボルト固定金具から手を離した場合であっても、付勢手段により第1金具と第2金具とが接近する方向に付勢されるため、吊りボルト固定金具を吊りボルトに仮止めすることができる。そのような付勢手段としては、例えばコイルバネや板バネなどのバネの他、ゴムなどの弾性部材などを用いることができる。
第4に、本発明は、上記第3の構成において、前記第2の締着ボルトは、雄螺子が形成された先端が前記第1金具に形成された孔に挿通されて前記第2金具に緩着され、前記付勢手段は、前記第2の締着ボルトの頭部と前記第1金具の間に挿通されたバネであることを特徴とする構成である。
第4の構成によれば、ゴムなどの弾性部材を付勢手段として使用した場合と比較して、バネは経年劣化しにくいといった利点がある。
第5に、本発明は、上記第1乃至第4のいずれかの構成において、前記延設部は、ブレースを支持するブレース支持金具を連結する連結部を有することを特徴とする構成である。
第5の構成によれば、吊りボルト固定金具に容易にブレース支持金具を連結可能である。
第6に、本発明は、上記第5の構成において、前記第1金具及び前記第2金具の前記延設部は、互いに直交する方向に延設されることを特徴とする構成である。
第6の構成によれば、吊りボルト固定金具は、吊りボルトを交線とし、互いに直交する2つの仮想平面上のそれぞれに沿って配置されるブレースと吊りボルトとを連結することに適している。
第7に、本発明は、ブレース連結金具であって、請求項5又は6に記載の吊りボルト固定金具と、前記連結部に取り付けられる一対のブレース支持金具と、を備えることを特徴とする構成である。
第7の構成によれば、吊りボルトに対して簡単に取り付け可能なブレース連結金具を得ることができる。
本発明によれば、吊りボルト固定金具を吊りボルトに取り付ける際、作業者は手で延設部を把持でき、その延設部に対して所定方向の力を作用させることで、延設部を力点としたてこの原理を働かせることができる。そのため、従来と比較して小さい力で簡単に第1金具と第2金具とを拡開させることが可能であるため、吊りボルト固定金具を吊りボルトに固定する際の作業効率が向上する。
また仮に作業者が高所作業を行いながら吊りボルト固定金具を吊りボルトに取り付ける場合であっても、小さな力で簡単に第1金具と第2金具とを拡開させて吊りボルトを第1金具と第2金具との間に装着できる。そのため、作業者が高所作業を行う場合であっても、作業性を低下させずに、吊りボルト固定金具を吊りボルトに固定することができるという利点がある。
第1実施形態におけるブレース連結金具の外観斜視図である。 第1実施形態におけるブレース連結金具の平面図である。 第1実施形態におけるブレース連結金具の構成部材を分解して示す斜視図である。 ブレース連結金具の吊りボルトへの取り付け前の態様を例示する斜視図である。 第1実施形態においてブレース連結金具を吊りボルトに取り付ける際の作業工程を示す図である。 第1実施形態のブレース連結金具が吊りボルトに仮止めされた状態を示す図である。 第1実施形態の第1金具10と第2金具20との先端側を拡開する原理を示す図である。 第1実施形態においてブレースを取り付ける際の作業工程を示す図である。 第1実施形態のブレース連結金具にブレースが取り付けられた状態の一例を示す側面図である。 第2実施形態におけるブレース連結金具の平面図である。 第3実施形態におけるブレース連結金具の平面図、及び、ブレース連結金具にブレースが取り付けられた状態の一例を示す正面図である。 第1実施形態においてブレース連結金具を吊りボルトに取り付ける際の変形例を示す図である。 付勢部材の変形例を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下において参照する各図面では互いに共通する部材に同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態におけるブレース連結金具1の外観斜視図であり、図2はそのブレース連結金具1の平面図であり、図3はそのブレース連結金具1の構成部材を分解して示す斜視図である。図1乃至3に示すように、ブレース連結金具1は、天井空間において垂下状態に設けられる吊りボルト7に固定される吊りボルト固定金具2(以下、「固定金具2」と称す。)と、その固定金具2の両側に連結される一対のブレース支持金具3a,3bとを備え、固定金具2が吊りボルト7に固定された状態で一対のブレース支持金具3a,3bのそれぞれが斜め方向に配設されるボルト状のブレース8の端部を支持する構成である。
図2に示すように、固定金具2は、金属プレートを概略L字状に折り曲げて形成される第1金具10と、金属プレートを概略L字状に折り曲げて形成される第2金具20と備え、第1金具10及び第2金具20が互いに対向して配置された状態で一対の締着ボルト18によって固定される。一対の締着ボルト18は、第1の締着ボルト18aと第2の締着ボルト18bで構成される。固定金具2は、第1金具10と第2金具20とが組み付けられた状態のときに全体としても概略L字状となる。本実施形態では、L字状の第1金具10が同じくL字状の第2金具20の外側に配置される場合を例示している。また固定金具2は、バネなどで構成される付勢部材40を備えている。付勢部材40は、一対の締着ボルト18のうちの一方の締着ボルト18に挿通された状態に配置される。本実施形態では、付勢部材40は、第2の締着ボルト18bに挿通され、第2の締着ボルト18bの頭部と第1金具10の間に配置されている。
第1金具10は、円弧状に90度折り曲げられた屈曲部11と、その屈曲部11の両側から互いに直角を成すように延設される平板状の一対の締着部12a,12bと、一方の締着部12aから延設される平板状の延設部13とを備え、全体として平面視概略L字状に形成される。すなわち、第1金具10は、締着部12a及び延設部13から成る長辺部に対し、締着部12bから成る短辺部が90度に折れ曲がったL字状の金具であり、L字状に折り曲げられた屈曲部11の内側で吊りボルト7の外周面を保持する。そして円弧状の屈曲部11の内側には、吊りボルト7の外周面に形成される雄螺子と係合する係合突起14が設けられる。係合突起14は、図3に示すように円筒状に突出した突起部に構成され、屈曲部11の内側の複数箇所に設けられる。尚、係合突起14は例えば背面側からポンチ加工を施すことによって内側を中空状に形成したものであっても構わない。
また、一対の締着部12a,12bのそれぞれには、締着ボルト18を挿通するための孔15が形成される。これらの孔15は、横方向(吊りボルト7に直交する方向)に長く形成された長孔として形成される。ただし、締着部12a,12bのそれぞれに設けられる孔15が長孔として形成されることは必須ではなく、少なくとも付勢部材40が装着される第2の締着ボルト18bが挿通される孔15が、横方向に長く形成される長孔として形成されるものであれば良い。すなわち、締着部12bに設けられる孔15が横方向に長く形成された長孔であれば良い。
尚、本実施形態では、孔15が横方向に長く形成される長孔である場合を例示しているが、これに限られるものではない。すなわち、孔15の横方向の大きさが、第2の締着ボルト18bが孔15に挿通された状態において孔15に対する第2の締着ボルト18bの挿通角度を変化させることが可能な大きさであれば良い。したがって、孔15は、直径の大きな丸孔であっても良いし、楕円孔であっても良い。またその他の形状の孔であっても良い。
延設部13は、ブレース支持金具3aを連結するための連結部を有している。すなわち、延設部13には連結ボルト38を装着するための雌螺子部16が設けられており、雌螺子部16が連結部として機能する。本実施形態では、雌螺子部16がL字状に形成された第1金具10の内面側において延設部13に予め固定されたナット17で構成される場合を例示している。しかし、これに限られるものではなく、例えば延設部13に設けた孔にバーリング加工を施すことによって孔の周囲に延設部13の表面から立ち上げた壁部を一体形成し、その壁部の内側に雌螺子を形成することによって雌螺子部16を設けたものであっても構わない。
第2金具20は、上述したように概略L字状の金具であり、L字状に折れ曲がるコーナー部分を内側に膨出させることにより円弧状に湾曲させた湾曲部21と、その湾曲部21の両側から外側に向かって折れ曲がり互いに直角を成すように延設される平板状の一対の締着部22a,22bと、一方の締着部22aから延設される平板状の延設部23とを備える。すなわち、第2金具20は、全体としては平面視概略L字状であるが、L字状に折れ曲がったコーナー部分に着目すると平面視概略W字状に形成された金具である。
また第2金具20は、締着部22a及び延設部23から成る長辺部に対し、締着部22bから成る短辺部が、90度を成すように形成された金具であり、長辺部分と短辺部分との間の湾曲部21において吊りボルト7の外周面を保持する。そして湾曲部21の両側に位置する一対の締着部22a,22bには、締着ボルト18と螺合する雌螺子部24がそれぞれ形成される。延設部23は、ブレース支持金具3bを連結するための連結部を有している。すなわち、延設部23には連結ボルト38を装着するための雌螺子部26が設けられており、雌螺子部26が連結部として機能する。本実施形態では、雌螺子部24,26が第2金具20の内面側に予め固定されたナット25,27で構成される場合を例示している。しかし、これに限られるものではなく、例えば一対の締着部22a,22bに形成した孔にバーリング加工を施すことによってその孔の周囲に一対の締着部22a,22bから立ち上げた壁部を一体形成し、その壁部の内側に雌螺子を形成することによって雌螺子部24を設けたもの、及び、延設部23に形成した孔にバーリング加工を施すことによってその孔の周囲に延設部23から立ち上げた壁部を一体形成し、その壁部の内側に雌螺子を形成することによって雌螺子部26を設けたものであっても構わない。
また湾曲部21の内側には、吊りボルト7の外周面に形成される螺子溝と係合する係合突起19(図2参照)が設けられる。係合突起19は、第2金具20の長手方向に沿って横方向(吊りボルト7と直交する方向)に伸びる爪状の突起が縦方向に複数配置されて構成される。尚、係合突起14,19は、第1金具10と第2金具20のいずれに設けられても良いし、第1金具10と第2金具20のいずれか一方に係合突起14,19のいずれか一方が設けられたものであってもよい。
固定金具2は、第1金具10と第2金具20のそれぞれの一方の端部を互いに重なるように配置して固定金具2の中央部分に吊りボルト7を挟着する挟着部4を形成している。すなわち、固定金具2は、図2に示すように、第1金具10の締着部12a、屈曲部11及び締着部12bを、第2金具20の締着部22b、湾曲部21及び締着部22aに対して重なるように配置し、第1金具10に設けられた屈曲部11と、第2金具20に設けられた湾曲部21との間に吊りボルト7を挟み込むようにして取り付けられる。
また固定金具2の外側に配置される第1金具10の延設部13は、固定金具2の中央の挟着部4の端部から横方向(吊りボルト7と直交する方向)に延設された状態になるのに対し、固定金具2の内側に配置される第2金具20の延設部23は、第1金具10の延設部13とは異なる方向に向かって固定金具2の中央の挟着部4の端部から横方向に延設された状態となる。つまり、固定金具2の両端部においては、第1金具10の延設部13、及び、第2金具20の延設部23のそれぞれが吊りボルト7と直交する方向において互いに異なる方向に延設された状態となる。そのため、作業者は、固定金具2の一方の端部から外側に延設される第1金具10の延設部13を一方の手で把持し、固定金具2の他方の端部から外側に延設される第2金具20の延設部23を他方の手で把持することができる。
そして固定金具2は、挟着部4の中央に吊りボルト7を収容した状態で挟着部4の両端側に一対の締着ボルト18が締着されることにより第1金具10と第2金具20で吊りボルト7を挟着した状態に固定される。
付勢部材40としては、例えばコイルバネが使用される。この場合、コイルバネの一端側の直径が他端側の直径よりも大きい円錐バネ(テーパーバネ)を用いることがより好ましい。そして図3に示すように、コイルバネの大径端部を第1金具10に向けた状態で小径端部側から第2の締着ボルト18bをコイルバネの内側に差し込み、第2の締着ボルト18bの先端を孔(長孔)15に通してから第2金具20の雌螺子部26に螺合させる。これにより、コイルバネは、小径端部を締着ボルト18の頭部内側に係合させると共に、大径端部を孔(長孔)15の周縁部に係合させた状態に取り付けられ、第2の締着ボルト18bの頭部と第1金具10とを互いに離間させる方向に付勢力を作用させることができる。この付勢力は、第1金具10と第2金具20とを互いに接近させる方向に作用するため、例えば第1金具10と第2金具20との間に吊りボルト7を挟み込んだ状態のときに、固定金具2を吊りボルト7に対して仮止め状態にすることができる。
尚、付勢部材40は、必ずしもコイルバネに限られるものではない。例えば付勢部材40を、ボルト挿通孔を有する板バネで構成し、ボルト挿通孔に第2の締着ボルト18bを通し、第2の締着ボルト18bの頭部と第1金具10との間に付勢力を作用させるものであっても構わない。また、本実施形態では付勢部材40が第2の締着ボルト18bの頭部と第1金具10の間の位置に設けられる場合を例示しているが、これに限られるものではなく、第2の締着ボルト18bの先端に装着されるナット25と第2金具20の間の位置で第2の締着ボルト18bに挿通されるものであっても構わない。
ブレース支持金具3a,3bはいずれも同じ構成である。すなわち、ブレース支持金具3a,3bはいずれも第1部材31と第2部材32とを備えて構成される。
第1部材31は、金属プレートを折曲加工することによって構成される部材であり、その中央にブレース8の外周面と係合するように概略半円状に湾曲した係合部31aが設けられ、その係合部31aの一方の側方に延設される第1平板部31bと、係合部31aの他方の側方に延設される第2平板部31cとを有している。そして第1平板部31b及び第2平板部31cのそれぞれには、ボルトを挿通するためのボルト挿通孔34a,34bが形成される。また湾曲した係合部31aの内側には、湾曲部21と同様に、ブレース8の外周面に形成される螺子溝と係合する係合突起14が設けられる。
第2部材32は、第1部材31と対向して配置される平板状の部材であり、第1平板部31bに形成されたボルト挿通孔34aと整合する位置に第1の孔35aが形成されると共に、第2平板部31cに形成されたボルト挿通孔34bと整合する位置に第2の孔35bが形成され、その第2の孔35bに雌螺子が形成された構成である。本実施形態では、雌螺子の形成された第2の孔35bが第2部材32に予め固定されるナット36で構成される場合を例示している。しかし、これに限られるものではなく、例えば第2部材32に形成した第2の孔35bにバーリング加工を施すことによってその孔の周囲に第2部材32の表面から立ち上げた壁部を一体形成し、その壁部の内側に雌螺子を形成することによって雌螺子を形成したものであっても構わない。
次にブレース連結金具1を吊りボルト7に挟着させる作業について詳しく説明する。まず、作業者は一対の締着ボルト18のうち一方の締着ボルト18(第2の締着ボルト18b)に付勢部材40を装着し、その締着ボルト18の先端を第1金具10の締着部12bに設けられた孔(長孔)15に挿通したうえで、締着ボルト18の先端をナット25に緩く螺合させた状態にする。これにより、第1金具10、第2金具20及び付勢部材40が1つの締着ボルト18によって組み付けられた状態となる。このように組み付けられた状態では、他方の締着ボルト18(第1の締着ボルト18a)は装着されていない。しかし、付勢部材40により第1金具10は第2金具20の方向へ付勢されるため、第1金具10と第2金具20が互いにほぼ接触した状態で保持される。
次に作業者は、一対の連結ボルト38のそれぞれを、ブレース支持金具3a,3bの第1部材31に設けられたボルト挿通孔34a、及び、第2部材32に設けられた第1の孔35aに挿通させ、一対の連結ボルト38のうち一方の先端を第1金具10に設けられたナット17、他方の連結ボルト38の先端を第2金具20に設けられたナット27に対して緩く螺合させた状態にさせる。これによりブレース連結金具1は図4に示す状態となる。尚、図4に示すように組み付けた状態を、ブレース連結金具1の出荷状態としても良い。
次に作業者は、ブレース連結金具1を吊りボルト7の取付位置に配置する。このとき、ブレース連結金具1の固定金具2は、第1金具10及び第2金具20に対して第2の締着ボルト18bが緩着された状態であり、第1の締着ボルト18aが取り外された状態である。図5は、ブレース連結金具1を吊りボルト7に取り付ける各工程を示す図である。尚、図5では、連結ボルト38により固定金具2の両端部に連結されるブレース支持金具3a,3bの図示を省略している。作業者は、図5(a)に示す状態のブレース連結金具1の延設部13及び延設部23のそれぞれを両手で把持し、図5(b)に示す矢印F,G方向に力を加えることにより付勢部材40の付勢力に抗して第1金具10と第2金具20とを相対変位させる。つまり、第2金具20の締着部22bを第1金具10の締着部12aから離間させることにより、締着部22bの先端と締着部12aとの間を大きく拡開させる。付勢部材40が装着され、ナット25に緩く螺合した第2の締着ボルト18bは、第1金具10の締着部12bに設けられた孔(長孔)15に挿通されているため、第1金具10の締着部12bが第2金具20の締着部22aに対して傾斜する場合であっても、締着部12bに対する挿通角度を変化させることが可能である。そのため、第2の締着ボルト18bが孔15の周縁部に干渉することがなく、第1金具10と第2金具20の先端側を大きく拡開させることが可能となっている。
次に図5(b)に示すように、作業者は、締着部22bの先端と締着部12aとを拡開させた開放部の外側から吊りボルト7を第1金具10の屈曲部11と第2金具20の湾曲部21の内側に収容する(矢印H参照)。第1金具10の屈曲部11と第2金具20の湾曲部21の内側に吊りボルト7を収容した後、作業者は、延設部13,23に付与している力を緩めると、付勢部材40の付勢力により、締着部22bの先端と締着部12aとの間隔が縮小する。そして作業者が延設部13,23から両手を離すと、ブレース連結金具1は図5(c)に示す状態となる。すなわち、付勢部材40により、第1金具10が第2金具20に向かって付勢されるため、第1金具10と第2金具20とによって構成される挟着部4が吊りボルト7を挟着する状態となり、ブレース連結金具1が吊りボルト7に仮止めされる(図6参照)。図6に示す仮止め状態になると、作業者が延設部13,23から手を離しても、ブレース連結金具1が吊りボルト7から離脱することはない。
本実施形態の延設部13,23は第2の締着ボルト18bによって第1金具10と第2金具20が組み付けられた状態のときに(図5(a)参照)、延設部13は締着部22bの端部より外側(挟着部4から遠くなる側)に位置し、延設部23は締着部12bの端部より外側に位置する。更に延設部13,23は横方向に長く延設されている。そのため、本実施形態のブレース連結金具1は、作業者が上述した作業を行うときに第1金具10,第2金具20のそれぞれを手で把持しやすい構成となっている。
ここで作業者が矢印Fの方向に力を加えた際、図7(a)に示すように、矢印Fの力が働く延設部23が力点、第1金具10と第2金具20が接触する点が支点Jとなり、第2金具20のナット25に緩着された締着ボルト18には矢印Kの方向に動こうとする力が働く。この矢印Kの方向は付勢部材40の付勢力に抗する向きであり、第1金具10と第2金具20との間の角度θを大きくする方向に力が働く。
これに対し、作業者が矢印Gの方向に力を加えた際は、図7(b)に示すように、矢印Gの力が働く延設部13が力点、第1金具10と第2金具20が接触する点が支点Jとなり、第1金具10の締着部12bには矢印Lの方向に動こうとする力が働く。この矢印Lの方向も付勢部材40の付勢力に抗する向きであり、角度θを大きくする方向に力が働く。
つまり、延設部13,23を横方向に長く延設することは、作業者が両手で把持しやすい構造となるだけでなく、図7(c)に示すように延設部23(力点)と支点JとのM方向の距離、及び、延設部13(力点)と支点JとのN方向の距離が長くなるため、てこの原理により、従来と比較して小さい力で締着部22bの先端と締着部12aとを大きく拡開させることが可能となるのである。
また、本実施形態の固定金具2は、上記の通り従来と比較して小さい力で第1金具10と第2金具20を拡開可能であるため、付勢部材40を、より大きな付勢力を有する付勢部材に置き換えても作業性を損なわず、そのような付勢部材40に置き換えることにより、従来と比較して強固にブレース連結金具1を吊りボルト7に仮止めすることが可能となっている。
その後、作業者は、他方の締着ボルト18(第1の締着ボルト18a)を締着部12aに形成された孔15に挿通させると共に、当該締着ボルト18の先端を締着部22bのナット25に螺合させ、当該締着ボルト18がナット25に対して緩着された状態にした後に、工具を用いて当該締着ボルト18をナット25に対して締着させる。さらに作業者が工具を使用して予めナット25に緩着させておいた方の締着ボルト18(第2の締着ボルト18b)をナット25に対して締着させる。このとき、付勢部材40として設けられたコイルバネは締着ボルト18によってほぼ平板状に押し潰された状態となり、潰されたコイルバネがワッシャーと同等の機能(第2の締着ボルト18bの緩み止め機能)を発揮する。このように一対の締着ボルト18がきつく締着されことにより、ブレース連結金具1は吊りボルト7に対して固定される(図5(d)参照)。
また一対の締着ボルト18がきつく締着されるとき、屈曲部11の内側に設けられた係合突起14が潰れた状態となり、吊りボルト7の外周面に設けられた雄螺子と係合する。そのため、ブレース連結金具1は、吊りボルト7の軸方向に沿って移動することがないように強固な状態で固定される。
上記のようにしてブレース連結金具1の固定金具2が吊りボルト7に固定されると、次にボルト状のブレース8がブレース支持金具3a,3bに取り付けられる。図8は、ブレース8を取り付ける際の作業工程の一例を示す図である。まず図8(a)に示すように、ブレース支持金具3a,3bの第1部材31及び第2部材32が連結ボルト38によって固定金具2に緩く取り付けられた状態のときには、第1部材31及び第2部材32はいずれも固定されておらず、連結ボルト38を軸芯として回動可能である。そのため、作業者は、ブレース8の配設角度に応じて第1部材31及び第2部材32を回動させる。
次に作業者は、第1部材31と第2部材32の内側にブレース8を収容する。すなわち、第1部材31のボルト挿通孔34a及び第2部材32の第1の孔35aに対して連結ボルト38が挿通され、且つ、その連結ボルト38がナット17(27)に対して緩着された状態のときには、図8(b)に示すように第1部材31と第2部材32との間隔を拡開させることができる。特に、図8(b)に示すように、第1部材31と第2部材32とを連結する締着ボルト39の装着前であれば、第1部材31と第2部材32との先端側を大きく拡開することができる。そして第1部材31と第2部材32との先端を拡開した開放部外側からブレース8を第1部材31に設けられた係合部31aの内側に収容可能である。そのため、作業者は、第1部材31と第2部材32とを拡開させてブレース8を係合部31aの内側に収容する。
次に作業者は、図8(c)に示すようにブレース8を係合部31aの内側に収容した状態で、第1部材31のボルト挿通孔34bに締着ボルト39を挿通し、その締着ボルト39の先端を第2部材31に設けられた第2の孔35bのナット36に螺合させて仮止めする。この仮止めにより、ブレース8は係合部31aの内側から離脱しないようになる。
次に作業者は、工具を用いて連結ボルト38及び締着ボルト39のそれぞれを締め付ける。すなわち、工具を用いて連結ボルト38をナット17(27)に締着固定すると共に、締着ボルト39を第2の孔35bのナット36に締着固定することにより、図8(d)に示すように係合部31aがブレース8に密着した状態となり、ブレース8を第1部材31と第2部材32との間で挟持した状態に押圧固定することができる。
図9は、ブレース連結金具1にブレース8が取り付けられた状態の一例を示す側面図である。図9(a)は、ブレース連結金具1が吊りボルト7の上部に取り付けられ、ブレース支持金具3a,3bがブレース8を斜め下方に向けて支持した状態を示している。これに対し、図9(b)は、ブレース連結金具1が吊りボルト7の下部に取り付けられ、ブレース支持金具3a,3bがブレース8を斜め上方に向けて支持した状態を示している。すなわち、本実施形態のブレース連結金具1は、連結ボルト38を軸芯としてブレース支持金具3a,3bを回動させることにより、固定金具2に対するブレース支持金具3a,3bの設置角度をブレース8の配設角度に合わせることができるため、ブレース8を任意の角度で保持することが可能である。また本実施形態のブレース連結金具1は、固定金具2の左右両側に一対の延設部13,23が設けられており、それらの延設部13,23に一対のブレース支持金具3a,3bが取り付けられるので、2本のブレース8をそれぞれ異なる角度に配設した状態で保持することができる。
以上のように本実施形態の固定金具2は、締着ボルト18が挿通される一対の孔15を備える第1金具10と、締着ボルト18が装着される一対の雌螺子部24を備える第2金具20と、第1金具10と第2金具20が接近する方向に付勢する付勢部材40を有しており、第1金具10及び第2金具20のそれぞれは互いに異なる方向に延設された延設部13,23を備える構成である。つまり、一対の締着ボルト18のうち一方の締着ボルト18に付勢部材40を装着し、その締着ボルト18の先端を第1金具10の締着部12bに設けられた孔(長孔)15に挿通したうえで、締着ボルト18の先端をナット25に緩く螺合させた状態において、作業者が第1金具10及び第2金具20のそれぞれに設けられた延設部13,23を把持して所定方向の力を作用させることにより、締着部22bの先端と締着部12aとを大きく拡開させ吊りボルト7を横方向から収容可能であり、吊りボルト7を挟着部4に収容した後に作業者が固定金具2から手を離しても、付勢部材40の付勢力により固定金具2を吊りボルト7に仮止めすることができる。
より詳しく説明すると、本実施形態の固定金具2は、吊りボルト7に直交する方向に長く延設された延設部13,23を備えることから、作業者が固定金具2の両端部分を両手で把持しやすく、作業者が延設部13及び延設部23のそれぞれを両手で把持した状態で、図5(b)に示す矢印F,Gそれぞれの方向に力を加えると、てこの原理が働くため、従来と比較して小さい力で締着部22bの先端と締着部12aとを大きく拡開させることが可能である。それ故、吊りボルト7に固定金具2を固定する際の作業効率が従来と比較して著しく向上する。特に作業者が高所作業を行いながら固定金具2を吊りボルト7に取り付ける場合であっても、小さな力で簡単に第1金具10と第2金具20とを拡開させて吊りボルト7を第1金具10と第2金具20との間に装着することが可能である。そのため、作業者が高所作業を行う場合であっても、作業性を低下させずに、固定金具2を吊りボルト7に固定することができるようになる。
また本実施形態の固定金具2は、従来と比較して小さい力で締着部22bの先端と締着部12aとを拡開させることができるため、付勢部材40をより大きな付勢力を有する付勢部材に置き換えても作業性を損なわず、固定金具2は従来と比較してより強固に吊りボルト7に仮止めすることができる。
また本実施形態のブレース連結金具1は、固定金具2の両端部に設けられた延設部13,23が吊りボルト7に直交する平面内で互いに直交する方向に延設されているため、2本のブレース8を互いに直交する平面内で支持することができる。そのため、本実施形態のブレース連結金具1は、例えば天井吊り下げタイプの空気調和機のようなボックス状の吊下物の四隅が4本の吊りボルト7によって支持されているときには、それら4本の吊りボルト7の間にブレース8を配設することが可能である。
(第2実施形態)
図10は本発明の第2実施形態におけるブレース連結金具1aの平面図である。図10に示すように、ブレース連結金具1aは、第1実施形態と同様に、吊りボルト7に固定される固定金具2と、その固定金具2の両側に連結される一対のブレース支持金具3a,3bとを備え、一対のブレース支持金具3a,3bのそれぞれが斜め方向に配設されるボルト状のブレース8の端部を支持する構成である。
本実施形態が第1実施形態と異なる点は、図10に示すように第1金具10が、円弧状に湾曲した屈曲部11と、その屈曲部11の両側から同一平面上、且つ、吊りボルト7に直交する方向に延設される平板状の一対の締着部12a,12bと、一方の締着部12aから約45度折れ曲がって延設される平板状の延設部13とを備えている点と、第2金具20が、円弧状に湾曲した湾曲部21と、その湾曲部21の両側から同一平面上、且つ、吊りボルト7に直交する方向に延設される平板状の一対の締着部22a,22bと、一方の締着部22aから約45度折れ曲がって延設される平板状の延設部23とを備える点とである。
本実施形態のブレース連結金具1aのその他の構成は、第1実施形態と同じであり、本実施形態のブレース連結金具1aは、第1実施形態と同じ作業手順で吊りボルト7とブレース8を連結することが可能である。
本実施形態の固定金具2は、第1実施形態と同様に、吊りボルト7に直交する方向であって、互いに異なる方向に長く延設された延設部13,23を両端部に備えることから、作業者が固定金具2を手で把持しやすく、てこの原理を利用することにより従来と比較して小さい力で締着部22bの先端と締着部12aとを大きく拡開させることが可能である。それ故、吊りボルト7に固定金具2を固定する際の作業効率が従来と比較して著しく向上する。
また本実施形態の固定金具2は、第1実施形態と同様に、従来と比較して小さい力で締着部22bの先端と締着部12aとを拡開させることができるため、付勢部材40をより大きな付勢力を有する付勢部材に置き換えても作業性を損なわず、固定金具2は従来と比較してより強固に吊りボルト7に仮止めすることができる。
さらに本実施形態のブレース連結金具1aもまた、第1実施形態と同様に、固定金具2の両端部に設けられた延設部13,23が吊りボルト7に直交する平面内で互いに直交する方向に延設されているため、2本のブレース8を互いに直交する平面内で支持することができる。そのため、ボックス状の吊下物を支持する吊りボルト7にブレース8を連結するのに適した金具である。
(第3実施形態)
図11(a)は本発明の第3実施形態におけるブレース連結金具1bの平面図である。図11(a)に示すように、ブレース連結金具1bは、第1実施形態と同様に、吊りボルト7に固定される固定金具2と、その固定金具2の両側に連結される一対のブレース支持金具3a,3bとを備え、一対のブレース支持金具3a,3bのそれぞれ斜め方向に配設されるボルト状のブレース8の端部を支持する構成である。
本実施形態が第1実施形態と異なる点は、図11(a)に示すように第1金具10が、円弧状に湾曲した屈曲部11と、その屈曲部11の両側から同一平面上、且つ、吊りボルト7に直交する方向に延設される平板状の一対の締着部12a,12bと、一方の締着部12aから同一面内でそのまま延設される平板状の延設部13とを備える点と、第2金具20が、円弧状に湾曲した湾曲部21と、その湾曲部21の両側から同一平面上、且つ、吊りボルト7に直交する方向に延設される平板状の一対の締着部22a,22bと、一方の締着部22aから同一面内でそのまま延設される平板状の延設部23とを備える点とである。
本実施形態のブレース連結金具1bのその他の構成は、第1実施形態と同じであり、本実施形態のブレース連結金具1bは、第1実施形態と同じ作業手順で吊りボルト7とブレース8を連結することが可能である。
第1実施形態,第2実施形態のブレース連結金具1,1aは、例えば空気調和機のようなボックス状の吊下物の四隅を吊りボルト7と連結させ、4本の吊りボルト7で吊り下げるような場合において、吊りボルト7とブレース8を連結するのに適していた。しかし、本実施形態のブレース連結金具1bは、同一平面上に複数本の吊りボルト7が吊り下げられている場合において、吊りボルト7とブレース8を連結するのに適している(図11(b)参照)。例えば天井空間にダクトやケーブルラックなどを吊り下げた状態で支持するために複数の吊りボルト7が一定間隔で一定方向に配置されている場合、それら複数の吊りボルト7の間にブレース8を配設するのに適している。
本実施形態の固定金具2は、第1実施形態と同様に、吊りボルト7に直交する方向に長く延設された延設部13,23を備えることから、作業者が固定金具2を手で把持しやすく、てこの原理を利用することにより従来と比較して小さい力で締着部22bの先端と締着部12aとを大きく拡開させることが可能である。それ故、吊りボルト7に固定金具2を固定する際の作業効率が従来と比較して著しく向上する。
また本実施形態の固定金具2は第1実施形態と同様に、従来と比較して小さい力で締着部22bの先端と締着部12aとを拡開させることができるため、付勢部材40をより大きな付勢力を有する付勢部材に置き換えても作業性を損なわず、固定金具2は従来と比較してより強固に吊りボルト7に仮止めすることができる。
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態において説明したものに限定されるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば上記実施形態では、すべての実施形態において同一のブレース支持金具3a,3bを用いる場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、例えばブレース支持金具3a,3bは、特許文献2に開示されているものと同様のものを使用してもよい。この場合であっても、上記実施形態で説明した固定金具2を用いることにより、吊りボルト7に固定金具2を固定する際の作業効率が従来と比較して著しく向上する。
また、第1実施形態では締着部12bに装着される第2の締着ボルト18bに付勢部材40を装着する場合を例示したが、これに限られるものではなく、締着部12aに装着される第1の締着ボルト18aに付勢部材40を装着するようにしても良い。図12は、この場合の第1金具10及び第2金具20の拡開態様を示す図である。締着部12aに装着される第1の締着ボルト18aに付勢部材40が装着される場合、作業者は、固定金具2の両端部に延設された一対の延設部13,23を両手で把持し、図12に示すように矢印F1,G1の方向に力を加えることにより、付勢部材40の付勢力に抗して締着部12bの先端と締着部22aとを大きく拡開させることができる。このとき、作業者が付与する力の方向F1,G1は、図5(b)に示した方向F,Gとは異なる方向である。すなわち、第1実施形態では、L字状の固定金具2の内側において第1金具10と第2金具20とを拡開させることができるのに対し、図12に示す例ではL字状の固定金具2の外側において第1金具10と第2金具20とを拡開させることができる。そして図12に示す例においても、てこの原理が働くことにより、従来と比較して小さい力で締着部12bの先端と締着部22aとを大きく拡開させることが可能であるため、吊りボルト7に固定金具2を固定する際の作業効率が従来と比較して著しく向上する。
また、上記実施形態では、ボルトを装着するための雌螺子部16,24,26,35bが形成され、これらの雌螺子部は予め固定されたナット17,25,27,36で構成される場合を例示したが、それらのナット17,25,27,36は必ずしも固定されたものに限られない。すなわち、雌螺子部16,24,26,35bを単なる挿通孔とし、ボルトの先端に別体のナットを装着したものであっても構わない。さらに、上記実施形態では、締着ボルト18や連結ボルト38、締着ボルト39などのボルトを、L字状に形成されたブレース連結金具1の外側から内側に向けて挿通させる場合を例示したが、これに限られるものでもなく、例えばボルトをL字状のブレース連結金具1の内側から外側に向けて挿通するものであっても構わない。
また、上記実施形態では、第1金具10と第2金具20とを互いに接近させる方向に付勢する付勢手段として用いる付勢部材40を、コイルバネとする場合を例示した。しかし、これに限られるものもない。例えば付勢部材40は、図13に示すように、弾性力を有する輪ゴムなどを用いて第1金具10と第2金具20を結束するようにした付勢部材40aを用いても構わない。またこの他にも、例えば弾性力を有するクリップなどを付勢部材40として用いても良い。
1,1a,1b…ブレース連結金具、2…吊りボルト固定金具(固定金具)、3a,3b…ブレース支持金具、4…挟着部、5,6…挿通空間、7…吊りボルト、8…ブレース、10…第1金具、12a,12b,22a,22b…締着部、13,23…延設部、15…孔(長孔)、18…締着ボルト、18a…第1の締着ボルト、18b…第2の締着ボルト、20…第2金具、40,40a…付勢部材。

Claims (7)

  1. 吊りボルトに対して直交する方向に配置される第1金具と、
    前記吊りボルトに対して直交する方向に配置されると共に、前記第1金具との間に前記吊りボルトを挟み込むように配置される第2金具と、
    を備える吊りボルト固定金具であって、
    前記第1金具と前記第2金具のそれぞれの一方の端部を互いに重なるように配置して構成される挟着部と、前記第1金具と前記第2金具のそれぞれの他方の端部を前記挟着部から互いに異なる方向に延設した延設部と、
    を有し、
    前記挟着部の中央に前記吊りボルトを収容した状態で前記挟着部の両端側に一対の締着ボルトが締着されることにより前記第1金具と前記第2金具で前記吊りボルトを挟着するように構成され、
    前記一対の締着ボルトのうちの第1の締着ボルトが取り外され、且つ、第2の締着ボルトが緩着された状態のときに、前記延設部に対して所定方向の力を作用させることにより前記第1金具と前記第2金具とを拡開させて前記吊りボルトを前記挟着部の内側に導入可能であることを特徴とする吊りボルト固定金具。
  2. 前記第1金具は、前記一対の締着ボルトが挿通される一対の孔を有し、
    前記一対の孔のうち少なくとも前記第2の締着ボルトが挿通される孔の前記吊りボルトに直交する方向の大きさは、前記第2の締着ボルトの挿通角度を変化させることが可能な大きさであることを特徴とする請求項1に記載の吊りボルト固定金具。
  3. 前記挟着部を形成する前記第1金具と前記第2金具とを互いに接近させる方向に付勢する付勢手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の吊りボルト固定金具。
  4. 前記第2の締着ボルトは、雄螺子が形成された先端が前記第1金具に形成された孔に挿通されて前記第2金具に緩着され、
    前記付勢手段は、前記第2の締着ボルトの頭部と前記第1金具の間に挿通されたバネであることを特徴とする請求項3に記載の吊りボルト固定金具。
  5. 前記延設部は、ブレースを支持するブレース支持金具を連結する連結部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の吊りボルト固定金具。
  6. 前記第1金具及び前記第2金具の前記延設部は、互いに直交する方向に延設されることを特徴とする請求項5に記載の吊りボルト固定金具。
  7. 請求項5又は6に記載の吊りボルト固定金具と、
    前記連結部に取り付けられる一対のブレース支持金具と、
    を備えることを特徴とするブレース連結金具。
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