JP2017078301A - ブレース連結金具の施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレースを吊りボルトに連結する際の作業効率を向上させる。
【解決手段】ブレース連結金具1の挿通空間7に吊りボルト8を挿通することにより、ブレース連結金具1を吊りボルト8の取り付け位置に配置する第1の工程と、ブレース連結金具1の下方位置の吊りボルト8に対して留め具40を装着することにより、ブレース連結金具1を吊りボルト8の取り付け位置に仮止めする第2の工程と、締着ボルト18を締め付けることにより、ブレース連結金具1を吊りボルト8に固定する第3の工程と、連結ボルト38を締め付ける前に、ブレース支持金具3a,3bのそれぞれの挿通部6にブレース9を挿通する第4の工程と、連結ボルト38を締め付けることによりブレース9を挟着固定すると共に、吊りボルト8に対するブレース9の配設角度を固定する第5の工程と、を有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、吊りボルトに対して斜め補強材となるブレースを連結するブレース連結金具の施工方法に関する。
従来、天井スラブから垂下する吊りボルトが空気調和機や各種配管、天井下地材などの吊下物を支持する構造において、吊りボルトに斜め補強材となるブレースを取り付けて地震発生時の振動を抑制することが行われている。そのためのブレース連結金具として、例えば特許文献1のようなものが存在する。特許文献1のブレース連結金具は、吊りボルトを挟み込むようにして吊りボルトに固定される固定金具に、一対のアングル部材が取り付けられ、そのアングル部材の先端に設けられた平板状の取付部の孔にボルト状のブレースを挿通し、取付部の上下両側にナットを締着してブレースを固定するものである。
特開2014−125812号公報
上記従来のブレース連結金具は、吊りボルトを挟み込むようにして固定金具を吊りボルトに仮止めした後、固定金具に設けられた連結孔に対してボルトとナットを組み付けて締着作業を行うことにより、固定金具を吊りボルトに固定するものである。ところが、ボルトとナットの締着作業は、吊りボルトを挟んで吊りボルトの後ろ側から行わなければならない場合が多いと共に、天井スラブ近傍の暗い場所での作業となるため、作業効率が悪いという問題があった。
加えて、上記従来のブレース連結金具は、アングル部材の先端に設けられた取付部にブレースを固定する際、予めブレースにナットを1つ装着しておき、ブレースの先端を取付部の孔に挿通した後に更にもう1つのナットをブレースに装着し、それら2つのナットをスパナなどの手動工具を用いて取付部に締着固定する必要があり、この点においても作業効率が悪いという問題があった。
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、従来のブレース連結金具とは異なるブレース連結金具を用いてブレースを連結する際の作業効率を従来よりも向上させた施工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による第1の解決手段は、吊りボルト(8)を挟着するように取り付けられる固定金具(2)と、該固定金具(2)の両端に連結ボルト(38)を介して取り付けられる一対のブレース支持金具(3a,3b)とを有し、前記固定金具(2)は、互い対向する一対の金具(10,20)の間に前記吊りボルト(8)を挿通可能な挿通空間(7)を有し、前記一対の金具(10,20)に装着された締着ボルト(18)が締め付けられることによって前記挿通空間(7)を縮小して前記一対の金具(10,20)が前記吊りボルト(8)に挟着固定されると共に、前記一対のブレース支持金具(3a,3b)は、前記連結ボルト(38)が締め付けられる前の状態においてブレース(9)を挿通可能な挿通部(6)を有し、前記連結ボルト(38)が締め付けられることにより前記挿通部(6)を縮小させて前記挿通部(6)に挿通されたブレース(9)に挟着固定されるブレース連結金具(1,1a,1b,1c)を施工する施工方法であって、前記締着ボルト(18)を緩めた状態で前記挿通空間(7)に前記吊りボルト(8)を挿通することにより、前記ブレース連結金具(1,1a,1b,1c)を前記吊りボルト(8)の取り付け位置に配置する第1の工程と、前記第1の工程により前記ブレース連結金具(1,1a,1b,1c)を前記吊りボルト(8)の取り付け位置に配置した後、前記ブレース連結金具(1,1a,1b,1c)の下方位置の前記吊りボルト(8)に対して留め具(40)を装着することにより、前記ブレース連結金具(1,1a,1b,1c)を前記吊りボルト(8)の取り付け位置に仮止めする第2の工程と、前記第2の工程により前記ブレース連結金具(1,1a,1b,1c)が仮止めされた後、前記締着ボルト(18)を締め付けることにより、前記固定金具(2)を前記吊りボルト(8)に挟着し、前記ブレース連結金具(1,1a,1b,1c)を前記吊りボルト(8)の取り付け位置に固定する第3の工程と、前記第2の工程により前記ブレース連結金具(1,1a,1b,1c)が仮止めされた後、前記連結ボルト(38)を締め付ける前に、前記一対のブレース支持金具(3a,3b)のそれぞれの前記挿通部(6)にブレース(9)を挿通する第4の工程と、前記第4の工程の後に前記連結ボルト(38)を締め付けることにより、前記一対のブレース支持金具(3a,3b)のそれぞれが前記ブレース(9)を挟着固定すると共に、前記固定金具(2)に対する前記ブレース(9)の配設角度を固定する第5の工程と、を有することを特徴としている。
また本発明は、上記特徴を有する施工方法において、前記第1の工程は、前記吊りボルト(8)が天井スラブ(S)に取り付けられた状態において、前記挿通空間(7)に前記吊りボルト(8)の下端部から挿通することにより、前記ブレース連結金具(1,1a,1b,1c)を前記吊りボルト(8)の取り付け位置に配置する工程であっても良い。
また本発明は、上記特徴を有する施工方法において、前記第1の工程は、前記吊りボルト(8)が天井スラブ(S)に取り付けられる前に行われる工程であり、前記第2の工程により前記ブレース連結金具(1,1a,1b,1c)が仮止めされた後に、前記吊りボルト(8)を前記天井スラブ(S)に取り付ける第6の工程を更に有し、前記第3の工程及び前記第4の工程は、前記第6の工程の後に行われるものであっても良い。
また本発明は、上述の施工方法において、前記第1の工程は、複数の前記ブレース連結金具(1,1a,1b,1c)を前記吊りボルト(8)のそれぞれ異なる取り付け位置に配置する工程を含み、前記第2の工程は、前記複数のブレース連結金具(1,1a,1b,1c)を前記吊りボルト(8)のそれぞれ異なる取り付け位置に仮止めする工程を含み、前記第3の工程は、前記複数のブレース連結金具(1,1a,1b,1c)を前記吊りボルト(8)のそれぞれ異なる取り付け位置に固定する工程を含み、前記第4の工程は、前記複数のブレース連結金具(1,1a,1b,1c)のそれぞれに設けられた前記一対のブレース支持金具(3a,3b)の前記挿通部(6)にブレース(9)を挿通する工程を含み、前記第5の工程は、前記複数のブレース連結金具(1,1a,1b,1c)のそれぞれに設けられた前記連結ボルト(38)を締め付ける工程を含むものであっても良い。
また本発明は、上述の施工方法において、前記第3の工程は、互いに直角を成すように前記一対のブレース支持金具(3a,3b)を支持する固定金具(2)の外側から前記締着ボルト(18)を締め付ける工程としても良い。
さらに本発明は、上述の施工方法において、前記第5の工程は、互いに直角を成す前記一対のブレース支持金具(3a,3b)の外側から前記連結ボルト(38)を締め付ける工程としても良い。
本発明によれば、ボルトにナットを手作業で組み付けたり、或いは、ブレースにナットを手作業で装着したりする必要がなくなるため、ブレース連結金具を施工する際の作業効率が向上する。特に、本発明の施工方法によれば、ブレース連結金具を吊りボルトに固定したり、ブレースを固定したりするための締め付け作業の全てを、電動工具を用いて行うことが可能であるため、従来よりも作業効率が著しく向上する。
ブレース連結金具の構成部材を分解して示す斜視図である。 ブレース連結金具の外観斜視図である。 ブレース連結金具の平面図である。 第1の工程における作業の一例を示す図である。 第1の工程による施工状態の一例を示す図である。 第2の工程における仮止め作業の一例を示す図である。 第2の工程による施工状態の一例を示す図である。 第3の工程における固定作業の一例を示す図である。 第4の工程及び第5の工程における作業の一例を示す図である。 全工程終了時における施工状態の一例を示す図である。 第2の施工方法における第6の工程における作業の一例を示す図である。 別のブレース連結金具の外観斜視図である。 別のブレース連結金具の平面図である。 別のブレース連結金具に対する第4及び第5の工程の一例を示す図である。 第5の工程における支持部材の状態を示す図である。 更に別のブレース連結金具を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下において参照する各図面では互いに共通する部材に同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
(ブレース連結金具の一構成例)
図1、図2及び図3は、本発明の施工方法に用いるブレース連結金具1の一構成例を示す図であり、図1は、ブレース連結金具1の各構成部材を分解して示す斜視図であり、図2は、ブレース連結金具1の外観斜視図であり、図3は、ブレース連結金具1の平面図である。図1、図2及び図3に示すように、ブレース連結金具1は、吊りボルト8に固定される固定金具2と、その固定金具2の両側に連結される一対のブレース支持金具3a,3bとを備え、一対のブレース支持金具3a,3bのそれぞれが斜め方向に配設されるボルト状のブレースの端部を支持する構成である。固定金具2は、吊りボルト8を挟着するように取り付けられる部材である。そして固定金具2は、互い対向する一対の金具10,20の間に吊りボルトを挿通可能な挿通空間7(図3参照)を有し、一対の金具10,20に装着された締着ボルト18が締め付けられることによって挿通空間7を縮小して一対の金具10,20が吊りボルト8に挟着固定される。また一対のブレース支持金具3a,3bは、固定金具2の両端に連結ボルト38を介して取り付けられる部材である。この一対のブレース支持金具3a,3bは、連結ボルト38が締め付けられる前の状態においてブレースを挿通可能な挿通部6を有し(図3参照)、連結ボルト38が締め付けられることにより挿通部6を縮小させて挿通部6に挿通されたブレース9に挟着固定される。以下、このようなブレース連結金具1について更に詳しく説明する。
図1に示すように、固定金具2は、金属プレートを概略L字状に折り曲げて形成される第1金具10と、金属プレートを概略W字状に折り曲げて形成される第2金具20と備え、第2金具20がL字型に折れ曲がった第1金具10の内側に配設され、第1金具10及び第2金具20が一対の締着ボルト18によって互いに連結されることにより構成される。
第1金具10は、その中央に設けられる円弧状に折り曲げられて形成される係合部11と、その係合部11の両側から互いに直角を成すように延設される一対の平板部5a,5bとを備えている。係合部11は、その内面が吊りボルト8の外周面と係合するように、その曲率半径が吊りボルト8の半径とほぼ同じに形成される。また係合部11の内側には、吊りボルト8の外周面に形成される螺子溝と係合する係合突起12が設けられる。このような係合突起12は、例えば係合部11の外側の面を横方向線状にプレスすることによって内側に突条を形成することにより構成される。また一対の平板部5a,5bのそれぞれには、締着ボルト18を挿通するために横方向に長く形成された長孔13が形成されると共に、その長孔13よりも更に先端側に連結ボルト38を装着するための雌螺子孔14を有する雌螺子部15が形成される。本実施形態では、雌螺子部15が平板部5a,5bに予め固定されたナットで構成される場合を例示している。しかし、これに限られるものではなく、例えば孔にバーリング加工を施すことによって孔の周囲に平板部5a,5bの表面から立ち上げた壁部を一体形成し、その壁部の内側に雌螺子を形成することによって雌螺子部15を構成しても良い。
第2金具20は、中央に設けられる円弧状に湾曲した湾曲部21と、その湾曲部21の両側において外側に折り曲げられてから互いに直角を成すように延設される平板状の一対の固定部22,23とを備え、全体として平面視概略W字状に形成される。そして湾曲部21の両側に位置する固定部22,23には、締着ボルト18と螺合する雌螺子孔24を備えた雌螺子部25が設けられる。本実施形態では、雌螺子部25が第2金具20に予め固定されたナットで構成される場合を例示している。しかし、これに限られるものではなく、例えば第2金具20に形成した孔にバーリング加工を施すことによってその孔の周囲に第2金具20の表面から立ち上げた壁部を一体形成し、その壁部の内側に雌螺子を形成することによって雌螺子部25を設けたものであっても構わない。湾曲部21は、その内面が吊りボルト8の外周面と係合するように、その曲率半径が吊りボルト8の半径とほぼ同じに形成される。また湾曲部21の内側には、係合部11と同様に、吊りボルト8の外周面に形成される螺子溝と係合する係合突起12が設けられる。
このような固定金具2は、第1金具10に設けられた係合部11と、第2金具20に設けられた湾曲部21との間に吊りボルト8を挟み込むようにして吊りボルト8に取り付けられる金具である。したがって、第1金具10の係合部11及び第2金具20の湾曲部21は、吊りボルト8に固定される固定部4として機能する。
そして固定金具2は、第1金具10の内側に第2金具20を配置し、第1金具10の外側から締着ボルト18を長孔13に挿入し、その締着ボルト18の先端を第2金具20の雌螺子部25に緩く螺合させた状態とすることにより、第1金具10と第2金具20とが施工前に予め組み付けられる。
本実施形態の固定金具2は、第1金具10の一対の平板部5a,5bが第2金具20の一対の固定部22,23よりも長く形成されており、締着ボルト18によって第1金具10の内側に第2金具20が組み付けられると、第1金具10の一対の平板部5a,5bの先端が第2金具20の一対の固定部22,23の先端よりも更に延設された延設部を構成する。そして上述した雌螺子孔14を有する雌螺子部15は、そのような延設部に設けられており、一対のブレース支持金具3a,3bを固定金具2の延設部に取り付けるようにしている。
固定金具2の両端の延設部に取り付けられる一対のブレース支持金具3a,3bはいずれも同じ構成である。すなわち、ブレース支持金具3a,3bはいずれも第1部材31と第2部材32とを備えて構成される。
第1部材31は、図1に示すように例えば金属プレートを折曲加工することによって構成される部材であり、その中央にブレースの外周面と係合するように概略半円状に湾曲した係合部31aが設けられ、その係合部31aの一方の側方に延設される第1平板部31bと、係合部31aの他方の側方に延設される第2平板部31cとを有している。そして第1平板部31b及び第2平板部31cのそれぞれには、ボルトを挿通するためのボルト挿通孔34a,34bが形成される。例えば係合部31aは、その内面がブレースの外周面と係合するように、その曲率半径がブレースの半径とほぼ同じに形成される。また係合部31aの内側には、ブレースの外周面に形成される螺子溝と係合する係合突起12が設けられる。
第2部材32は、第1部材31と対向して配置される平板状の部材であり、第1平板部31bに形成されたボルト挿通孔34aと整合する位置に孔35aが形成されると共に、第2平板部31cに形成されたボルト挿通孔34bと整合する位置に雌螺子孔35bを有する雌螺子部36が形成された構成である。本実施形態では、雌螺子部36は、第2部材32に予め固定されるナットで構成される場合を例示している。しかし、これに限られるものではなく、例えば第2部材32に形成した孔にバーリング加工を施すことによってその孔の周囲に第2部材32の表面から立ち上げた壁部を一体形成し、その壁部の内側に雌螺子を形成することによって雌螺子部36を形成したものであっても構わない。
このようなブレース支持金具3a,3bは、第1部材31に設けられたボルト挿通孔34a、及び、第2部材32に設けられた孔35aに対して連結ボルト38が予め挿通され、その連結ボルト38の先端が固定金具2の雌螺子部15に対して緩く螺合した状態に装着されることにより、固定金具2の第1金具10に対して予め取り付けられる。すなわち、連結ボルト38は、ブレース連結金具1の外側から第1部材31のボルト挿通孔34a及び第2部材32の孔35aに挿通され、その先端が固定金具2の雌螺子部15に緩く螺合した状態に装着される。
また第1部材31に設けられたボルト挿通孔34bに対してボルト39が予め挿通され、そのボルト39の先端が第2部材32の雌螺子部36に対して緩く螺合した状態に予め装着される。この場合のボルト39もまた、ブレース連結金具1の外側から第1部材31のボルト挿通孔34bに挿通され、その先端が固定金具2の雌螺子部15に緩く螺合した状態に装着される。
図3は、上記のようにしてブレース連結金具1の各部材が組み付けられた施工前の状態を示している。固定金具2の第1金具10と第2金具20とを組み付ける締着ボルト18は、その先端が雌螺子部25に緩く螺合している状態である。そのため、施工前の状態では、第1金具10と第2金具20との間隔を締着ボルト18によって許容される範囲内で広げることが可能である。そのため、第1金具10と第2金具20との間隔を広げると、第1金具10の係合部11と第2金具20の湾曲部21との間には吊りボルト8を挿通可能な挿通空間7が形成される。
またブレース支持金具3a,3bの第1部材31及び第2部材32の一端側を固定金具2に連結する連結ボルト38は、その先端が雌螺子部15に緩く螺合している状態である。同様に、第1部材31及び第2部材32の他端側を相互に連結するボルト39も、その先端が雌螺子部36に緩く螺合している状態である。そのため、施工前の状態では、第1部材31と第2部材32との間隔を連結ボルト38及びボルト39によって許容される範囲内で広げることが可能である。そのため、第1部材31と第2部材32との間隔を広げると、第1部材31の係合部31aと第2部材32との間にはブレースを挿通可能な挿通部6が形成される。つまり、ブレース支持金具3a,3bは、連結ボルト38及びボルト39が締め付けられる前の状態では第1部材31と第2部材32との間にブレースを挿通可能な挿通部6を有している。
(第1の施工方法)
次に上述したブレース連結金具1の施工方法について説明する。ここではまず、第1の施工方法として、天井スラブSに既に吊りボルト8が取り付けられている状態で行う施工方法について説明する。この第1の施工方法では、後述する各工程の作業の全てが天井スラブSの近傍で行われる高所作業となる。
まず第1の工程は、ブレース連結金具1を吊りボルト8の取り付け位置に配置する工程である。すなわち、図4に示すように、ブレース連結金具1の一対の締着ボルト18が緩められている状態で第1金具10と第2金具20との間隔を広げ、第1金具10の係合部11と第2金具20の湾曲部21との間に吊りボルト8を挿通可能な挿通空間7を形成する。そして、その挿通空間7に対し、矢印Fで示すように、吊りボルト8を下端から挿通していくことにより、ブレース連結金具1を吊りボルト8の取り付け位置に配置する。その結果、ブレース連結金具1は、図5に示すように、第1金具10の係合部11と第2金具20の湾曲部21との間に吊りボルト8を収容した状態で吊りボルト8の取り付け位置に配置される。また第1の工程では、複数のブレース連結金具1を吊りボルト8のそれぞれ異なる位置に配置しても良い。図5では、吊りボルト8の上端近傍箇所と下端近傍箇所の2箇所の異なる位置にブレース連結金具1が配置された場合を例示している。
第1の工程では、第1金具10の係合部11と第2金具20の湾曲部21との間の挿通空間7に吊りボルト8を挿通させただけであるため、作業者がブレース連結金具1から手を離してしまうと、ブレース連結金具1が取り付け位置から下方に位置ずれしてしまったり、或いは、吊りボルト8から抜け落ちてしまう可能性がある。これを防止するため、第1の工程に引き続いて第2の工程が行われる。
第2の工程は、ブレース連結金具1を吊りボルト8の取り付け位置に仮止めする工程である。図6は、第2の工程における仮止め作業の一例を示す図である。この第2の工程において、作業者は、吊りボルト8の取り付け位置に配置されたブレース連結金具1の下方から延びる吊りボルト8に対し、クリップなどで構成される留め具40を装着することにより、ブレース連結金具1を吊りボルト8の取り付け位置に仮止めする。仮止めのための留め具40は、ブレース連結金具1の下部を支持できるものであればどのようなものであっても構わない。ただし、ナットなどのように吊りボルト8の軸方向に沿って移動させることが必要なものは作業効率の低下を招くため、仮止めのための留め具40には適さない。そのため、図6に示すように吊りボルト8の径方向に沿って着脱できる留め具40を用いることが好ましい。
留め具40によってブレース連結金具1が仮止めされると、図7に示すようにブレース連結金具1は、その下部が留め具40によって支持されるようになり、作業者がブレース連結金具1から手を離した場合であっても、ブレース連結金具1が取り付け位置から下方に位置ずれしてしまったり、吊りボルト8から抜け落ちてしまったりすることを防止することができる。図7の例では、吊りボルト8の上部に配置されるブレース連結金具1が天井スラブSから所定距離X1の位置に仮止めされ、吊りボルト8の下部に配置されるブレース連結金具1が吊りボルト8の下端から所定距離X2の位置に仮止めされた場合を例示している。これらの距離X1,X2は、施工環境などに応じて適宜設定可能である。
また第2の工程では、複数のブレース連結金具1を吊りボルト8のそれぞれ異なる位置に仮止めしても良い。ただし、図5及び図7に示すように1つの吊りボルト8に複数のブレース連結金具1を取り付ける場合には、第1の工程と第2の工程とを1つずつ繰り返しながら施工することが好ましい。これにより、1つのブレース連結金具1を仮止めしている間に、他のブレース連結金具1が取り付け位置から下方に位置ずれしてしまったり、吊りボルト8から抜け落ちてしまったりすることを防止することができる。
次に第3の工程は、仮止めされたブレース連結金具1を吊りボルト8の取り付け位置に固定する工程である。図8は、第3の工程における固定作業の一例を示す図である。図8(a)に示すように、作業者は、電動工具のツール先端41を締着ボルト18の頭部に装着して電動工具を動作させることにより、締着ボルト18が雌螺子部25に対して螺合進行し、第1金具10と第2金具20との間隔が狭くなる。これに伴い、第1金具10の係合部11と、第2金具20の湾曲部21との隙間(挿通空間7)が次第に小さくなっていく(図8(a)の矢印Y)。そして一対の締着ボルト18を締着固定することにより、第1金具10の係合部11と第2金具20の湾曲部21との間に吊りボルト8を挟み込んだ状態で第1金具10と第2金具20とが吊りボルト8に対して強固に固定される。このとき、係合部11と湾曲部21の内側に設けられる係合突起12が吊りボルト8の螺子溝と係合するので、ブレース連結金具1が吊りボルト8の軸方向に沿って上下動することを防止できる。
また第3の工程が行われるとき、締着ボルト18は第1金具10に設けられた長孔13に挿通されているため、電動工具による締着ボルト18の締め付けが行われることに伴い、第2金具20は第1金具10との距離をスムーズに縮小させることができる。すなわち、図8(a)に示すように締着ボルト18が雌螺子部25に対して緩く装着された状態のとき、締着ボルト18は、長孔13の内側において平板部5a,5bの先端寄りに位置している。その状態で締着ボルト18の頭部に電動工具のツール先端41が装着され、電動工具が動作して締着ボルト18が雌螺子部25に対して螺合進行していくと、第2金具20と第1金具10との距離が次第に小さくなる。このとき、電動工具のツール先端41が装着されていない他方の締着ボルト18は、長孔13の内側を、平板部5a,5bの先端寄りの位置から吊りボルト8に近づくように移動する。そのため、電動工具による締着ボルト18の締め付けが行われることに伴って第2金具20と第1金具10との距離をスムーズに縮小させることが可能である。そして電動工具による2つの締着ボルト18の締着作業が終了すると、図8(b)に示すように2つの締着ボルト18はいずれも長孔13の内側において吊りボルト8に近い位置まで移動し、係合部11と湾曲部21とが左右ほぼ均等な状態で吊りボルト8を挟持した状態となる。そして作業者が電動工具を用いて締着ボルト18を締着する作業を行うときには、ブレース連結金具1の外側から作業を行うことができるため、作業が行い易く、作業効率に優れている。例えば、空気調和機を吊り下げ支持する場合、4本の吊りボルト8が空気調和機の四隅を支持するように天井スラブSから垂下した状態に設けられる。そのため、作業者が電動工具を用いて締着ボルト18を締着する作業は、4本の吊りボルト8で囲まれた領域の外側から行うことができるので、作業効率が良い。
上記のようにして第3の工程でブレース連結金具1が吊りボルト8に固定されると、その後は留め具40が不要となる。そのため、第3の工程の終了時に吊りボルト8から留め具40を取り外すようにしても良い。尚、第3の工程では、吊りボルト8に複数のブレース連結金具1が仮止めされている場合、それら複数のブレース連結金具1を吊りボルト8のそれぞれ異なる取り付け位置に対して順に固定していくようにしても良い。
そして第4の工程及び第5の工程が順に行われる。図9は、第4の工程及び第5の工程における作業の一例を示す図である。まず第4の工程は、図9(a)に示すように、連結ボルト38及びボルト39を締め付ける前に、ブレース支持金具3a,3bの第1部材31と第2部材32との間に設けられた挿通部6に対してブレース9を挿通する工程である。ブレース支持金具3a,3bの第1部材31及び第2部材32が連結ボルト38によって固定金具2に緩く取り付けられた状態のときには、第1部材31及び第2部材32はいずれも固定されておらず、連結ボルト38を軸芯として回動可能である。そのため、作業者は、ブレース9の配設角度に応じて第1部材31及び第2部材32を回動させる。そして作業者は、第1部材31と第2部材32の内側に形成された挿通部6にブレース9を先端から挿通し、第1部材31と第2部材32の内側にブレース9を収容する。尚、作業者は、第1部材31と第2部材32の内側にブレース9を挿入した後、連結ボルト38とボルト39の頭部を指先で締めることにより、仮止め状態としても良い。
続いて第5の工程が行われる。第5の工程は、図9(b)に示すようにブレース支持金具3a,3bがブレース9を挟着した状態に固定すると共に、ブレース支持金具3a,3bを固定金具2の延設部に対して固定する工程である。この第5の工程において、作業者は、電動工具のツール先端を連結ボルト38及びボルト39のそれぞれの頭部に装着し、電動工具を動作させることによって連結ボルト38及びボルト39のそれぞれを締め付ける。すなわち、電動工具を用いて連結ボルト38を雌螺子部15に締着固定すると共に、ボルト39を雌螺子部36に締着固定することにより、第1部材31の係合部31aがブレース9の外周面に密着した状態となり、ブレース9を第1部材31と第2部材32との間で挟持した状態に押圧固定することができる。また連結ボルト38を締着固定することにより、ブレース支持金具3a,3bが固定金具2の延設部に固定されるため、ブレース9の配設角度が同時に固定される。そして作業者が電動工具を用いて連結ボルト38及びボルト39の締着作業を行うときには、ブレース連結金具1の外側から作業を行うことができるため、作業が行い易く、作業効率に優れている。
上記のようにして第1の工程から第5の工程までの全ての作業が終了すると、図10に示すように、吊りボルト8に対してブレース連結金具1が固定され、そのブレース連結金具1を介してブレース9が吊りボルト8に連結された状態となる。そして上述した施工方法では、作業者がボルトを孔の一方側から挿入して他方側から突き出たボルト先端にナットを装着するような作業を行う必要がない。また上述した施工方法では、ブレース9がブレース支持金具3a,3bによって挟着固定されるため、作業者がブレース9に対してナットを装着する作業を行う必要もない。それ故、上述した施工方法は、従来の施工方法に比べると、作業効率に優れており、短時間で施工を完了させることが可能である。
尚、上述の施工方法では、第3の工程の後に第4の工程と第5の工程とを行う場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、第4の工程と第5の工程を第3の工程よりも先に行い、第3の工程を第4の工程と第5の工程の後に行うようにしても良い。ただし、この場合はブレース連結金具1が留め具40によって仮止めされている状態でブレース支持金具3a,3bにブレース9が連結されるため、留め具40にかかる荷重が大きくなり、留め具40がブレース連結金具1を支持しきれずに位置ずれを生じさせてしまったり、或いは、留め具40が破損してしまったりする可能性がある。したがって、そのような事態を未然に防止するためには、上述のように第3の工程を第4の工程及び第5の工程よりも先に行い、第4の工程及び第5の工程を第3の工程の後に行うことが好ましい。
(第2の施工方法)
次に第2の施工方法として、天井スラブSに吊りボルト8が取り付けられていない状態で行う施工方法について説明する。
吊りボルト8が天井スラブSに取り付けられていない状態のときには、上述の第1の工程及び第2の工程を床面で行うことができる。すなわち、天井スラブSに取り付けられる前の吊りボルト8に対して上述の第1の工程及び第2の工程を床面で行うことにより、高所作業の場合と比較して格段に作業効率が上がる。それ故、第2の施工方法では、第1の施工方法よりも第1の工程及び第2の工程が終了するまでの時間が短縮される。尚、第2の施工方法における第1の工程では、吊りボルト8が天井スラブSに取り付けられていないため、第1金具10の係合部11と第2金具20の湾曲部21との間の挿通空間7に吊りボルト8を挿通するときには、吊りボルト8の上端及び下端のいずれから挿通しても良い。そして第1の工程によってブレース連結金具1を吊りボルト8の取り付け位置に配置した後には、第2の工程を行うことにより、留め具40を用いてブレース連結金具1を仮止めする。その結果、吊りボルト8は、図11に示すような状態となる。
図11に示すように吊りボルト8の上端近傍位置にブレース連結金具1を仮止めするときには、吊りボルト8の上端から所定距離X3の位置にブレース連結金具1を仮止めする。この所定距離X3は、吊りボルト8の上端部分が天井スラブSに予め設けられたインサートなどの螺子孔に埋入することを考慮して定められるものである。例えばインサートの螺子孔への埋入深さがHであり、吊りボルト8を天井スラブSに取り付けたときには、図7と同様に天井スラブSから所定距離X1の位置にブレース連結金具1が仮止めされていることが求められる場合、吊りボルト8の上端からの距離X3は、X3=X1+Hとして定められる。
第2の施工方法では、図11に示すように吊りボルト8にブレース連結金具1が仮止めされると、上述した第1乃至第5の工程のいずれとも異なる第6の工程が行われる。すなわち、第6の工程は、ブレース連結金具1が仮止めされた吊りボルト8を天井スラブSに取り付ける工程である。第6の工程では、図11に示すように吊りボルト8の下端に工具42を装着する。この工具42は、吊りボルト8の下端をチャックして保持するヘッド部43と、そのヘッド部43を軸支する軸部44と、軸部44の下端に設けられる接合部45とを有する。そしてヘッド部43が吊りボルト8の下端を保持している状態で軸部44を持ち上げ、吊りボルト8の上端を天井スラブSに予め設けられたインサートなどの螺子孔へ挿入する。そして接合部45に電動工具を装着し、その電動工具を動作させることにより、吊りボルト8の上端部分をインサートなどの螺子孔にねじ込む。これにより、ブレース連結金具1が仮止めされた状態のままで、吊りボルト8が天井スラブSに取り付けられる。尚、軸部44の長さが十分あれば、このような作業も床面から行うことができるため、短時間で作業を終えることができる。
このようにして第6の工程の作業が終了すると、吊りボルト8は、図7に示した状態と同じ状態となる。したがって、その後は第1の施工方法と同様に、第3の工程、第4の工程及び第5の工程を順に行うことでブレース連結金具1に対する作業を全て完了させることができる。
このような第2の施工方法は、第1の施工方法と比較すると、床面で行える作業が多いため、作業効率に優れている。特に、第1の施工方法において、第1の工程が行われる前に、吊りボルト8を天井スラブSに取り付ける作業が行われる場合には、第1の施工方法ではなく、この第2の施工方法を採用する方が作業効率が良く、短時間で作業を終えることが可能となる。
(ブレース連結金具の他の構成例)
次に上述した第1及び第2の施工方法に用いるブレース連結金具の他の構成例について説明する。図12及び図13は上述したブレース連結金具1とは異なるブレース連結金具1aを示す図であり、図12はその斜視図を、図13はその平面図を示している。図12及び図13に示すように、ブレース連結金具1aは、上述したブレース連結金具1と同様に、吊りボルト8に固定される固定金具2と、その固定金具2の両側に連結される一対のブレース支持金具3a,3bとを備え、一対のブレース支持金具3a,3bのそれぞれが斜め方向に配設されるボルト状のブレース9の外周面を挟着して支持する構成である。
ブレース連結金具1aにおいて、固定金具2は上述したブレース連結金具1と同様の構成である。これに対し、固定金具2の両端の延設部に設けられる一対のブレース支持金具3a,3bは、上述したブレース連結金具1と異なる構成を有している。
ブレース支持金具3a,3bはいずれも金属プレートを折曲加工して形成される概略U字状の1つの支持部材50によって構成される。支持部材50は、ブレース9の外周面に係合する平面視略C字状の係合部51と、その係合部51の両端を延長して互いに所定角度を成すように拡開して設けられた一対の平板部52,53とを有している。図13に示すように、係合部51の内側には、ブレース9の外周面に形成される螺子溝と係合する係合突起12が設けられる。この係合突起12は、例えば図12に示すように係合部51の外側の面を横方向線状にプレスして凹部56を形成し、その凹部56の内側に横方向の突条を形成することにより構成される。また一対の平板部52,53の先端側には、連結ボルト38を挿通するための孔が形成される。更に一対の平板部52,53には、図13に示すように係合部51の近傍位置において内側に突出した凸部54が設けられる。この凸部54は、係合部51の近傍位置において縦方向に形成される。このような凸部54は、例えば平板部52,53の外側の面をプレスして凹部55を形成することにより、その凹部55に対応する平板部52,53の内側を膨出させることで形成される。
上記のようなブレース支持金具3a,3bは、一対の平板部52,53に設けられた孔に対して連結ボルト38が挿通され、その連結ボルト38の先端が固定金具2の雌螺子部15に対して緩く螺合した状態に装着されることにより、固定金具2の第1金具10に対して予め取り付けられる。すなわち、連結ボルト38は、ブレース連結金具1aの外側から一対の平板部52,53の孔に挿通され、その先端が固定金具2の雌螺子部15に緩く螺合した状態に装着される。このとき、連結ボルト38は、一対の平板部52,53の拡開角度を縮小させないように、一対の平板部52,53に対して押圧力を作用させないように装着される。
図13は、上記のようにしてブレース連結金具1aの各部材が組み付けられた施工前の状態を示している。固定金具2の第1金具10と第2金具20とを組み付ける締着ボルト18は、その先端が雌螺子部25に緩く螺合している状態である。そのため、施工前の状態では、第1金具10と第2金具20との間隔を締着ボルト18によって許容される範囲内で広げることが可能である。そのため、第1金具10と第2金具20との間隔を広げると、第1金具10の係合部11と第2金具20の湾曲部21との間には吊りボルト8を挿通可能な挿通空間7が形成される。
またブレース支持金具3a,3bを固定金具2と連結する連結ボルト38は、その先端が雌螺子部15に緩く螺合している状態である。そのため、施工前の状態では、支持部材50の一対の平板部52,53がその先端を拡開させた状態であり、係合部51及び一対の平板部52,53によって囲まれた部分の内側にブレース9を挿通可能な挿通部6が形成される。つまり、ブレース支持金具3a,3bは、連結ボルト38が締め付けられる前の状態では支持部材50の内側にブレース9を挿通可能な挿通部6を有している。
上記のようなブレース連結金具1aもまた、上述した第1の施工方法及び第2の施工方法により施工することが可能である。例えば、第1の施工方法で行われる場合、ブレース連結金具1aは、上述した第1の工程から第5の工程までの作業が順次行われることにより、施工される。また第2の施工方法が行われる場合、ブレース連結金具1aは、上述した第1の工程及び第2の工程の作業が行われた後に第6の工程の作業が行われ、その第6の工程の後に第3の工程から第5の工程までの作業が順次行われることにより、施工される。
ここでブレース連結金具1aに対する第4の工程及び第5の工程について説明する。図14は、第4の工程及び第5の工程における作業の一例を示す図である。まず第4の工程は、図14(a)に示すように、連結ボルト38を締め付ける前に、ブレース支持金具3a,3bの支持部材50の内側に設けられた挿通部6に対してブレース9を挿通する工程である。ブレース支持金具3a,3bの支持部材50が連結ボルト38によって固定金具2に緩く取り付けられた状態のときには、支持部材50は固定されておらず、連結ボルト38を軸芯として回動可能である。そのため、作業者は、ブレース9の配設角度に応じて支持部材50を回動させる。そして作業者は、支持部材50の内側に形成された挿通部6にブレース9を先端から挿通し、支持部材50の内側にブレース9を収容する。尚、作業者は、支持部材50の内側にブレース9を挿入した後、連結ボルト38の頭部を指先で締めることにより、仮止め状態としても良い。
続いて第5の工程が行われる。第5の工程は、図14(b)に示すようにブレース支持金具3a,3bがブレース9を挟着した状態に固定すると共に、ブレース支持金具3a,3bを固定金具2の延設部に対して固定する工程である。この第5の工程において、作業者は、電動工具のツール先端を連結ボルト38の頭部に装着し、電動工具を動作させることによって連結ボルト38を締め付ける。すなわち、電動工具を用いて連結ボルト38を雌螺子部15に締着することにより、支持部材50が係合部51においてブレース9を挟持した状態に押圧固定する。
図15は、第5の工程における支持部材50の状態を示す図である。まず図15(a)に示すように連結ボルト38が締め付けられる前の状態では、ブレース9は支持部材50の内側の挿通部6に挿入された状態となっている。このとき、ブレース9は、支持部材50の内側において係合部51と、凸部54との間に配置されている。この状態で連結ボルト38が電動工具によって締め付けられていくと、図15(b)に示すように一対の平板部52,53の拡開角度が次第に縮小していく。このとき、平板部52,53の内側に形成された凸部54がブレース9を押圧し、ブレース9を係合部51に密着させる。その結果、係合部51の内側に設けられた係合突起12がブレース9の外周面に形成された螺子溝と係合する。その結果、ブレース9は支持部材50によって強固に固定された状態となる。
また連結ボルト38を締着固定することにより、ブレース支持金具3a,3bが固定金具2の延設部に固定されるため、ブレース9の配設角度が同時に固定される。そして作業者が電動工具を用いて連結ボルト38の締着作業を行うときには、ブレース連結金具1aの外側から作業を行うことができるため、作業が行い易く、作業効率に優れている。特にブレース連結金具1aを用いた施工では、ブレース9を固定する際に、連結ボルト38の1つだけを電動工具で締め付ければ良いため、図1などに示したブレース連結金具1と比較すると、ボルトの締め付け回数が少なく、作業効率がより一層向上するという利点がある。
図16は、更に別のブレース連結金具1b,1cを示す図であり、図16(a)はブレース連結金具1bの平面図を、図16(b)はブレース連結金具1cの平面図を示している。これらのブレース連結金具1b,1cはいずれも固定金具2が上述したブレース連結金具1a,1bとは異なる構造を有している。
まず図16(a)に示すブレース連結金具1bの固定金具2は、第1金具10が平板状部材によって構成され、その中央に吊りボルト8の外周面と係合させるために円弧状に湾曲した係合部11が設けられると共に、その係合部11の両端に一対の締着ボルト18が装着される。これに対し、第2金具20は、第1金具10と対向して配置される平板部の中央に吊りボルト8の外周面と係合させるために円弧状に湾曲した湾曲部21が設けられると共に、平板部の両端が約45度ずつ折れ曲がって延設された延設部を構成している。湾曲部21の両側の平板部には、締着ボルト18の先端と螺合する雌螺子部25が設けられている。図16(a)に示す固定金具2は、上述したブレース連結金具1,1aと同様に、吊りボルト8を挟着するように取り付けられる部材であり、互い対向する一対の金具10,20の間に吊りボルトを挿通可能な挿通空間7を有し、一対の金具10,20に装着された締着ボルト18が締め付けられることによって挿通空間7を縮小して一対の金具10,20が吊りボルト8に挟着固定される構造である。したがって、上述した第1の施工方法及び第2の施工方法のいずれでも、施工することが可能である。尚、図16(a)では、固定金具2の両端にブレース連結金具1と同様のブレース支持金具3a,3bが取り付けられた状態を例示しているが、これに限られるものではなく、上述したブレース連結金具1aと同様のブレース支持金具3a,3bが取り付けられたものであっても構わない。
次に図16(b)に示すブレース連結金具1bの固定金具2は、第1金具10及び第2金具20の一端が蝶番構造(ヒンジ構造)61によって互いに回動可能に連結されており、第1金具10及び第2金具20の他端側が締着ボルト18と雌螺子部25によって連結されると共に、それぞれの先端が約45度ずつ互いに外側に折れ曲がって延設された延設部を構成している。そして一対のブレース支持金具3a,3bは、第1金具10及び第2金具20のそれぞれの延設部に連結ボルト38を介して連結され、互いにほぼ直角を成すように設けられている。図16(b)に示す固定金具2は、上述したブレース連結金具1,1aと同様に、吊りボルト8を挟着するように取り付けられる部材であり、互い対向する一対の金具10,20の間に吊りボルトを挿通可能な挿通空間7を有し、一対の金具10,20に装着された締着ボルト18が締め付けられることによって挿通空間7を縮小して一対の金具10,20が吊りボルト8に挟着固定される構造である。したがって、上述した第1の施工方法及び第2の施工方法のいずれでも、施工することが可能である。尚、図16(b)においても、固定金具2の両端にブレース連結金具1と同様のブレース支持金具3a,3bが取り付けられた状態を例示しているが、これに限られるものではなく、上述したブレース連結金具1aと同様のブレース支持金具3a,3bが取り付けられたものであっても構わない。
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態において説明したものに限定されるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば上記実施形態では、ブレース連結金具1,1aの固定金具2において、第1金具10の一対の平板部5a,5bが第2金具20の一対の固定部22,23よりも延設された延設部を有する場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、第2金具20の一対の固定部22,23を、第1金具10の一対の平板部5a,5bよりも延設することにより、第2金具20に延設部を設け、その延設部にブレース支持金具3a,3bを取り付けるようにしても良い。
また上記実施形態では、締着ボルト18などのボルトを締め付ける際に電動工具を用いる場合を例示したが、第1の施工方法及び第2の施工方法は、必ずしも電動工具を用いるものに限られない。例えば狭小な施工空間の場合には電動工具を用いることができないこともあるため、そのような施工空間ではスパナなどの手動工具を用いて施工するようにしても良い。手動工具を用いて施工する場合であっても、作業効率は従来よりも向上する。
1,1a ブレース連結金具
2 固定金具
3a,3b ブレース支持金具
5a,5b 平板部
6 挿通部
7 挿通空間
8 吊りボルト
9 ブレース
10 第1金具
11 係合部
18 締着ボルト
20 第2金具
21 湾曲部
22,23 固定部
40 留め具
S 天井スラブ

Claims (4)

  1. 吊りボルトを挟着するように取り付けられる固定金具と、該固定金具の両端に連結ボルトを介して取り付けられる一対のブレース支持金具とを有し、前記固定金具は、互い対向する一対の金具の間に前記吊りボルトを挿通可能な挿通空間を有し、前記一対の金具に装着された締着ボルトが締め付けられることによって前記挿通空間を縮小して前記一対の金具が前記吊りボルトに挟着固定されると共に、前記一対のブレース支持金具は、前記連結ボルトが締め付けられる前の状態においてブレースを挿通可能な挿通部を有し、前記連結ボルトが締め付けられることにより前記挿通部を縮小させて前記挿通部に挿通されたブレースに挟着固定されるブレース連結金具を施工する施工方法であって、
    前記締着ボルトを緩めた状態で前記挿通空間に前記吊りボルトを挿通することにより、前記ブレース連結金具を前記吊りボルトの取り付け位置に配置する第1の工程と、
    前記第1の工程により前記ブレース連結金具を前記吊りボルトの取り付け位置に配置した後、前記ブレース連結金具の下方位置の前記吊りボルトに対して留め具を装着することにより、前記ブレース連結金具を前記吊りボルトの取り付け位置に仮止めする第2の工程と、
    前記第2の工程により前記ブレース連結金具が仮止めされた後、前記締着ボルトを締め付けることにより、前記固定金具を前記吊りボルトに挟着し、前記ブレース連結金具を前記吊りボルトの取り付け位置に固定する第3の工程と、
    前記第2の工程により前記ブレース連結金具が仮止めされた後、前記連結ボルトを締め付ける前に、前記一対のブレース支持金具のそれぞれの前記挿通部にブレースを挿通する第4の工程と、
    前記第4の工程の後に前記連結ボルトを締め付けることにより、前記一対のブレース支持金具のそれぞれが前記ブレースを挟着固定すると共に、前記固定金具に対する前記ブレースの配設角度を固定する第5の工程と、
    を有することを特徴とする施工方法。
  2. 前記第1の工程は、前記吊りボルトが天井スラブに取り付けられた状態において、前記挿通空間に前記吊りボルトの下端部から挿通することにより、前記ブレース連結金具を前記吊りボルトの取り付け位置に配置する工程であることを特徴とする請求項1に記載の施工方法。
  3. 前記第1の工程は、前記吊りボルトが天井スラブに取り付けられる前に行われる工程であり、
    前記第2の工程により前記ブレース連結金具が仮止めされた後に、前記吊りボルトを前記天井スラブに取り付ける第6の工程を更に有し、
    前記第3の工程及び前記第4の工程は、前記第6の工程の後に行われることを特徴とする請求項1に記載の施工方法。
  4. 前記第1の工程は、複数の前記ブレース連結金具を前記吊りボルトのそれぞれ異なる取り付け位置に配置する工程を含み、
    前記第2の工程は、前記複数のブレース連結金具を前記吊りボルトのそれぞれ異なる取り付け位置に仮止めする工程を含み、
    前記第3の工程は、前記複数のブレース連結金具を前記吊りボルトのそれぞれ異なる取り付け位置に固定する工程を含み、
    前記第4の工程は、前記複数のブレース連結金具のそれぞれに設けられた前記一対のブレース支持金具の前記挿通部にブレースを挿通する工程を含み、
    前記第5の工程は、前記複数のブレース連結金具のそれぞれに設けられた前記連結ボルトを締め付ける工程を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の施工方法。
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JP2019007519A (ja) * 2017-06-22 2019-01-17 エヌパット株式会社 吊りボルト固定金具及びブレース連結金具
JP2019007309A (ja) * 2017-06-28 2019-01-17 株式会社サカタ製作所 取付器具
JP2021031866A (ja) * 2019-08-19 2021-03-01 エヌパット株式会社 ブレース連結金具

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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