JP5993556B2 - 型枠パネルの隅部構造及びコンクリート型枠の構築方法 - Google Patents
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例えば特許文献1には、切欠穴や長円穴を設けて直角に折り曲げたプレート1と前記切欠穴と長円穴に合致するように直角に折り曲げたボルト2とで構成される組立用継手金具が提案されている。この組立用継手金具は、一方の型枠の端部に他方の型枠の端面を略直交状に突き合わせ状態で、プレート1をその外面側に沿わせ、内面側からボルト2を配して固定するものである。
また、保持具が、側板部及び支持面部を挟持する一対の挟持部を有するので、側板部と支持面部とを一体的に挟持するため、二つの型枠パネルと連結部材とを一体化する強度が高いものである。さらに、型枠パネルを直列状に連結するために用いる保持具を、この隅部構造にも適用することができるため、新たな部材を作成及び準備する必要がなく、汎用品をそのまま用いることができるため、実用的価値が高いものである。
また、型枠パネルとして、面板部の片面側に、左右端縁に側板部を備えてなる一体成形板を用いる場合、前述のコンパネを用いる態様に比べて側板部を形成する作業が不要であり、そのまま適用することができる。
コンパネの場合には、コンパネ自体が面板部を形成するので、その端部に略直交状に側板を固定して側板部を形成すればよく、前記一体成形板の場合には、そもそもが面板部の片面側に、左右端縁に側板部を備えている構成であるため、そのまま適用できる。
この連結部材としては、例えば後述する図示実施例のように断面略L字状の成形材でもよいし、或いは角柱材でもよい。
したがって、本発明の型枠パネルの隅部構造は、容易に施工でき、施工コストを抑えることができる。
前記連結部材の各支持面部に、前記型枠パネルの側板部が沿うように配設する工程
保持具の突状部を、各支持面部の孔と側板部の挿通孔とに連通させて取り付ける工程
連結部材の各支持面部に、型枠パネルの側板部を沿わせるには、所定位置に型枠パネルを配置させた後に連結部材を配するようにしてもよいし、連結部材を所定箇所に配置した後に型枠パネルを略直交状に沿わせてもよいが、両部材の重量を考慮すると、前者の方法が好ましい。
この状態で、各支持面部の孔と側板部の挿通孔とが連通するように調整しておく。
前記第1番目の工程において、各支持面部の孔と側板部の挿通孔とを連通させておいたので、該孔及び挿通孔に、保持具の突状部を、連通させて取り付ける。
この保持具として、後述する図示実施例のように、側板部及び支持面部を挟持する一対の挟持部を有する保持具を用いた場合には、側板部と支持面部とを一体的に挟持する作用を有するため、二つの型枠パネルと連結部材とを一体化する強度が高いものである。
前記側板2Bは、図3(f)にも示すように、長さ方向に一定間隔の挿通孔221を備える側面部22の内側端部に略直交状に当接片部222が設けられ、該当接片部222をコンパネ2A(面板部21)に突き合わせて各種接合手段にて固定されている。また、側面部22の外側端部には、略J字状に折り曲げられた(但し、前記連結部材1とは逆方向に折り曲げられた)厚肉部223が設けられている。そして、この側板2Bは、硬質の樹脂成形体でもよいし、アルミ押出型材でもよい。
なお、この側板2Aの挿通孔221にも、前記連結部材1の孔111と同様に、その開孔縁には、補強凸部224が設けられている。
図示実施例の保持具3は、図3(d)にも示すように、前記型枠パネル2Iの側板部22及び前記連結部材1の支持面部11を挟持する一対の挟持部32と、図示しない横架材を支持する支持部33とを有し、この支持部33を型枠パネル2I.2Iに対して略鉛直状となるように取り付ける。前記挟持部32は、支持部33を基端とする湾曲状の長腕部32aと棒状の短腕部32bとからなり、長腕部32aの先端に支持部33と略平行状に突状部31が設けられる構成である。
そして、この状態で、連結部材1の各支持面部11の孔111と型枠パネル2Iの側板部22の挿通孔221とが連通するように調整しておく。
図示実施例では、型枠パネル2Iの挿通孔221側から突状部31を挿入し、該突状部31を軸として支持部33を把持して回動させ、支持部33の内側端部が厚肉部113,223の外側端部に沿う状態で図示する取付状態が得られる。この状態では、連結部材1の厚肉部113と型枠パネル2Iの厚肉部223とが、背中合わせの状態で保持具3内に抱持されるように取り付けられている。なお、この状態を解除するには、逆方向に保持具3を回動し、突状部31を引き抜けばよく、容易に取付、脱離を行うことができる。
なお、コーナー部分の内側部分を形成する型枠構造としては、例えば図3(c)に示すように例えば前記第1実施例にて用いたコンパネ等の型枠パネル2I,2Iを略直角状に突き合わせ、その隅部に前記連結部材1を沿わせるように構成してもよい。
前記保持部材4は、前記型枠パネル2IIの厚肉部242,251間より幅広な主体部41を備え、該主体部41には螺合部43を有する構成である。なお、主体部41は、厚肉部242,251間より幅広であるため、厚肉部242,251の内側に係止する状態で取り付けられている。
次に、前記型枠パネル2IIに取り付けた保持部材4の螺合部43に対し、別の型枠パネル2IIを直交状に臨ませ、その側板部24の挿通孔241が前記螺合部43と連通するように配設する。そして、この状態でボルト42を挿通孔241及び螺合部43に連通させて螺合することにより、型枠パネル2II,2IIを直交状に組み合わせて固定することができる。
なお、図中、5は型枠パネル2IIから突出する間隔保持部材(コンクリート壁の厚みを確保する部材)を示す。
即ち本発明の型枠パネルの隅部構造をコンクリート型枠工法に適用することにより、窪みや凹み等を補修するための仕上げ処理を施す必要もなく、そのまま壁体として適用することができる。
その施工手順についても、前記第1実施例と全く同様であり、まず、図4(a)に示すように、面板部23の端縁に、挿通孔242を備える側板部24が略直交状に形成される構成の型枠パネル2II,2IIを略直交状に配設した。
続いて、図4(b)に示すように、前記構成の連結部材1を配設し、この連結部材1の各支持面部11,11に、前記型枠パネル2II,2IIの側板部24,24が沿うように配設(位置調整)した。なお、この状態で、連結部材1の各支持面部11の孔111と型枠パネル2IIの側板部24の挿通孔241とが連通するように調整しておく。
その後、図4(c)に示すように、連結部材1の孔111及び型枠パネル2IIの挿通孔242に、保持具3の突状部31を、連通させて取り付ける。
この第2実施例にて用いた型枠パネル2IIは、図4(d)に示すように、縦長に形成され、面板部23も左右の側板部24,24も2枚の起立板部25,25も縦長に形成され、両側板部24や各起立板部25は、面板部23から垂直状に立ち上がるように形成されている。
11 支持面部
111 孔
2I,2II 型枠パネル
2A コンクリート型枠用合板
2B 側板
21 面板部
22 側板部
221 挿通孔
223 厚肉部
23 面板部
24 側板部
241 挿通孔
242 厚肉部
25 起立板部
251 厚肉部
3 保持部
31 突状部
32 挟持部
33 支持部
4 保持部材
41 主体部
42 ボルト
43 螺合部
Claims (3)
- 複数の型枠パネルを略直交状に配設し、該配設部分に連結部材を沿わせて連結してなる型枠パネルの隅部構造であって、
前記型枠パネルは、少なくとも面板部の端縁に、長さ方向に一定間隔の挿通孔を備える側板部が略直交状に形成されており、該側板部の先端には略J字状に折り曲げられた厚肉部を有し、
前記連結部材は、略直交状の二つの支持面部を有し、各支持面部には、長さ方向に一定間隔の孔を備え、その先端に略J字状に折り曲げられた厚肉部を有し、
前記連結部材の各支持面部に、前記型枠パネルの側板部が沿うように配設し、保持具の突状部を、各支持面部の孔と側板部の挿通孔とに連通させると共に、前記側板部の厚肉部及び前記支持面部の厚肉部を背中合わせの状態とし、当該部分を挟持する一対の挟持部を有する前記保持具を配設して一体化したことを特徴とする型枠パネルの隅部構造。 - 型枠パネルは、コンクリート型枠用合板の端部に略直交状に側板を固定したものであるか、面板部の片面側に、左右端縁に側板部を備えてなる一体成形板であることを特徴とする請求項1に記載の型枠パネルの隅部構造。
- 複数の型枠パネルを連結部材により略直交状に組み付けるコンクリート型枠の構築方法であって、
前記型枠パネルは、少なくとも面板部の端縁に、長さ方向に一定間隔の挿通孔を備える側板部が略直交状に形成されており、該側板部の先端には略J字状に折り曲げられた厚肉部を有し、
前記連結部材は、略直交状の二つの支持面部を有し、各支持面部には、長さ方向に一定間隔の孔を備え、その先端に略J字状に折り曲げられた厚肉部を有し、
前記連結部材の各支持面部に、前記型枠パネルの側板部が沿うように配設する工程と、
保持具の突状部を、各支持面部の孔と側板部の挿通孔とに連通させると共に、前記側板部の厚肉部及び前記支持面部の厚肉部を背中合わせの状態とし、当該部分を挟持する一対の挟持部を有する前記保持具を配設して一体化する工程と、を含むことを特徴とするコンクリート型枠の構築方法。
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