JP2009144789A - クリップナット - Google Patents
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Abstract
【課題】振動に対して確実に緩み止め機能を備えたクリップナット、特に激しい振動や衝撃に対して緩み止め機能に優れたクリップナットを提供する。
【解決手段】金属薄板が断面略コ字形に折曲して形成され、相対向する第1片部3と第2片部4とが折曲部5に連設され、第1片部と第2片部とで板材を挟持するクリップナット1において、上記第1片部の外側面にナット保持部10が設けられ、保持部にナット21が保持され、上記第1片部のナット保持部の両側に、該板材に弾性力を保って接触する弾性当接部11,12が設けられ、ナット保持部が板材方向に撓み可能に設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】金属薄板が断面略コ字形に折曲して形成され、相対向する第1片部3と第2片部4とが折曲部5に連設され、第1片部と第2片部とで板材を挟持するクリップナット1において、上記第1片部の外側面にナット保持部10が設けられ、保持部にナット21が保持され、上記第1片部のナット保持部の両側に、該板材に弾性力を保って接触する弾性当接部11,12が設けられ、ナット保持部が板材方向に撓み可能に設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、板材の端縁に差し込み、該板材を挟み付けるように装着して、該板材の端縁近傍に設けたボルト挿通孔に対向する所定位置にナットを付加するクリップナットに関し、特に、該クリップナットが板材等から振動を受けることによって、クリップナットのナットとボルトとの間に緩みが発生するものに対して有効な緩み防止機能を備えたクリップナットに関する。
金属薄板が断面略コ字形に折曲して形成され、相対向する第1片部と第2片部とが折曲部に連設され、第1片部及び第2片部にボルト挿通孔が同軸線上に形成されたクリップナットにおいて、ナットが第1片部の外面に固定され、このナットに緩み止め用のリング体が設けられたクリップナットが知られている(特許文献1)。
金属薄板が断面略コ字形に折曲して形成され、相対向する第1片部と第2片部とが折曲部に連設され、第1片部及び第2片部にボルト挿通孔が同軸線上に形成されたクリップナットにおいて、更に、第1片部の先端が外側に折り返されて第3片部が設けられ、第3片部にナットの外周面と係合してナットの回転を阻止するナット保持孔がボルト挿通孔と同軸線上に形成されるとともに、ナット保持孔に座金付きのナットを保持させるようになったクリップナットが知られている。(特許文献2)
特許文献1のクリップナットでは、ナットに挿通するボルトが簡単に緩まないようにリング体が設けられているが、道路の防音壁等のように通行車両の激しい振動や大きな振動が頻繁に生じるような場合には、上記クリップナットでは十分な緩み止め機能を果すことができなかった。
上記特許文献2のクリップナットでは、ナットをクリップナットのクリップ部に溶接する特許文献1に比較して、溶接する手間を省くことができるメリットを有し、更に、折り返した第3片にナットの外周面と係合してナットの回転を阻止するナット保持孔が形成されているので、ナットを溶接してなくてもボルトをねじ込んだ際にボルトの回動に伴うナットのとも回りを防止することができる点でメリットを有する。しかし、特許文献2にはボルトの緩み止め機能がなかった。
本発明は、金属薄板が断面略コ字形に折曲して形成され、相対向する第1片部と第2片部とが折曲部に連設され、第1片部及び第2片部にボルト挿通孔が同軸線上に形成されたクリップナットにおいて、振動に対して確実に緩み止め機能を備えたクリップナット、特に激しい振動や衝撃に対して緩み止め機能に優れたクリップナットを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、金属薄板が断面略コ字形に折曲して形成され、相対向する第1片部と第2片部とが折曲部に連設され、該第1片部と該第2片部とで板材を挟持するクリップナットにおいて、上記第1片部の外側面にナット保持部が設けられ、該保持部にナットが保持され、上記第1片部の該ナット保持部の両側に、該板材に弾性力を保って接触する弾性当接部が設けられ、該ナット保持部が該板材方向に撓み可能に設けられている構成である。
請求項2の発明は、金属薄板が断面略コ字形に折曲して形成され、相対向する第1片部と第2片部とが折曲部に連設され、該第1片部の内側面と該第2片部の内側面とで板材を挟持するクリップナットにおいて、上記第1片部の外側面にナット保持部が設けられ、該保持部にナットが保持され、上記第1片部の該ナット保持部の両側に、該板材に弾性力を保って接触する弾性当接部が設けられ、該ナット保持部が該板材方向に撓み可能に設けられている構成である。
請求項3の発明は,金属薄板が断面略コ字形に折曲して形成され、相対向する第1片部と第2片部とが折曲部に連設され、該第1片部の内側面と該第2片部の内側面とで板材を挟持するクリップナットにおいて、上記第1片部の外側面にナット保持部が設けられ、該保持部にナットが保持され、上記第1片部の該ナット保持部の両側には、該第1片部を略U字状に折り曲げて形成した略U字状当接部が設けられている構成である。
請求項4の発明は、請求項3記載のクリップナットにおいて、該略U字状当接部の底部が該板材に弾性力を保って接触するようになっており、該ナット保持部は、該略U字状当接部の上端部同士を連結するフラット面に設けられている構成である。
請求項5の発明は、請求項3又は4記載のクリップナットにおいて、該略U字状当接部が、該第1片部の該折曲部側及び先端部側に設けられている構成である。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載のクリップナットにおいて、該弾性当接部はリブ形状に形成されている構成である。
請求項7の発明は、金属薄板が断面略コ字形に折曲して形成され、相対向する第1片部と第2片部とが折曲部に連設され、該第1片部の内側面と該第2片部の内側面とで板材を挟持するクリップナットにおいて、上記第1片部の先端部から外側に折り曲げられて、該第1片部と対向するように第3片部が設けられ、該第3片部の外側面にナット保持部が設けられ、該保持部にナットが保持され、該第3片部の先端部側に、該第1片部の外側面に弾性力を保って接触する第2弾性当接部が設けられている構成である。
請求項8の発明は、請求項7記載のクリップナットにおいて、該第2弾性当接部は、該第3片部を略U字状に折り曲げて形成した第2略U字状当接部からなる構成である。
請求項9の発明は、請求項7又は8に記載のクリップナットにおいて、該ナット保持部は、該第2片部及び該第3片部の間に設けられた第2折曲部と該第2弾性当接部との間に形成された第2フラット面からなる構成である。
請求項10の発明は、請求項9記載のクリップナットにおいて、該第2フラット面は該ナットの軸方向に撓み変形可能に形成されている構成である。
請求項11の発明は、請求項7ないし10のいずれか1つに記載のクリップナットにおいて、該第2弾性当接部はリブ形状に形成されている構成である。
請求項12の発明は、請求項1ないし11のいずれか1つに記載のクリップナットにおいて、該クリップナットはバネ材からなる構成である。
請求項13の発明は、請求項1ないし12のいずれか1つに記載のクリップナットにおいて、該ナットは、緩み止めリングを備えたナットである構成である。
請求項1の発明によれば、第1片部のナット保持部の両側に、板材に弾性力を保って接触する弾性当接部が設けられ、ナット保持部がナットの軸方向に撓み可能に設けられている構成であり、ナットにボルトを螺合して締め付けた際にナット保持部が第1片部のほうに弾性力を維持して撓むので、振動に対しては、ナット保持部の弾性復元力によりナットとボルトとの螺合が維持され緩みが防止される。また、弾性当接部の弾性変形によっても、振動に対してもナットとボルトとの螺合が確実に維持されて、緩み止めが確実に防止される。
請求項2の発明によれば、第1片部のナット保持部の両側に、板材に弾性力を保って接触する弾性当接部が設けられ、ナット保持部がナットの軸方向に撓み可能に設けられている構成であり、ナットにボルトを螺合して締め付けた際にナット保持部が第1片部のほうに弾性力を維持して撓むので、振動に対しては、ナット保持部の弾性復元力によりナットとボルトとの螺合が維持され緩みが防止される。また、弾性当接部の弾性変形によっても、振動に対してもナットとボルトとの螺合が確実に維持されて、緩み止めが確実に防止される。
請求項3の発明によれば、上記第1片部の該ナット保持部の両側には、該第1片部を略U字状に折り曲げて形成した略U字状当接部が設けられている構成であり、略U字状当接部の弾性変形によって、振動に対してもナットとボルトとの螺合が確実に維持されて、緩み止めが確実に防止される。
請求項4の発明によれば、ナットにボルトを螺合して締め付けた際にフラット面が第1片部のほうに弾性力を維持して撓むので、振動に対しては、フラット面の弾性復元力によりナットとボルトとの螺合が維持され緩みが防止される。特に、フラット面が面全体として弾性変形するので、ナットがボルトに対して傾くことなく弾性変形することができ、弾性復元力も強く維持でき、その結果、緩み止め機能に優れる。
請求項5の発明によれば、該略U字状当接部が、該第1片部の該折曲部側及び先端部側に設けられているので、滑らかに弾性変形でき、且つ滑らかに弾性復元力を保持でき、緩み止めを確実に防止できる。
請求項6の発明によれば、該弾性当接部がリブ形状に形成されているので、弾性当接部を容易に形成できるとともに、確実に緩み止めできる。
請求項7の発明によれば、該第3片部の先端部側に、該第1片部の外側面に弾性力を保って接触する第2弾性当接部が設けられている構成であり、ナットにボルトを螺合して締め付けた際に第3片部に形成したナット保持部が第1片部のほうに弾性力を維持して撓むので、振動に対しては、ナット保持部の弾性復元力によりナットとボルトとの螺合が維持され緩みが防止される。また、第2弾性当接部の弾性変形によって、振動に対してもナットとボルトとの螺合が確実に維持されて、緩み止めが確実に防止される。
請求項8の発明によれば、該第2弾性当接部は、該第3片部を略U字状に折り曲げて形成した第2略U字状当接部からなるので、第2略U字状当接部の弾性変形によって、振動に対してもナットとボルトとの螺合が確実に維持されて、緩み止めが確実に防止される。
請求項9の発明によれば、第2フラット面が面全体として弾性変形するので、ナットがボルトに対して傾くことなく弾性変形することができ、弾性復元力も強く維持でき、その結果、緩み止め機能に優れる。
請求項10の発明によれば、第2フラット面が面全体として弾性変形するので、ナットがボルトに対して傾くことなく弾性変形することができ、弾性復元力も強く維持でき、その結果、緩み止め機能に優れる。
請求項11の発明によれば、該第2弾性当接部がリブ形状に形成されているので、第2弾性当接部を容易に形成できるとともに、確実に緩み止めできる。
請求項12の発明によれば、クリップナットはバネ材からなるので、板材にクリップナットが確実に保持されるとともに、ナット保持部の男性復元力が確実に発揮され、緩み止め機能に優れる。
請求項13の発明によれば、ナットは緩み止めリングを備えるので、更に緩み止め機能が優れる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1ないし図3は、本発明の実施形態1によるクリップナット1を示している。図1及び図2に示すように、クリップナット1は、金属薄板を断面略U字形又は略コ字に折曲して形成されたクリップ部2を備える。このクリップ部2は、相対向する第1片部3と第2片部4とが折曲部5に連設されて構成されている。クリップ部2はバネ材のステンレス鋼材からなっている。クリップ部2は、第1片部3と第2片部4とで板材31を挟持するために、第1片部3と第2片部4とを同じ長さか、第2片部4を第1片部3より少し長い長さとしている。なお、板材Tを挿入し易くするために、第1片部3、第2片部4の少なくとも一方の先端部を外側に開くように折り曲げても良い。
図1ないし図3は、本発明の実施形態1によるクリップナット1を示している。図1及び図2に示すように、クリップナット1は、金属薄板を断面略U字形又は略コ字に折曲して形成されたクリップ部2を備える。このクリップ部2は、相対向する第1片部3と第2片部4とが折曲部5に連設されて構成されている。クリップ部2はバネ材のステンレス鋼材からなっている。クリップ部2は、第1片部3と第2片部4とで板材31を挟持するために、第1片部3と第2片部4とを同じ長さか、第2片部4を第1片部3より少し長い長さとしている。なお、板材Tを挿入し易くするために、第1片部3、第2片部4の少なくとも一方の先端部を外側に開くように折り曲げても良い。
クリップ部2の第1片部3の先端部側及び折曲部側に、それぞれ弾性当接部11,12が形成されている。弾性当接部11,12はリブ状に折り曲げて形成された略U字状当接部からなっている。略U字状当接部11,12の底部11a、12aが板材51の外側面53に当接するようになっている。ナット保持部10は、略U字状当接部11,12の上端部11b、12b同士を連結するフラット面で形成されて、ナット21の軸方向(即ち第2片部方向)に弾性変形領域内で撓み可能に設けられている。即ち、フラット面からなるナット保持部10は略U字状当接部11,12に支持されて、第2片部方向の方向に弾性変形可能になっており、また弾性復元力が作用するようになっている。この点の詳細は、ナットとボルトとに振動が生じた際の説明で詳細に説明する。
ナット保持部10には、ナット21に螺合するボルト25のオネジ部26が貫通する貫通孔13が設けられている。ナット21は、ナット保持部10の貫通孔13とナット21のメネジ部22とが一致する位置で、ナット保持部10の外面に溶接等の固定手段で固定されている。また、ナット21には、例えば実公平7−40724号公報に開示されているような弾性摩擦抵抗部のような緩み止めリング23が埋め込まれている。
第2片部4には、ボルト25のオネジ部26が貫通する貫通孔43が設けられ、貫通孔43の内周には,板材51に設けられた貫通孔52に挿入される突出部42が設けられている。この突出部42によって、板材51が第1片部3と第2片部4との間に挿入された際に、ナット保持部10の貫通孔13及び第2片部4の貫通孔43に板材51の貫通孔52が位置合わせされ、その後位置ずれがないように、板材51が第1片部3と第2片部4とで挟持するようになっている。
図3は、板材51に実施形態1のクリップナット1を取り付けて、ボルト25を螺合して、軽く締め付けた状態を示す。板材51の外周面53に略U字状当接部11,12の底部11a、12aが接触し、内周面54に第2片部4の内面4aが接触している。この状態で、板材51の貫通孔52に第2片部4の突出部42が挿入され、位置合わせされている。そして、ボルト25が第2片部4の外側から挿入され、ナット21と螺合される。この状態から、所定のトルクでボルト25とナット21とを螺合していくと、ナット21が板材51に近づく(図3において下方)ようになる。この状態では、図3の2点鎖線で示すように、略U字状当接部11,12は互いに離れる方向に弾性変形すると共に、ナット保持部10が板材51に近付くように撓んで弾性変形する。
即ち、略U字状当接部11.12及びナット保持部10が、弾性復元力を有して弾性変形している状態であり、板材51やナット21、ボルト25に振動が生じた際に、上記弾性復元力が作用して、ナット21とボルト25との螺合状態が保持されて、緩むことが防止される。
即ち、略U字状当接部11.12及びナット保持部10が、弾性復元力を有して弾性変形している状態であり、板材51やナット21、ボルト25に振動が生じた際に、上記弾性復元力が作用して、ナット21とボルト25との螺合状態が保持されて、緩むことが防止される。
以上のように、本実施形態では、ナット保持部10が両側の弾性当接部11,12(特に略U字状当接部)で、板材51に対して弾力的に保持され、更に、ナット保持部10自体が弾性復元力を保って弾性変形してナット21がボルト25に締め付けられるので、大きな振動や急激な衝撃力が作用しても、ボルト25とナット21との螺合が緩むことがなく、確実に螺合状態を維持できる。そのために、振動が激しい部分の締結、例えば、車両、機械装置、道路等の防音壁等の部品の締結に好適である。
なお、本実施形態では、ナット保持部10の両側に第1片部3を略U字状にリブ形状に変形させ留ことで、U字状当接部11、12を形成できるので、簡単な構造で弾性当接部を得ることが出来る。また、材料使用量も少なくて済み、軽量で低コストで得られる。
なお、ナット保持部10の略U字状当接部11.12は、弾性力を持って板材51に接触できる構造であればよく、この形状に限られるものではない。また、略U字状当接部11.12の位置も、現在の位置でなく、略直角に移動した位置、即ち第1片部3の幅方向両側に設けても良い。略U字状当接部11.12は、全幅方向に伸びて設けたが、部分的に設けても良い。部分的な突起を複数設けるようにしても良い。
なお、ナット保持部10の略U字状当接部11.12は、弾性力を持って板材51に接触できる構造であればよく、この形状に限られるものではない。また、略U字状当接部11.12の位置も、現在の位置でなく、略直角に移動した位置、即ち第1片部3の幅方向両側に設けても良い。略U字状当接部11.12は、全幅方向に伸びて設けたが、部分的に設けても良い。部分的な突起を複数設けるようにしても良い。
次に、実施形態2について、図4〜図6に基づいて説明する。なお、実施形態1と同じ部分は同じ符号とし、異なる部分を別符号として主として説明する。第1片部103は、折曲部5から第2片部4と略平行に折り曲げられた第1折曲片部103aを有し、さらに、第1折曲片部103aから第2片部4に接近するように折り曲げられ、第2片部4と略平行な第2折曲片部103bを有する。即ち、一度に折曲部5から第2折曲片部103b間で折り曲げると、弾性変形の許容領域を超えて、塑性変形する可能性があり、一旦第1折曲片部103aで折曲部5から緩やかな半径で折り曲げて、次に第2折曲片部103bで、板材51の板厚に相当する厚さにしている。
また、第2折曲片部103bから先は、折曲部105で更に外側に折り曲げられた第3片部106が第2折曲片部103bと平行に設けられている。さらに、この第3片部106の先端が折曲部107で内側に折り曲げられた第4片部108が第2折曲片部103bの外側に重なる位置になっている。第3片部106の外面に緩み止めリング23を有するナット21が溶接等で固定されている。
この実施形態2では、折曲部107、折曲部105が弾性当接部の機能をなす。ナット21をボルト25に螺合して所定トルクまで締め付けた際には、折曲部107、折曲部105が弾性変形し、ナット肘部10を形成する第3片部106が第2折曲片部103b野方向に弾性復元力を保持した状態で弾力的に変形する。従って、この実施形態2でも、高振動や高衝撃力の作用する部品に実施しても、ボルト25とナット21との緩みのないクリップナットを得ることができる。
また、第2折曲片部103bから先は、折曲部105で更に外側に折り曲げられた第3片部106が第2折曲片部103bと平行に設けられている。さらに、この第3片部106の先端が折曲部107で内側に折り曲げられた第4片部108が第2折曲片部103bの外側に重なる位置になっている。第3片部106の外面に緩み止めリング23を有するナット21が溶接等で固定されている。
この実施形態2では、折曲部107、折曲部105が弾性当接部の機能をなす。ナット21をボルト25に螺合して所定トルクまで締め付けた際には、折曲部107、折曲部105が弾性変形し、ナット肘部10を形成する第3片部106が第2折曲片部103b野方向に弾性復元力を保持した状態で弾力的に変形する。従って、この実施形態2でも、高振動や高衝撃力の作用する部品に実施しても、ボルト25とナット21との緩みのないクリップナットを得ることができる。
次に、実施形態3について、図7及び図8に基づいて説明する。この実施形態3は、実施形態2に対して、第1片部103を折曲部5で一度に折り曲げた構造が異なるものである。この実施形態3は、第2片部4と第1片部103との間に挿入される板材51の厚さが厚くて、折曲部5の折曲領域が弾性変形可能な領域で行える場合には、実施形態2に対して構造が簡単であり、有利である。また、折曲部107が弾性変形して外側に広がる際にも制約が無く自由であり、弾性変形できる構造の設計が容易である。実施形態3でも、高振動や高衝撃力の作用する部品に実施しても、ボルト25とナット21との緩みのないクリップナットを得ることができる。
次に、実施形態4について、図9に基づいて説明する。なお、実施形態1と同じ部分は同じ符号とし、異なる部分を別符号として主として説明する。実施形態4は、実施形態3の変型例であって、折曲部5で大きく折り曲げてから、第1片部203を第2片部4と略平行に設け、第1片部203の先端から内側に折り曲げる折曲部205を形成し、折曲部205の先端に第2片部206を第2片部4と略平行に設けたものである。ナット21は、第1片部203の外面に固定されている。この実施形態4では、折曲部5及び折曲部205が弾性当接部を構成している。この実施形態4では、板材512の板厚が薄くても、折曲部5の折り曲げ半径を大きく形成できる点で優れている。この実施形態4でも、高振動や高衝撃力の作用する部品に実施しても、ボルト25とナット21との緩みのないクリップナットを得ることができる。
次に、実施形態5を図10に基づいて説明する。なお、実施形態1と同じ部分は同じ符号とし、異なる部分を別符号として主として説明する。実施形態5は、実施形態2の変型例であって、第3片部106の先端を内側に折り曲げる代わりに、略U字状当接部307を設けたものである。なお、ナット21やボルト25は省略した。この実施形態5でも、高振動や高衝撃力の作用する部品に実施しても、ボルト25とナット21との緩みのないクリップナットを得ることができる。
次に、実施形態6を図11に基づいて説明する。なお、実施形態1と同じ部分は同じ符号とし、異なる部分を別符号として主として説明する。実施形態6は、実施形態1の変型例であって、第1片部3の先端に折曲部405を設けて、内側に折り曲げて、第3片部406を第2片部4と略平行に設けたものである。この実施形態6では、第3片部406と第2片部4との間に挿入される板材51に大きな接触面積で接触できるので、板材51からクルップナットが抜け出にくい点で、優れる。また、板材51を挿入する際に、その作業がスムーズに行える。この実施形態6でも、高振動や高衝撃力の作用する部品に実施しても、ボルト25とナット21との緩みのないクリップナットを得ることができる。
なお、上記実施形態1〜6では、ナット21にはすべて、緩み止めリング23を設けたものとしたが、使用場所や使用部品によっては、緩み止めリング23を省略することも可能である。
また、第2片部4には、突出部42を設けたが、場合によっては、省略することも可能である。
また、第2片部4には、突出部42を設けたが、場合によっては、省略することも可能である。
次に、どの程度の振動に対して緩むかをテストしてみた。
テストサンプルとしては、実施形態1の構造のものをサンプル1とした。実施形態2の構造のものをサンプル2とした。比較例1として、金属薄板が断面略コ字形に折曲して形成され、相対向する第1片部と第2片部とが折曲部に連設され、第1片部の外側にナットが溶接されたクリップナットであって、ナットに緩み止めリングが嵌められたものを用いた。また、クリップナットの代わりに、緩み止めとしてよく用いられるダブルナットを用意し、これを比較例2とした。
サンプル1、2、比較例1では、クリップナット内に板材を挟んで、第2片部の外側にワッシャを介在させて、別の板材を重ねて、別の板材の外側からボルトを通して、ボルトをナットに螺合した。また、比較例2は、ワッシャ、別の板材の貫通したボルトに対して、反対側からダブルナットで螺合した。そして、締付トルクとして、下記表の3種類で行った。
振動試験は、別の板材に振動を加えて、緩み具合度を測定した。振動としては、ボルトの軸と直角な方向に所定振動数で別の板材を振動させ、その間に所定ストロークのインパクトを加えた。緩みは、ワッシャが手で回せる状態になるまでの時間を測定した。この振動試験は、かなり振動が激しい状態での使用状態を想定した際に、どの程度の結果が見られるかを従来の比較例と比べるために、行った。
各サンプル、各比較例とも、5例行ってその平均を取った。
テストサンプルとしては、実施形態1の構造のものをサンプル1とした。実施形態2の構造のものをサンプル2とした。比較例1として、金属薄板が断面略コ字形に折曲して形成され、相対向する第1片部と第2片部とが折曲部に連設され、第1片部の外側にナットが溶接されたクリップナットであって、ナットに緩み止めリングが嵌められたものを用いた。また、クリップナットの代わりに、緩み止めとしてよく用いられるダブルナットを用意し、これを比較例2とした。
サンプル1、2、比較例1では、クリップナット内に板材を挟んで、第2片部の外側にワッシャを介在させて、別の板材を重ねて、別の板材の外側からボルトを通して、ボルトをナットに螺合した。また、比較例2は、ワッシャ、別の板材の貫通したボルトに対して、反対側からダブルナットで螺合した。そして、締付トルクとして、下記表の3種類で行った。
振動試験は、別の板材に振動を加えて、緩み具合度を測定した。振動としては、ボルトの軸と直角な方向に所定振動数で別の板材を振動させ、その間に所定ストロークのインパクトを加えた。緩みは、ワッシャが手で回せる状態になるまでの時間を測定した。この振動試験は、かなり振動が激しい状態での使用状態を想定した際に、どの程度の結果が見られるかを従来の比較例と比べるために、行った。
各サンプル、各比較例とも、5例行ってその平均を取った。
その結果、比較例1や2では、激しい振動を与えると、直に緩むか、数秒しか持たなかった。それに対して、本発明のサンプル1、2では40秒以上緩むことなく、ものによっては10分以上緩まなかった。これらの結果からしても、本発明では、高振動や高衝撃を受ける部品や使用場所のクリップナットに対して、優れた効果を発揮することが解った。
なお、第2片部4は、第1片部とほぼ同じ長さとしても良く、異なる長さでも良い。
ナットは実施形態の六角形状に限らず、他の形状でも良い。また、溶接して固定したが、他の固定方法(嵌め合いも含む)でも良い。
ナットは実施形態の六角形状に限らず、他の形状でも良い。また、溶接して固定したが、他の固定方法(嵌め合いも含む)でも良い。
上記実施形態では、高振動、又は高衝撃等の厳しい条件下で使用されるクリップナット、例えば、車両、振動の激しい機械、道路の防音壁等に適用可能である。しかし、、この例に限られるものではなく、クリップナットを使用している他の用途例にも適用できるものである。
51 板材
1 クリップナット
2 クリップ部
3 第1片部
4 第2片部
5 折曲部
6 突出部
7 貫通孔
10 ナット保持部
11,12 弾性当接部
21 ナット
23 緩み止めリング
25 ボルト
1 クリップナット
2 クリップ部
3 第1片部
4 第2片部
5 折曲部
6 突出部
7 貫通孔
10 ナット保持部
11,12 弾性当接部
21 ナット
23 緩み止めリング
25 ボルト
Claims (13)
- 金属薄板が断面略コ字形に折曲して形成され、相対向する第1片部と第2片部とが折曲部に連設され、該第1片部と該第2片部とで板材を挟持するクリップナットにおいて、
上記第1片部の外側面にナット保持部が設けられ、
該保持部にナットが保持され、
上記第1片部の該ナット保持部の両側に、該板材に弾性力を保って接触する弾性当接部が設けられ、該ナット保持部が該板材方向に撓み可能に設けられていることを特徴とする。 - 金属薄板が断面略コ字形に折曲して形成され、相対向する第1片部と第2片部とが折曲部に連設され、該第1片部の内側面と該第2片部の内側面とで板材を挟持するクリップナットにおいて、
上記第1片部の外側面にナット保持部が設けられ、
該保持部にナットが保持され、
上記第1片部の該ナット保持部の両側に、該板材に弾性力を保って接触する弾性当接部が設けられ、該ナット保持部が該板材方向に撓み可能に設けられていることを特徴とする。 - 金属薄板が断面略コ字形に折曲して形成され、相対向する第1片部と第2片部とが折曲部に連設され、該第1片部の内側面と該第2片部の内側面とで板材を挟持するクリップナットにおいて、
上記第1片部の外側面にナット保持部が設けられ、
該保持部にナットが保持され、
上記第1片部の該ナット保持部の両側には、該第1片部を略U字状に折り曲げて形成した略U字状当接部が設けられていることを特徴とする。 - 請求項3記載のクリップナットにおいて、該略U字状当接部の底部が該板材に弾性力を保って接触するようになっており、該ナット保持部は、該略U字状当接部の上端部同士を連結するフラット面に設けられていることを特徴とする。
- 請求項3又は4記載のクリップナットにおいて、該略U字状当接部が、該第1片部の該折曲部側及び先端部側に設けられていることを特徴とする。
- 請求項1ないし5のいずれか1つに記載のクリップナットにおいて、該弾性当接部はリブ形状に形成されていることを特徴とする。
- 金属薄板が断面略コ字形に折曲して形成され、相対向する第1片部と第2片部とが折曲部に連設され、該第1片部の内側面と該第2片部の内側面とで板材を挟持するクリップナットにおいて、
上記第1片部の先端部から外側に折り曲げられて、該第1片部と対向するように第3片部が設けられ、
該第3片部の外側面にナット保持部が設けられ、
該保持部にナットが保持され、
該第3片部の先端部側に、該第1片部の外側面に弾性力を保って接触する第2弾性当接部が設けられていることを特徴とする。 - 請求項7記載のクリップナットにおいて、該第2弾性当接部は、該第3片部を略U字状に折り曲げて形成した第2略U字状当接部からなることを特徴とする。
- 請求項7又は8に記載のクリップナットにおいて、該ナット保持部は、該第2片部及び該第3片部の間に設けられた第2折曲部と該第2弾性当接部との間に形成された第2フラット面からなることを特徴とする。
- 請求項9記載のクリップナットにおいて、該第2フラット面は該第1片部方向に撓み変形可能に形成されていることを特徴とする。
- 請求項7ないし10のいずれか1つに記載のクリップナットにおいて、該第2弾性当接部はリブ形状に形成されていることを特徴とする。
- 請求項1ないし11のいずれか1つに記載のクリップナットにおいて、該クリップナットはバネ材からなることを特徴とする。
- 請求項1ないし12のいずれか1つに記載のクリップナットにおいて、該ナットは、緩み止めリングを備えたナットであることを特徴とする。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007321481A JP2009144789A (ja) | 2007-12-13 | 2007-12-13 | クリップナット |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2009144789A true JP2009144789A (ja) | 2009-07-02 |
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ID=40915619
Family Applications (1)
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JP2007321481A Pending JP2009144789A (ja) | 2007-12-13 | 2007-12-13 | クリップナット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009144789A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018003906A (ja) * | 2016-06-29 | 2018-01-11 | 株式会社ファルテック | 締結具 |
US10533588B2 (en) | 2017-09-12 | 2020-01-14 | Faltec Co., Ltd. | Fastener |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6088113U (ja) * | 1983-11-25 | 1985-06-17 | 日産自動車株式会社 | U字状ナツト |
JPS61116219U (ja) * | 1984-12-28 | 1986-07-22 | ||
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JPH0740724Y2 (ja) * | 1988-08-04 | 1995-09-20 | 株式会社冨士精密製作所 | クリップナット |
-
2007
- 2007-12-13 JP JP2007321481A patent/JP2009144789A/ja active Pending
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