JP2017050397A - 圧電素子、液体噴射ヘッド及び圧電デバイス - Google Patents

圧電素子、液体噴射ヘッド及び圧電デバイス Download PDF

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雅夫 中山
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雅夫 中山
栄樹 平井
Eiki Hirai
栄樹 平井
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本規 ▲高▼部
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横山 直人
Naoto Yokoyama
直人 横山
陽一 長沼
Yoichi Naganuma
陽一 長沼
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Abstract

【課題】能動部の端部に印加される電界を減少させて応力集中を抑制し、圧電体層の破壊を抑制して信頼性を向上した圧電素子及び液体噴射ヘッドを提供する。【解決手段】第1電極60と、前記第1電極60上方に設けられた圧電体層70と、前記圧電体層70の前記第1電極60とは反対側に設けられた第2電極80と、を具備し、前記圧電体層70は、前記第1電極60と前記第2電極80とで挟まれて少なくとも一端部が前記第2電極80で規定された能動部310を有し、前記第2電極80の前記能動部310を規定する前記一端部には、導電性を有し、且つ前記第2電極80よりも電気抵抗値が高い電界緩和部85が設けられている。【選択図】 図3

Description

本発明は、第1電極、圧電体層及び第2電極を具備する圧電素子、圧電素子を具備する液体噴射ヘッド及び圧電素子を具備する圧電デバイスに関する。
圧電素子を変形させて圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせることで、圧力発生室に連通するノズル開口から液滴を噴射させる液体噴射ヘッドが知られている。この液体噴射ヘッドの代表例としては、液滴としてインク滴を噴射させるインクジェット式記録ヘッドがある。
インクジェット式記録ヘッドは、例えば、ノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路形成基板の一方面側に圧電素子を備え、圧電素子の駆動によって振動板を変形させることで、圧力発生室内のインクに圧力変化を生じさせて、ノズル開口からインク滴を噴射させる。
ここで、圧電素子は、基板上に設けられた第1電極、圧電体層及び第2電極を具備する。このような圧電素子では、第1電極を複数の能動部に共通する共通電極とし、第2電極を各能動部の個別電極とした場合、第1電極と第2電極との間で電流がリークし、圧電素子が破壊される虞があるため、圧電素子を絶縁性の保護膜で覆う必要がある。しかしながら、圧電素子を保護膜で覆うことにより、電流のリークは抑制できるものの保護膜によって圧電素子の変位が阻害されて、変位特性が低下してしまうという問題がある。
このため、第1電極を各能動部の個別電極とし、第2電極を複数の能動部に共通して設けることで、保護膜を必要とすることなく、電流のリークによる破壊を抑制し、保護膜による変位低下を抑制したものが提案されている(特許文献1及び2等参照)。
特開2009−172878号公報 特開2009−078439号公報
しかしながら、第2電極の端部で能動部の端部を規定した場合、第2電極の能動部を規定する端部において圧電体層に電界が集中し、電界集中によって圧電体層が破壊されるなどの信頼性が低下してしまうという問題がある。
また、特許文献2の場合、第2電極の端部の厚さを漸減させたテーパー形状とすることで、第2電極の電気抵抗値を高めて、第2電極の端部における電界強度を減少させることができるが、第2電極の端部をテーパー形状にしただけでは電界強度の減少が不十分になってしまう虞がある。
なお、このような問題は、インクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。また、このような問題は、液体噴射ヘッドに用いられる圧電素子に限定されず、他の圧電デバイスに用いられる圧電素子においても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、能動部の端部に印加される電界を減少させて応力集中を抑制し、圧電体層の破壊を抑制して信頼性を向上した圧電素子、液体噴射ヘッド及び圧電デバイスを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、第1電極と、前記第1電極上方に設けられた圧電体層と、前記圧電体層の前記第1電極とは反対側に設けられた第2電極と、を具備し、前記圧電体層は、前記第1電極と前記第2電極とで挟まれて少なくとも一端部が前記第2電極で規定された能動部を有し、前記第2電極の前記能動部を規定する前記一端部には、導電性を有し、且つ前記第2電極よりも電気抵抗値が高い電界緩和部が設けられていることを特徴とする圧電素子にある。
かかる態様では、電界緩和部を設けることで、第2電極の端部の電気抵抗値を高くして、能動部の端部における電界を減少させることができる。したがって、応力集中による破壊を抑制することができる。
ここで、前記第2電極は、前記一端部に向かって厚さが徐々に漸減するテーパー形状を有することが好ましい。これによれば、第2電極の端部の厚さを徐々に漸減させることで、端部に行くに従い電気抵抗値を徐々に高くすることができるため、電界を能動部の端部に行くに従い徐々に減少させて応力集中を緩和することができる。
また、前記第2電極は、2層以上が積層されていてもよい。
また、前記電界緩和部は、前記第2電極の前記圧電体層とは反対面側に延設されていることが好ましい。これによれば、電界緩和部が第2電極の表面を覆うため、第2電極が酸化するのを抑制して、第2電極の電気抵抗値を下げて、能動部に印加する電圧を高めることができる。
また、前記圧電体層は、前記第2電極の前記一端部よりも外側に当該第2電極側に開口する溝部が設けられた非能動部を有し、前記溝部の側面と前記第2電極の端面とは連続する傾斜面となっていることが好ましい。これによれば、さらに能動部と非能動部との境界部分における電界を減少させて、応力集中による破壊を抑制することができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の圧電素子を具備することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、能動部の端部に印加される電界を減少させて応力集中を抑制し、圧電体層の破壊を抑制して信頼性を向上した液体噴射ヘッドを実現できる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の圧電素子を具備することを特徴とする圧電デバイスにある。
かかる態様では、能動部の端部に印加される電界を減少させて応力集中を抑制し、圧電体層の破壊を抑制して信頼性を向上した圧電デバイスを実現できる。
本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの流路形成基板の平面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの断面図及び拡大断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの要部を拡大した断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの要部を拡大した断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの要部を拡大した断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る記録ヘッドの要部を拡大した断面図である。 本発明の実施形態2に係る記録ヘッドの要部を拡大した断面図である。 本発明の実施形態3に係る記録ヘッドの要部を拡大した断面図である。 本発明の実施形態3に係る記録ヘッドの要部を拡大した断面図である。 本発明の一実施形態に係る液体噴射装置を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの斜視図であり、図2は、インクジェット式記録ヘッドの流路形成基板の平面図であり、図3は図2のA−A′線に準ずる断面図、図4及び図5は、図3の要部を拡大した断面図であり、図6は、図3のB−B′線に準ずる断面図である。
図示するように、本実施形態の液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドIが備える本実施形態の基板である流路形成基板10には、圧力発生室12が形成されている。そして、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12が同じ色のインクを吐出する複数のノズル開口21が並設される方向に沿って並設されている。以降、この方向を圧力発生室12の並設方向、又は第1の方向Xと称する。また、この第1の方向Xと直交する方向を、以降、第2の方向Yと称する。さらに、第1の方向X及び第2の方向Yの両方に直交する方向を、以降、第3の方向Zと称する。
また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向の一端部側、すなわち第1の方向Xに直交する第2の方向Yの一端部側には、インク供給路13と連通路14とが複数の隔壁11によって区画されている。連通路14の外側(第2の方向Yにおいて圧力発生室12とは反対側)には、各圧力発生室12の共通のインク室となるマニホールド100の一部を構成する連通部15が形成されている。すなわち、流路形成基板10には、圧力発生室12、インク供給路13、連通路14及び連通部15からなる液体流路が設けられている。
流路形成基板10の一方面側、すなわち圧力発生室12等の液体流路が開口する面には、各圧力発生室12に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって接合されている。すなわち、ノズルプレート20には、第1の方向Xにノズル開口21が並設されている。
流路形成基板10の他方面側には、振動板50が形成されている。本実施形態に係る振動板50は、流路形成基板10上に形成された弾性膜51と、弾性膜51上に形成された絶縁体膜52とで構成されている。なお、圧力発生室12等の液体流路は、流路形成基板10を一方面から異方性エッチングすることにより形成されており、圧力発生室12等の液体流路の他方面は、振動板50の弾性膜51で構成されている。
絶縁体膜52上には、第1電極60と、第1電極60の上方に設けられた圧電体層70と、圧電体層70の第1電極60とは反対側に設けられた第2電極80とを具備する圧電素子300が設けられている。本実施形態では、圧力発生室12が形成された流路形成基板10と、振動板50と、圧電素子300とが、圧電デバイスの一例であるアクチュエーター装置となっている。
このような圧電素子300を構成する第1電極60は、圧力発生室12毎に切り分けられて、後述する能動部310毎に独立する個別電極を構成する。この第1電極60は、圧力発生室の第2の方向Yにおいては、圧力発生室12の幅よりも狭い幅で形成されている。すなわち、圧力発生室12の第1の方向Xにおいて、第1電極60の端部は、圧力発生室12に対向する領域の内側に位置している。また、第2の方向Yにおいて、第1電極60の両端部は、それぞれ圧力発生室12の外側まで延設されている。なお、第1電極60の材料は、後述する圧電体層70を成膜する際に酸化しない、または、酸化しても導電性を維持できる材料が好ましく、例えば、白金(Pt)、イリジウム(Ir)等の貴金属、またはランタンニッケル酸化物(LNO)などに代表される導電性酸化物が好適に用いられる。
また、第1電極60として、前述の導電材料と、振動板50との間に、密着力を確保するための密着層を用いてもよい。本実施形態では、特に図示していないが密着層としてチタンを用いている。なお、密着層としては、ジルコニウム、チタン、酸化チタンなどを用いることができる。すなわち、本実施形態では、チタンからなる密着層と、上述した導電材料から選択される少なくとも一種の導電層とで第1電極60が形成されている。
圧電体層70は、第2の方向Yが所定の幅となるように、第1の方向Xに亘って連続して設けられている。圧電体層70の第2の方向Yの幅は、圧力発生室12の第2の方向Yの長さよりも広い。このため、圧力発生室12の第2の方向Yでは、圧電体層70は圧力発生室12の外側まで設けられている。
圧力発生室12の第2の方向Yにおいて、圧電体層70のインク供給路側の端部は、第1電極60の端部よりも外側に位置している。すなわち、第1電極60の端部は圧電体層70によって覆われている。また、圧電体層70のノズル開口21側の端部は、第1電極60の端部よりも内側(圧力発生室12側)に位置しており、第1電極60のノズル開口21側の端部は、圧電体層70に覆われていない。
圧電体層70は、第1電極60の上方に形成される電気機械変換作用を示す強誘電性セラミックス材料からなるペロブスカイト構造の結晶膜(ペロブスカイト型結晶)である。圧電体層70は、第1電極60の直上に設けられていても、また、他の部材を介して設けられていてもよい。すなわち、上方とは、直上も間に他の部材が介在した状態も含むものである。圧電体層70の材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電性圧電材料や、これに酸化ニオブ、酸化ニッケル又は酸化マグネシウム等の金属酸化物を添加したもの等を用いることができる。また、圧電体層70の材料としては、鉛を含む鉛系の圧電材料に限定されず、鉛を含まない非鉛系の圧電材料を用いることもできる。
圧電体層70は、詳しくは後述するが、ゾル−ゲル法、MOD(Metal-Organic Decomposition)法などの液相法や、スパッタリング法、レーザーアブレーション法等などのPVD(Physical Vapor Deposition)法(気相法)などで形成することができる。
このような圧電体層70には、各隔壁11に対応して流路形成基板10とは反対側に開口する凹形状を有する開口部71が形成されている。開口部71は、圧電体層70を厚さ方向である第3の方向Zに貫通して設けられている。この開口部71の第1の方向Xの幅は、各隔壁11の第1の方向の幅よりも広くなっている。これにより、振動板50の圧力発生室12の第1の方向Xの端部に対向する部分、いわゆる振動板50の腕部の剛性が押さえられるため、圧電素子300を良好に変位させることができる。すなわち、基本的に各隔壁11上には圧電体層70が形成されていない。ちなみに、隔壁11の第2の方向Yの端部において、隔壁11上に圧電体層70は形成されていてもよい。つまり、開口部71の第2の方向Yの長さは、圧力発生室12より長く、圧力発生室12の端部よりも外側まで延設されていてもよく、圧力発生室12よりも短く、圧力発生室12の端部よりも内側に設けられていてもよい。
第2電極80は、圧電体層70の第1電極60とは反対面側に設けられており、複数の能動部310に共通する共通電極を構成する。なお、第2電極80は、圧電体層70の上方に設けられていればよく、圧電体層70の直上であっても間に他の部材が介在してもよい。本実施形態では、第2電極80は、圧電体層70側に設けられた第1層81と、第1層81の圧電体層70とは反対側に設けられた第2層82と、を具備する。
第1層81は、圧電体層70との界面を良好に形成できること、絶縁性及び圧電特性を発揮できる材料が望ましく、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、タングステン(W)、チタン(Ti)等の金属材料、及びランタンニッケル酸化物(LNO)に代表される導電性酸化物が好適に用いられる。また、第1層81は、複数材料の積層であってもよい。本実施形態では、イリジウム(Ir)とチタン(Ti)との積層電極(イリジウムが圧電体層70と接する)を使用している。そして、第1層81は、スパッタリング法、レーザーアブレーション法などのPVD(Physical Vapor Deposition)法(気相法)や、ゾル−ゲル法、MOD(Metal-Organic Decomposition)法、メッキ法などの液相法により形成することができる。また、第1層81の形成後に、加熱処理を行うことにより、圧電体層70の特性改善を行うことができる。このような第1層81は、圧電体層70上のみ、すなわち、圧電体層70の流路形成基板10とは反対側の表面上のみに形成されている。
また、第2電極80を構成する第2層82は、導電性を有する材料、例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、タングステン(W)、チタン(Ti)等の金属材料、及びランタンニッケル酸化物(LNO)に代表される導電性酸化物を用いることができる。もちろん、第2層82は、上記金属材料の単一材料であっても、複数の材料が混合した複数材料であってもよい。また、第1層81と第2層82との間に、チタン等を設けるようにしてもよい。本実施形態では、第2層82として、イリジウム(Ir)とチタン(Ti)との積層電極を使用している。
このような第2層82は、本実施形態では、第1層81上と、第1層81が設けられていない圧電体層70の側面上と、第1電極60上と、に亘って連続して設けられている。すなわち、第2層82は、圧電体層70の開口部71によって露出された側面と、開口部71の底面である振動板50上、つまり、開口部71の内面と、に亘って設けられている。なお、第1層81及び第2層82のそれぞれの厚さは、第2電極80の電気抵抗値及び第2電極80による圧電素子300の変位の拘束などに基づいて適宜設定すればよい。ちなみに、第1層81上の第2層82と、第1電極60上の第2層82とは、除去部83を介して電気的に切断されている。すなわち、第1層81上の第2層82と、第1電極60上の第2層82とは、同一層からなるが電気的に不連続となるように形成されている。ここで、除去部83は、圧電体層70上のノズル開口21側に設けられており、第2電極80を、すなわち、第1層81及び第2層82を厚さ方向である第3の方向Zに貫通して電気的に切断するものである。このような除去部83は、第1の方向Xに亘って連続して第2電極80を第3の方向Zに貫通して設けられている。また、除去部83によって切断された第2電極80の端部は、当該端部に向かって第3の方向Zの厚さが徐々に漸減するテーパー形状となっている。
このような第1電極60、圧電体層70及び第2電極80で構成される圧電素子300は、第1電極60と第2電極80との間に電圧を印加することで変位が生じる。すなわち両電極の間に電圧を印加することで、第1電極60と第2電極80とで挟まれている圧電体層70に圧電歪みが生じる。そして、両電極に電圧を印加した際に、圧電体層70に圧電歪みが生じる部分を能動部310と称する。これに対して、圧電体層70に圧電歪みが生じない部分を非能動部と称する。また、圧電体層70に圧電歪みが生じる能動部310において、圧力発生室12に対向する部分を可撓部と称し、圧力発生室12の外側の部分を非可撓部と称する。
本実施形態では、第2の方向Yにおいて、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80の全てが圧力発生室12の外側まで連続的に設けられている。すなわち能動部310が圧力発生室12の外側まで連続的に設けられている。このため、能動部310のうち圧電素子300の圧力発生室12に対向する部分が可撓部となり、圧力発生室12の外側の部分が非可撓部となっている。
すなわち、本実施形態では、図4及び図5に示すように、第2の方向Yにおいて、能動部310の一端部は、除去部83が設けられた第2電極80によって規定されている。すなわち、能動部310の一端部において、第1電極60は、第2電極80よりも第2の方向Yの外側まで延設されており、第2電極80の端部が第1電極60に相対向する位置に設けられることで、能動部310の一端部が規定されている。また、第2の方向Yにおいて、能動部310の除去部83とは反対側の他端部は、第1電極60の端部によって規定されている。
ここで、能動部310の第2の方向Yの一端部を規定する第2電極80の端部には、導電性を有し、且つ第2電極80よりも高い電気抵抗値を有する電界緩和部85が設けられている。
電界緩和部85の材料としては、第2電極80の電界緩和部85以外の部分(以下、第2電極80の主要部とも称する)よりも高い電気抵抗値を有し、導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、第2電極80の主要部とは別物質(不純物)のイオンを注入することで形成することができる。すなわち、電界緩和部85は、第2電極80の主要部を構成する物質とは別物質の不純物で且つ第2電極80の電気抵抗値を高くすることができるもの、例えば、酸素(O)、窒素(N)、ホウ素(B)、炭素(C)、フッ素(F)、リン(P)及び硫黄(S)からなる群から選択される少なくとも1つのイオンを第2電極80に注入して形成することができる。
また、電界緩和部85は、成膜により形成してもよい。すなわち、第2電極80の主要部となる層と、電界緩和部85となる層とを積層することで形成してもよい。なお、電界緩和部85を積層する場合には、電界緩和部85の材料は特に限定されず、第2電極80と同じ材料で且つ組成によって電気抵抗値が異なるもの、第2電極80の主要部とは全く異なるニクロム、クロム等の金属材料やランタンニッケル酸化物等の酸化金属、導電性樹脂等を用いることができる。本実施形態では、第2電極80の端部に酸素イオンを注入することで、第2電極80の一部を酸化して電界緩和部85を設けた。すなわち、本実施形態の電界緩和部85は、酸化チタン及び酸化イリジウムからなる。また、本実施形態では、詳しくは後述するが、第2電極80の一部を酸化する際に、同時に除去部83を形成する第2電極80と同一層からなるが不連続となる電極層の端部にも酸素イオンが注入されて酸化されている。
なお、電界緩和部85の基準となる第2電極80の電気抵抗値とは、第2電極80の電界緩和部85以外の主要部の電気抵抗値のことである。また、第2電極80の主要部の電気抵抗値とは、本実施形態では、第2電極80が第1層81及び第2層82で構成されているため、これら第2電極80を構成する第1層81及び第2層82を合わせた電気抵抗値(合成抵抗)のことである。
このように、能動部310の端部を規定する第2電極80の端部を電界緩和部85とすることで、電界緩和部85によって能動部310の端部に印加される電界を、能動部310の第2の方向Yの中央部、すなわち主要部に印加される電界に比べて小さくすることができる。すなわち、電界緩和部85は、導電性を有するため、第2電極80の一部として機能するものであるが、電界緩和部85は第2電極80の主要部よりも電気抵抗値が高いため、電界緩和部85と第1電極60との間に印加される電界強度は、第2電極80の主要部と第1電極60との間に印加される電界強度よりも小さくなる。また、第2電極80の端部は、厚さが徐々に漸減するテーパー形状を有するため、これによっても、第2電極80の端部に向かって電気抵抗値が徐々に高くなり、第2電極80の端部における電界強度を小さくすることができる。このように能動部310の端部の電界を低減することで、能動部310と非能動部との境界部分に応力が集中するのを抑制して、応力集中による破壊を抑制することができ、信頼性を向上することができる。また、能動部310の第2の方向Yの一端部における電界を低減するだけで、能動部310の主要部の電界を低減することがないため、能動部310の主要部に十分な電界を印加して、十分な圧電特性、すなわち、小さな電圧で大きな変位を行わせる変位特性を得ることができる。
また、能動部310の第1の方向Xの端部は、第1電極60によって規定されている。そして、第1電極60の第1の方向Xの端部は、圧力発生室12に相対向する領域内に設けられている。したがって、能動部310の第1の方向Xの端部は、可撓部に設けられていることになり、第1の方向Xにおいて、能動部310と非能動部との境界における応力が振動板の変形によって開放される。このため、能動部310の第1の方向Xの端部における応力集中に起因する焼損やクラック等の破壊を抑制することができる。
このような圧電素子300では、第2電極80が、圧電体層70を覆っているため、第1電極60と第2電極80との間で電流がリークすることがなく、圧電素子300の破壊を抑制することができる。ちなみに、第1電極60と第2電極80とが近接した状態で露出されていると、圧電体層70の表面を電流がリークし、圧電体層70が破壊されてしまう。ちなみに、第1電極60と第2電極80とが露出されていても距離が近くなければ、電流のリークは発生しない。したがって、圧電素子300を覆う絶縁性の保護膜等が不要となり、保護膜による圧電素子300の変位特性の低下を抑制することができる。
さらに、このような圧電素子300の第1電極60と、第2電極80とには、図4及び図5に示すように、本実施形態の配線層である個別リード電極91と、共通リード電極92とが接続されている。
個別リード電極91及び共通リード電極92(以降、両者を合わせてリード電極90と称する)は、本実施形態では、同一層からなるが、電気的に不連続となるように形成されている。具体的には、リード電極90は、第2電極80の第2層82側に設けられた密着層191と、密着層191上に設けられた導電層192と、を具備する。
密着層191は、第2層82、振動板50等と導電層192との密着性を向上させるためのものであり、その材料としては、例えば、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、ニッケルクロム(NiCr)、チタン(Ti)、チタンタングステン(TiW)等を用いることができる。もちろん、密着層191は、上述したものを単一材料として用いたものであってもよく、また、複数の材料が混合した複数材料であってもよく、さらに、異なる材料の複数層を積層したものであってもよい。本実施形態では、密着層191としてニッケルクロム(NiCr)を用いた。
また、導電層192は、比較的導電性の高い材料であれば特に限定されず、例えば、金(Au)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等を用いることができる。本実施形態では、導電層192として金(Au)を用いた。
ここで、個別リード電極91は、圧電体層70の外側に設けられた第1電極60上に設けられている。ちなみに、第1電極60上には、上述したように第2電極80の第2層82と同一層からなるが、第2層82とは不連続となる電極層が設けられている。このため、第1電極60と個別リード電極91とは、この第2層82と同一層で且つ第2層82とは不連続な電極層を介して電気的に接続されている。
共通リード電極92は、第2電極80上(圧電体層70の第2電極80上)に設けられている。このような共通リード電極92は、図1及び図2に示すように、流路形成基板10の第1の方向Xの両端部に、第2の方向Yに連続して振動板50上に引き出されている。
また、共通リード電極92は、第2の方向Yにおいて、圧力発生室12の両側のそれぞれの壁面上で可撓部と非可撓部との境界部分に跨って設けられた延設部93を有する。延設部93は、複数の能動部310の第1の方向Xに亘って連続して設けられており、第1の方向Xの両端部で共通リード電極92に連続する。このように、延設部93を設けることで、可撓部と非可撓部との境界における応力集中における圧電体層70の破壊を抑制することができる。
なお、本実施形態では、能動部310の除去部83とは反対側の端部を、第1電極60によって規定するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、能動部310の他端部を第2電極80によって規定するようにしてもよい。この場合には、能動部310の一端部側と同様に、第2電極80の他端部に電界緩和部を設けるようにすればよい。これにより、延設部93を能動部310の他端部と非能動部との境界に跨がって設けないようにしてもよい。もちろん、延設部93は、可撓部と非可撓部との境界に跨がって設けるようにしてもよく、また、延設部93を全く設けないようにしてもよい。
また、本実施形態では、除去部83側には、電界緩和部85を設け、この電界緩和部85が除去部83側における可撓部と非可撓部との境界部分に近いため、電界緩和部85によって境界部分における応力集中を抑制することができる。したがって、第2の方向Yにおいて、除去部83側における圧力発生室12の壁面上、すなわち、除去部83側の可撓部と非可撓部との境界部分には延設部93を設けないようにしてもよい。
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、図3に示すように、圧電素子300を保護する保護基板30が接着剤35によって接合されている。保護基板30には、圧電素子300を収容する空間を画成する凹部である圧電素子保持部31が設けられている。また保護基板30には、マニホールド100の一部を構成するマニホールド部32が設けられている。マニホールド部32は、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部15と連通している。また保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。各能動部310の第1電極60に接続されたリード電極90は、この貫通孔33内に露出しており、図示しない駆動回路に接続される接続配線の一端が、この貫通孔33内でリード電極90に接続されている。
保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料からなり、この封止膜41によってマニホールド部32の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料で形成される。この固定板42のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIでは、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導入口からインクを取り込み、マニホールド100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの第1電極60と第2電極80との間に電圧を印加する。これにより圧電素子300と共に振動板50がたわみ変形して各圧力発生室12内の圧力が高まり、各ノズル開口21からインク滴が噴射される。
ここで、このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドの製造方法について説明する。なお、図7〜図21は、インクジェット式記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。
まず、図7に示すように、流路形成基板10が複数一体的に形成されるシリコンウェハーである流路形成基板用ウェハー110の表面に振動板50を形成する。本実施形態では、流路形成基板用ウェハー110を熱酸化することによって形成した二酸化シリコン(弾性膜51)と、スパッタリング法で成膜後、熱酸化することによって形成した酸化ジルコニウム(絶縁体膜52)との積層からなる振動板50を形成した。
次いで、図8に示すように、絶縁体膜52上の全面に第1電極60を形成する。この第1電極60の材料は特に限定されないが、例えば、高温処理でも酸化しない、または、酸化しても導電性を維持できる材料が好ましく、白金、イリジウム等の金属や、酸化イリジウム、ランタンニッケル酸化物などの導電性酸化物、及びこれらの材料の積層材料が好適に用いられる。また、第1電極60は、例えば、スパッタリング法やPVD法(物理蒸着法)、レーザーアブレーション法などの気相成膜、スピンコート法などの液相成膜などにより形成することができる。また、前述の導電材料と、振動板50との間に、密着力を確保するための密着層を用いてもよい。本実施形態では、特に図示していないが密着層としてチタンを用いている。なお、密着層としては、ジルコニウム、チタン、酸化チタンなどを用いることができる。また、電極表面(圧電体層70の成膜側)に圧電体層70の結晶成長を制御するための制御層を形成してもよい。本実施形態では、圧電体層70(PZT)の結晶制御としてチタンを使用している。チタンは、圧電体層70の成膜時に圧電体層70内に取り込まれるため、圧電体層70形成後には膜として存在していない。結晶制御層としては、ランタンニッケル酸化物などのペロブスカイト型結晶構造の導電性酸化物などを使用してもよい。
次に、本実施形態では、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電体層70を形成する。ここで、本実施形態では、金属錯体を溶媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて圧電体層70を形成している。なお、圧電体層70の製造方法は、ゾル−ゲル法に限定されず、例えば、MOD(Metal-Organic Decomposition)法やスパッタリング法又はレーザーアブレーション法等のPVD(Physical Vapor Deposition)法等を用いてもよい。すなわち、圧電体層70は液相法、気相法の何れで形成してもよい。本実施形態では、複数層の圧電体膜74を積層することで圧電体層70を形成するようにした。
具体的には、図9に示すように、第1電極60上に1層目の圧電体膜74を形成した段階で、第1電極60及び1層目の圧電体膜74をそれらの側面が傾斜するように同時にパターニングする。なお、第1電極60及び1層目の圧電体膜74のパターニングは、例えば、反応性イオンエッチング(RIE)、イオンミリング等のドライエッチングにより行うことができる。
ここで、例えば、第1電極60をパターニングしてから1層目の圧電体膜74を形成する場合、フォト工程・イオンミリング・アッシングして第1電極60をパターニングするため、第1電極60の表面や、表面に設けた図示しないチタン等の結晶種層などが変質してしまう。そうすると変質した面上に圧電体膜74を形成しても当該圧電体膜74の結晶性が良好なものではなくなり、2層目以降の圧電体膜74も1層目の圧電体膜74の結晶状態に影響して結晶成長するため、良好な結晶性を有する圧電体層70を形成することができない。
それに比べ、1層目の圧電体膜74を形成した後に第1電極60と同時にパターニングすれば、1層目の圧電体膜74はチタン等の結晶種に比べて2層目以降の圧電体膜74を良好に結晶成長させる種(シード)としても性質が強く、たとえパターニングで表層に極薄い変質層が形成されていても2層目以降の圧電体膜74の結晶成長に大きな影響を与えない。
なお、2層目の圧電体膜74を成膜する前に露出した振動板50上(本実施形態では、酸化ジルコニウムである絶縁体膜52)に、2層目以降の圧電体膜74を成膜するときに、結晶制御層(中間結晶制御層)を用いてもよい。本実施形態では、中間結晶制御層としてチタンを用いるようにした。このチタンからなる中間結晶制御層は、第1電極60上に形成する結晶制御層のチタンと同様に、圧電体膜74を成膜する際に圧電体膜74に取り込まれる。ちなみに、中間結晶制御層は、中間電極または直列接続されるコンデンサの誘電体となってしまった場合、圧電特性の低下を引き起こす。このため、中間結晶制御層は、圧電体膜74(圧電体層70)に取り込まれ、圧電体層70の成膜後に膜として残らないものが望ましい。
次に、図10に示すように、2層目以降の圧電体膜74を積層することにより、複数層の圧電体膜74からなる圧電体層70を形成する。
ちなみに、2層目以降の圧電体膜74は、絶縁体膜52上、第1電極60及び1層目の圧電体膜74の側面上、及び1層目の圧電体膜74上に亘って連続して形成される。
次に、図11に示すように、圧電体層70上に第2電極80を構成する第1層81を形成する。本実施形態では、特に図示していないが、まず、圧電体層70上にイリジウムを有するイリジウム層と、イリジウム層上にチタンを有するチタン層とを積層する。なお、このイリジウム層及びチタン層は、スパッタリング法やCVD法等によって形成することができる。その後、イリジウム層及びチタン層が形成された圧電体層70をさらに再加熱処理(ポストアニール)する。このように再加熱処理することで、圧電体層70の第2電極80側にイリジウム層等を形成した際のダメージが発生しても、再加熱処理を行うことで、圧電体層70のダメージを回復して、圧電体層70の圧電特性を向上することができる。また、ポストアニールを行うことで、圧電体層70の圧電特性の向上及び圧電特性の均一化を行うことができる。
次に、図12に示すように、第1層81及び圧電体層70を各圧力発生室12に対応してパターニングする。本実施形態では、第1層81上に所定形状に形成したマスク(図示なし)を設け、このマスクを介して第1層81及び圧電体層70をエッチングする、いわゆるフォトリソグラフィーによってパターニングした。なお、圧電体層70のパターニングは、例えば、反応性イオンエッチングやイオンミリング等のドライエッチングが挙げられる。これにより、圧電体層70はパターニングされて開口部71(図2参照)等が形成される。
次に、図13に示すように、流路形成基板用ウェハー110の一方面側(圧電体層70が形成された面側)に亘って、すなわち、第1層81上、圧電体層70をパターニングした側面上、絶縁体膜52上、及び第1電極60上等に亘って、第2層82を形成することで第2電極80を形成する。
次に、図14に示すように、第2電極80上に所定形状のマスク200を形成する。マスク200には、第2電極80の除去部83を形成する部分に開口を設ける。
次に、図15に示すように、マスク200を介して第2電極80をエッチングすることにより、第2電極80をパターニングする。これにより、除去部83等を形成する。
次に、図16に示すように、マスク200を介して第2電極80を酸素プラズマ処理することにより、第2電極80のマスク200によって覆われていない端部に、上記工程で形成した第2電極80を構成する物質とは別物質のイオンを照射して、第2電極80の端部に第2電極80を構成する物質と注入されたイオンとで化合物(不純物)を生成して電界緩和部85を形成する。本実施形態では、第2電極80を酸素プラズマ処理することで、酸素イオンを注入して第2電極80の端部を酸化することで、電界緩和部85を形成した。なお、第2電極80の酸素プラズマ処理は、例えば、反応性イオンエッチング(RIE)装置を用いて行うことができる。本実施形態では、RIE装置において、酸素100sccm、圧力1.033Pa、出力500Wで、60秒間の酸素プラズマ処理を行った。
また、このとき、第2電極80の第2の方向Yの端部は、厚さが徐々に漸減した、すなわち、端面が第3の方向Zに対して傾斜した傾斜面となっている。このため、第2電極80の端部側にはイオンが多く注入され、第2電極80の主要部側、すなわち、マスク200で覆われた側には、イオンが少なく注入されて、第2電極80の傾斜した端面に亘って電界緩和部85が形成される。すなわち、第2電極80の一端部側ほどイオン濃度が濃く、電気抵抗値が高くなり、第2電極80の主要部側ほどイオン濃度が低く電気抵抗値を低くすることができる。これにより、第2電極80の電界緩和部85において、能動部310の端部ほど電気抵抗値を高くすることができ、能動部310の端部に向かって電界を徐々に減少させて、能動部310の端部における応力集中をさらに緩和させることができる。
なお、第2電極80に酸素イオンを注入して電界緩和部85を形成する場合、マスク200によって覆われていない部分、すなわち、絶縁体膜52にも酸素イオンが注入されるが、絶縁体膜52は、酸化ジルコニウムからなるため、酸素イオンが注入されても性質に変化は現れない。このように電界緩和部85を第2電極80に酸素イオンを注入することで形成すれば、絶縁体膜52を保護する必要がなく、製造工程を簡略化してコストを低減することができると共に、振動板50の変位特性を阻害することがなく、優れた変位特性を有する圧電素子300及び振動板50を形成することができる。
次に、図17に示すように、マスク200を除去した後、流路形成基板用ウェハー110の一方面の全面に亘ってリード電極90を形成する。本実施形態では、密着層191と、導電層192とを積層することでリード電極90を形成した。
次に、図18に示すように、リード電極90を所定形状にパターニングする。リード電極90のパターニングでは、先に導電層192をウェットエッチング等でパターニングした後、密着層191をウェットエッチングによってパターニングすればよい。
次に、図19に示すように、流路形成基板用ウェハー110の圧電素子300側に、シリコンウェハーであり複数の保護基板30となる保護基板用ウェハー130を接着剤35を介して接合した後、流路形成基板用ウェハー110を所定の厚みに薄くする。
次いで、図20に示すように、流路形成基板用ウェハー110にマスク53を新たに形成し、所定形状にパターニングする。そして、図21に示すように、マスク53を介して流路形成基板用ウェハー110をKOH等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)することにより、圧電素子300に対応する圧力発生室12、インク供給路13、連通路14及び連通部15等を形成する。
その後は、流路形成基板用ウェハー110及び保護基板用ウェハー130の外周縁部の不要部分を、例えば、ダイシング等により切断することによって除去する。そして、流路形成基板用ウェハー110の保護基板用ウェハー130とは反対側の面にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると共に、保護基板用ウェハー130にコンプライアンス基板40を接合し、流路形成基板用ウェハー110等を図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10等に分割することによって、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドとする。
(実施形態2)
図22及び図23は、本発明の実施形態2に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの要部を拡大した断面図である。なお、上述した実施形態1と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図示するように、本実施形態では、圧電素子300の能動部310の一端部を規定する第2電極80の端部には、電界緩和部85Aが設けられている。この電界緩和部85Aは、第2電極80の端面上から第2電極80の上面、すなわち、第2電極80の圧電体層70とは反対側の面上に亘って延設されている。
このような構成であっても、上述した実施形態1と同様に、第2電極80の端部に電界緩和部85Aを設けることによって、能動部310の端部における電界を減少させて、応力集中による破壊を抑制することができる。なお、電界緩和部85Aは、例えば、上述した実施形態1の工程において、第2電極80をパターニングするマスク200を除去した後に、熱処理を行うことで形成できる。例えば、第2電極80をイリジウムとチタンで形成した場合、最表層のチタンの端部に露出しているイリジウムが酸化し、電界緩和部85Aとなる。このとき表面に露出していないイリジウムは酸化されないため、第2電極80の電気抵抗値を低く保つことができる。もちろん、電界緩和部85Aを第2電極80上に別途成膜するようにしてもよい。このように電界緩和部85Aを設けることで、その下の第2電極80は酸化されないため、第2電極80の電気抵抗値を下げて、能動部310に印加する電圧を高めることができる。特に、本実施形態では、第2電極80が複数の能動部310の共通電極であるため、第2電極80の電気抵抗値を下げて安定した動作を行わせることができる。
(実施形態3)
図24及び図25は、本発明の実施形態3に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの要部を拡大した断面図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図示するように、本実施形態では、圧電素子300の能動部310の一端部を規定する第2電極80の端部には、上述した実施形態1と同様の電界緩和部85が設けられている。
また、第2の方向Yにおいて、圧電体層70の能動部310の外側の非能動部は、能動部310よりも第3の方向Zの厚さが薄くなっている。本実施形態では、除去部83によって露出された圧電体層70の非能動部には、除去部83に開口する溝部75が設けられることで、非能動部の厚さが能動部310に比べて薄くなっている。そして、溝部75の内側面は、電界緩和部85の端面に連続する傾斜面となっている。なお、このような圧電体層70の溝部75は、第2電極80をエッチングする際に、圧電体層70の一部をオーバーエッチングすることで形成することができる。
このように、能動部310に連続する非能動部の圧電体層70の厚さを薄くすることで、能動部310の第2電極80から非能動部に電圧が印加された場合であっても、さらに電界を減少させて応力集中を抑制することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態1及び2では、各能動部310の圧電体層70が連続的に設けられた構成を例示したが、勿論、圧電体層70は、能動部310毎に独立して設けられていてもよい。すなわち、開口部71が第2の方向Yに亘って設けられており、能動部310毎に圧電体層70が完全に切り分けられていてもよい。もちろん、圧電体層70に開口部71を設けないようにしてもよい。
また、上述した実施形態1及び2では、第2電極80を第1層81と第2層82とを積層したものとしたが、特にこれに限定されず、第2電極80は単層であっても3層以上に積層したものであってもよい。
また、上述した実施形態1及び2では、基板である流路形成基板10に凹部である圧力発生室12が厚さ方向である第3の方向Zに貫通して設けられた構成を例示したが、特にこれに限定されず、例えば、圧力発生室12が流路形成基板10を第3の方向Zに貫通して設けられていなくてもよい。すなわち、圧力発生室12が振動板50側に開口して設けられており、圧力発生室12とノズル開口21とがノズル連通路等を介して連通していてもよい。また、圧力発生室12をノズル開口21側に開口するように設け、流路形成基板10の圧電素子300側の一部を残して、残した部分を振動板の一部として用いるようにしてもよい。つまり、凹部とは、流路形成基板10等の基板を厚さ方向に貫通するものも、何れか一方面のみに開口するものも含むものである。
また、インクジェット式記録ヘッドIは、例えば、図26に示すように、インクジェット式記録装置IIに搭載される。
図26に示すように、インクジェット式記録ヘッドIを有する記録ヘッドユニット1A、1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A、2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A、1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動可能に設けられている。この記録ヘッドユニット1A、1Bは、例えば、ブラックインク組成物及びカラーインク組成物を噴射する。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A、1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4には搬送手段としての搬送ローラー8が設けられており、紙等の記録媒体である記録シートSが搬送ローラー8により搬送されるようになっている。なお、記録シートSを搬送する搬送手段は、搬送ローラーに限られずベルトやドラム等であってもよい。
なお、上述した例では、インクジェット式記録装置IIとして、インクジェット式記録ヘッドIがキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、その構成は特に限定されるものではない。インクジェット式記録装置IIは、例えば、インクジェット式記録ヘッドIを固定し、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させることで印刷を行う、いわゆるライン式の記録装置であってもよい。
また、上述した例では、インクジェット式記録装置IIは、液体貯留手段であるカートリッジ2A、2Bがキャリッジ3に搭載された構成であるが、特にこれに限定されず、例えば、インクタンク等の液体貯留手段を装置本体4に固定して、液体貯留手段とインクジェット式記録ヘッドIとをチューブ等の供給管を介して接続してもよい。また、液体貯留手段がインクジェット式記録装置に搭載されていなくてもよい。
なお、上記実施の形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを、また液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド及び液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドや液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置にも適用できる。
また、本発明は、液体噴射ヘッドに用いられる圧電素子に限定されず、その他の圧電デバイスにも用いることができる。その他の圧電デバイスとしては、例えば、超音波発信器等の超音波デバイス、超音波モーター、圧電トランス等が挙げられる。また、センサーとして用いられる圧電素子にも本発明は適用可能である。圧電素子が用いられるセンサーとしては、例えば、赤外線センサー、超音波センサー、感熱センサー、圧力センサー及び焦電センサー等が挙げられる。
I…インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、II…インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、10…流路形成基板、11…隔壁、12…圧力発生室、13…インク供給路、14…連通路、15…連通部、20…ノズルプレート、21…ノズル開口、30…保護基板、31…圧電素子保持部、32…マニホールド部、33…貫通孔、35…接着剤、40…コンプライアンス基板、41…封止膜、42…固定板、43…開口部、50…振動板、51…弾性膜、52…絶縁体膜、60…第1電極、70…圧電体層、71…開口部、75…溝部、80…第2電極、83…除去部、85、85A…電界緩和部、90…リード電極、100…マニホールド、200…マスク、300…圧電素子、310…能動部

Claims (8)

  1. 第1電極と、
    前記第1電極上方に設けられた圧電体層と、
    前記圧電体層の前記第1電極とは反対側に設けられた第2電極と、を具備し、
    前記圧電体層は、前記第1電極と前記第2電極とで挟まれて少なくとも一端部が前記第2電極で規定された能動部を有し、
    前記第2電極の前記能動部を規定する前記一端部には、導電性を有し、且つ前記第2電極よりも電気抵抗値が高い電界緩和部が設けられていることを特徴とする圧電素子。
  2. 前記第2電極は、前記一端部に向かって厚さが徐々に漸減するテーパー形状を有することを特徴とする請求項1記載の圧電素子。
  3. 前記第2電極は、2層以上が積層されていることを特徴とする請求項1又は2記載の圧電素子。
  4. 前記電界緩和部は、前記第2電極の前記圧電体層とは反対面側に延設されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の圧電素子。
  5. 前記圧電体層は、前記第2電極の前記一端部よりも外側に当該第2電極側に開口する溝部が設けられた非能動部を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の圧電素子。
  6. 前記溝部の側面と前記第2電極の端面とは連続する傾斜面となっていることを特徴とする請求項5に記載の圧電素子。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の圧電素子を具備することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  8. 請求項1〜6の何れか一項に記載の圧電素子を具備することを特徴とする圧電デバイス。
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