JP2017049519A - 積層型電子写真感光体 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気特性及び耐摩耗性を両立させることが可能な積層型電子写真感光体を提供する。【解決手段】積層型電子写真感光体は、感光層を備える。感光層として、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送層とを備える。電荷輸送層は一層である。電荷輸送層は最表面層として配置される。電荷輸送層は、電荷輸送剤、バインダー樹脂、フタロシアニン顔料及びシリカ粒子を含有する。シリカ粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上15質量部以下である。シリカ粒子の平均一次粒径は、50nm以上150nm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、積層型電子写真感光体に関する。
電子写真方式のプリンター又は複合機においては、像担持体として電子写真感光体が用いられている。電子写真感光体は、感光層を備える。電子写真感光体としては、例えば、積層型電子写真感光体が用いられる。積層型電子写真感光体は、感光層として、電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを備える。
特許文献1に記載の電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも感光層を有する。電子写真感光体の表面層が、シロキサン構造の繰り返し単位を含む変性ポリカーボネート共重合体を含有する。電子写真感光体の表面層が、体積平均粒径が0.005μm以上0.05μm未満であるシリカ粒子を含有する。
特開2001−66800号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電子写真感光体では、電子写真感光体の電気特性及び耐摩耗性を両立させることは困難である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電気特性及び耐摩耗性を両立させることが可能な積層型電子写真感光体を提供することにある。
本発明に係る積層型電子写真感光体は、感光層を備える。前記感光層として、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送層とを備える。前記電荷輸送層は一層である。前記電荷輸送層は最表面層として配置される。前記電荷輸送層は、電荷輸送剤、バインダー樹脂、フタロシアニン顔料及びシリカ粒子を含有する。前記シリカ粒子の含有量は、前記バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上15質量部以下である。前記シリカ粒子の平均一次粒径は、50nm以上150nm以下である。
本発明によれば、電気特性及び耐摩耗性を両立させることが可能な積層型電子写真感光体を提供することができる。
(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る積層型電子写真感光体の構造を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。また、化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。化学式中の「−OMe」、「−n−Bu」及び「n−C1837」は、各々、メトキシ基、n−ブチル基、n−オクタデシル基を表す。
以下、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカン及び炭素原子数6以上14以下のアリール基は、各々、次の意味である。
炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換の炭素原子数1以上8以下のアルキル基である。炭素原子数1以上8以下のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基又はオクチル基が挙げられる。
炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換の炭素原子数1以上6以下のアルキル基である。炭素原子数1以上6以下のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基又はヘキシル基が挙げられる。
炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換の炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基である。炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基又はオクチルオキシ基が挙げられる。
炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換の炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基である。炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基又はヘキシルオキシ基が挙げられる。
炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンは、例えば、炭素原子数5以上7以下の非置換のシクロアルカンである。炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンの例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン又はシクロヘプタンが挙げられる。
炭素原子数6以上14以下のアリール基は、例えば、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族単環炭化水素基、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合二環炭化水素基又は素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合三環炭化水素基である。炭素原子数6以上14以下のアリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基又はフェナントリル基が挙げられる。
<積層型感光体>
本発明の実施形態は、積層型電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある)に関する。本実施形態に係る感光体は、感光層を備える。感光体は、感光層として、電荷発生層と電荷輸送層とを備える。
以下、図1を参照して、本実施形態における感光体10の構造を説明する。図1は、本実施形態における感光体10の構造を示す概略断面図である。
図1(a)に示すように、感光体10は、例えば、導電性基体11と、感光層12とを備える。感光体10は、感光層12として、電荷発生層13と電荷輸送層14とを備える。導電性基体11上に電荷発生層13が配置される。
電荷輸送層14は一層(単層)である。電荷発生層13上に電荷輸送層14が最表面層として配置される。後述する所定の成分を含有する一層構造の電荷輸送層14が最表面層として配置されることにより、感光体の耐摩耗性を向上させることができる。また、電荷輸送層14の膜厚は、電荷発生層13の膜厚と比べて薄いことが多い。電荷輸送層14が最表面層として配置されることにより、感光体10を長期間使用した場合であっても、電荷発生層13の磨耗及び破損を抑制できる傾向がある。なお、電荷発生層13は、単層であってもよく、複数層であってもよい。
電荷輸送層が一層であること及び最表面層として配置されることは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子株式会社製「JSM−6700F」)を用いて確認される。詳しくは、感光層の断面を形成する。TEMを用いて、感光層の断面の画像を撮影する。得られた画像を観察し、電荷輸送層が一層であること及び最表面層として配置されることを確認する。
図1(b)に示すように、感光体10は、導電性基体11と感光層12と中間層(下引き層)15とを備えていてもよい。図1(b)に示すように、中間層15は、導電性基体11と電荷発生層13との間に設けられてもよい。中間層15は、電荷発生層13と電荷輸送層14との間に設けられてもよい。
以上、図1を参照して、本実施形態に係る感光体10の構造を説明した。続いて、本実施形態に係る感光体の要素を説明する。
<1.導電性基体>
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いられる限り、特に限定されない。導電性基体は、少なくとも表面部が導電性を有する材料で形成されていればよい。導電性基体の一例は、導電性を有する材料で形成される導電性基体である。導電性基体の別の例は、導電性を有する材料で被覆される導電性基体である。導電性を有する材料で被覆される導電性基体として具体的には、導電性を有する材料が蒸着又はラミネートされたプラスチック又はガラスが挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮、ヨウ化アルミニウム、アルマイト、酸化スズ又は酸化インジウムが挙げられる。これらの導電性を有する材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて(例えば、合金として)用いてもよい。
これらの導電性を有する材料の中でも、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることからアルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
導電性基体の形状は、導電性基体が用いられる画像形成装置の構造に合わせて、適宜選択される。導電性基体は、例えば、シート状であってもよく、ドラム状であってもよい。導電性基体の厚みは、導電性基体の形状に応じて、適宜選択される。
<2.電荷発生層>
電荷発生層は、電荷発生剤を含有する。電荷発生層は、必要に応じて、電荷発生層用バインダー樹脂(以下、ベース樹脂と記載することがある)及び各種添加剤を含有してもよい。電荷発生層の厚さは、電荷発生層として十分に作用する限り、特に限定されない。電荷発生層の厚さは、具体的には、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。
<2−1.電荷発生剤>
電荷発生剤は、感光体用の電荷発生剤である限り、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム又はアモルファスシリコン)の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料又はキナクリドン系顔料が挙げられる。
フタロシアニン顔料としては、例えば、化学式(CGM−1)で表される無金属フタロシアニン又は金属フタロシアニンが挙げられる。金属フタロシアニンとしては、例えば、化学式(CGM−2)で表されるチタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン又はクロロガリウムフタロシアニンが挙げられる。フタロシアニン顔料は、結晶であってもよく、非結晶であってもよい。フタロシアニン顔料の結晶形状(例えば、α型、β型、Y型、V型又はII型)については特に限定されず、種々の結晶形状を有するフタロシアニン顔料が使用される。
Figure 2017049519
Figure 2017049519
無金属フタロシアニンの結晶としては、例えば、無金属フタロシアニンのX型結晶(以下、X型無金属フタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。チタニルフタロシアニンの結晶としては、例えば、チタニルフタロシアニンのα型、β型又はY型結晶(以下、α型、β型又はY型チタニルフタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。ヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶としては、ヒドロキシガリウムフタロシアニンのV型結晶が挙げられる。クロロガリウムフタロシアニンの結晶としては、クロロガリウムフタロシアニンのII型結晶が挙げられる。
所望の領域に吸収波長を有する電荷発生剤を単独で用いてもよく、2種以上の電荷発生剤を組み合わせて用いてもよい。例えば、デジタル光学系の画像形成装置(例えば、半導体レーザーのような光源を使用したレーザービームプリンター又はファクシミリ)には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。この場合、電荷発生剤としては、波長領域700nm以上で高い量子収率を有することから、X型無金属フタロシアニン又はY型チタニルフタロシアニンが好ましい。Y型チタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、例えば、ブラッグ角2θ±0.2°の27.2°にピーク(主ピーク)を有する。
(CuKα特性X線回折スペクトルの測定方法)
CuKα特性X線回折スペクトルの測定方法の一例について説明する。試料(チタニルフタロシアニン)をX線回折装置(例えば、株式会社リガク製「RINT(登録商標)1100」)のサンプルホルダーに充填して、X線管球Cu、管電圧40kV、管電流30mA、かつCuKα特性X線の波長1.542Åの条件で、X線回折スペクトルを測定する。測定範囲(2θ)は、例えば3°以上40°以下(スタート角3°、ストップ角40°)であり、走査速度は、例えば10°/分である。
短波長レーザー光源(例えば、350nm以上550nm以下程度の波長を有するレーザー光源)を用いた画像形成装置に適用される感光体には、電荷発生剤として、アンサンスロン系顔料又はペリレン系顔料が好適に用いられる。
電荷発生剤の含有量は、ベース樹脂100質量部に対して、5質量部以上1000質量部以下であることが好ましく、30質量部以上500質量部以下であることがより好ましい。
<2−2.ベース樹脂>
ベース樹脂は、電荷発生層用の樹脂である限り、特に限定されない。ベース樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂又はポリエステル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂又はその他架橋性の熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリレート(エポキシ化合物のアクリル酸付加物)又はウレタン−アクリレート(ウレタン化合物のアクリル酸付加物)が挙げられる。ベース樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂が好適に使用される。ベース樹脂は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
ベース樹脂としては、後述するバインダー樹脂とは異なる樹脂が選択されることが好ましい。感光体を製造する際、例えば、電荷発生層上に電荷輸送層用塗布液が塗布されることから、電荷発生層が電荷輸送層用塗布液の溶剤に溶解しないことが好ましいためである。
<3.電荷輸送層>
電荷輸送層は、電荷輸送剤としての正孔輸送剤、フタロシアニン顔料、シリカ粒子、及びバインダー樹脂を含有する。電荷輸送層は、必要に応じて、電子アクセプター化合物及び各種添加剤を含有してもよい。電荷輸送層の膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましい。
<3−1.フタロシアニン顔料>
電荷発生層にフタロシアニン顔料が含有されることにより、感光体の電気特性を向上させることができる。更に、電荷発生層にフタロシアニン顔料と後述するシリカ粒子とが併用されることにより、製造されてから時間が経過した感光層用塗布液を用いて感光層を製造した場合であっても、感光体の電気特性を向上させることができる。その理由は、フタロシアニン顔料が感光層用塗布液中でのシリカ粒子の分散を助け、シリカ粒子の凝集を抑制するためと推測される。
電荷輸送層に含有されるフタロシアニン顔料は、電荷発生層に含有される電荷発生剤と、同一であってもよく、異なってもよい。しかし、電荷輸送層に含有されるフタロシアニン顔料は、露光波長を有する光を吸収することが好ましい。露光波長は、感光体と露光部とを備える画像形成装置を用いて画像を形成する場合に、露光部が感光体に露光する光が有する波長である。その理由は以下のように推測される。感光体が露光されると、電荷発生層で正孔が発生し、発生した正孔は電荷発生層から電荷輸送層表面に移動する。また、感光体が露光されると、電荷輸送層中のフタロシアニン顔料からも電荷(正孔及び電子)が発生する。発生した電荷(正孔及び電子)が、電荷発生層で発生した正孔の電荷輸送層の表面への移動を助けると考えられる。その結果、感光体の電気特性を向上させることができると考えられる。
電荷輸送層に含有されるフタロシアニン顔料としては、例えば、無金属フタロシアニン(τ型又はX型)、チタニルフタロシアニン(α型又はY型)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(V型)、クロロガリウムフタロシアニン(II型)又は銅フタロシアニン(ε型)からなる群から選択される1種以上の化合物が挙げられる。これらのフタロシアニン顔料は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
これらのフタロシアニン顔料のうち、感光体の電気特性を向上させるためには、Y型チタニルフタロシアニン、α型チタニルフタロシアニン、無金属フタロシアニン(より好ましくはX型)又はε型銅フタロシアニンが好ましい。更に製造されてから時間が経過した感光層用塗布液を用いて製造された感光体の電気特性を向上させるためには、Y型チタニルフタロシアニン、α型チタニルフタロシアニン又は無金属フタロシアニン(より好ましくはX型)がより好ましい。
Y型チタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいてブラッグ角2θ±0.2°の27.2°にピーク(主ピーク)を有する。α型チタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいてブラッグ角2θ±0.2°の28.6°にピーク(主ピーク)を有する。なお、CuKα特性X線回折スペクトルにおける主ピークは、ブラッグ角2θ±0.2°が3°以上40°以下である範囲において、1番目又は2番目に大きな強度を有するピークに相当する。
(CuKα特性X線回折スペクトルの測定方法)
CuKα特性X線回折スペクトルの測定方法の一例について説明する。試料(フタロシアニン顔料)をX線回折装置(例えば、株式会社リガク製「RINT(登録商標)1100」)のサンプルホルダーに充填して、X線管球Cu、管電圧40kV、管電流30mA、かつCuKα特性X線の波長1.542Åの条件で、X線回折スペクトルを測定する。測定範囲(2θ)は、例えば3°以上40°以下(スタート角3°、ストップ角40°)であり、走査速度は、例えば10°/分である。
電荷輸送層に含有されるフタロシアニン顔料の含有量は、電荷輸送層に含有されるバインダー樹脂100質量部に対して、0.001質量部以上1.0質量部以下であることが好ましい。フタロシアニン顔料の含有量が0.001質量部以上であると、露光されなかった部分に存在する逆極性の電荷を打ち消し易くなる。一方、フタロシアニン顔料の含有量が1.0質量部以下であると、露光に用いられる光を吸収し易くなる。
<3−2.電荷輸送剤>
電荷輸送剤としての正孔輸送剤は、アリールアミン構造を有する化合物であることが好ましい。正孔輸送剤の例としては、下記一般式(1)〜(4)で表される化合物が挙げられる。以下、一般式(1)〜(4)で表される化合物を化合物(1)〜(4)と記載することがある。
電荷輸送層に化合物(1)〜(4)が含有されることにより、感光体の電気特性が向上する(特に、残留電位が抑制される)傾向がある。その理由は、次のように推測される。電荷輸送層に正孔輸送剤として化合物(1)〜(4)が含有されると、正孔輸送剤と電荷発生剤との間における正孔の授受に必要なエネルギーギャップが小さくなる傾向がある。これにより、正孔の輸送効率が向上すると考えられる。特に、電荷発生層と電荷輸送層との界面における正孔の輸送効率を向上できると考えられる。また、正孔輸送剤として化合物(1)〜(4)が含有されると、感光層を形成する際に使用される溶剤への正孔輸送剤の溶解性が向上すると考えられる。その結果、感光体の電気特性を向上させることができる。
Figure 2017049519
一般式(1)中、R1は、水素原子、フェニル基、炭素原子数1以上8以下のアルキル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基である。R1で表されるフェニル基は炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されてもよい。R1としては、水素原子又は炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基が好ましい。R1で表される炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基が好ましく、メチル基で置換されてもよいフェニル基がより好ましい。
一般式(1)中、R2は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基又はフェニル基である。R2としては、炭素原子数1以上8以下のアルキル基が好ましく、炭素原子数1以上6以下のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
一般式(1)中、R3、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基又はフェニル基である。R3、R4、R5、R6及びR7としては、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基が好ましい。R3、R4、R5、R6及びR7で表される炭素原子数1以上8以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が好ましく、炭素原子数1以上4以下のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基又はn−ブチル基が特に好ましい。R3、R4、R5、R6及びR7で表される炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基としては、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
一般式(1)中、R3、R4、R5、R6及びR7のうちの隣接した二つが互いに結合して、ベンゼン環又は炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成してもよい。例えば、R3〜R7のうちの隣接したR3とR4とが互いに結合して、ベンゼン環又は炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成してもよい。R3〜R7のうちの隣接した二つが互いに結合してベンゼン環を形成する場合、このベンゼン環はR3〜R7が結合するフェニル基と縮合して二環縮合環基(ナフチル基)を形成する。R3〜R7のうちの隣接した二つが互いに結合して炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成する場合、この炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンはR3〜R7が結合するフェニル基と縮合して二環縮合環基を形成する。この場合、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンとフェニル基との縮合部位は、二重結合を含んでもよい。R3〜R7のうちの隣接した二つが互いに結合して、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成することが好ましく、シクロヘキサンを形成することがより好ましい。
一般式(1)中、aは、0以上5以下の整数であり、aが2以上5以下の整数である場合、同一のフェニル基に結合する複数のR2は、同一でも異なっていてもよい。R2の結合位置は特に限定されない。R2は、ブタジエニル基に対してフェニル基のオルト位、メタ位及びパラ位の何れに結合してもよい。
aが2以上5以下の整数である場合、同一のフェニル基に結合する複数のR2は、同一でも異なっていてもよい。理解を容易にするために、aが2であり、同一のフェニル基に結合する2個のR2がブタジエニル基に対してフェニル基のオルト位とメタ位とに結合する場合を例に挙げて説明する。この場合、同一のフェニル基において、オルト位のR2とメタ位のR2とは同一でも異なっていてもよい。但しこの場合、R2が結合する異なる2個のフェニル基については、各フェニル基のオルト位に結合するR2は、何れも同一である。また、この場合、各フェニル基のメタ位に結合するR2は、何れも同一である。
aは0又は1であることが好ましい。aが1である場合、R2はブタジエニル基に対してフェニル基のパラ位に結合することがより好ましい。
Figure 2017049519
一般式(2)中、R8、R10、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基又はフェニル基である。R8、R10、R11、R12、R13及びR14としては、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基又はフェニル基であることが好ましい。R8、R10、R11、R12、R13及びR14で表される炭素原子数1以上8以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が好ましく、メチル又はエチルがより好ましい。
一般式(2)中、R9及びR15は、それぞれ独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基又はフェニル基である。
一般式(2)中、bは、0以上5以下の整数である。bが2以上5以下の整数である場合、同一のフェニル基に結合する複数のR9は、同一でも異なっていてもよい。bが2以上5以下の整数である場合、同一のフェニル基に結合する複数のR9は、同一でも異なっていてもよい。複数のR9が同一でも異なってもよいとは、一般式(1)中のaが2以上5以下の整数である場合と同様である。bは、0であることが好ましい。
一般式(2)中、cは、0以上4以下の整数である。cが2以上4以下の整数である場合、同一のフェニル基に結合する複数のR15は、同一でも異なっていてもよい。cが2以上4以下の整数である場合、同一のフェニル基に結合する複数のR15は、同一でも異なっていてもよい。複数のR15が同一でも異なってもよいとは、一般式(1)中のaが2以上5以下の整数である場合と同様である。cは、0であることが好ましい。
一般式(2)中、nは、0又は1である。
Figure 2017049519
一般式(3)中、R16及びR17は、それぞれ独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基である。R16及びR17としては、炭素原子数1以上8以下のアルキル基が好ましく、炭素原子数1以上6以下のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
一般式(3)中、R18、R19、R20、R21及びR22は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基である。R18、R19、R20、R21及びR22は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1以上8以下のアルキル基であることが好ましい。R18、R19、R20、R21及びR22が表す炭素原子数1以上8以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
一般式(3)中、dは、0以上4以下の整数である。dが2以上4以下の整数である場合、同一のフェニル基に結合する複数のR16は、同一でも異なっていてもよい。複数のR16が同一でも異なってもよいとは、一般式(1)中のaが2以上5以下の整数である場合と同様である。dは0であることが好ましい。
一般式(3)中、eは、0以上5以下の整数である。eが2以上5以下の整数である場合、同一のフェニル基に結合する複数のR17は、同一でも異なっていてもよい。複数のR17が同一でも異なってもよいとは、一般式(1)中のaが2以上5以下の整数である場合と同様である。eは、0又は1であることが好ましい。
Figure 2017049519
一般式(4)中、Ar1は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基である。又はAr1は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されてもよい共役二重結合を有する複素環基である。
一般式(4)中、Ar1が表わすアリール基としては、例えば、炭素原子数6以上14以下のアリール基が挙げられる。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、炭素原子数6以上14以下の芳香族単環炭化水素基が好ましく、フェニル基がより好ましい。アリール基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1個以上(好ましくは1個又は2個)の置換基で置換されてもよい。アリール基が置換基で置換される場合、アリール基の置換基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
一般式(4)中、Ar1が表わす共役二重結合を有する複素環基は、2個の二重結合が1個の単結合で連結された構造を少なくとも1個有する。Ar1が表わす共役二重結合を有する複素環基としては、例えば、1個以上(好ましくは1個以上3個以下)のヘテロ原子を含み、2個以上3個以下の二重結合を有する5員又は6員の単環の複素環基;このような単環同士が縮合した複素環基;又は、このような単環と、5員又は6員の炭化水素環とが縮合した複素環基が挙げられる。ヘテロ原子は、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群から選択される1種以上である。共役二重結合を有する複素環基の具体例としては、チオフェニル基、フラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、ピラニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、イソインドリル基、クロメニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、プリニル基、プテリジニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、4H−キノリジニル基、ナフチリジニル基、ベンゾフラニル基、1,3−ベンゾジオキソリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基又はベンズイミダゾリル基が挙げられる。共役二重結合を有する複素環基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1個以上(好ましくは1個又は2個)の置換基で置換されてもよい。
一般式(4)中、Ar2は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基である。
一般式(4)中、Ar2が表わすアリール基としては、例えば、炭素原子数6以上14以下のアリール基が挙げられる。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、炭素原子数6以上14以下の芳香族単環炭化水素基が好ましく、フェニル基がより好ましい。アリール基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1個以上(好ましくは1個又は2個)の置換基で置換されてもよい。
感光体の電気特性を一層向上させるためには、化合物(1)〜(4)のうち、化合物(1)、(2)又は(4)が好ましい。
化合物(1)〜(4)の具体例としては、化学式(CTM−1)〜(CTM−10)で表される化合物が挙げられる。化学式(CTM−1)〜(CTM−10)で表される化合物を、各々、化合物(CTM−1)〜(CTM−10)と記載することがある。
Figure 2017049519
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Figure 2017049519
電荷輸送剤としての正孔輸送剤の別の例としては、化学式(CTM−11)又は(CTM−12)で表される化合物が挙げられる。化学式(CTM−11)及び(CTM−12)で表される化合物を、各々化合物(CTM−11)及び(CTM−12)と記載することがある。
Figure 2017049519
Figure 2017049519
正孔輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、30質量部以上60質量部以下であることが好ましく、30質量部以上55質量部以下であることがより好ましい。正孔輸送剤の含有量がバインダー樹脂100質量部に対して30質量部以上であると、感光体の電気特性を向上させ易い。一方、正孔輸送剤の含有量がバインダー樹脂100質量部に対して60質量部以下であると、電荷輸送層中での正孔輸送剤の分散性が向上し、感光体の正孔輸送効率を向上させ易い。
電荷輸送層は、化合物(1)〜(4)、(CTM−11)及び(CTM−12)以外の別の正孔輸送剤を更に含有してもよい。別の正孔輸送剤としては、化合物(1)〜(4)、(CTM−11)及び(CTM−12)以外の含窒素環式化合物又は縮合多環式化合物が挙げられる。別の正孔輸送剤の具体例としては、オキサジアゾール系化合物(例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)、スチリル系化合物(例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン)、カルバゾール系化合物(例えば、ポリビニルカルバゾール)、有機ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物(例えば、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン)、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物又はトリアゾール系化合物が挙げられる。なお、正孔輸送剤は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
電子輸送層が別の正孔輸送剤を更に含有する場合、別の正孔輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して1質量部以上100質量部以下であることが好ましい。
<3−3.シリカ粒子>
電荷輸送層はシリカ粒子を含有する。電荷輸送層がシリカ粒子を含有することにより、感光体の耐摩耗性を向上させることができる。また、シリカ粒子には、表面処理が容易であり、製造コストに優れ、粒径の調製が容易であるという利点もある。更に、既に述べたように、電荷輸送剤にフタロシアニン顔料とシリカ粒子とが併用されることにより、製造されてから時間が経過した感光層用塗布液を用いて感光層を製造した場合であっても、感光体の電気特性を向上させることができる。
シリカ粒子の平均一次粒径は、50nm以上150nm以下である。シリカ粒子の平均一次粒径は、50nm以上100nm以下であることが好ましく、50nm以上80nm以下であることがより好ましい。シリカ粒子の平均一次粒径がこのような範囲内であると、感光体の耐摩耗性を向上させることができる。
シリカ粒子の平均一次粒径は、例えば、以下の方法で測定される。測定試料として、シリカ(複数のシリカ粒子である粉体)を使用する。測定試料の−196℃でのN2吸着等温線を測定する。得られたN2吸着等温線をBrunauer、Emmett及びTellerの方法、更にDe Boerによるt曲線法に従って評価する。これにより、測定試料の比表面積を算出する。得られた測定試料の比表面積から、数式「S=6/ρd」に従って、測定試料の粒径を算出する。数式中、Sは測定試料の比表面積を、ρは測定試料の密度を、dは測定試料の粒径を示す。算出された測定試料の粒径を、シリカ粒子の平均一次粒径とする。なお、シリカ粒子の平均一次粒径を測定する別の方法としては、例えば、透過型電子顕微鏡を用いて測定試料の画像を撮影し、得られた画像から平均一次粒径を算出する方法も挙げられる。
シリカ粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上15質量部以下である。シリカ粒子の含有量がバインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上であると、感光体の耐摩耗性が向上する傾向がある。シリカ粒子の含有量がバインダー樹脂100質量部に対して15質量部以下であると、バインダー樹脂のスタッキング構造が保持され易くなる。また、感光体の耐摩耗性が向上する傾向がある。
シリカ粒子の表面は、感光体の耐摩耗性及び電気特性を向上させるために、表面処理剤で処理されていることが好ましい。シリカ粒子の表面が表面処理剤で処理されることにより、シリカ粒子の表面の水酸基の少なくとも一部がシリル化される。シリカ粒子の表面処理剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、N−メチル−ヘキサメチルジシラザン、N−エチル−ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチル−N−プロピルジシラザン、ジメチルジクロロシラン又はポリジメチルシロキサンが挙げられる。
シリカ粒子の表面処理剤としては、ヘキサメチルジシラザンを用いることが好ましい。表面処理剤としてヘキサメチルジシラザンを用いることにより、以下の利点があると考えられる。第一の利点として、シリカ粒子の表面の水酸基とヘキサメチルジシラザンが有するトリメチルシリル基ヘキサメチルジシラザンが有するトリメチルシリル基との反応性が良好であるため、シリカ粒子の表面の水酸基が少なくなる傾向がある。その結果、水分(湿度)による感光体の電気特性の低下を抑制できると考えられる。第二の利点として、シリカ粒子の表面からの表面処理剤の遊離を抑制できる傾向がある。このため、遊離した表面処理剤が電荷をトラップすることによる感光体の感度繰り返し特性の低下を抑制できると考えられる。
表面処理剤が例えばヘキサメチルジシラザンである場合、シリカ粒子の表面の水酸基がシリル化されて、シリカ粒子の表面は下記化学式で表される部位を有する。
Figure 2017049519
<3−4.バインダー樹脂>
バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂の例としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂又はポリエーテル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂の例としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂又はメラミン樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂の例としては、エポキシアクリレート(エポキシ化合物のアクリル酸付加物)又はウレタン−アクリレート(ウレタン化合物のアクリル酸付加物)が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
これらの樹脂の中では、加工性、機械的特性、光学的特性及び耐摩耗性のバランスに優れた感光層が得られることから、ポリカーボネート樹脂が好ましい。ポリカーボネート樹脂の例としては、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂、ビスフェノールZC型ポリカーボネート樹脂、ビスフェノールC型ポリカーボネート樹脂又はビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂が挙げられる。バインダー樹脂の具体例としては、化学式(Resin−1)で表される繰り返し単位を有する樹脂、化学式(Resin−2)で表される繰り返し単位を有する樹脂又は化学式(Resin−3)で表される樹脂が挙げられる。化学式(Resin−3)中、繰り返し単位の添え字は、樹脂中の全繰り返し単位のモル数に対する、添え字が付された繰り返し単位のモル数の比率を示す。また、化学式(Resin−3)で表される樹脂は、ランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体又はブロック共重合体であってもよい。
Figure 2017049519
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Figure 2017049519
バインダー樹脂の粘度平均分子量は、30000以上であることが好ましく、40000以上であることがより好ましく、40000以上60000以下であることが特に好ましい。バインダー樹脂の粘度平均分子量が30000以上であると、電荷輸送層の耐摩耗性を高めることができ、感光体の耐摩耗性を向上させ易い。更に、バインダー樹脂の粘度平均分子量が40000以上であると、感光体の耐摩耗性を一層向上させることができる。加えて、バインダー樹脂の粘度平均分子量が40000以上であると、製造直後の感光層用塗布液を用いて製造された感光体と、製造されてから時間が経過した感光層用塗布液を用いて製造された感光体との半減露光量の変化量(ΔE1/2)を小さくすることができる。更に、バインダー樹脂の粘度平均分子量が60000以下であると、バインダー樹脂が溶剤に溶解し易くなり、電荷輸送層用塗布液を調製し易くなる。
<3−5.電子アクセプター化合物>
電荷輸送層は、必要に応じて、電子アクセプター化合物を含有してもよい。電子アクセプター化合物としては、例えば、キノン誘導体、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、ニトロアントラキノン誘導体、ジニトロアントラキノン誘導体、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレイン酸又はジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。これらの電子アクセプター化合物は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
電子輸送層が電子アクセプター化合物を含有する場合、電子アクセプター化合物の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
<4.添加剤>
電荷発生層、電荷輸送層、及び中間層のうちの少なくとも一つは、必要に応じて、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、1重項クエンチャー又は紫外線吸収剤)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー、可塑剤、界面活性剤又はレベリング剤が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、チオエーテル系化合物又はホスファイト系化合物が挙げられる。これらの酸化防止剤の中でも、ヒンダードフェノール系化合物及びヒンダードアミン系化合物が好ましい。
電荷輸送層中の酸化防止剤の添加量は、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。酸化防止剤の添加量がこのような範囲内であると、感光体が酸化され難くなり、感光体の電気特性を向上させ易くなる。
電荷発生層は、感光体の感度を向上させるために、添加剤として増感剤(例えば、テルフェニル、ハロナフトキノン類又はアセナフチレン)を含有してもよい。
<5.中間層>
感光体は、中間層(例えば、下引き層)を有してもよい。感光体において、中間層は、導電性基体と電荷発生層との間に介在する。中間層は、例えば、無機粒子及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層を介在させると、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、電気抵抗の上昇を抑えることができる。
中間層が無機粒子を含有すると、感光体への入射光を散乱させて、干渉縞の発生を抑制できる傾向がある。また、カブリや黒点の原因となる非露光時の導電性基体から感光層への電荷注入を抑制できる傾向がある。
無機粒子は、光散乱性及び分散性を有するものであれば特に限定されない。無機粒子としては、例えば、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白又はリトポン)、無機顔料(例えば、アルミナ、炭酸カルシウム又は硫酸バリウム)、フッ素樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子又はスチレン樹脂粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中間層用樹脂としては、中間層を形成する樹脂として用いられる樹脂であれば、特に限定されない。中間層の膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましい。
<6.感光体の製造方法>
感光体の製造方法の一例について説明する。感光体の製造方法は、例えば、感光層形成工程を有する。感光層形成工程は、電荷発生層形成工程と電荷輸送層形成工程とを有する。
<6−1.電荷発生層形成工程>
電荷発生層形成工程では、例えば、電荷発生層用塗布液を調製する。電荷発生層用塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した電荷発生層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷発生層を形成する。電荷発生層用塗布液は、電荷発生剤と、溶剤とを含む。電荷発生層用塗布液は、電荷発生剤を溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。電荷発生層用塗布液には、必要に応じてベース樹脂又は各種添加剤を加えてもよい。
<6−2.電荷輸送層形成工程>
電荷輸送層形成工程では、電荷輸送層用塗布液を調製する。電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した電荷輸送層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷輸送層を形成する。電荷輸送層用塗布液は、フタロシアニン顔料と、シリカ粒子と、電荷輸送剤としての正孔輸送剤と、バインダー樹脂と、溶剤とを含む。電荷輸送層用塗布液は、フタロシアニン顔料と、シリカ粒子と、電荷輸送剤としての正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを、溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。電荷輸送層形成用塗布液には、必要に応じて電子アクセプター化合物又は各種添加剤を加えてもよい。
以下、電荷発生層形成工程、及び電荷輸送層形成工程を更に具体的に説明する。
電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液に含有される溶剤は、それぞれ電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液に含まれる各成分を溶解又は分散できれば、特に限定されない。具体的には、溶剤としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール又はブタノール)、脂肪族炭化水素(例えば、n−ヘキサン、オクタン又はシクロヘキサン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン又はキシレン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素又はクロロベンゼン)、エーテル類(例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3−ジオキソラン又は1,4−ジオキサン)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン又はシクロヘキサノン)、エステル類(例えば、酢酸メチル又は酢酸エチル)、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
更に、電荷輸送層用塗布液に含有される溶剤は、電荷発生層用塗布液に含有される溶剤と、異なることが好ましい。感光体を製造する際に電荷発生層上に電荷輸送層用塗布液を塗布する場合、電荷発生層は電荷輸送層用塗布液の溶剤に溶解しないことが好ましいからである。
電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液は、各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ロールミル、ビーズミル、ペイントシェーカー又は超音波分散装置が用いられる。これらの分散装置の中でも、超音波分散装置を用いると、シリカ粒子を良好に分散できる傾向がある。
電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液を塗布する方法としては、電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液が均一に塗布される方法であれば、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、バーコート法、ビード塗布法、ブレード塗布法又はローラー塗布法が挙げられる。
電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去する方法としては、電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液中の溶剤を蒸発させ得る方法であれば、特に限定されない。除去する方法としては、例えば、加熱、加圧又は加熱と減圧との併用が挙げられる。より具体的には、高温乾燥機又は減圧乾燥機を用いて、熱処理(熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理条件は、例えば、40℃以上150℃以下の温度、かつ3分間以上120分間以下の時間である。
なお、感光体の製造方法は、必要に応じて中間層を形成する工程を更に有してもよい。中間層を形成する工程には、公知の方法が適宜選択される。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。しかし、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。
<1.感光体の材料>
積層型感光体の電荷発生層及び電荷輸送層を形成するための材料として、以下の電荷発生剤、電荷輸送剤(正孔輸送剤)、バインダー樹脂、フタロシアニン顔料及びシリカ粒子を準備した。
<1−1.電荷発生剤>
電荷発生剤として、化合物(CGM−2Y)を準備した。化合物(CGM−2Y)は実施形態で述べた化学式(CGM−2)で表されるチタニルフタロシアニンであった。更に化合物(CGM−2Y)は、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°の27.2°に主ピークを有していた。
<1−2.電荷輸送剤>
電荷輸送剤(正孔輸送剤)として、実施形態で述べた化合物(CTM−1)〜(CTM−12)を準備した。
<1−3.バインダー樹脂>
バインダー樹脂として、ポリカーボネート樹脂(Resin−1a)、(Resin−1b)、(Resin−1c)、(Resin−2a)及び(Resin−3a)を準備した。ポリカーボネート樹脂(Resin−1a)は、実施形態で述べた化学式(Resin−1)で表される繰り返し単位から形成され、粘度平均分子量は51,000であった。ポリカーボネート樹脂(Resin−1b)は、実施形態で述べた化学式(Resin−1)で表される繰り返し単位から形成され、粘度平均分子量は40,000であった。ポリカーボネート樹脂(Resin−1c)は、実施形態で述べた化学式(Resin−1)で表される繰り返し単位から形成され、粘度平均分子量は32,500であった。ポリカーボネート樹脂(Resin−2a)は、実施形態で述べた化学式(Resin−2)で表される繰り返し単位から形成され、粘度平均分子量は50,500であった。ポリカーボネート樹脂(Resin−3a)は、実施形態で述べた化学式(Resin−3)で表される樹脂であり、粘度平均分子量は50,000であった。
<1−4.フタロシアニン顔料>
フタロシアニン顔料として、X型無金属フタロシアニン(X−H2Pc、DIC株式会社製「FASTOGEN Blue 8120BS」)、Y型チタニルフタロシアニン(Y−TiOPc)、α型チタニルフタロシアニン(α−TiOPc)及びε型銅フタロシアニン(ε−CuPc)を準備した。
Y型チタニルフタロシアニン(Y−TiOPc)は、CuKα特性X線回折スペクトルにおいてブラッグ角2θ±0.2°の27.2°にピーク(主ピーク)を有していた。α型チタニルフタロシアニン(α−TiOPc)は、CuKα特性X線回折スペクトルにおいてブラッグ角2θ±0.2°の28.6°にピーク(主ピーク)を有していた。なお、CuKα特性X線回折スペクトルは、実施形態で述べた方法で測定した。
<1−5.シリカ粒子>
シリカ粒子として、下記のシリカ粒子S1〜S6を準備した。シリカ粒子S1〜S6の平均一次粒径は、実施形態で述べたN2吸着等温線を測定する方法により測定した。
シリカ粒子S1:ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理されたシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「VP RX40S」、平均一次粒径80nm)。
シリカ粒子S2:ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理されたシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)NAX50」、平均一次粒径50nm)。
シリカ粒子S3:ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理されたシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX300」、平均一次粒径7nm)
シリカ粒子S4:ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理されたシリカ粒子(試作品、平均一次粒径170nm)。
シリカ粒子S5:表面処理を行っていないシリカ粒子(試作品、平均一次粒径80nm)。
シリカ粒子S6:ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理されたシリカ粒子(試作品、平均一次粒径145nm)。
<2.感光体の製造>
以下のようにして、感光体A−1〜A−26及びB−1〜B−7を製造した。
<2−1.感光体A−1の製造>
始めに、表面処理された酸化チタン(テイカ株式会社製「試作品SMT−A」、数平均一次粒径10nm)を準備した。この表面処理された酸化チタンは、以下のように調製された。酸化チタンをアルミナとシリカとを用いて表面処理した。アルミナとシリカとで表面処理された酸化チタンを、湿式分散しながらメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて更に表面処理した。
次に、下引き層用塗布液を調製した。具体的には、容器内に、表面処理された酸化チタン2質量部、ポリアミド樹脂(東レ株式会社製「アミラン(登録商標)CM8000」、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66及びナイロン610の四元共重合体)1質量部、メタノール10質量部、ブタノール1質量部及びトルエン1質量部を投入した。容器の内容物を、ビーズミルを用いて5時間混合し、溶剤中に材料を分散させた。これにより、下引き層用塗布液を得た。
次に、下引き層を形成した。具体的には、得られた下引き層用塗布液を5μmのフィルターを用いてろ過した。その後、下引き層用塗布液を、導電性基体としてのアルミニウム製のドラム状支持体(直径30mm、全長246mm)の表面に、ディップコート法を用いて塗布した。続いて、塗布した下引き層用塗布液を、130℃で30分間加熱した。これにより、導電性基体上に下引き層(膜厚2μm)を形成した。
次に、電荷発生層用塗布液を調製した。具体的には、容器内に、電荷発生剤としての化合物(CGM−2Y)1.5質量部、ベース樹脂としてのポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBX−5」)1質量部、分散媒としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル40質量部及び分散媒としてのテトラヒドロフラン40質量部を投入した。容器の内容物を、ビーズミルを用いて2時間混合し、分散媒に材料を分散させた。これにより、電荷発生層用塗布液を得た。次に、得られた電荷発生層用塗布液を3μmのフィルターを用いてろ過した。その後、電荷発生層用塗布液を、下引き層を形成した導電性基体上に、ディップコート法を用いて塗布した。続いて、塗布した電荷発生層用塗布液を、50℃で5分間乾燥させた。これにより、下引き層上に、電荷発生層(膜厚0.3μm)が形成された。
次に、電荷輸送層用塗布液を調製した。具体的には、電荷輸送剤(正孔輸送剤)としての化合物(CTM−1)50質量部、添加剤としてのヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASF株式会社製「イルガノックス(登録商標)1010」)2質量部、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(Resin−1a)100質量部、シリカ粒子(S1)5質量部、X型無金属フタロシアニン0.4質量部、溶剤としてのテトラヒドロフラン350質量部及び溶剤としてのトルエン350質量部を、容器内に投入した。続けて、容器の内容物を循環型超音波分散装置を用いて12時間混合し、溶剤中に材料を分散させた。これにより、電荷輸送層用塗布液を得た。次に、得られた電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層用塗布液と同様の方法で、下引き層及び電荷発生層を形成した導電性基体上に塗布した。続いて、塗布した電荷輸送層用塗布液を、120℃で40分間乾燥させた。これにより、電荷発生層上に、電荷輸送層(膜厚30μm)が形成された。その結果、感光体A−1が得られた。
<2−2.感光体A−2〜A−26及びB−1〜B−7の製造>
以下の点を変更した以外は、感光体A−1の製造と同様の方法で、感光体A−2〜A−26及びB−1〜B−7を各々製造した。感光体A−1の製造に用いた電荷輸送剤としての化合物(CTM−1)を、表1及び表2に示す種類の電荷輸送剤に変更した。感光体A−1の製造に用いたバインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(Resin−1a)を、表1及び表2に示す種類のバインダー樹脂に変更した。感光体A−1の製造に用いた化合物(X−H2Pc)を、表1及び表2に示す種類のフタロシアニン顔料に変更した。感光体A−1の製造に用いたシリカ粒子(S1)を、表1及び表2に示す種類のシリカ粒子に変更した。シリカ粒子の含有量(添加量)を、感光体A−1の製造における5質量部から、表1及び表2に示す含有量に変更した。
<3.液ライフ前の電気特性評価>
感光体A−1〜A−26及びB−1〜B−7の各々に対して、製造直後の感光層用塗布液を用いて製造された感光体の電気特性(以下、液ライフ前の感光体の電気特性と記載することがある)を評価した。測定環境は、温度23℃、かつ湿度50%RHとした。詳しくは、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、感光体の回転速度31rpmで、感光体の初期表面電位が−800Vになるように帯電させた。続けて、ハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて単色光(露光波長780nm、露光量1.0μJ/cm2)を取り出した。取り出された単色光を感光体の表面に照射した。単色光の照射後、50ミリ秒が経過した時の感光体の表面電位を測定した。測定された感光体の表面電位を残留電位(VL、単位−V)とした。
続いて、感光体の初期表面電位が半減する(1/2になる)時の半減露光量(E1/2、単位μJ/cm2)を測定した。半減露光量(E1/2)の測定では、単色光の露光量を0.050μJ/cm2以上1.000μJ/cm2以下の範囲で変化させた。測定された半減露光量(E1/2)及び残留電位(VL)を、表3及び表4に示す。液ライフ前の半減露光量(E1/2)が0.180μJ/cm2以上0.230μJ/cm2以下である感光体を、液ライフ前の感光体の電気特性が良好であると評価した。なお、液ライフ前の残留電位(VL)の絶対値が小さい程、液ライフ前の感光体の電気特性が良好であることを示す。
<4.液ライフ後の電気特性評価>
感光体A−1〜A−26及びB−1〜B−7の各々に対して、製造されてから時間が経過した状態の感光層用塗布液を用いて製造された感光体の電気特性(以下、液ライフ後の感光体の電気特性と記載することがある)を評価した。詳しくは、各感光体の製造で使用した電荷輸送層用塗布液を、ロールミルを用いて加速的に劣化させた。これにより、30日液ライフ後の評価用塗布液(製造されてから約30日経過した状態の評価用塗布液)を得た。液ライフ後の評価用塗布液を用いて、既に述べた液ライフ前の感光体の電気特性評価と同様の試験を行い、半減露光量(E1/2、単位μJ/cm2)及び残留電位(VL、単位−V)を測定した。測定環境は、温度23℃かつ湿度50%RHであった。また、数式「ΔE1/2=E1/2(液ライフ後)−E1/2(液ライフ前)」から、半減露光量の変化量(ΔE1/2、単位μJ/cm2)を算出した。得られた液ライフ後の半減露光量(E1/2)、液ライフ後の残留電位(VL)及び半減露光量の変化量(ΔE1/2)を、表3及び表4に示す。液ライフ後の半減露光量(E1/2)が0.140μJ/cm2以上0.240μJ/cm2以下である感光体を、液ライフ後の感光体の電気特性が良好であると評価した。なお、液ライフ後の残留電位(VL)の絶対値が小さい程、液ライフ後の感光体の電気特性が良好であることを示す。また、半減露光量の変化量(ΔE1/2)の絶対値が小さい程、液ライフ後の感光体の電気特性が良好であることを示す。
<5.耐摩耗性評価>
感光体A−1〜A−26及びB−1〜B−7の各々に対して、感光体の耐摩耗性を評価した。詳しくは、各感光体の製造で使用した電荷輸送層用塗布液を、アルミパイプ(直径78mm)に巻きつけたポリプロピレンシート(厚さ0.3mm)に塗布した。ポリプロピレンシートに塗布された電荷輸送層用塗布液を、120℃で40分乾燥させた。これにより、ポリプロピレンシート上に評価用シート(厚さ30μm)が形成された。続けて、ポリプロピレンシートから評価用シートを剥離した。そして、剥離された評価用シートをウィール(テーバー社製「S−36」)に貼り付けて、試験片を得た。
続けて、摩耗試験前における試験片の質量MAを測定した。その後、試験片について摩耗試験を行った。詳しくは、試験片をロータリーアブレージョンテスタ(株式会社東洋精機製作所)の回転台に取り付けた。そして、試験片上に荷重600gfの摩耗輪(テーバー社製「CS−10」)を乗せた状態で、回転台を回転速度60rpmで回転させて、1000回転の摩耗試験を行った。続けて、摩耗試験後における試験片の質量MBを測定した。そして、摩耗試験前後の試験片の質量変化である摩耗減量(=MA−MB)を求めた。得られた摩耗減量を表3及び表4に示す。摩耗減量が7.0mg以下である感光体を、感光体の耐摩耗性が良好であると評価した。
表1〜表4中、感光体A−1〜A−26は実施例である。感光体B−1〜B−7は比較例である。
Figure 2017049519
Figure 2017049519
Figure 2017049519
Figure 2017049519
感光体A−1〜A−26では、電荷輸送層は一層であり、電荷輸送層は最表面層として配置されていた。電荷輸送層に、電荷輸送剤としての正孔輸送剤、バインダー樹脂、フタロシアニン顔料及びシリカ粒子を含有していた。シリカ粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上15質量部以下であった。シリカ粒子の平均一次粒径は、50nm以上150nm以下であった。そのため、表3及び表4から明らかなように、感光体A−1〜A−26は、液ライフ前の感光体の電気特性が良好であった。また、感光体A−1〜A−26は、液ライフ後の感光体の電気特性も良好であった。更に、感光体A−1〜A−26は、耐摩耗性も良好であった。
一方、感光体B−1は、フタロシアニン顔料及びシリカ粒子を含有していなかった。そのため、表4から明らかなように、感光体B−1は、液ライフ前の感光体の電気特性が劣っていた。また、感光体B−1は、液ライフ後の感光体の電気特性も劣っていた。更に、感光体B−1は、耐摩耗性も劣っていた。
感光体B−2は、シリカ粒子を含有していなかった。そのため、表4から明らかなように、感光体B−2は、耐摩耗性が劣っていた。
一方、感光体B−3は、フタロシアニン顔料を含有していなかった。そのため、表4から明らかなように、感光体B−3は、液ライフ前の感光体の電気特性が劣っていた。また、感光体B−3は、液ライフ後の感光体の電気特性も劣っていた。
感光体B−4及びB−5に含有されるシリカ粒子の平均一次粒径は、50nm以上150nm以下はなかった。そのため、表4から明らかなように、感光体B−4及びB−5は、耐摩耗性が劣っていた。
感光体B−6及びB−7では、シリカ粒子の含有量がバインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上15質量部以下ではなかった。そのため、表4から明らかなように、感光体B−6及びB−7は、耐摩耗性が劣っていた。
以上のことから、本発明に係る感光体によれば、電気特性及び耐摩耗性を両立させることができる。
本発明に係る感光体は、複合機のような画像形成装置に好適に利用できる。
10 積層型電子写真感光体
11 導電性基体
12 感光層
13 電荷発生層
14 電荷輸送層
15 中間層

Claims (7)

  1. 感光層を備える積層型電子写真感光体であって、
    前記感光層として、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送層とを備え、
    前記電荷輸送層は一層であり、前記電荷輸送層は最表面層として配置され、
    前記電荷輸送層は、電荷輸送剤、バインダー樹脂、フタロシアニン顔料及びシリカ粒子を含有し、
    前記シリカ粒子の含有量は、前記バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上15質量部以下であり、
    前記シリカ粒子の平均一次粒径は、50nm以上150nm以下である、積層型電子写真感光体。
  2. 前記シリカ粒子の表面は、ヘキサメチルジシラザンで処理されている、請求項1に記載の積層型電子写真感光体。
  3. 前記フタロシアニン顔料は、チタニルフタロシアニン又は無金属フタロシアニンである、請求項1又は2に記載の積層型電子写真感光体。
  4. 前記チタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいてブラッグ角2θ±0.2°の27.2°にピークを有するチタニルフタロシアニン、又はCuKα特性X線回折スペクトルにおいてブラッグ角2θ±0.2°の28.6°にピークを有するチタニルフタロシアニンである、請求項3に記載の積層型電子写真感光体。
  5. 前記電荷輸送剤は、下記一般式(1)、(2)、(3)又は(4)で表される化合物である、請求項1〜4の何れか1項に記載の積層型電子写真感光体。
    Figure 2017049519
    前記一般式(1)中、
    1は、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基、炭素原子数1以上8以下のアルキル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基であり、
    2は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基又はフェニル基であり、
    3、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基又はフェニル基であるか、R3、R4、R5、R6及びR7のうちの隣接した二つが互いに結合して、ベンゼン環又は炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成してもよく、
    aは、0以上5以下の整数であり、aが2以上5以下の整数である場合、同一のフェニル基に結合する複数のR2は、同一でも異なっていてもよい。
    Figure 2017049519
    前記一般式(2)中、
    8、R10、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基又はフェニル基であり、
    9及びR15は、それぞれ独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基又はフェニル基であり、
    bは、0以上5以下の整数であり、bが2以上5以下の整数である場合、同一のフェニル基に結合する複数のR9は、同一でも異なっていてもよく、
    cは、0以上4以下の整数であり、cが2以上4以下の整数である場合、同一のフェニル基に結合する複数のR15は、同一でも異なっていてもよく、
    nは、0又は1である。
    Figure 2017049519
    前記一般式(3)中、
    16及びR17は、それぞれ独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基であり、
    18、R19、R20、R21及びR22は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基であり、
    dは、0以上4以下の整数であり、dが2以上4以下の整数である場合、同一のフェニル基に結合する複数のR16は、同一でも異なっていてもよく、
    eは、0以上5以下の整数であり、eが2以上5以下の整数である場合、同一のフェニル基に結合する複数のR17は、同一でも異なっていてもよい。
    Figure 2017049519
    前記一般式(4)中、
    Ar1は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基であるか、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されてもよい共役二重結合を有する複素環基であり、
    Ar2は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、フェノキシ基及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されてもよいアリール基である。
  6. 前記一般式(1)中、
    1は、水素原子又は炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基であり、
    2は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基であり、
    3、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基であるか、或いはR3、R4、R5、R6及びR7のうち隣接した二つが互いに結合して炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成してもよく、
    aは、0又は1であり、
    前記一般式(2)中、
    8、R10、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基又はフェニル基であり、
    b及びcは、0であり、
    nは、0又は1であり、
    前記一般式(3)中、
    17は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基であり、
    18、R19、R20、R21及びR22は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1以上8以下のアルキル基であり、
    dは0であり、
    eは0又は1であり、
    前記一般式(4)中、
    Ar1は、1個又は2個の炭素原子数1以上6以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基であり、
    Ar2は、フェニル基である、請求項5に記載の積層型電子写真感光体。
  7. 前記バインダー樹脂の粘度平均分子量は、40000以上である、請求項1〜6の何れか1項に記載の積層型電子写真感光体。
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