JP2017047038A - 止血器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】橈骨動脈の止血すべき部位を押圧するとともに尺骨動脈の周辺を押圧可能な止血器具であって、使用時の痺れや苦痛を軽減することのできる止血器具を提供する。
【解決手段】止血器具10は、帯体20と、湾曲板40と、帯体に連結されて、流体を注入することにより拡張して腕の橈骨動脈210上の止血すべき部位220を押圧可能な拡張部50と、尺骨動脈230を押圧可能な押圧部材60と、を備える。拡張部は腕側に配置される第1表面50aおよび帯体側に配置される第2表面50bを有し、押圧部材は腕側に配置される第3表面60aおよび帯体側に配置される第4表面60bを有する。第2表面の一部および押圧部材における第4表面の一部を湾曲板が配置された範囲に接触させた状態において、拡張部を拡張させた際における湾曲板から第1表面への垂線の長さH1は、湾曲板から第3表面への垂線の長さH2よりも長い。
【選択図】図3

Description

本発明は、穿刺した部位を押圧して止血するための止血器具に関する。
近年、腕の橈骨動脈等の血管を穿刺し、穿刺部位にイントロデューサーシースを導入し、イントロデューサーシースの内腔を介してカテーテル等を血管等の病変部に挿入して、経皮的に治療・検査などが行われている。このような方法を行った場合、イントロデューサーシースを抜去した後の穿刺部位を止血する必要がある。この止血を行うために、腕の穿刺部位に巻き付けるための帯体と、この帯体を穿刺部位に巻き付けた状態で固定する固定部と、流体を注入することにより拡張して、穿刺部位を押圧可能な拡張部とを備えた止血器具が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この止血器具は、拡張部から作用する押圧力を、穿刺部位に対して直接的に作用させて止血を行っている。
特開2004−154413号公報
ところで、橈骨動脈および尺骨動脈は肘付近において上腕動脈から分岐しており、手掌において互いに繋がっている。このため、橈骨動脈のみを長時間にわたって押圧(圧迫)すると、橈骨動脈に血液が流れにくくなり、尺骨動脈の血流量が過度に増加する場合がある。その結果、橈骨動脈の血流量が減少して、血管が閉塞したり、血小板等の量が減少することによって穿刺部位の止血に長時間を要したりすることになる。このため、例えば、橈骨動脈の穿刺部位を止血した後、閉塞した橈骨動脈を再開通させるために、尺骨動脈を押圧することが知られている(例えば、上記非特許文献1を参照)。
このような問題に対し、例えば、前述した止血器具に尺骨動脈を押圧するための押圧部材をさらに設けることにより、橈骨動脈を押圧する際に、尺骨動脈を押圧することによって尺骨動脈に流れる血流の過度な増加を防止し、橈骨動脈の血流量の減少を抑制させることが可能になると考えられる。
このように構成した止血器具においては、拡張部は、止血をするために比較的強い押圧力で橈骨動脈における穿刺部位を押圧する必要があるのに対し、押圧部材は、尺骨動脈における血流量の過度な増加を防げる程度に尺骨動脈を押圧できれば十分であり、拡張部ほどの押圧力を必要としない。このため、例えば、押圧部材が拡張部と同程度の押圧力で尺骨動脈を押圧すると、腕に過度に押圧力が加わることになり、しびれや痛みを感じる原因になる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、橈骨動脈の血流量の減少を抑制することによって止血効果を高めるとともに、尺骨動脈の押圧によって生じるしびれや痛みを軽減することのできる止血器具を提供することを目的とする。
上記目的を達成する止血器具は、橈骨動脈および尺骨動脈が走行する腕に巻き付けることが可能な可撓性を備える帯体と、前記帯体を前記腕に巻き付けた状態で固定する固定部と、前記帯体に保持されて前記帯体よりも硬質な材料で形成された支持板と、前記帯体に連結されて流体を注入することにより拡張して、前記橈骨動脈の止血すべき部位を押圧可能な拡張部と、前記帯体の長手方向において前記拡張部と異なる位置に配置され、前記尺骨動脈を押圧可能な押圧部材と、を備える。前記拡張部は、前記腕側に配置される第1表面と、前記帯体側に配置される第2表面と、を有する。前記押圧部材は、前記腕側に配置される第3表面と前記帯体側に配置される第4表面とを有する。前記拡張部の前記第2表面の少なくとも一部および前記押圧部材の前記第4表面の少なくとも一部を前記帯体の前記支持板が配置された範囲に接触させた状態において、前記拡張部を拡張させた際における前記支持板から前記第1表面への垂線の長さは、前記支持板から前記第3表面への垂線の長さよりも長くなる。
上記のように構成した止血器具によれば、尺骨動脈を押圧するための押圧部材が設けられたことにより、橈骨動脈の血流量の減少を適度に抑制することによって止血効果を高めることができる。また、前記拡張部を拡張させた際における支持板から第1表面への垂線の長さは、支持板から押圧部材の第3表面への垂線の長さよりも長い。このため、止血器具を腕に装着した状態において、押圧部材が尺骨動脈に対して付与する押圧力を、拡張部が止血すべき部位に対して付与する押圧力よりも小さくすることができる。その結果、拡張部が止血すべき部位に対して付与する押圧力を確保しつつ、押圧部材が尺骨動脈に対して付与する押圧力を小さくし、尺骨動脈の押圧によって生じるしびれや痛みを軽減させることができる。
第1実施形態に係る止血器具を内面側から見た平面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 第1実施形態に係る止血器具の拡張部の寸法例および押圧部材の拡張時の寸法例を示す断面図である。 第1実施形態に係る止血器具を腕に装着した状態を示す斜視図である。 図4のB−B線に沿う断面図である。 図4のC−C線に沿う断面図である。 図4のD−D線に沿う断面図である。 第2実施形態に係る止血器具を示す概略図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1実施形態)
本発明の実施形態に係る止血器具10は、図5に示すように、治療・検査などを行うカテーテル等を血管内に挿入する目的で手首200の橈骨動脈210に形成された穿刺部位220(止血すべき部位に相当)に留置していたイントロデューサーシースを抜去した後、その穿刺部位220を止血するために使用するものである。
止血器具10は、図1および図2に示すように、手首200に巻き付けるための帯体20と、帯体20を手首200(腕に相当)に巻き付けた状態で固定する面ファスナー30(固定部に相当)と、湾曲板40(支持板に相当)と、第1拡張部50(拡張部に相当)と、第2拡張部60(押圧部材に相当)と、マーカー70と、第1注入部80と、第2注入部81と、を有する。
なお、本明細書中では、帯体20を手首200に巻き付けた状態のとき、帯体20において手首200の体表面に向かい合う側(装着面側)を「内面側」と称し、その反対側を「外面側」と称する。
また、図中、帯体20の長手方向を矢印Xとして示し、帯体20の長手方向と直交する方向を矢印Yとして示している。
帯体20は、可撓性を有する帯状の部材である。帯体20は、図5に示すように、手首200の外周を略一周するように巻き付けられる。図2に示すように、帯体20の中央部には、湾曲板40を保持する湾曲板保持部21が形成されている。湾曲板保持部21は、外面側(または内面側)に別個の帯状の部材が融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)または接着(接着剤や溶媒による接着)等の方法によって接合されることにより、二重になっており、これらの隙間に挿入された湾曲板40を保持する。
帯体20の図1中の左端付近の部分の外面側には、一般にマジックテープ(登録商標)などと呼ばれる面ファスナー30の雄側(または雌側)31が配置されており、帯体20の図1中の右端付近の部分の内面側には、面ファスナー30の雌側(または雄側)32が配置されている。図4および図5に示すように帯体20を手首200に巻き付け、雄側31および雌側32が接合することにより、帯体20が手首200に装着される。なお、帯体20を手首200に巻き付けた状態で固定する手段は、面ファスナー30に限らず、例えば、スナップ、ボタン、クリップ、または帯体20の端部を通す枠部材であってもよい。
帯体20の構成材料は、可撓性を備える材料であれば特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)が挙げられる。
帯体20は、実質的に透明であることが好ましいが、透明に限定されず、半透明または有色透明であってもよい。これにより、穿刺部位220を外面側から視認することができ、後述するマーカー70を穿刺部位220に容易に位置合わせすることができる。
湾曲板40は、図2に示すように、帯体20の二重に形成された湾曲板保持部21の間に挿入されることにより帯体20に保持されている。この湾曲板40は、帯体20よりも硬質な材料で構成されており、ほぼ一定の形状を保つようになっている。
湾曲板40は、帯体20の長手方向(矢印X方向)に長い形状をなしている。この湾曲板40の長手方向の中央部41は、ほとんど湾曲せずに平板状になっており、この中央部41の両側には、それぞれ、内周側に向かって、かつ、帯体20の長手方向(手首200の周方向)に沿って湾曲した第1湾曲部42(図2の左側)および第2湾曲部43(図2の右側)が形成されている。
湾曲板40の構成材料は、穿刺部位220を視認できるのであれば特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(特に硬質ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。
湾曲板40は、帯体20と同様に、実質的に透明であることが好ましいが、透明に限定されず、半透明または有色透明であってもよい。これにより、穿刺部位220を外面側から確実に視認することができ、後述するマーカー70を穿刺部位220に容易に位置合わせすることができる。なお、湾曲板40は、中央部41のような湾曲していない部分を有さないもの、すなわち、その全長にわたり湾曲しているものであってもよい。
帯体20には、第1拡張部50および第2拡張部60が連結されている。第1拡張部50および第2拡張部60は、流体(空気等の気体もしくは液体)を注入することにより拡張する。第1拡張部50は、手首200の橈骨動脈210に位置する穿刺部位220を押圧する。第2拡張部60は、手首200の体表面を押圧することによって、尺骨動脈230およびその周辺を押圧する。
第1拡張部50は、図2に示すように、第1湾曲部42および中央部41の間の近辺と重なるように位置している。
第1拡張部50の構成材料は、可撓性を備える材料であれば特に限定されず、例えば、前述した帯体20の構成材料と同様のものを用いることができる。また、第1拡張部50は、帯体20と同質または同種の材料で構成されるのが好ましい。これにより、融着による帯体20との接合を容易に行うことができ、容易に製造することができる。
第1拡張部50は、帯体20および湾曲板40と同様に、実質的に透明であることが好ましい。これにより、穿刺部位220を外面側から視認することができ、後述するマーカー70を穿刺部位220に容易に位置合わせすることができる。
第1拡張部50の構造は、例えば、図2に示すように、前述したような材料からなる2枚のシート材を重ね、縁部を融着または接着等の方法により接合して袋状に形成したものとすることができる。第1拡張部50の外形は、図1に示すように、拡張していない状態では、四角形である。
第1拡張部50は、図2に示すように、可撓性を有する第1保持部51を介して、帯体20に連結されている。なお、第1保持部51は、湾曲板40の第1湾曲部42側に設けられることが好ましい。また、第1保持部51は、第1拡張部50と同材質で構成されていることが好ましい。これにより、融着による帯体20との接合を容易に行うことができ、容易に製造することができる。
第2拡張部60は、図2に示すように、帯体20の長手方向において第1拡張部50と異なる位置に配置される。具体的には、第2拡張部60は、第2湾曲部43および中央部41の間の近辺と重なるように配置される。
第2拡張部60の構成材料は、第1拡張部50と同様に、可撓性を備える材料であることが好ましく、例えば、前述した帯体20の構成材料と同様のものを用いることができる。帯体20と同様の材料を用いることによって、第2拡張部60を融着によって帯体20に容易に接合することができる。第2拡張部60は、帯体20および湾曲板40と同様に、実質的に透明であることが好ましい。
第2拡張部60の構造は、第1拡張部50と同様に、前述したような材料からなる2枚のシート材を重ね、縁部を融着または接着等の方法により接合して袋状に形成したものとすることができる。なお、本実施形態では、尺骨動脈230を押圧する押圧部材として流体の注入によって拡張する部材(第2拡張部60)を例示しているが、押圧部材は、このように構成されたものに限定されない。尺骨動脈230を押圧する押圧部材は、例えば、プラスチック、金属等の硬質な部材であってもよいし、スポンジ状の物質、弾性材料、綿のような繊維の集合体、またはこれらを組合せて形成した弾性部材であってもよい。
第2拡張部60は、図2に示すように、可撓性を有する第2保持部61を介して、帯体20に連結されている。なお、第2保持部61は、湾曲板40の第2湾曲部43側に設けられることが好ましい。また、第2保持部61は、第2拡張部60と同材質で構成されていることが好ましい。これにより、融着による帯体20との接合を容易に行うことができ、容易に製造することができる。
図3に示すように、第1拡張部50の手首200側に配置される面を第1表面50a、帯体20側に配置される面を第2表面50bとし、第2拡張部60の手首200側に配置される面を第3表面60a、帯体20側に配置される面を第4表面60bとする。第1拡張部50における第2表面50bの少なくとも一部および第2拡張部60における第4表面60bの少なくとも一部を帯体20の湾曲板40が配置された範囲に接触させた状態において、第1拡張部50を拡張させた際における湾曲板40から第1表面50aへの垂線の長さH1は、第2拡張部60を拡張させた際における湾曲板40から第3表面60aへの垂線の長さH2よりも長くなるように構成される。
なお、湾曲板40から第1表面50aへの垂線の長さは、湾曲板40のどの位置を垂線の始点に設定するかによって異なるが、本実施形態においては、前述した「湾曲板40から第1表面50aへの垂線の長さH1」を、湾曲板40の手首200側の面から第1表面50aへの垂線の最大長さとして定義する。同様に、「湾曲板40から第3表面60aへの垂線の長さH2」を、湾曲板40の手首200側の面から第3表面60aへの垂線の最大長さとして定義する。具体的には、図3に示すように、湾曲板40と第1表面50aとの間が最も離間する第1表面50aの略中央を終点とするように、湾曲板40側の始点を選択して、湾曲板40から第1表面50aへの垂線の長さH1を定義している。同様に、湾曲板40と第3表面60aとの間が最も離間する第3表面60aの略中央を終点とするように、湾曲板40側の始点を選択して、湾曲板40から第3表面60aへの垂線の長さH2を定義している。
なお、各垂線H1、H2の始点となる位置は、湾曲板40と第1表面50aとの間の距離および湾曲板40と第3表面60aとの間の距離を比較できるものであればよく、上記の定義に限定されることはない。例えば、湾曲板40の手首200側の面と反対側の面を垂線の始点としてもよい。
第1拡張部50および第2拡張部60の外形形状、構造、構成材料の弾性率等は、垂線の長さH1が垂線の長さH2よりも長くなるように適宜選択または設計することが好ましい。
本実施形態では、第1拡張部50と第2拡張部60は同一の材料により形成し、拡張していない状態における第1拡張部50の外形形状を第2拡張部60の外形形状よりも大きくすることによって、拡張した際の垂線の長さH1が垂線の長さH2よりも長くなるようにしている。具体的には、帯体20の長手方向に沿う第1拡張部50の寸法(第1拡張部50の長さL1)は、帯体20の長手方向に沿う第2拡張部60の寸法(第2拡張部60の長さL2)よりも長い。また、帯体20の長手方向と直交する方向に沿う第1拡張部50の寸法(第1拡張部50の幅W1)は、帯体20の長手方向と直交する方向に沿う第2拡張部60の寸法(第2拡張部60の幅W2)よりも長い。
なお、例えば、第2拡張部60の一部の材質を変更して、垂線方向に拡張し難くなるような部分を設けることによって、垂線の長さH1が垂線の長さH2よりも長くなるような構造にしてもよい。また、例えば、第1拡張部50を第2拡張部60よりも弾性率の高い材料によって構成し、第1拡張部50が第2拡張部60よりも大きく拡張可能となるように構成することによって、垂線の長さH1が垂線の長さH2よりも長くなるようにしてもよい。
また、本実施形態では、第1拡張部50の外形形状と第2拡張部60の外形形状とが相似形状である場合を説明したが、例えば、第1拡張部50の外形形状と第2拡張部の60外形形状とが相似形状でない場合においても、湾曲板40から第1表面50aの垂線の最大長さが、湾曲板40から第3表面60aの垂線の最大長さよりも長く形成することにより、本実施形態と同様に後述する効果を得ることができる。
また、前述したように、第1拡張部50の長さL1は、第2拡張部60の長さL2よりも長く、第1拡張部50の幅W1は、第2拡張部60の幅W2よりも長い。このため、拡張した際における第1拡張部50の第1表面50aの表面積は、拡張した際における第2拡張部60の第3表面60aの表面積よりも大きくなる。また、第1拡張部50は、帯体20の長手方向、帯体20の長手方向と直交する方向、および前述した垂線方向に対して、第2拡張部60よりも大きく拡張可能である。そのため、拡張した際における第1拡張部50体積は、拡張した際における第2拡張部の体積よりも大きい。
なお、例えば、第1拡張部50の長さL1を第2拡張部60の長さL2よりも長くし、第1拡張部50の幅W1と第2拡張部60の幅W2とが同じ長さとなるようにしてもよい。この場合も、拡張した際における第1拡張部50の第1表面50aの表面積は、拡張した際における第2拡張部60の第3表面60aの表面積よりも大きくなる。また、拡張した際における第1拡張部50の体積は、拡張した際における第2拡張部60の体積よりも大きい。
また、本実施形態に係る第1拡張部50と第2拡張部60は、いずれも流体を注入することによって拡張する形態であって、同一の部材から成る。このため、第1拡張部50の外形寸法(L1、W1)と第2拡張部60の外形寸法(L2、W2)とが同じであると、一見して違いが判らず、第1拡張部50と第2拡張部60を取り違える可能性がる。しかしながら、上記のように、第1拡張部50の外形寸法(L1、W1)と第2拡張部60の外形寸法(L2、W2)とが異なる寸法となるように各拡張部50、60を形成することによって、見た目の大きさが異なる第1拡張部50と第2拡張部60とを、容易に判別することができる。
また、湾曲板40の長手方向に沿う第1湾曲部42の長さL3と第2湾曲部43の長さL4との関係は、第1拡張部50の長さL1と第2拡張部60の長さL2との関係に対応するように構成される。具体的には、図2、図5に示すように、第1拡張部50が位置する側に設けられる第1湾曲部42の長さL3は、第2拡張部60が位置する側に設けられる第2湾曲部43の長さL4よりも長い。このため、止血器具10を手首200に装着した際に、第1湾曲部42および第2湾曲部43はそれぞれ拡張した第1拡張部50および第2拡張部60の形状に合わせて、第1拡張部50および第2拡張部60を手首200に押付けることが可能である。
図2に示すように、第2表面50bには、マーカー70が設けられている。第1拡張部50にこのようなマーカー70を設けることによって、第1拡張部50を穿刺部位220に対して容易に位置合わせすることができるため、第1拡張部50の位置ズレが抑制される。
マーカー70の形状は、特に限定されず、例えば、円、三角形、四角形等が挙げられ本実施形態では、四角形をなしている。
マーカー70の大きさは、特に限定されないが、例えば、マーカー70の形状が四角形をなしている場合、その一辺の長さが1〜4mmの範囲であることが好ましい。一辺の長さが5mm以上であると、穿刺部位220の大きさに対してマーカー70の大きさが大きくなるため、第1拡張部50の中心部を穿刺部位220に位置合わせし難くなる。
マーカー70の材質は、特に限定されず、例えば、インキ等の油性着色料、色素を混練した樹脂等が挙げられる。
マーカー70の色は、第1拡張部50を穿刺部位220に位置合わせすることができる色であれば特に限定されないが、緑色系が好ましい。緑色系にすることにより、マーカー70を血液や皮膚上で容易に視認することができるため、第1拡張部50を穿刺部位220に位置合わせすることがより容易となる。
また、マーカー70は半透明または有色透明であることが好ましい。これにより、穿刺部位220をマーカー70の外面側から視認することができる。
第1拡張部50にマーカー70を設ける方法は特に限定されないが、例えばマーカー70を第1拡張部50に印刷する方法、マーカー70を第1拡張部50に融着する方法、マーカー70の片面に接着剤を塗布して第1拡張部50に貼り付ける方法等が挙げられる。
なお、マーカー70は第1拡張部50の内面側に設けてもよい。この際、マーカー70は、穿刺部位220と直接接触しないように第1拡張部50内の内表面等に設けられることが好ましい。
第1注入部80および第2注入部81は、それぞれ第1拡張部50および第2拡張部60内に流体を注入するための部位であり、図1に示すように、それぞれ第1拡張部50および第2拡張部60に接続されている。
第1注入部80は、その基端部が第1拡張部50に接続され、その内腔が第1拡張部50の内部に連通する可撓性を有する第1チューブ82と、第1チューブ82の内腔と連通するように第1チューブ82の先端部に配置された第1袋体84と、第1袋体84にそれぞれ接続された管状の第1コネクタ86と、を備えている。第1コネクタ86には、逆止弁(図示せず)が内蔵されている。
第2注入部81も、同様にその基端部が第2拡張部60に接続され、その内腔が第2拡張部60の内部に連通する可撓性を有する第2チューブ83と、第2チューブ83の内腔と連通するように第2チューブ83の先端部に配置された第2袋体85と、第2袋体85にそれぞれ接続された管状の第2コネクタ87と、を備えている。第2コネクタ87には、逆止弁(図示せず)が内蔵されている。第2チューブ83は、帯体20に対して第1チューブ82が配置される側と同じ側に配置されることが好ましい。これにより、第1チューブ82および第2チューブ83に同じ側から流体を注入することができる。このため、第1チューブ82および第2チューブ83に同じシリンジを使用した際に、シリンジの挿入および抜去の操作を容易に行うことができる。
第1拡張部50を拡張(膨張)させる際には、第1コネクタ86にシリンジ(図示せず)の先筒部を挿入して逆止弁を開き、このシリンジの押し子を押して、シリンジ内の流体を第1注入部80を介して第1拡張部50内に注入する。第1拡張部50が膨張すると、第1チューブ82を介して第1拡張部50と連通している第1袋体84も膨張し、流体が漏れずに、第1拡張部50を加圧できていることを目視で確認できる。第1拡張部50内に流体を注入した後、第1コネクタ86からシリンジの先筒部を抜去すると、第1コネクタ86に内蔵された逆止弁が閉じて流体の漏出が防止され、第1拡張部50が膨張した状態が維持される。同様の作業を第2拡張部60に接続される第2注入部81に対して行えば、第2拡張部60を膨張させた状態が維持される。
次に、本実施形態に係る止血器具10の使用方法について説明する。
止血器具10を手首200に装着する前は、第1拡張部50および第2拡張部60は、拡張していない状態となっている。手首200に穿刺を行う場合、通常、橈骨動脈210への穿刺部位220は、右手の手首200の親指側へ片寄った位置にある。通常、穿刺部位220にはイントロデューサーシースが留置されている。このイントロデューサーシースが留置されたままの状態の手首200に帯体20を巻き付け、第1拡張部50に設けられたマーカー70が穿刺部位220上に重なるように第1拡張部50および帯体20を位置合わせして、面ファスナー30の雄側31および雌側32を接触させて接合し、帯体20を手首200に装着する。
止血器具10は、第1注入部80および第2注入部81が、橈骨動脈210の血流の下流側に向くように、手首200に対して装着される。これにより、手首よりも上流側での手技や、上流側に位置する器具(例えば、血圧計等)に干渉することなしに、第1注入部80および第2注入部81の操作が可能である。また、止血器具10を、第1注入部80および第2注入部81が下流側に向くように右手の手首200に装着することで、第1拡張部50は、手首200の親指側へ片寄って位置する橈骨動脈210に位置し、第2拡張部60は、尺骨動脈230の周辺に位置する。なお、動脈の場合、血管の上流側とは、血管の心臓に近づく方向をいう。また、血管の下流側とは、血管の心臓から遠ざかる方向をいう。
止血器具10を手首200に装着した後、第1注入部80の第1コネクタ86にシリンジ(図示せず)を接続し、前述したようにして流体を第1拡張部50内に注入し、図5および図6に示すように、第1拡張部50を拡張させて、穿刺部位220を押圧する。このときの流体の注入量により、症例に応じて、第1拡張部50の拡張度合い、すなわち、橈骨動脈210に位置する穿刺部位220への押圧力を容易に調整することができる。
第1拡張部50を拡張させた後、第1コネクタ86からシリンジを離脱させる。そして穿刺部位220からイントロデューサーシースを抜去する。これにより、第1拡張部50は、拡張状態を維持し、穿刺部位220への押圧状態が維持される。
次に、第2注入部81の第2コネクタ87にシリンジ(図示せず)を接続し、前述したようにして流体を第2拡張部60内に注入し、図5および図7に示すように、第2拡張部60を拡張させて、尺骨動脈230の周辺を押圧する。このときの流体の注入量により、第2拡張部60の拡張度合い、すなわち、尺骨動脈230の周辺への押圧力を容易に調整することができる。
第1拡張部50および第2拡張部60が拡張すると、湾曲板40は、手首200の体表面から離間して、手首200に接触し難くなる。また、止血器具10を装着した後に第1拡張部50および第2拡張部60を拡張させると、湾曲板40により、第1拡張部50および第2拡張部60の手首200の体表面から離れる方向への拡張が抑制され、第1拡張部50および第2拡張部60の押圧力が手首200側に集中する。このため、第1拡張部50からの押圧力が、穿刺部位220の周辺に集中して作用するため、止血効果を向上させることができる。
また、第1拡張部50が橈骨動脈210を押圧する際に、第2拡張部60が尺骨動脈230を押圧することによって尺骨動脈230に流れる血流の過度な増加を防止し、橈骨動脈210の血流量の減少を抑制することができる。これにより、血管の閉塞を防止し、血小板等の量が減少を抑制することによって穿刺部位220の止血を比較的短時間で行うことができる。
また、図5、図6および図7に示すように、止血器具10を手首200に装着した状態において、各拡張部50、60は、第1拡張部50の拡張状態の目安を示す垂線H1の長さが、第2拡張部60の拡張状態の目安を示す垂線H2の長さよりも長くなるまで拡張させる。これにより、第1拡張部50において手首と接触する部分は、第2拡張部60において手首と接触する部分に比較して、手首に向けて凸状に変形するとともに、第2拡張部60が尺骨動脈230に対して付与する押圧力よりも大きな押圧力で穿刺部位220およびその周辺を押圧する。
なお、止血の進行具合や経過時間に応じて、第1拡張部50および第2拡張部60への流体の注入量を調整して、第1拡張部50および第2拡張部60の押圧力を調整してもよい。
止血が完了したら、第1拡張部50の穿刺部位220への押圧力をさらに低減させて止血器具10を取り外す。
穿刺部位220の止血が完了して止血器具10を取り外す際には、第1拡張部50を収縮させた後、面ファスナー30の雄側31および雌側32を剥がして止血器具10を手首200から取り外す。なお、止血器具10を取り外す際に、第1拡張部50を収縮させなくてもよい。
以上のように、第1実施形態に係る止血器具10は、橈骨動脈210および尺骨動脈230が走行する腕に巻き付けることが可能な可撓性を備える帯体20と、帯体20を手首200に巻き付けた状態で固定する面ファスナー30と、帯体20に保持されて帯体20よりも硬質な材料で形成された湾曲板40と、帯体20に連結されて流体を注入することにより拡張して、橈骨動脈210の穿刺部位220を押圧可能な第1拡張部50と、帯体20の長手方向において第1拡張部50と異なる位置に配置され、尺骨動脈230を押圧可能な第2拡張部60と、を備える。第1拡張部50は、手首200側に配置される第1表面50aと、帯体20側に配置される第2表面50bと、を有する。第2拡張部60は、手首200側に配置される第3表面60aと帯体20側に配置される第4表面60bとを有する。第1拡張部50の第2表面50bの少なくとも一部および第2拡張部60の第4表面60bの少なくとも一部を帯体20の湾曲板40が配置された範囲に接触させた状態において、第1拡張部50を拡張させた際における湾曲板40から第1表面50aへの垂線の長さH1は、第2拡張部60を拡張させた際における湾曲板40から第3表面60aへの垂線の長さH2よりも長い。
このように構成した止血器具10によれば、橈骨動脈210の血流量の減少を適度に抑制して止血効果を高めることができる。また、第1拡張部50を拡張させた際における湾曲板40から第1表面50aへの垂線の長さH1は、第2拡張部60を拡張させた際における湾曲板40から第3表面60aへの垂線の長さH2よりも長い。このため、止血器具10を手首200に装着した状態において、第2拡張部60が尺骨動脈230に対して付与する押圧力を、第1拡張部50が穿刺部位220に対して付与する押圧力よりも小さくすることができる。その結果、第1拡張部50が穿刺部位220に対して付与する押圧力を確保しつつ、第2拡張部60が尺骨動脈230に対して付与する押圧力を小さくし、尺骨動脈230の押圧によって生じるしびれや痛みを軽減させることができる。
また、拡張した際における第1拡張部50の第1表面50aの表面積は、拡張した際における第2拡張部60の第3表面60aの表面積よりも大きくなる。このため、止血器具10を手首200に装着した状態において、第1拡張部50が手首200と接触する部分の面積は、第2拡張部60が手首200と接触する部分の面積より大きくなる。その結果、第1拡張部50が穿刺部位220に対して付与する押圧力を確保し、かつ、比較的広範な範囲を押圧することで安定的に穿刺部位220を押圧することが可能となる一方で、第2拡張部60が尺骨動脈230に対して付与する押圧力を小さくし、尺骨動脈230の押圧によって生じるしびれや痛みを軽減させることができる。
また、帯体20の長手方向に沿う第2拡張部60の長さL2は、帯体20の長手方向に沿う第1拡張部50の長さよりも短い。このため、第1拡張部50による押圧範囲を確保しつつ、第2拡張部60による尺骨動脈230以外の部位(腱や神経など)の押圧範囲を狭めることができる。その結果、尺骨動脈230の押圧によって生じるしびれや痛みを軽減させることができる。
また、第2拡張部60は流体を注入することによって拡張可能であって、第1拡張部50が拡張した際の体積は、第2拡張部60の拡張した際の体積よりも大きい。拡張した際の体積が大きいほうが手首200はより強く押圧されるため、拡張した際の第1拡張部50の体積を第2拡張部60の体積よりも大きくなるように構成することによって、第1拡張部50が穿刺部位220に対して付与する押圧力を確保しつつ、第2拡張部60が尺骨動脈230に対して付与する押圧力を小さくすることができる。
(第2実施形態)
第1実施形態に係る止血器具10では、穿刺部位220を押圧する部材(拡張部)は、流体の注入によって拡張する単一の第1拡張部50により構成されている。これに対して、図8に示すように、第2実施形態に係る止血器具100は、第1実施形態と同様に流体を注入する点は共通であるが、穿刺部位220を押圧する部材(拡張部150)が、主圧迫部151および補助圧迫部152の二つの部材により構成されている点において第1実施形態と相違する。
また、第1実施形態に係る止血器具10では、尺骨動脈230を押圧する部材(押圧部材)は、流体を注入することによって拡張可能な単一の第2拡張部60により構成されている。これに対して、第2実施形態に係る止血器具100では、尺骨動脈230を押圧する部材(押圧部材160)は、硬質部材161および柔軟部材162の二つの部材により構成されている。なお、第2実施形態の他の構成は第1実施形態と実質的に同様である。以下、第2実施形態に係る止血器具100について詳述する。なお、第1実施形態と同一の構成に関しては同一の符号を付して、説明を省略する。
図8に示すように、拡張部150は、橈骨動脈210の穿刺部位220を押圧する主圧迫部151と、主圧迫部151と帯体20との間に重なるようにして配置される補助圧迫部152と、を有する。主圧迫部151および補助圧迫部152は、第1湾曲部42および中央部41の間の近辺と重なるように位置している。
主圧迫部151および補助圧迫部152は、流体(空気等の気体もしくは液体)を注入することにより拡張する。なお、主圧迫部151および補助圧迫部152は連通しており、主圧迫部151の内部と、補助圧迫部152の内部とを、互いに連通可能な連通路154が設けられており、いずれか一方には第1実施形態と同様の注入部(図示せず)が設けられている。このため、主圧迫部151または補助圧迫部152のいずれか一方に流体を注入して拡張させると、他方も一緒に拡張する。拡張した主圧迫部151は、手首200の橈骨動脈210に位置する穿刺部位220を押圧する。拡張した補助圧迫部152は、主圧迫部151を押圧して主圧迫部151の押圧方向を調整する。なお、補助圧迫部は、本実施形態のように流体を注入することによって拡張させるものに限定されず、例えば、スポンジ状の物質、弾性材料、綿のような繊維の集合体、またはこれらの組合せた部材であってもよい。
主圧迫部151および補助圧迫部152の構成材料は、可撓性を備える材料であれば特に限定されず、例えば、前述した第1実施形態の帯体20の構成材料と同様のものを用いることができる。また、主圧迫部151および補助圧迫部152は、帯体20と同質または同種の材料で構成されるのが好ましい。これにより、融着による帯体20との接合を容易に行うことができ、容易に製造することができる。
主圧迫部151および補助圧迫部152は、帯体20および湾曲板40と同様に、実質的に透明であることが好ましい。これにより、穿刺部位220を外面側から視認することができ、補助圧迫部152に設けられたマーカー70を穿刺部位220に容易に位置合わせすることができる。
主圧迫部151および補助圧迫部152の構造は、例えば、第1実施形態に係る第1拡張部50と同様に、四角形の2枚のシート材を重ね、縁部を融着または接着等の方法により接合して袋状に形成したものとすることができる。
補助圧迫部152は、可撓性を有する保持部153を介して、帯体20に連結されている。なお、保持部153は、湾曲板40の第1湾曲部42側に設けられることが好ましい。また、保持部153は、主圧迫部151および補助圧迫部152と同材質で構成されていることが好ましい。これにより、融着による帯体20との接合を容易に行うことができ、容易に製造することができる。
押圧部材160は、尺骨動脈230の周辺を押圧する硬質部材161と、硬質部材161よりも柔軟であって硬質部材161と帯体20との間に重なるようにして配置される柔軟部材162と、を有する。硬質部材161および柔軟部材162は、第2湾曲部43および中央部41の間の近辺と重なるように位置している。
硬質部材161は、例えば、金属、プラスチック等の硬質な材料からなる。柔軟部材162は、硬質部材161よりも柔軟であればよく、例えば、スポンジ状の物質、弾性材料、綿のような繊維の集合体、またはこれらの組合せた材料を用いてもよい。また、例えば、柔軟部材162は、流体(空気、液体等)を注入することによって拡張する構成にしてもよい。硬質部材161は、尺骨動脈230を押圧する。柔軟部材162は、湾曲板40と硬質部材161との間において、湾曲板40が硬質部材161に付与する押付け力を緩和する。
硬質部材161および柔軟部材162の外形は、それぞれ楕円形の断面を備える円柱形状である。ただし、尺骨動脈230を押圧できれば、硬質部材161および柔軟部材162の外形は円柱形状に限定されず、例えば、四角柱、三角柱等の多角柱として構成することもできる。
硬質部材161および柔軟部材162は融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)または接着(接着剤や溶媒による接着)等の方法によって互いに接合される。柔軟部材162および帯体20も同様の方法によって互いに接合される。
本実施形態では、拡張部150の手首200側に配置される面(主圧迫部151の手首200側に配置される表面)を第1表面150aとし、拡張部150の帯体20側に配置される面(補助圧迫部152の手首200側に配置される表面)を第2表面150bとする。また、押圧部材160の手首200側に配置される面(硬質部材161の手首200側に配置される表面)を第3表面160aとし、押圧部材160の帯体20側に配置される面(柔軟部材162の手首200側に配置される表面)を第4表面160bとする。拡張部150における第2表面150bの少なくとも一部および押圧部材160における第4表面160bの少なくとも一部を帯体20の湾曲板40が配置された範囲に接触させた状態において、拡張部150を拡張させた際における湾曲板40から第1表面150aへの垂線の長さH11が、湾曲板40から第3表面160aへの垂線の長さH12よりも長くなるように構成される。
このように構成した止血器具100によれば、橈骨動脈210の血流量の減少を適度に抑制して止血効果を高めることができる。また、拡張部150を拡張させた際における湾曲板40から第1表面150aへの垂線の長さH11は、湾曲板40から押圧部材160の第3表面160aへの垂線の長さH12よりも長い。このため、止血器具100を手首200に装着した状態において、押圧部材160が尺骨動脈230に対して付与する押圧力を、拡張部150が穿刺部位220に対して付与する押圧力よりも小さくすることができる。その結果、拡張部150が穿刺部位220に対して付与する押圧力を確保しつつ、押圧部材160が尺骨動脈230に対して付与する押圧力を小さくし、尺骨動脈230の押圧によって生じるしびれや痛みを軽減させることができる。
また、押圧部材160は、硬質部材161と湾曲板40との間に柔軟部材162を有し、止血器具100を手首200に装着した際、柔軟部材162は、湾曲板40から硬質部材161に加わる押付け力を緩和する。このように、固い硬質部材161によって手首200を押圧する場合は、硬質部材161と湾曲板40との間に柔軟部材162を設けることによって、尺骨動脈230の押圧によって生じるしびれや痛みを軽減することができる。
以上、第2実施形態で説明したように、拡張部および押圧部材が複数の部材を重ねた構造である場合は、最も手首200側に配置される部材における手首200側の表面をそれぞれ第1表面または第3表面とし、最も帯体20側に配置される部材の帯体20側の表面をそれぞれ第2表面または第4表面とし、前述した垂線の長さ関係が成り立つように構成することができる。
以上、複数の実施形態を通じて本発明に係る止血器具を説明したが、本発明は説明した各構成のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、止血器具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明は、手首に装着して使用する止血器具に限らず、腕において橈骨動脈および尺骨動脈の走行するいかなる部分に装着して使用する止血器具にも適用することができる。
また、穿刺部位を押圧する部材(第1拡張部、主圧迫部)、その補助部材(補助圧迫部)および尺骨動脈を押圧する部材(第2拡張部)の拡張していない状態における形状は、四角形に限定されない。例えば、円形、楕円形、五角形等の多角形であってもよい。
また、マーカーは、拡張部に設けるのではなく、帯体、湾曲板、補助圧迫部に設けてもよい。また、マーカーは、拡張部の中心部に重なるように設けることがさらに好ましい。
10 止血器具、
20 帯体、
30 面ファスナー(固定部)、
40 湾曲板(支持板)、
50 第1拡張部(拡張部)、
50a 第1表面、
50b 第2表面、
60 第2拡張部(押圧部材)、
60a 第3表面、
60b 第4表面、
100 止血器具、
150 拡張部、
150a 第1表面、
150b 第2表面、
160 押圧部材、
160a 第3表面、
160b 第4表面、
200 手首(腕)、
210 橈骨動脈、
220 穿刺部位、
230 尺骨動脈、
H1、H11 湾曲板から第1表面への垂線の長さ、
H2、H12 湾曲板から第3表面への垂線の長さ、
L1 第1拡張部の長さ、
L2 第2拡張部の長さ。

Claims (4)

  1. 橈骨動脈および尺骨動脈が走行する腕に巻き付けることが可能な可撓性を備える帯体と、
    前記帯体を前記腕に巻き付けた状態で固定する固定部と、
    前記帯体に保持されて前記帯体よりも硬質な材料で形成された支持板と、
    前記帯体に連結されて流体を注入することにより拡張して、前記橈骨動脈の止血すべき部位を押圧可能な拡張部と、
    前記帯体の長手方向において前記拡張部と異なる位置に配置され、前記尺骨動脈を押圧可能な押圧部材と、を備え、
    前記拡張部は、前記腕側に配置される第1表面と、前記帯体側に配置される第2表面と、を有し、
    前記押圧部材は、前記腕側に配置される第3表面と前記帯体側に配置される第4表面とを有し、
    前記拡張部の前記第2表面の少なくとも一部および前記押圧部材の前記第4表面の少なくとも一部を前記帯体の前記支持板が配置された範囲に接触させた状態において、前記拡張部を拡張させた際における前記支持板から前記第1表面への垂線の長さは、前記支持板から前記第3表面への垂線の長さよりも長くなることを特徴とする止血器具。
  2. 拡張した際における前記拡張部の前記第1表面の表面積は、前記押圧部材の前記第3表面の表面積よりも大きくなることを特徴とする請求項1に記載の止血器具。
  3. 前記帯体の長手方向に沿う前記押圧部材の長さは、前記帯体の長手方向に沿う前記拡張部の長さよりも短いことを特徴とする請求項1または2に記載の止血器具。
  4. 前記押圧部材は、流体を注入することにより拡張し、
    拡張した際における前記拡張部の体積は、拡張した際における前記押圧部材の体積よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の止血器具。
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