JP2017041471A - 太陽電池セル電極の製造方法及び太陽電池セル電極作成用導電性ペースト組成物の製造方法 - Google Patents

太陽電池セル電極の製造方法及び太陽電池セル電極作成用導電性ペースト組成物の製造方法 Download PDF

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秀樹 菅原
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功晃 坂詰
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Abstract

【解決手段】導電性ペースト組成物を焼成して太陽電池セルの電極を形成する方法であって、該導電性ペースト組成物は、導電性粒子、ガラス粉末、バインダー、有機溶媒及び1次粒子の平均粒子径が体積基準メジアン径で0.01〜5μmの疎水性球状シリカ微粒子を含有し、該疎水性球状シリカ微粒子は、導電性ペースト組成物の全体量に対し0.1〜7.0質量%含有する太陽電池セル電極の製造方法。【効果】本発明の方法によれば、太陽電池セル電極とシリコン基板との接着強度が向上し、モジュール化後の信頼性を向上させることができる。また、太陽電池セル電極とシリコン基板との接着強度を確保しながら焼成温度を下げることが可能であるため、副次的に太陽電池セルの出力を向上させることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性ペーストを用いた太陽電池電極の製造方法及び太陽電池セル電極作成用導電性ペースト組成物の製造方法に関する。
結晶シリコン基板を用いた太陽電池セルは、シリコン基板の一方面にn+層、及びそれに対する別の一方面にp+層を形成し、また、当シリコン基板表面に窒化ケイ素や酸化チタンからなる反射防止膜を形成し、その上部に銀を主成分とした電極が形成された構造となっている。受光面、及び裏面電極ともに、形成方法としてはファイヤースルー法が主に用いられる。ファイヤースルー法は、反射防止膜もしくはシリコン基板上に電極ペーストを塗布し、焼成して電極を形成するものである。
上記電極ペーストは、導電性粉末と、ガラス粉末、バインダー、有機溶媒などを主成分とする(特許文献1:特開2014−033036号公報、特許文献2:特開2006−332032号公報)。
上記電極ペーストは、焼成過程において、電極ペースト中に含まれるガラス粉末が溶融かつ反射防止膜を貫通し、シリコン基板中のn+層並びにp+層と、導電性成分がオーミックコンタクトを形成する。
このようにして得られた太陽電池セルは、受光面、裏面に形成された電極の集合電極(バスバーと呼ばれる)部に、半田を被覆した金属線(インターコネクターと呼ばれる)を加温接着させ、セル同士を連結させる。
その際、上記セル集合電極部が、シリコン基板に対して十分な接着強度を有していないと、太陽電池セル電極がシリコン基板から剥離したり、或いは屋外に長期曝露される間に徐々に剥離が進行し、出力を低下させるおそれがある。集合電極部に限らず、セル電極部とシリコン基板との接着は、十分な強度が得られていないと、モジュール化した際の封止剤の影響などにより出力低下につながる(特許文献3:特開2011−012243号公報)。
このような問題点に関して、セル電極とシリコン基板との接着強度を高める手法として、軟化点の高いガラス粉末を使用し、焼成温度を高める方法がある(特許文献4:特表2008−543080号公報、特許文献5:特開2010−087501号公報)。しかし、焼成温度が上昇した結果、シリコン基板に影響を与え太陽電池の出力を低下させるという欠点があった。
また、ファイヤースルーを必要としない裏面電極に関しても、軟化点の高いガラス粉末を使用し、接着強度を高める手法があるが、上記同様に、焼成温度を上げることで受光面側の電極のファイヤースルー特性の不合致などにより、結果として太陽電池の出力を低下させる欠点があった。
更に、インターコネクターとセル集合電極部の接着においては、セル電極部に侵入した半田が徐々にセル電極部内で侵食する現象(銀食われと呼ばれる)が生じ、結果としてセル電極部に亀裂が入る、もしくはセル電極部がシリコン基板から剥離するという欠点があった。
特開2014−033036号公報 特開2006−332032号公報 特開2011−012243号公報 特表2008−543080号公報 特開2010−087501号公報
本発明は、導電性ペーストを焼成して太陽電池セル電極を形成する際、焼成温度を低下させても接着強度を維持し、太陽電池セルの出力向上、並びに太陽電池セル電極の信頼性の向上を計ることができる太陽電池セル電極の製造方法及びこれに用いる導電性ペースト組成物の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、導電性粒子、ガラス粉末、バインダー、有機溶媒を含む太陽電池セル電極作成用の導電性ペースト組成物に対し、疎水性球状シリカ微粒子を添加することにより、ガラス粉末の分散性が向上し、更に熱溶融を促進させる効果が得られるため、軟化点が高いガラス粉末を使用した場合においても、大きく焼成温度を上げることなくファイヤースルー性が向上し、かつシリコン基板とのオーミックコンタクトが改善し、太陽電池セルの出力を向上させるのと同時に、電極とシリコン基板との十分な接着強度が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、以下の太陽電池セル電極の製造方法及びこれに用いる導電性ペースト組成物の製造方法を提供する。
〔1〕
導電性ペースト組成物を焼成して太陽電池セルの電極を形成する方法であって、該導電性ペースト組成物は、導電性粒子、ガラス粉末、バインダー、有機溶媒及び1次粒子の平均粒子径が体積基準メジアン径で0.01〜5μmの疎水性球状シリカ微粒子を含有し、該疎水性球状シリカ微粒子は、導電性ペースト組成物の全体量に対し0.1〜7.0質量%含有することを特徴とする太陽電池セル電極の製造方法。
〔2〕
疎水性球状シリカ微粒子が、4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合物、又はそれらの混合物を加水分解縮合することによって得られた親水性球状シリカ微粒子の表面に、R1SiO3/2単位(式中、R1は置換又は非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基である。)を導入する工程と、次いでR2 3SiO1/2単位(式中、R2は同一又は異なり、置換又は非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)を導入する工程とを含む疎水化処理をして得られるものであることを特徴とする〔1〕記載の太陽電池セル電極の製造方法。
〔3〕
疎水性球状シリカ微粒子が、
(A1)下記一般式(I):
Si(OR34 (I)
(但し、R3は同一又は異種の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)
で示される4官能性シラン化合物又はその部分加水分解生成物又はこれらの混合物を塩基性物質の存在下で親水性有機溶媒と水の混合液中で加水分解、縮合することによってSiO2単位を含む親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得る工程と、
(A2)該親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、下記一般式(II):
1Si(OR43 (II)
(但し、R1は置換又は非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基、R4は同一又は異種の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)
で示される3官能性シラン化合物又はその部分加水分解生成物又はこれらの混合物を添加して、前記親水性球状シリカ微粒子の表面を処理することにより、前記親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(但し、R1は前記と同じである。)を導入し、第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得る工程と、
(A3)該第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液から前記親水性有機溶媒と水の一部を除去し濃縮することにより第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の混合溶媒濃縮分散液を得る工程と、
(A4)該第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の混合溶媒濃縮分散液に下記一般式(III):
2 3SiNHSiR2 3 (III)
(但し、R2は同一又は異種の置換又は非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)
で示されるシラザン化合物、又は下記一般式(IV):
2 3SiX (IV)
(但し、R2は前記と同じである。XはOH基又は加水分解性基である。)
で示される1官能性シラン化合物又はこれらの混合物を添加し、前記第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の表面を処理して前記第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の表面にR2 3SiO1/2単位(但し、R2は前記と同じである。)を導入して第二の疎水性シリカ微粒子を形成することにより製造された疎水性球状シリカ微粒子であることを特徴とする請求項2記載の太陽電池セル電極の製造方法。
〔4〕
疎水性球状シリカ微粒子が、ハロゲンを含まないシロキサンを火炎中で酸化燃焼して得られる球状シリカ微粒子に、R2 3SiO1/2単位(式中、R2は同一又は異なり、置換又は非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)を導入する工程により疎水化処理をして得られるものであることを特徴とする〔1〕記載の太陽電池セル電極の製造方法。
〔5〕
導電性粒子、ガラス粉末、バインダー、有機溶媒及び1次粒子の平均粒子径が体積基準メジアン径で0.01〜5μmの疎水性球状シリカ微粒子を混合して太陽電池セル電極作成用導電性ペースト組成物を製造するに際し、上記疎水性球状シリカ微粒子として、ハロゲンを含まないシロキサンを火炎中で酸化燃焼して得られる球状シリカ微粒子に、R2 3SiO1/2単位(式中、R2は同一又は異なり、置換又は非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)を導入してなるものを使用すると共に、該疎水性球状シリカ微粒子を導電性ペースト組成物全体量に対し0.1〜7.0質量%の配合量となるように混合することを特徴とする太陽電池セル電極作成用導電性ペースト組成物の製造方法。
本発明の方法によれば、太陽電池セル電極とシリコン基板との接着強度が向上し、モジュール化後の信頼性を向上させることができる。また、太陽電池セル電極とシリコン基板との接着強度を確保しながら焼成温度を下げることが可能であるため、副次的に太陽電池セルの出力を向上させることができる。
更に、上記疎水性球状シリカ微粒子が、太陽電池セル電極中の導電性粒子界面に存在することにより、インターコネクターからの半田の侵食を抑えることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、導電性ペースト組成物を焼成して太陽電池セルの電極を形成する方法であって、該導電性ペースト組成物は、導電性粒子、ガラス粉末、バインダー、有機溶媒及び疎水性球状シリカ微粒子を含有することを特徴とする。以下に各成分について説明する。
導電性粒子
前記導電性粒子としては、一般的な導電性を示す粒子状のものでよく、このような導電粉体としては、金、銀、銅、すず、白金又はパラジウム等の金属の導電粉体が挙げられ、具体的には、銀粉、銀合金粉、銅粉、銅合金粉、金粉、鉛粉、すず粉、白金粉、パラジウム粉、アルミニウム粉、はんだ粒子等が挙げられる。好ましくは銀粉もしくは銅粉が用いられる。このような導電性粒子が、導電性を失わない範囲で導電性物質以外の不純物を含むものであってもよい。なお、粒子形状、粒子製法は特に限定されないが、分散性、電極パターンを形成する際の塗布性や印刷性の観点から、リン片状、又は球状でかつ、1次粒子の平均粒子径が体積基準メジアン径で0.1〜5μm、特に0.5〜2μmであることが好ましい。
ガラス粉末
前記ガラス粉末としては、例えばPb系(PbO−B23−SiO2、PbO−B23−SiO2−Li2O、PbO−SiO2−Li2O、PbO−B23−Al23等)又は非Pb系(例えばBi23−B23−SiO2、Bi23−B23−Al23、B23−SiO2−Li2O)等を用いることができるが、それらに限定されるものではない。形状は特に限定されず、球状、不定形状等を用いることができ、寸法も特に限定されないが、分散性、電極パターンを形成する際の塗布性や印刷性の観点から、1次粒子の平均粒子径が体積基準メジアン径で0.1〜10μm、特に1〜3μmであることが好ましい。
前記ガラス粉末は、軟化点が300〜600℃の範囲にあるものがファイヤースルー法で形成される太陽電池電極として好ましい。
軟化点が300℃未満では、電極パターン形成後の焼成工程においてガラス粉末の耐久性が不十分になりやすく、軟化点が600℃を超えると、焼成工程においてガラス粉末の溶融が部分的なものとなり、電極とシリコン基板との接着強度が十分に得られないことがある。そのため、焼成温度を更に上げる必要があるが、高温に曝されることにより太陽電池セルの出力が低下する現象が見られることがあり、好ましくない。
バインダー
前記バインダーは、導電性ペースト組成物の粘度調整剤として用いられ、セルロース系樹脂(例えばエチルセルロース、ニトロセルロース)、(メタ)アクリル系樹脂(例えばポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等)を用いることができ、好ましくはエチルセルロースである。
有機溶媒
前記有機溶媒は、前記バインダーと同様に導電性ペーストの粘度調整剤として用いられ、アルコール類(例えばα−テルピネオール等)、エステル類(ヒドロキシ基含有エステル類、ブチルカルビトールアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチラート等)を用いることができ、好ましくはα−テルピネオールである。
疎水性球状シリカ微粒子
本発明の疎水性球状シリカ微粒子は、1次粒子の平均粒子径が体積基準メジアン径で0.01〜5μmのものであり、その表面が疎水化処理された球状シリカ微粒子である。球状でありかつ高疎水性なため、ガラス粉末の分散性が向上し、電極パターン印刷後の焼成工程において熱溶融を促進させ、ファイヤースルー性が向上し、太陽電池電極とシリコン基板の接着強度を促進させる。また、導電性粒子同士の焼結を促進させ、シリコン基板との界面のオーミックコンタクトを向上させるため、太陽電池セルの出力を向上させると推測される。
本発明の疎水性球状シリカ微粒子について、「球状」とは、粒子を二次元に投影したときの円形度が0.8〜1の範囲にあることを意味する。ここで円形度とは、(実際の粒子を二次元投影したときの図形の面積と等しい真円の周囲長)/(実際の粒子を二次元投影したときの図形の面積の周囲長)を意味する。
本発明の疎水性球状シリカ微粒子の粒子径は、1次粒子の平均粒子径が体積基準メジアン径で0.01〜5μmであり、好ましくは0.01〜0.5μmである。この粒子径が0.01μmより小さい場合には、上記微粒子が凝集してしまい、バインダーへの分散性に劣る。また、この粒子径が5μmより大きい場合には、電極表面にシリカ微粒子が多大部分占有してしまい、導電性粒子の溶着を妨げる等の不都合が生じる。
<疎水性球状シリカ微粒子の製造方法>
次に、本発明の疎水性球状シリカ微粒子の製造方法について詳細に説明する。
合成シリカ微粒子は、その製法によって、燃焼法シリカ、爆燃法シリカ、湿式シリカ、ゾルゲル法シリカ(いわゆるStoeber法)に大別される。本発明で用いるシリカは、このうち、ゾルゲル法シリカと燃焼法シリカが好ましい。
(i)ゾルゲル法による製造方法
以下のゾルゲル法による製造方法により、本発明の疎水性球状シリカ微粒子を得ることができる。
即ち、
(A1)下記一般式(I):
Si(OR34 (I)
(但し、R3は同一又は異種の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)
で示される4官能性シラン化合物又はその部分加水分解生成物又はこれらの混合物を塩基性物質の存在下で親水性有機溶媒と水の混合液中で加水分解、縮合することによってSiO2単位を含む親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得る工程と、
(A2)該親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、下記一般式(II):
1Si(OR43 (II)
(但し、R1は置換又は非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基、R4は同一又は異種の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)
で示される3官能性シラン化合物又はその部分加水分解生成物又はこれらの混合物を添加して、前記親水性球状シリカ微粒子の表面を処理することにより、前記親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(但し、R1は前記と同じである。)を導入し、第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得る工程と、
(A3)該第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液から前記親水性有機溶媒と水の一部を除去し濃縮することにより第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の混合溶媒濃縮分散液を得る工程と、
(A4)該第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の混合溶媒濃縮分散液に下記一般式(III):
2 3SiNHSiR2 3 (III)
(但し、R2は同一又は異種の置換又は非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である)
で示されるシラザン化合物、又は下記一般式(IV):
2 3SiX (IV)
(但し、R2は前記と同じである。XはOH基又は加水分解性基である。)
で示される1官能性シラン化合物又はこれらの混合物を添加し、前記第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の表面を処理して前記第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の表面にR2 3SiO1/2単位(但し、R2は前記と同じである。)を導入して第二の疎水性シリカ微粒子を得る工程とを有する疎水性球状シリカ微粒子の製造方法である。
即ち、本発明の表面疎水化球状シリカ微粒子は、
工程(A1):親水性球状シリカ微粒子の合成工程と、
工程(A2):3官能性シラン化合物による表面処理工程と、
工程(A3):濃縮工程と、
工程(A4):1官能性シラン化合物による表面処理工程
によって得られる。以下各工程を順を追って説明する。
・工程(A1):親水性球状シリカ微粒子の合成工程
本工程では、一般式(I):
Si(OR34 (I)
(但し、R3は同一又は異種の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)
で示される4官能性シラン化合物又はその部分加水分解生成物又はこれらの混合物を塩基性物質の存在下で親水性有機溶媒と水の混合液中で加水分解、縮合することによって親水性球状シリカ微粒子混合溶媒分散液を得る。
上記一般式(I):Si(OR34中、R3は、炭素原子数1〜6の1価炭化水素基、好ましくは炭素原子数1〜4、特に好ましくは1〜2のアルキル基である。R3で表される1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基等、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、特に好ましくは、メチル基、エチル基が挙げられる。
上記一般式(I):Si(OR34で示される4官能性シラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、テトラフェノキシシラン等が挙げられ、好ましくは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、特に好ましくは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが挙げられる。また、一般式(I)で示される4官能性シラン化合物の部分加水分解縮合生成物としては、例えば、メチルシリケート、エチルシリケート等が挙げられる。
前記親水性有機溶媒としては、上記一般式(I):Si(OR34で示される4官能性シラン化合物と、この部分加水分解縮合生成物と、水とを溶解するものであれば特に制限されず、例えば、アルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸セロソルブ等のセロソルブ類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等、好ましくは、アルコール類、セロソルブ類、特に好ましくはアルコール類が挙げられる。
アルコール類としては、一般式(V):
5OH (V)
(式中、R5は炭素原子数1〜6のアルキル基等の1価炭化水素基である。)
で示されるアルコールが挙げられる。
上記一般式(V):R5OH中、R5は、好ましくは炭素原子数1〜4、特に好ましくは1〜2の1価炭化水素基である。R5で表される1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基等、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、より好ましくはメチル基、エチル基が挙げられる。上記一般式(V)で示されるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等、好ましくは、メタノール、エタノールが挙げられる。アルコールの炭素原子数が増えると、生成する球状シリカ微粒子の粒子径が大きくなる。従って、目的とする小粒径シリカ微粒子を得るためにはメタノールが好ましい。
また、上記塩基性物質としては、アンモニア、ジメチルアミン、ジエチルアミン等が挙げられ、好ましくは、アンモニア、ジエチルアミン、特に好ましくはアンモニアが挙げられる。これらの塩基性物質は、所要量を水に溶解した後、得られた水溶液(塩基性)を前記親水性有機溶媒と混合すればよい。
このとき使用される水の量は、上記一般式(I):Si(OR34で示される4官能性シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合生成物のヒドロカルビルオキシ基の合計1モルに対して0.5〜5モルであることが好ましく、0.6〜2モルであることがより好ましく、0.7〜1モルであることが特に好ましい。水に対する親水性有機溶媒の比率は、質量比で0.5〜10であることが好ましく、3〜9であることがより好ましく、5〜8であることが特に好ましい。このとき、親水性有機溶媒の量が多いほど所望の小粒径シリカ微粒子となる。
塩基性物質の量は、上記一般式(I):Si(OR34で示される4官能性シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合生成物のヒドロカルビルオキシ基の合計1モルに対して0.01〜2モルであることが好ましく、0.02〜0.5モルであることがより好ましく、0.04〜0.12モルであることが特に好ましい。このとき、塩基性物質の量が少ないほど所望の小粒径シリカ微粒子となる。
上記一般式(I):Si(OR34で示される4官能性シラン化合物等の加水分解及び縮合は、周知の方法、即ち、塩基性物質を含む親水性有機溶媒と水との混合物中に、上記一般式(I)で示される4官能性シラン化合物等を添加することにより行われる。
本工程(A1)で得られる親水性球状シリカ微粒子混合溶媒分散液中のシリカ微粒子の濃度は一般に3〜15質量%であり、好ましくは5〜10質量%である。
・工程(A2):3官能性シラン化合物による表面処理工程
工程(A1)において得られた親水性球状シリカ微粒子混合溶媒分散液に、一般式(II):
1Si(OR43 (II)
(但し、R1は置換又は非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基、R4は同一又は異種の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)
で示される3官能性シラン化合物又はその部分加水分解生成物又はこれらの混合物を添加して親水性球状シリカ微粒子表面をこれにより処理することにより、前記親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(但し、R1は前記と同じである。)を導入し、第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得る。
本工程(A2)は、次の工程である濃縮工程(A3)においてシリカ微粒子の凝集を抑制するために不可欠である。凝集を抑制できないと、得られるシリカ系粉体の個々の粒子は一次粒子径を維持できないため、太陽電池セル電極用ペーストに使用した場合の分散性に劣る。
上記一般式(II):R1Si(OR43中、R1は、通常炭素原子数1〜20、好ましくは炭素原子数1〜3、特に好ましくは1〜2のアルキル基等の1価炭化水素基である。R1で表される1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基等、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、特に好ましくは、メチル基、エチル基が挙げられる。また、これらの1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、好ましくはフッ素原子で置換されていてもよい。
上記一般式(II):R1Si(OR43中、R4は、通常炭化水素数1〜6、好ましくは炭素原子数1〜3、特に好ましくは1〜2の1価炭化水素基である。R4で表される1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基等が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、特に好ましくは、メチル基、エチル基が挙げられる。
上記一般式(II):R1Si(OR43で示される3官能性シラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン等が挙げられ、好ましくは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、より好ましくは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、又は、これらの部分加水分解縮合生成物が挙げられる。
上記一般式(II):R1Si(OR43で示される3官能性シラン化合物の添加量は、通常使用された親水性球状シリカ微粒子のSi原子1モル当り0.001〜1モルであり、好ましくは0.01〜0.1モル、特に好ましくは0.01〜0.05モルである。添加量が0.001モル以上であれば、分散性が良くなり好ましい。また1モル以下であれば、シリカ微粒子の凝集が生じることもなく好ましい。
本工程(A2)で得られる第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液中の該シリカ微粒子の濃度は通常3質量%以上15質量%未満であり、好ましくは5〜10質量%である。かかる濃度が3質量%以上であれば生産性が向上するので好ましく、15質量%未満であればシリカ微粒子の凝集が生じることもなく好ましい。
・工程(A3):濃縮工程
上記工程(A2)で得られた第一の表面疎水化球状シリカ微粒子混合溶媒分散液から親水性有機溶媒と水の一部を除去し濃縮することにより、第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の混合溶媒濃縮分散液を得る。この際、疎水性有機溶媒を予め、或いは工程中に加えてもよい。使用する疎水性溶媒は、炭化水素系、ケトン系溶媒が好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、好ましくはメチルイソブチルケトンが好ましい。親水性有機溶媒と水の一部を除去する方法としては、例えば留去、減圧留去などが挙げられる。得られる濃縮分散液はシリカ微粒子濃度が15〜40質量%であることが好ましく、20〜35質量%であることがより好ましく、25〜30質量%であることが特に好ましい。15質量%以上であれば、後工程の表面処理がうまくゆき、40質量%以下であればシリカ微粒子の凝集が生じることもなく好都合である。
本工程(A3)は、次の工程(A4)において表面処理剤として使用される一般式(III)で表されるシラザン化合物及び一般式(IV)で表される一官能性シラン化合物が、アルコールや水と反応して表面処理が不十分となり、その後に乾燥を行う時に凝集を生じ、得られるシリカ粉体は一次粒子径を維持できないというような不具合を抑制するために不可欠である。
・工程(A4):1官能性シラン化合物による表面処理工程
工程(A3)で得られた第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の混合溶媒濃縮分散液に
下記一般式(III):
2 3SiNHSiR2 3 (III)
(但し、R2は同一又は異種の置換又は非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)
で示されるシラザン化合物、又は下記一般式(IV):
2 3SiX (IV)
(但し、R2は前記と同じである。XはOH基又は加水分解性基である。)
で示される1官能性シラン化合物又はこれらの混合物を添加し、前記第一の表面疎水化球状シリカ微粒子表面を処理して前記第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の表面にR2 3SiO1/2単位(但し、R2は前記と同じである。)を導入して第二の表面疎水化球状シリカ微粒子を得る。この工程では、上記の処理により第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の表面に残存するシラノール基をトリオルガノシリル化する形でR2 3SiO1/2単位が該表面に導入される。
上記一般式(III):R2 3SiNHSiR2 3及び(IV):R2 3SiX中、R2は、通常炭素原子数1〜6、好ましくは炭素原子数1〜4、特に好ましくは1〜2の1価炭化水素基である。R2で表される1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基等、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、特に好ましくは、メチル基、エチル基が挙げられる。また、これらの1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、好ましくは、フッ素原子で置換されていてもよい。
上記一般式(IV):R2 3SiX中のXで表される加水分解性基としては、例えば、塩素原子、アルコキシ基、アミノ基、アシルオキシ基等、好ましくは、アルコキシ基、アミノ基、特に好ましくは、アルコキシ基が挙げられる。
上記一般式(III):R2 3SiNHSiR2 3で示されるシラザン化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン等が挙げられ、好ましくはヘキサメチルジシラザンが挙げられる。上記一般式(IV):R2 3SiXで示される1官能性シラン化合物としては、例えば、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール等のモノシラノール化合物、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン等のモノクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン、トリメチルシリルジメチルアミン、トリメチルシリルジエチルアミン等のモノアミノシラン、トリメチルアセトキシシラン等のモノアシルオキシシランが挙げられ、好ましくは、トリメチルシラノール、トリメチルメトキシシラン、トリメチルシリルジエチルアミン、特に好ましくは、トリメチルシラノール、トリメチルメトキシシランが挙げられる。
上記シラザン化合物、1官能性シラン化合物の使用量は、使用した親水性球状シリカ微粒子のSi原子1モルに対して通常0.1〜0.5モルであり、好ましくは0.2〜0.4モル、特に好ましくは0.25〜0.35モルである。使用量が0.1モル以上であれば、分散性が良好であり好ましい。また0.5モル以下であれば経済的に有利であり好ましい。
上記疎水性球状シリカ微粒子は、常圧乾燥、減圧乾燥等の常法によって粉体として得る。
(ii)燃焼法による製造方法
次に、本発明のもう1つの疎水性球状シリカ微粒子の製造方法について詳細に説明する。
本発明による球状シリカ微粒子は、シロキサンを火炎中で酸化燃焼して球状シリカ微粒子を得るものであり、バーナーに供給するシロキサン、助燃ガス、支燃ガス基準で、シロキサン、助燃ガスの燃焼断熱火炎温度を1,600℃以上5,600℃以下とすることにより製造され、この場合シロキサンを液状で噴霧し燃焼するか、又はシロキサンの蒸気を燃焼することにより得ることができるものである。
ここに使用されるシロキサンは、ハロゲンを含まない下記一般式(V)
(R53SiO[SiR67O]mSi(R53 (V)
(式中、R5,R6,R7は互いに同一でも異なっていてもよく、1価炭化水素基、アルコキシ基又は水素原子を示し、m≧0の整数である。)
で表される直鎖状オルガノシロキサン、下記一般式(VI)
[SiR67O]n (VI)
(式中、R6、R7は上記と同様の意味を示し、n≧3の整数である。)
で表される環状オルガノシロキサン又はこれらの混合物が挙げられる。ここで、R5〜R7の1価炭化水素基としては、炭素数1〜6のアルキル基、ビニル基等のアルケニル基やフェニル基などが挙げられるが、中でもメチル、エチル、プロピル等の低級アルキル基、特にメチル基が好ましい。アルコキシ基としてはメトキシ、エトキシ等の炭素数1〜6のものが挙げられるが、特にメトキシ基が好ましい。mは、m≧0の整数であるが、好ましくは0〜100の整数である。また、nは、n≧3の整数であるが、好ましくは3〜7の整数である。
上記オルガノシロキサンとしては、例えばヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどが挙げられる。これらのシロキサンは塩素などのハロゲンを含まず、精製して得られたものが好ましく、金属等の不純物を実質的には含まず高純度であることから、シリカ微粒子製造用の原料として好適である。
これらのシロキサンは液状でバーナーに導入し、バーナーの先端部に取り付けられたノズルにより噴霧し、燃焼するか、又はシロキサンを加熱し、その蒸気をバーナーに導入し、燃焼すればよい。液状で噴霧する方法において、ノズルでの噴霧は空気、又はスチームなどの噴霧媒体を用いる方法、液体自身の圧力による方法、遠心力を用いる方法のいずれでもよい。噴霧液滴は完全に蒸発、熱分解して燃焼させるには微細にすることがよく、このため原料液(シロキサン)の粘度は、25℃において500mPa・s以下、好ましくは200mPa・s以下がよい。シロキサンの沸点、蒸発潜熱、熱分解性、燃焼熱により望ましい最大液滴径が異なるが、液滴が大きくなると沈降速度が速くなり、十分な滞留時間が確保できなくなるため、100μm以下、好ましくは50μm以下がよい。噴霧されたシロキサンの液滴は助燃ガスの補助火炎及び自己燃焼火炎により熱を受け、液滴の蒸発又は熱分解を伴いながら燃焼する。また、蒸気でバーナーに導入する方法においては、シロキサンを加熱し、窒素などの不活性ガスでバブリングし、同伴する方法、又はシロキサンの加熱蒸気を窒素などの不活性ガスと混合し供給する方法のいずれでもよい。
燃焼により生成したシリカの核粒子は、火炎の温度とシリカ濃度、火炎内での滞留時間により合体成長し、最終の粒子径と形状が決定される。火炎温度が低い場合、煙霧状シリカと同様に粒子径は10nm近くとなり、粒子を更に大きくするにはシリカ核粒子同士の衝突、合体成長させるため、シリカの融点1,423℃以上の高い火炎温度の中に、シリカ核粒子を多く発生させ、長く火炎内に滞留させることが必要である。火炎中のシリカ濃度は原料のシロキサンの種類と供給量によって変化するが、特に原料の種類によって大きく支配される。化学量論よりモル基準、又は重量基準のシリカ生成量対原料比率をシリカ生成率と定義すると、シリカ生成率は、シロキサン以外の例えばテトラクロルシランでは1mol/mol、0.354kg/kg、テトラメトキシシランでは1mol/mol、0.395kg/kgに対して、直鎖状シロキサンのヘキサメチルジシロキサンでは2mol/mol、0.740kg/kg、環状シロキサンのオクタメチルシクロテトラシロキサンでは4mol/mol、0.810kg/kgとなり、クロルシラン、アルコキシシランよりもシロキサンを用いることによりシリカ濃度が高く、シリカ生成率が高く、つまり原料原単位が少なくなり、生産性も優れたものになる。
一方、火炎温度がシリカの融点以上で、高くなるほどシリカ微粒子の合体成長が促進され、粒子径が大きくなる。原料の種類により燃焼熱が異なり、火炎温度に大きな影響を与える。原料の燃焼熱は、シロキサン以外の例えばテトラクロルシランは加水分解熱であるが62.3kcal/mol、370kcal/kg、テトラメトキシシランでは722kcal/mol、4,760kcal/kgに対して、直鎖状シロキサンのヘキサメチルジシロキサンでは1,389kcal/mol、8,550kcal/kg、環状シロキサンのオクタメチルシクロテトラシロキサンでは1,974kcal/mol、6,650kcal/kgとなり、クロルシラン、アルコキシシランよりもシロキサンの方が燃焼熱が大きく、火炎温度を上げることが容易となり、エネルギー効率でも優れている。シロキサンの燃焼を安定に保ち、完全燃焼させるために、助燃ガスを用いて補助火炎を形成する。
ここで、助燃ガスとしては燃焼後に残渣の残らないものであればよく、水素、又はメタン、プロパン、ブタンなどの炭化水素ガスのいずれでもよく、特に制限はない。補助火炎は、助燃ガスをメインバーナーに供給して形成しても、独立したバーナーにより形成してもよく、特に制限はない。但し、助燃ガスが多いと燃焼により副生する二酸化炭素、水蒸気などにより燃焼排ガスが増加し、燃焼時のシリカ濃度が減少するため、助燃ガスの使用量は原料シロキサン1モル当り、2モル以下、好ましくは0.1〜1.5モルが好ましい。
また、燃焼時に添加する支燃性ガスは、酸素、又は空気のような酸素含有ガスのいずれでもよいが、正味の酸素量が不足するとシロキサン、補助火炎に用いる可燃性ガス(助燃ガス)の燃焼が不完全となり、製品中に炭素分が残留し、一方、支燃性ガスが理論量より多くなると火炎中のシリカ濃度が減少すると共に火炎温度が低下し、シリカ粒子の合体成長が抑制される傾向があり、更に大過剰の支燃性ガスを供給すると、シロキサンの燃焼が不完全となり、排気系の粉末捕集設備の負荷が増え、過大となることから好ましくない。また、火炎温度を高くするには支燃性ガスを酸素とし、理論酸素量を供給することにより最も高い火炎温度が得られるが、燃焼が不完全となり易く、完全燃焼には少し過剰の酸素が必要である。よって、バーナーから供給する支燃性ガスの量は、燃焼に必要な理論酸素量の1.0〜4.0倍モル、好ましくは1.1〜3.5倍モルの酸素を含めばよい。また、支燃性ガスはバーナーから供給する以外にバーナーに沿って外気を取り込み、補ってもよい。
燃焼により生成するシリカ微粒子の粒子径を調整するには、火炎温度、シリカ濃度、火炎内での滞留時間を調整すればよく、特に、本発明においては、火炎温度を制御するためバーナーに供給するシロキサン、助燃ガス、支燃ガス基準での断熱火炎温度を制御する。
ここで、断熱火炎温度は、断熱系とみなして、燃焼により得られた熱量により燃焼後の生成もしくは残存するものが熱を消費して到達する温度である。よって、断熱火炎温度は、バーナーに供給するシロキサン、助燃ガスの時間当りの燃焼熱量をQ1,Q2(kcal/HR)としたとき、全燃焼熱量QはQ1+Q2となる。一方、シリカ、水蒸気、CO2,O2,N2の時間当りの量をそれぞれN1,N2,N3,N4,N5(mol/HR)、比熱をCp1,Cp2,Cp3,Cp4,Cp5(kcal/mol℃)、断熱火炎温度をta(℃)、室温を25℃としたとき、燃焼熱量と消費熱量は等価であり、
Q=(N1Cp1+N2Cp2+N3Cp3+N4Cp4+N5Cp5)(ta−25)
が得られる。更には、JANAF(Joint Army−Navy−Air−Force)熱化学表により、種々の化学物質について、絶対温度298°K(=25℃)を基準として絶対温度T°K(T=t℃+273)との標準エンタルピー差H°T−H°298 (KJ/mol)が示されており、つまりある化学物質1モル当りの25℃からt℃(t=T°K−273)に至らせるのに消費される熱量をE(kcal/mol)とおくと
E=Cp(t−25)=(H°T−H°298)×0.2389
(但し、1KJ=0.2389kcal)
が容易に得られる。よって、上記の式はシリカ、水蒸気、CO2,O2,N2の298°K(25℃)からT°K(T=273+t℃)に至るモル当りの消費熱量をそれぞれE1,E2,E3,E4,E5(kcal/mol)とすると
Q=N11+N22+N33+N44+N55
が成り立つ温度が断熱火炎温度taとなる。
具体的には、この断熱火炎温度はシロキサンの種類と供給量、酸素供給比などを調整して制御すればよい。過剰な酸素又は窒素などの燃焼に関与しない不活性ガスがバーナーから多く供給されると火炎温度が低下し、シリカ微粒子が微細となり、シリカ微粒子同士の合体成長が損なわれ、凝集体となるほか、排気捕集系の負荷が増大する。バーナーに供給するシロキサン、助燃ガス、支燃ガス基準で、シロキサン、助燃ガスの燃焼断熱火炎温度が1,600℃未満ではシリカ微粒子が微細となり、粒子の合体成長による一体化が起こらず、凝集体となり、かつ生産性、エネルギー効率共に劣るため、断熱火炎温度は1,600℃以上とすることが必要である。また、不活性ガスや支燃性ガスを減らすことにより断熱火炎温度は高くなり、不活性ガスがなく、支燃性ガスを酸素として理論量供給したときが最も断熱火炎温度が高くなるが、燃焼が不完全となるため、断熱火炎温度は5,600℃以下とすることが必要である。このほか、燃焼炉の壁への粉の付着防止、又は燃焼後の排ガスを冷却するために空気や窒素などの不活性ガスを導入することについての制限はない。
炉は排気側に設けられたブロワーなどの排風機で吸引排気され、負圧で運転される。燃焼により得られたシリカ微粒子製品は、排気途中に設けられたサイクロン、バグフィルターにより捕集され回収され、排ガスは排風機で排出される。シロキサンはハロゲンを含まないため、燃焼により塩化水素などの酸性の腐食性ガスが副生せず、炉材及び煙道配管、捕集器、回収器、排風機などに特殊な材質を必要とせず、排ガスの処理設備も不要となる利点がある。このようにして得られたシリカ微粒子は形状が球状であり、実質的にハロゲンを含まず、粒子径が0.01nm〜5μmとなる。
疎水化処理は、
2 3SiNHSiR2 3 (III)
(但し、R2は同一又は異種の置換又は非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)
で示されるシラザン化合物、又は下記一般式(IV):
2 3SiX (IV)
(但し、R2は前記と同じである。XはOH基又は加水分解性基である。)
で示される1官能性シラン化合物又はこれらの混合物を添加し加熱処理することにより可能となる。熱処理温度は、50〜300℃、好ましくは70〜200℃が望ましい。上記熱処理温度での処理時間は30分〜2時間、好ましくは30分〜1時間が望ましい。この場合、熱処理装置としては、スチーム,熱媒により間接加熱できる混合機、流動層、又は乾燥機が使用でき、例えば混合機としてはヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー、ナウタミキサー、乾燥機としてはパドルドライヤーなどが例示され、回分式、連続式のいずれでもよい。
上記シラザン化合物、1官能性シラン化合物の使用量は、使用した球状シリカ微粒子の質量に対して通常0.5〜20質量%であり、好ましくは0.8〜10.0質量%、特に好ましくは0.8〜8.0質量%である。使用量が0.5質量%以上であれば、分散性が良好であり好ましい。また20質量%以下であれば経済的に有利であり好ましい。
<導電性ペーストの調製>
本発明で用いる導電性ペーストは、導電性粒子、ガラス粉末、バインダー、有機溶媒、及び前記疎水性球状シリカ微粒子を含み、該疎水性シリカ微粒子の配合量は、導電性ペーストの全体量に対して0.1〜7.0質量%である。0.1質量%未満であると、太陽電池セル電極とシリコン基板との接着強度が不足し、モジュール化後の信頼性が低下する。また、インターコネクターとセル電極の接着部において、半田が徐々にセル電極部内に侵食する銀食われが生じ、結果としてセル電極部の亀裂や剥離が起こりやすくなる。一方、7.0質量%を超えると、シリカ微粒子がセル電極表面に多大部分占有することで、太陽電池セル電極とシリコン基板との接着を妨げる。
前記導電性ペースト組成物の好ましい組成としては、ペースト組成物全体を100質量%とした場合、
前記導電性粒子 : 50質量%以上95質量%以下、より好ましくは80質量%以上95%以下、
前記ガラス粉末 : 0.5質量%以上5質量%以下、より好ましくは1質量%以上3質量%以下、
前記疎水性球状シリカ微粒子 : 0.1質量%以上7.0%質量%以下、
前記バインダー: 0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは1質量%以上3質量%以下、
前記有機溶媒 : 残部
となる。
前記導電性ペースト組成物は、前記各成分を混合することにより製造することができる。
前記導電性ペースト組成物は、例えば、次のようにして製造できる。
予め、有機溶剤にバインダーを溶解させて有機ビヒクルを調製する。導電性粒子とガラス粉末及び疎水性球状シリカを混錬機に投入(ここで、ガラス粉末及び疎水性球状シリカを十分攪拌した後、導電性粒子の添加を行うと、ガラス粉末の分散性がより向上するため好ましい。)し、有機ビヒクルを少しずつ加えながら混錬する。次いで、得られた混合物を所望のギャップに調整した三本ロール等に通過させ、太陽電池電極用ペースト組成物を得ることができる。
<太陽電池セル電極の形成>
本発明の太陽電池電極の形成方法としては、ファイヤースルー法と称される方法が使用できる。通常、太陽電池セル受光面側には反射防止膜が形成されるが、例えばスクリーン印刷法を用いてその反射防止膜上に導電性ペースト組成物を適宜の形状で塗布し、焼成処理を施すことによって電極が形成される。
本発明で用いる導電性ペースト組成物において、疎水性球状シリカ微粒子を添加することとより、ガラス粉末の分散性が向上し、更に熱溶融を促進させる効果が得られるため、軟化点が高いガラス粉末を使用した場合においても、大きく焼成温度を上げることなくファイヤースルー性が向上し、かつシリコン基板とのオーミックコンタクトが改善し、太陽電池セルの出力を向上させるのと同時に、電極とシリコン基板との十分な接着強度が得られる。
また、一般的には焼成温度を下げると、ガラス粉末の溶融が部分的にしか進行せず、ファイヤースルー性の低下、シリコン基板の接着強度低下が生じ、太陽電池セルの出力が低下したり、電極とシリコン基板との接着強度が十分に得られないことがあるが、本発明の方法によれば、前記の疎水性球状シリカ微粒子によるガラス粉末の熱溶融促進効果のため、焼成温度を下げても、電極とシリコン基板との接着性、ファイヤースルー性で十分な効果を発現することができる。更に副次的な効果として、焼成温度が下がることでシリコン基板への負担が減り、太陽電池出力を上昇させる。なお、焼成温度は、好ましくは600〜900℃、特に700〜900℃であることが望ましい。
従って、本発明の方法によれば、ガラス粉末の選択幅、焼成温度条件の良好域が大きく拡大される。
以下、合成例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。なお、下記の実施例は、本発明を何ら制限するものではない。
[合成例1]疎水性球状シリカ微粒子の合成
・工程(A1):親水性球状シリカ微粒子の合成工程
攪拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えた3リットルのガラス製反応器にメタノール989.5gと、水135.5gと、28質量%アンモニア水66.5gとを入れて混合した。この溶液を35℃となるように調整し、攪拌しながらテトラメトキシシラン436.5g(2.87モル)を6時間かけて滴下した。滴下終了後、更に0.5時間攪拌を継続して加水分解を行うことにより、親水性球状シリカ微粒子の懸濁液を得た。
・工程(A2):3官能性シラン化合物による表面処理工程
上記で得られた懸濁液に25℃でメチルトリメトキシシラン4.4g(0.03モル)を0.5時間かけて滴下し、滴下後も12時間攪拌を継続し、シリカ微粒子表面を疎水化処理することにより、疎水性球状シリカ微粒子分散液を得た。
・工程(A3):濃縮工程
次いで、ガラス製反応器にエステルアダプターと冷却管とを取り付け、前工程で得られた分散液を60〜70℃に加熱してメタノールと水の混合物1021gを留去し、疎水性球状シリカ微粒子混合溶媒濃縮分散液を得た。このとき、濃縮分散液中の疎水性球状シリカ微粒子含有量は28質量%であった。
・工程(A4):1官能性シラン化合物による表面処理工程
前工程で得られた濃縮分散液に、25℃において、ヘキサメチルジシラザン138.4g(0.86モル)を添加した後、この分散液を50〜60℃に加熱し、9時間反応させることにより、分散液中のシリカ微粒子をトリメチルシリル化した。次いで、この分散液中の溶媒を130℃、減圧下(6,650Pa)で留去することにより、疎水性球状シリカ微粒子186gを得た。
工程(A1)で得られた親水性球状シリカ微粒子について下記の粒子径測定を行った。また、工程(A4)で得られた疎水性球状シリカ微粒子について、下記の粒子径測定及び形状観察を行った。結果を表1に示す。
[粒子径測定]
メタノールにシリカ微粒子懸濁液又はシリカ微粒子粉体を、シリカ微粒子が0.5質量%となるように添加し、10分間超音波にかけることにより、該微粒子を分散させた。このように処理した微粒子の粒度分布を、動的光散乱法/レーザードップラー法ナノトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、商品名:UPA−EX150)により測定し、その体積基準メジアン径を粒子径とした。なお、メジアン径とは粒度分布を累積分布として表した時の累積50%に相当する粒子径である。
[形状観察]
電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、商品名:S−4700型、倍率:10万倍)によって観察を行い、形状を確認した。粒子を二次元に投影したときの円形度が0.8〜1の範囲にあるものを「球状」、それ以外を「不定形」とした。ここで円形度とは、(実際の粒子を二次元投影したときの図形の面積と等しい真円の周囲長)/(実際の粒子を二次元投影したときの図形の面積の周囲長)を意味する。
[合成例2]
工程(A1)でメタノール、水、及び28質量%アンモニア水の量をメタノール1,045.7g、水112.6g、28質量%アンモニア水33.2gに変えたこと以外は合成例1と同様にして、疎水性球状シリカ微粒子104gを得た。得られた疎水性球状シリカ微粒子を用いて合成例1と同様に測定した結果を表1に示す。
[合成例3]
・工程(A1)
攪拌機、滴下ロート、温度計を備えた3リットルのガラス製反応器にメタノール623.7g、水41.4g、28質量%アンモニア水49.8gを添加して混合した。この溶液を35℃に調整し、攪拌しながらテトラメトキシシラン1,163.7g及び5.4質量%アンモニア水418.1gを同時に添加開始し、前者は6時間、そして後者は4時間かけて滴下した。テトラメトキシシラン滴下後も0.5時間攪拌を続けて加水分解を行い、シリカ微粒子の懸濁液を得た。
・工程(A2)
得られた懸濁液に25℃でメチルトリメトキシシラン11.6g(テトラメトキシシランに対してモル比で0.01相当量)を0.5時間かけて滴下し、滴下後も12時間攪拌しシリカ微粒子表面の処理を行った。
・工程(A3)
該ガラス製反応器にエステルアダプターと冷却管を取り付け、上記の表面処理を施したシリカ微粒子を含む分散液にメチルイソブチルケトン1,440gを添加した後、80〜110℃に加熱しメタノール水を7時間かけて留去した。
・工程(A4)
得られた分散液に25℃でヘキサメチルジシラザン357.6gを添加し120℃に加熱し3時間反応させ、シリカ微粒子をトリメチルシリル化した。その後溶媒を減圧下で留去して球状疎水性シリカ微粒子472gを得た。結果を表1に示す。
[比較合成例1]
合成例1において(A4)工程を行わずに、(A3)工程後の分散液から溶媒を減圧下で留去してシリカ粒子を得た。
[比較合成例2]
合成例2において(A4)工程を行わずに、(A3)工程後の分散液から溶媒を減圧下で留去してシリカ粒子を得た。
[比較合成例3]
合成例3において(A4)工程を行わずに、(A3)工程後の分散液から溶媒を減圧下で留去してシリカ粒子を得た。
Figure 2017041471
1)工程(A1)で得られた分散液の親水性球状シリカ微粒子の粒子径
[合成例4]
ヘキサメチルジシロキサンを25℃で竪型燃焼炉の頂部に設けられたバーナーに供給し、バーナー先端部に取り付けられた噴霧ノズルにおいて噴霧媒体の空気により微細液滴に噴霧し、プロパンの燃焼による補助火炎により燃焼させた。支燃性ガスとしてバーナーから酸素、空気を供給した。生成した球状シリカ微粒子はサイクロン、バグフィルターで捕集した。この球状シリカ微粒子2.0kgを内容積75Lのヘンシェルミキサーに仕込み、600rpmで攪拌しながら、まず水を30g噴霧し混合後、ヘキサメチルジシラザン80gを噴霧し、3分間混合した。この混合した球状シリカ微粒子を70℃で加熱しながら疎水化処理し、更に150℃に加熱混合した。その後冷却し疎水性球状シリカ微粒子2,005gを得た。結果を表2に示す。
[合成例5]
上記合成例4の燃焼条件を表2の通り変えて処理し、疎水性球状シリカ微粒子2,008gを得た。結果を表2に示す。
[比較合成例4]
ヘキサメチルジシロキサンを噴霧燃焼させるとき、バーナーから供給する支燃性ガスとして空気を用い、断熱火炎温度を1,600℃未満とした以外は合成例4と同様に処理し、疎水性シリカ微粒子を1,975g得た。結果を表2に示す。
Figure 2017041471
[実施例1〜5、比較例1〜5]
上記合成例、比較合成例によって得られたシリカ粒子をそれぞれ添加した導電性ペースト組成物を調製した。
導電性粒子は、平均粒子径1μmのAg粉末(商品名AY6080、田中貴金属工業株式会社製)を用い、導電性ペースト組成物全体の80質量%添加した。
ガラス粉末は、PbO−B23−SiO2系ガラスフリット(商品名ASF1340、旭硝子株式会社製)を用い、導電性ペースト組成物全体の3質量%添加した。
バインダーは、エチルセルロースを用い、溶媒はα−テルピネオールを使用した。エチルセルロースの10質量%α−テルピネオール溶液を、導電性ペースト組成物全体の16質量%添加した。
合成例、比較合成例によって得られたシリカ粒子は、導電性ペースト組成物全体の1.0質量%添加した。
前記ガラス粉末と前記シリカ粒子を攪拌混合した後、更に前記Ag粉末、前記バインダー溶液を加えて混合し、3本ロールを用いて導電性ペースト組成物を調製した。
太陽電池セルは、市販の156mm四方の太陽電池用p型単結晶シリコン基板(板厚200μm)を準備し、その表面に酸エッチング処理を行いテクスチャーを形成させた。受光面側にリン含有溶液を塗布、熱処理し、n+拡散層を形成したのち、余分なリンガラスを除去及びシリコン基板端面をPN分離し、n+層形成面にプラズマCVD法によって反射防止膜(SiN膜)90nmを形成させた。
次に、上記にて作製した導電性ペースト組成物をそれぞれ反射防止膜上、及び、シリコン基板反対面(裏面)にスクリーン印刷により15〜20μmの塗布を行った。
このようにして得られたシリコン基板を近赤外線高速焼成炉にて大気雰囲気中、300℃(10秒間)→昇温(20秒間)→ピーク温度(840℃)到達後、100℃まで冷却(20秒間)し、ファイヤースルー法にて電極を形成させた。
これらの太陽電池セルは、ソーラーシミュレーターを用いて、I−V特性を測定し、最大発電電力並びにFF(フィルファクター)を算出した。
また、幅1.5mmのインターコネクターを受光面側並びに裏面バスバー電極部にあて、350℃、2秒間、半田コテを用いて熱溶着させたのち、90°方向にてピール試験を実施、電極とシリコン基板との接着強度を測定した。インターコネクターとの溶着性は、目視にて評価した(◎:良好、△:部分的に接着、×:接着しない)。これらの結果を表3に示した。
Figure 2017041471
表3に示した通り、実施例1〜5において、比較例1(シリカ無添加)の場合に比べて受光面電極、裏面電極双方に接着強度に改善効果が確認された。
また、実施例1〜3(ゾルゲル法)と、4,5(燃焼法)とではシリカ粒子の形成方法に違いがあるが、共に良好な結果が得られた。
比較例2,3は、接着強度について良好な結果であったが、インターコネクターの接着は部分的となる。また比較例4は、インターコネクターが接着しない。粒子径が大きすぎると、セル電極表面にシリカ微粒子が多大部分占有してしまい、導電性粒子の溶着を妨げるものと推測される。
比較例5は、接着強度ともに良好であるが、インターコネクターの接着は部分的となる。添加シリカ粒子の凝集により、セル電極とインターコネクターの溶着を部分的になったと考えられる。
表3の結果より、添加するシリカ粒子は粒子径が5μm以下であれば良く、5μmを超えると、インターコネクターの接着に問題が生じることが示唆される。
また、実施例1において、合成例1のシリカ粉末の添加量を変えた導電性ペースト組成物を用いて同様の評価を行った(実施例6〜9、比較例6〜9)。同時に、セルを高温高湿試験槽の中に入れ、85℃85%RHの条件で1,000時間暴露し、試験後のセルの電極接着強度を測定した。その結果を表4に示した。
Figure 2017041471
2)導電性ペースト全体に対する添加量(質量%)
表4に示した通り、疎水性球状シリカの添加量が導電性ペースト全体に対して0.1〜7.0質量%の場合(実施例6〜9)において、疎水性球状シリカを添加しなかった比較例1の場合に比べて、接着強度の向上が確認された。
一方、疎水性球状シリカ微粒子の添加量が導電性ペースト全体に対して10.0質量%の場合(比較例8)、セル電極とインターコネクターの接着が部分的なものとなり、20.0質量%の場合(比較例9)では、FFが低下するほか、セル電極とインターコネクターの接着性が失われる。これは、シリカ粒子が増えたことによって電極の線抵抗が上がったこと、コンタクト抵抗が増大したことなどが考えられる。また、疎水性球状シリカ微粒子がセル電極表面に多大部分占有することで、インターコネクター溶着の際、導電性粒子の溶着を妨げたものと推測される。
また、疎水性球状シリカの添加量が0.1質量%未満である比較例1,6,7では、85℃85%RH1,000時間後において、電極の接着強度が著しく低下したが、実施例6〜9では、接着強度が2N以上維持されていることが分かった。
また、実施例1において焼成ピーク温度を変えて焼成を行った場合(実施例10〜14)、及び比較例1において焼成ピーク温度を変えて焼成を行った場合(比較例10〜14)の結果を表5に示した。
Figure 2017041471

3)導電性ペースト全体に対する添加量(質量%)
4)比較例1(疎水性球状シリカ微粒子の添加なし、焼成ピーク温度840℃の場合)を1.0としたときの比率
表5に示した通り、合成例1の疎水性球状シリカ微粒子を導電性ペースト組成物全体に対して1.0質量%添加した場合、焼成ピーク温度790℃においても太陽電池セル最大電力量及び接着強度を維持(実施例11)し、焼成ピーク温度を740℃にまで下げても(実施例10)、比較例1(疎水性球状シリカ微粒子の添加なし、焼成ピーク温度840℃)と同等の接着強度を維持できる。
これは、該疎水性球状シリカ微粒子がガラス粉末の溶融を促進させ、良好なファイヤースルー性により反射防止膜を低温で貫通させ、シリコン基板n+層との良好なオーミックコンタクトを得ることができたためと推測する。
また、反射防止膜が形成されていないシリコン基板p+層においても、該シリカ添加物がガラス粉末の溶融を促進させ、FF向上に寄与していると考えられる。
これらの結果から、本発明の太陽電池セル電極の形成方法により、太陽電池セルFFの向上、シリコン基板とセル電極との接着強度向上、並びに出力向上が得られる。
また、焼成ピーク温度を下げてもシリコン基板とセル電極との接着強度を維持でき、太陽電池電力量を上昇させることができる。
更に、導電性ペースト組成物に含まれる疎水性球状シリカ微粒子によって、インターコネクターとセル電極部の接着においてセル電極内部への半田侵食を抑制することができ、セル電極部の亀裂や剥離を防止し、太陽電池セルの信頼性向上が期待できる。

Claims (5)

  1. 導電性ペースト組成物を焼成して太陽電池セルの電極を形成する方法であって、該導電性ペースト組成物は、導電性粒子、ガラス粉末、バインダー、有機溶媒及び1次粒子の平均粒子径が体積基準メジアン径で0.01〜5μmの疎水性球状シリカ微粒子を含有し、該疎水性球状シリカ微粒子は、導電性ペースト組成物の全体量に対し0.1〜7.0質量%含有することを特徴とする太陽電池セル電極の製造方法。
  2. 疎水性球状シリカ微粒子が、4官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合物、又はそれらの混合物を加水分解縮合することによって得られた親水性球状シリカ微粒子の表面に、R1SiO3/2単位(式中、R1は置換又は非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基である。)を導入する工程と、次いでR2 3SiO1/2単位(式中、R2は同一又は異なり、置換又は非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)を導入する工程とを含む疎水化処理をして得られるものであることを特徴とする請求項1記載の太陽電池セル電極の製造方法。
  3. 疎水性球状シリカ微粒子が、
    (A1)下記一般式(I):
    Si(OR34 (I)
    (但し、R3は同一又は異種の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)
    で示される4官能性シラン化合物又はその部分加水分解生成物又はこれらの混合物を塩基性物質の存在下で親水性有機溶媒と水の混合液中で加水分解、縮合することによってSiO2単位を含む親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得る工程と、
    (A2)該親水性球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液に、下記一般式(II):
    1Si(OR43 (II)
    (但し、R1は置換又は非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基、R4は同一又は異種の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)
    で示される3官能性シラン化合物又はその部分加水分解生成物又はこれらの混合物を添加して、前記親水性球状シリカ微粒子の表面を処理することにより、前記親水性球状シリカ微粒子の表面にR1SiO3/2単位(但し、R1は前記と同じである。)を導入し、第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液を得る工程と、
    (A3)該第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の混合溶媒分散液から前記親水性有機溶媒と水の一部を除去し濃縮することにより第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の混合溶媒濃縮分散液を得る工程と、
    (A4)該第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の混合溶媒濃縮分散液に下記一般式(III):
    2 3SiNHSiR2 3 (III)
    (但し、R2は同一又は異種の置換又は非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)
    で示されるシラザン化合物、又は下記一般式(IV):
    2 3SiX (IV)
    (但し、R2は前記と同じである。XはOH基又は加水分解性基である。)
    で示される1官能性シラン化合物又はこれらの混合物を添加し、前記第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の表面を処理して前記第一の表面疎水化球状シリカ微粒子の表面にR2 3SiO1/2単位(但し、R2は前記と同じである。)を導入して第二の疎水性シリカ微粒子を形成することにより製造された疎水性球状シリカ微粒子であることを特徴とする請求項2記載の太陽電池セル電極の製造方法。
  4. 疎水性球状シリカ微粒子が、ハロゲンを含まないシロキサンを火炎中で酸化燃焼して得られる球状シリカ微粒子に、R2 3SiO1/2単位(式中、R2は同一又は異なり、置換又は非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)を導入する工程により疎水化処理をして得られるものであることを特徴とする請求項1記載の太陽電池セル電極の製造方法。
  5. 導電性粒子、ガラス粉末、バインダー、有機溶媒及び1次粒子の平均粒子径が体積基準メジアン径で0.01〜5μmの疎水性球状シリカ微粒子を混合して太陽電池セル電極作成用導電性ペースト組成物を製造するに際し、上記疎水性球状シリカ微粒子として、ハロゲンを含まないシロキサンを火炎中で酸化燃焼して得られる球状シリカ微粒子に、R2 3SiO1/2単位(式中、R2は同一又は異なり、置換又は非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)を導入してなるものを使用すると共に、該疎水性球状シリカ微粒子を導電性ペースト組成物全体量に対し0.1〜7.0質量%の配合量となるように混合することを特徴とする太陽電池セル電極作成用導電性ペースト組成物の製造方法。
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