JP6516623B2 - シリカ−チタニア複合酸化物粒子及びその製造方法 - Google Patents
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(2)メジアン径D50が10〜500nmであること
(3)FT−IRで測定した、Si−O−Si結合に帰属するピーク強度(Siピーク強度)とSi−O−Ti結合に帰属するピーク強度(Tiピーク強度)との比(Siピーク強度/Tiピーク強度)の値Iが下記式(1)を満足していること
I≦W−0.2+1 (1)
(式中、Wは、W=TiO2(質量%)/SiO2(質量%)であり、各成分割合は、蛍光X線分析の測定値より算出した値である。)
(4)粒子表面に存在するOH基数が40個/nm2以下であること
(5)残留カーボン量が0.1質量%以下であること
(6) チタン成分の含有量がチタニア換算で0.01〜25mol%であること
(1)画像解析法により得られた1次粒子の体積換算粒子径分布において、下記ロジン−ラムラー式で表される粒度分布の勾配nが2.5〜4.5の範囲にあること
R(Dp)=100exp(−b・Dpn)
(但し、式中R(Dp)は最大粒子径から粒子径Dpまでの累積体積%、Dpは粒子径、b及びnは定数である。)
(2)平均円形度が0.8以上であること、
(3)塩素存在量が50ppmw以下であること、
が好適である。
本発明のシリカ−チタニア複合酸化物粒子は、結晶型が非晶質である必要がある。即ち、上記粒子の結晶径がシリカ成分もしくはチタニア成分による結晶が析出した場合には、同一粒子内で屈折率が変化する為に、樹脂や分散液へ充填した際の透明性を高めることができない。
(式中、Wは、W=TiO2(質量%)/SiO2(質量%)で表され、蛍光X線分析で測定した値である)
(式中、Wは、W=TiO2(質量%)/SiO2(質量%)で表され、蛍光X線分析で測定した値である)
R(Dp)=100exp(−b・Dpn)
(但し、式中R(Dp)は最大粒子径から粒子径Dpまでの累積体積%、Dpは粒子径、b及びnは定数である。)
本発明のシリカ−チタニア複合酸化物粒子の製造方法は特に制限されないが、以下の方法が好適に採用される。
結晶構造はX線回折装置(株式会社リガク製smartLab)を用いて測定した。測定条件はスキャン範囲2θ=10〜90°、スキャンスピ−ド1°/min、ステップ幅0.02°とした。測定結果より複合酸化物粒子内に結晶相が含まれる場合には結晶相の同定を行い、含有する結晶相と同一の結晶相の割合が100%である結晶化酸化チタンを0wt%、1wt%、5wt%、10wt%の各割合で混合し、結晶相がルチルであれば2θ=27.3°付近の(110)面の回折ピークの、結晶相がアナターゼであれば2θ=25.3°付近の(101)面の回折ピークにおける積分強度を求める。得られた値について、添加量を横軸に、ピーク強度を縦軸にプロットして検量線を作成し、その縦軸が0となる点の値を求めることで、結晶相の含有率(wt%)を求めた。結晶化酸化チタンは、ルチル型酸化チタン(和光純薬工業(株)、試薬特級)、アナターゼ型酸化チタン(和光純薬工業(株)、和光一級)を用いた。
シリカ−チタニア複合酸化物中のシリカ含有量とチタニア含有量を蛍光X線分析装置(株式会社リガク製ZSX PrimusII)を用いて測定した。含有量は酸化物換算した値を用いた。
BET比表面積は日本ベル製のBELSORP−maxにより窒素吸着BET法により測定した。
本発明における粒子表面のOH基数の定量はカールフィッシャー法を用いて行った。カールフィッシャー水分計は、京都電子製電量式カールフィッシャー水分計MKC−610に鉱石用水分気化装置ADP−512を接続したものを使用した。水分気化装置には加熱炉が設置されており、気化した水分を乾燥窒素で水分計に導入し、水分量の測定を行った。設定温度は100℃から200℃に昇温させたとき、200℃から500℃に昇温させたとき、500℃から900℃に昇温させたときの3段階で測定を行い、その合計の水分量を算出した。なお、カールフィッシャー法において検出された水分量は、OH基2個が縮合して1個の水分子になると考え、次式により求めた。
OH基数(個/nm2)=0.0662×水分量(ppm)/シリカ−チタニア複合酸化物粒子の比表面積(m2/g)
(5)画像解析法により求める90%粒子径、メジアン径測定:
電界放射型走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製S−5500)で粒子5000個を2次電子像で任意に撮影し、撮影した画像を画像解析装置(旭エンジニアリング社製IP−1000C)で粒子径解析を行い、体積平均により求めた。
上記(4)によって得られた1次粒子の体積換算粒子径分布を元に、ロジン−ラムラー線図上に横軸に粒子径、縦軸に累積体積分布をとりプロットした。累積体積分布が15体積%から85体積%の範囲で最小二乗法により直線を求め、その直線の勾配からn値を求めた。
得られたシリカ−チタニア粒子5000個の円形度を画像解析装置(旭エンジニアリング社製IP−1000C)により算出し、平均値を算出した。
Si−O−Si結合に帰属するピーク強度(Siピーク強度)とSi−O−Ti結合に帰属するピーク強度(Tiピーク強度)はフ−リエ変換赤外分光光度計(アジレント・テクノロジー製FTS−3000)を用いて拡散反射法にて測定した。測定試料はシリカ−チタニア複合酸化物濃度が5wt%となるようにシリカ−チタニア複合酸化物とKBrを秤量した後、メノウ乳鉢で混合・粉砕して粒度を揃えた。測定はJIS K 0117に準じて測定し、条件は測定範囲4000〜400cm−1、分解能4cm−1、積算回数32回とし、測定されたスペクトルはクベルカムンク変換を行った。強度比の算出にはSi−O−Si結合に帰属するピーク(1100cm−1付近)とSi−O−Ti結合(950cm−1付近)に帰属するピークを用いた。これらのピーク強度は同一視野で確認される値を用いた。
超純水50gにシリカ−チタニア5gを添加し、テフロン(登録商標)分解容器を用いて120℃で24時間加熱した。その後、遠心分離器を用いてシリカ−チタニア固形分を分離し、イオンクロマト測定試料を得た。なお、超純水のみで前記操作を行い、ブランク試料を得た。得られた試料の塩素量をイオンクロマトグラフィー測定装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製Dionex ICS−2100)を用い、測定した。
NC量測定装置(住化分析センター製スミグラフNC−22F)を用い、炭素量を測定した。なお、測定するシリカ−チタニア試料は50〜100mgとした。
粒子の屈折率は、液浸法によって測定した。即ち、異なる屈折率の溶媒(例えば、トルエン、1−ブロモナフタレン、1−クロロナフタレン、ジヨ−ドメタン、イオウ入りジヨードメタンなど)を適当に配合することにより任意の屈折率の混合溶媒を作り、その中に粒子を分散させて25℃において最も透明な粒子分散溶液の屈折率を粒子の屈折率とした。溶媒の屈折率はアッベの屈折率計を用いて25℃で589nmの波長の光を用いて測定した。また、上記屈折率を測定する際に最も透明となった時の分散液の透過率を紫外可視分光光度計(日本分光製V−650)で測定した。セルは光路長1cmの石英セルを使用し、波長593nmの透過率を測定して可視光透過率とした。
中心管供給ガスとして水素、窒素、酸素と、原料となるオクタメチルシクロテトラシロキサンとチタニウムテトライソプロポキシドとを共に300℃に加熱した予混合室において混合し、気体状で均一に混合した。前記中心管供給ガスを同心円3重管バーナーで燃焼させシリカ−チタニア複合酸化物粒子を製造した。中心管の外側にある第1環状管には、水素と窒素を導入し、最外環状管には空気を導入した。合成したシリカ−チタニア複合酸化物粒子はバッグフィルターで回収した。
噴霧燃焼法にてシリカ−チタニア複合酸化物粒子を合成した。原料としてオクタメチルシクロテトラシロキサンとチタニウムテトライソプロポキシドを用い、安定剤としてエタノール5部加えた混合液を噴霧ノズルから射出した。噴霧媒体には窒素を用い、周囲から水素、窒素、酸素による補助火炎にて燃焼させた。得られたシリカ−チタニア複合酸化物粒子はバッグフィルターで回収した。表4に比較例5、6の製造条件とシリカ−チタニア複合酸化物粒子特性を示す。
Claims (8)
- 下記特性を全て満足することを特徴とするシリカ−チタニア複合酸化物粒子。
(1)結晶型が非晶質であること
(2)メジアン径D50が10〜500nmであること
(3)FT−IRで測定した、Si−O−Si結合に帰属するピーク強度(Siピーク強度)とSi−O−Ti結合に帰属するピーク強度(Tiピーク強度)との比(Siピーク強度/Tiピーク強度)の値Iが下記式(1)を満足していること
I≦W−0.2+1 (1)
(式中、Wは、W=TiO2(質量%)/SiO2(質量%)であり、各成分割合は、蛍光X線分析の測定値より算出した値である。)
(4)粒子表面に存在するOH基数が40個/nm2以下であること
(5)残留カーボン量が0.1質量%以下であること
(6)チタン成分の含有量がチタニア換算で0.01〜25mol%であること - 画像解析法により得られた1次粒子の体積換算粒子径分布において、下記ロジン−ラムラー式で表される粒度分布の勾配nが2.5〜4.5の範囲にある請求項1に記載のシリカ−チタニア複合酸化物粒子。
R(Dp)=100exp(−b・Dpn)
(ただし、式中R(Dp)は最大粒子径から粒子径Dpまでの累積体積%、Dpは粒子径、b及びnは定数である。) - 平均円形度が0.80以上である、請求項1に記載のシリカ−チタニア複合酸化物粒子。
- 塩素存在量が50ppmw以下である、請求項1に記載のシリカ−チタニア複合酸化物粒子。
- バーナーノズルより、珪素化合物とチタン化合物とよりなる原料を、得られるシリカ−チタニア複合酸化物粒子のチタン成分の含有量がチタニア換算で0.01〜25mol%となる量でガス状で混合した状態で火炎中に供給して燃焼せしめることによりシリカ−チタニア複合酸化物粒子を製造する方法であって、上記バーナーノズルから射出されるガスの供給量から計算される前記火炎の断熱火炎温度が2000K以上であることを特徴とするシリカ−チタニア複合酸化物粒子の製造方法。
- 前記珪素化合物とチタン化合物とよりなる原料を火炎中に供給する前に、上記原料の沸点以上の温度に維持された、ガス混合機能を有する予混合室において原料を混合する工程を含む、請求項5記載のシリカ−チタニア複合酸化物粒子の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリカ−チタニア複合酸化物粒子を含有することを特徴とする分散液。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリカ−チタニア複合酸化物粒子を含有することを特徴とする樹脂組成物。
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