JP6456786B2 - 球状酸化チタン粉末及びその製造方法 - Google Patents
球状酸化チタン粉末及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6456786B2 JP6456786B2 JP2015139745A JP2015139745A JP6456786B2 JP 6456786 B2 JP6456786 B2 JP 6456786B2 JP 2015139745 A JP2015139745 A JP 2015139745A JP 2015139745 A JP2015139745 A JP 2015139745A JP 6456786 B2 JP6456786 B2 JP 6456786B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- titanium oxide
- oxide powder
- flame
- spherical
- spherical titanium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
Description
酸化チタンの大きな特性の一つとして光触媒機能が挙げられ、空気清浄器のフィルターや外壁の塗装等、様々な応用製品に使用されている。
(1)酸化チタンの結晶相が光触媒機能の高いアナターゼ相がリッチであること、
(2)塗料として均一に塗膜するために、粒子間の凝集力が弱く溶媒に分散させ易いこと
(3)流動性等特性向上のために粒子は球状であること
(4)塗料の特性を低下させないために、塩素を含有しないこと
従来、酸化チタンの工業的な製造方法としては、火炎加水分解法や塩素法などの気相法が知られている。
(2)メジアン径(D50)が10〜300nmであること
(3)比表面積が100m2/g以下であること
(4)平均円形度が0.80以上であること
(5)塩素濃度が10ppmw以下であること
(6)画像解析法により得られた1次粒子の体積換算粒子径分布において、下記ロジン− ラムラー式で表される粒度分布の勾配nが1以上3未満の範囲にあること
R(Dp)=100exp(−b・Dpn)
(ただし、式中R(Dp)は最大粒子径から粒子径Dpまでの累積体積%、Dpは粒子径、b及びnは定数である。)
本発明の球状酸化チタン粉末は、アナターゼ相の割合が50重量%以上、好ましくは70重量%以上の結晶であることが必要である。上記アナターゼ相以外の結晶は、一般にルチル相である。即ち、上記粒子の結晶型としてルチル相の割合がアナターゼ相の割合よりも大きい場合には、光触媒性能を十分に高めることができない。
R(Dp)=100exp(−b・Dpn)
(但し、式中R(Dp)は最大粒子径から粒子径Dpまでの累積体積%、Dpは粒子径、b及びnは定数である。)
ここで、ロジン− ラムラー式で表される粒度分布の勾配nは、ロジン− ラムラー線図の最大粒子径から粒子径Dpまでの累積体積%が少なくとも15体積%と85体積%の範囲にある2点を結んだ直線で代表される勾配のことを言い、nの値が大きいと粒度分布がシャープであることを表している。また体積換算を用いたのは、代表的な用途が塗料であり、粒子の体積が塗料の粘度に影響を及ぼすことを考慮したためである。
本発明の球状酸化チタン粉末の製造方法は特に制限されないが、以下の方法が好適に採用される。
結晶構造はX線回折装置(株式会社リガク製smartLab)を用いて測定した。測定条件はスキャン範囲2θ=10〜90°、スキャンスピ−ド1°/min、ステップ幅0.02°とした。
式中、最強干渉線IR及びIAは、X線回折スペクトルの該当回折線におけるベースラインから突出した部分の面積をいい、その算出方法は公知の方法で行えばよい。
BET比表面積は日本ベル製のBELSORP−maxにより窒素吸着BET法により測定した。
電界放射型走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製S−5500)で粒子5000個を2次電子像で任意に撮影し、撮影した画像を画像解析装置(旭エンジニアリング社製IP−1000C)で粒子径解析を行い、体積平均により求めた。
上記(3)によって得られた1次粒子の体積換算粒子径分布を元に、ロジン− ラムラー線図上に横軸に粒子径、縦軸に累積体積分布をとりプロットした。累積体積分布が15体積%から85体積%の範囲で最小二乗法により直線を求め、その直線の勾配からn値を求めた。
得られた球状酸化チタン粒子1000個の円形度を画像解析装置(旭エンジニアリング社製IP−1000C)により算出し、平均値を算出した。
超純水50gに球状酸化チタン5gを添加し、テフロン(登録商標)分解容器を用いて120℃で24時間加熱した。その後、遠心分離器を用いて酸化チタン固形分を分離し、イオンクロマト測定試料を得た。なお、超純水のみで前記操作を行い、ブランク試料を得た。得られた試料の塩素量をイオンクロマトグラフィー測定装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製Dionex ICS−2100)を用い、測定した。
NC量測定装置(住化分析センター製スミグラフNC−22F)を用い、カーボン濃度を測定した。なお、測定する球状酸化チタン試料は50〜100mgとした。
中心管供給ガスとして水素、窒素、酸素と、原料となるチタニウムテトライソプロポキシドとを250℃に加熱した予混合室において混合し、気体状で均一に混合した。前記中心管供給ガスを同心円3重管バーナーで燃焼させ球状酸化チタン粉末を製造した。中心管の外側にある第1環状管には、水素と窒素を導入し、最外環状管には空気と窒素を導入した。合成した球状酸化チタン粉末はバッグフィルターで回収した。比較例1、2では火炎温度を1500K以下としとした。上記記載の製造方法で得られた球状酸化チタン粉末に対して物性測定を行った。表1に実施例1〜5の製造条件と球状酸化チタン粉末特性を、表2に比較例1、2の製造条件と球状酸化チタン粉末特性をそれぞれ示す。尚、表2に記載する各ガスの供給量は中心管〜最外環状管までのガスを合計した流量である。断熱火炎温度においても中心管〜最外環状管までのガスを考慮して算出した。チタニウムテトライソプロポキシドの標準生成熱はNIST Chemistry WebBookで得られる値を用いた。
実施例1〜3と比較例3、4で得られた球状酸化チタン粉末について、光触媒性能評価を行った。光触媒性能評価はJIS R 1703−2(2007)ファインセラミックス−光触媒材料のセルフクリーニング性能試験方法‐第2部:湿式分解性能に準じて行った。球状酸化チタン粉末はイオン交換水とバインダーとしてシリコーン樹脂30vol%とをホモジナイザーで分散させて塗工液を作製した。全ての塗工液の粘度が同じになるように球状酸化チタン粉末の含有量を調整した。塗工液の粘度測定はレオメーター(AR2000EX、TA Instruments社製 商品名)を用い、測定温度は25℃、せん断速度は10s−1とした。塗工液は厚さ2mmのガラス板上にバーコーターで塗布し、120℃で乾燥させた。得られた塗膜の上に円筒状の試験セルを置き、筒内に0.01mmol/Lのメチレンブルー水溶液35mlを添加した。試験セル上にカバーガラスを載せ、紫外光を100分間照射して、経時のメチレンブルー濃度を波長664nmにおける吸光度測定により定量した。吸光度の変化に基づいて、紫外光照射によるメチレンブルー分解活性指数(単位:nmol/L/min)を算出した。塗工液中の球状酸化チタン粉末含有量とメチレンブルー分解活性指数の測定結果を表3に示す
Claims (9)
- 下記特性を満足することを特徴とする、球状酸化チタン粉末。
(1)アナターゼ相の割合が50重量%以上の結晶であること
(2)メジアン径(D50)が50〜300nmであること
(3)比表面積が100m2/g以下であること
(4)平均円形度が0.80以上であること
(5)塩素濃度が10ppmw以下であること
(6)画像解析法により得られた1次粒子の体積換算粒子径分布において、下記ロジン−ラムラー式で表される粒度分布の勾配nが1以上3未満の範囲にあること
R(Dp)=100exp(−b・Dpn)
(但し、式中R(Dp)は最大粒子径から粒子径Dpまでの累積体積%、Dpは粒子径、b及びnは定数である。) - カーボン濃度が0.1質量%以下である請求項1記載の球状酸化チタン粉末。
- 細孔容積が0.2cm3/g以下である請求項1記載の球状酸化チタン粉末。
- チタニウムアルコキシド、酸素、及び水素を含むガスをバーナーに供給して火炎を形成し、該火炎中で酸化チタンを生成する方法であって、上記バーナーから射出されるガスの供給量から計算される前記火炎の断熱火炎温度が1500K以上であり、酸化チタン合成後に300℃/秒以上の冷却速度で酸化チタンの融点以下まで冷却し、捕集することを特徴とする球状酸化チタン粉末の製造方法。
- 上記バーナーの中心管から供給されるガス中のチタニウムアルコキシドの濃度が0.6vol%以上である請求項4記載の球状酸化チタン粉末の製造方法。
- チタニウムアルコキシドをキャリアガスと共に供給する請求項4又は5に記載の球状酸化チタン粉末の製造方法。
- 前記チタニウムアルコキシドを火炎中に供給する前に、チタニウムアルコキシドとキャリアガスとを、チタニウムアルコキサイドの沸点以上の温度に維持された、ガス混合機能を有する予混合室において混合する、請求項4〜6のいずれか一項に記載の球状酸化チタン粉末の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の球状酸化チタン粉末を分散した状態で含有した塗料組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の球状酸化チタン粉末を分散した状態で含有した、樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015139745A JP6456786B2 (ja) | 2015-07-13 | 2015-07-13 | 球状酸化チタン粉末及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015139745A JP6456786B2 (ja) | 2015-07-13 | 2015-07-13 | 球状酸化チタン粉末及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017019698A JP2017019698A (ja) | 2017-01-26 |
JP6456786B2 true JP6456786B2 (ja) | 2019-01-23 |
Family
ID=57887585
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015139745A Active JP6456786B2 (ja) | 2015-07-13 | 2015-07-13 | 球状酸化チタン粉末及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6456786B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109077620B (zh) * | 2017-06-14 | 2024-07-19 | 佛山市顺德区美的电热电器制造有限公司 | 不粘涂层及其制备方法以及锅具或烤盘面板和煮食设备 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60186418A (ja) * | 1984-03-06 | 1985-09-21 | Hiroyoshi Inoue | 超微粒子状酸化チタンの製造方法 |
US5200167A (en) * | 1989-02-28 | 1993-04-06 | Nippon Soda Co., Ltd. | Method for the preparation of spherical, fine particle titanium oxide |
JP3993956B2 (ja) * | 1999-11-19 | 2007-10-17 | 東邦チタニウム株式会社 | 球状酸化チタン微粒子の製造方法 |
JP5196710B2 (ja) * | 2004-04-26 | 2013-05-15 | 昭和電工株式会社 | コーティング材とその用途 |
TWI314919B (en) * | 2005-02-28 | 2009-09-21 | Showa Denko Kk | Fine particulate titanium dioxide, and production process and uses thereof |
WO2008114667A1 (ja) * | 2007-03-16 | 2008-09-25 | Ishihara Sangyo Kaisha, Ltd. | 電極活物質及びそれを用いてなるリチウム電池 |
WO2009017212A1 (ja) * | 2007-07-27 | 2009-02-05 | Toho Titanium Co., Ltd. | 低ハロゲン酸化チタン粉末の製造方法及び低ハロゲン酸化チタン粉末 |
US8663380B2 (en) * | 2007-11-16 | 2014-03-04 | Cristal Usa Inc. | Gas phase production of coated titania |
-
2015
- 2015-07-13 JP JP2015139745A patent/JP6456786B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017019698A (ja) | 2017-01-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2364272B1 (en) | Processes for manufacturing the same fumed silica of controlled aggregate size | |
US7897256B2 (en) | Surface-modified, doped, pyrogenically produced oxides | |
KR100438228B1 (ko) | 도핑되고 열분해법으로 제조된 산화물 | |
WO2021172293A1 (ja) | 中空シリカ粒子及び中空シリカ粒子の製造方法 | |
KR100649048B1 (ko) | 발열 제조된 이산화규소 분말 및 이 분말을 함유하는실리콘 실링 화합물 | |
JP5008460B2 (ja) | 乾式シリカ微粒子 | |
KR101148291B1 (ko) | 발열 제조된 이산화규소 분말 | |
EP1771518A2 (en) | Dispersion containing titanium dioxide | |
KR100644314B1 (ko) | 열 제조된 이산화규소 분말 및 그의 분산액 | |
US20110244387A1 (en) | Low-surface area fumed silicon dioxide powder | |
US20080045411A1 (en) | Pyrogenic Silicon Dioxide and a Dispersion Thereof | |
US20060201647A1 (en) | Pyrogenic silicon dioxide powder and dispersion thereof | |
JP2000169132A (ja) | エ―ロゾルを用いて酸化アルミニウムをド―ピングした熱分解法二酸化珪素、その製法、その使用およびその配合物 | |
WO2007142047A1 (ja) | 乾式シリカ微粒子 | |
US8729158B2 (en) | Fumed silica of controlled aggregate size and processes for manufacturing the same | |
JP6516623B2 (ja) | シリカ−チタニア複合酸化物粒子及びその製造方法 | |
JP4881378B2 (ja) | アルカリ金属酸化物を含有する混合酸化物粉末およびこの粉末を含有するシリコーンゴム | |
WO2023008395A1 (ja) | チタン酸ストロンチウム微粒子粉末及びその製造方法、分散体並びに樹脂組成物 | |
JP6456786B2 (ja) | 球状酸化チタン粉末及びその製造方法 | |
TWI231808B (en) | A layer obtained from an aqueous dispersion containing a silicon/titanium mixed oxide powder prepared by flame hydrolysis | |
JP2005314197A (ja) | 高純度疎水性有機溶媒分散シリカゾル及びその製造方法 | |
JP3525677B2 (ja) | Ic基板用充填剤及びic封止用樹脂組成物 | |
JP3878113B2 (ja) | シリカ−チタニア複合酸化物の製造方法 | |
JP6064338B2 (ja) | 酸化チタンの非極性有機溶媒分散液の製造方法 | |
JP2008273832A (ja) | 高純度酸化チタンおよびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180307 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20181010 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181016 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20181108 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20181218 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20181219 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6456786 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |