JP2017036248A - 新規なベンゾインデノフルオレノピラン類及びその製造方法 - Google Patents
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract
【解決手段】5−ヒドロキシ−7,7,13,13−テトラメチル−7H,13H−ベンゾ[g]インデノ[3,2−b]フルオレン等の新規なヒドロキシベンゾインデノフルオレン類、又は3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−10,10,16,16−テトラメチル−3H,10H,16H−ベンゾ[3,4]インデノ[2’,3’:6,7]フルオレノ[1,2−b]ピラン等のベンゾインデノフルオレノピラン類、及びそれらの製造方法。ヒドロキシベンゾインデノフルオレン類をプロパルギルアルコール誘導体と反応させてベンゾインデノフルオルオレノピラン類を製造方法。
【選択図】なし
Description
中でも、ナフトピラン類は、着消色の繰返し耐久性が高いことや消色速度が速いことから、調光材料として主にサングラス等のレンズに使用される。
さらに本発明の目的は、新規なベンゾインデノフルオレノピラン類を製造するための有用な中間体である新規ヒドロキシベンゾインデノフルオレン類を提供することにある。
すなわち本発明は、下記一般式(1)
で示されるベンゾインデノフルオレノピラン類を、さらに下記一般式(2)
で示されるベンゾインデノフルオレノピラン類を提供するものである。
本発明はさらに、本発明化合物である上記一般式(1)を製造する際に、反応中間体として有用な下記一般式(3)
で示されるヒドロキシベンゾインデノフルオレン類を、さらに下記一般式(4)
で示されるヒドロキシベンゾインデノフルオレン類を提供するものである。
さらに本発明は、下記一般式(1)
で示されるベンゾインデノフルオレノピラン類を製造する方法であって、
下記一般式(6)
で示されるブロモベンゾインデノフルオレン誘導体(6)を、
遷移金属触媒存在下、アルカリ金属tert−ブトキシドと反応させて、
下記一般式(7)
で示されるtert−ブトキシベンゾインデノフルオレン誘導体(7)を得た後、
tert−ブトキシベンゾインデノフルオレン誘導体(7)と、酸性化合物と、を反応させ、下記一般式(3)
で示されるヒドロキシベンゾインデノフルオレン類を得、
さらに酸触媒存在下、ヒドロキシベンゾインデノフルオレン類と、下記一般式(5)
で示されるプロパルギルアルコール誘導体と、を反応させる、ベンゾインデノフルオレノピラン類の製造方法を提供するものである。
本発明の一般式(1)で示されるベンゾインデノフルオレノピラン類において、一般式(1)中のR1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜6の直鎖状若しくは分岐状若しくは環状のアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。また、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15及びR16は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜6の直鎖状若しくは分岐状若しくは環状のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又はアリール基を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられる。
<ベンゾインデノフルオレノピラン類の製造方法>
一般式(1)で示されるフォトクロミック化合物は、特に限定するものではないが、ブロモベンゾインデノフルオレン誘導体(6)から以下に示す工程にて製造することが可能である。即ち、工程1(tert−ブトキシ化工程)、工程2(ヒドロキシル化工程)及び工程3(縮合工程)の実施により、該フォトクロミック化合物を合成できる。
一般式(7)で示されるtert−ブトキシベンゾインデノフルオレン誘導体は一般式(6)で示されるブロモベンゾインデノフルオレン誘導体を遷移金属触媒の存在下、アルカリ金属tert−ブトキシドと反応させることによって製造することができる。
本発明にかかる反応において、アルカリ金属tert−ブトキシドとしては、リチウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシドが用いられ、その使用量は、特に制限するものではないが、通常、ブロモベンゾインデノフルオレン誘導体に対して1.0モル当量〜3.0モル当量が好ましく、さらに好ましくは1.5モル当量〜2.0モル当量である。
配位子としては、遷移金属化合物に配位するものであれば何でもよく、ホスフィン化合物、窒素系化合物、オレフィン系化合物等が挙げられる。例えば、トリエチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィンなどのアルキルホスフィン類や、トリフェニルホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン[dppf]、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ザンテン[Xantphos]などのアリールホスフィン類、そのほか1,5−シクロオクタジエン〔COD〕、2,2‘−ビピリジル等が挙げられる。また、それら配位子は塩の状態で添加してもよい。
本発明にかかる反応において、反応温度としては、80℃〜140℃が好ましく、さらに好ましくは100℃〜120℃である。
本発明にかかる反応において、反応時間としては、基質の種類及び反応温度の違いにより異なるため、特に限定するものではないが、通常、1時間〜24時間の範囲内で反応は完結できる。
(工程2:ヒドロキシル化工程)
一般式(3)で示されるヒドロキシベンゾインデノフルオレン誘導体は一般式(7)で示されるtert−ブトキシベンゾインデノフルオレン誘導体を酸性化合物と反応させることによって製造することができる。
本発明にかかる反応において、反応温度としては、15℃〜50℃が好ましく、さらに好ましくは20℃〜35℃である。
生成したヒドロキシベンゾインデノフルオレン誘導体は、一般に公知の精製手法を用いることができ、例えば、分液操作で有機層を分離し、得られた有機層を水または食塩水またはアルカリ水溶液等で洗浄した後、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法によって単離精製することができる。
一般式(1)で示されるベンゾインデノフルオレノピラン類は一般式(3)で示されるヒドロキシベンゾインデノフルオレン類と一般式(5)で示されるプロパルギルアルコール誘導体を酸触媒の存在下にて反応させることによって製造することができる。
本発明にかかる反応において、プロパルギルアルコール誘導体の使用量は、特に制限するものではないが、通常、ヒドロキシベンゾインデノフルオレン誘導体に対して0.8モル当量〜2.0モル当量が好ましく、さらに好ましくは1.0モル当量〜1.2モル当量である。
本発明にかかる反応において、反応温度としては、80℃〜110℃が好ましく、さらに好ましくは100℃〜110℃である。
生成したベンゾインデノフルオレノピラン類は、一般に公知の精製手法を用いることができ、例えば、分液操作で有機層を分離し、得られた有機層を水または食塩水またはアルカリ水溶液等で洗浄した後、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法によって単離精製することができる。
なお、生成物の分析はいずれもプロトン核磁気共鳴スペクトル(以下、「1H NMR分析」という)によって行った。
装置:日本電子株式会社製 EX―270(270 MHz for 1H)
<手順1>
二ロナスフラスコに酢酸パラジウム(II)(5.4mg,0.024mmol)、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(20.9mg,0.072mmol)及び5−ブロモ−7,7,13,13−テトラメチル−7H,13H−ベンゾ[g]インデノ[3,2−b]フルオレン(527mg,1.2mmol),ナトリウム−tert−ブトキシド(231mg,2.4mmol)を入れて窒素置換をした後にo−キシレン(12mL)を加え、120℃で12時間撹拌した。反応の進行をTLC(ヘキサン/酢酸エチル=19/1)で確認し、反応終了確認後、水により反応を停止させ、酢酸エチルを用いて抽出を行った。抽出した有機層は硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=19/1)によって単離精製し、494mg(収率:95%)の5−tert−ブトキシ−7,7,13,13−テトラメチル−7H,13H−ベンゾ[g]インデノ[3,2−b]フルオレンを黄色の固体として得た。生成物は1HNMR分析によって確認した。
1H NMR:δ1.54(s,9H),1.62(s,6H),1.65(s,6H),7.26(s,1H),7.35(q,J=7.6Hz,2H),7.45(dd,J=7.6,165 Hz,2H),7.74(t,J=7.6Hz,1H),7.78(d,J=7.3 Hz,lH),7.82(s,1H),8.62(s,1H),8.37(d,J=8.6 Hz,1H),8.76(d,J =8.6 Hz,1H)
バイアル管に5−tert−ブトキシ−7,7,13,13−テトラメチル−7H,13H−ベンゾ[g]インデノ[3,2−b]フルオレン(130mg,0.30mmol)を入れ、テトラヒドロフラン(2.0mL)を加え、濃硫酸(0.16mL,3.0mmol)を滴下して室温で3時間撹拌した。反応の進行をTLC(ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で確認し、反応終了確認後、20%水酸化ナトリウム水溶液で反応を停止させて酢酸エチルを用いて抽出を行った。抽出した有機層は硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1to4/1)によって単離精製して、95mg(84%)の5−ヒドロキシ−7,7,13,13−テトラメチル−7H,13H−ベンゾ[g]インデノ[3,2−b]フルオレン(8)を薄赤色の固体として得た。生成物は1H NMR分析によって確認した。
1H NMR:δ1.43(s,6H),1.49(s,6H),7.04(s,1H),7.19(quin,J=7.2Hz,2H),7.39(t,J=7.6Hz,2H),7.55(t,J=7.6Hz,1H),7.71(d,J=6.8Hz,1H),7.88(s,1H),8.26(d,J=8.4Hz,1H),8.32(s,1H),8.78(d,J=8.6Hz,1H),9.11(br,1H)
バイアル管に5−ヒドロキシ−7,7,13,13−テトラメチル−7H,13H−ベンゾ[g]インデノ[3,2−b]フルオレン(8)(50mg,0.13mmol)、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)プロピ−2−イル−1−オル(9)(35mg,0.13mmol)、p−トルエンスルホン酸1水和物(1.0mg,0.0053mmol)を入れ、テフロン(登録商標)製セプタムキャップで密閉して窒素置換をしてトルエン(1.3mL)を加えた後、0℃で12時間撹拌した。反応の進行をTLC(ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で確認し、反応終了確認後、炭酸水素ナトリウム水溶液で反応を停止させ、酢酸エチルを用いて抽出を行った。抽出した有機層は硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=19/1〜9/1)によって単離精製して64mg(77%)の3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−10,10,16,16−テトラメチル−3H,10H,16H−ベンゾ[3,4]インデノ[2',3’:6,7]フルオレノ[1,2−b]ピラン(10)を深緑色の固体として得た。生成物は1H NMR分析によって確認した。
1H NMR:δ1.59(s,6H),1.72(s,6H),3.75(s,6H),6.23(d,J=10.0Hz,1H),6.82(d,J=8.6Hz,1H),7.25−7.35(m,3H),7.44(d,J=8.6Hz,5H),7.51(d,J=7.6Hz,1H),7.63(t,J=7.6Hz),7.75−7.77(m,2H),8.19(s,1H),8.46(d,J=8.1Hz,1H),8.71(d,J=8.1Hz,1H)
実施例1における<手順3>の基質である、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)プロピ−2−イル−1−オル(9)(35mg,0.13mmol)(プロパルギルアルコール誘導体)を下記1,1−ビスフェニルプロピ−2−イル−1−オル(11)(27mg,0.13mmol)に変更した以外は、実施例1と同じ条件下で反応を行った。
1H NMR:δ1.59(s,6H),1.72(s,6H),6.30(d,J=10.0Hz,1H),7.20−7.70(m,9H),7.45(d,J=14.9Hz,1H),7.53−7.62(m,5H),7.64(t,J=7.4Hz),7.75−7.77(m,2H),8.19(s,1H),8.51(d,J=8.1Hz),8.72(d,J=8.6Hz)
実施例1における<手順3>の基質である、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)プロピ−2−イル−1−オル(9)(35mg,0.13mmol)(プロパルギルアルコール誘導体)を1,1−ビス(4−フルオロフェニル)プロピ−2−イル−1−オル(13)(32mg,0.13mmol)に変更した以外は、実施例1と同じ条件下で反応を行った。
1H NMR:δ1.59(s,6H),1.71(s,6H),6.21(d,J=10.0Hz,1H),6.99(t,J= 8.6Hz,4H),7.30−7.38(m,3H),7.44−7.56(m,6H),7.67(t,J=7.7Hz,1H),7.76−7.78(m,2H),8.20(s,1H),8.43(d,J=8.1Hz,1H),8.73(d,J=8.4Hz,1H)
実施例1における<手順3>の基質である、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)プロピ−2−イル−1−オル(9)(35mg,0.13mmol)(プロパルギルアルコール誘導体)を下記1,1−ビス(4−tert−ブチルフェニル)プロピ−2−イル−1−オル(15)(40mg,0.13mmol)に変更した以外は、実施例1と同じ条件下で反応を行った。
1H NMR:δ1.27(s,18H),1.59(s,3H),1.72(s,3H),6.23(d,J=10.3Hz,1H),7.30−7.38(m,7H),7.45(d,J=8.4Hz,5H),7.53(d,J=7.8Hz,1H),7.66(t,J=7.3Hz,1H),7.75−7.77(m,2H),8.20(s,1H),8.52(d,J=8.1Hz,1H),8.72(d,J=8.6Hz,1H)
実施例1における<手順3>の基質である、5−ヒドロキシ−7,7,13,13−テトラメチル−7H,13H−ベンゾ[g]インデノ[3,2−b]フルオレン(8)(50mg,0.13mmol)(ヒドロキシフルオレン誘導体)を下記5−ヒドロキシ−7,7−ジメチル−7H−ベンゾ[c]フルオレン(17)(34mg,0.13mmol)に変更した以外は、実施例1と同じ条件下で反応を行った。
生成物は1H NMR分析によって確認した。
1H NMR:δ1.67(s,6H),3.77(s,6H),6.30(d,J=10.0Hz,1H),6.85−6.88(m,4H),7.30−7.55(m,9H),7.63(dt,J=1.2Hz,8.0Hz,1H),8.22(d,J=8.0Hz,1H),8.46(d,J=8.4Hz,1H),8.67(d,J=8.4Hz,1H)
実施例1〜4及び比較例1で得られた化合物をクロロホルムに溶解させ、0.05mMの濃度に調製し、この溶液を光路長1mmの石英セルに入れて試料とした。これにオプトコード株式会社製のUVライトを60秒間照射し発色させ、株式会社島津製作所製の分光光度計(紫外可視近赤外分光光度計UV−3100)により、前記試料の可視光領域(400nm〜750nm)における極大吸収波長(λmax)を測定した。
退色速度(T1/2)とはUVライトの照射を止めたときに、試料の前記極大吸収波長において最も高い吸光度の2分の1に達するまでの時間を秒で表すものである。
以上の結果を表2に示した。
Claims (5)
- 下記一般式(1)
で示されるベンゾインデノフルオレノピラン類を製造する方法であって、
下記一般式(6)
で示されるブロモベンゾインデノフルオレン誘導体を、
遷移金属触媒存在下、アルカリ金属tert−ブトキシドと反応させて、
下記一般式(7)
で示されるtert−ブトキシベンゾインデノフルオレン誘導体(7)を得た後、
tert−ブトキシベンゾインデノフルオレン誘導体(7)と、酸性化合物と、を反応させ、下記一般式(3)
で示されるヒドロキシベンゾインデノフルオレン類を得、
さらに酸触媒存在下、ヒドロキシベンゾインデノフルオレン類と、下記一般式(5)
で示されるプロパルギルアルコール誘導体(1,1−ビス(4−メトキシフェニル)プロピ−2−イル−1−オル)と、を反応させる、ベンゾインデノフルオレノピラン類の製造方法。
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