JP7053010B2 - ジアリールエテン化合物、フォトクロミック材料、及び調光部材 - Google Patents

ジアリールエテン化合物、フォトクロミック材料、及び調光部材 Download PDF

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Description

本発明は、新規なジアリールエテン化合物に関する。さらに、本発明は、当該ジアリールエテン化合物を含むフォトクロミック材料、当該フォトクロミック材料を含む調光部材に関する。
紫外光の照射によって着色し、可視光の照射または熱的に着色が元に戻る現象をフォトクロミズムといい、そのような化合物をフォトクロミック化合物という。フォトクロミック化合物の中でも、熱的に安定なもの(すなわち、紫外光による着色が室温で熱的に元に戻りにくいもの)はPタイプ、熱的に不安定なもの(すなわち、紫外光による着色が室温で熱的に元に戻りやすいもの)はTタイプと呼ばれている。
フォトクロミック化合物として、ジアリールエテン化合物が知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照)。ジアリールエテン化合物は、典型的なPタイプのフォトクロミック化合物である。
特許第4025920号
M. Irie, T. Fukaminato, K. Matsuda, S. Kobatake,Chem. Rev., 114, 12174-12277 (2014)
紫外光による着色が熱的に元に戻りやすいTタイプのフォトクロミック化合物は、調光機能を備えたサングラスなど、調光部材への応用が検討されている。
しかしながら、前記の通り、ジアリールエテン化合物は、典型的なPタイプのフォトクロミック化合物であり、紫外光による着色が熱的に元に戻りにくいため、調光部材への応用は困難と考えられている。
このような状況下、本発明は、紫外線照射によって迅速に着色され、かつ、当該着色の熱退色の速度が制御されたジアリールエテン化合物を提供することを主な目的とする。さらに、本発明は、当該ジアリールエテン化合物を含むフォトクロミック材料、当該フォトクロミック材料を含む調光部材を提供することも課題とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、下記一般式(1)で表される、ジアリールエテン化合物は、紫外線照射によって迅速に着色され、かつ、当該着色の熱退色の速度が制御されることを見出した。
Figure 0007053010000001
一般式(1)中、A1、A2、A3、及びA4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ニトロ基、アミノ基、またはシアノ基である。X1及びX2は、それぞれ独立に、S、O、NR、またはSO2であり、Rは水素原子またはアルキル基である。Y1及びY2は、それぞれ独立に、CまたはNである。R1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、またはシアノ基である。R2は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、またはシアノ基である。R3は、Y1がCである場合には、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、またはシアノ基、あるいはR5と互いに結合して環構造を形成しており、Y1がNである場合には、電子対である。R4は、Y2がCである場合には、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、またはシアノ基、あるいはR6と互いに結合して環構造を形成しており、Y2がNである場合には、電子対である。R5は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、またはシアノ基、あるいはR3と互いに結合して環構造を形成している。R6は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、またはシアノ基、あるいはR4と互いに結合して環構造を形成している。
本発明は、このような知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 下記一般式(1)で表される、ジアリールエテン化合物。
Figure 0007053010000002
[式(1)中、A1、A2、A3、及びA4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ニトロ基、アミノ基、またはシアノ基であり、
1及びX2は、それぞれ独立に、S、O、NR、またはSO2であり、Rは水素原子またはアルキル基であり、
1及びY2は、それぞれ独立に、CまたはNであり、
1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、またはシアノ基であり、
2は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、またはシアノ基であり、
3は、Y1がCである場合には、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、またはシアノ基、あるいはR5と互いに結合して環構造を形成しており、Y1がNである場合には、電子対であり、
4は、Y2がCである場合には、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、またはシアノ基、あるいはR6と互いに結合して環構造を形成しており、Y2がNである場合には、電子対であり、
5は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、またはシアノ基、あるいはR3と互いに結合して環構造を形成しており、
6は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、またはシアノ基、あるいはR4と互いに結合して環構造を形成している。]
項2. 前記A1、A2、A3、及びA4は、それぞれ独立に、水素原子またはハロゲン原子であり、
前記Y1及びY2が、それぞれ、Cであり、
前記R3及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、または炭素数が1~5のアルキル基であるか、前記R3とR5とが互いに結合して6員環構造を形成しており、
前記R4及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、または炭素数が1~5のアルキル基であるか、前記R4とR6とが互いに結合して6員環構造を形成している、項1に記載のジアリールエテン化合物。
項3. 下記一般式(1A)で表される、項2に記載のジアリールエテン化合物。
Figure 0007053010000003
[式(1A)中、A1、A2、A3、A4、X1、X2、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ、項2と同じである。]
項4. 下記一般式(1B)から(1D)のいずれかで表される、項3に記載のジアリールエテン化合物。
Figure 0007053010000004
[式(1B)、(1C)及び(1D)において、A1、A2、A3、A4、R1、R2、X1、及びX2は、それぞれ、項3と同じである。]
項5. 下記式で表される、ジアリールエテン化合物。
Figure 0007053010000005
項6. 項1~5のいずれかに記載のジアリールエテン化合物を含む、フォトクロミック材料。
項7. 項6に記載のフォトクロミック材料を含む、調光部材。
本発明によれば、紫外線照射によって迅速に着色され、かつ、当該着色の熱退色の速度が制御されたジアリールエテン化合物を提供することができる。さらに、本発明によれば、当該ジアリールエテン化合物を含むフォトクロミック材料、当該フォトクロミック材料を含む調光部材を提供することもできる。
実施例1のジアリールエテン化合物のn-ヘキサン溶液に、紫外光を照射して着色させ、各温度で放置した場合の退色度合(A/A0)と時間(分)との関係を示すグラフである。 実施例2のジアリールエテン化合物のn-ヘキサン溶液に、紫外光を照射して着色させ、各温度で放置した場合の退色度合(A/A0)と時間(分)との関係を示すグラフである。 実施例3のジアリールエテン化合物のn-ヘキサン溶液に、紫外光を照射して着色させ、各温度で放置した場合の退色度合(A/A0)と時間(分)との関係を示すグラフである。 実施例4のジアリールエテン化合物のn-ヘキサン溶液に、紫外光を照射して着色させ、各温度で放置した場合の退色度合(A/A0)と時間(分)との関係を示すグラフである。 実施例5のジアリールエテン化合物のn-ヘキサン溶液に、紫外光を照射して着色させ、各温度で放置した場合の退色度合(A/A0)と時間(分)との関係を示すグラフである。 実施例6のジアリールエテン化合物のn-ヘキサン溶液に、紫外光を照射して着色させ、各温度で放置した場合の退色度合(A/A0)と時間(分)との関係を示すグラフである。 実施例7のジアリールエテン化合物のn-ヘキサン溶液に、紫外光を照射して着色させ、各温度で放置した場合の退色度合(A/A0)と時間(分)との関係を示すグラフである。 実施例8のジアリールエテン化合物のn-ヘキサン溶液に、紫外光を照射して着色させ、各温度で放置した場合の退色度合(A/A0)と時間(分)との関係を示すグラフである。 実施例9のジアリールエテン化合物のn-ヘキサン溶液に、紫外光を照射して着色させ、各温度で放置した場合の退色度合(A/A0)と時間(分)との関係を示すグラフである。 実施例10のジアリールエテン化合物のn-ヘキサン溶液に、紫外光を照射して着色させ、各温度で放置した場合の退色度合(A/A0)と時間(分)との関係を示すグラフである。 実施例11のジアリールエテン化合物のn-ヘキサン溶液に、紫外光を照射して着色させ、各温度で放置した場合の退色度合(A/A0)と時間(分)との関係を示すグラフである。 実施例13のジアリールエテン化合物のn-ヘキサン溶液に、紫外光を照射して着色させ、各温度で放置した場合の退色度合(A/A0)と時間(分)との関係を示すグラフである。
本発明のジアリールエテン化合物は、下記一般式(1)で表される化学構造を備えている。
Figure 0007053010000006
一般式(1)において、ベンゼン環上の基A1、A2、A3、及びA4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ニトロ基、アミノ基、またはシアノ基である。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。アルキル基としては、炭素数1~5のアルキル基が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1~5のアルコキシ基が挙げられる。アリール基としては、フェニル基が挙げられる。アルキル基及びアリール基は、それぞれ、置換基を有していてもよく、当該置換基としては、特に制限されないが、それぞれ独立に、好ましくはシアノ基、アルキル基、アルコキシ基、クロロ基、ブロモ基などが挙げられる。これらの中でも、基A1、A2、A3、及びA4は、それぞれ、水素原子であることが特に好ましい。
なお、後述のとおり、ジアリールエテン化合物の色(紫外線照射によって閉環する前の開環体の色)としては、特に制限されないが、通常、無色透明である。
一般式(1)において、基X1及び基X2は、それぞれ独立に、S(硫黄原子)、O(酸素原子)、NR、またはSO2である。また、NRにおいて、Rは水素原子またはアルキル基である。これらの中でも、基X1及び基X2は、それぞれ独立に、S、O、またはSO2であることが好ましい。
また、基Y1及び基Y2は、それぞれ独立に、C(炭素原子)またはN(窒素原子)であり、好ましくはCである。
基R1及び基R2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、またはシアノ基である。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。アルキル基としては、炭素数1~5のアルキル基が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1~6のアルコキシ基が挙げられる。アリール基としては、フェニル基が挙げられる。アルキル基は、直鎖または分岐のいずれであってもよい。上記一般式(1)で表される構造を有するジアリールエテン化合物は、基R1及び基R2の炭素数や構造を変化させることにより、紫外線照射による基R1及び基R2が結合している炭素原子同士の閉環反応速度を調整することができる。よって、紫外線照射による反応速度と熱退色の反応速度を好適に調整することができる。
紫外線照射による反応速度と熱退色の反応速度を好適に調整する観点から、基R1及び基R2は、それぞれ独立に、炭素数が1~10のアルキル基またはフェニル基であることが好ましく、炭素数が1~6のアルキル基であることがより好ましい。好ましいアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
基R3は、基Y1がCである場合には、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、またはシアノ基、あるいは基R5と互いに結合して環構造を形成している。また、基R3は、基Y1がNである場合には、電子対である。基R3は、基Y1がCであり、水素原子、フェニル基、またはアルキル基であるか、基R5と互いに結合して環構造(好ましくは5員環構造又は6員環構造)を形成していることが好ましく、水素原子または炭素数が1~3のアルキル基であるか、基R5と互いに結合して6環構造を形成していることが好ましい。
基R4は、基Y2がCである場合には、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、またはシアノ基、あるいは基R6と互いに結合して環構造を形成している。また、基R4は、基Y1がNである場合には、電子対である。基R4は、基Y1がCであり、水素原子、フェニル基、またはアルキル基であるか、基R6と互いに結合して環構造(好ましくは5員環構造又は6員環構造)を形成していることが好ましく、水素原子または炭素数が1~3のアルキル基であるか、基R6と互いに結合して6環構造を形成していることが好ましい。
なお、基R3及び基R4のアリール基、アルキル基、アルコキシ基は、それぞれ、置換基を有していてもよい。当該置換基としては、特に制限されないが、例えばシアノ基、アルキル基、アルコキシ基、クロロ基、ブロモ基などが挙げられる。
基R5は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、またはシアノ基、あるいは基R3と互いに結合して環構造を形成しており、好ましくは水素原子、フェニル基、または炭素数が1~5のアルキル基が挙げられる。基R6は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、またはシアノ基、あるいは基R3と互いに結合して環構造を形成しており、好ましくは水素原子、フェニル基、または炭素数が1~5のアルキル基が挙げられる。これらの中でも、基R5は、フェニル基であるか、基R3と互いに結合して環構造(好ましくは5員環構造又は6員環構造)を形成していることが好ましい。また、基R6は、フェニル基であるか、基R4と互いに結合して環構造(好ましくは5員環構造又は6員環構造)を形成していることが好ましい。なお、基R5及び基R6のアリール基、アルキル基、アルコキシ基は、それぞれ、置換基を有していてもよい。当該置換基としては、特に制限されないが、例えばシアノ基、アルキル基、アルコキシ基、クロロ基、ブロモ基などが挙げられる。
紫外線照射による反応速度と熱退色の反応速度を好適に調整する観点から、本発明のジアリールエテン化合物は、好ましくは下記一般式(1A)で表される構造を備えていることが好ましい。
Figure 0007053010000007
一般式(1A)中、A1、A2、A3、A4、X1、X2、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ、前述の一般式(1)で例示したものと同じものが挙げられる。
さらに具体的には、紫外線照射による反応速度と熱退色の反応速度を好適に調整する観点から、本発明のジアリールエテン化合物は、好ましくは下記一般式(1B)から(1D)のいずれかで表される構造を備えていることがより好ましい。
Figure 0007053010000008
一般式(1B)、(1C)及び(1D)において、A1、A2、A3、A4、R1、R2、X1、及びX2は、それぞれ、前述の一般式(1)で例示したものと同じものが挙げられる。
本発明のジアリールエテン化合物の色(紫外線照射によって閉環する前の色)としては、特に制限されないが、好ましくは無色透明である。
また、本発明のジアリールエテン化合物(開環体)は、紫外線が照射されることにより、ジアリールエテン化合物の閉環体(基R1及び基R2が結合している炭素原子同士が結合して6員環構造を形成したもの)が形成され、着色される。本発明のジアリールエテン化合物の開環体の極大吸収波長λmaxとしては、例えば、240~400nmの範囲内にある。また、本発明のジアリールエテン化合物の閉環体の極大吸収波長λmaxとしては、例えば、500~800nmの範囲内にある。また、当該開環体のモル吸光係数εとしては、好ましくはε>10000M-1cm-1を充足する。なお、極大吸収波長λmax及びモル吸光係数εは、それぞれ、実施例に記載の方法により測定された値を意味している。
また、本発明のジアリールエテン化合物は、紫外線照射による反応速度と熱退色の反応速度を好適に調整することができる。閉環体の熱退色反応における活性化エネルギーEaは、例えば、50~110kJmol-1の範囲で調整することができる。また、室温25℃における熱退色の半減期t1/2については、目的とする熱退色の速さに応じて適宜調整することができ、例えば、紫外線照射による着色を迅速に熱退色させる場合には、室温25℃における熱退色の半減期t1/2は例えば100ミリ秒~数10秒程度に調整し、紫外線照射による着色を緩やかに熱退色させる場合には、室温25℃における熱退色の半減期t1/2は例えば数10秒~数分程度に調整すればよい。なお、熱退色反応における活性化エネルギーEa及び半減期t1/2は、それぞれ、実施例に記載の方法により測定された値を意味している。前記の通り、本発明において、紫外線照射による反応速度と熱退色の反応速度の調整は、具体的には基A1、A2、A3、及びA4、X1、X2、Y1、Y2、R1~R6の選択によって調整される。
本発明のジアリールエテン化合物の具体例としては、下記式(1a)~(1r)で表される化合物(以下、化合物(1a)~(1r)などという)が挙げられる。
Figure 0007053010000009
一般式(1)で表されるジアリールエテン化合物の製造方法としては、特に制限されず、公知の製造方法を採用することができ、例えば、実施例に記載の方法に準じて製造することができる。
なお、本発明のジアリールエテン化合物の製造において、出発原料、それらの使用量や割合、温度、時間、圧力、雰囲気、および溶媒の種類や使用量などの反応条件は、製造するジアリールエテン化合物の構造に応じて適宜設定すればよい。また、製造された化合物が所望のジアリールエテン化合物(1)であることは、例えば実施例に示すように、核磁気共鳴スペクトル法(NMR)、質量分析法などの一般的な有機分析手法により確認することができる。
本発明のジアリールエテン化合物(1)は、例えば、下記の反応式で表されるように、紫外光照射により、基R1及び基R2が結合している2つの炭素原子同士が環を形成(閉環)し、変色(着色)した化合物(2)となる。この着色については、本発明のジアリールエテン化合物が紫外線の照射されない環境に置かれると退色が進行する。
Figure 0007053010000010
紫外光照射により、本発明のジアリールエテン化合物が環構造を形成して、上記一般式(2)で示される化合物となる際の反応速度と、その逆反応の反応速度は、ジアリールエテン化合物の構造によって調整することができる。すなわち、本発明のジアリールエテン化合物においては、上記一般式(1)の骨格において、基A1、A2、A3、及びA4、X1、X2、Y1、Y2、R1~R6の種類の選択によって、紫外線照射による反応速度と熱退色の反応速度を調整することができる。
また、本発明のジアリールエテン化合物を複数種類用いることにより紫外線照射による反応速度と熱退色の反応速度を調整することもできる。例えば、開環反応速度が異なる複数種類のジアリールエテン化合物を混合して用いることにより、熱退色の早さを調整することができる。
このように、本発明のジアリールエテン化合物は、紫外線照射による反応速度と熱退色の反応速度を好適に調整することが可能であり、例えば調光部材などに用いるフォトクロミック材料として、好適に使用することができる。
本発明のフォトクロミック材料は、本発明のジアリールエテン化合物を1種類単独で含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。また、本発明のフォトクロミック材料は、本発明のジアリールエテン化合物とは異なるフォトクロミック化合物(例えば、特許文献1に開示された化合物など)を含んでいてもよい。
本発明の調光部材は、本発明のフォトクロミック材料を含んでおり、例えば、紫外線の照射によって着色し、当該着色は紫外線が照射されない環境では熱的に退色するという特性を発揮することができる。
本発明の調光部材は、例えば、樹脂中にフォトクロミック材料を分散させた構成とすることができる。調光部材中のフォトクロミック材料の含有量としては、特に制限されず、例えば1~20質量%程度が挙げられる。また、樹脂としても特に制限されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを用いることができる。樹脂の具体例としては、ポリオレフィン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、スチロール樹脂などが挙げられる。調光部材中の樹脂は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
また、本発明のジアリールエテン化合物は、調光材料(例えば、窓ガラス、車両用ガラス、サングラスなど)、繊維製品へのプリント用途、化粧品、遊具、印刷インク、装飾材、玩具、情報記録材料、表示材料など、広範な用途に使用することができる。
以下の実施例において本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、ジアリールエテン化合物の同定には、以下の1H-NMR及び質量分析法を用いた。
1H-NMR)
核磁気共鳴スペクトル装置(ブルカーバイオスピン株式会社(Bruker BioSpin K.K.)製、型式:AV-300N)を用いて、中間化合物及びジアリールエテン化合物を同定した。溶媒として重クロロホルム(CDCl3)、基準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用いた。
(質量分析法)
質量分析装置(Bruker社製、型式:FT-ICR/solariX)を用いて、中間化合物及びジアリールエテン化合物を同定した。マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)によってイオン化させて高分解能で測定した。
(実施例1)
下記の方法により、式(1a)で表される化合物を合成した。まず、以下の手順により、1-(2-メチル-3-ベンゾフリル)-2-ブロモベンゼンを合成した。アルゴン雰囲気下にした3つ口フラスコに3-ブロモ-2-メチルベンゾフラン[文献記載:T. Yamaguchi, M. Irie, J. Org. Chem., 70, 10323-10328 (2005)] 1.0 g (4.7 mmol)を入れ、無水テトラヒドロフラン (THF) 30 mLに溶解させた。-78℃に冷却し、1.6 M n-ブチルリチウムヘキサン溶液 4.0 mL (6.4 mmol)をゆっくり滴下した。1時間攪拌した後、ホウ酸トリブチル 2.0 mL (7.4 mmol)をゆっくり滴下し、1時間撹拌した。室温に戻し、水でクエンチし、1,2-ジブロモベンゼン 1.1 g (4.7 mmol)、Pd(PPh34 50 mg (0.043 mmol)、20 wt%炭酸ナトリウム水溶液 8.0 mL、およびTHF 20 mLを加え、5時間還流した。希塩酸で中和し、ジエチルエーテルで抽出し、塩析した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を留去した後、ヘキサンを展開溶媒にしたシリカゲルカラムクロマトグラフィーとHPLCで精製した。
収量 0.29 g、収率 22 %
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ = 2.39 (s, 3H), 7.19-7.30 (m, 4H), 7.35-7.48 (m, 3H), 7.74 (d, J = 8 Hz, 1H). HR-MS (MALDI): m/z = 285.9988 (M+). Calcd. for C1511BrO+ = 285.9988.
Figure 0007053010000011
次に、以下の手順により、1-(2-メチル-3-ベンゾフリル)-2-(2-メチル-5-フェニル-3-チエニル)ベンゼン (1a)を合成した。アルゴン雰囲気下にした三つ口フラスコに2-メチル-3-ブロモ-5-フェニルチオフェン[文献記載:M. Irie, T. Lifka, S. Kobatake, N. Kato, J. Am. Chem. Soc., 122, 4871-4876 (2000)] 0.50 g (2.0 mmol)を入れ、無水テトラヒドロフラン (THF) 30 mLに溶解させた。-78℃に冷却し、1.6 M n-ブチルリチウムヘキサン溶液 2.0 mL (3.2 mmol)をゆっくり滴下した。1時間攪拌した後、ホウ酸トリブチル 1.0 mL (3.7 mmol)をゆっくり滴下し、1時間攪拌した。室温に戻し、水でクエンチし、希塩酸で酸性にした後、ジエチルエーテルで抽出した。その後、水酸化ナトリウム水溶液で3回水層を抽出し、水層に濃塩酸を加え、生成した白色沈殿を吸引濾過で得た。その白色沈殿 0.11 g (0.48 mmol)と1-(2-メチル-3-ベンゾフリル)-2-ブロモベンゼン 0.11 g (0.37 mmol)、Pd(PPh34 30 mg (0.026 mmol)、20 wt%炭酸ナトリウム水溶液 4.0 mL、THF 25 mL をナス型フラスコに加え、5時間還流した。希塩酸で中和し、ジエチルエーテルで抽出し、塩析した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を留去した後、ヘキサンを展開溶媒にしたシリカゲルカラムクロマトグラフィーとHPLCで精製した。
収量 0.073 g、収率 12 % (1-(2-メチル-3-ベンゾフリル)-2-ブロモベンゼンからの収率として計算)
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ = 2.05 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 6,85 (s, 1H), 7.14-7.39 (m, 9H), 7.44-7.51 (m, 4H). HR-MS (MALDI): m/z = 380.1229 (M+). Calcd. for C2620OS+ = 380.1229.
Figure 0007053010000012
(実施例2)
下記の方法により、式(1b)で表される化合物を合成した。まず、以下の手順により、1-(2-メチル-3-ベンゾチエニル)-2-ブロモベンゼンを合成した。アルゴン雰囲気下にした三つ口フラスコに3-ブロモ-2-メチルベンゾチオフェン[文献記載:K. Uchida, E. Tsuchida, Y. Aoi, S. Nakamura, M. Irie, Chem. Lett., 1, 63-64 (1999)] 1.0 g (4.4 mmol)を入れ、無水テトラヒドロフラン (THF) 30 mLに溶解させた。-78℃に冷却し、1.6 M n-ブチルリチウムヘキサン溶液 4.0 mL (6.4 mmol)をゆっくり滴下した。1時間攪拌した後、ホウ酸トリブチル 2.0 mL (7.4 mmol) をゆっくり滴下し、 1時間攪拌した。室温に戻し、水でクエンチし、1,2-ジブロモベンゼン 1.1 g (4.7 mmol)とPd(PPh34 50 mg (0.043 mmol)、20 wt%炭酸ナトリウム水溶液 8.0 mL、THF 20 mL を加え、5時間還流した。希塩酸で中和し、ジエチルエーテルで抽出し、塩析した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を留去した後、ヘキサンを展開溶媒にしたシリカゲルカラムクロマトグラフィーとHPLCで精製した。
収量 0.048 g、収率 3.5 %
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ = 2.38 (s, 3H), 7.19-7.32 (m, 5H), 7.39-7.45 (m, 1H), 7.72-7.81 (m, 2H). HR-MS (MALDI): m/z = 301.9759 (M+). Calcd. for C1511BrS+ = 301.9759.
Figure 0007053010000013
次に、以下の手順により、1-(2-メチル-3-ベンゾチエニル)-2-(2-メチル-5-フェニル-3-チエニル)ベンゼン (1b)を合成した。アルゴン雰囲気下にした三つ口フラスコに2-メチル-3-ブロモ-5-フェニルチオフェン[文献記載:M. Irie, T. Lifka, S. Kobatake, N. Kato, J. Am. Chem. Soc., 122, 4871-4876 (2000)] 0.50 g (2.0 mmol)を入れ、無水テトラヒドロフラン (THF) 30 mLに溶解させた。-78 ℃に冷却し、1.6 M n-ブチルリチウムヘキサン溶液 2.0 mL (3.2 mmol)をゆっくり滴下した。1時間攪拌した後、ホウ酸トリブチル 1.0 mL (3.7 mmol) をゆっくり滴下し、1時間攪拌した。室温に戻し、水でクエンチし、希塩酸で酸性にした後、ジエチルエーテルで抽出した。その後、水酸化ナトリウム水溶液で三回水層を抽出し、水層に濃塩酸を加え、生成した白色沈殿を吸引濾過で得た。その白色沈殿 0.20 g (0.92 mmol)と1-(2-メチル-3-ベンゾチエニル)-2-ブロモベンゼン 0.23 g (0.75 mmol)、Pd(PPh34 30 mg (0.026 mmol)、20 wt%炭酸ナトリウム水溶液 4.0 mL、THF 30 mLをナス型フラスコに加え、5時間還流した。希塩酸で中和し、ジエチルエーテルで抽出し、塩析した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を留去した後、ヘキサンを展開溶媒にしたシリカゲルカラムクロマトグラフィーとHPLCで精製した。
収量 0.079 g、 収率 27 %(1-(2-メチル-3-ベンゾチエニル)-2-ブロモベンゼンから計算)
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ = 2.14 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 6,59 (s, 1H), 7.15-7.26 (m, 7H), 7.35-7.38 (m, 1H), 7.42-7.50 (m, 4H), 7.72-7.75 (m, 1H). HR-MS (MALDI): m/z = 396.1001 (M+). Calcd. for C26202 + = 396.1001.
Figure 0007053010000014
(実施例3)
下記の方法により、式(1e)で表される化合物(1-(2-メチル-5-フェニル-1,1-ジオキシド-3-チエニル)-2-(2-メチル-5-フェニル-3-チエニル)ベンゼン)を合成した。1,2-ビス(2-メチル-5-フェニル-3-チエニル)ベンゼン 61 mg (0.15 mmol)、m-クロロ過安息香酸 (純度70%) 90 mg (0.39 mmol)をジクロロメタン 3 mLに溶解させ4日間撹拌した。撹拌後、炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=1:1)で精製した。
収量 44 mg、収率 65%
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ = 2.19 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 6.38 (s, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.27-7.57 (m, 14H). 13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ = 8.10, 14.18, 125.01, 125.16, 125.87, 126.42, 127.39, 127.73, 127.90, 129.08, 129.15, 129.54, 129.75, 129.83, 131.18, 132.12, 134.09, 134.49, 135.81, 135.98, 137.29, 137.88, 139.25, 141.59. HRMS (MALDI) m/z = 454.1055 (M+). Calcd for C282222 + = 454.1056.
Figure 0007053010000015
(実施例4)
下記の方法により、式(1g)で表される化合物(1,2-ビス(2-エチル-5-フェニル-3-チエニル)ベンゼン)を合成した。アルゴン雰囲気下にした三つ口フラスコに、3-ブロモ-2-エチル-5-フェニルチオフェン[文献記載:S. Kobatake, K. Shibata, K. Uchida, M. Irie, J. Am. Chem. Soc., 122, 12135-12141 (2000)] 720 mg (2.7 mmol)を無水テトラヒドロフラン (THF) 20 mLに溶解させた。-78℃に冷却し、1.6 M n-ブチルリチウムヘキサン溶液2.0 mL (3.2 mmol)をゆっくりと滴下した。2時間撹拌した後、ホウ酸トリブチル1.5 mL (5.6 mmol)をゆっくりと滴下し2時間撹拌した。 室温に戻し、水でクエンチした。1,2-ジブロモベンゼン120 mg (0.51 mmol)、20 wt%炭酸ナトリウム水溶液8 mL、Pd(PPh34 50 mg (0.043 mmol)を加え10時間還流した。希塩酸で中和し、ジエチルエーテルで抽出し、塩析した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=8:2)で精製した。
収量 210 mg、収率 92% (1,2-ジブロモベンゼンからの収率として計算)
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ = 1.13 (t, J = 7.6 Hz, 6H), 2.59 (q, J = 7.6 Hz, 4H), 6.91 (s, 2H), 7.17-7.23 (m, 2H), 7.27-7.32 (m, 4H), 7.40-7.45 (m, 8H). 13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ = 16.25, 22.26, 125.64, 126.00, 127.09, 127.36, 128.88, 130.78, 134.81, 136.37, 138.23, 139.59, 143.18. HRMS (MALDI) m/z = 450.1470 (M+). Calcd for C30262 + = 450.1471.
Figure 0007053010000016
(実施例5)
下記の方法により、式(1h)で表される化合物(1-(2-エチル-5-フェニル-1,1-ジオキシド-3-チエニル)-2-(2-エチル-5-フェニル-3-チエニル)ベンゼン)を合成した。1,2-ビス(2-エチル-5-フェニル-3-チエニル)ベンゼン 100 mg (0.22 mmol)、m-クロロ過安息香酸 (純度70%) 140 mg (0.55 mmol)をジクロロメタン 10 mLに溶解させ24時間撹拌した。撹拌後、炭酸水素ナトリウム水溶液で中和しジクロロメタンで抽出した。飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=1:1)で精製した。
収量 48 mg、収率 45%
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ = 1.22 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.38 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 2.60 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.75 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 6.37 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 7.27-7.57 (m, 14H). 13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ = 12.56, 16.32, 17.89, 22.28, 124.93, 125.20, 125.94, 126.45, 127.42, 127.69, 127.87, 129.06, 129.13, 129.33, 129.71, 129.78, 131.20, 132.55, 134.23, 135.92, 136.14, 136.79, 139.33, 141.48, 145.00. HRMS (MALDI) m/z = 482.1368 (M+). Calcd for C302622 + = 482.1369.
Figure 0007053010000017
(実施例6)
下記の方法により、式(1k)で表される化合物(1-(2-イソプロピル-5-フェニル-1,1-ジオキシド-3-チエニル)-2-(2-イソプロピル-5-フェニル-3-チエニル)ベンゼン)を合成した。1,2-ビス(2-イソプロピル-5-フェニル-3-チエニル)ベンゼン 51 mg (0.11 mmol)、m-クロロ過安息香酸 (純度70%) 65 mg (0.27 mmol)をジクロロメタン 3 mLに溶解させ6日間撹拌した。撹拌後、炭酸水素ナトリウム水溶液で中和しジクロロメタンで抽出した。飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=1:1)で精製し、リサイクルHPLCで精製した。
収量 34 mg、収率 64%
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ = 1.27 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.47 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 3.10 (sep, J = 6.8 Hz, 1H), 3.29 (sept, J = 6.8 Hz, 1H), 6.68 (s, 1H), 6.40 (s, 1H), 7.05 (s, 1H), 7.28-7.56 (m, 14H). 13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ = 21.07, 25.60, 25.75, 27.98, 28.93, 124.81, 125.62, 125.98, 126.45, 127.37, 127.62, 127.77, 128.85, 129.03, 129.11, 129.46, 129.62, 129.76, 131.29, 132.89, 134.33, 135.13, 135.73, 136.21, 139.30, 141.10, 142.55. HRMS (MALDI) m/z = 510.1682 (M+). Calcd for C302622 + = 510.1682.
Figure 0007053010000018
(実施例7)
下記の方法により、式(1m)で表される化合物(1,2-ビス(2-メチル-5-フェニル-3-チエニル)テトラフルオロベンゼン)を合成した。アルゴン雰囲気下にした三つ口フラスコに3-ブロモ-2-メチル-5-フェニルチオフェン[文献記載:M. Irie, T. Lifka, S. Kobatake, N. Kato, J. Am. Chem. Soc., 122, 4871-4876 (2000)] 520 mg (2.1 mmol)を入れ、無水テトラヒドロフラン (THF) 1
5 mLに溶解させた。-78℃に冷却し、1.6 M n-ブチルリチウムヘキサン溶液 1.3 mL (2.2 mmol)をゆっくりと滴下した。2時間撹拌した後、ホウ酸トリブチル 1.0 mL (3.7 mmol)をゆっくりと滴下し2時間撹拌した。その後、室温に戻し、水でクエンチした。希塩酸で酸性にした後、ジエチルエーテルで抽出した。有機層に水酸化ナトリウム水溶液を加え、塩基性にした後、再度ジエチルエーテルで抽出した。水相に濃塩酸を加え、生成した白色沈殿をろ過によって得た。それをTHFに溶解させ1,2-ジブロモテトラフルオロベンゼン 120 mg (0.40 mmol)、20 wt%炭酸ナトリウム水溶液 2 mL、Pd(PPh34 50 mg (0.043 mmol)を加え8時間還流した。希塩酸で中和し、ジエチルエーテルで抽出し、塩析した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を留去し、ヘキサンを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。
収量 81 mg、収率 83%(1,2-ジブロモテトラフルオロベンゼンからの収率として計算)
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ = 2.19 (br, 6H, CH3), 6.75 (br, 2H, Aromatic), 7.20-7.25 (m, 2H, Aromatic), 7.27-7.39 (m, 8H, Aromatic). 13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ = 14.11, 14.41, 125.25, 125.56, 125.77, 127.31, 128.68, 134.15, 138.53, 140.10, 140.70. HRMS (MALDI) m/z =494.0780 (M+).
Calcd for C302622 + = 494.0781.
Figure 0007053010000019
(実施例8,9)
下記の方法により、それぞれ、実施例8として式(1n)で表される化合物(1-(2-メチル-5-フェニル-1,1-ジオキシド-3-チエニル)-2-(2-メチル-5-フェニル-3-チエニル)テトラフルオロベンゼン)、及び実施例9として式(1o)で表される化合物(1,2-ビス(2-メチル-5-フェニル-1,1-ジオキシド-3-チエニル)テトラフルオロベンゼン)を合成した。1,2-ビス(2-メチル-5-フェニル-3-チエニル)テトラフルオロベンゼン 50 mg (0.10 mmol)をジクロロメタン 5 mLに溶解させ、m-クロロ過安息香酸 (純度70%) 60 mg (0.24 mmol)を加え、2日間撹拌した。撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。飽和食塩水で塩析、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を留去した。その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=1:1)で化合物(1n)を分離し、展開溶媒をジクロロメタンに変えて、化合物(1o)を分離した。
化合物(1n): 収量 30 mg、収率 56%
化合物(1o): 収量 22 mg、収率 40%
化合物(1n): 1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ =2.15 (s, 6H), 6.24 (s, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.31-7.53 (m, 10H). HRMS (MALDI) m/z =482.1368 (M+). Calcd for C302622 + = 482.1369.
化合物(1o): 1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ =2.13 (br, 6H), 6.56 (br, 2H), 7.40 (br, 6H), 7.66 (br, 4H).
(実施例10)
下記の方法により、式(1p)で表される化合物(1,2-ビス(2-エチル-5-フェニル-3-チエニル)テトラフルオロベンゼン)を合成した。アルゴン雰囲気下にした三つ口フラスコに3-ブロモ-2-エチル-5-フェニルチオフェン[文献記載:S. Kobatake, K. Shibata, K. Uchida, M. Irie, J. Am. Chem. Soc., 122, 12135-12141 (2000)] 1.0 g (3.7 mmol)を入れ、無水テトラヒドロフラン (THF) 20 mLに溶解させた。-78℃に冷却し、1.6 M n-ブチルリチウムヘキサン溶液 2.6 mL (4.1 mmol)をゆっくりと滴下した。2時間撹拌した後、ホウ酸トリブチル 1.5 mL (5.6 mmol)をゆっくりと滴下し2時間撹拌した。その後、室温に戻し、水でクエンチした。1.2-ジブロモテトラフルオロベンゼン 0.23 g (0.75 mmol)、20 wt%炭酸ナトリウム水溶液 4.0 mL、Pd(PPh34 80 mg (0.0069 mmol)を加え7時間還流した。希塩酸で中和し、ジエチルエーテルで抽出し、塩析した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を留去し、ヘキサンを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い精製した。
収量 220 mg、収率 56%(1,2-ジブロモテトラフルオロベンゼンからの収率として計算)
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ = 1.14-1.27 (m, 6H), 2.36-2.80 (m, 4H), 6.68 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 7.23-7.42 (m, 10H). 13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ = 12.56, 16.32, 17.89, 22.28, 124.93, 125.20, 125.94, 126.45, 127.42, 127.69, 127.87, 129.06, 129.13, 129.33, 129.71, 129.78, 131.20, 132.55, 134.23, 135.92, 136.14, 136.79, 139.33, 141.48, 145.00. HRMS (MALDI) m/z = 522.1095 (M+). Calcd for C302622 + = 522.1094.
Figure 0007053010000020
(実施例11,12)
下記の方法により、それぞれ、実施例11として式(1q)で表される化合物(1-(2-エチル-5-フェニル-1,1-ジオキシド-3-チエニル)-2-(2-エチル-5-フェニル-3-チエニル)テトラフルオロベンゼン)、及び実施例12として式(1r)で表される化合物(1,2-ビス(2-メチル-5-フェニル-1,1-ジオキシド-3-チエニル)テトラフルオロベンゼン)を合成した。1,2-ビス(2-エチル-5-フェニル-3-チエニル)テトラフルオロベンゼン 50 mg (0.10 mmol)をジクロロメタン 5 mLに溶解させ、m-クロロ過安息香酸 (純度70%) 60 mg (0.24 mmol)を加え、2日間撹拌した。撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。飽和食塩水で塩析、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を留去した。その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=1:1)で化合物(1q)を分離し、ジクロロメタンを展開溶媒に変えて、化合物(1r)を分離した。
化合物(1q): 収量 39 mg、収率 45%
化合物(1r): 収量 36 mg、収率 39%
化合物(1q): 1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ = 1.19-1.38 (m, 6H), 2.38-2.80 (m, 4H), 6.21-6.26 (m, 1H), 6.79-7.23 (m, 2H), 7.29-7.55 (m, 8H). HRMS (MALDI) m/z =526.0679 (M+). Calcd for C302622 + = 526.0679.
化合物(1r): 1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ =
1.28-1.43 (m, 6H), 2.42-2.74 (m, 4H), 6.44-6.57 (m, 2H), 7.37-7.62 (m, 10H). HRMS (MALDI) m/z =586.0890 (M+). Calcd for
302622 + = 586.0890.
Figure 0007053010000021
(実施例13)
下記の方法により、式(1s)で表される化合物(1,2-ビス(2-メチル-5-フェニル-3-チエニル)ベンゼン)を合成した。アルゴン雰囲気下にした3つ口フラスコに、3-ブロモ-2-メチル-5-フェニルチオフェン[文献記載:M. Irie, T. Lifka, S. Kobatake, N. Kato, J. Am. Chem. Soc., 122, 4871-4876 (2000)] 500 mg (2.0 mmol)を入れ、無水テトラヒドロフラン (THF) 15 mLに溶解させた。-78℃に冷却し、1.6 M n-ブチルリチウムヘキサン溶液1.5 mL (2.4 mmol)をゆっくりと滴下した。2時間撹拌した後、ホウ酸トリブチル 1.0 mL (3.7 mmol)をゆっくりと滴下し2時間撹拌した。室温に戻し、水でクエンチし、1,2-ジブロモベンゼン 180 mg (0.79 mmol)、20 wt%炭酸ナトリウム水溶液3 mL、Pd(PPh34 90 mg (0.078 mmol)を加え10時間還流した。希塩酸で中和し、ジエチルエーテルで抽出し、塩析した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=7:3)で精製した。
収量 180 mg、収率 54%(1,2-ジブロモベンゼンからの収率として計算)
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS) δ = 2.16 (s, 6H), 6.93 (s, 2H), 7.19-7.24 (m, 2H), 7.27-7.46 (m, 12H). 13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ = 14.11, 125.62, 126.10, 127.12, 127.40, 128.90, 130.74, 134.68, 135.17, 135.17, 136.17, 139.11, 139.55. HRMS (MALDI) m/z = 422.1158 (M+). Calcd for C28222 + = 422.1157.
Figure 0007053010000022
<光反応性の評価>
実施例1~13で得られた各ジアリールエテン化合物について、それぞれ、ヘキサン中に溶解させ(濃度: 10-5 mol/L程度)、ヘキサン中での紫外可視吸収スペクトルを測定し、開環体の最大吸収波長およびモル吸光係数を決定した。各化合物の閉環体については、紫外光照射によって着色させた後、そのヘキサン中での紫外可視吸収スペクトルを測定し、最大吸収波長を決定した。結果を表1に示す。
<熱退色の評価と半減期t1/2の決定>
実施例1~11,13で得られた各ジアリールエテン化合物を、それぞれ、ヘキサンに溶解させ、光学セルに入れた。クライオスタットを用いて一定温度に冷却し、その後、冷却した状態で紫外光を照射し、閉環体を生成した。そして、セルを放置し、閉環体の吸収極大波長の吸光度変化を時間に対してプロットすることで各温度における熱退色反応を追跡した。また、高温においては、紫外光照射によって閉環体を生成させた後に石英セルを恒温槽に入れ、一定時間経過後に石英セルを取り出し、閉環体の吸収極大波長の吸光度変化を時間に対してプロットすることで各温度における熱退色反応を追跡した。得られたデータを熱退色反応が一次反応であると仮定し、ある時間における吸光度Absを初期の吸光度Abs0で割った値の自然対数ln Abs/Abs0を時間に対してプロットすると、その減衰は直線になり、熱退色反応が一次反応であることがわかった。この一次反応の直線の傾きから各温度における反応速度定数k (s-1)を算出し、反応速度定数を温度の逆数(1/T)に対してプロット(アレニウスプロット)すると直線になり、この直線の傾きと切片から熱退色反応における活性化エネルギーEaおよび頻度因子Aが求められる。得られたEaおよびAを用いて、25℃における反応速度定数k25℃を算出し、t1/2(25℃)=ln2/k25℃の式を用いてt1/2(25℃)を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0007053010000023
試験例:温度と退色度合の評価
図1~図12に示す各温度下において、実施例1~11,13で得られた各ジアリールエテン化合物のn-ヘキサン溶液(濃度:約10-5 mol/L)を石英セルに入れ、熔封した後、紫外光(波長313nm)を照射して着色させた。次に、各温度のまま放置して、経時的にセル中の色の変化を観察し、吸光光度計(日本分光株式会社製、型式:V-560)を用いて、吸光度変化を測定した。退色度合(A/A0)と時間(分)との関係を示すグラフを図1~図12に示す。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表される、ジアリールエテン化合物(但し、1,2-ビス(2-メチル-5-フェニル-3-チエニル)ベンゼンを除く。)
    Figure 0007053010000024
    [式(1)中、A1、A2、A3、及びA4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、またはアルコキシ基であり、
    1及びX2は、それぞれ独立に、S、O、またはSO2であり、
    1及びY2は、それぞれ独立に、CまたはNであり、
    1は、メチル基、エチル基、またはイソプロピル基であり、
    2は、メチル基、エチル基、またはイソプロピル基であり、
    3は、Y1がCである場合には、水素原子、あるいはR5と互いに結合して6員環構造を形成しており、
    4は、Y2がCである場合には、水素原子、あるいはR6と互いに結合して6員環構造を形成しており、
    5は、アリール基、あるいはR3と互いに結合して6員環構造を形成しており、
    6は、アリール基、あるいはR4と互いに結合して6員環構造を形成している。]
  2. 前記A1、A2、A3、及びA4は、それぞれ独立に、水素原子またはハロゲン原子であり、
    前記Y1及びY2が、それぞれ、Cであり、
    前記R3は、水素原子であるか、前記R3とR5とが互いに結合して6員環構造を形成しており、
    前記R4は、水素原子であるか、前記R4とR6とが互いに結合して6員環構造を形成している、請求項1に記載のジアリールエテン化合物。
  3. 下記一般式(1A)で表される、請求項2に記載のジアリールエテン化合物。
    Figure 0007053010000025
    [式(1A)中、A1、A2、A3、A4、X1、X2、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ、請求項2と同じである。]
  4. 下記一般式(1B)から(1D)のいずれかで表される、請求項3に記載のジアリールエテン化合物。
    Figure 0007053010000026
    [式(1B)、(1C)及び(1D)において、A1、A2、A3、A4、R1、R2、X1、及びX2は、それぞれ、請求項3と同じである。]
  5. 下記式で表される、ジアリールエテン化合物。
    Figure 0007053010000027
  6. 請求項1~5のいずれかに記載のジアリールエテン化合物を含む、フォトクロミック材料。
  7. 請求項6に記載のフォトクロミック材料を含む、調光部材。

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