JP5213472B2 - 1−アリール−3,4−ジヒドロ−1h−ナフタレン−2−オンの製造方法 - Google Patents

1−アリール−3,4−ジヒドロ−1h−ナフタレン−2−オンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、1−アリール−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オンの好適な製造方法に関するものである。
テトラロン類は、ステロイドや各種医薬原体の合成中間体として非常に重要な化合物である。テトラロン類のうち、1−テトラロン類は比較的安価で、工業的に入手しやすいが、1−アリール−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オンを始めとする2−テトラロン類はその製造方法が複雑なため、製造または入手することは容易でない。製造方法における問題点のひとつは、原料であるエポキシド類から2−テトラロン類を得る反応の触媒が特殊なものであり、かつ、高い収率が得られないことにある。
1−アリール−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オンの製造方法としては、これまでにエポキシド類を過塩素酸リチウムの存在下にベンゼン中で還流する方法(非特許文献1)や、エポキシド類を硫酸水溶液中で還流する方法(非特許文献2)、さらに、エポキシド類をヨウ化亜鉛の存在下にベンゼン中で還流するか、もしくはエポキシド類を三フッ化ホウ素エーテル錯体の存在下、エーテル中で攪拌する方法(非特許文献3)などが知られている。
Australian Journal of Chemistry, 34(7), 1467(1981) Journal of the Organic Chemistry, 15, 1197(1950) Tetrahedron Letters, 41, 6029(2000)
しかしながら、非特許文献1の方法では、過塩素酸リチウムと有機溶剤を接触させることによって爆発の危険性がある。また、非特許文献2の方法では、副生成物が多く収率が60%程度と低い。さらに、非特許文献3の方法では、ヨウ化亜鉛は急性毒性物質であり、また三フッ化ホウ素エーテル錯体は極めて強い腐蝕性を有するため、それぞれ工業的な製造に適した方法ではない。
また、本発明者等は、1−アリール−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オンの新規な製造方法を検討する過程で、該化合物のアリール基に1,3−ジオキソラン環が縮合した構造を有するものは新規化合物であり、フォトクロミック性を有するクロメン化合物の原料として有用であることを見出した。
従って、本発明の目的は、過塩素酸リチウムなどの安全性に問題のある化合物を使用せず、安全にしかも高収率で、1−アリール−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オンを製造し得る方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、新規な構造を有する1−アリール−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オンを提供することにある。
本発明によれば、下記一般式(1):
Figure 0005213472
式中、
aは、0乃至5の整数であり、
bは、0乃至4の整数であり、
及びRは、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、置換アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子、アラルキル基またはアリール基であり、aまたはbが2以上の場合、複数のRもしくはRは、夫々互いに異なっていてもよく、さらに、隣接する位置に存在する2個のRまたはRが互いに結合して下記式(1a):
Figure 0005213472
ここで、R及びRはアルキレン基であり、
l、m及びnは、全てがゼロでないという条件下に、それぞれ0〜3の整数である、
で表される2価の基を形成していてもよく、
〜Rは、それぞれ、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、置換アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子、アラルキル基またはアリール基である、
で表されるエポキシ化合物を用い、該エポキシ化合物を、有機溶媒中、硫酸マグネシウムの存在下に異性化することを特徴とする、下記一般式(2)表される1−アリール−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オンの製造方法が提供される。
Figure 0005213472
式中、a,b及びR〜Rは、前記一般式(1)で示したものと同義である。
本発明によれば、また、下記一般式(2a):




Figure 0005213472
式中、b及びR〜Rは、前記一般式(1)のものと同義である、
で示される1−アリール−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オンが提供される。
本発明の方法は、前記一般式(1)で示されるエポキシド化合物を出発原料とし、有機溶媒中、硫酸マグネシウムの存在下で異性化させることにより、前記一般式(2)で表される1−アリール−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オン(以下、単に2−テトラロン誘導体と呼ぶことがある)を製造するものであるが、かかる方法によれば、副生成物をほとんど生じることなく異性化反応が進行し、後述する実施例からも明らかなように、定量的と言ってよいほどの極めて高い収率で2−テトラロン誘導体を得ることができる。
本発明方法は、過塩素酸リチウムの存在下にベンゼン中で還流する方法や、ヨウ化亜鉛や三フッ化ホウ素エーテル錯体を用いる方法と比較して、極めて安全に工業的に実施することができる。また、硫酸水溶液中で還流する方法と比較して、圧倒的に副生成物の量が少なく、高い収率で目的物を得ることができる。出発原料のエポキシ化合物がアルコキシ基やエーテル結合を有している場合には、上記方法では、その収率が特に低下するが、本発明方法では、このような場合にも極めて高収率で目的とする2−テトラロン誘導体を製造することができる。
また、上記方法で得られる一般式(2)の2−テトラロン誘導体の内、ベンゼン環に1,3−ジオキソラン環が縮合した縮合環を有する一般式(2a)の化合物は新規物質であり、特にフォトクロミック性を有するクロメン化合物の製造原料として有用である。
<原料化合物>
本発明において、出発原料としては、一般式(1):
Figure 0005213472
で表されるエポキシ化合物が使用される。
上記一般式(1)において、aは、置換基Rの個数を示すものであり、0〜5の整数であり、また、bは、置換基Rの個数を示すものであり、0〜4の整数である。
また、置換基R及びRは、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、置換アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子、アラルキル基またはアリール基である。
上記の基の内、アルキル基としては、一般的には炭素数1〜6のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が好適である。
また、アルコキシ基としては、一般的には炭素数1〜6のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が好適である。
アラルコキシ基としては、炭素数6〜10のもの、例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基等が好適である。
置換アミノ基としては、特に制限されないが、窒素原子に結合した置換基としてアルキル基又はアリール基を有するもの、例えば、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はジアリールアミノ基が好ましい。その具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジニル基、ピペラジノ基、N−メチルピペラジノ基、インドリニル基等を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を挙げることができる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等を挙げることができ、さらに、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。これらアラルキル基及びアリール基は、適宜の数の置換基を有するものであってもよく、このような置換基としては、上記で説明したアルキル基、アルコキシ基、アリール基、置換アミノ基、ハロゲン原子、アラルキル基等を挙げることができる。
上記のような置換基R或いはRが複数存在する場合(aまたはbが2以上の場合)には、複数のRもしくはRは、夫々互いに異なっていてもよい。
また、上記のような置換基R或いはRにおいては、ベンゼン環の隣接する位置に存在する2個のRまたはRが互いに結合して下記式(1a):
Figure 0005213472
で表される2価の基を形成していてもよい。即ち、このような2価の基が形成されている場合、ベンゼン環にさらに環が結合した構造となる。
上記の式(1a)において、R及びRは、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−等のアルキレン基であり、l、m及びnは、全てがゼロでないという条件下に、それぞれ0〜3の整数である。
このような2価の基の代表例として、−O−CH−O−を挙げることができ、この場合、1,3−ジオキソラン環がベンゼン環に縮環した形態となる。このような2価の基が形成されている構造のエポキシ化合物を原料として用いる場合に、後述する一般式(2a)で示される新規な2−テトラロン誘導体を製造することができる。
また、一般式(1)において、R〜Rは、それぞれ、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、置換アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子、アラルキル基またはアリール基である。これらの基の中で、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、置換アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子、アラルキル基及びアリール基としては、基R及びRに関して説明したものと同様である。
<異性化反応>
本発明においては、上述した一般式(1)で表されるエポキシ化合物を、有機溶媒中、硫酸マグネシウムの存在下に異性化する。
有機溶媒としては、異性化反応を阻害しない任意のものを使用することができ、具体的には、メタノール、エタノール、i−ブタノール、2−エトキシエタノール等のアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、i−オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン、ナフタレン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、ジベンジルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類などが使用される。
また、異性化触媒として使用される硫酸マグネシウムは、通常、原料のエポキシ化合物1モル当り、0.001乃至30モルの量で使用される。
即ち、硫酸マグネシウムと有機溶媒とを前記エポキシ化合物に混合し、適宜、加熱することにより、エポキシ化合物のオキシラン環が開環し、2−テトラロン構造に異性化することとなる。この場合、加熱温度は、20乃至120℃程度でよく、また、有機溶媒は、原料エポキシ化合物が均一に溶解し、且つ溶媒除去に過度の負担がかからない程度の量で使用すればよい。また、反応時間は、通常、 10分乃至300分程度である。
反応後は、冷却し、適宜水洗して硫酸マグネシウムを除去し、次いで減圧濃縮等により溶媒を除去することにより、目的とする2−テトラロン誘導体を、極めて高い収率で得ることができる。
<2−テトラロン誘導体>
かくして得られる2−テトラロン誘導体は、一般式(1)で表される原料エポキシ化合物の構造に対応して、下記一般式(2):
Figure 0005213472
で表される。
上記一般式(2)において、a,b及びR〜Rは、前記一般式(1)に関して説明した通りである。
このような2−テトラロン誘導体は、一般に、ステロイドや各種医薬品の中間体用合成原料として有用な化合物である。
また、本発明において、上記一般式(2)で表される2−テトラロン誘導体の中でも、下記式(2a):
Figure 0005213472
式中、b及びR〜Rは、前記一般式(1)のものと同義である、
で示されるもの(即ち、2個のRにより1,3−ジオキソラン環が形成されている化合物)は新規化合物であり、これは、各種医薬品の中間体用合成原料のみならず、フォトクロミック性を有するクロメン化合物の合成原料として有用である。
例えば、式(2a)の化合物を用いて、1,3−ジオキソラン環が縮環したナフトール誘導体を合成し、このナフトール誘導体をプロパルギルアルコールと反応させることにより、目的とするクロメン化合物を合成することができる。
上記のプロセスにおいて、式(2a)の化合物からナフトール誘導体への合成スキームは、下記式で表される。尚、以下のスキームにおいて、環Aは1,3−ジオキソラン環を示し、環Bはテトラリン環を示し、また、置換基R〜Rは省略されている。
Figure 0005213472
上記の合成スキームから理解されるように、適当な有機溶媒中で式(2a)の2−テトラロン誘導体をシアノ酢酸エチル(CNCHCOEt)と反応させ、次いで200℃程度に加熱しての閉環により、1,3−ジオキソラン環が縮環したナフトール環を形成せしめ、次いでNaOHなどの水酸化アルカリを加えて220℃程度に加熱してアルカリ融解させ、ナフトール環に結合しているシアノ基を脱離させることにより、1,3−ジオキソラン環が縮環したナフトール誘導体を得ることができる。
上記で得られたナフトール誘導体と反応させるプロパルギルアルコールは、下記一般式(3):
Figure 0005213472
式中、R及びRは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ、アルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を示す、
で表される。
上記の一般式(3)のプロパルギルアルコールにおいて、アルキル基としては、特に限定されないが、一般的には、炭素数が4以下のもの、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基などを例示することができる。また、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの炭素数6〜14のものが好適であり、ヘテロアリール基としては、特に限定されないが、ヘテロ原子として酸素、硫黄、窒素原子を含み、環を形成する原子数が4〜12のもの、例えば、チエニル基、フリル基、ピロリニル基、ピリジル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾピロリニル基、ユーロリジノ基等を例示することができる。また、上記のアルキル基は、ハロゲン原子やアミノ基などを置換基として有していてもよく、さらに、アリール基及びヘテロアリール基も、置換基として、ハロゲン原子、アミノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基などを有していてもよい。
ナフトール誘導体とプロパルギルアルコールとの反応は、硫酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酸性アルミナ等の酸触媒の存在下で行われ、これら酸触媒の使用量は、所謂触媒量でよく、通常、ナフトール誘導体とプロパルギルアルコールとの合計量100質量部当り、0.1〜10質量部程度の量でよい。また、ナフトール誘導体とプロパルギルアルコールとの量比は特に制限されるものではなく、一般に、等モル程度に設定すればよい。また、反応温度は、0〜200℃程度であり、さらにN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等の非プロトン性有機溶媒中で反応が行われる。
上記の反応により、下記一般式(4)で表されるクロメン化合物を得ることができる。
Figure 0005213472
式中、R及びRは、前記の通りであり、
環Aはテトラリン環を示し、
環Bは、1,3−ジオキソラン環を示し、
さらに、置換基R〜Rは省略されている。
前述した一般式(2a)の2−テトラロン誘導体から合成される上記のクロメン化合物は、1,3−ジオキソラン環が縮環した構造を有しており、光照射により中間色に発色し、発色速度や退色速度が速く、また耐久性に優れているという特性を有している。
<実施例1>
1−(4−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オンの合成;
7b−(4−メトキシフェニル)−1a,2,3,7b−テトラヒドロ−1−オキサシクロプロパ[a]ナフタレン50.5g(0.20mol)に、硫酸マグネシウム6.0g(0.05mol)、及びトルエン500mLを加え、80℃で2時間加熱した。冷却後、水250mLで2回洗浄し、有機層を減圧濃縮して、薄黄色固体として、下記式:
Figure 0005213472
で表される1−(4−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オン50.5g(定量的)を得た。
<実施例2>
1−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オンの合成;
7b−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−1a,2,3,7b−テトラヒドロ−1−オキサシクロプロパ[a]ナフタレン53.3g(0.20mol)に、硫酸マグネシウム6.0g(0.50mol)、及びトルエン500mLを加え、80℃で2時間加熱した。冷却後、水250mLで2回洗浄し、有機層を減圧濃縮して、淡黄色オイルとして、下記式:
Figure 0005213472
で表される1−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オン53.3g(定量的)を得た。
<実施例3>
6−メトキシ−1−フェニル−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オンの合成;
5−メトキシ−7b−フェニル−1a,2,3,7b−テトラヒドロ−1−オキサシクロプロパ[a]ナフタレン50.5g(0.20mol)に、硫酸マグネシウム6.0g(0.05mol)、及びトルエン500mLを加え、80℃で2時間加熱した。冷却後、水250mLで2回洗浄し、有機層を減圧濃縮して、薄黄色固体として、下記式:
Figure 0005213472
で表される6−メトキシ−1−フェニル−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オン50.5g(定量的)を得た。
<実施例4>
5−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ナフト[2,3−d][1,3]ジオキソール−6−オンの合成;
8b−フェニル−1a,2,3,8b−テトラヒドロ−1,5,7−トリオキサシクロペンタ[g]シクロプロパ[a]ナフタレン53.3g(0.20mol)に、硫酸マグネシウム6.0g(0.50mol)、及びトルエン500mLを加え、80℃で2時間加熱した。冷却後、水250mLで2回洗浄し、有機層を減圧濃縮して、淡黄色オイルとして、下記式:
Figure 0005213472
で表される5−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ナフト[2,3−d][1,3]ジオキソール−6−オン53.3g(定量的)を得た。
<実施例5>
1−(4−メトキシフェニル−3−モルホリノ)−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オンの合成;
7b−(4−メトキシフェニル−3−モルホリノ)−1a,2,3,7b−テトラヒドロ−1−オキサシクロプロパ[a]ナフタレン67.4g(0.20mol)に、硫酸マグネシウム6.0g(0.05mol)、及びトルエン500mLを加え、80℃で2時間加熱した。冷却後、水250mLで2回洗浄し、有機層を減圧濃縮して、薄黄色固体として、下記式:
Figure 0005213472
で表される1−(4−メトキシフェニル−3−モルホリノ)−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オン67.4g(定量的)を得た。
<比較例1>
1−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オンの合成;
7b−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−1a,2,3,7b−テトラヒドロ−1−オキサシクロプロパ[a]ナフタレン53.3g(0.20mol)に、30%硫酸水溶液500mLを加え、100℃で4時間還流した。冷却後、トルエン500mLを加え、水500mLで6回洗浄し、有機層を減圧濃縮して、茶色オイル48.2gを得た。このオイルは極性の高い不純物を含んでいたため、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、淡黄色オイルとして、下記式:
Figure 0005213472
で表される1−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オン28.2g(収率53%)を得た。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 0005213472

    式中、
    aは、0乃至5の整数であり、
    bは、0乃至4の整数であり、
    及びRは、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、置換アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子、アラルキル基またはアリール基であり、aまたはbが2以上の場合、複数のRもしくはRは、夫々互いに異なっていてもよく、さらに、隣接する位置に存在する2個のRまたはRが互いに結合して下記式(1a):
    Figure 0005213472
    ここで、R及びRはアルキレン基であり、
    l、m及びnは、全てがゼロでないという条件下に、それぞれ0〜3の整数である、
    で表される2価の基を形成していてもよく、
    〜Rは、それぞれ、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、置換アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子、アラルキル基またはアリール基である、
    で表されるエポキシ化合物を用い、該エポキシ化合物を、有機溶媒中、硫酸マグネシウムの存在下に異性化することを特徴とする、下記一般式(2)で表される1−アリール−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オンの製造方法;
    Figure 0005213472
    式中、a,b及びR〜Rは、前記一般式(1)で示したものと同義である。
  2. 下記一般式(2a):
    Figure 0005213472

    式中、
    bは、0乃至4の整数であり、
    は、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、置換アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子、アラルキル基またはアリール基であり、bが2以上の場合、複数のRは、互いに異なっていてもよく、さらに、隣接する位置に存在する2個のRが互いに結合して下記式(1a):
    Figure 0005213472

    ここで、R及びRはアルキレン基であり、
    l、m及びnは、全てがゼロでないという条件下に、それぞれ0〜3の整数である、
    で表される2価の基を形成していてもよく、
    〜Rは、それぞれ、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、置換アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子、アラルキル基またはアリール基である、
    で示される1−アリール−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オン。
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