JP2017033099A - タイヤのシミュレーション方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの偏摩耗を、正確かつ迅速に評価することができるタイヤのシミュレーション方法を提供する。
【解決手段】タイヤの摩耗性能シミュレーション方法は、コンピュータに、トレッド部を含むタイヤモデル1を入力する工程S1と、コンピュータが、タイヤモデル1を、予め定めた路面モデル上で走行させ、トレッド部の摩耗性能を計算する計算工程S3と、コンピュータが、摩耗性能に基づいて、タイヤモデル1のトレッド部を、摩耗した状態に修正する修正工程S4と、コンピュータが、トレッド部の少なくとも2つの評価点の摩耗性能に基づいて、計算工程及び修正工程を繰り返し実行させるか、又は、計算工程及び修正工程を終了させるかを決定する終了判定工程S5とを含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤの偏摩耗を、より正確かつ迅速に評価することができるタイヤのシミュレーション方法に関する。
タイヤの寿命、排水性、操縦安定性能、振動及び騒音等に大きな影響を与える因子として、タイヤの偏摩耗が知られている。従来、タイヤの偏摩耗を、コンピュータを用いて評価するためのタイヤのシミュレーション方法が、種々提案されている。
例えば、下記特許文献1及び特許文献2では、タイヤモデルの摩耗性能を計算する計算工程と、該摩耗性能に基づいてタイヤモデルを摩耗が反映されるように修正する修正工程とを含むタイヤのシミュレーション方法が提案されている。
特開2005−271661号公報 特開2006−021648号公報
特許文献1及び特許文献2のタイヤのシミュレーション方法は、修正工程を含むことで、タイヤの偏摩耗を正確に評価しようとしている。しかしながら、特許文献1では、修正されたタイヤモデルが最大摩耗量になるまで計算工程及び修正工程を繰り返している。また、特許文献1及び特許文献2では、計算工程及び修正工程を、所定回数繰り返すシミュレーション方法も示されている。
発明者らが種々実験を行なったところ、タイヤの偏摩耗は、摩耗初期において大きく進行し、所定の偏摩耗状態になった後、その偏摩耗状態を維持しつつ全体的に略均一に摩耗していく傾向があることが判明した。このため、特許文献1の最大摩耗量になるまで繰り返すシミュレーション方法では、所定の偏摩耗状態になった後の計算に多くの時間を要し、タイヤの偏摩耗を迅速に評価することができなかった。
また、特許文献1及び特許文献2の所定回数計算を繰り返すシミュレーション方法では、計算工程及び修正工程の繰り返し回数が少なく設定された場合、所定の偏摩耗状態になる前にシミュレーションが終了し、タイヤの偏摩耗を正確に評価することができなかった。一方、計算工程及び修正工程の繰り返し回数が多く設定された場合、所定の偏摩耗状態になった後の計算に多くの時間を要し、タイヤの偏摩耗を迅速に評価することができなかった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、タイヤモデルのトレッド部の少なくとも2つの評価点の摩耗性能に基づいて計算の終了判定することを基本として、タイヤの偏摩耗を、正確かつ迅速に評価することができるタイヤのシミュレーション方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、タイヤの摩耗性能を、コンピュータを用いて評価するためのタイヤのシミュレーション方法であって、前記コンピュータに、トレッド部を含むタイヤモデルを入力する工程と、前記コンピュータが、前記タイヤモデルを、予め定めた路面モデル上で走行させ、前記トレッド部の摩耗性能を計算する計算工程と、前記コンピュータが、前記摩耗性能に基づいて、前記タイヤモデルの前記トレッド部を、摩耗した状態に修正する修正工程と、前記コンピュータが、前記トレッド部の少なくとも2つの評価点の摩耗性能に基づいて、前記計算工程及び前記修正工程を繰り返し実行させるか、又は、前記計算工程及び前記修正工程を終了させるかを決定する終了判定工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係る前記タイヤのシミュレーション方法において、前記終了判定工程は、前記2つの評価点の摩耗性能の近似度を計算し、予め定めたしきい値に基づいて、前記近似度が低いと判断された場合に、前記計算工程及び前記修正工程を繰り返し実行させるとともに、前記近似度が高いと判断された場合に、前記計算工程及び前記修正工程を終了させるのが望ましい。
本発明に係る前記タイヤのシミュレーション方法において、前記近似度は、前記2つの評価点の摩耗性能の差、又は、前記2つの評価点の摩耗性能の比で表されるのが望ましい。
本発明に係る前記タイヤのシミュレーション方法において、前記トレッド部は、少なくとも一つのブロックを含み、前記評価点は、前記ブロックのタイヤ回転方向の先着側領域に予め定義された第1評価点と、前記ブロックのタイヤ回転方向の後着側領域に予め定義された第2評価点とを含むのが望ましい。
本発明に係る前記タイヤのシミュレーション方法において、前記トレッド部は、少なくとも一つのブロックを含み、前記ブロックは、タイヤ軸方向の内側領域と、タイヤ軸方向の外側領域とを含み、前記評価点は、前記ブロックの前記内側領域に予め定義された第3評価点と、前記ブロックの前記外側領域に予め定義された第4評価点とを含むのが望ましい。
本発明に係る前記タイヤのシミュレーション方法において、前記トレッド部は、少なくとも一つのブロックを含み、前記評価点は、前記ブロックの中で最も低い摩耗性能を持つ第5評価点と、前記ブロックの中で最も高い摩耗性能を持つ第6評価点とを含むのが望ましい。
本発明に係る前記タイヤのシミュレーション方法において、前記各評価点の摩耗性能は、摩耗エネルギーが用いられるのが望ましい。
本発明に係る前記タイヤのシミュレーション方法において、前記各評価点の摩耗性能は、摩耗エネルギーと、前記トレッド部の材料摩耗性能とに基づいて計算される単位時間摩耗量が用いられるのが望ましい。
本発明のタイヤのシミュレーション方法は、コンピュータが、トレッド部の少なくとも2つの評価点の摩耗性能に基づいて、計算工程及び修正工程を繰り返し実行させるか、又は、計算工程及び修正工程を終了させるかを決定する終了判定工程とを含んでいる。このようなタイヤのシミュレーション方法は、2つの評価点の摩耗性能に基づいて終了判定しているので、2つの評価点間の偏摩耗を、正確かつ迅速に評価することができる。
本発明の一実施形態のタイヤのシミュレーション方法の処理手順を示すフローチャートである。 摩耗性能が評価されるタイヤモデルを視覚化して示すトレッド展開図である。 図2のタイヤモデルの部分拡大図である。 図3のブロックのA−A線のシミュレーション終了時の断面図である。 図3のブロックのB−B線のシミュレーション終了時の断面図である。 比較例によるシミュレーション終了時のブロックの断面図である。 他の比較例によるシミュレーション終了時のブロックの断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本実施形態のタイヤのシミュレーション方法(以下、単に「シミュレーション方法」ということがある。)は、タイヤの摩耗性能を、コンピュータを用いて再現し、評価するための方法である。
図1は、本実施形態のシミュレーション方法の処理手順を示すフローチャートである。本実施形態のシミュレーション方法では、まず、コンピュータに、トレッド部を含むタイヤモデル1を入力する工程S1が実行される。
図2は、本実施形態のシミュレーション方法により、摩耗性能が評価されるトレッド部2を含むタイヤモデル1を視覚化して示すトレッド展開図である。タイヤモデル1を入力する工程S1では、図2に示されるように、タイヤに関する情報に基づいて、タイヤを数値解析法により取り扱い可能な有限個の小さな要素F(i)(i=1,2,…)に離散化している。これにより、トレッド部2を含むタイヤが3次元的にモデル化されたタイヤモデル1が設定される。なお、数値解析法としては、例えば有限要素法、有限体積法、差分法又は境界要素法が適宜採用できるが、本実施形態では有限要素法が採用される。
要素F(i)としては、例えば、4面体ソリッド要素、5面体ソリッド要素、又は6面体ソリッド要素等が用いられる。各要素F(i)には、複数個の節点P(j)(j=1,2,…)が設けられる。このような各要素F(i)には、要素番号、節点P(j)の番号、節点P(j)の座標値及び材料特性(例えば密度、ヤング率及び/又は減衰係数等)等の数値データが定義される。
タイヤモデル1のトレッド部2は、少なくとも1つのブロック3を含んでいる。各ブロック3は、複数の溝4により区分されている。なお、本明細書では、理解しやすいように、タイヤモデル1は、模式化されたものが示され、溝4については、各要素F(i)が表示されていない。
図1に示されるように、シミュレーション方法は、次に、タイヤモデル1等の初期設定を行う工程S2が実行される。初期設定では、例えば、路面モデルの設定、境界条件の設定、タイヤモデル1の内圧付加及びタイヤモデル1と路面モデルとの接地等が行われる。
路面モデルの設定は、例えば、タイヤモデル1と同様に、評価対象となる路面に関する情報に基づいて、路面を数値解析法(本実施形態では、有限要素法)により取り扱い可能な有限個の要素に離散化している。路面モデルとしては、平滑な表面を有するものであるのが望ましいが、アスファルト路面のような微小凹凸、不規則な段差、窪み、うねり又は轍等の実走行路面に近似した凹凸等が設けられていても良い。
境界条件の設定は、例えば、タイヤモデル1の内圧条件、負荷荷重条件、キャンバー角及びタイヤモデル1と路面モデルとの摩擦係数等が設定される。さらに、境界条件としては、走行速度に対応する角速度、並進速度、及び、横力等が設定される。
タイヤモデル1の内圧付加では、例えば、内圧条件の基づいて内圧が充填された後のタイヤモデル1が計算される。内圧は、例えば、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格が定めている空気圧が設定されるのが望ましい。
タイヤモデル1と路面モデルとの接地では、例えば、負荷荷重条件、キャンバー角及び摩擦係数等に基づいて、内圧充填後のタイヤモデル1の変形が計算される。これにより、路面モデルに接地したタイヤモデル1が計算される。
シミュレーション方法は、次に、計算工程S3が実行される。計算工程S3では、例えば、コンピュータが、タイヤモデル1を、工程S2で予め定めた路面モデル上で走行させ、トレッド部の摩耗性能を計算している。図2に示されるように、タイヤモデル1を所定のタイヤ回転方向Rに転動させたときの摩耗性能が、各要素F(i)の節点P(j)毎に計算されるのが望ましい。
本実施形態の摩耗性能は、例えば、摩耗エネルギーEが用いられる。摩耗エネルギーEは、転動しているトレッド部2の各要素F(i)について、作用するせん断力とすべり量との積を、当該要素F(i)が路面モデルに接地してから離れるまでの間、単位時間刻みで計算し、かつ、それらを総和した物理量である。本実施形態では、トレッド部2の踏面に表れる全ての節点P(j)について、単位時間毎に、接地中に受けるタイヤ周方向及びタイヤ軸方向のせん断力と、各せん断力の作用方向に対するすべり量とが計算される。本実施形態の摩耗エネルギーEは、それらタイヤ周方向及びタイヤ軸方向の各せん断力と各すべり量との積の総和として求められる。
摩耗性能として、さらに、摩耗エネルギーEとトレッド部2の材料摩耗性能とに基づいて計算される単位時間摩耗量Dが用いられてもよい。本実施形態の単位時間摩耗量Dは、トレッド部2において、踏面に表れる全ての節点P(j)について、接地中の摩耗エネルギーEとトレッド部2の材料の摩耗係数Kとの積として計算される。
図1に示されるように、シミュレーション方法は、次に、修正工程S4が実行される。修正工程S4では、例えば、コンピュータが、摩耗性能に基づいて、タイヤモデル1のトレッド部を、摩耗した状態に修正している。本実施形態の修正工程S4では、例えば、図2に示されるトレッド部2の各節点P(j)の単位時間摩耗量Dに基づいて、各節点P(j)の座標値が修正される。
シミュレーション方法は、次に、終了判定工程S5が実行される。終了判定工程S5では、コンピュータが、トレッド部2の摩耗性能に基づいて、計算工程S3及び修正工程S4を繰り返し実行させるか、又は、計算工程S3及び修正工程S4を終了させるかを決定している。
本実施形態の終了判定工程S5は、例えば、図2に示されるトレッド部2の各節点P(j)のうち、少なくとも2つの節点P(j)を評価点V(j)として設定している。終了判定工程S5では、これら少なくとも2つの評価点V(j)の摩耗性能に基づいて、終了判定されている。なお、評価点V(j)は、節点P(j)間の任意の点に設定されてもよい。
図3は、図2のタイヤモデル1の部分拡大図である。図3には、タイヤ赤道Cに隣接するブロック3が例示されている。図3に示されるように、ブロック3の偏摩耗を評価するには、ブロック3内の任意の2つの評価点V(j)を選択して、2つの評価点V(j)の摩耗性能の近似度Xが計算されるのが望ましい。なお、評価点V(j)が3つ以上である場合、各評価点V(j)の中で、最も低い摩耗性能を持つ評価点V(j)と最も高い摩耗性能を持つ評価点V(j)との近似度Xが計算されるのが望ましい。
図1の終了判定工程S5は、例えば、予め定めたしきい値Tに基づいて、図3に示される2つの評価点V(j)の摩耗性能の近似度Xが低いと判断された場合に、計算工程S3及び修正工程S4を繰り返し実行させる。また、近似度Xが高いと判断された場合に、計算工程S3及び修正工程S4を終了させる。なお、しきい値Tは、図1に示される工程S2の初期設定において、設定されるのが望ましい。
近似度Xは、例えば、図3に示される2つの評価点V(j)の摩耗性能の差、又は、2つの評価点V(j)の摩耗性能の比で表される。
近似度Xが2つの評価点V(j)の摩耗性能の差で表される場合、近似度Xが低いとは、例えば、摩耗性能の差の絶対値が、しきい値Tよりも大きいことを意味する。また、近似度Xが高いとは、摩耗性能の差の絶対値が、しきい値T以下であることを意味する。
近似度Xが2つの評価点V(j)の摩耗性能の比で表される場合、近似度Xは、例えば、摩耗性能の小さい方を摩耗性能の大きい方で除した1以下の正の値で表される。この場合、近似度Xが低いとは、摩耗性能の比が、しきい値Tよりも小さいことを意味する。また、近似度Xが高いとは、摩耗性能の比が、しきい値T以上であることを意味する。
図4は、図1に示される処理手順に従って本実施形態が実行されたときの、図3のブロック3のA−A線のシミュレーション終了時の断面図である。図4には、シミュレーション初期の断面図が想像線で示されている。図3及び図4に示されるように、本実施形態では、ブロック3のタイヤ周方向の偏摩耗であるH/T偏摩耗を評価している。
本実施形態の評価点V(j)は、ブロック3のタイヤ回転方向Rの先着側領域に予め定義された第1評価点V(1)と、ブロック3のタイヤ回転方向Rの後着側領域に予め定義された第2評価点V(2)とを含んでいる。従って、本実施形態では、第1評価点V(1)の摩耗性能と第2評価点V(2)の摩耗性能とに基づいて、シミュレーション方法の終了判定が行なわれている。
図4は、シミュレーション終了時に、先着側領域の第1評価点V(1)の全摩耗量W1よりも、後着側領域の第2評価点V(2)の全摩耗量W2の方が大きいH/T偏摩耗が発生する例を示している。本実施形態では、図1の終了判定工程S5で計算終了の時期を判定しているため、図4のような偏摩耗状態を、正確かつ迅速に評価することができる。
図5は、図1に示される処理手順に従って他の実施形態が実行されたときの、図3のブロック3のB−B線のシミュレーション終了時の断面図である。図5には、シミュレーション初期の断面図が想像線で示されている。図3及び図5に示されるように、この実施形態では、ブロック3のタイヤ軸方向の偏摩耗であるSh/Cr偏摩耗を評価している。
この実施形態のブロック3は、タイヤ赤道Cに近いタイヤ軸方向の内側領域と、タイヤ赤道Cから遠いタイヤ軸方向の外側領域とを含んでいる。この実施形態の評価点V(j)は、ブロック3の内側領域に予め定義された第3評価点V(3)と、ブロック3の外側領域に予め定義された第4評価点V(4)とを含んでいる。従って、この実施形態では、第3評価点V(3)の摩耗性能と第4評価点V(4)の摩耗性能とに基づいて、シミュレーション方法の終了判定が行なわれている。
図5は、シミュレーション終了時に、内側領域の第3評価点V(3)の全摩耗量W3よりも、外側領域の第4評価点V(4)の全摩耗量W4の方が大きいSh/Cr偏摩耗が発生する例を示している。この実施形態でも、図1の終了判定工程S5で計算終了の時期を判定しているため、図5のような偏摩耗状態を、正確かつ迅速に評価することができる。
さらに他の実施形態として、図3に示されるように、ブロック3の踏面に表れる全ての節点P(j)について摩耗性能が計算されてもよい。この場合、評価点V(j)は、ブロック3の中で最も低い摩耗性能を持つ評価点V(j)、例えば、第5評価点V(5)と、ブロック3の中で最も高い摩耗性能を持つ評価点V(j)、例えば、第6評価点V(6)とを含んでいる。従って、この実施形態では、第5評価点V(5)の摩耗性能と第6評価点V(6)の摩耗性能とに基づいて、シミュレーション方法の終了判定が行なわれている。
この実施形態では、ブロック3の最大摩耗性能と最小摩耗性能とに基づく最大偏摩耗を評価することができる。このような評価は、どのような偏摩耗が発生するか予測できない場合に有効である。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
実施例として、図1に示される処理手順に従って、タイヤモデルのトレッド部のブロックについて、そのH/T偏摩耗が評価された。比較例として、実施例のH/T偏摩耗が、計算工程及び修正工程の繰り返し回数を予め定める従来の手法により評価された。繰り返し回数が5回に設定された比較例1と、繰り返し回数が10回に設定された比較例2とが計算された。
実施例及び比較例の共通仕様は、以下のとおりである。
タイヤサイズ : 215/55R17
リム : 17×7J
内圧 : 230kPa
荷重 : 3.51kN
キャンバー角 : 1.7°
実施例では、第1評価点V(1)の摩耗エネルギーE1と第2評価点V(2)の摩耗エネルギーE2との差の絶対値|E1−E2|が、予め定められたしきい値T1以下となった時点でシミュレーションを終了した。しきい値T1は、30J/m2とした。図4に模式化して示されるように、実施例では、先着側領域の第1評価点V(1)の全摩耗量W1よりも、後着側領域の第2評価点V(2)の全摩耗量W2の方が大きいH/T偏摩耗が確認された。
図6は、比較例1によるシミュレーション終了時のブロックの断面を模式化した断面図である。図6に示されるように、比較例1でも、先着側領域の第1評価点V(1)の全摩耗量W1よりも、後着側領域の第2評価点V(2)の全摩耗量W2の方が大きいH/T偏摩耗が確認された。
図7は、比較例2によるシミュレーション終了時のブロックの断面を模式化した断面図である。図7に示されるように、比較例2でも、先着側領域の第1評価点V(1)の全摩耗量W1よりも、後着側領域の第2評価点V(2)の全摩耗量W2の方が大きいH/T偏摩耗が確認された。
実施例、比較例1及び比較例2について、第1評価点V(1)の全摩耗量W1と第2評価点V(2)の全摩耗量W2との差である段差量(W2−W1)及び計算時間が、表1に示される。計算時間は、比較例2を100として、指数化されている。数値が小さい程、計算時間は短い。
Figure 2017033099
比較例1の段差量(W2−W1)は、実施例の段差量(W2−W1)に対して、約20%程度小さく、比較例1では偏摩耗の傾向が過小評価されていることが分かった。また、比較例2の段差量(W2−W1)と実施例の段差量(W2−W1)とは、略等しく、比較例2と実施例との偏摩耗の傾向を評価する精度は、同等であった。すなわち、実施例では、各比較例に比べて、偏摩耗を正確かつ迅速に評価できることが確認された。
1 タイヤモデル
2 トレッド部
3 ブロック
S3 計算工程
S4 修正工程
S5 終了判定工程

Claims (8)

  1. タイヤの摩耗性能を、コンピュータを用いて評価するためのタイヤのシミュレーション方法であって、
    前記コンピュータに、トレッド部を含むタイヤモデルを入力する工程と、
    前記コンピュータが、前記タイヤモデルを、予め定めた路面モデル上で走行させ、前記トレッド部の摩耗性能を計算する計算工程と、
    前記コンピュータが、前記摩耗性能に基づいて、前記タイヤモデルの前記トレッド部を、摩耗した状態に修正する修正工程と、
    前記コンピュータが、前記トレッド部の少なくとも2つの評価点の摩耗性能に基づいて、前記計算工程及び前記修正工程を繰り返し実行させるか、又は、前記計算工程及び前記修正工程を終了させるかを決定する終了判定工程とを含むことを特徴とするタイヤのシミュレーション方法。
  2. 前記終了判定工程は、前記2つの評価点の摩耗性能の近似度を計算し、予め定めたしきい値に基づいて、前記近似度が低いと判断された場合に、前記計算工程及び前記修正工程を繰り返し実行させるとともに、
    前記近似度が高いと判断された場合に、前記計算工程及び前記修正工程を終了させる請求項1記載のタイヤのシミュレーション方法。
  3. 前記近似度は、前記2つの評価点の摩耗性能の差、又は、前記2つの評価点の摩耗性能の比で表される請求項2記載のタイヤのシミュレーション方法。
  4. 前記トレッド部は、少なくとも一つのブロックを含み、
    前記評価点は、前記ブロックのタイヤ回転方向の先着側領域に予め定義された第1評価点と、前記ブロックのタイヤ回転方向の後着側領域に予め定義された第2評価点とを含む請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤのシミュレーション方法。
  5. 前記トレッド部は、少なくとも一つのブロックを含み、
    前記ブロックは、タイヤ軸方向の内側領域と、タイヤ軸方向の外側領域とを含み、
    前記評価点は、前記ブロックの前記内側領域に予め定義された第3評価点と、前記ブロックの前記外側領域に予め定義された第4評価点とを含む請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤのシミュレーション方法。
  6. 前記トレッド部は、少なくとも一つのブロックを含み、
    前記評価点は、前記ブロックの中で最も低い摩耗性能を持つ第5評価点と、前記ブロックの中で最も高い摩耗性能を持つ第6評価点とを含む請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤのシミュレーション方法。
  7. 前記各評価点の摩耗性能は、摩耗エネルギーが用いられる請求項1乃至6のいずれかに記載のタイヤのシミュレーション方法。
  8. 前記各評価点の摩耗性能は、摩耗エネルギーと、前記トレッド部の材料摩耗性能とに基づいて計算される単位時間摩耗量が用いられる請求項1乃至6のいずれかに記載のタイヤのシミュレーション方法。
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