JP2017031765A - 締緩工具用ソケット - Google Patents

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【課題】コンクリート打設後にインサートから取付用治具を確実に取り外す工具の提供。【解決手段】木枠にインサートが取付用治具を介して取り付けた後にコンクリートを打設する。この取付用治具をインサートから取り外す締緩工具用ソケット31は、ソケットレンチの差込角が差し込まれる差込口33bと、取付用治具の頭部を収容可能な収容口33aとを備える。この収容口33aの開口端部には、取付用治具のフランジ部の係合孔部に嵌入して係合する係合突起34が形成されている。この係合突起34は、係合孔部と同じ個数が等間隔に形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、締緩工具に装着されるソケットに関し、特にコンクリート構造物にインサートを埋設する作業の一環として、型枠にインサートを取り付ける取付用治具をコンクリート硬化後に取り外す際に使用される。
周知のようにコンクリート構造物、例えばトンネルやボックスカルバートのコンクリート壁・天井などにはセラミック製のインサートが埋設され、該インサートに所望の被固定部材が締結されている。
図9に基づき概略を説明すれば、インサート1は雌ねじ孔2を有するインサート本体3と、雌ねじ孔2に連通する連通孔4a,4bが軸方向に形成されたスリーブ5a,5bとを備え、プラスチックホルダ(取付用治具)8により型枠6に着脱自在に取り付けられている。
このプラスチックホルダ8は、一端部に形成された雄ねじ部9と、他端部に形成されたストッパー10と、を備える。このストッパー10は、弾性変形可能な一対のストッパー片10aと、最先端10bに形成されたプラスチックホルダ8の抜脱用のナット穴10cと、を備えている。このナット穴10cは、横断面六角形状の六角穴に形成され、図示省略の六角レンチの端部が嵌入可能となっている。
そして、インサート1の埋設時には、雄ねじ部9を連通孔4a,4bに通して雌ねじ孔2に螺入させた後に頭部10を取付孔7に挿通する。その後に型枠6内にコンクリートを打設し、コンクリート硬化後にナット穴10cに前記六角レンチの端部を嵌入させる。この状態のまま前記六角レンチを回転させて両者2,9の締結を緩め、プラスチックホルダ8を取り外す。
特開2003−27597
確かに特許文献1によれば、ナット穴10cに前記六角レンチの端部を嵌入させて回転させれば、プラスチックホルダ8を取り外すことは可能である。
しかしながら、プラスチックホルダ8を取り出す際にナット穴10cを滑めてしまう事態が想定される。この場合、ナット穴10cの六角の部分が削られて変形するため、その後はプラスチックホルダ8の取り外しができないおそれがある。
本発明は、このような問題を解決するためになされ、インサートから取付用治具を確実に取外し可能な工具の提供を解決課題としている。
本発明は、型枠にインサートを取り付ける取付用治具を打設されたコンクリートの硬化後に取り外す際、緩締工具に装着されるソケットであって、前記締緩工具の差込部が差し込まれる差込口と、前記取付用治具に形成された被係合部に係合する係合部と、を備えることを特徴としている。
例えば前記取付用治具は、前記インサートの雌ねじ穴に締結される雄ねじ部と、前記インサートを型枠に取り付ける頭部と、該両部間のフランジ部と、該フランジ部に形成された前記被係合部と、を備える。このとき締緩工具用ソケットは、前記頭部を収容する収容口をさらに備える。なお、前記係合部は、前記収容口の開口端部に設けることが好ましい。
前記被係合部および前記係合部の一態様としては、前記被係合部を係合孔部として形成する一方、前記係合部を前記係合孔部に嵌入可能な係合突起として形成することができる。この場合に複数の前記係合孔部を前記フランジ部に形成し、前記開口端部の前記各係合孔部に応じた位置に前記係合突起をそれぞれ形成することが好ましい。
本発明によれば、打設されたコンクリート硬化後にインサートから取付用治具を確実に取り外すことができる。
本発明の実施形態に係る締緩工具用ソケットの側面図。 (a)は図1のA−A断面図、(b)は同B−B断面図。 (a)は図1のソケットの上方斜視図、(b)は同ソケットの下方斜視図。 同 ソケットとソケットレンチのハンドルとを示す分解斜視図。 取付用治具を介して型枠にインサートを取り付けた状態の縦断面図。 (a)(b)は木枠の取付孔に取付用治具の頭部を挿通する作業工程を示す部分破断側面図、(c)は木枠の内側から固定ピンをハンマーで打ちこんで取付用治具の頭部を木枠に固定する作業工程を示す部分破断側面図、(d)は取付用治具の雄ねじ部をインサートに螺入させる作業工程を示す部分破断側面図、(e)はコンクリート打設後の状態を示す部分破断側面図、(f)は木枠の外側から固定ピンをハンマーで打ちこんで木枠と取付用治具との固定を解除する作業工程を示す部分破断側面図、(g)は木枠を取り外す作業工程を示す部分破断側面図、(h)はソケットレンチに取り付けられた専用ソケットを取付用治具に接続する作業工程を示す部分破断側面図、(i)は(h)の作業工程後に取付用治具とインサートとの締結を緩める作業工程を示す部分破断側面図、(j)は取付用治具をインサートから取り外す作業工程を示す部分破断側面図。 (a)は他の取付用治具の側面図、(b)は(a)のC−C断面図、(c)は(a)の正面図。 (a)(b)は板金枠の取付孔に取付用治具の頭部を挿通する作業工程を示す部分破断側面図、(c)は板金枠の内側から固定ピンをハンマーで打ちこんで取付用治具の頭部を板金枠に固定する作業工程を示す部分破断側面図、(d)は取付用治具の雄ねじ部をインサートに螺入させる作業工程を示す部分破断側面図、(e)はコンクリート打設後の状態を示す部分破断側面図、(f)は板金枠の外側から固定ピンをハンマーで打ちこんで板金枠と取付用治具との固定を解除する作業工程を示す部分破断側面図、(g)は板金枠を取り外す作業工程を示す部分破断側面図、(h)はソケットレンチに取り付けられた締緩工具用ソケットを取付用治具に接続する作業工程を示す部分破断側面図、(i)は(h)の作業工程後に取付用治具とインサートとの締結を緩める作業工程を示す部分破断側面図、(j)は取付用治具をインサートから取り外す作業工程を示す部分破断側面図。 特許文献1のインサートの縦断面図。
以下、本発明の実施形態に係る締緩工具用ソケットを説明する。この締緩工具用ソケットは、コンクリート構造物にインサートを埋設する作業に用いられ、型枠にインサートを取り付ける取付用治具を打設されたコンクリートの硬化後に取り外す際、締緩工具に装着される。
≪取付用治具≫
まず、図5に基づき前記締緩工具用ソケットを用いて取り外される取付用治具を説明する。この取付用治具11は、インサート12をコンクリート構造物に埋設する際、木製の型枠13(以下、木枠13とする。)にインサート12を着脱自在に取り付けている。
このインサート12は、雌ねじ穴15が形成されたインサート本体14と、雌ねじ穴15に連通する連通孔16が軸方向に沿って形成された管状のスリーブ17と、スリーブ17の開口端部に接着された環状のシール部(例えばゴムシールなど)19とを有している。また、木枠13には、インサート12の取付用の取付孔18が貫通形成されている。
具体的には取付用治具11は、樹脂製あるいは金属製であり、インサート12を木枠13に取り付ける略筒状の治具本体20と、該治具本体20の軸方向の内部に形成された貫通孔24に摺動自在に挿通された一本状の固定ピン21とを備え、該固定ピン21の一端部21aは円弧状に形成されている。
治具本体20は、取付孔18に挿通される頭部22と、該頭部22と一体形成された軸部23と、を備えている。この軸部23は、雌ねじ穴15に締結される雄ねじ部23aと、該雄ねじ部23aの頭部22側に形成された胴部23bと、該胴部23bの頭部22との境界外周に形成されて木枠13に内接する円環状のフランジ部27と、を備えている。
この頭部22はスリット25(図6参照)により4分割された分割部26を備えている一方、フランジ部27には複数の係合孔部30が等間隔に配置されている。この各係合孔部30は、それぞれ円形状の貫通孔として形成されている。なお、図5中では省略されてるものの、各分割部26の外周には取付孔18の内周面に係合可能な係合歯群が形成されているものとする。
≪締緩工具用ソケットの構成≫
つぎに図1〜図4に基づき前記締緩工具用ソケットの構成例を説明する。ここでは締緩工具の一例として、図4に示すラチェット式のソケットレンチ50を使用するものとする。このソケットレンチ50は、ハンドル51aの一端部に設けられた頭部51bと、該頭部51bに設けられ四角柱状の差込角(差込部)52と、該差込角52の両側面に配置されたソケット支持用のボール53とを備えている。このボール53は、図示省略のスプリングに付勢され、また頭部51bには図示省略のラチェット機構が設けられているものとする。なお、ソケットレンチ50は汎用の市販品でよいものとする。
具体的には締緩工具用ソケット31は、金属製あるいは樹脂製であって、図1および図2に示すように、円筒状に形成されたソケット本体31aと、ソケット本体31aの一端部側に形成された収容口33aと、ソケット本体31aの他端部側に形成された差込口33bとを備え、両者33a,33bは連通されている。
収容口33aは、図2(a)および図3(a)に示すように、頭部22を収容可能な円柱空間に形成され、開口部が円形状を呈している。この収容口33aの開口端部には、取付用治具11の係合孔部30に嵌入して係合する横断面円形状の係合突起34が形成されている。ここでは係合孔部30と同じ個数の係合突起34が係合孔部30と同じ間隔で配置されており、締緩工具用ソケット31は取付用治具11の取外し用の専用工具として提供される。
差込口33bは、図2(b)および図3(b)に示すように、差込角52を差し込み可能な四角柱状の空間に形成され、開口部が正方形状を呈している。この差込口33bの軸方向中央の内面には、図2(a)に示すように、差込角52を差し込んだときにボール53が着脱自在に嵌入する環状凹部33cが形成されている。
≪取付用治具の取外し作業≫
図6に基づき締緩工具用ソケット31を用いた取付用治具11の取外し方法を説明する。この取付用治具11の取外し方法は、例えば橋の橋脚などコンクリート構造物にインサート12を埋設する作業の一環として実行される。
[インサートの取付作業]
前記取外し方法は、取付用治具11を介して木枠13にインサート12を取り付けて打設されたコンクリートの硬化後に実行される。まず、図6(a)〜(g)に基づきその実行状態に至るまでの作業工程を説明する。
(A)木枠13の内側から取付用治具11を取付孔18に差し込む。この作業に際しては、図6(a)に示すように、取付用治具11の頭部22を取付孔18に対向させる。その後に図6(b)の矢印Cに示すように、取付用治具11の頭部22を取付孔18に差し込む。
(B)頭部22を取付孔18に差し込んだ状態のまま、図6(c)の矢印Dに示すように、固定ピン21の他端部21bをハンマーなどで打ち込む。このとき固定ピン21が矢印P方向に押し込まれ、その一端部21aが各分割部26を開脚状に押し広げる。このとき各分割部26の係合歯群が取付孔18の内周面に圧接するため、係合歯群が取付孔18の内周面に噛み付いて係合し、頭部22が木枠13に固定される。
(C)木枠13に固定された取付用治具11にインサート12を取り付ける。この取付作業は、取付用治具11の軸部23をスリーブ17の連通孔16に挿通し、図6(d)の矢印Eに示すように、インサート本体14を回転させ、雄ねじ部23aを雌ねじ穴15に螺入させて締結する。
(D)木枠13の内側にコンクリート32を流し込んで、図6(e)に示すように、コンクリート打設する。このコンクリート32の硬化後は、図6(f)の矢印Fに示すように、木枠13の外側から固定ピン21の一端部21aをハンマーなどで打ち込んで、頭部22と木枠13との固定を解除する。この固定解除後は、図6(g)に示すように、木枠13を取り外す。
[取付用治具11を取り外す作業工程]
つぎに図6(h)〜(j)に基づき図6(g)の状態から取付用治具11をインサート12から取り外す作業工程を説明する。ここでは差込角52を差込口33に差し込んで締緩工具用ソケット31をソケットレンチ50に装着し、さらに締緩工具用ソケット31と取付用治具11とを接続する。
その際は、収容口33aを頭部22と対向させるとともに、各係合突起34を各係合孔部30に対向させる。この対向状態のままソケットレンチを図6(h)の矢印H方向に移動させれば、収容口33a内に頭部22が収容され、各係合突起34が各係合孔部30に嵌入する。
これにより係合孔部30の内周に係合突起34が係合し、両者11,31が接続される。ここで使用されるソケットレンチ50は市販品でよいので、工事にあたって最小限の専用工具、即ち締緩工具用ソケット31を購入するだけでよく、この点でコストの抑制に貢献できる。
この接続後にソケットレンチ50を図6(i)の矢印I方向に回転させ、雄ねじ部23aと雌ねじ穴15との締結を緩める。これにより雄ねじ部23aが雌ねじ穴15から螺出し、図6(j)の矢印Jに示すように、取付用治具11がインサート12から抜脱され、インサート12がコンクリート32に埋設される。
このとき係合孔部30および係合突起34は、特許文献1のナット穴10cのように滑めるおそれがなく、インサート12から取付用治具11を確実に取り外すことができ、この点で工事の作業性向上に貢献できる。
特に係合孔部30と係合突起34とは、それぞれ複数個が形成されているため、その一部が破損しても両者11,31を接続して回転させることができる。したがって、締緩工具用ソケット31を利用すれば、係合孔部30群の一部に破損があったとしても、取付用治具11を再利用することが可能である。
なお、取付用治具11の抜脱後は、インサート本体14の雌ねじ穴15に足場ボルトなどの所望の被固定部材が締結される。
≪他の使用例≫
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載された範囲内で変形して実施することができる。例えば締緩工具用ソケット31は、図7の取付用治具40の取外しにも使用することができる。
この取付用治具40は、頭部22の形状が取付用治具11と相違するものの、固定ピン21および軸部23は取付用治具11と同様に構成され、フランジ部27には円形の各係合孔部30が等間隔に貫通形成されている。
この取付用治具40は、金属製の型枠13a(以下、板金枠13aとする。)にインサートを取り付けるために使用され、打設したコンクリートの硬化後に取り外される。具体的には図8(a)〜(g)の作業工程を経た後に取外しが実行されている。
この図8(a)(b)は前記作業工程(A)と同様な作業工程を示し、図8(c)は前記作業工程(B)と同様な作業工程を示し、図8(d)は前記作業工程(C)と同様な作業工程を示し、図8(e)〜(g)は前記作業工程(D)と同様な作業工程を示している(それぞれ木枠13を金属製の型枠13aと読み替え、取付用治具11を取付用治具40と読み替え、分割部26を分割部41と読み替えればよい。)。
また、図8(h)〜(j)は、図6(h)〜(j)の取外し方法と同様な作業工程を示している。すなわち、図8(h)に示すように、差込角52を差込口33bに差し込んで締緩工具用ソケット31をソケットレンチ50に装着する。
その後に収容口33a内に頭部22を収容させ、さらに係合突起34を係合孔部30に嵌入させて締緩工具用ソケット31と取付用治具40とを接続する。このとき取付用治具40の係合孔部30の間隔および大きさが取付用治具11と同じであれば、取付用治具11の取外し用の締緩工具用ソケット31を用いることができる。
そして、両者31,40が接続された状態のままソケットレンチ50を図8(i)の矢印I方向に回転させて雄ねじ部23aを雌ねじ穴15から螺出させる。これにより図8(j)の矢印Jに示すように、取付用治具40がインサート12から抜脱され、インサート12がコンクリート32に埋設される。
11,40…取付用治具
12…インサート
13…木枠(型枠)
13a…板金枠(型枠)
15…雌ねじ穴
22…頭部
27…フランジ部
30…係合孔部(被係合部)
32…コンクリート
31…締緩工具用ソケット
31a…ソケット本体
33a…収容口
33b…差込口
33c…環状凹部33c
34…係合突起(係合部)
50…締緩工具
52…差込角(差込部)

Claims (5)

  1. 型枠にインサートを取り付ける取付用治具を打設されたコンクリートの硬化後に取り外す際、緩締工具に装着されるソケットであって、
    前記締緩工具の差込部が差し込まれる差込口と、前記取付用治具に形成された被係合部に係合する係合部と、
    を備えることを特徴とする締緩工具用ソケット。
  2. 前記取付用治具は、前記インサートの雌ねじ穴に締結される雄ねじ部と、前記インサートを型枠に取り付ける頭部と、該両部間のフランジ部と、該フランジ部に形成された前記被係合部と、を備える一方、
    前記頭部を収容する収容口をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の締緩工具用ソケット。
  3. 前記係合部が、前記収容口の開口端部に設けられていることを特徴とする請求項2記載の締緩工具用ソケット。
  4. 前記被係合部は、係合孔部として形成されている一方、
    前記係合部は、前記係合孔部に嵌入可能な係合突起として形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の締緩工具用ソケット。
  5. 前記係合孔部は、前記フランジ部に複数個が等間隔に形成されている一方、
    前記係合突起は、前記開口端部の前記各係合孔部に応じた位置にそれぞれ形成されている
    ことを特徴とする請求項4記載の締緩工具用ソケット。
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