JP2017025424A - 吸液性不織布シート - Google Patents

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Abstract

【課題】薄さと吸液性の向上とを両立させた吸液性不織布シートを提供する。
【解決手段】親水性繊維を含む吸液性不織布シートであって、吸液性不織布シートは、0.25mm以上0.75mm以下の厚みを有し、かつ厚み方向に貫通する貫通孔が複数個設けられており、厚み方向の断面における貫通孔の占める割合をA(%)とし、吸液性不織布シートの全体の見かけ密度をB(g/cm3)としたとき、Aは、20%以上70%以下であり、AおよびBは、0.12≦{B×100/(100−A)}≦0.26の関係式を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸液性不織布シートに関する。
従来より、液体を吸収するための吸液性シートとして、不織布シートが用いられている。たとえば、特開2006−239127号公報(特許文献1)には、細繊度層と太繊度層とを積層させた吸収体用拡散シートが開示されており、特開2015−110846号公報(特許文献2)には、吸液性シートとして、嵩高い不織布が開示されている。
特開2006−239127号公報 特開2015−110846号公報
上記の技術においては、吸液性を高めるべく、不織布シートが2層構造とされていたり、嵩高い構造とされていたりするため、薄さと吸液性の向上とを両立するのが難しいのが実情である。このため、薄さと吸液性の向上とを両立させた吸液性不織布シートが求められる。
本発明の目的は、薄さと吸液性の向上とを両立させた吸液性不織布シートを提供することにある。
本発明は、以下に示す吸液性不織布シートを提供する。
[1] 親水性繊維を含む吸液性不織布シートであって、吸液性不織布シートは、0.25mm以上0.75mm以下の厚みを有し、かつ厚み方向に貫通する貫通孔が複数個設けられており、厚み方向の断面における貫通孔の占める割合をA(%)とし、吸液性不織布シートの全体の見かけ密度をB(g/cm3)としたとき、Aは、20%以上70%以下であり、AおよびBは、0.12≦{B×100/(100−A)}≦0.26の関係式を満たす、吸液性不織布シート。
[2] 貫通孔の平均開孔面積は、0.25mm2以上5.00mm2以下である、[1]に記載の吸液性不織布シート。
[3] 上記Bは、0.05g/cm3以上0.15g/cm3以下である、[1]または[2]に記載の吸液性不織布シート。
[4] {B×100/(100−A)}より算出される値CのBに対する増加率は、25%以上である、[1]から[3]のいずれかに記載の吸液性不織布シート。
[5] 吸液性不織布シートを構成する繊維の繊度は、1.0dtex以上3.5dtex以下である、[1]から[4]のいずれかに記載の吸液性不織布シート。
[6] 吸液性不織布シートを構成する繊維に含まれる親水性繊維の含有割合は、50重量%以上である、[1]から[5]のいずれかに記載の吸液性不織布シート。
[7] 親水性繊維は、セルロース系繊維である、[1]から[6]のいずれかに記載の吸液性不織布シート。
本発明によれば、薄さと吸液性の向上とを両立させた吸液性不織布シートを提供することができる。
本発明に係る吸液性不織布シートの一例を示す概略断面図である。 本発明に係る吸液性不織布シートの一例を示す概略平面図である。 実施例1に係る吸液性不織布シートの一断面の光学顕微鏡写真である。
以下、実施の形態を示して本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において「X〜Y」という形式の表記は、範囲の上限下限(すなわちX以上Y以下)を意味しており、Xにおいて単位の記載がなく、Yにおいてのみ単位が記載されている場合、Xの単位とYの単位とは同じである。
図1および図2に示される吸液性不織布シート10(以下、単に「シート10」と記す)は、吸液性を有する不織布からなるシートである。不織布とは、乾式法または湿式法により、繊維が三次元交絡されたものであり、吸液性とは、液体を吸収する機能と、液体を保液する機能とを有する性質(性能)を意味する。
本実施形態のシート10は、以下(1)〜(4)を満たす。
(1)親水性繊維を含む;
(2)0.25〜0.75mmの厚みdを有する;
(3)厚み方向に貫通する貫通孔1が複数個設けられており、厚み方向の断面における貫通孔1の占める割合A(%)は20〜70%である;
(4)上記割合Aと、シート10の全体の見かけ密度B(g/cm3)とは、0.12≦{B×100/(100−A)}≦0.26の関係式を満たす。
上記(1)に関し、親水性繊維としては、天然繊維、再生繊維、合成繊維が挙げられる。親水性繊維は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
親水性の天然繊維としては、コットン、麻、羊毛、パルプなどの天然セルロース繊維が挙げられる。親水性の再生繊維としては、レーヨン、キュプラなどの再生セルロース繊維が挙げられる。親水性の合成繊維としては、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基のような親水性官能基、および/または、アミド結合のような親水性結合を有する熱可塑性樹脂で構成される合成繊維などが、好適な例として挙げられる。
上記のうち特に好ましい繊維は、再生セルロース繊維のうちのレーヨン、および合成繊維のうちのポリアミド系樹脂である。レーヨンの好適な具体例は、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、アセテートレーヨン、およびトリアセテートレーヨンであり、なかでも、ビスコースレーヨンが好ましい。ポリアミド系樹脂の好適な具体例は、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド92、ポリアミド9C(ノナンジアミンとシクロヘキサンジカルボン酸からなるポリアミド)のような脂肪族ポリアミドおよびその共重合体、ポリアミド9T(ノナンジアミンとテレフタル酸からなるポリアミド)のような芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから合成される半芳香族ポリアミド及びその共重合体である。
上記(2)に関し、シート10の厚みdは、次のようにして求める。まず、シート10の厚み方向に対して平行に、かつ機械方向(MD)方向に対して垂直となるように、剃刀(「フェザー剃刀S片刃」、フェザー安全剃刀(株)社製)を用いてシート10の任意の10カ所を切断する。そして、デジタル顕微鏡にてそれぞれの断面を観察して各断面の厚さを測定し、これらの平均値を算出することにより、厚みdが求められる。
上記(3)に関し、割合Aは、次のようにして求める。まず、シート10の厚み方向に対して平行に、かつシート10のMD方向に対して垂直となるように、剃刀(「フェザー剃刀S片刃」、フェザー安全剃刀(株)社製)を用いてシート10の任意の10カ所を切断する。そして、デジタル顕微鏡にてそれぞれの断面を観察する。これにより、図3に示されるような画像が得られる。なお、図3には、後述の実施例1の吸液性不織布シートの断面の光学顕微鏡写真が示される。
そして、画像に現れる断面において、繊維が密に存在しない領域を貫通孔1が占める領域11とみなし、繊維が密に存在する領域を貫通孔以外の領域12とみなす。ただし、貫通孔が存在しない断面は除外する。なお、図3において、貫通孔1の領域においても、密に存在する領域12の繊維が散見されるが、これは貫通孔以外の領域で観察される繊維よりも奥まった部分に存在する繊維(すなわち断面ではない部分に存在する繊維)であり、両者の違いは画像において容易に区別することができる。
ここで、「繊維が密に存在する領域」と、「繊維が密に存在しない領域」とは、次のようにして区別される。すなわち、観察される断面のうち、厚み方向全域の幅(図1中の上下方向における「厚みd」)と、厚み方向に垂直なCD方向における100μmの幅(図1中の左右方向における100μmの幅)で囲まれる領域において、断面に位置すると判断される繊維が15本以下となる領域を「繊維が密に存在しない領域」とし、これ以外の領域を「繊維が密に存在する領域」とする。
次に、各断面の長さ20mmの範囲中に観察された領域11のそれぞれの長さの合計(mm)を算出する。そして、該合計値を20で除して100を乗じた値[領域11のそれぞれの長さの合計(mm)/20mm×100]を算出して、観察した全断面(すなわち10個の断面)における該数値の平均値を算出し、これを割合Aとする。
このようにして求められる割合Aは、吸液性不織布シート10の縦×横の面積のうち、貫通孔1によって形成される開孔部の占める面積割合(開孔率)とみなすことができる。何故なら、後述する製造法上、シート10のMD方向に対して垂直な断面の集積が、不織布シートであるためである。故に、シート10のMD方向の断面における貫通孔1の占める割合は、上記Aと一致する。
上記(4)に関し、シート10全体の見かけ密度B(g/cm3)は、目付(g/m2)と厚み(mm)とを算出し、目付を厚みで除することにより求められる。すなわち、見かけ密度Bは、貫通孔1および貫通孔1以外の領域からなるシート10全体の見かけ密度であり、これに対し、上記関係式中の式[{B×100/(100−A)}]により算出される値は、シート10のうち、貫通孔1以外の領域の見かけ密度Cとみなすことができる。
従来、吸液性不織布シートでは、吸液性を高めるべく、2層構造としたり、嵩高い構造としたりする手法が採用されていた。このため、従来の吸液性不織布シートでは、薄さと高い吸液性とを両立することが難しい傾向にあった。本発明者らは、従来のような手法では、薄さと吸液性との両立におけるブレークスルーを図れないと考え、従来から大きく視点を変えた。
すなわち、本発明者らは、不織布シート中での液体の拡散方向に着目して検討を重ね、これにより、液体を素早く面内に拡散・吸着させ得る不織布シートの構成を知見した。そして、この知見に基づいて鋭意検討を重ねることにより、上記(1)〜(4)を満たす吸液性不織布シートが、十分な薄さを有するにも関わらず、液体の面内への高い拡散性を有し、かつ保液性に優れ、もって、高い吸液性を有することを見出し、本発明の吸液性不織布シートを完成するに至ったものである。
上記(1)〜(4)を満たす吸液性不織布シート10が、薄さと高い吸液性とを両立することができる理由の詳細なメカニズムは解明されていないが、種々の検討結果より、本発明者らは次のように推察する。
シート10の表面に接した液体は、適切な開孔率[A(%)](適切なピッチ)で設けられた貫通孔1に素早く集液される。後述する製造法上、貫通孔1により形成される開孔部の端縁近傍に位置する繊維群は、吸液性不織布シート10のなかでも、より高い密度を有している。このため、貫通孔1に吸収された液体は、繊維密度の高い領域における強い毛細管現象によって、吸液性不織布シート10の繊維網の中に素早く吸い込まれるとともに、素早く拡散される。
このため、シート10は、300以上の拡散性を示すことができ、もって液体を吸収する機能に優れることとなる。さらに、シート10は、45%以下という低い液戻り率を示すことができ、もって液体を保液する機能に優れることとなる。一方、拡散性が300未満の場合、液戻り率が高くなる傾向がある。液戻り率が45%を超えると、使用者の不快感が顕著となる傾向がある。
また、以下にシート10のより好ましい態様を列挙するが、これにより、シート10は、350以上、400以上、さらには、450以上の拡散性を示すことができ、43%以下、40%以下、さらには38%以下の液戻り率を示すことができる。
本実施形態のシート10に関し、シート10を構成する繊維として、親水性繊維以外の繊維(たとえば疎水性繊維)を含むことができるが、吸水性の観点から親水性繊維の含有量は高いことが好ましい。
具体的には、シート10を構成する繊維に含まれる親水性繊維の含有割合は、50重量%であることが好ましく、60重量%以上であることがより好ましく、70重量%以上であることがさらに好ましく、80重量%以上であることが特に好ましい。なお、親水性以外の繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂からなる繊維を挙げることができる。
またシート10を構成する繊維の平均繊度は、たとえば1.0〜3.5dtexの範囲から選択できる。平均繊度がこの範囲に含まれることにより、上述の効果がより適切に発揮される。繊維の平均繊度は、1.5〜3dtexであることがより好ましい。後述する製造法の実施に適しているためである。
また、シート10を構成する繊維の平均長さは、たとえば30〜50mmの範囲から選択できる。繊維の平均長さは、35〜45mmであることがより好ましい。後述する製造法の実施に適しているためである。
またシート10の厚みdに関し、0.25mm未満になると、形態安定性、ハンドリング性が低下し、0.75mmを超えると、柔軟性が低下する傾向がある。シート10の厚みdは、0.30〜0.60mmが好ましく、0.35〜0.50mmがより好ましく、0.38〜0.43mmが特に好ましい。
また上記割合Aに関し、20%未満になると、貫通孔1以外の領域における繊維の密度が十分とならず、吸液性が低下する傾向があり、70%を超えると、シート10の形態安定性が低下し、シート状の形状を保つのが困難になる。割合Aは、25〜65%が好ましく、27〜65%がより好ましく、28〜62%がさらに好ましい。
また、上述の断面観察において、MD方向に対して垂直な方向の長さ20mm内に、4〜15個の貫通孔1が観察されることが好ましい。これにより、貫通孔1の配置バランスが好適となり、シート10の吸液性をより高めることができる。また、同様の理由により、MD方向に対して平行な方向の長さ20mm内においても、4〜15個の貫通孔が観察されることが好ましい。
また、貫通孔1の平均開孔面積(mm2)は、0.25〜5.00mm2であることが好ましい。貫通孔の平均開孔面積がこの範囲内の場合、上述の効果をより好適に発揮することができる。平均開孔面積は、0.80〜3.00mm2であることがより好ましい。
上記平均開孔面積は、次のようにして求めることができる。まず、シート10の表面(図2に示される面)をデジタル顕微鏡を用いて観察する。そして、画像の現れる表面において、繊維が密に存在しない領域を貫通孔1の領域とし、該領域のMD方向の最大長さ(mm)とCD方向の最大長さ(mm)との積を、貫通孔1の開孔面積とする。そして、10個の貫通孔1の開孔面積の平均値を、平均開孔面積とする。繊維が密に存在しない領域の特定方法は、上述のとおりである。
また、シート10の見かけ密度B(g/cm3)は、0.05〜0.15g/cm3であることが好ましい。見かけ密度Bが0.05g/cm3未満の場合、十分な吸液性を発揮させるために必要な開孔率が高くなる傾向があり、シート形状を保つことが難しくなる場合がある。見かけ密度Bが0.15g/cm3を超える場合、シート10の柔軟性が低下する傾向がある。見かけ密度Bは、0.08〜0.13g/cm3がより好ましく、0.09〜0.12g/cm3がさらに好ましく、0.10〜0.11g/cm3が特に好ましい。
また、上記(4)の関係式中の式{B×100/(100−A)}により算出される値、すなわち貫通孔1以外の領域の見かけ密度Cが0.12g/cm3未満の場合、十分な吸液性が発揮されず、0.26g/cm3を超えると、シート10の柔軟性が低下する。貫通孔1以外の領域の見かけ密度Cは、0.14g/cm3以上であることが好ましく、0.16g/cm3以上であることがより好ましい。
また、密度Cの密度Bに対する増加率Dは、25%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、45%以上であることがさらに好ましい。この増加率Dが25%未満の場合、十分な吸液性が発揮され難い傾向がある。この増加率Dの上限は特に制限されないが、不織布シートの構成上、170%以下となる。
またシート10の目付は、30〜80g/m2であることが好ましく、32〜70g/m2であることがより好ましく、35〜60g/m2であることがさらに好ましい。目付が30g/m2未満の場合、貫通孔1以外の見かけ密度Cを上述の所望の値に設計することが困難になる傾向があり、80g/m2を超えると、シート10の厚みを上述の所望の範囲に設計することが困難になる傾向がある。
本実施形態のシート10は、次のようにして製造することができる。まず、親水性の繊維を用いて(必要に応じて疎水性を添加してもよい)、ウェブを作製する。ウェブの作製方法としては、カード法を好適に利用することができる。また、ウェブとしては、ランダムウェブ、セミランダムウェブ、パラレルウェブ等があるが、柔軟性と形状安定性との観点から、セミランダムウェブを作製することが好ましい。
次に、作製されたウェブを三次元に交絡させる。交絡方法としては、水流絡合処理により交絡させるスパンレース法を用いることが好ましい。具体的には、第1の多孔性支持部材上にウェブを載置して、露出する表面側から交絡処理(表WJ;ウォータージェット)を行い、次に、第2の多孔性支持部材上に、表面と反対の裏面が露出するようにウェブを載置して、露出する裏面側から交絡処理(裏WJ)を行う。
交絡処理後、不織布シートを乾燥させることにより、シート10が得られる。特に、裏WJの際の多孔性支持部材を適切に選択することにより、ウェブに対して上述の貫通孔1を設けることができ、もって本実施形態のシート10を作製することができる。
以上詳述した本実施形態のシート10は、一般消費者・一般家庭向け又は産業用の各種吸液材として好適に用いることができる。吸液材とは、何らかの目的で水又は水を含む液体、または親水性の液体を吸収するための材料又は製品であり、吸収した液体を保水するものも含まれる。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例における各物性値の測定方法は次のとおりである。
〔1〕吸液性不織布シートの目付(g/m2
JIS L 1913「一般不織布試験方法」の6.1に準じて、吸液性不織布シートの目付を測定した。
〔2〕吸液性不織布シートの厚み(mm)
JIS L 1913「一般不織布試験方法」の6.2に準じて、剃刀(「フェザー剃刀S片刃」、フェザー安全剃刀(株)社製)を用い、上述の方法により厚みを求めた。
〔3〕吸液性不織布シートの厚み方向の断面における貫通孔の占める割合A(%);開孔率
剃刀(「フェザー剃刀S片刃」、フェザー安全剃刀(株)社製)およびデジタル顕微鏡(「VHX−900 DIGITAL MICROSCOPE」、(株)KEYENCE製)を用い、上述の方法により割合Aを求めた。
〔4〕吸液性不織布シートの全体の見かけ密度B(g/cm3
上記〔1〕で得られた目付を上記〔2〕で得られた厚みで除することにより、見かけ密度Bを求めた。
〔5〕貫通孔以外の領域の見かけ密度C(g/cm3
B×100/(100−A)の式から算出される値を、見かけ密度Cとした。
〔6〕密度Cの密度Bに対する増加率D(%)
(C−B)/B×100の式から算出される値を、増加率Dとした。
〔7〕平均開孔面積(mm2
デジタル顕微鏡(「VHX−900 DIGITAL MICROSCOPE」、(株)KEYENCE製)を用い、上述の方法により、平均開孔面積を求めた。
〔8〕拡散性
吸液性不織布シートを10cm×10cmにカットしたシートを作製し、これを水平な台に静置した。次にイオン交換水100gに対し、インキ(「PILOTインキRED(INK−350−R)」、(株)パイロットコーポレーション製)を1g添加した色水を作製した。次に、静置したシートの1cm上方(上空)からシートの中央に対し、スポイトを用いて色水を1滴(0.05g)滴下した。滴下から5秒後、色水が面内において拡散した長さ、すなわち、MD方向の拡散長さ(mm)、およびCD方向の拡散長さ(mm)を求めた。そしてMD方向の拡散長さ(mm)とCD方向の拡散長さ(mm)の積を拡散性の値とした。拡散性の値が大きいほど、液体が広範囲に拡散されることを意味する。
〔9〕液戻り率(%)
吸液性不織布シートを6cm×6cmにカットしたシートを作製し、水分を吸収しないアクリル板(12.5cm×12.5cm)の上に静置した。次に、静置したシートの1cm上方(上空)からシートの中央に対し、イオン交換水を50mg(a)滴下した。滴下から60秒後に、シート上に秤量済の円形濾紙(直径:55mm、TOYO FILTER PAPER2)を5枚重ねて置き、該円形濾紙上に、重り(直径:55cm、重量:300g)を30秒間乗せ、その後、該重りを取り除いた。そして、濾紙に含まれたイオン交換水の量(b)を測定し、(b/a×100)の式から算出される値を、液戻り率(%)とした。
〔10〕官能評価
吸液性不織布シートを6cm×6cmにカットしたシートを作製し、水分を吸収しないアクリル板(12.5cm×12.5cm)の上に静置した。次に、静置したシートの1cm上方(上空)からシートの中央に対し、イオン交換水を50mg滴下した。滴下から100秒後に、3人の被験者が手の甲をシートに接触させることにより、以下の3つの判定基準で官能評価を行った。
+++:液戻りを感じない。
++:ほとんど液戻りを感じない。
+:はっきり液戻りを感じる。
[実施例1]
繊度1.7dtexのレーヨン繊維(「ホープ」、オーミケンシ株式会社製)100重量%を、カード法を用いてセミランダムウェブを作製した。
次いで、作製されたセミランダムウェブを、開孔率25%、穴径0.3mmのパンチングドラム支持体上に載置し、速度5m/分で長手方向に連続的に移送すると同時に、上方から高圧水流を噴射して交絡処理を行なった。これにより、交絡した繊維ウェブ(不織布)を製造した。この交絡処理においては、穴径0.10mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用し(隣接するノズル間の距離20cm)、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を3.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を5.0MPaとした(表WJ)。
次いで、表WJを施した面と反対側の面から繊維径0.90mm、メッシュ10本/inch、平織りの全体に平坦なネット支持体に載置して連続的に移送すると共に高圧水流を噴射して交絡処理を行なってネットの凹凸を不織布の表面に転写した。この交絡処理は、穴径0.10mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル3本を使用して、いずれも高圧水流の水圧4.0MPaの条件下で行なった(裏WJ)。
次いで、シリンダ―乾燥機を用いて裏WJ処理後の不織布を135℃で乾燥した。これにより、実施例1の不織布シートが作製された。
[実施例2]
裏WJに用いるネットとして、繊維径0.65mm、メッシュ25本/inch、平織りを用いた以外は実施例1と同様の方法により、実施例2の不織布シートを作製した。
[実施例3]
裏WJに用いるネットとして、繊維径1.20mm、メッシュ12本/inch、平織りを用いた以外は実施例1と同様の方法により、実施例3の不織布シートを作製した。
[実施例4]
裏WJに用いるネットとして、繊維径0.90mm、メッシュ8本/inch、平織りを用いた以外は実施例1と同様の方法により、実施例4の不織布シートを作製した。
[実施例5]
裏WJに用いるネットとして、繊維径0.90mm、メッシュ12本/inch、平織りを用いた以外は実施例1と同様の方法により、実施例5の不織布シートを作製した。
[比較例1]
裏WJに用いるネットとして、繊維径0.20mm、メッシュ76本/inch、平織りを用い、裏WJの高圧水流の水圧をいずれも6.0MPaにした以外は実施例1と同様の方法により、比較例1の不織布シートを作製した。
[比較例2]
裏WJに用いるネットとして、繊維径0.90mm、メッシュ5本/inch、平織りを用いた以外は実施例1と同様の方法により、比較例2の不織布シートを作製した。
[比較例3]
裏WJに用いるネットとして、繊維径0.90mm、メッシュ13本/inch、平織りを用いた以外は実施例1と同様の方法により、比較例3の不織布シートを作製した。
[比較例4]
裏WJに用いるネットとして、繊維径0.90mm、メッシュ10本/inch、平織りを用い、裏WJの高圧水流の水圧をいずれも6.0MPaにした以外は実施例1と同様の方法により、比較例4の不織布シートを作製した。
[比較例5]
裏WJに用いるネットとして、繊維径0.90mm、メッシュ10本/inch、平織りを用い、裏WJの高圧水流の水圧をいずれも2.0MPaにした以外は実施例1と同様の方法により、比較例5の不織布シートを作製した。
実施例および比較例の各不織布シートについて、上記〔1〕〜〔12〕を測定した。結果を表1に示す。ただし、比較例3の不織布シートは形状を維持するのが難しく、拡散性等の各種試験を実施することができなかった。
表1から明らかなように、実施例1〜5の不織布シートは、比較例1〜5の不織布シートと比して、薄さと吸液性の向上とが両立されていた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 貫通孔、10 吸液性不織布シート、11,12 領域。

Claims (7)

  1. 親水性繊維を含む吸液性不織布シートであって、
    前記吸液性不織布シートは、0.25mm以上0.75mm以下の厚みを有し、かつ厚み方向に貫通する貫通孔が複数個設けられており、
    前記厚み方向の断面における前記貫通孔の占める割合をA(%)とし、
    前記吸液性不織布シートの全体の見かけ密度をB(g/cm3)としたとき、
    前記Aは、20%以上70%以下であり、
    前記Aおよび前記Bは、0.12≦{B×100/(100−A)}≦0.26の関係式を満たす、吸液性不織布シート。
  2. 前記貫通孔の平均開孔面積は、0.25mm2以上5.00mm2以下である、請求項1に記載の吸液性不織布シート。
  3. 前記Bは、0.05g/cm3以上0.15g/cm3以下である、請求項1または請求項2に記載の吸液性不織布シート。
  4. {B×100/(100−A)}より算出される値Cの前記Bに対する増加率は、25%以上である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の吸液性不織布シート。
  5. 前記吸液性不織布シートを構成する繊維の繊度は、1.0dtex以上3.5dtex以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の吸液性不織布シート。
  6. 前記吸液性不織布シートを構成する繊維に含まれる前記親水性繊維の含有割合は、50重量%以上である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の吸液性不織布シート。
  7. 前記親水性繊維は、セルロース系繊維である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の吸液性不織布シート。
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