JP2023048786A - マスク - Google Patents

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【課題】 着用時の冷感効果に優れ、かつべたつき感が生じにくいマスクを提供すること【解決手段】 着用者の顔面を覆うマスク本体部と、着用者の耳に掛けられる耳掛け部と、を備えるマスクであって、前記マスク本体部が、着用者の顔面に接する肌側層と、肌側層に積層される捕集層の少なくとも2層構造を有するマスクであって、前記肌側層が表面から裏面に貫通する複数の開孔を有し、前記肌側層の通気度が400~800cm3/cm2/secである、マスク。【選択図】 図1

Description

本発明は、冷感効果を有するマスクに関する。
世界的に問題になっている新型コロナウィルスの感染拡大防止の一環として、夏期においてもマスクの着用は必須となっている。マスクは、着用者の湿った息によりマスク内の空間が蒸れやすいという問題があり、特に夏の暑い時期には、長時間のマスクの着用により熱中症が発生する恐れがあることから、ひんやり感(冷感効果)を有するマスクが求められている。
このような冷感効果を有するマスクとして、キシリトールなどの冷感成分が付与されたマスク(例えば、特許文献1)が提案されている。しかしながら、このようなマスクは、冷感成分によってべたつき感が生じるという問題がある。
特許第6862078号公報
このような状況を鑑み、本発明の目的は、着用時の冷感効果に優れ、かつべたつき感が生じにくいマスクを提供することである。
本発明者は、上述の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の通気度を有する開孔不織布をマスク本体の肌側層として用いることで、上記の課題を解決できることを予想外に見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
[1]着用者の顔面を覆うマスク本体部と、着用者の耳に掛けられる耳掛け部とを備えるマスクであって、前記マスク本体部が、着用者の顔面に接する肌側層と、肌側層に積層される捕集層の少なくとも2層構造を有しており、前記肌側層が表面から裏面に貫通する複数の開孔を有し、前記肌側層の通気度が400~800cm/cm/secである、マスク。
[2]前記開孔の一個当たりの面積が、0.35~15mmである、[1]に記載のマスク。
[3]前記肌側層の比容積が、5~50cm/gである、[1]または[2]に記載のマスク。
[4]前記肌側層が撥水性である、[1]~[3]のいずれかに記載のマスク。
[5]前記肌側層が開孔を有するスルーエアー不織布であり、前記捕集層がエレクトレット処理されたメルトブローン不織布である、[1]~[4]のいずれかに記載のマスク。
[6]前記マスク本体部が、捕集層の肌側層と反対側に、さらに表面層が積層された少なくとも3層構造を有する、[1]~[5]のいずれかに記載のマスク。
[7]前記表面層が、スルーエアー不織布である、[1]~[6]のいずれかに記載のマスク。
本発明によれば、着用時の冷感効果に優れ、長時間着用してもべたつき感や蒸れが生じにくいマスクを提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るマスクの正面図である。 マスク本体部の積層の順序を示す模式図である。 本発明の実施例に用いる開孔不織布1の肌側層側からの外観である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態であるマスク1の外観を示している。本発明のマスク1は、着用者の顔面を覆うマスク本体部2と、着用者の耳に掛けられる耳掛け部3とを備えている。マスク本体部2の寸法としては、顔のサイズを考慮して、例えば、横方向に130~180mm、縦方向85~100mmが好ましい。マスク本体部2は、重ね合わされた各層の周辺部分を、縫製、超音波接着、または熱融着などにより一体化することで形成されている。マスク本体部2の左右両側には、超音波接着などによって、耳掛け部3が取り付けられている。また、マスク本体部2には、横方向に延びる折り目によって、少なくとも1つのプリーツ4を形成することができる。プリーツ4により、マスク本体部2が縦方向に伸長するため、種々の顔の大きさに対応させることができる。また、ノーズピース5によって、鼻とマスク本体部とをフィットさせることにより、隙間が空くのを防止することができる。ノーズピース5は、超音波接着などでその位置が固定されることができる。
図2は、本発明のマスク本体部2の積層の順序を示している。本発明におけるマスク本体部2は、少なくとも2層構造からなり、着用者の肌に接する肌側層21と、肌側層に積層される捕集層22を少なくとも備えている。本発明における肌側層21は、着用者に対して、冷感効果、べたつき低減、肌触りなどの機能を与えるものである。また、本発明の捕集層22は、菌やウイルス等の捕集効果を付与するものである。また、必要に応じて、捕集層の肌側層と反対側に、表面層23を備えていてもよい。表面層23は、捕集層が外部との接触による破断防止等の機能を付与するものである。また、上記の層に加えて、1つ以上の機能層を設けてもよい。機能層としては、着色剤、香料、模様などが付与された層や、抗菌性、保湿性などが付与された層を例示でき、目的に応じて適宜設けることができる。機能層を設ける位置としては、肌側層が肌と接する位置に設けられる限りにおいて、特に限定されるものではなく、各層の間または最外層であってもよい。
上述した構成のマスクにおいて、本発明の特徴とするところは、肌側層が表面から裏面に貫通する複数の開孔を有し、かつ肌側層の通気度が400~800cm/cm/secである点にある。本発明者は、冷感効果を有し、かつべたつき感が生じにくいマスクとはどのような構成を備えたマスクかについて、鋭意検討を重ねた結果、意外にも開孔を有する層を肌側層として用いることによって、冷感効果が発現することを見出した。そして、さらに冷感効果について追及したところ、通気度が400cm/cm/sec以上とすることによって、優れた冷感効果とべたつき感の低減効果を得られることが分かった。これは、着用者の息を拡散させて効率良く放出させるとともに、肌との接触面積を減らすことによるものと考えられる。一方で、肌側層の通気度が800cm/cm/sec以下であると、肌側層の強度を保持することができ、良好な加工性でマスクを製造することが可能となる。本発明はこのような着想のもとになされたものである。
<肌側層>
本発明における肌側層は、400~800cm/cm/secの通気度を有することを特徴の一つとする。通気度が400cm/cm/sec以上であれば、高い冷感効果を感じるマスクを提供することが可能となる。また、冷感効果を向上させる観点から、肌側層の通気度は430cm/cm/sec以上であることが好ましく、500cm/cm/sec以上であることがより好ましい。また、肌側層の通気度の上限としては、肌側層の強度を保持する観点から、700cm/cm/sec以下であることが好ましい。肌側層の通気度が400~800cm/cm/secであれば、高い冷感効果と、強度を保持することが可能となる。肌側層の通気度は、肌触りや製造コストなどのバランスを考慮しつつ、後述する開孔面積、開孔面積率、目付、厚み、または肌側層を構成する熱融着性複合繊維の繊度などを適宜選択することによって調整することが可能である。
本発明における肌側層は、表面から裏面に貫通する複数の開孔を有していることを特徴の一つとする。本発明における開孔とは、肌側層表面において、縦方向、横方向、または斜め方向に規則的に配置されているものをいい、例えば、直列、並列、または千鳥配置に開孔が設けられていてもよい。開孔が規則的に配置されているか否かは、例えば、顕微鏡や目視で観察し判断することができる。
また、肌側層は、全て同一形状の開孔を有していてもよく、形状や開孔面積が異なる複数種類の開孔を有していてもよい。開孔の形状としては、特に限定されないが、丸形、楕円形、多角形、不定形であってもよい。
本発明における開孔の一個当たりの面積(開孔面積)は、特に限定されないが、0.35~15mmであることが好ましく、0.5~12mmであることがより好ましい。開孔面積が0.35mm以上であれば、通気度が向上するとともに着用者の息の拡散効果が向上し、冷感効果を向上させることができ、15mm以下であれば、着用者の肌と捕集層が接触しにくくなり、良好な触感が得られるとともに、不織布強度の低下によるマスクの破れを防止することが可能となる。開孔面積の測定方法は、後述の実施例にて記載される。
本発明における開孔の面積率(開孔面積率)としては、特に限定されないが、10~40%であることが好ましく、15~35%であることがより好ましい。開孔の面積率が10%以上であれば、通気度が向上するとともに着用者の息の拡散効果が向上し、冷感効果を向上させることができ、40%以下であれば不織布強度の低下によるマスクの破れを防止することが可能となる。開孔面積率の測定方法は、後述の実施例にて記載される。
本発明における肌側層の比容積としては、特に限定されないが、5~50cm/gであることが好ましく、8~30cm/gであることがより好ましい。肌側層の比容積が5cm/g以上であれば、フィルムのようにペーパーライクになることなく、良好な触感を付与することができ、50cm/g以下であれば、嵩高によるマスクのごわつき感を低減することが可能となる。
肌側層の目付としては、特に限定されず、20~40g/mであることが好ましく、22~30g/mであることがより好ましい。上記の範囲であれば、良好な触感と高い通気度を付与することが可能となり、マスクの成型も容易となる。また、肌側層の厚みとしては、特に限定されず、0.1~1mmであることが好ましく、0.2~0.6mmであることがより好ましい。上記の範囲であれば、良好な触感と高い通気度を付与し、嵩高によるマスクのごわつき感を低減することが可能となる。
本発明における肌側層は、例えば、ピンエンボス加工などの公知の方法よって開孔処理された、織物、編物、不織布、抄紙、フェルト、またはフィルムを挙げることができる。この中でも、柔軟性に優れ、着用者の肌触りを良好なものとする観点から、開孔処理された不織布であることが好ましい。肌側層として用いられる不織布としては、特に限定されないが、スルーエアー不織布、エアレイド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、または湿式不織布などを挙げることができるが、柔軟性や嵩高性の観点から、スルーエアー不織布であることが好ましい。
肌側層は、特に限定されないが、熱融着性複合繊維から構成されることが好ましい。熱融着性複合繊維を用いることで、毛羽立ち等が生じにくくなり、肌触りの良好なマスクが得られる。熱融着性複合繊維としては、熱融着性同心鞘芯型複合繊維、熱融着性偏心型複合繊維、または熱融着性並列型複合繊維を例示できる。熱融着性複合繊維を構成する熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、または高密度ポリエチレン(HDPE)などのポリエチレン系樹脂、結晶性ポリプロピレン(PP)、またはプロピレンを主成分とするプロピレンとエチレンまたはαオレフィンとの共重合体(Co-PP)などのポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、またはポリエステル共重合体(Co-PET)などのポリエステル系樹脂を例示できる。熱融着性複合繊維を構成する熱可塑性樹脂の組み合わせとしては、特に限定されないが、融点差が10℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましい。具体的な熱可塑性樹脂の高融点成分/低融点成分の組み合わせとしては、PP/HDPE、PP/Co-PP、PET/HDPE、PET/LLDPE、PET/Co-PET、PET/PPを例示できるが、嵩高性、原料コスト、生産安定性などの観点から、PP/HDPEまたはPET/HDPEの組み合わせであることが好ましく、PET/HDPEの組み合わせであることがより好ましい。また、低融点成分と高融点成分の体積比としては、20/80~80/20を例示できる。熱融着性複合繊維が熱融着性を有するために、繊維の表面に低融点の熱可塑性樹脂が配置されていることが好ましい。
熱融着性複合繊維の繊度としては、特に限定されないが、1.3~5.6dtexであることが好ましく、1.7~3.3dtexであることがより好ましい。上記の範囲であれば、不織布としての触感が得られ、マスクの成型性がよくなる。また、熱融着性複合繊維の断面形状としては、特に限定されず、円や楕円などの丸型、三角や四角などの角型、星型や八葉型などの異型、または分割や中空などのいずれも使用することができる。
熱融着性複合繊維を構成する熱可塑性樹脂は、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、造核剤、エポキシ安定剤、滑剤、抗菌剤、消臭剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料、または可塑剤などの添加剤を含有してもよい。
肌側層は、熱融着性複合繊維以外に、天然繊維(木質繊維など)、再生繊維(レーヨンなど)、半合成繊維(アセテートなど)や化学繊維、合成繊維(ポリエステル、アクリル、ナイロン、塩化ビニルなど)などのいわゆる熱融着性複合繊維ではない繊維(以下、「非熱融着性繊維」と言う)を含んでもよい。非熱融着性繊維が含まれる場合、肌側層の全重量に対する非熱融着性繊維の割合は、本発明の効果を阻害しない限り制限されないが、例えば、1~30重量%とすることができる。
本発明における肌側層は、特に限定されないが、撥水性であることが好ましい。本発明において、撥水性であるとは、肌側層における肌に接する側の面の水接触角が90°以上であることを意味する。肌側層を撥水性とすることで、湿った息に含まれる水分が肌側層に吸収しにくくなり、長時間使用してもべたつきが生じにくくなる。撥水性の肌側層としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、フッ素樹脂またはシリコーン樹脂などの表面エネルギーが低い樹脂を用いることや、撥水性の微粒子や繊維処理剤などの撥水剤を付与することによって得ることができる。撥水剤の付与方法としては、特に限定されず、撥水剤が練り込まれた熱可塑性樹脂からなる繊維や撥水性の繊維処理剤が付着した繊維を使用して肌側層を形成しても、不織布などへ、含侵法、グラビアコーター、キスコーター、またはスプレーコーティングなどの公知の方法で撥水性の繊維処理剤を付着してもよい。中でも、肌側層の各種物性制御のしやすさや製造コストの観点から、撥水性の繊維処理剤が付着されていることが好ましい。撥水性の繊維処理剤としては、肌側層に撥水性を付与できるものであればよく、例えば、脂肪酸類、脂肪酸金属塩類、脂肪酸エステル類、脂肪酸アルコール類、動植物油脂類、またはシリコーン類を含んだものを用いることができる。
<捕集層>
本発明における捕集層としては、特に限定されず、織物、編物、不織布、抄紙、フェルト、または微多孔膜を例示できるが、通気性とダストの捕集性のバランスや加工性の観点から、不織布または微多孔膜であることが好ましく、不織布であることがより好ましい。捕集層として用いられる不織布としては、スルーエアー不織布、エアレイド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、湿式不織布、静電紡糸不織布、フラッシュ紡糸不織布などを挙げることができるが、通気性とダストの捕集性のバランスとマスクへの加工性を考慮すると、メルトブローン不織布であることが好ましく、エレクトレット処理されたメルトブローン不織布であることがより好ましい。エレクトレット処理としては、公知の方法を用いることができ、例えば、コロナ放電によるエレクトレット処理、水流によるエレクトレット処理(ハイドロチャージング法)、摩擦帯電によるエレクトレット処理などの方法を採用できる。メルトブローン不織布を構成する繊維成分としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、結晶性ポリプロピレン(PP)、またはプロピレンを主成分とするプロピレンとエチレンまたはαオレフィンとの共重合体(Co-PP)などのポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル共重合体(Co-PET)、またはポリエステルエラストマーなどのポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、上記樹脂の混合物を例示できるが、細繊化やエレクトレット性の観点から、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましく、ポリプロピレンであることがより好ましい。また、捕集層として用いられるメルトブローン不織布を構成する繊維成分中に、エレクトレット性を向上させる目的で、公知の電荷安定剤を含有してもよく、例えば、ヒンダードアミン系化合物を0.1~10重量%含有していてもよい。
捕集層に用いられるメルトブローン不織布を構成する繊維の平均繊維径としては、0.1~10μmであることが好ましく、0.5~5μmであることがより好ましい。また、メルトブローン不織布の目付としては、10~40g/mを例示できる。
<表面層>
本発明におけるマスク本体部において、捕集層の肌側層とは反対側に、さらに表面層が積層されていてもよい。表面層としては、マスクの通気性を損なわず、捕集層の破断等のダメージを防ぐことができるものであれば特に限定されず、織物、編物、不織布、抄紙、フェルト、またはネットを例示できるが、プリーツ加工性や熱融着性の観点から、熱融着性複合繊維で構成された不織布であることが好ましい。不織布としては、スルーエアー不織布、エアレイド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、またはスパンボンド不織布を例示できるが、スルーエアー不織布であることがより好ましい。
<耳掛け部>
マスク本体部の左右両側に取り付けられた耳掛け部としては、特に限定されないが、伸縮性を有する部材であることが好ましく、ゴム紐、伸縮性不織布、伸縮性フィルムを例示できる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
本発明のマスクの性能の評価は以下の方法で行った。
<熱融着性複合繊維の繊度>
JIS L 1015に準拠し、熱融着性複合繊維の繊度を測定した。
<捕集層を構成する繊維の平均繊維径>
日立株式会社の走査型電子顕微鏡(SU-8000)を使用して、捕集層の表面を観察し、画像解析機能を用いて捕集層を構成する繊維50本以上の繊維径を測定し、その平均値を平均繊維径とした。
<肌側層、捕集層および表面層の目付>
100mm×100mmに切り出した重量を測定し、単位面積あたりに換算した値を目付(g/m)とした。
<肌側層および表面層の厚み>
東洋精機製のデジシックネステスターを用い、直径35mmの圧力子(荷重)によって、3.0g/cmの圧力を掛けた時の厚みを4箇所測定し、その平均値を厚み(mm)とした。
<肌側層および表面層の比容積>
目付(g/m)及び厚み(mm)から、以下の式により、肌側層および表面層の比容積を算出した。
比容積(cm/g)=厚み(mm)÷目付(g/m)×1000
<肌側層の通気度>
JIS L 1913に準拠したフラジール法により、株式会社東洋精機製作所製の織布通気度試験機を用いて測定した。
<開孔面積>
KEYENCE社製のデジタルマイクロスコープを用いて、肌側層における開孔を撮影し、得られた写真から画像解析ソフトを用いて開孔面積を測定した。
<開孔面積率>
KEYENCE社製のデジタルマイクロスコープを用いて、開孔が4点写るように肌側層表面を撮影し、得られた写真から画像解析ソフトを用いて、4点の開孔の中心を結ぶ四角形の面積(単位格子の面積)を測定し、(開孔面積(mm))/(単位格子の面積(mm))×100にて算出した。
<マスクの冷感効果>
それぞれ作製したマスクを5人のパネラーに着用し、冷感効果を以下のように判断した。
◎:4人以上が冷感効果ありと判断
〇:3人が冷感効果ありと判断
△:3人が冷感効果なしと判断
×:4人以上が冷感効果なしと判断
<マスクのべたつき感の評価>
それぞれ作製したマスクを5人のパネラーに着用し、べたつき感を以下のように判断した。
〇:5人全てでべたつきを感じない
×:1人以上がべたつきを感じる
<マスクのバクテリア飛沫捕集効率(BFE)>
JIST9001に基づき、バクテリア飛沫捕集効率(BFE)を測定した。
<スルーエアー不織布1の作製>
鞘側に低融点成分として高密度ポリエチレン(融点130℃、メルトマスフローレート16g/10min)、芯側に高融点成分としてポリエチレンテレフタレート(融点250℃、固有粘度0.63)を、鞘/芯の重量比で50/50の割合で略同心に配した、繊度1.7dtex、カット長45mm、撥水性の繊維処理剤が繊維重量に対して0.35重量%付着した熱融着性複合繊維を、カーディング法にてウェブとした。次いで、140℃の熱循環式サクションバンドドライヤーを用いて、ウェブに熱風を通過させて、目付が25g/m、厚みが0.3mm、比容積が12.0cm/g、通気度が384cm/cm/secのスルーエアー不織布1を得た。
<スルーエアー不織布2の作製>
スルーエアー不織布1と同様の熱融着性複合繊維を用い、カーディング法にてウェブとした。次いで、130℃の熱循環式サクションバンドドライヤーを用いて、ウェブに熱風を通過させて、目付が22g/m、厚みが0.6mm、比容積が27.3cm/g、通気度が489cm/cm/secのスルーエアー不織布2を得た。
<スルーエアー不織布3の作製>
スルーエアー不織布1と同様の樹脂構成の、繊度2.8dtex、カット長45mm、撥水性の繊維処理剤が繊維重量に対して0.35重量%付着した熱融着性複合繊維を、カーディング法にてウェブとした。次いで、130℃の熱循環式サクションバンドドライヤーを用いて、ウェブに熱風を通過させて、目付が25g/m、厚みが1.6mm、比容積が64.0cm/g、通気度が562cm/cm/secのスルーエアー不織布3を得た。
<スルーエアー不織布4の作製>
スルーエアー不織布1に、スプレーコーティング法でキシリトールを付与することにより、目付が25g/m、厚みが0.3mm、比容積が12.0cm/g、通気度が410cm/cm/secのスルーエアー不織布4を得た。
<開孔不織布1の作製>
スルーエアー不織布2を針が付いた凸ロールと孔が開いた凹ロールとの間を通すことで、目付が22g/m、厚みが0.3mm、比容積が13.6cm/g、通気度が405cm/cm/sec、開孔面積が0.37mm、開孔面積率が15%である、開孔が千鳥配置に形成された開孔不織布1を得た。開孔不織布1の外観を図3に示す。
<開孔不織布2の作製>
スルーエアー不織布1と同様の熱融着性複合繊維を用い、カーディング法にてウェブとした。次いで、130℃の熱循環式サクションバンドドライヤーを用いて、ウェブに熱風を通過させて、目付が25g/mの不織布を得た。次いで、針の太さの異なる凸ロールを用いた以外、開孔不織布1と同様の加工をすることで、厚みが0.6mm、比容積が24.0cm/g、通気度が428cm/cm/sec、開孔面積が0.69mm、開孔面積率が15%である、開孔が千鳥配置に形成された開孔不織布2を得た。
<開孔不織布3の作製>
スルーエアー不織布2に対して、針の太さの異なる凸ロールを用いた以外、開孔不織布1と同様の加工をすることで、目付が22g/m、厚みが0.6mm、比容積が27.3cm/g、通気度が512cm/cm/sec、開孔面積が3.27mm、開孔面積率が15%である、開孔が千鳥配置に形成された開孔不織布3を得た。
<開孔不織布4の作製>
スルーエアー不織布2に対して、針の太さの異なる凸ロールを用いた以外、開孔不織布1と同様の加工をすることで、目付が22g/m、厚みが0.25mm、比容積が11.4cm/g、通気度が366cm/cm/sec、開孔面積が0.29mm、開孔面積率が15%である、開孔が千鳥配置に形成された開孔不織布4を得た。
<メルトブローン不織布の作製>
ヒンダードアミン系化合物としてヒンダードアミン系化合物(BASFジャパン社製「キマソープ944FDL」)を1重量%添加したポリプロピレン樹脂からなるメルトブローン不織布を特開2009-228147号公報記載の方法を参考にして作製し、温度80℃、電圧-10kV、5秒間エレクトレット処理を行うことで、平均繊維径が1.5μm、目付が25g/mのメルトブローン不織布を得た。
[実施例1]
肌側層として開孔不織布1、捕集層としてメルトブローン不織布、表面層としてスルーエアー不織布1を用い、肌側層/捕集層/表面層の順に重ね合わせ、マスク成形機に導入し、プリーツ加工および耳掛け部を取り付けることによって、マスクを得た。
得られたマスクは良好な冷感効果を有しており、長時間マスクを着用してもべたつき感は感じられないものであった。また、BFEは99.9%以上であり、高い捕集性を有していた。
[実施例2]
肌側層として開孔不織布2を用いた以外、実施例1と同様にして、マスクを得た。得られたマスクは良好な冷感効果を有しており、長時間マスクを着用してもべたつき感は感じられないものであった。また、BFEは99.9%以上であり、高い捕集性を有していた。
[実施例3]
表面層として開孔不織布2を用いた以外、実施例2と同様にして、マスクを得た。得られたマスクは良好な冷感効果を有しており、長時間マスクを着用してもべたつき感は感じられないものであった。また、BFEは99.9%以上であり、高い捕集性を有していた。
[実施例4]
肌側層として開孔不織布3を用いた以外、実施例1と同様にして、マスクを得た。得られたマスクは非常に良好な冷感効果を有しており、長時間マスクを着用してもべたつき感は感じられないものであった。また、BFEは99.9%以上であり、高い捕集性を有していた。
[比較例1]
肌側層としてスルーエアー不織布1を用いた以外、実施例1と同様にして、マスクを得た。得られたマスクは、べたつきは感じられなかったが、冷感効果はなかった。また、BFEは99.9%以上であり、高い捕集性を有していた。
[比較例2]
肌側層としてスルーエアー不織布2を用いた以外、実施例1と同様にして、マスクを得た。得られたマスクは、べたつきは感じられなかったが、冷感効果はあまりなかった。また、BFEは99.9%以上であり、高い捕集性を有していた。
[比較例3]
肌側層としてスルーエアー不織布3を用いた以外、実施例1と同様にして、マスクを得た。得られたマスクは、べたつきは感じられなかったが、冷感効果はあまりなかった。また、BFEは99.9%以上であり、高い捕集性を有していた。
[比較例4]
肌側層としてスルーエアー不織布4を用いた以外、実施例1と同様にして、マスクを得た。得られたマスクは良好な冷感効果を有するものの、清涼成分によってべたつきが感じられるものであった。また、BFEは99.9%以上であり、高い捕集性を有していた。
[比較例5]
肌側層として開孔不織布4を用いた以外、実施例1と同様にして、マスクを得た。得られたマスクは、べたつきは感じられなかったが、冷感効果はあまりなかった。また、BFEは99.9%以上であり、高い捕集性を有していた。
実施例1~4および比較例1~5の各層の物性、およびマスクの評価結果を表1にまとめる。
Figure 2023048786000002
表1から、表面から裏面に貫通する複数の開孔を有し、かつ通気度が400cm/cm/sec以上である肌側層を用いた実施例1~4は、良好な冷感効果を有しており、長時間マスクを着用してもべたつき感は感じられないものであった。これに対して、開孔を有していない肌側層を用いた比較例1~3は、べたつき感は感じられないものの、冷感効果には乏しかった。特に、比較例2および3の肌側層は通気度が400cm/cm/sec以上であるにもかかわらず、冷感効果はあまり感じられないものであった。一方、開孔を有するが、通気度が400cm/cm/sec未満の肌側層を用いた比較例5についても、冷感効果はあまり感じられないものであった。また、通気度が400cm/cm/sec以上であり、冷感成分を付着させた肌側層を用いた比較例4は、良好な冷感効果を有するものの、その冷感成分によってべたつき感が感じられるものであった。
1 マスク
2 マスク本体部
3 耳掛け部
4 プリーツ
5 ノーズピース
21 肌側層
22 捕集層
23 表面層

Claims (7)

  1. 着用者の顔面を覆うマスク本体部と、着用者の耳に掛けられる耳掛け部とを備えるマスクであって、前記マスク本体部が、着用者の顔面に接する肌側層と、肌側層に積層される捕集層の少なくとも2層構造を有しており、前記肌側層が表面から裏面に貫通する複数の開孔を有し、前記肌側層の通気度が400~800cm/cm/secである、マスク。
  2. 前記開孔の一個当たりの面積が、0.35~15mmである、請求項1に記載のマスク。
  3. 前記肌側層の比容積が、5~50cm/gである、請求項1または2に記載のマスク。
  4. 前記肌側層が撥水性である、請求項1~3のいずれか1項に記載のマスク。
  5. 前記肌側層が開孔を有するスルーエアー不織布であり、前記捕集層がエレクトレット処理されたメルトブローン不織布である、請求項1~4のいずれか1項に記載のマスク。
  6. 前記マスク本体部が、捕集層の肌側層と反対側に、さらに表面層が積層された少なくとも3層構造を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のマスク。
  7. 前記表面層が、スルーエアー不織布である、請求項1~6のいずれか1項に記載のマスク。
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