JP3171251U - 防虫保護衣料 - Google Patents

防虫保護衣料 Download PDF

Info

Publication number
JP3171251U
JP3171251U JP2011004691U JP2011004691U JP3171251U JP 3171251 U JP3171251 U JP 3171251U JP 2011004691 U JP2011004691 U JP 2011004691U JP 2011004691 U JP2011004691 U JP 2011004691U JP 3171251 U JP3171251 U JP 3171251U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
insect
clothing
air permeability
insect repellent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011004691U
Other languages
English (en)
Inventor
秋庭 英治
英治 秋庭
吉川 彰
彰 吉川
一平 玉村
一平 玉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Living Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Living Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Living Co Ltd filed Critical Kuraray Living Co Ltd
Priority to JP2011004691U priority Critical patent/JP3171251U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3171251U publication Critical patent/JP3171251U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

【課題】高い通気度を有し、屋外でも蒸し暑さを感じにくく着用して活動することができ、かつ衣料としての必要な強度や硬すぎない着用感を確保でき、さらには着用する人体を虫の攻撃から守る効果を発揮する、防虫保護衣料を提供する。【解決手段】不織布からなる防虫保護衣料であって、不織布を構成する繊維の少なくとも一部が熱可塑性樹脂からなる。不織布の表面に平均孔径0.5〜3.0mmの連通孔を有し、連通孔の密度が5〜40個/cm2であり、不織布の通気度が360cm3/cm2・s以上であり、不織布の目付けが25〜100g/m2である。不織布を構成する繊維の一部に防虫剤が付与されている。【選択図】図1

Description

本考案は、通気度が高く着用によって蒸し暑くなりにくく快適で、かつ防虫効果のある、保護衣料に関するものである。
従来、不織布による保護衣料は安価なこと、衣料として使用できる強度や伸度を有していること、ある程度の防塵性能を有していることから、織物や編物による生地の保護衣料に替わり、特に使い捨ての保護衣料として多くの分野で使用されている。不織布による保護服には、防塵機能を高めたフィルター性能を持つものや、サージカルガウン向けに撥水性、撥油性のような機能を付与したものも多く提案されている。この場合、不織布の目付けは保護衣料としての使用に耐える強度を有したものである必要があり、一般的には25g/m2以上の目付けのものが使用され、さらに撥水性や撥油性、防塵機能のために通気度の低いものが使用される。しかし、通気度の低さは、衣料として用いた場合に蒸し暑さの要因となり、機能を優先するために着用時の快適性が犠牲となっているのが現状である。
保護衣料として期待される機能の一つに、防虫性能がある。特に屋外で快適に園芸や農作業を行ったり、キャンプや釣りなどのアウトドアのレクレーションを楽しんだりする場合、蚊などに刺されて不快な思いをすることのないように、簡単に保護できる衣料が望まれており、例えば、特許文献1では、不織布などに防虫剤を塗布した防虫効果のある衣料が提案されている。特許文献1では、特に着用時の蒸し暑さを考慮して不織布へ防虫剤を塗工したものが提案されているが、通常衣料としての使用に耐えるのは25g/m2以上の目付けのものであり、この場合、汎用のスパンボンド不織布では通気度は300cm3/cm2・s以下となる。この通気度のレベルの衣料では、特に屋外活動においては蒸し暑く、快適な着用感を得ることはできない。
登録実用新案第3071021号
当考案は、衣料としての十分な耐久性を有しつつ、柔軟性や着心地も良好で、通気性が良好でかつ防虫性能を有して快適性が高く、加えて安価に製造可能な防虫保護衣料を提供することを目的とする。
すなわち、本考案のうち、第1の考案は、下記(1)〜(6)を満足する不織布からなる防虫保護衣料である。(1)不織布を構成する繊維の少なくとも一部が熱可塑性樹脂からなる。(2)不織布表面に平均孔径が0.5〜3.0mmの連通孔を有する。(3)不織布表面に存在する連通孔の密度が5〜40個/cm2である。(4)不織布の通気度が360cm3/cm2・s以上である。(5)不織布の目付けが25〜100g/m2である。(6)不織布を構成する繊維の一部に防虫剤が付与されている。
また本考案のうち、第2の考案は、前記防虫剤が前記不織布を構成する熱可塑性樹脂に練り込まれてなる第1の考案に記載の防虫保護衣料である。
さらに本考案のうち、第3の考案は、前記不織布がスパンボンド不織布である第1または第2の考案に記載の防虫保護衣料である。
加えて本考案のうち、第4の考案は、前記スパンボンド不織布の少なくとも片側の面にメルトブロー不織布が積層されている第3の考案に記載の防虫保護衣料である。
本考案の防虫保護衣料は、連通孔が形成された高い通気度の不織布からなるため、屋外でも蒸し暑さを感じにくく着用して活動することができ、また適度な目付けの不織布により、衣料としての必要な強度や硬すぎない着用感を確保できる。さらに不織布を構成する繊維に含まれる防虫剤によって、着用する人体を虫の攻撃から守る効果を発揮する。
本考案の衣料を構成する不織布に連通孔を連続的に形成する装置の一例
以下、本考案の実施の形態を説明する。
本考案の防虫保護衣料は、熱可塑性樹脂からなる繊維によって構成される不織布であって、不織布表面に特定密度と特定平均孔径とを満足する連通孔を有し、不織布が特定の通気度及び目付けからなることを特徴としている。
本考案の防虫保護衣料を構成する不織布は、熱可塑性樹脂からなる繊維から構成されていることが、不織布特性のバラツキを小さくし、特に後述する不織布の目付けや通気度、不織布を構成する繊維の繊維径を均一化させる意味からも重要である。
前記熱可塑性樹脂は、一般的に繊維として用いられる熱可塑性樹脂であれば特に限定されるものではないが、紡糸安定性や衣料とした場合の着心地や衣料とする際の加工の容易さを考慮すると、例えば、ポリオレフィン系樹脂(低密度、中密度又は高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリC2-4オレフィン系樹脂など)、アクリル系樹脂(アクリロニトリル−塩化ビニル共重合体などのアクリロニトリル単位を有するアクリロニトリル系樹脂など)、ポリビニルアセタール系樹脂(ポリビニルアセタール樹脂など)、ポリ塩化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体など)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体など)、スチレン系樹脂(耐熱ポリスチレンなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂などのポリC2-4アルキレンアリレート系樹脂など)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド612などの脂肪族ポリアミド系樹脂、半芳香族ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリp−フェニレンテレフタルアミドなどの芳香族ポリアミド系樹脂など)、ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂(セルロースエステルなど)などから選択してもよい。さらに、これらの各熱可塑性樹脂には、共重合可能な他の単位が含まれていてもよい。これら樹脂の中から、不織布製造時の生産安定性や、得られる不織布からなる衣料の着心地等の品位特性が良好であることから、ポリオレフィン系樹脂や、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。さらに衣料としての軽量性を重要視したり、後述するような繊維に防虫剤を混合する場合の樹脂への練りこみ易さや繊維の紡糸安定性等を重要視する場合や、さらには使い捨てが可能な衣料用とする場合には、ポリプロピレンを代表としたポリオレフィン系樹脂が好ましく用いられる。
本考案の防虫保護衣料を構成する不織布の目付けは、25〜100g/m2の範囲であることが重要であって、30〜50g/m2の範囲であることがより好ましい。25g/m2未満では、衣料として用いるには薄すぎ、また強度も低く実用性に乏しい。一方、100g/m2を越える高目付けの不織布では、生地が硬くゴワゴワして、衣料として用いるには硬すぎる風合いであり、着用時に不快感を与え好ましくなく、実用性に乏しい。
本考案の防虫保護衣料を構成する不織布の通気度は、JISL1096A法による測定方法で360cm3/cm2・s以上を確保することが重要である。通気度が360cm3/cm2・s未満であると、通気度の不足により人体からの水分蒸散が不足し、衣服内に熱がこもるために蒸し暑い着用感となり、好ましくない。本考案が想定している防虫性能が特に要求される屋外活動では、この通気度による快適な着用感の実現は重要な性能である。
本考案の防虫保護衣料を構成する不織布の種類は、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、水流絡合不織布、紙等、一般的に用いられる不織布であれば特に限定されないが、その中でも本考案の目付けの範囲の不織布である場合に、衣料としての強度特性や柔軟性が得られやすい観点から、スパンボンド不織布またはスパンボンド不織布とメルトブロー不織布との積層不織布が好ましく用いられる。特に、強度特性や通気性や柔軟性、さらには経済性を重視する場合には、スパンボンド不織布が好ましく用いられ、透け防止効果を強調したい場合には、メルトブロー不織布の両側にスパンボンド不織布を積層させた、いわゆるSMS不織布を使用することが好ましい。メルトブロー不織布は、通常直径2〜3μmの極細糸からなり、このためにSMS不織布は同じ目付けのスパンボンド不織布と比較して透け感が少なく、軽量性と透け防止特性とを両立する衣料としてより好適に用いることができる。
不織布を構成する繊維の繊維径は、不織布の通気度が360cm3/cm2・s以上を満足する限りにおいては限定されないものの、衣料とした際の触感性、透け特性や強度特性、不織布の生産性等を加味すると、平均繊維径が1〜100μmの範囲であることが好ましい。
例えば、通常のスパンボンド不織布では、目付けが25g/m2における通気度は約300cm3/cm2・sであり、45g/m2においては約220cm3/cm2・sであり、100g/m2においては約50cm3/cm2・sである。また、メルトブロー不織布の両表面側にスパンボンド不織布を積層させたいわゆるSMS不織布では、同じ45g/m2においては14cm3/cm2・sとスパンボンド不織布と比較してさらにかなり低い通気度である。これらの不織布を用いて360cm3/cm2・s以上の高通気度を確保するためには、本考案の防虫保護衣料を構成する不織布は、連通孔を有することが重要である。連通孔とは不織布の一方の表面から不織布の厚さ方向にそって連続して空間を形成し、不織布のもう一方の表面に到達している空間を示し、連通孔の大きさは不織布の厚さ方向に一定であっても、そうでなくてもよい。また連通孔の断面形状についても、真円状、だ円状、多角状いずれであっても、所望の通気度を満足するものであれば支障はない。
連通孔1個あたりの大きさとしては、平均孔径で0.5〜3.0mmであることが防虫保護衣料として、通気性を良好とし、かつ十分な強度特性を満足する意味合いから重要であって、0.6〜2.0mmであることが好ましい。平均孔径が0.5mm未満の場合は十分な通気性を満足することが困難となり好ましくない。また、平均孔径が3.0mmをこえると、防虫保護衣料として型崩れがしやすい、柔軟性のばらつきが大きくなる、連通孔の間から塵や埃が侵入しやすくなる等の問題が発生し、好ましくない。さらには連通孔を形成する際の製造方法に関して、後述する方法を選択することが困難となり、経済的にも好ましくない。
連通孔の密度は、不織布表面において、5〜40個/cm2であることが防虫保護衣料の通気度を満足し、かつ防虫保護衣料としての強度特性を保持し、さらには衣料の外観上の美しさを保持する意味合いから重要であって、10〜30個/cm2であることが好ましい。連通孔の密度が5個/cm2未満の場合、衣料としての通気度のばらつきが発生し易くなり、好ましくない。一方、密度が40個/cm2を超える場合、衣料としての強度や伸度特性が劣ったり場所によるばらつきが大きくなる等の問題が発生し、好ましくない。
なお、連通孔の平均孔径および/または密度は上記範囲を満足すれば衣料全体で均一でなく、例えば衣料の部位によって異なっていてもよい。
上記平均孔径および密度からなる連通孔を有することにより、衣料として必要な強度特性や風合い、透け防止性と、通気性や快適性とを兼ね備え、さらには経済的にも合理的である防虫保護衣料を提供することが可能となる。
不織布への連通孔の形成方法としては、特に限定されず、ウェブの状態で連通孔が形成されるように、紡糸方法等を調整することによって形成する方法を採用してもよく、連通孔が形成されていない不織布を製造した後に連通孔を形成する方法を採用してもよい。
後者を採用する場合、不織布に針で連通孔を形成する方法であってもよい。例えば、図1のように不織布を連続的に巻き出して、針のついたローラー3に押し付けて連通孔を形成した後、連続的に巻き取る工程を採用することができる。目標とする連通孔の平均孔径および密度を確保するためには、不織布を構成する繊維の種類や、不織布の目付け、厚み、不織布の種類等に応じて、該ローラーの針穴の直径や、針穴の密度を調整し、適合した針つきローラーを作成して、前記の連通孔形成のための連続処理に用いることができる。
本考案の防虫保護衣料を構成する不織布に付与する防虫剤の種類は、防虫効果のあるものなら制限はないが、より少量で効果のあるパーメスリンなどのピレスロイド系の防虫剤や、DEETなどの合成防虫剤、また天然エッセンシャルオイル系のp−メンタン3,8ジオールやシダーウッドオイル、ユーカリオイルなども用いることができる。
防虫剤の不織布への付加方法としては、防虫剤を溶媒に分散させ、グラビア印刷手法で不織布に塗工することもできるし、スプレー噴霧して付与することもできる。また、特許第3963941号に提案されている不織布を構成する熱可塑性樹脂に可溶なポリマー単位と、防虫剤に可溶なポリマー単位の両方のポリマー単位を有するブロック共重合体を用いた液体練り込み技術を用いて防虫剤が練り込まれた繊維からなる不織布を用いることもできる。特に、防虫剤と人体との接触を少なくしたり、防虫剤の徐放性を重要視する場合には、防虫剤が練り込まれた繊維からなる不織布を選択することが好ましい。
より具体的には、例えば、ポリオレフィン系樹脂にポリ(エチレン/プロピレン)−ポリスチレンブロック共重合体、ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック共重合体、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)−ポリスチレンブロック共重合体、ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)−ポリスチレンブロック共重合体およびポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)−ポリスチレンブロック共重合体等のブロック共重合体を混練し、さらに前記の防虫剤を添加して混練し、紡糸用のチップを製造し、溶融紡糸によって糸を製造した上で、防虫剤が練りこまれた糸から不織布を製造する方法を採用してもよく、紡糸用チップを用いて直接防虫剤が練りこまれたスパンボンド不織布やメルトブロー不織布を製造する方法を採用してもよい。前記いずれの方法で不織布を製造する場合においても、周知の装置、方法、製造条件を用いて製造することが可能である。
なお、防虫剤が練り込まれていない繊維からなる不織布(X)と防虫剤が練りこまれた繊維からなる不織布(Y)とを貼りあわせて、衣料として人体に接触する側に不織布(X)が位置し、外表面側に不織布(Y)が位置するように設計されていてもよい。さらに、SMS不織布のようにいくつかの不織布を積層させる場合には、外層側のみ防虫剤が練り込まれた繊維からなる不織布であってもよく、逆に内層側のみ防虫剤が練り込まれた繊維からなる不織布であってもよい。
本考案の保護衣料は、防虫効果を阻害せず、通気性や強度特性が確保されるのであれば、防虫剤以外の成分が含まれていても何ら問題はない。例えば、衣料としての意匠性を向上させるために染料や顔料等が含まれて不織布が染色されていてもよく、また衣料としての快適性を向上させるために、柔軟材、界面活性剤等が含まれていてもよい。
保護衣料としての形態は、人体を覆うものなら特に制限はなく、帽子、上着、頭巾、フード付き上着、上着、ベスト、腕抜き、手袋、マスク、ズボン、靴下、靴カバーなど、人体を虫から守るために着用するものとして利用できる。不織布の原反から、溶着や縫製によって前記衣料類を作成でき、必要に応じてファスナーや手首や足首部分の伸縮性ゴムを取り付けることもできる。
以下、実施例に基づき本考案を具体的に説明するが、本考案は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(1)目付け(g/m2
JISL1094記載の測定方法に基づき、測定を行った。
(2)通気度(cm3/cm2・s)
JISL1094記載のフラジール法に基づき、測定を行った。
(3)連通孔の密度(個/cm2)および平均孔径(mm)
衣料を5cm×5cmに裁断して試料を作成し、光学顕微鏡で試料中の孔径が0.1mm以上の連通孔の数を計測して密度を求めた。さらに試料中の孔径が0.1mm以上の連通孔を50個無作為抽出し、各連通孔の孔径を測定し、その平均値を求めた。なお、連通孔の形状が円形状以外の場合は、円形状に換算した上で値を求めた。
(4)忌避試験
100ccのビーカー内に、砂糖水を含ませた脱脂綿を入れ、該ビーカーの蓋上に直径6cmに裁断し、中心に直径6mmの穴を開けた試料を5枚重ねて検体とした。該検体を直径8cm、高さ14cmの紙製円筒内にいれ、ヒトスジシマカ成虫50個体を紙製円筒内に放ち、放って16時間した後に紙製円筒中に存在する、ヒトスジシマカの個体数を測定した。
比較例1
熱可塑性樹脂としてポリプロピレン((株)プライムポリマー製Y6005GM)85質量部、防虫剤としてp−メンタン3,8ジオール5質量部、ブロック共重合体としてポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)−ポリスチレンブロック共重合体((株)クラレ製SEPS2002)10質量部を混練した上で、190℃で2軸押し出し機ダイヘッドより押出し、索状で取り出し、水中で急冷し、カッターにて切断し、粒状のマスターバッチ用の成型チップを製造した。さらに、上記マスターバッチ用成形チップ10質量部に対して、ポリプロピレンチップ90質量部を混合したチップを用いて、常法により目付け30g/mのスパンボンド不織布を得た。得られた不織布の通気量は280cm3/cm2・sであり、得られた不織布を加工して防虫保護衣料を作成し着用した際に、蒸し暑さを感じた。さらに比較例1の防虫保護衣料につき、上記方法にて忌避試験を実施したところ、2個体のヒトスジシマカが確認された。
実施例1
比較例1に使用したスパンボンド不織布を、図1記載の装置(針つきローラー3の針密度16個/cm、針直径1.0mm)により、連続的に連通孔を形成する処理を行い、連通孔の孔径が0.9mmで孔密度が16個/cmであるスパンボンド不織布を得た。目付けについては連通孔形成前と変化なく、通気量は380cm/cm・sであった。得られた不織布を加工して防虫保護衣料を作成し着用した際に、熱が衣料内にこもることなく、快適性が得られた。さらに実施例1の防虫保護衣料につき、上記方法にて忌避試験を実施したところ、2個体のヒトスジシマカが確認された。
比較例2
比較例1で用いたマスターバッチ用成形チップは用いずに、比較例1で用いたポリプロピレンチップを用いて、常法により目付け12g/mのスパンボンド不織布を得た。得られた不織布の通気量は380cm3/cm2・sであり、得られた不織布を加工して防虫保護衣料を作成し着用した際に、熱が衣料内にこもることはなかったものの、不織布が破断してしまい、衣料としての実用的な強度が得られなかった。また不織布の目付けが低いために、着用した際に肌が透けてしまい衣料としての適性を著しく欠く結果となった。さらに比較例2の防虫保護衣料につき、上記方法にて忌避試験を実施したところ、20個体のヒトスジシマカが確認された。
実施例2
比較例1で用いたマスターバッチ用成形チップ10質量部に対して、同じく比較例1で用いたポリプロピレンチップ90質量部を混合した、不織布原料チップを用意した。そして、不織布原料チップを用いて常法により目付け12g/mのスパンボンド不織布を得た。このスパンボンド不織布の表面に、上記不織布原料チップを用いて、直接溶融紡糸を行ってメルトブロー不織布を積層させた。さらにスパンボンド不織布とメルトブロー不織布とが積層された不織布のメルトブロー不織布表面上に、不織布原料チップを用いて常法により目付け12g/mのスパンボンド不織布を積層させ、最終的にスパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布の順で積層された、SMS不織布を得た。
このSMS不織布に対して、実施例1と同様の装置、方法にて、連通孔を形成し、連通孔の孔径が0.9mmで孔密度が16個/cmであって目付けが30g/mであり、通気量は360cm3/cm2・sであるSMS不織布を得た。
得られた不織布を加工して防虫保護衣料を作成し着用した際に、熱が衣料内にこもることなく、快適性が得られた。さらに実施例2の防虫保護衣料につき、上記方法にて忌避試験を実施したところ、2個体のヒトスジシマカが確認された。
以上、実施例1の防虫保護衣料は、比較例1の保護衣料と比較して高通気性を有し衣料としての快適性を有することが確認でき、さらに比較例2の保護衣料と比較して強度特性や害虫を忌避する効果を有していることが確認でき、防虫保護衣料として優れていることが確認された。また、実施例2の防虫保護衣料についても高通気性、強度特性、害虫忌避効果を有しており、加えて比較例2の衣料に対してだけでなく、比較例1の衣料や実施例1の防虫保護衣料と対比しても優れた透過防止性を示した。
1:連通孔形成装置
2:巻き出しローラー
3:針つきローラー
4:針
5:押し付けローラー
6:巻き取りローラー
7:不織布

Claims (4)

  1. 下記(1)〜(6)を満足する不織布からなる防虫保護衣料。
    (1)不織布を構成する繊維の少なくとも一部が熱可塑性樹脂からなること
    (2)不織布の表面に平均孔径0.5〜3.0mmの連通孔を有すること
    (3)不織布の表面に存在する前記連通孔の密度が5〜40個/cm2であること
    (4)不織布の通気度が360cm3/cm2・s以上であること
    (5)不織布の目付けが25〜100g/m2であること
    (6)不織布を構成する繊維の一部に防虫剤が付与されていること
  2. 前記防虫剤が前記不織布を構成する熱可塑性樹脂に練り込まれてなる請求項1に記載の防虫保護衣料。
  3. 前記不織布がスパンボンド不織布である請求項1または2に記載の防虫保護衣料。
  4. 前記スパンボンド不織布の少なくとも片側の面にメルトブロー不織布が積層されている請求項3に記載の防虫保護衣料。
JP2011004691U 2011-08-10 2011-08-10 防虫保護衣料 Expired - Fee Related JP3171251U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011004691U JP3171251U (ja) 2011-08-10 2011-08-10 防虫保護衣料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011004691U JP3171251U (ja) 2011-08-10 2011-08-10 防虫保護衣料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3171251U true JP3171251U (ja) 2011-10-20

Family

ID=54881615

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011004691U Expired - Fee Related JP3171251U (ja) 2011-08-10 2011-08-10 防虫保護衣料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3171251U (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018003831A1 (ja) * 2016-06-30 2019-04-18 株式会社くればぁ マスク、呼吸負荷型マスクおよびマスクケース

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018003831A1 (ja) * 2016-06-30 2019-04-18 株式会社くればぁ マスク、呼吸負荷型マスクおよびマスクケース
JP7048010B2 (ja) 2016-06-30 2022-04-05 株式会社くればぁ マスク、呼吸負荷型マスクおよびマスクケース

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2242385B1 (en) Composite fabrics
KR101619223B1 (ko) 미용시트 및 그 제조방법
CN1180933C (zh) 具有不对称粘合结构的改进无纺织物
JP5286006B2 (ja) 防水通音フード
JP5442074B2 (ja) 複合ファブリック
KR20100024119A (ko) 나노섬유를 이용한 방수원단
CA2585468A1 (en) Composite fabric with controlled release of functional chemicals
KR20100112615A (ko) 나노섬유로 제조된 소수성 처리된 부직물을 포함하는 내수성 및 수증기 투과성 의복
JP4854214B2 (ja) 吸水性不織布積層体
CN110036147A (zh) 层叠不织布片
WO2013043397A2 (en) Composite fabrics
JP3171251U (ja) 防虫保護衣料
JP4873256B2 (ja) 積層シートおよびその製造方法
JP2009256863A (ja) 複合ファブリック
KR20210120264A (ko) 항균마스크
KR101681162B1 (ko) 항균성 더블 라셀 원단
KR101773451B1 (ko) 중앙 분리형 이형층을 포함하는 자외선 차단 피부밀착성 미용 시트 및 이의 제조방법
JP2017179656A (ja) マスク
JP5944716B2 (ja) マスク
JP2012161524A (ja) マスク
KR20210120555A (ko) 마스크
JP4717673B2 (ja) 吸水・保水シート
CN104997237A (zh) 超薄芳香鞋垫
JPH11241211A (ja) 衣料用インナーおよびそれからなる着衣
JP2023048786A (ja) マスク

Legal Events

Date Code Title Description
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3171251

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140928

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R323111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees